
『ミナミトノミナモト。』/幻冬舎
――タレント本。それは教祖というべきタレントと信者(=ファン)をつなぐ“経典”。その中にはどんな教えが書かれ、ファンは何に心酔していくのか。そこから、現代の縮図が見えてくる......。
「気が利く」と言われることは、独身女性の必修科目のようなものである。男性優位の日本社会では、男の痒いところに手が届くような女性の方が、評価が高いからだ。しかし、元フジテレビアナウンサー・中野美奈子の初エッセイ『ミナモトノミナモト。』(幻冬舎)は、“ニブい”という才能について教えてくれる。
中野のニブさは読者をハラハラさせる。
かつて林真理子は、「一緒に仕事をする人を友達とは言わない」と言った。女性の社会進出が進んでいなかった1980年代、男のチカラを借りずに自身の才能だけで今日まで上りつめたからこその説得力ある言葉だ。 が、そうは言っても、会社の同期というのは精神的距離が近い存在であり、中野も、さまぁ~ず大竹一樹夫人・中村仁美アナとのこんな“同期エピソード”を本書につづっている。