ムロツヨシが2人のヤクザの板挟みに! 『Iターン』は池井戸作品のパロディか?

 7月12日より、ドラマ『Iターン』(テレビ東京系)がスタートした。事前に公開されたイメージショットに写るは、主役のムロツヨシ、そして古田新太と田中圭だ。昨年は『大恋愛』(TBS系)で精神的イケメンを演じていたムロ、6月まで女装姿で「おつかレインボー!」と言っていた古田、そしてハイスペックなおっさんたちにモテまくっていた田中が、今までとまったく違う顔を見せてくれる今作。前クールの同じ枠で放送されていた『きのう何食べた?』(テレビ東京系)に続き、ムチャクチャ豪華な出演者たちである。

第1話あらすじ 広告マンなのに極道になるムロツヨシ

 広告代理店の営業マン・狛江光雄(ムロツヨシ)は、自分の悪口を言ったという理由で部長から最果ての阿修羅支店へ左遷を命じられる。狛江はその話を断れず、妻と娘を残し単身赴任することに。

 支店を立て直そうと、部下と取引先を回る狛江。すると、早々にドラゴンファイナンスという会社からチラシ制作の依頼が舞い込んだ。翌日、土沼印刷を訪ねた狛江は会社の様子を見て「私の求めるクオリティは期待できない」と、同社に今回が最後の仕事だと通告した。

 しばらくしてドラゴンファイナンスから呼び出された狛江は、社長の竜崎剣司(田中圭)からチラシの電話番号の誤植で店の売上が落ちたと責められ、500万円の賠償金を要求された。ドラゴンファイナンスとは表向きの顔で、正体は竜崎が組長を務める暴力団・竜崎組だった。誤植は、仕事を切られた腹いせに土沼建設の社長・土沼昭吉(笹野高史)がわざと行ったものだった。

 そこに、岩切組の組長・岩切猛(古田新太)が怒鳴り込んできた。誤植でチラシに載せられた電話番号は、岩切組が経営するテリヘル店の番号だった。竜崎に捕まる狛江に岩切は無理やり酒を飲ませ、「兄弟盃を交わした。こいつはワシの舎弟や」と狛江を連れ去った。

 岩切組に拉致された狛江は2階の窓から逆さ吊りにされ、迷惑料500万円と上納金月々5万円を約束させられる。こうしてサラリーマンでありながら、岩切組の組員になったのだった。

『Iターン』は2010年に福澤徹三が発表した同名小説が原作。今回のドラマ化に際し、アレンジを加えているところもあれば、元の設定をそのまま生かしている箇所もある。

 まず、阿修羅市行きの飛行機内で起こった出来事。身なりの良いビジネスマンを見て、みすぼらしい自分の靴を隠すなど、ムロは萎縮する。このビジネスマンが隣の席に座るや、2人の間で肘掛けの取り合いが勃発した。結果、あっさり敗北するムロからは腰の弱さが窺える。阿修羅市に到着すると、すれ違うのは危なそうな通行人ばかり。そんな人たちから話しかけられても、目も合わせず足早にムロは通り過ぎる。

 そんな彼の態度が一変したのは、道端でシンナーを吸っている女性2人組を見た時だ。うんこ座りする彼女たちを凝視し、説教しようとさえする。「こっち来いよ!」と挑発されたら、言われた通りに接近し始める強気ぶり。阿修羅支店では、有能に思われようと部下に虚勢を張り続ける。下手に出る印刷会社には、あっさり三行半を突き付けた。

 狛江はそういう奴なのだ。人によって態度を変える。強い者の前ではおとなしく、弱い立場の人間には威圧的。この男の弱さとずるさを表すためには、実は伏線でもなんでもない肘掛けのくだりを原作通り忠実に再現する必要があった。

 この物語は、ムロが古田と田中の板挟みに合う形で展開する。両者ともにヤクザだ。だから、この先ずっとムロは及び腰である。だが、いつの間にかサラリーマンらしからぬ大胆さが芽生え、緩やかなキャラ変が行われていくから期待してほしい(原作通りに進むならば)。そういえば、このドラマのエンディングはムロと古田が海岸で仲良く犬の散歩をしている映像だった。

 ところどころ、他局のヒットドラマのオマージュをぶっ込んでいるのが面白い。

 ドラゴンファイナンスに初めて訪問した際、ムロは部下の渡辺大知と一緒だった。ムロが建物に入ろうとすると、渡辺は「定時なんで」と自分だけ仕事を上がった。完全に、『わたし、定時で帰ります。』(TBS系)を意識した流れである。

 また、岩切組に連れ去られたムロは、カメラ目線で視聴者にこんなことを訴えた。

「皆さん、違うんですよ! このハードなドラマの展開、違うんですよ! これは、僕が中年の危機を乗り越える感動の物語なんですよー!」

 ムロの長ゼリフは、TBS日曜21時台でおなじみの池井戸潤作品のコンセプトそのままだ。あの世界観をパロディするムロ。この構図って、まさしく『LIFE!~人生に捧げるコント~』(NHK)だろう。内村光良と『集団左遷!!』(TBS系)のコントを演じるムロを、本人がオマージュしているみたいである。

 あと、田中がムロに言った「俺は優しいほうだぞ?」のセリフ。原作通りのキャラ設定なら、この男が優しくないのは明らかだ。「優しいほうだぞ?」に間髪入れず、『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)ばりに「んなわけねえだろっつうの」と突っ込みたくなってしまった。

 これらの気になるフックを散りばめつつ、初回の内容は様子見といったところだった。実写版『Iターン』についての評価は次回以降に持ち越しだ。

(文=寺西ジャジューカ)

ムロツヨシ、新井浩文保釈で再注目!「完全無視」でも「目を見て激怒」でも、非難殺到は回避できず!?

 派遣型マッサージ店の女性従業員への強制性交罪で勾留されていた新井浩文(40)被告が27日夜に釈放された。罪状はほぼ認めているようで、保釈金は500万円。警視庁本部から現れた新井被告から報道陣へのコメントはなく、うつむいたまま関係者の車に乗車するとそのまま事件現場である自宅へと向かった。

 被害者との示談は成立するのか、数億単位と言われる賠償金は誰がどう支払うのか。まだまだ話題に事欠かない今回の事件だが、他方、新井の盟友として知られる俳優のムロツヨシ(43)の動向にも注目が集まっている。

 「ムロは新井の逮捕が報道された当日に『こっから、また、応援しよう』や『これから飲みに行ってくるよ、これそうだったら連絡してな、』などと新井への支援と思われるツイートをしたとして、ネット民から『性犯罪者を擁護するのか?』と総叩きに遭いました。その後発言はサッカー日本代表へ向けたものだと言い訳をして謝罪に至ったわけですが、二人の親密さは公然の事実。逆に、新井へのフォローがない場合、それも不自然な話だと思われてしまいそうなのです」(芸能ライター)

 確かにムロと新井は二人きりで京都を旅行したり、自身のツイッターには一緒に食事する姿を投稿するなど親友と呼べる間柄であるのは明らかだ。その親友を放置するのもまた、人情派として知られるムロとしてイメージダウンに繋がる可能性はある。

 「ドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)のヒットにあやかり、新井との友情やムロ会の話題など、中年男性同士の友情をネタに人気を獲得した傾向もありますし、ムロとしては今回の発言もそういった人情アピールのつもりだったのかもしれません。しかし男気があろうが犯罪者を擁護したとあってはスポンサーから苦情が来るのは明らかです。作品もそうですが、ムロ個人もパナソニックなど大企業のコマーシャルに多数出演していますので。ムロとしては新井などスパッと切り捨てなくてはいけないのですが、自身が作り上げた人情派のようなイメージによりそれもまたし難い。前も後ろも、どちらに進んでも茨の道が待ち構えていると言えます」(前出の芸能ライター)

 長い下積み生活を経てようやくブレイクしたムロだが、またしても前途は多難な模様。身から出た錆とは言え、なんとかこの難局を切り抜けて欲しいものだ。

『いだてん』大コケでNHKはクドカンと決別? さらにはムロツヨシの未来にも影響が……

 視聴率不振にあえぐNHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』(以下『いだてん』)。2月10日放送第6話の平均視聴率の9.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、大河ドラマ史上最速での1ケタ台転落となった。さらに、17日放送の第7話では平均視聴率9.5%とさらに下落。視聴率は下がる一方だ。

「低視聴率の理由のひとつとして挙げられるのが、宮藤官九郎の脚本。コミカルなクドカン特有のノリは、大河ドラマの視聴者とフィットしなかったということでしょう」(テレビ誌記者)

 宮藤官九郎は2013年にNHKの連続テレビ小説『あまちゃん』で脚本を担当。ドラマは大ブームとなった。

「『あまちゃん』は、話題性の高いドラマではあったものの、視聴率は平凡な数字でした。そういう下地があったうえでの『いだてん』大コケですからね。NHK内でのクドカン評価は微妙でしょうね」(同)

 今回の『いだてん』ショックは、クドカン以外の脚本家にも影響がありそうだという。

「『いだてん』が当たっていれば、クドカンのような個性的な脚本家を、大河ドラマや朝ドラに起用する流れができていたかもしれない。でも、クドカンもダメだったということで、シンプルな脚本のほうが数字が取れる――という判断になっていくでしょう」(同)

 実は業界内では、今後NHKに起用されるのではないかと噂されていたのが、『勇者ヨシヒコ』シリーズや映画『銀魂』シリーズなどを手がけた福田雄一だった。

「クドカンよりもコメディー色が強い福田に朝ドラや大河をやらせたら面白くなりそうだ……なんていう話はよく聞きます。NHK関係者も興味を示していたんですけどね。クドカンでダメなら、福田も無理ですかね……」(テレビ局関係者)

『いだてん』では、クドカン作品の常連である阿部サダヲが中村勘九郎とともにダブル主演を務めているが、仮に福田が大河ドラマの脚本家に指名されたら、福田作品の常連俳優が起用されることになっていたのだろうか?

「福田作品の常連といえば、ムロツヨシ。もしかしたら、数年後に福田が大河の脚本を担当して、ムロが主演をやっていたかもしれない――ということですね。『いだてん』がコケた今となっては、完全に夢物語ですが……」(同)

 さまざまなところに影響を及ぼしそうな『いだてん』。クドカンの罪は大きい?

ムロツヨシ出演でテレ東特別ドラマ『二つの祖国』が大ピンチ! 新井浩文言及ツイートに局内でも激怒の声!?

 俳優の小栗旬が主演を務め、3月23日、24日の午後9時~11時24分に2夜連続で放送されるテレビ東京開局55周年特別企画ドラマスペシャル『二つの祖国』で、女優の多部未華子と仲里依紗がヒロインを演じることが発表された。

 同ドラマは作家・山崎豊子の同名小説が原作で、民放で映像化するのは初めての作品。天羽賢治とチャーリー田宮という日系2世の2人が、友でありながらも。激動の時代の中で宿命のライバルへと変わっていくという内容で、多部は2人から愛され翻弄する井本梛子を、仲は天羽の妻・エミーを演じるという。

 小栗に多部、仲と、現在人気の俳優女優が集まった同ドラマ。それだけに、世間の注目も集めているよう。しかし、その注目が、ある俳優が出演するために、あまり良いものではないようだ。

「ムロツヨシさんがチャーリー田宮を演じるのですが、ネットでは『ムロが出てるなら見ない』とブーイングの嵐。やはり、親友の新井浩文容疑者に言及した自爆ツイート事件がよぎるようで、一応、『「こっからまた応援しよう」はサッカー日本代表に向けて』と否定しましたが、まだ尾を引いているようですね。昨年の『大恋愛』(TBS系)出演で生まれたあの人気はどこへやら。本当に皆無の状態ですよ」(芸能ライター)

 昨年末には同ドラマが映像化されることと小栗とムロがメインキャストであると発表され、『ムロと小栗って福田組コンビじゃん(笑)』『2人なら安心!』『コミカルじゃない演技の2人って新鮮!』と、好評の声が多かったが……。ムロの自爆ツイートにより、放送前から批判に晒されることとなってしまい、同局関係者の間でもムロに激怒する声が上がっているそうで、

「開局55周年記念ドラマだけあって、“テレ東史上最強キャスト”という声も上がっていた。当初はテレ東も強気でしたが、ムロさんのあの軽はずみな自爆ツイートにより、放送前から『見ない』なんて声が殺到する事態になってしまい、内部からもムロさんに対して激怒している声があがっているよう。今後はドラマ起用に反対する声も強まっていきそうな雰囲気がありますね」(ドラマ制作関係者)

 最近では「ムロのCMを見るだけで不快になる」との声も上がっているだけに、これまでのような活躍は望めないかも。“親友擁護”の代償は高くついてしまったようだ。

ムロツヨシ、Twitter炎上……ファンを喜ばせた「新井浩文とのイチャイチャ」の功罪

 強制性交罪の容疑で逮捕された俳優・新井浩文容疑者に対するムロツヨシのTwitterが、良くも悪くも話題となっている。        

 新井容疑者の逮捕を受けてムロは2月1日、「この時に、呟かないような関係ではないんです、呟きます、」「目を見て、悪いことをした、と言ったら、思いっきり、叱ります、嫌という程、叱ります、それだけです、まだ目を見てない、だから俺は普段通り、これから飲みいってくるよ、来れそうだったら連絡してな、いってくるね、」とTwitterに投稿。さらにその後、「こっから、また、応援しよう、(^^)、」とも投稿したが、こちらは新井容疑者に向けたものではなく、アジアカップ決勝戦でカタールに敗れたサッカー日本代表に対する言葉であると釈明した。

「投稿するタイミングがあまりに悪く、『応援しよう』が日本代表ではなく新井容疑者に向けられたものだと思われても仕方ない。有名人としてはSNSをやるセンスがあまりないのかもしれませんね」(ITジャーナリスト)

 ムロと新井容疑者はプライベートでも仲が良く、これまでTwitter上でも何度もやりとりしている。ムロのファンだという20代の女性はこう話す。

「いつもムロさんが新井さんのつぶやきに反応するのを見て、微笑ましく思っていました。2人の仲の良さがすごく伝わってきて、ほっこりしていたんです。ムロさんのTwitterは、山田孝之さんとかいろんな俳優さんの話題も出てくるんですが、おじさん同士のイチャイチャが見られて楽しい。新井さんが逮捕された後のつぶやきは、仲間思いのムロさんらしさが出ていて、個人的にはぐっときました」

 ファンにとって、ムロのTwitterはとても重要な存在のようだが、関係者にしてみれば、負の側面も感じていることだろう。

「新井容疑者の逮捕というような事態になったとき、過去のツイートなどをほじくられて、ムロまで妙な疑惑を持たれてしまう可能性もゼロではない。ましてや、新井容疑者との関係性からムロが擁護に近いような発言をしており、そこで誤解を生むかもしれない。本人にはまったく悪気もないし、問題ないと思っていても、炎上してしまうのがSNSの怖いところですからね。特に売れている俳優さんなどの場合、炎上トラブルがいろいろな仕事に影響するかもしれないわけであり、そういう点では、リスクになっていることは間違いないでしょう」(前出・ITジャーナリスト)

 ドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)のヒットからもわかるように、“おじさん同士のイチャイチャ”が人気コンテンツとなっているのは事実であり、ムロのTwitterもそういった需要に応えるものだったのだろう。とはいえ、炎上してイメージが悪くなってしまっては、まったく意味がない。ある側面では宣伝効果もあるが、別の側面ではすべてをぶっ壊しかねない危険性を孕んでいるのがSNSというもの。リスクを回避するという意味では、有名人はできれば自分でSNSをやるべきではないのかもしれない。今さらだが。

ムロツヨシ、親友・新井浩文を擁護で嫌悪感が蔓延中! 2019年飛躍できず、“苦労人時代”に出戻りか

 派遣マッサージの30代女性に性的暴行を働いたとして、2月1日に逮捕された俳優の新井浩文容疑者。

 芸能界に激震が走る中、新井と親交のあった俳優のムロツヨシは同日、自身のTwitterにて「この時に、呟かないような関係ではないんです、呟きます」「目を見て、悪いことをした、と言ったら、思いっきり、叱ります、嫌という程、叱ります、それだけです、まだ目を見てない、だから俺は普段通り」とツイート。さらに同日深夜には「こっから、また、応援しよう」など、新井に向けたと思われる言葉をツイートした。

 しかし、このツイートが大批判を浴びると、ムロは4日、サッカーについてのツイートだったと釈明。「この呟きは、アジアカップの決勝戦をみて、代表への思いでした誤解を招くような呟きを反省して、謝罪させてください、申し訳ありませんでした」「被害者の方に対して配慮がありませんでした、申し訳ありません」と謝罪の言葉をつづっている。

 この釈明を受け、ネットでは「絶対嘘(笑)」「慌てて言いワケしたね。なんだこいつ」「見損ないました!」「あのタイミングでこれはちょっと……」「非常識じゃない?」と批判が相次いでいる状態だ。

 ムロといえば、昨年秋のドラマ『大恋愛』(TBS系)が好評で、今年はさらなる飛躍を遂げるであろう俳優としてカウントされていた1人。しかし、この不用意なツイートのせいで、世間からの好感度が急落する結果を招いてしまった。

「新井が起こした事件の深刻さをきちんと理解していたら、あんなツイートはとてもできなかったでしょう。現在、世間ではムロに対し嫌悪感が蔓延していますが、それは芸能界でも同じです」と語るのは、映画会社関係者。

「名バイプレイヤーだった新井には現在進行形の仕事が多数あり、とにかく業界中に迷惑をかけまくっている状態。事務所関係者はお詫び行脚に明け暮れています。新井の所属事務所は浅野忠信さんの実父が設立しましたが、彼も覚せい剤で二度逮捕されるなど問題続き。所属俳優には山口百恵さんの次男の三浦貴大さんや、浅野さんとCHARAさんの長男の佐藤緋美さんなど豪華な二世俳優がいますが、この事件を機に別事務所へ移籍するのではないかといわれています」

 それほどの大事態なのにもかかわらず、のんきにキレイごとをツイートしたとして、ムロに対し怒り心頭の芸能界関係者は多いという。

「ムロの無神経さに怒りを覚える映画関係者やドラマ制作関係者はかなりいるようで、ムロも干されてしまうのでは? という話もありますよ」(同)

 20代の頃から下積みを続け、やっと人気俳優になったムロだが、新井の余波で一気にまた苦労人と逆戻りするのだろうか……。

ムロツヨシ、親友・新井浩文を擁護で嫌悪感が蔓延中! 2019年飛躍できず、“苦労人時代”に出戻りか

 派遣マッサージの30代女性に性的暴行を働いたとして、2月1日に逮捕された俳優の新井浩文容疑者。

 芸能界に激震が走る中、新井と親交のあった俳優のムロツヨシは同日、自身のTwitterにて「この時に、呟かないような関係ではないんです、呟きます」「目を見て、悪いことをした、と言ったら、思いっきり、叱ります、嫌という程、叱ります、それだけです、まだ目を見てない、だから俺は普段通り」とツイート。さらに同日深夜には「こっから、また、応援しよう」など、新井に向けたと思われる言葉をツイートした。

 しかし、このツイートが大批判を浴びると、ムロは4日、サッカーについてのツイートだったと釈明。「この呟きは、アジアカップの決勝戦をみて、代表への思いでした誤解を招くような呟きを反省して、謝罪させてください、申し訳ありませんでした」「被害者の方に対して配慮がありませんでした、申し訳ありません」と謝罪の言葉をつづっている。

 この釈明を受け、ネットでは「絶対嘘(笑)」「慌てて言いワケしたね。なんだこいつ」「見損ないました!」「あのタイミングでこれはちょっと……」「非常識じゃない?」と批判が相次いでいる状態だ。

 ムロといえば、昨年秋のドラマ『大恋愛』(TBS系)が好評で、今年はさらなる飛躍を遂げるであろう俳優としてカウントされていた1人。しかし、この不用意なツイートのせいで、世間からの好感度が急落する結果を招いてしまった。

「新井が起こした事件の深刻さをきちんと理解していたら、あんなツイートはとてもできなかったでしょう。現在、世間ではムロに対し嫌悪感が蔓延していますが、それは芸能界でも同じです」と語るのは、映画会社関係者。

「名バイプレイヤーだった新井には現在進行形の仕事が多数あり、とにかく業界中に迷惑をかけまくっている状態。事務所関係者はお詫び行脚に明け暮れています。新井の所属事務所は浅野忠信さんの実父が設立しましたが、彼も覚せい剤で二度逮捕されるなど問題続き。所属俳優には山口百恵さんの次男の三浦貴大さんや、浅野さんとCHARAさんの長男の佐藤緋美さんなど豪華な二世俳優がいますが、この事件を機に別事務所へ移籍するのではないかといわれています」

 それほどの大事態なのにもかかわらず、のんきにキレイごとをツイートしたとして、ムロに対し怒り心頭の芸能界関係者は多いという。

「ムロの無神経さに怒りを覚える映画関係者やドラマ制作関係者はかなりいるようで、ムロも干されてしまうのでは? という話もありますよ」(同)

 20代の頃から下積みを続け、やっと人気俳優になったムロだが、新井の余波で一気にまた苦労人と逆戻りするのだろうか……。

『大恋愛』アルツハイマー患者は、消費されて捨てられた……残酷な最終回に「後味悪すぎ」

 14日に放送されたドラマ『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)最終回の視聴率は13.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。過去最高です。おめでとうございます。

 さて、第1話から好意的なレビューをしてきたし、実際とっても面白い作品だと思っていましたが、まあ最終回は、どうなのこれ。どうなのよ。振り返りましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

 

■あっけなく死んだ

 若年性アルツハイマーが日々進行していた尚ちゃん(戸田恵梨香)が書き置きを残して失踪してから半年。夫の真司(ムロツヨシ)たちはテレビの「見つかりました」的な番組に依頼して、尚ちゃんの居所を突き止めました。

 片田舎の小さな診療所に、尚ちゃんは身を寄せていました。発病前に貯め込んでいた5,000万円の預金通帳を手に「これで面倒を見てくれ」と頼み込んだそうです。診療所の手伝いをしたり、看護師さんに世話をしてもらったりしながら、ゆっくりと時を過ごしていた尚ちゃん。真司の顔を見ても、それが誰だかわかりません。

 診療所の医師から手渡されたビデオカメラには、尚ちゃんの自撮りムービーがたくさん残っていました。小さなモニター画面の中で、真司、真司と語りかける尚ちゃん。

「あたし、あたしね、真司に会いたいな」

 号泣してしまう真司は、医師に促され、“はじめましての人”として尚ちゃんと話してみることにしました。

 真司は、自分と尚ちゃんのことを書いた小説を読み聞かせます。最初はただ、心地よく聞いていただけの尚ちゃんでしたが、自分が病気になったことを真司に告げるシーンで、変化が訪れました。

「『ごめんね、面倒な病気になっちゃって』妻は続けて語った。『ぜんぜん平気。迷惑かけると思うけど』」

 真司がそこまで読み上げると、尚ちゃんが不意に続きを暗唱しました。

「一生懸命生きるから、よろしくお願いします」

「真司……」尚ちゃんが、真司の目を見つめています。

「やっぱり真司は才能あるね、すごい」

 記憶が、そのときだけ戻ったのでした。その日以来、尚ちゃんは真司のことを思い出すこともなく、「それから1年後、尚は、肺炎であっけなくこの世を去った」んだそうです。そのほかいろいろありましたが、大筋そんな感じです。

 

■まず町医者がヤバい

 いや、あのさ、家の前に前後不覚の女が立ってて、そいつが「私アルツハイマーです」と言いながら5,000万円の預金通帳を出して「面倒みてくれ」ってなったときにですよ。言いなりになって面倒みますか? という話です。まず警察でしょ。

 どういうつもりで町医者は身元を引き受けたのか。本人は「家を出てきた」と言っているが、アルツハイマーを自称する通り、意思は不明瞭です。尚ちゃんは財布を置いて出て行ったから健康保険証など身分を明かすものは持っていなかったかもしれないけど、通帳はあったわけです。通帳からは口座名義と銀行支店名がわかるし、警察に届ければ口座から住所氏名はわかります。しかも尚ちゃんには捜索願が出ている。そうじゃなくても「間宮尚」の通帳と間宮真司の著書を持っているわけですから、町医者さえその気になれば、翌日か翌々日には尚ちゃんは真司の家に帰れたのです。彼ら夫婦を引き剥がして、恵一くんから母親との日々を奪ったのは、この町医者です。

「診療所の手伝いをさせた」とか「看護師を雇って世話をさせた」とか、何を勝手なことをやっているのか。この町医者にとって尚ちゃんは患者でもないし、患者扱いで診療行為を行っていたつもりだとしても、家族の意思を確認しようとしないのは、どういう了見か。もうね、犯罪の匂いさえ漂いますよ。何しろこの自称若アル患者には5,000万円の預金残高があるわけです。アルツハイマー患者の財産って、それこそ医療関係者にとって、もっとも慎重に取り扱うべきものでしょう。成年後見制度とかさ、ちゃんと制度があるわけでしょう。ちゃんとしようよ。

 しかも町医者を訪れた時点で尚ちゃんの病気は進行中ではあっても、まだ「何もかも忘れました」という状態ではなかった。適切な治療を受ければ、進行を遅らせることだってできたかもしれないし、何しろ真司と尚ちゃんの義理の父親となった井原侑市(松岡昌宏)という人は、尚ちゃんの主治医であり、アルツハイマーの世界的権威で、最先端医療に携わってる。どう考えても、その時点で井原に診せるのが医者として最善の判断なはずです。専門家でもない町医者が独自の判断で適切な医療を受けさせず、病気の進行を早めてる。まるで「早く全部忘れてしまえ」とでも言いたいかのような。アルツハイマーの診断が下れば、口座を凍結される可能性もありますからね。町医者にとっては、尚ちゃんを専門医に診せないほうが都合がいいわけだ。5,000万円下ろし放題だからね。

 とにかく、アルツハイマーを自称していて、その症状が明らかに見られる患者の意思だけを尊重し、家族の意向を確認しない医者というのはヤバすぎだし、真司はもっと怒ったほうがいい。「お前さえすぐに警察に届けていれば……!」って、怒ったほうがいいよ。井原先生も専門家なら怒れよ。ママも怒れよ。何してんだよ。

■結局、消費された

 性懲りもなく、真司は尚ちゃんの記憶が戻った瞬間を「神様が僕らにくれた奇跡だったのかもしれない」とかポエミーな解釈をしています。そして、それをそのまま小説に書いて『大恋愛~僕を忘れる君と』という新刊を出版しました。どうせバカ売れでしょう。おめでとうございます。

 女神だとか奇跡だとか、結局「また小説を書けた」ことだけが真司にとって大切だったわけだし、尚ちゃんが死んだ後には「尚ちゃんのことはこれで終わり、もう書かないよ」とか言ってる。

 このドラマでは、再三にわたって「作家が身近な病人をネタにすること」の是非について疑問を投げかけてきました。尚ちゃんと同じMCI患者の松尾(小池徹平)は「尚は小説の道具だろ」と真司を糾弾したし、担当編集の水野さん(木南晴夏)も尚ちゃんに「小説家の嫁としての覚悟」を問うたりしていました。

 そういう疑問を、結局疑問のまま放り投げて、ドラマは尚ちゃんを殺して終わりました。病気はネタとして消費されただけで、作品そのものが「難病をネタにすること」とどう向き合ってきたかは示されなかった。真剣に向き合っているというポーズだけだった。

 このドラマで描かれたのは、小説家の嫁が「病気になるまで」であって、尚ちゃんが「病気になった後(完全に記憶を失った後)」のことは何も語られません。

「あれ以降、一度も思い出さなかった」
「あれは奇跡だった」

 真司は、記憶を失った尚ちゃんの面倒を見ることもなく、たまに会いに行くだけで、発症後には生活を共にすることすらしなかった。「あれは奇跡だった」と「死んだ」の間に、本来なら長大で退屈で代わり映えしない、苦難と絶望に満ちた日々があるはずです。人によっちゃ数十年、そういう日々が続くわけです。それがアルツハイマー患者を家族に持つということなんです。

 そういう日々は、小説家である真司には必要なかったと、ドラマは言っている。なぜなら、小説に書けることがないからだ。毎日同じ苦難の繰り返しだからだ。

 だから、ドラマは尚ちゃんを棄てたのです。記憶を失い、「尚ちゃんでなくなった尚ちゃん」は「もう尚ちゃんではない」と、断言したのです。

 病気が進行し、だらしなく口からこぼれ落ちるヨダレを拭ったり、尚ちゃんの激臭ウンコにまみれた大人用オムツを交換したり、ときに癇癪を起こしてモノを投げつけられたり、そうなった尚ちゃんの面倒を見たのは、真司じゃなくて、尚ちゃんの5,000万円で雇われた田舎の看護師だった。

 このドラマが多くの視聴者の涙を搾り取った“大恋愛”の正体は、そういうものです。ボケ切る前の尚ちゃんなら愛せるけど、ボケ切ったら愛せないんです。『僕を忘れる君』は好きだけど、『僕を忘れた君』には興味がないんだ。「尚ちゃんが尚ちゃんでなくなっても、尚ちゃんじゃなきゃ嫌なんだ」と真司が言っていたのも、ハイ、全部ウソでした。

 病気になっても「一生懸命生きるから、よろしくお願いします」と言った尚ちゃんでしたが、どっかで勝手に死にました。早々に死んでくれてよかったね。めでたしめでたし。

 なかなか最低な結論だったと思います。

 

■戸田ムロはすごかった。

 そんなわけで、脚本的には“メッセージ性”だけあって“メッセージ”がないという、そのわりに、すごく悲しい場面や神々しい場面が訪れて泣けちゃうという、いかにもベテランにいいようにやられたなという感想なんですが、戸田さんとムロさんのお芝居はすごかったね。がっつり感情移入しちゃったものだから、余計に最終回の尚ちゃんが不憫で、ひたすらムカついていたのだけど。

 あと、今になって思うと、サンドウィッチマン・富澤たけしが演じた引っ越し屋の木村が、ぼちぼち脚本自体を自己弁護するようなセリフを言わされていたなあと感じます。病気になった尚ちゃんのことを「書くべきだ」とか、いなくなった尚ちゃんを「探すべきでない」とか。真司にとってではなく、物語の進行にとって都合のいいことを、説得力のある雰囲気で述べていました。そういう意味で、富澤さんはすごく信頼されていたのでしょうね。

 そういうわけで、後味悪いけどここで終わります。よいお年を!
(文=どらまっ子AKIちゃん)

『大恋愛』アルツハイマー患者は、消費されて捨てられた……残酷な最終回に「後味悪すぎ」

 14日に放送されたドラマ『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)最終回の視聴率は13.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。過去最高です。おめでとうございます。

 さて、第1話から好意的なレビューをしてきたし、実際とっても面白い作品だと思っていましたが、まあ最終回は、どうなのこれ。どうなのよ。振り返りましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

 

■あっけなく死んだ

 若年性アルツハイマーが日々進行していた尚ちゃん(戸田恵梨香)が書き置きを残して失踪してから半年。夫の真司(ムロツヨシ)たちはテレビの「見つかりました」的な番組に依頼して、尚ちゃんの居所を突き止めました。

 片田舎の小さな診療所に、尚ちゃんは身を寄せていました。発病前に貯め込んでいた5,000万円の預金通帳を手に「これで面倒を見てくれ」と頼み込んだそうです。診療所の手伝いをしたり、看護師さんに世話をしてもらったりしながら、ゆっくりと時を過ごしていた尚ちゃん。真司の顔を見ても、それが誰だかわかりません。

 診療所の医師から手渡されたビデオカメラには、尚ちゃんの自撮りムービーがたくさん残っていました。小さなモニター画面の中で、真司、真司と語りかける尚ちゃん。

「あたし、あたしね、真司に会いたいな」

 号泣してしまう真司は、医師に促され、“はじめましての人”として尚ちゃんと話してみることにしました。

 真司は、自分と尚ちゃんのことを書いた小説を読み聞かせます。最初はただ、心地よく聞いていただけの尚ちゃんでしたが、自分が病気になったことを真司に告げるシーンで、変化が訪れました。

「『ごめんね、面倒な病気になっちゃって』妻は続けて語った。『ぜんぜん平気。迷惑かけると思うけど』」

 真司がそこまで読み上げると、尚ちゃんが不意に続きを暗唱しました。

「一生懸命生きるから、よろしくお願いします」

「真司……」尚ちゃんが、真司の目を見つめています。

「やっぱり真司は才能あるね、すごい」

 記憶が、そのときだけ戻ったのでした。その日以来、尚ちゃんは真司のことを思い出すこともなく、「それから1年後、尚は、肺炎であっけなくこの世を去った」んだそうです。そのほかいろいろありましたが、大筋そんな感じです。

 

■まず町医者がヤバい

 いや、あのさ、家の前に前後不覚の女が立ってて、そいつが「私アルツハイマーです」と言いながら5,000万円の預金通帳を出して「面倒みてくれ」ってなったときにですよ。言いなりになって面倒みますか? という話です。まず警察でしょ。

 どういうつもりで町医者は身元を引き受けたのか。本人は「家を出てきた」と言っているが、アルツハイマーを自称する通り、意思は不明瞭です。尚ちゃんは財布を置いて出て行ったから健康保険証など身分を明かすものは持っていなかったかもしれないけど、通帳はあったわけです。通帳からは口座名義と銀行支店名がわかるし、警察に届ければ口座から住所氏名はわかります。しかも尚ちゃんには捜索願が出ている。そうじゃなくても「間宮尚」の通帳と間宮真司の著書を持っているわけですから、町医者さえその気になれば、翌日か翌々日には尚ちゃんは真司の家に帰れたのです。彼ら夫婦を引き剥がして、恵一くんから母親との日々を奪ったのは、この町医者です。

「診療所の手伝いをさせた」とか「看護師を雇って世話をさせた」とか、何を勝手なことをやっているのか。この町医者にとって尚ちゃんは患者でもないし、患者扱いで診療行為を行っていたつもりだとしても、家族の意思を確認しようとしないのは、どういう了見か。もうね、犯罪の匂いさえ漂いますよ。何しろこの自称若アル患者には5,000万円の預金残高があるわけです。アルツハイマー患者の財産って、それこそ医療関係者にとって、もっとも慎重に取り扱うべきものでしょう。成年後見制度とかさ、ちゃんと制度があるわけでしょう。ちゃんとしようよ。

 しかも町医者を訪れた時点で尚ちゃんの病気は進行中ではあっても、まだ「何もかも忘れました」という状態ではなかった。適切な治療を受ければ、進行を遅らせることだってできたかもしれないし、何しろ真司と尚ちゃんの義理の父親となった井原侑市(松岡昌宏)という人は、尚ちゃんの主治医であり、アルツハイマーの世界的権威で、最先端医療に携わってる。どう考えても、その時点で井原に診せるのが医者として最善の判断なはずです。専門家でもない町医者が独自の判断で適切な医療を受けさせず、病気の進行を早めてる。まるで「早く全部忘れてしまえ」とでも言いたいかのような。アルツハイマーの診断が下れば、口座を凍結される可能性もありますからね。町医者にとっては、尚ちゃんを専門医に診せないほうが都合がいいわけだ。5,000万円下ろし放題だからね。

 とにかく、アルツハイマーを自称していて、その症状が明らかに見られる患者の意思だけを尊重し、家族の意向を確認しない医者というのはヤバすぎだし、真司はもっと怒ったほうがいい。「お前さえすぐに警察に届けていれば……!」って、怒ったほうがいいよ。井原先生も専門家なら怒れよ。ママも怒れよ。何してんだよ。

■結局、消費された

 性懲りもなく、真司は尚ちゃんの記憶が戻った瞬間を「神様が僕らにくれた奇跡だったのかもしれない」とかポエミーな解釈をしています。そして、それをそのまま小説に書いて『大恋愛~僕を忘れる君と』という新刊を出版しました。どうせバカ売れでしょう。おめでとうございます。

 女神だとか奇跡だとか、結局「また小説を書けた」ことだけが真司にとって大切だったわけだし、尚ちゃんが死んだ後には「尚ちゃんのことはこれで終わり、もう書かないよ」とか言ってる。

 このドラマでは、再三にわたって「作家が身近な病人をネタにすること」の是非について疑問を投げかけてきました。尚ちゃんと同じMCI患者の松尾(小池徹平)は「尚は小説の道具だろ」と真司を糾弾したし、担当編集の水野さん(木南晴夏)も尚ちゃんに「小説家の嫁としての覚悟」を問うたりしていました。

 そういう疑問を、結局疑問のまま放り投げて、ドラマは尚ちゃんを殺して終わりました。病気はネタとして消費されただけで、作品そのものが「難病をネタにすること」とどう向き合ってきたかは示されなかった。真剣に向き合っているというポーズだけだった。

 このドラマで描かれたのは、小説家の嫁が「病気になるまで」であって、尚ちゃんが「病気になった後(完全に記憶を失った後)」のことは何も語られません。

「あれ以降、一度も思い出さなかった」
「あれは奇跡だった」

 真司は、記憶を失った尚ちゃんの面倒を見ることもなく、たまに会いに行くだけで、発症後には生活を共にすることすらしなかった。「あれは奇跡だった」と「死んだ」の間に、本来なら長大で退屈で代わり映えしない、苦難と絶望に満ちた日々があるはずです。人によっちゃ数十年、そういう日々が続くわけです。それがアルツハイマー患者を家族に持つということなんです。

 そういう日々は、小説家である真司には必要なかったと、ドラマは言っている。なぜなら、小説に書けることがないからだ。毎日同じ苦難の繰り返しだからだ。

 だから、ドラマは尚ちゃんを棄てたのです。記憶を失い、「尚ちゃんでなくなった尚ちゃん」は「もう尚ちゃんではない」と、断言したのです。

 病気が進行し、だらしなく口からこぼれ落ちるヨダレを拭ったり、尚ちゃんの激臭ウンコにまみれた大人用オムツを交換したり、ときに癇癪を起こしてモノを投げつけられたり、そうなった尚ちゃんの面倒を見たのは、真司じゃなくて、尚ちゃんの5,000万円で雇われた田舎の看護師だった。

 このドラマが多くの視聴者の涙を搾り取った“大恋愛”の正体は、そういうものです。ボケ切る前の尚ちゃんなら愛せるけど、ボケ切ったら愛せないんです。『僕を忘れる君』は好きだけど、『僕を忘れた君』には興味がないんだ。「尚ちゃんが尚ちゃんでなくなっても、尚ちゃんじゃなきゃ嫌なんだ」と真司が言っていたのも、ハイ、全部ウソでした。

 病気になっても「一生懸命生きるから、よろしくお願いします」と言った尚ちゃんでしたが、どっかで勝手に死にました。早々に死んでくれてよかったね。めでたしめでたし。

 なかなか最低な結論だったと思います。

 

■戸田ムロはすごかった。

 そんなわけで、脚本的には“メッセージ性”だけあって“メッセージ”がないという、そのわりに、すごく悲しい場面や神々しい場面が訪れて泣けちゃうという、いかにもベテランにいいようにやられたなという感想なんですが、戸田さんとムロさんのお芝居はすごかったね。がっつり感情移入しちゃったものだから、余計に最終回の尚ちゃんが不憫で、ひたすらムカついていたのだけど。

 あと、今になって思うと、サンドウィッチマン・富澤たけしが演じた引っ越し屋の木村が、ぼちぼち脚本自体を自己弁護するようなセリフを言わされていたなあと感じます。病気になった尚ちゃんのことを「書くべきだ」とか、いなくなった尚ちゃんを「探すべきでない」とか。真司にとってではなく、物語の進行にとって都合のいいことを、説得力のある雰囲気で述べていました。そういう意味で、富澤さんはすごく信頼されていたのでしょうね。

 そういうわけで、後味悪いけどここで終わります。よいお年を!
(文=どらまっ子AKIちゃん)

今夜最終回『大恋愛』戸田恵梨香の“神演技”にハッピーエンドは訪れない!?

 今夜、いよいよ最終回を迎えるドラマ『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)。7日に放送された第9話の視聴率は10.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と2ケタに返り咲きです。

 いやー、それにしても戸田恵梨香。戸田無双です。戸田、すごいお芝居でした。戸田すごい。と、戸田戸田言ってないと戸田が演じる尚ちゃんに感情移入しすぎて泣いちゃうくらい、実に悲しい回です。はい、振り返りましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

■ああ、もう……

 どうやらアルツハイマーの進行は止められないことが確定的になってきた尚ちゃん。無事、夫である流行作家・真司(ムロツヨシ)の子を妊娠することができましたが、喜びもつかの間、すぐさま教えられた出産予定日の「8月2日」をメモします。忘れちゃうので、あらゆることをメモするようになっているようです。家の中も、部屋中がメモ書きの貼り紙だらけ。それにしても達筆です。戸田恵梨香の字なのかな。

 事あるごとに「あなたは妊娠中です(だから体を大切にね)」と念を押す真司に、「うっふふふふ」と新鮮な喜びで応える尚ちゃん。忘れる病気だからこその表情ですが、このあたり、子を迎える夫婦の心温まるエピソードとアルツハイマーによる悲劇が同時進行していく感じで、実にこう、ドラマの質量のようなものを感じます。

 やがて生まれた子どもに、2人は「恵一」と名付けました。いちばん恵まれるように、恵一だそうです。

 恵一はすくすくと育ちます。2人の出会いを書いた前作『脳みそとアップルパイ』は50万部を超えたそうで、真司が新しく始めた続編の新聞連載『もう一度 第一章から』も好評です。

 そんな折でも、尚ちゃんの病状は日々進行しているようです。出版社の間宮担当・水野さん(木南晴夏)が、かいがいしく子どもの面倒を見てくれているからいいものの、もう、ひとりでは赤ん坊の世話もできません。

「4人で暮らしてるみたいですね」とか、わりとドキッとすることを真司に言ってくる水野さんですが、その動機は、あくまで「作家に売れる本を書かせるため」でしょう。少しくらい「作家に優れた文芸作品を書かせるため」というのはあるかもしれないけど、別に特別な感情があるわけではなく、真司が筆を折ればもうこの家に来ないことは自明のようです。その証拠に、真司が「赤ちゃんが生まれたところで終わりたい」と告げると、鬼の形相になって説得にかかります。

「そこが見せ場でしょう」

 今後、尚ちゃんの病気が進行して、真司のことも子どものこともわからなくなって、一家が悲劇に包まれて、本当に大切なものを失って、目の前には「僕を忘れた君」しかいなくなったとき、作家が何を思うのか。それを書け、というのです。

「めでたしめでたしじゃ、読者は納得しません」
「中途半端なものになってしまう」
「逃げないでください」

 編集者というのは、かくも残酷な生き物です。

 しかも、この一連のやり取りを、尚ちゃんは聞いてしまいました。

「あたしの病気が進行しないと、真司の小説は中途半端になってしまうんでしょうか……?」

 死んだ目で、尚ちゃんが水野さんに問います。水野さんの答えは、それでも残酷です。

「違います。奥様は、生きてるだけで、先生の創作の源なんです」

 決して「生き甲斐」だとも「誰よりも大切な人」だとも言いません。担当作家が、作品を仕立て上げるための“道具”。それは前回、MCI(軽度認知障害)患者の松尾(小池徹平)が真司に突きつけた糾弾と同じニュアンスでした。むしろサイコ色ゼロの笑顔な分だけ、水野さんのほうが厳しい。

 当人たちがどれだけしんどくても、それが作品として昇華され、読者を喜ばせてしまえば、価値が生まれる。この夫婦が作品を生み出すことに価値があるのだとすれば、作品を生み出さないアルツハイマーに価値はないと、水野さんは言外に告げているのです。水野さんはそんなことを言葉にして言うつもりはないし、そこにあるのは「おまえたちの“お気持ち”より作品の出来(売り上げ)のほうが大切なのだ」という厳然たる優先順位だけ。つまりは、編集者としてすこぶる優秀ということです。

 水野さんを優秀な編集者として描くことで、このドラマは編集者が作家から作品を刈り取ることの卑しさもまた同時に語っています。もちろん、そうした卑しさの表現には、脚本家である大石静さんの「悲劇を創作するうえでの自戒」も込められているはずです。

 3年後、4年後、どんどん壊れていく尚ちゃん。もう靴も靴下もひとりじゃ身に着けることができません。「自分で服も着られなくなる」──病気が発覚したときに尚ちゃん自身が予測した通り、アルツハイマーは進行していきます。

 そしてついに大切な大切な子どもが自分のせいで行方不明になってしまう事件を起こしてしまいました。恵一がいなくなった当初は、自分が目を離してしまったことすら覚えていなかった尚ちゃん。でも、ようやく見つかってベッドで眠る父子を眺めていると、それが愛おしくてたまらない存在であることは認識できるようです。

 眠る真司にひとつキスをして、尚ちゃんは姿を消してしまいました。テーブルには書き置きが1枚。

「しんじさま ありがとうございました。尚」

 震えて歪んで、かつての達筆が見る影もない文字で、そうしたためられていたのでした。いやー、うまい。筆跡が壊れるって、すごくわかりやすく病状を伝えてて、ホントにうまい。うまい、とか言って評論じみた視点に立たないと、泣いちゃう、このくだり。

 というわけで、今夜は最終回。まるで死に場所を探すネコみたいに、フラフラと家を出て行った尚ちゃん。どうあれ、ここまで病気が進行してしまった以上ハッピーエンドはあり得ないわけですが、果たしてどんな物語になるのか。大石さんが何を作ろうとしたのか、見届けたいと思います。

■そういえば、黄昏流星群の2人は……

 前回、唐突に始まった尚ちゃんママ(草刈民代)と、かつての尚ちゃんの婚約者で元主治医の井原先生(松岡昌宏)の『黄昏流星群』的な関係は、無事ゴールイン。結婚しちゃいました。朝日が差し込む部屋で中年同士がじゃれ合ってるシーンなんかもあって、ちょっとこれ、どう見たらいいのかわからなかったです。最終回で意味が出てくるのかな。まさかマボファン向けのサービスカットってことないよね……?
(文=どらまっ子AKIちゃん)