河北麻友子ではなくKōki,が表紙、『ViVi』に「忖度する雑誌」「恐怖すら感じる」と批判

 講談社が発行する女性向けファッション誌『ViVi』が、公式Instagramにて、今月23日発売の6月号の表紙をKōki,が単独で飾ることを発表した。Kōki,は言わずもがな、木村拓哉と工藤静香の次女で、昨年5月からモデルとして活動中。満を持しての登場に思われたが、Kōki,の表紙に対してインスタコメント欄には、「がっかりしました」「ショック」「どうして麻友子ちゃんじゃないんですか」と、落胆や批判が200件以上も集中している。

 というのも、『ViVi』で2012年から専属モデルを務めてきた河北麻友子が、この6月号で卒業するからだ。河北麻友子の表紙を期待していた読者の失望は大きい。Kōki,への直接的なバッシングというより「麻友子ちゃんが良かったのに」というコメントのほうが圧倒的に多いのだ。一部を引用する。

<本当に最悪、viviって忖度するつまらない雑誌なんだね>
<kokiちゃんを否定してません。今月をkokiちゃんにする必要があったんですか?って話です>
<これだけViViに貢献してきた麻友ちゃんをなぜ最後まで単独で表紙にしないのか。疑問しか感じません。>
<まゆこちゃんを表紙にしないのを申し訳なく思ってないのが、じゃーん!初登場kokiちゃんです から伝わってくる。恐怖すら感じます。>
<新しい時代っていうか、昭和に逆戻りしたような表紙ですね。最近は逆にこういうのが新しいのかな?よく分からない>

 確かに“大人の事情”でKōki,が登場しているとしか思えないやり方であり、少なくとも「ファンから待望の声が上がっていた新星モデル!」とは言えないだろう。読者の反応がそれを物語っている。

 Kōki,は16歳だが、正直なところ、彼女が同世代の女性ファンを獲得できているかは微妙だ。現状では、工藤静香と木村拓哉のファンがそのままKōki,を応援しているのではないだろうか。

Kōki,が「母親にプロデュースしてもらっている子」から脱却するには?
 Kōki,は昨年5月、15歳にして『ELLE japon』7月号(ハースト婦人画報社)の表紙を飾り、モデルデビュー。母・工藤静香の個人事務所に所属しマネージメントを受ける彼女の夢は世界で活躍するモデルになることであり、デビューから数カ月後には、『ブルガリ』のアンバサダー、『シャネル』のビューティアンバサダーに就任。大塚製薬のCMや日本新聞協会の広告にも起用された。『ELLE japon』以外にも、『Numéro TOKYO』(扶桑社)、『NYLON JAPAN』(トランスメディア)や中国の『紅秀GRAZIA』などのファッション誌の表紙を飾っている。Kōki,がひとつ仕事をすれば必ず、メディアがニュース配信する。その背景に親の知名度があることは疑いようのない事実だ。

 そして「木村拓哉と工藤静香の娘」としての需要が(業界内に)あることも確かだろう。だからこそ、ハイブランドのアンバサダー、ファッション誌の表紙という注目度の高い仕事の依頼も来る。もちろん、大きな仕事を受けることは、Kōki,の“商品価値”をより高めることにつながるので、決して悪いことではない。しかしそれだけでは、Kōki,自身のファンは増えていかず、ハリボテの人気のままになってしまう。

 

 大きな仕事をこなし知名度が上がったとしても、ファンが大勢ついてくるわけではない時代だ。名前だけが先行し、「ゴリ押し」「忖度まみれ」と揶揄される。一方で、とりわけ同世代の女性から支持を得る存在やインフルエンサーは、容貌がカワイイだけでなく自己プロデュース能力に長けている。その賢さやあざとさが、憧れに直結するのだ。

 しかし現在のKōki,は「母親にプロデュースしてもらっている子」で、ティーン女子にとって魅力的な存在とは言えないのではないか。母・工藤静香の影が強すぎるため、Kōki,がステージママに手取り足取り導かれている少女に見えてしまうのだ。

 ただ、だからこそ今後、Kōki,が『ViVi』など身近な雑誌に登場することは彼女自身にとって良い方向性といえる。それこそ河北麻友子のように若い女性たちから支持を得ることが出来るようになれば、七光り感も薄れ、実人気もついてくるかもしれない。とはいえ日本ではなく海外のコレクションでの活躍を望むのだったら、同世代女子の支持などどうでもいいことだろうが。

給料・手当の目減り止まらず、若手社員20人が退社……マスコミ地盤沈下で“勝ち組”共同通信社にも不穏な動き 

 新聞業界に大逆風が吹いている。その象徴が、全国紙の一角を占める産経新聞の苦境だ。

「部数減に歯止めがかからず、広告収入は減少の一途をたどっている。2月には、社員の約1割に当たる180人のリストラを断行。それでも経営の先行きには不透明感が漂っており、中堅・若手社員が次々と社を去っている状況です」(同社関係者)

 なにより関係者に衝撃を与えたのが、業界団体「日本新聞協会」が公表した、来年の新卒採用者の数である。

「ほかの全国紙が数十人規模の新卒社員を確保する中、産経はわずか2人。しかも、そのうちの1人は入社を辞退し、内定式には1人しか顔を見せなかったという話です。社内では『来年以降、会社が存続するのか』と不安の声が渦巻いています」(同)

 ただ、崖っぷちに立たされているのは、産経だけではない。インターネットの隆盛に押され、新聞は業界全体が総崩れしているのが実情だ。新聞協会の調査によると、2000年に約5,370万部あった新聞発行部数は、昨年には約3,990万部に。1,000万部以上の部数減は、最大手の読売の発行部数を超える数字である。

 さらに、この地盤沈下の流れは、新聞のみならず、通信社にまで広がっている。

「日本には時事と共同、2つの通信社があります。もともと時事は経営基盤が弱く、数年前から資産の切り売りや社員数の抑制、経費削減など経営のスリム化に動いていました。一方の共同は、時事と比べて加盟社が圧倒的に多く、安定経営を続けてきましたが、最近、雲行きが怪しいようです」(広告代理店関係者)

 株式会社である時事と違い、加盟社が資本を出し合う社団法人として運営されている共同は、社員の待遇もよく、マスコミの中でも「勝ち組」に分類されてきた。しかし、ここにきて、業界全体に見られる退潮のあおりを受ける場面が見られるようになってきたのだという。

「これまで支給されていた手当が次々と廃止になり、給料も徐々に目減りするようになってきたそうです。それに、この1年で若手社員が20人ほど辞めました。社内にも将来を悲観視するムードが漂っているといいます」(同)

 業界内では、東京五輪後に新聞業界のガリバーである読売が時事を吸収合併し、通信社の事業に乗り出すというウワサも、まことしやかにささやかれている。

「読売が通信社を兼ねるようになれば、価格競争が始まる。そうなると、共同は一気に経営は苦しくなり、現在のような取材体制を保つのは難しくなります。経営陣は、かなり危機感を持って状況を注視しているはずです」(先の代理店関係者)

 水面下で広がる不穏な動きは、マスコミが大再編時代に突入しようとする前兆なのか――。

産経新聞、今春入社の新卒はたったの2人! “アベ友メディア”の急先鋒が崖っぷち

 メディア再編の引き金になるのか?

 全国紙の一角を占める産経新聞が、崖っぷちに立たされている。広告代理店関係者がこう明かす。

「産経の危機的な経営状況については、すでに昨年から一部メディアが報じ、業界内で話題になり始めていました。決定的だったのは、先月公表された、ある数字です」

 関係者の間に衝撃を走らせたのは、業界団体の「日本新聞協会」が発表した今春入社の新卒採用者数だ。

 朝日、毎日、読売、日経の全国紙各社はじめ、北海道や中日などの大手ブロック紙は毎年、数十人単位で新人を採用。

 今年も朝日72人、読売80人、毎日61人といった具合で、各社の採用計画に大きな変化は見られない。そんななかにあって、産経だけがわずか2人の採用にとどまったのだ。

「しかもそのうち、記者採用はたったの1人。一部では『会社整理の前段階として、採用を抑制したのではないか』との臆測まで広がっています」(前出の代理店関係者)

 産経は今春、社員の約1割に当たる規模の早期退職を実施。一部の支局を閉鎖するなどしており、一部メディアでは「全国紙の看板を下ろす」とも報じられている。そんななかで伝えられた一報で、同社の苦境はより鮮明になった格好だ。

 産経といえば、一部幹部が安倍晋三首相と極めて近しい関係にあり、安倍政権に好意的な右派メディアの中でもその存在感は突出している。政権とのパイプを生かして、数々のスクープも飛ばし、右派界隈では熱狂的な読者も獲得していたが、新聞離れが加速する世の流れには抗えなかったようだ。「アベ友メディア」の急先鋒として生き残りを図ってきた産経の窮状があらわになったことで、安倍政権を取り巻く空気も一変しそうな気配が漂っている。

「安倍政権下では、財務省による公文書改ざんや、厚生労働省の統計不正問題など、一発で政権が吹っ飛ぶほどのありえない不祥事が頻発してきた。それでも産経をはじめとする一部の右派メディアがかたくなに政権擁護の姿勢を崩さなかったのは、一強体制を築く安倍政権に追従することで経営上のメリットを得られるからという計算はあったはず。でも、産経の経営難が明らかになったことで、いくら政権に尻尾を振っても、なんの利益も生み出さないことが明らかになってしまった。今後、急速な“安倍離れ”が進む可能性はありますね」(同)

 関係者によると、産経社内では、もともと政治部が主導する露骨な政権寄りの紙面作りへの拒否感も根強くあったという。

 前出の代理店関係者は「産経では、体制への不満を抱える若手や中堅記者の離脱も相次いでいる。彼らが辞めた後、社内で見聞きした一部幹部と政権との癒着を暴露することも考えられる」と声を潜める。

「アベ友メディア」の凋落は、安倍政権の終わりの始まりになるのか――。

産経「高齢者相手に違法勧誘」だけじゃない! ヤクザにも見放された新聞業界の断末魔

 もはや「新聞離れ」という言葉さえ死語になりつつある“死に体”の新聞業界。その窮状を象徴するかのようなニュースが報じられた。

 全国紙の一角を占める産経新聞の販売店が、高額な景品で長期契約の勧誘を行っていたことが発覚。景品表示法に違反する疑いがあるとして、大阪府消費生活センターが大阪の本社を立ち入り検査していたという。

「大阪府内の販売店が、数十万円相当のドラム式洗濯機と引き換えに、1人暮らしの高齢者らに長期の新聞購読契約を勧誘。その後、解約を申し出たところ、『高額な解約金を求められた』として、自治体に苦情が寄せられていたのです。景品表示法は、商品に見合わない高額景品を用いた勧誘を禁じています。自治体側はこれまで再三にわたって指導していましたが、改善が見られないため、今回の措置に踏み切ったようです」(事情を知る関係者)

 浮き彫りになったのは、景品という餌で釣るしか消費者をつなぎ留められなくなった新聞の苦境だ。

 今回、問題が発覚した産経は経営危機がささやかれて久しく、こうしたニュースが報じられても「さもありなん」と納得してしまうのが正直なところ。とはいえ、ほかの新聞社も事情は同じだ。新聞の発行部数を公式に示す「ABC部数」(2018年7月度)によると、朝日、読売、毎日、日経、産経の5大紙は、この1年間でいずれも大きく部数を減らし、合計約129万部減を記録したという。

 退潮著しい新聞業界だが、そもそもこれまで大部数を維持してこられたのは、紙面のクオリティーうんぬん以前に、販売店側の営業力による部分も大きい。

 新聞販売店による強引な販売手法をたとえる言葉として、「インテリが書いてヤクザが売る」というたとえ話があるが、実はこのフレーズ、あながち誇張された表現ともいえない面があるという。

「実際、新聞の拡張はシノギのひとつにしていた」と明かすのは、関東に本拠を持つ、さる暴力団幹部だ。

「今から20年ぐらい前、新聞の販売部数がまだ右肩上がりを続けていた時代は、おいしいシノギだったよ。といっても、もちろんオレが直接勧誘するわけじゃない。息のかかった拡張員を雇って、そいつらにやらせていた」

 力が物を言うヤクザ社会。新聞の拡張をめぐる、組織同士でのシノギの奪い合いもあったという。

「優秀な拡張員を囲っていると当然、実入りもよくなる。だから、販売店同士での拡張員の引き抜きが、しょっちゅうあったんだ。それでトラブルになったら、俺たちの出番だよ。北関東は特に販売競争が熾烈で、よくトラブル処理のために出張っていったもんだよ。あ、それにマッチポンプもやったな。子飼いの拡張員に架空の発注を取ってこさせて、販売実績を水増しする。それで、よその販売店が引き抜きにきたら、『うちの販売員にちょっかい出したな』と、こう出るわけよ。で、解決金として、そいつの販売実績に応じた金を相手からふんだくる。もちろん、その実績ってのは架空のもんだから、こっちは丸もうけってわけさ」

 新聞業界がメディアの雄として君臨した時代。その裏側では、知られざる“仁義なき戦い”が繰り広げられていたのだ。

 冒頭で紹介した産経の違法勧誘の一件は、ヤクザからも見放された新聞業界の、最後の悪あがきといえるかもしれない。

「1年で222万部減」もやむなし? 地方紙トップの相次ぐ”ご乱行”の背景に、業界の構造的問題か

 世界のメディア王といえば、真っ先にその名が挙がるのが、経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」などを傘下に抱えるルパート・マードック氏(87)だろう。また日本では、プロ野球読売ジャイアンツの“陰のオーナー”として君臨し、時の政権にまで影響力を持つ「ナベツネ」こと読売新聞社の渡邉恒雄主筆(92)がいまだ圧倒的な存在感を放っている。

 一方で、日本各地には、地元で大きな影響力を持つ地方メディアも点在している。そんな“プチメディア王”をめぐる騒動が相次いで勃発した。

 最初の舞台は、沖縄県宮古島市で発行されている日刊紙「宮古新報」。1951年に創刊した「時事新報」を前身とし、68年に誕生した地方紙のひとつだ。

 1月10日、同紙の発行元である宮古新報社の経営陣が労働組合に会社清算と、全社員の解雇を通告。これに反発した組合側が「一方的な通告が不当労働行為に当たる」として、沖縄県労働委員会に救済申し立てを行うなど、経営陣 VS.社員の“泥沼闘争”に突入しているのだ。

「騒動の背景にあるのが、創業者でもある座喜味弘二社長による会社の私物化。87歳になる座喜味社長はこの騒動以前から社員へのセクハラ、パワハラが問題視され、労組側と対立していた。労組から再三にわたってハラスメント行為の改善を求められていた最中での突然の通告だっただけに、反発が広がったんです」(地元事情通)

 座喜味社長の特異なキャラクターも注目を浴びた。現地取材でセクハラ・パワハラの有無を問いただす記者に、「セクハラとは何を言うかよ!」と激高。カメラを前に平然と「(社員は)おばさんばかりだよ」と言い放つ姿は視聴者の度肝を抜いた。

 もうひとつの騒動は、明治期創刊の老舗、長崎新聞社(長崎市)で起きた。同社の徳永英彦社長(59)が部下の女性に性的な言動をしていたことが発覚し、謝罪に追い込まれたのだ。

「事件は昨年11月、徳永氏の社長就任を祝う宴席で起きた。徳永氏は、酒をつぎに来た女性社員と男性上司に『(2人は)愛人やろもん』と冷やかすなど、その後もセクハラ発言を連発。しまいには腰を振るマネをするなど、やりたい放題だったようです」(市政関係者)

 ところが、この騒動、社長の謝罪だけで収束しなかった。批判を受けた同社は、朝刊で「本社社長が不適切言動」との見出しで不祥事を詳報し、謝罪記事を掲載する事態にまで発展したのだ。

 その横暴ぶりには閉口するばかりだが、彼らの前時代的な言動を「田舎だから」と切り捨てるわけにもいかないのだという。

 大手紙記者は言う。

「似たような話は地方だけでなく、大手メディアでもよく聞く。そもそもマスコミ全体に上意下達の古い体質が残っており、パワハラ・セクハラが横行する土壌がある。特にその風潮が強いのが編集部門。中でも押し出しが強く、声が大きい連中が出世コースに乗りやすい。業界全体がトップの独裁化を招く構造的な問題を抱えているといえます」

 若者離れが叫ばれて久しいメディア業界。いまも残る昭和メンタルな社風が斜陽化を招く一因になっているのかもしれない。

まだこんな“コネ入社”が……メディア企業と県庁幹部の「癒着」と不条理な「強制人事」

 世の中にはまだ、こんな“コネ入社”が存在したのか……。

 ある地方都市に居を構える某メディアでは、現役の県庁幹部のご息女が父親の“ゴリ押し”により入社。ところが、まったく使い物にならず、周囲を悩ませているという。

 事情を知る全国紙社会部記者が、声を潜めて語る。

「今のご時世、どこも余裕がないのに、よくあんな人を入れますよね。彼女が入社したのは、メディアとしてはかなり老舗の会社。裏口、コネ入社はなかなか認めないはずなのですがね」

 時期は今から3年ほど前にさかのぼる。半ば“自由人”だった彼女だが「たまたま、この会社のトップと県庁幹部が親しい関係だった。外で遊ばせるのもいいが、そろそろ娘を社会人として働かせたいということもあり、採用期間外に『正社員としてなんとか入れてくれ』と話をした」という。

 ところがこのメディアにそんな余裕はなく、結局、系列の下請け会社で受け入れたが「なんと、最初の配属先は報道の外勤。周囲は一斉に『あり得ない……』と口をそろえた」という。だが、何かとミスを繰り返すなどポンコツぶりを発揮し、すぐに他部署へと左遷。これが会社のトップの知らないところで行われたこともあり、後にトップに発覚した際は「すぐに戻せ!」と“強制的人事”が発動されたという。

 ここまでならよくある話だが、問題は、なぜ彼女を特別待遇で受け入れたのかだ。

「実はこのメディア、近々移転することが決まっています。その土地を巡って県庁幹部にかなりの口利きをしてもらったようなんです。その見返りとして娘さんを働かせる、といった形になりました」(別の県庁関係者)

 一歩間違えれば各方面から批判を浴びかねない“裏取引”は、いつになったら撲滅されるのか……。

テレビ不況、ここに極まる……経費削減のために「ニュース番組」を事前収録する地方局の惨状

 CMスポンサーの売り上げが落ち、パワーダウンが指摘されて久しい地上波テレビ局。“経費削減”の影響は、あちらこちらに現れているようで……。

「自社制作番組の削減。これが一番効果ある“経費削減”ですが、局内のモチベーションは下がりますね」

 こう嘆くのは、ある地方テレビ局の編成マン。聞けば、近年では大阪、名古屋など比較的大都市部の地上波放送局でも自社制作のテレビ番組を取りやめ、在京キー局の番組をネットする傾向が高まっているという。

「ただ、フジテレビ系列の月曜、火曜、金曜、日テレ系列の金曜の午後7時台など、近年はゴールデンタイムであってもCMはローカルセールス枠(番組スポンサーを各地方局で調整する時間帯)を設定しているケースが急増。となれば、自分たちで売り上げを立てなければならない。枠が売れればいいのですが、営業力が弱いテレビ局なんかはかなり、苦戦している」(同)

 さらに究極の“経費削減”として、こっそり行われているモノもあるという。なんと、ニュース番組の「事前収録」だ。

「基本的にニュース番組は不測の事態に備えて生放送するのですが、こちらも予算削減によりアナウンサーの早朝、深夜勤務が厳しく制限されています。となれば、事前収録するしかなくなってきているんです。局によっては、午後9時前や深夜帯のニュースを夕方ニュース終了後の午後8時くらいから衣装チェンジして収録。場合によっては、翌朝の分までやるところもあるようです」

 もっとも、選挙や地元で大きな事件や事故が発生している場合はこの限りではなく「生放送で対応する」というのだが、突発的な対応は難しいだろう。

 聖域のない“改悪”は、どこまで進んでしまうのか。

Hagexさん殺害事件で、大手メディアの“スポンサー忖度”発動!「ZOZO批判のセミナー内容はNGで」

 先月24日、福岡市で情報セキュリティー会社員の岡本顕一郎さんが殺害された事件で、テレビ情報番組や週刊誌など一部メディアが、過去に被害者のやっていたIT関連セミナーの内容について「報道NG」としていたことがわかった。その理由は、岡本さんが通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイの失態を扱っていたからだという。

 被害者の岡本さんが殺されたのは、6月24日のブログ運営に関するトラブルのセミナーを開催した直後のこと。ネット上での迷惑行為から「低能先生」というあだ名で呼ばれていた無職の松本英光容疑者が、その迷惑行為を通報するなどしていた岡本さんに一方的な恨みを持って、背後から刺したと見られている。問題のセミナーは、岡本さんが「Hagex」のハンドルネームで活動していた中で、実際に顔出しで登場していた。その内容も含め、事件を報じる上で重要な材料になるのだが、ある情報番組では制作スタッフに「セミナー内容については、できるだけ触れない」と通達があったという。

「触れないというのに、その理由が上からまったく伝えられなかったんですが、こういうときは例外なく、表にしにくい大人の事情がある場合ですよ」と番組スタッフ。

 6月のセミナーは「ネットウォッチ勉強会 かもめ」と題され、シリーズ2度目の開催だった。テーマは、ブログのアクセス数向上や、運営トラブルの対処法を解説するもので、それ自体に報道がNGにする理由は見当たらない。しかし、前回4月、東京・豊洲で行われた1回目のセミナーの方は、オーダーメードのビジネススーツ発売などで話題のファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を扱ったものだったのである。

「なぜZOZOTOWNの祭りは起こったのか?」

 こう題されたテーマは、スタートトゥデイの社員として知られる田端信太郎氏の炎上発言についてだった。3月、田端氏はTwitterで「誰か、高額納税者党を作ってほしい。少数派を多数派が弾圧する衆愚主義じゃないか」と発言し、これには「納税額の少ない人を馬鹿にしている」「庶民を見下す企業」という批判が巻き起こり、多数の人々がネット上で「ZOZOTOWN退会」を宣言したのだった。さらに“富裕層の味方”と揶揄された田端氏はその後、「お金ください」と求めた人に、LINE pay経由でお金を渡すキャンペーンを始め、氏を絶賛する人々が出たことで、これまた「札束で顔ひっぱたかれてる」などと議論になり「乞食祭り」などとも呼ばれる現象に発展した。

 岡本氏は、こうした一連の騒動をセミナーで解説していた。参加者によると「解説は冷静かつマジメな分析で、企業の失態を面白おかしくイジるものではなかった」という。

「ただ、参加費は1,000円で安いのに、定員50名に届かず30名ぐらいしかいなかった。そのせいかHagexさんは次回、福岡での開催を予告しながら『人が集まらないかも』と心配していた」

 知る人ぞ知る地味なセミナーだったわけだが、これが番組的には触れたくない話だったようだ。

「ZOZOTOWNは、いま最も勢いのある企業で、大きな広告主にもなりますから、もともと扱いには神経質でした。前にZOZOを扱った別のニュースでも、コメンテーターに、わざわざ“批判はダメ”と伝えていたほどですからね。だから、セミナーについて触れるなというのは、間違いなくZOZOに気を使ってのものだったはず」(前出の番組スタッフ)

 こうした気遣いは、テレビだけでなく雑誌も同様で、ある週刊誌で本件について記事を書いた記者がこんな話をしている。

「事件についての記事で、ZOZOの炎上を扱った初回のセミナーについて触れた部分が編集部にゴッソリ削除されていた。直接、ZOZOを批判したものではないのに、なぜかうちの編集長やデスクが神経を尖らせているみたいだった」

 メディアは時代が注目する上向き企業にめっぽう弱い。NHKでは『ニュースウォッチ9』が7月3日、スタートトゥデイの前澤友作社長の理念を絶賛するような内容のインタビュー企画をたっぷり時間を割いて放送。これには「とてもニュースと思えない」との異論も出ていた。メディアの“勝ち組”への過剰な気遣いは今後もさらに強まりそうだ。
(文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)

視聴者からも“搾取”せよ!? テレビ業界の新たな「集金術」がエグすぎる!

 企業の景気後退の影響をモロに受けたり、インターネットなどの新たな広告媒体の出現により窮地に追い込まれているのが地上波テレビ局。CM収入も軒並み“値崩れ”している状況は変わらないが、実は近年、その補填目的で視聴者からこっそり“搾取”しているというのだ。

「私たちも最初はこんな“錬金術”が生まれるとは、夢にも思いませんでしたよ」

 そう語るのは、あるテレビ局の若手営業マン。聞けば近年、テレビ番組で頻繁に行われているある“演出”が、そのままお金に早変わりするというのだ。ベテラン放送作家がそのカラクリを明かす。

「彼が言っているのは、主に生放送のテレビ番組内で行われる、電話応募システムの“視聴者プレゼント”のことでしょうね」

 1回かけるごとに一度応募でき、抽選により食料品から現金まで当たるというものだ。

 ここで、局側が“稼いでいる”かどうかを見分ける方法があるという。

「電話番号の最初が『0180』『0067』で始まるもの。応募者には1回50円の通話料金がかかりますが、各局の景品を見ていると軒並み現金が多い(笑)。おいしいエサをまけば、しっかり集金できるので、局側にとってはありがたい話だと思います」(同)

 ちなみに、50円の通話料から手数料などを引いた約15円が局側に入るといい、仮に20万人がコールすれば、約300万円の収入を得られる仕組みだ。

 番組予算が激減している中で小銭を拾わなければならないのもまた、シビアな実情ともいえるのだが……。

著作権的には問題ないとしても手抜き過ぎる……被災地写真を無断使用した“フジテレビのやらかし”

 記者のやらかしなのか。6月の大阪府北部地震の際にTwitterにアップされた写真を無断で使用したフジテレビの態度に非難が集中した。

 問題となったのは、フジテレビ報道局の公式アカウントであるFNNビデオPost(@videopost_jp)。このアカウントは同社が運営する動画・静止画投稿サービスに送られた動画の紹介と共に「Twitterでの取材」も行っているアカウントである。

 つまり、昨今増えている事件や事故の際に、一般市民がTwitterに投稿した写真や動画を「使わせて下さい」と連絡するアカウントでもある。

 そんなアカウントがやらかしたのは、6月の大阪府北部地震直後のこと。被害の状況を写真付きでツイートしていた複数のアカウントに対して「放送に使用させていただきます。許諾が前後し大変申し訳ございません」という連絡を繰り返したのである。

 これまでも、事件や事故の写真をアップロードしたTwitterアカウントに複数のメディアが「写真を使わせて」と群がることは批判の対象になっていた。しかし、サラっと事後報告するケースは前代未聞。Twitterでは「報道機関としては、ちょっとひどすぎませんか」「垢乗っ取られてるんじゃないかって勢いで暴走してる」という批判が殺到する事態となった。

 他人がアップロードした写真を勝手に使っておいて、事後承諾を求めるとは、いったいどういうことなのか。著作権はどうなるのか。

 ところが、これを著作権を侵害されたとして使用料を要求しようとすると、かなりハードルの高いことになりそうなのだ。

「一般の方の<Twitterの画像>ですが、その画像を見ていないのでわかりませんが、単に震災の様子を撮影したものであれば、それは、その撮影者の思想などを表した創作物、すなわち<著作物>ではないとされる場合もあるので、著作権(複製権)の侵害にはならないのではないでしょうか。カメラマンの場合には、ある<画像>を撮影する際、被写体の選択、光の量、構図など、その人の思想などが表れた作品として<著作物>となりますが、単に<今、目の前で起きていること>を撮影したものであれば<今日、世田谷で雨が降りました>旨の文章を使用するのと同じで、無断使用も問題にはならないと考えられます」(弁護士法人ALG&Associatesの山岸純弁護士の見解)

 でも、当のFNNビデオPostの担当者が、そこまで考えて事後に連絡をしたとは考え難い。

 そもそも、カジュアルにTwitterで「写真使わせて」と連絡をしてしまう取材者のメンタリティはどうなってるのか。

「取材というのは、現場に足を運ぶのが大前提。たとえ写真一枚であってもSNSでのやりとりで済ませるのは、明らかな手抜きだと思います。けれども、スマホなどで、その場にいなければ捉えられない場面を誰でも撮影できるようになってしまい、しかもそれをTwitterなどに簡単にアップできるようになりました。そうした『衝撃写真』を、ほかの媒体は使ってるのに自社だけが使ってないとなることを恐れている人が多いんです。もう、横並びで報じる時代ではないと思うんですが……」(新聞記者)

 取材のとっかかりにTwitterを用いることがあっても、それだけで済ませてしまえば、やはり手抜き。「写真を使わせて」はあっても、「今から、そっちにいきますからお話を」といったツイートを見ないのは、明らかな劣化だと思う。
(文=昼間たかし)