元極妻が考える日大アメフト部事件——「鉄砲玉」に「破門」なんてヤクザ映画の見すぎ

 今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■ヤクザと付き合うのがダメなワケ

 日大のアメフト部事件、前任の監督とコーチの「除名」で落ちつくかと思っていましたが、ちょっと前に「流出」してた理事長さんとヤクザの大親分のツーショット写真がまた浮上したりして、どうなることやらです。でも、「黒い交際」を今になって暴露されるのはさすがにお気の毒です。いい悪いは別にして、ちょっと前までは政財界の大物と大親分のお付き合いは珍しくなかったのです。安倍晋三総理も、そういう問題が取り沙汰されていましたし。

 そもそも、なぜヤクザと付き合うのがダメなのでしょうか?

 暴排条例では、「暴力団関係者と交際しない」ことを基本理念にしています。あくまでも「理念」なんですよ。で、この理念の下に「何かをあげる(「利益供与」といいます)のはダメ」とか「名義貸しをしてはダメ」とか決められているんですね。

 名義貸しはともかく「利益供与」とは何なのかというと、実はよくわかりません。たとえば見た目が「反社会的勢力」な人がコンビニへお弁当を買いに来た時に、売ってもいいのでしょうか? 都条例では、この人が「暴力団員かどうか」を毎回確認しなくてもいいとしています。

「この規定については、努力義務規定であり、例えば、スーパーやコンビニで日用品を売買するなど、通常、一般的に取引の相手方について身分を確認しないような場合についてまで、あえて相手方の確認をするよう求めるものではありません」と、警視庁のサイトにはわざわざ明記されています。

 たぶんどの自治体も同じでしょうね。確認していたらキリがないからなのでしょうが、こういうのって、いちいち書くことなんでしょうか?

 ちょっと笑ったのは、ネット上で反則タックルした日大アメフト部選手のMさんが「鉄砲玉」、タックルを指示した監督が「組長」、コーチが「見届け役」になぞらえられていたことです。除名が「破門」というわけですが、それはヤクザ映画の見すぎ(笑)。

 私はむしろMさんの中に、戦争中に亡くなった少年兵の姿を思いました。一部の権力者たちの勝手で戦死しなくてはならなかった人たちは、どれだけいたことでしょう。なんの補償もなく「死んでこい」と。ヤクザよりひどいです。

 これに対して、ヤクザの鉄砲玉には報酬があります。今はダメですが、かつての鉄砲玉は敵をトれ(殺せ)ば、出所後はそれなりのポジションに就けて、マイホームも買えた時代がありました。家族や愛する人のために自ら志願したんです。

 映画のお話になっちゃいますが、『仁義なき戦い 頂上作戦』では、小倉一郎さん演じる野崎弘が幼い弟妹にテレビを買ってあげるために初めて人を殺します。野崎は組員ではなく、「被爆したお母さんたちと原爆スラムに住んでいるチンピラ」という設定でした。

 では、日大のMさんはどうでしょうか? 仮にタックルが問題にならなかったとしても、テレビはもちろん、お小遣いすらもらえなかったでしょう。もらうべきものではないですしね。

 こういうことは、成功しても失敗しても、悲しい結果にしかなりません。来年の今ごろは、タックル事件をほとんどの人が忘れているでしょうが、ネットには永久に残ります。まだお若いMさんは、お気の毒としかいいようがないです。私はお会いする機会はないと思いますが、周囲の方は温かく見守ってあげてくださいね。

元極妻が語る、神戸山口組「山健組」の代替わりと20年間「刑事被告人」だった親分の死

 今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■ヤクザのマフィア化も心配です

 暑かったり寒かったり、地震があったりで落ち着きませんが、皆様はいかがお過ごしでしょうか? 稼業の世界も何かと落ち着きませんね。

 中でも3年前に発足した神戸山口組の中核組織である「山健組」の代替わりは注目されました。もともとは山口組・田岡一雄三代目の腹心の部下だった山本健一氏がつくった組織で、この5月に五代目体制が発足しています。このことに関連して、神戸山口組からさらに分かれた「任侠山口組」との「三つ巴」の関係の変化や、移籍や引退者の動向が注目されていたのです。

 私のオットの元若い衆の話やネットのウワサによりますと、それほどたくさんの移籍や引退はないみたいですね。それでもメディアは「県警は新人事が抗争の火種になる恐れもあるとみて警戒を強めている」(5月16日付「神戸新聞」)などと、カタギの皆様の不安をあおるのがお得意ですが、まあ今どきドンパチはないですよ。抗争になればトップが逮捕されるからです。ただでさえヤクザ社会への逆風が強い時代に親分不在では、組織が運営できませんからね。実行犯の刑罰も重く、人生の時間ももったいないですし。

 仮に誰かを襲撃するなら、犯人が誰だかわからないようにするでしょう。完全なマフィア化ですね。「きっちり『いい仕事』をして自首する」というかつての日本の侠(おとこ)はもう絶滅です。

 もうひとつ、山口組をめぐって気になるニュースがありました。

 5月9日に、山口組で若頭補佐や顧問を歴任した芳菱会(現・國領屋一家)の元総長・瀧澤孝氏(80歳)が亡くなられました。瀧澤氏は、2009年に引退されていますが、01年に「ボディガード役の子分さんに拳銃を持たせていた」という銃刀法違反で起訴されて以来、亡くなるまでの約20年を「刑事被告人」として過ごされたことで、ヤクザやメディア関係者の間では有名な方です。

 1997年に山口組五代目の若頭だった宅見勝氏が射殺されてから、「親分衆はボディガードに銃を持たせている」という警察の見込み捜査が続いていたのですが、瀧澤氏は「銃の所持は指示していない」と最初から否認していました。

 結果は、一審も二審も無罪。ざっくりいうと、「拳銃を持つように命令したかどうか証拠がない」すなわち「ヤクザだからって、指示したかどうかわからないなら、無罪でいいじゃん」的な判断だったのです。今では考えられませんけどね。でも、最高裁は「明確な指示? そんなこと知るか。暴力団組長に無罪判決なんか出せねえ」と思ったらしく、地裁に差し戻しました。それで、地裁がまた無罪判決を出し、次は高裁が再び差し戻し……という異例の無限ループ裁判となったのです。

 瀧澤氏が亡くなられた日は、大阪高裁でナント8度目(!)の審理となる「第二次差し戻し控訴審」の判決が言い渡される予定でした。氏は以前から体調を崩されていて、この日も弁護団が健康上の理由で公判手続き停止を求めていたと報道にありました。被告人である瀧澤氏が亡くなられたことで公訴棄却となりましたが、ご存命であれば、まだまだ続いていたのでしょう。すごいお話ですね。

 弁護士さんは儲かったかもしれませんが、基本、裁判が開かれるために使われるお金は全部税金です。なんでこんなムダが堂々と行われているのでしょうか? 誰か止める人はいなかったんですかね。

 ちなみに、瀧澤氏の起訴とほぼ同時期に、現在の山口組六代目である司忍氏、三代目山健組の桑田兼吉氏(07年死去)も同様の案件で起訴されています。司氏は一審では無罪だったものの、05年に有罪が確定、桑田氏は一審から有罪で03年に確定して、それぞれ収監されています。そういえば司氏は10億円、瀧澤氏は12億円という破格の保釈金も当時は話題でした。

 今なら間違いなく一審から有罪でしょうが、ズルズルと結論を先延ばしにされるのも、気持ちのいいものではないですね。それにしても、晩年をずっと刑事被告人として過ごされるのって、どうなんでしょうか? 「病状の悪化は、裁判のストレスが原因」とおっしゃる関係者もいらっしゃいます。迅速な裁判を受ける権利は、憲法で保障されているのに、ヤクザにはそれすら認められません。まさにヤクザであることが罪だという「ヤクザ罪」です。

 「それがイヤならヤクザをやめろ」と思われるでしょうね。でも、やめても生活できる方は限られていますし、瀧澤氏クラスになれば、たくさんの若い衆を養わなくてはならないので、簡単にはやめられないでしょう。元当事者として、いろいろ考えさせられるニュースでした。

ヤクザと警察官の禁断の恋! 元極妻が明かす「とにかく女性を口説きたい」男の心理

 今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■捜査情報漏えいだけでなく、お金の無心も

 警視庁新宿警察署の23歳の女性警察官が30代のヤクザと交際、捜査情報を漏らしたとして地方公務員法(守秘義務)違反で書類送検されましたね。女性警察官は依願退職しています。

 報道によると、2人は捜査を通じて知り合い、ヤクザ側の猛烈なアプローチによって交際が始まったようです。捜査情報もですが、お金の無心もされていて、愛想が尽きて別れたのだとか。もともと情報欲しさに口説いただけで、ハニートラップだったとの臆測も流れています。これもアリですね。

 実際には多くはありませんが、女性の警察官や検察官を口説きたがるヤクザはいます。「山は高ければ高いほどチャレンジしたくなる」というアレですね。口説かれる側も不幸な生い立ちなどを聞くと、つい情にほだされてしまうようです。ただし、相手は公務員ですから成功率は高くはないですし、ましてや捜査情報を教えてくれるようなことは、ほとんどないでしょうね。今回は、23歳という年齢もあったのだと思います。

■取調室でイタした刑事さんも?

 そういえば去年の今ごろには、署内でプールしていた旅行資金約150万円を、ホストクラブに通うためにネコババしていた神奈川県警南署の生活安全課経済保安係の女性警察官(24歳)の問題もありましたね。借金や売掛金の負担はかなりあったようで、返すためにデリヘルのバイトをしていたというお話も出ています。

 報道では女性が警察官であることを明かし、指名したホストの気を引くために必死だったそうですから、かなりイタいですね。でも、これはネコババの金額が多いから問題になっただけで、こういう例は結構あると思います。

 「社会的に信用がある」とされる警察官は金融機関から簡単にお金を借りられるので、遊ぶお金のために借金をしている刑事さんは珍しくないんですよ。このホストにハマった女性警察官もカードローンで約500万円を借りていたそうですが、24歳の普通のOLさんに500万円を貸してくれるローン会社はないですよね。若くてもどんどんお金を借りられるんですから、「勘違いすんな」というほうがムリでしょう。そもそも警察はパワハラとセクハラがすごい男社会ですから、女性のストレスはハンパなく、「ちょっと違う世界の男性と付き合ってみたい」と思ってしまうこともあるのではないでしょうか。

■ヤクザの姐さんを口説く刑事!?

 それに、もっと言っちゃうと、男性の刑事さんのほうが異性トラブルは断然多いですよ。職場内不倫はもちろん、被疑者や被疑者の関係者を口説く刑事さんは少なくないのです。「取調室でイタした……」と、武勇伝のように語る刑事さんもいます。もし刑事さんに「オレと付き合わない?」と言われても、「いい天気だね」と言われたくらいに思っておいたほうがいいですよ。

 また、悪質な警察官になりますと、懲役で不在のヤクザの姐さんを口説いてきます。実は私も経験がありますが、警察官に限らず「懲役に行っているヤクザの姐さんやカノジョを狙う」というのは、ヤクザ業界のタテマエとしてはタブー事項です。だって「組のためにがんばった結果として懲役に行く」というのが前提なのですから。そうはいっても「諸事情」からデキちゃうことがありますが、これは人としてダメですよ。私は応じていません。念のため(笑)。

「借金」「薬物でハイ」「恥をさらしたくない」……元極妻が語る、ヤクザが自殺する理由

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■ヤクザになるしかない運命

 ちょっと古い話になってしまいましたが、1月21日に評論家の西部邁先生がご遺体で見つかり、自殺と報道されました。

 西部先生は、親友が「現役のヤクザ」と公言され、暴力団排除にも反対の立場でしたから、以前から注目していたのです。ご著書も何冊かは拝読していますが、共著を含めれば200冊以上あるそうで、全部はムリでした。

 西部先生は「東大の先生と飲むよりも、ヤクザの『海野君』と飲むほうが楽しかった」そうです。その海野さんは焼身自殺されていますが、顔だけが焼けただれていたそうで、自殺かどうかは微妙。詳しくは西部先生の『友情 ある半チョッパリとの四十五年』(ちくま文庫)に書かれています。今はだいぶ高値がついているようですので、海野さんについても触れられているブックレット『あえて暴力団排除に反対する』(同時代社)がオススメです。

 海野さんのお父様は朝鮮籍の日本の軍属で、戦後に戦犯として処刑されていて、お母様は日本人の売春婦。学校の成績はとても優秀だったのに、「ヤクザになるしかなかった」と西部先生も書かれていて、切ない気持ちになります。でも、そういう運命みたいなものを背負ってヤクザになる人は多いです。まあ極妻になるのも運命でしょうかね。

■せめて遺書を書いてほしい

 海野さんはポン中で、西部先生も「1回だけ」打ってもらったことがあるそうです。これだけでも驚きですが、西部先生の少年時代は「サボりの天才」で、「万引きの常習者」だったこともカミングアウトされています。だから、暴排についても異議を述べられてきました。こういう方が学者さんとして活躍されるのは頼もしい限りで、亡くなられたのはとても残念です。

 実は、自殺するヤクザは少なくありません。オットの若い衆や兄弟分の中にもいました。遺書もないまま自殺されると、オットたちも警察に呼ばれますし、ご遺族も困りますから、まず自殺しないでほしいし、するにしてもせめて遺書は残してほしいですね。

 オットの若い衆で、自殺の兆候などまったくなかったコが拳銃自殺した時は、元カノのところまで警察が行き、大騒ぎになってしまったのです。オットも「力になってやれなかった」と、とても落胆していました。私も自殺するとは思っていませんでしたが、いつも黙って何かを考えている感じではありましたね。理由は今もわかりません。

 ヤクザが自殺する理由は、ひとつではないでしょうね。そもそも生命の尊さを教わらずに育ってきてますし、「恥をさらすくらいなら、サムライっぽく死にたい」というプライドの高さもあります。「助けてくれ」とは言いづらいのです。

 あと、今はダメですが、少し前まではヤクザでも生命保険に入れたので、お金のための自殺もあったと思います。借金で首が回らなくなり、ガソリンをかぶった若い衆はウチにもいたのです。オットは「たしかにカネのことを考えすぎると、もう何もかもイヤになって死にたくなる。でも、カネに殺されるのはイヤだなあ」と真顔で言っていました。

 ちなみに原因が思いつかないような場合、薬物でハイになって飛び降りたり、バイクでスピードを出しすぎたりして、「自分でも気づかないうちに死んでいたのでは?」と考えられることもあります。酔ってふざけて川や海に飛び込むのと同じですね。

 なお、最近は暴排のせいで、そもそも組葬ができませんが、自殺の時は組葬をしないのが一般的。組織の立場上、自殺はタテマエとしてご法度だからです。ヤクザになって勘当状態の方も少なくないのですが、私たちがご遺族による家族葬に伺うことは今もあります。葬儀でお見かけする親分衆の奥様は、皆様おきれいで焦ります。自殺もヤクザの宿命なのかもしれませんが、やはり悲しいですね。

 西部先生、安らかに。

元極妻が語る「ヤクザの年末年始」――昔は芸能人のお小遣い稼ぎだった“事始め”

 今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■タレントのお小遣い稼ぎだった「事始め」

 2017年もあとわずかとなりましたね。編集者から「ヤクザの年末年始って、どんななんですか?」と聞かれました。

 最近はヤクザのお正月も質素な感じです。年賀状も組織の名前では出せませんし、ましてや海外や温泉旅行にも行けません。映画『ヤクザと憲法』(16年公開)で、帰るところのない子分さんたちが事務所でお正月を過ごす場面がありましたが、今は事務所の維持すら難しい時代となってしまいました。

 ヤクザのお正月は、前年の12月13日の「事始め」から始まります。毎年報道されていますが、今年は山口組が3つになって、厳戒態勢だったようですね。

 そもそも事始めとは、江戸時代よりも前から主に農事的な感じで「年神様」をお祭りする準備を始める日だったそうですが、それがなんで今のヤクザもやってるのかは……よくわかりません。むしろ事始めといえば、京都・祇園の花街の舞妓さんや芸妓さんが、踊りのお師匠さんやお茶屋さんにごあいさつに行くのが有名ですが、花街と任侠界の事始めだけが注目されるというのは、面白いですね。

 さて、ヤクザの事始めは、組織によって少し違いますが、一門が集まって親分から来年の訓示やお祝いの盃をいただきます。以前は、その後にお酒やお食事も出て、アトラクションもありました。昔のアトラクションには、有名な芸能人さんも出ておられたようです。出演すれば結構なお小遣いになるんでしょうが、紋付き袴や黒いスーツのヤクザがずらっと居並ぶ中で歌ったり、ものまねをしたりするのは、度胸がいることでしょうね。

 今は暴排のせいで絶対ムリですが、こういう芸能人さんたちは、刑務所の慰問もよくされていました。これも親分衆が依頼して行ってもらっていたのです。今は、法務省が2015年から「法務省矯正支援官」の制度をスタートさせて、慰問興行(?)を仕切っています。EXILE ATSUSHIさんやMAX、AKB48の高橋みなみさん、コロッケさんなどのほか「ムショのアイドル」として知られるPaix²(ペペ)のお2人、噺家の桂才賀師匠などが支援官に就任され、慰問にいらしています。これは懲役にとっても励みになっているようです。

 事始めも地味ですが、さらに静かなのが今どきのヤクザのお正月です。1990年代くらいまでは、お正月に親分衆で温泉旅館を借り切って、若い衆も一緒に「刺青出し出し」で露天風呂に入ったこともありましたし、主だった親分衆は皆さん別荘で過ごされていました。私や子どもたちも別荘に呼んでいただいたことは何度かありました。今もこういうことは少しは残っているのかなと思います。いずれにしても、バブルの頃は温泉旅館や別荘の周辺が「高級外車の展示会」状態となっていましたね。黒のメルセデスはむしろバブルの後の印象で、もう少し昔はキャデラックやマセラティ、ポルシェなども多かったです。

 また、ハワイやグアムでゴルフというヤクザもいました。マカオやバハマのカジノは家族を連れて行く感じでもないから……と聞いたことがあります。昔はヤクザもお正月には家族サービスを考えていたんですね。でも、今は本当にひっそりしています。もともとお祭りやおめでたいことが好きな人たちばかりですから、寂しさもひとしおでしょう。

 暴力団排除は、身から出たサビの部分もありますが、やはり世知辛いと思わざるをえません。ご近所のお料理屋さんやお菓子屋さんなども「昔は親分衆がたくさん使ってくれたのに」と残念がっていました。来年はさらにヤクザの締め付けは厳しくなるようで、元極妻としては微妙ですが、皆様どうぞよいお年をお迎えください。

元極妻が語る「ヤクザの年末年始」――昔は芸能人のお小遣い稼ぎだった“事始め”

 今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■タレントのお小遣い稼ぎだった「事始め」

 2017年もあとわずかとなりましたね。編集者から「ヤクザの年末年始って、どんななんですか?」と聞かれました。

 最近はヤクザのお正月も質素な感じです。年賀状も組織の名前では出せませんし、ましてや海外や温泉旅行にも行けません。映画『ヤクザと憲法』(16年公開)で、帰るところのない子分さんたちが事務所でお正月を過ごす場面がありましたが、今は事務所の維持すら難しい時代となってしまいました。

 ヤクザのお正月は、前年の12月13日の「事始め」から始まります。毎年報道されていますが、今年は山口組が3つになって、厳戒態勢だったようですね。

 そもそも事始めとは、江戸時代よりも前から主に農事的な感じで「年神様」をお祭りする準備を始める日だったそうですが、それがなんで今のヤクザもやってるのかは……よくわかりません。むしろ事始めといえば、京都・祇園の花街の舞妓さんや芸妓さんが、踊りのお師匠さんやお茶屋さんにごあいさつに行くのが有名ですが、花街と任侠界の事始めだけが注目されるというのは、面白いですね。

 さて、ヤクザの事始めは、組織によって少し違いますが、一門が集まって親分から来年の訓示やお祝いの盃をいただきます。以前は、その後にお酒やお食事も出て、アトラクションもありました。昔のアトラクションには、有名な芸能人さんも出ておられたようです。出演すれば結構なお小遣いになるんでしょうが、紋付き袴や黒いスーツのヤクザがずらっと居並ぶ中で歌ったり、ものまねをしたりするのは、度胸がいることでしょうね。

 今は暴排のせいで絶対ムリですが、こういう芸能人さんたちは、刑務所の慰問もよくされていました。これも親分衆が依頼して行ってもらっていたのです。今は、法務省が2015年から「法務省矯正支援官」の制度をスタートさせて、慰問興行(?)を仕切っています。EXILE ATSUSHIさんやMAX、AKB48の高橋みなみさん、コロッケさんなどのほか「ムショのアイドル」として知られるPaix²(ペペ)のお2人、噺家の桂才賀師匠などが支援官に就任され、慰問にいらしています。これは懲役にとっても励みになっているようです。

 事始めも地味ですが、さらに静かなのが今どきのヤクザのお正月です。1990年代くらいまでは、お正月に親分衆で温泉旅館を借り切って、若い衆も一緒に「刺青出し出し」で露天風呂に入ったこともありましたし、主だった親分衆は皆さん別荘で過ごされていました。私や子どもたちも別荘に呼んでいただいたことは何度かありました。今もこういうことは少しは残っているのかなと思います。いずれにしても、バブルの頃は温泉旅館や別荘の周辺が「高級外車の展示会」状態となっていましたね。黒のメルセデスはむしろバブルの後の印象で、もう少し昔はキャデラックやマセラティ、ポルシェなども多かったです。

 また、ハワイやグアムでゴルフというヤクザもいました。マカオやバハマのカジノは家族を連れて行く感じでもないから……と聞いたことがあります。昔はヤクザもお正月には家族サービスを考えていたんですね。でも、今は本当にひっそりしています。もともとお祭りやおめでたいことが好きな人たちばかりですから、寂しさもひとしおでしょう。

 暴力団排除は、身から出たサビの部分もありますが、やはり世知辛いと思わざるをえません。ご近所のお料理屋さんやお菓子屋さんなども「昔は親分衆がたくさん使ってくれたのに」と残念がっていました。来年はさらにヤクザの締め付けは厳しくなるようで、元極妻としては微妙ですが、皆様どうぞよいお年をお迎えください。

元極妻が解説するソープの闇――「大宮の火災のような事故はまた起こるでしょう」

 今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■大宮のソープランド街は、大通りからは見えないように規制されている

 今年はもう大きな事故はないかなと思っていたのですが、暮れになって埼玉・大宮のソープランドの火事で男女4名が亡くなられました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 日曜昼間の惨事に周辺は大騒ぎだったようですが、大宮のソープランド街は大通りからは見えないように規制されているので、わかりにくかったかもしれません。東京の吉原は20歳未満の就労はNGで、「自称22歳」とかのアラフォー嬢もゴロゴロいるのに対して、大宮は18歳OKのため、ガチな若い女の子も多かったと聞いています。

 もはや伝統芸となった「マットプレイ」や「くぐり椅子」(わかんない方は検索してくださいね)なんかは、できないコたちばっかりでしょう。私の子どもたちより若い女の子が、カラダを張って働いた挙げ句に火事で亡くなるなんて、本当に悲しいことです。しかも一部では実名報道されていたそうですね。実名の報道被害は、ご本人だけでなく、ご遺族も巻き込んでしまいます。亡くなっただけでも悲しいのに、「あの家の息子はソープで焼け死んだ」なんてご近所で言われ続ける責任を、メディアは取れるのでしょうか? 風俗に行くことは、自慢はできなくても違法ではないのです。

■「元ソープ嬢の姐さん」もいる

 かつてはソープもヤクザのシノギであり、ソープ嬢のヒモになっているヤクザも珍しくありませんでした。今のヤクザは、わかりにくい形で経営に関与しているようです。モメた途端に「コワい人」が出てきたりするのは、むしろよくないと思いますけどね。

 ちなみにヒモもいろいろで、ウチの若い衆に暴力で縛るようなコはおらず、ソープ嬢の気持ちをつなぎ留めておくために涙ぐましい努力をしていました。それこそ真珠を何個も入れたり、お誕生日やクリスマスのプレゼントを質屋さんで真剣に選んだり。私もプレゼントについてアドバイスを求められたことがあります。それで最終的に結婚するコもいたので、「元ソープ嬢の姐さん」がわりといたんですよ。そのコたちからソープの実態をいろいろ聞いてましたから、今回の大宮の事件は起こるべくして起こったんだなとわかりました。

 そもそも、ほとんどのソープランドは建て替えができないんですね。吉原でわりと人気のあったコが、「最初は古くて汚くて驚きました」と言っていました。吉原は「ソープ界の東大」といわれるくらい嬢のレベルは高いのですが、建物はどこも「昭和全開」なんですね。「個室付浴場」は古びたタイル張りとかばっかりで、エレベーターはもちろんないし、階段も狭いのだそうです。大宮のお店も登記上は「築90年」で、階段が狭くて逃げられなかったと報道にありました。もちろん修繕はしていたでしょうけど、火事になったらひとたまりもありません。

 法律では性風俗店の出店は厳しく規制されていて、公園や学校からの距離も決められています。でも規制される前(戦前)からあった建物は「取り壊せ」とまでは言われないので、だましだまし修理しながら使っているんです。「建て替えはさせない。文句があるなら出ていけ」というのが、お上の意向なんですね。だから、全国的にソープランドの建物は古いんですが、例外は福島です。2011年の東日本大震災による津波で壊滅状態になった後、「もう建て替えられない」といわれていましたが、いつの間にか新しいお店ができて、原発関連のお仕事の皆さんの憩いの場となっているそうです。紹介サイトなどで「きれいなお部屋」とあるところは新築でしょうね。

 いずれにしろAVの「強制出演」のように、嫌がる女の子を無理やり風俗で働かせるのは論外ですが、本人たちが納得してがんばっているのであれば、応援したいと思っています。

「大麻はミュージシャン」で「シャブはオッサンと二世」のワケ――元極妻が考える大麻解禁

 今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■「大麻はミュージシャン」で「シャブはオッサンと二世」の法則

 人気ヒップホップユニット「ヒルクライム」のメンバーが大麻を所持していて逮捕されましたね。ヒップホップとかクラブ系の若いミュージシャンは、どうしても大麻のイメージがつきまといますが、マジメにやっている多くのミュージシャンさんがお気の毒です。

 とか書いていたら、浅野忠信さんのお父さまが覚醒剤の使用で逮捕されたという報道がありました。68歳ですって。「いいトシして」とかいうのを越えてますね。ここまできたら、もうシャブくらいいいんじゃないですかね(ダメか)。

 ざっくり「大麻はミュージシャン」で、「シャブはオッサンと二世」という感じですが、これはシャブのほうが値段が高いからです。シャブは今も昔も1グラム1万円が標準で、1グラムを3回に分けて使います。常用レベルだと、毎日1グラム以上使用する人もいますから、若い人はなかなか買えない金額です。もちろん金額は売人によってバラバラで、ASKAさんとかは、もっと高く買っていたようです。清原さんもそうでしょうね。

 これに対して大麻は1グラム4,000円と半額以下ですし、シャブほどの常用性はないので、毎日は使わない人が多いと思います。独特の匂いがあって、なかなか使いにくいですしね。

■マジックマッシュルームは2002年まで合法

 私は薬物(と刺青)には無縁のまま、極妻現役生活(っていうんでしょうか)を終えましたが、覚醒剤はともかく、大麻やモルヒネにはもっと寛容でもいいんじゃないかなーと前から思っています。大麻は、オランダなど合法のところもありますしね。

 オランダが1976年に大麻を合法化した時には、近隣諸国が怒ったそうですが、オランダは治安もいいし、マフィアも小規模なのだそうです。そもそもオランダも、いつでもどこでも堂々と大麻が買える……というわけでもなく、決められた場所(「コーヒーショップ」という名の店舗)で、一定の量を買うそうです。以前はマジックマッシュルームもOKでしたが、今はダメになっています。

 でも、マジックマッシュルームに関しては、日本のほうが寛容でした。2002年に禁止されるまでは、「脱法ドラッグ」としてネットやアダルトショップで普通に売られてましたしね。飲んだ大学生がマンションから飛び降りて亡くなったりして問題になって、ようやく規制されたのです。

 マジックマッシュルームといえば、歌舞伎町の道端で売っていたのを知り合いのSMの女王様が「ウチの犬に食わせよう」と買っていたのを覚えています。「犬」とはもちろんM男さんです。このM男さんは結構な親分さんなんですが(苦笑)、まあ亡くなられたというお話も聞きませんので、大丈夫なんでしょう。

 話がそれましたが、大麻の合法化は、ファーストレディである安倍昭恵さんも訴えておられますね。「『日本を取り戻す』ことは『大麻を取り戻す』こと」とのたまって話題になりました。古来、大麻は神事で使われてきたのに、GHQが栽培を禁じたそうです。昭恵さんと一緒に「大麻取り戻し運動」をされていた人は、大麻所持の疑いで逮捕(パク)られてますけど。

 モルヒネは、がんなどの痛みを緩和するのに使われています。ケシが原料のアヘンから作られるモルヒネは、ヘロインの元でもありますが、がんから生還した極妻の友達が「モルヒネを使ったら、ホンマ楽になったわー」と言ってました。やっぱり薬物が全部ダメなわけではないんですよ。

 思い出すのは、やっぱり禁酒法時代(1920〜33年)のアメリカですね。20年まで、マフィアの主なシノギはギャンブルでしたが、禁酒法が始まるとその裏でギャングのアル・カポネたちがお酒の密造や密輸で大儲けして、テレビドラマや映画にもなりました。また、酒税が取れなくなったことで、アメリカの財政も厳しくなったといわれています。つまりお酒を原則禁止にしたら、マフィアがはびこって、国庫も寂しくなったんですよ。

 だから、日本でも課税を厳しくして大麻を解禁すれば、結構いいかもしれません。でも、そうなると、ヤクザのシノギ(資金源)が1つ減ることになります。今もたまに大麻をおうちで乾燥させたりして逮捕られる人がいますよね。大麻は国内あちこちで自生してるし(在留米兵さんが植えたのが、勝手に増えたという説があります)、ヤクザにとっては覚醒剤ほどではないですが、結構なシノギになっているはずです。つまり大麻を解禁したら、ヤクザが困ることになるのです。暴対法より厳しいと思いますよ。元極妻としては、「ヤクザしかできない人たち」の足を引っ張るようなことはしたくないので、実は解禁は微妙なところですが、大麻合法化の是非自体は、もっと論じられてもいいと思います。

「大麻はミュージシャン」で「シャブはオッサンと二世」のワケ――元極妻が考える大麻解禁

 今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■「大麻はミュージシャン」で「シャブはオッサンと二世」の法則

 人気ヒップホップユニット「ヒルクライム」のメンバーが大麻を所持していて逮捕されましたね。ヒップホップとかクラブ系の若いミュージシャンは、どうしても大麻のイメージがつきまといますが、マジメにやっている多くのミュージシャンさんがお気の毒です。

 とか書いていたら、浅野忠信さんのお父さまが覚醒剤の使用で逮捕されたという報道がありました。68歳ですって。「いいトシして」とかいうのを越えてますね。ここまできたら、もうシャブくらいいいんじゃないですかね(ダメか)。

 ざっくり「大麻はミュージシャン」で、「シャブはオッサンと二世」という感じですが、これはシャブのほうが値段が高いからです。シャブは今も昔も1グラム1万円が標準で、1グラムを3回に分けて使います。常用レベルだと、毎日1グラム以上使用する人もいますから、若い人はなかなか買えない金額です。もちろん金額は売人によってバラバラで、ASKAさんとかは、もっと高く買っていたようです。清原さんもそうでしょうね。

 これに対して大麻は1グラム4,000円と半額以下ですし、シャブほどの常用性はないので、毎日は使わない人が多いと思います。独特の匂いがあって、なかなか使いにくいですしね。

■マジックマッシュルームは2002年まで合法

 私は薬物(と刺青)には無縁のまま、極妻現役生活(っていうんでしょうか)を終えましたが、覚醒剤はともかく、大麻やモルヒネにはもっと寛容でもいいんじゃないかなーと前から思っています。大麻は、オランダなど合法のところもありますしね。

 オランダが1976年に大麻を合法化した時には、近隣諸国が怒ったそうですが、オランダは治安もいいし、マフィアも小規模なのだそうです。そもそもオランダも、いつでもどこでも堂々と大麻が買える……というわけでもなく、決められた場所(「コーヒーショップ」という名の店舗)で、一定の量を買うそうです。以前はマジックマッシュルームもOKでしたが、今はダメになっています。

 でも、マジックマッシュルームに関しては、日本のほうが寛容でした。2002年に禁止されるまでは、「脱法ドラッグ」としてネットやアダルトショップで普通に売られてましたしね。飲んだ大学生がマンションから飛び降りて亡くなったりして問題になって、ようやく規制されたのです。

 マジックマッシュルームといえば、歌舞伎町の道端で売っていたのを知り合いのSMの女王様が「ウチの犬に食わせよう」と買っていたのを覚えています。「犬」とはもちろんM男さんです。このM男さんは結構な親分さんなんですが(苦笑)、まあ亡くなられたというお話も聞きませんので、大丈夫なんでしょう。

 話がそれましたが、大麻の合法化は、ファーストレディである安倍昭恵さんも訴えておられますね。「『日本を取り戻す』ことは『大麻を取り戻す』こと」とのたまって話題になりました。古来、大麻は神事で使われてきたのに、GHQが栽培を禁じたそうです。昭恵さんと一緒に「大麻取り戻し運動」をされていた人は、大麻所持の疑いで逮捕(パク)られてますけど。

 モルヒネは、がんなどの痛みを緩和するのに使われています。ケシが原料のアヘンから作られるモルヒネは、ヘロインの元でもありますが、がんから生還した極妻の友達が「モルヒネを使ったら、ホンマ楽になったわー」と言ってました。やっぱり薬物が全部ダメなわけではないんですよ。

 思い出すのは、やっぱり禁酒法時代(1920〜33年)のアメリカですね。20年まで、マフィアの主なシノギはギャンブルでしたが、禁酒法が始まるとその裏でギャングのアル・カポネたちがお酒の密造や密輸で大儲けして、テレビドラマや映画にもなりました。また、酒税が取れなくなったことで、アメリカの財政も厳しくなったといわれています。つまりお酒を原則禁止にしたら、マフィアがはびこって、国庫も寂しくなったんですよ。

 だから、日本でも課税を厳しくして大麻を解禁すれば、結構いいかもしれません。でも、そうなると、ヤクザのシノギ(資金源)が1つ減ることになります。今もたまに大麻をおうちで乾燥させたりして逮捕られる人がいますよね。大麻は国内あちこちで自生してるし(在留米兵さんが植えたのが、勝手に増えたという説があります)、ヤクザにとっては覚醒剤ほどではないですが、結構なシノギになっているはずです。つまり大麻を解禁したら、ヤクザが困ることになるのです。暴対法より厳しいと思いますよ。元極妻としては、「ヤクザしかできない人たち」の足を引っ張るようなことはしたくないので、実は解禁は微妙なところですが、大麻合法化の是非自体は、もっと論じられてもいいと思います。