【日雇いマンガ】73話『曲者ぞろいで大苦戦!? できれば避けたい現場リーダー任務』

――「キツイ」「汚い」「男臭い」……なんとなく近寄りがたいイメージのある“日雇労働”。その、実態はどのようなものなのか? 日雇い労働を生業とするアラサー・柿ノ種まきこが、日雇いの日々と人間模様を紹介します。

第73話『曲者ぞろいで大苦戦!? できれば避けたい現場リーダー任務』

 派遣会社からお願いされる「リーダー」役。

 リーダーとは名ばかりで、要は現場まで無事に辿り着けるように サポートするだけ。

 なーんだ簡単じゃん! と思いきや、強烈キャラ登場で怪しい雲ゆき……!

――毎週、木曜日に最新話を更新。次回74話は年11月21日(木)の更新予定です。

柿ノ種まきこ/@kakinotane_makiko
日雇いをしながらマンガを描くアラサー。過去には、「iVERY」にて婚活マンガ『女もつらいよ』を連載。現在はインスタグラムにて、マンガを不定期投稿。
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これが令和の凄腕スナイパー!? 「ゆるふわ系殺し屋マンガ」2選

『ゴルゴ13』『シティーハンター』『クライング フリーマン』『殺し屋1(イチ)』『ザ・ファブル』などなど……昭和、平成時代に生まれた殺し屋マンガは数多くあります。とりわけ『シティーハンター』はシリアス一辺倒だけでなく、コミカルな要素も取り込み、殺し屋マンガ業界に新しい風を吹き込みました。

 時代とともに新しい要素を加え、進化してきた殺し屋マンガですが、令和時代の殺し屋マンガのトレンドは、ちょっと今までと雰囲気が違います。キーワードはズバリ「ゆるふわ」。どこかユルくてフワッとした雰囲気の女子が、次々とターゲットをスナイプしていく、これが新時代の殺し屋マンガのトレンド。今回は、そんな「ゆるふわ系殺し屋マンガ」2作品をご紹介します。

『幸せカナコの殺し屋生活』

 キャッチフレーズは「読むと元気になる殺し屋マンガ」。コンセプトからして、殺し屋マンガらしからぬ斬新さを感じます。主人公は、ブラック企業を満身創痍で退職したOL西野カナコ。うっかり転職した先が、なんと「殺し屋」でした。うっかりしすぎていて震えます。

……普通にリクルートしてるんかい! という感じですが、葛藤する中、カナコに与えられた初仕事は、なんと自分を退職に追い込んだセクハラDVな元上司。マンガらしいすごい偶然ですね! しかし、いくら嫌なヤツとはいえ、殺すというのはさすがにやりすぎ、ましてやカナコは初心者です。殺せるはずなんかありま……

「あーーー!! 指が勝手にーーー☆」

 一発必中! でした。

 というわけで、さえないOLだったカナコは、殺し屋になって天性の才能を開花させたのでした。

 殺しの才能だけでなく、気配を消す能力も天才的。ベテランの殺し屋が背後に回られたのに気がつかないほど。OL時代に培った空気と同化するというスキルが、まさかこんなところで役立つなんて!

 銃を使えない難しいシチュエーションでも、ゆるふわ感覚で殺っちゃいます。なんか私情100%で殺しをやっているようにも見えますが、ちゃんと依頼されたターゲットです、たぶん……。

「さあ!! 今日も元気に、お仕事お仕事!!」

 このユルさ……殺し屋のイメージが180度変わりますね。

 次にご紹介する『咲宮センパイの弓日』の主人公は女子高生。しかも、弓道部のエースで後輩たちの憧れの存在です。

 咲宮先輩は弓を射る時こそキリッとしてますが、通常時はめちゃくちゃドジっ子、ゆるめの天然キャラです。なにせ、自動改札もマトモに通ることができません。

 電車の中で、思いっきりでかい声で「実は私、殺し屋のバイトをしているの」って言っちゃうあたりも、なんか抜けてます。ただし、あまりに大胆すぎて、誰も信じてくれないので結果オーライです。まあ、普通は自分から殺し屋だって言いませんからね。

 また、弓道少女らしく古風な一面も持っています。ただ……ちょっと「古風」の方向性が間違ってます。

 スマホでGoogleマップが見られる時代に、地図を書状にしたためていたり、スケジュール帳が巻物だったり。すごく……古風ですね。

 また、後輩と深夜バスでの旅行中。やはり普通の女子なら暇を持て余してスマホでゲームなんかをやりそうな状況ですが……。

 一人で紙相撲をやっています。古風というか、ただの変人?

 こんな感じの咲宮先輩ですが、いざ仕事モードになると凄腕を発揮します。

 殺しでも弓道スタイルを貫き、特殊な弓矢でターゲットを一撃必殺。どんな遠距離でも、悪条件でも絶対に外さない、凄腕の殺し屋なのです。

「お命ちょうだいいたしました」

 仕事を終えた後の咲宮先輩の決めゼリフがこれです。時代劇かっ!

***

 この2作のほかにも、デリヘル感覚で凄腕の殺し屋が派遣されてくる『バイオレンスアクション』などもありますが、とにかくこれからの殺し屋は「ゆるふわ」がトレンドなんです。「ゆるふわ」女子を見たら殺し屋と思え――そう心がけて令和時代を生き抜いていきましょう。

(文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん <http://ablackleaf.com/>)

●『幸せカナコの殺し屋生活』
https://sai-zen-sen.jp/comics/twi4/kanako/0001.html

●『咲宮センパイの弓日』
https://yawaspi.com/sakimiyasenpai/

【エッセイマンガ】統合失調症にかかりました~にゃんside〜【20話・トッコウヤク】

 サイゾーウーマンにて連載していた、自身の統合失調症の発症から社会復帰までを描いた闘病エッセイマンガ『統合失調症にかかりました』(著:さいこ)。今回、飼い猫の視点から病気を振り返る特別編がスタート。

 猫から見た、人間の“生き辛さ”とは……。

【過去話はこちらから】

第20話『トッコウヤク』

ー次回21話は11月20日(水)更新予定です。

【前作『統合失調症にかかりました』はこちらから】
自己紹介編
まとめ前編1~9話/まとめ後編10~18話
19話/20話/21話/22話/23話/24話/25話/26話/27話/28話/29話/30話/31話/32話/最終話

※本作品は個人の経験に基づいたものです。統合失調症の症状もあくまでもその一部であり、絶対ではありません。個人差がありますことをご理解ください。

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インスタグラムにて、統合失調症にかかった自身の体験マンガを日々投稿。
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『ドラえもん』0巻発売で思い出される、日本中が涙腺崩壊した「幻の最終回」

 藤子・F・不二雄の人気漫画『ドラえもん』の0巻が12月1日に発売される。てんとう虫コミックスとしては1996年のコミックス第45巻発売以来、実に23年ぶりの最新刊となるという。

「『ドラえもん』は70年に、小学館の雑誌『よいこ』『幼稚園』『小学一年生』『小学二年生』『小学三年生』『小学四年生』の6誌で連載がスタート。各誌の対象読者別に描き分けられた第1話が6種類あった。てんとう虫コミックスの1巻には、そのうちの『小学四年生』版を加筆・修正したものが掲載されています。今回、『ドラえもん』50周年を記念して、これら6種類の第1話を、当時の掲載時の状態ほぼそのままに収録されるとのこと。漫画は藤子・F・不二雄さんが96年に亡くなったため、同年で終了しているものの、現在まで続くアニメは国民的人気を誇っている。お宝化必至ですから、バカ売れ間違いなしでしょう」(出版関係者)

 そんな『ドラえもん』の幻の作品といえば、放送半年で打ち切りになった「日本テレビ版」が有名だが、実はもう一つ、読んだ人の涙が止まらなくなる「伝説」の“非公式”作品が存在する。

「それは“ファンが作った『ドラえもん』の最終回”です。『壊れたドラえもんをのび太が修理する』内容なのですが、あまりに感動的すぎるストーリーで、まさに『ドラえもん』のフィーナーレにふさわしい内容だと、大絶賛されました」

 週刊誌編集者が解説を続ける。

「90年代、携帯電話でのやりとりはEメールが主流だった。その頃、流行したのがチェーンメールで、そこに含まれていたのが『ドラえもんの最終回』でした。物語を考案したのは、名古屋工業大の学生だったのですが、あまりにも緻密に作り込まれて完成度が高く、感動的だったため、メールの読者はもちろん、メディア関係者までもが、“本物”と信じ込む異例の事態に発展しました。

 さらに、鈴木蘭々などのタレントがこの話をまるで真実であるかのようにテレビで語ったことから、全国的に知られることに。これを漫画家・田嶋安恵氏が05年に同人誌化したところ、異例の1万3,000部を販売する大ヒットとなった。これには小学館と藤子プロ側も見過ごせないと、著作権侵害を通告。田嶋氏は謝罪し、売上金の一部を藤子プロに支払うこととなりました」

 第1話が公開されたことで、改めて未完の長寿作のラストについても想いを巡らせる人が増えそうだ。

【独女マンガ】6話『家族が増えた日〜独身脱サラOL、里親になりました〜』

 ――独身、一人暮らし、彼氏なしのアラサー・いとうぽよん。平日は仕事に追われ、会社と家を往復するだけの毎日。 せっかくの休日も、ダラダラ過ごしているうちに終わり、気づけば月曜日……。そんな退屈な日々に嫌気がしたある日、彼女の前に“天使”が現れた――。その名は、「ジップ」。

 このお話は、1匹のワンちゃんとの出会いによって、最高な生活を手に入れたアラサー独身女の日常をゆる〜く描いた実話である。  

★過去話はこちらから

第6話 『家族が増えた記念日〜OLやめて、ついに里親になりました〜』

 うちに来たばかりのジップはわずか1.2kg!

 トテトテ歩いて部屋中を散策してた後ろ姿がかわいくて忘れられない……。

――毎週、金曜日に最新話を更新。次回7話は11月15日(金)の更新予定です。

いとうぽよん
1988年生まれのイラストレーター。イラスト以外にも、版画、裁縫、グッズ制作など幅広く活動中。 インスタグラムにて、自身の日常生活を描いたエッセイマンガを不定期投稿。
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【日雇いマンガ】72話『日雇い飯!不動の王者・菓子パンを脅かす新アイテム登場!?』

――「キツイ」「汚い」「男臭い」……なんとなく近寄りがたいイメージのある“日雇労働”。その、実態はどのようなものなのか? 日雇い労働を生業とするアラサー・柿ノ種まきこが、日雇いの日々と人間模様を紹介します。

第72話『日雇い飯!不動の王者・菓子パンを脅かす新アイテム登場!?』

 冷凍食品って本当おいしくなりましたよね。特にこの定食みたいになっているシリーズは 本当に便利です……!

 が、 日雇い飯としてはちょっと不向きでした。

――毎週、木曜日に最新話を更新。次回73話は年11月14日(木)の更新予定です。

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【漫画・九死に一生体験談】私の家が……! 激務つづきのブラックOLに起きた災難

【「本当にあった笑える話」(ぶんか社)より】

帰る家が… 〜滋賀県・23歳・事務・マーマードさんからのお便り〜

 

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ぶんか社のコミックエッセイ・実話4コマ漫画が待てば無料で読める!
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『本当にあった笑える話』シリーズ誌では、みなさまからの投稿を随時募集しております。
テーマは「芸能人目撃談」「赤っ恥エピソード」「ペットトラブル」など幅広く募集中! 
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【エッセイマンガ】統合失調症にかかりました~にゃんside〜【19話・オキニイリ】

 サイゾーウーマンにて連載していた、自身の統合失調症の発症から社会復帰までを描いた闘病エッセイマンガ『統合失調症にかかりました』(著:さいこ)。今回、飼い猫の視点から病気を振り返る特別編がスタート。

 猫から見た、人間の“生き辛さ”とは……。

【過去話はこちらから】

第19話『オキニイリ』

ー次回20話は11月13日(水)更新予定です。

【前作『統合失調症にかかりました』はこちらから】
自己紹介編
まとめ前編1~9話/まとめ後編10~18話
19話/20話/21話/22話/23話/24話/25話/26話/27話/28話/29話/30話/31話/32話/最終話

※本作品は個人の経験に基づいたものです。統合失調症の症状もあくまでもその一部であり、絶対ではありません。個人差がありますことをご理解ください。

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【エッセイマンガ】統合失調症にかかりました~にゃんside〜【19話・オキニイリ】

 サイゾーウーマンにて連載していた、自身の統合失調症の発症から社会復帰までを描いた闘病エッセイマンガ『統合失調症にかかりました』(著:さいこ)。今回、飼い猫の視点から病気を振り返る特別編がスタート。

 猫から見た、人間の“生き辛さ”とは……。

【過去話はこちらから】

第19話『オキニイリ』

ー次回20話は11月13日(水)更新予定です。

【前作『統合失調症にかかりました』はこちらから】
自己紹介編
まとめ前編1~9話/まとめ後編10~18話
19話/20話/21話/22話/23話/24話/25話/26話/27話/28話/29話/30話/31話/32話/最終話

※本作品は個人の経験に基づいたものです。統合失調症の症状もあくまでもその一部であり、絶対ではありません。個人差がありますことをご理解ください。

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『クローズZERO』をどう更新するか? ヤンキーマンガ論から観る映画『HiGH&LOW THE WORST』(後半)

 現在公開中の『HiGH&LOW THE WORST』について、ヤンキーマンガや映画を長年見続けてきたライター・藤谷千明氏と、アクション映画やバイオレス映画に造詣の深いライター・加藤よしき氏が4度目の集結を果たし、放談を繰り広げる。(以下、映画『HiGH&LOW THE WORST』のネタバレを含みます)

>>前編はコチラ

編集部 私は『THE WORST』を観て、久しぶりに『クローズZERO』を見返したくなりました。あらためてあの映画は強烈なエポックだったな、と。

加藤 僕、地元が北九州なんですよ。『クローズZERO』がDVDで出た直後、レンタルショップからそのDVDが全部消えました。何回通っても店頭になくて、ある日行ったら「予約制になりました」「当日あるいは最大1泊です」って張り紙がされていたんです。あれは前代未聞でした。それくらいのヘビロテ作品でしたね。

藤谷 本当に2000年代を代表する映画ですからね。『THE WORST』のキャスト陣にインタビューしても、みんな「男たるもの『クローズZERO』に出たかったに決まっている」という感じでした。まあ、私も出たかったですけどね? っていうか今でも出たいです。

編集部 志尊淳さんは、『クローズ』シリーズのオーディションを受けたけど「線が細い」という理由で書類で落ちた、とパンフレットで語っていますね。

藤谷 志尊くんが今回鳳仙の頭になれたのは、ハイローを経ての『クローズ』『WORST』だからだと思うんですよね。窪田正孝くんや林遣都くんのような美少年のイメージがある人たちが出ていることで、ハイローは世の中の不良コンテンツのルックスを書き換えたと思う。『クローズZERO2』にも三浦春馬くんや綾野剛くんも出ていますが、鳳仙の頭は金子ノブアキなわけで。それが『THE WORST』までの10年でいろいろな変化があった結果、志尊くんは晴れて鳳仙の頭になった(拍手)。

加藤 まったくその通りだと思います。たぶん『クローズEXPLODE』の時代でも、この鳳仙のメンバーは成立しないんですよ。

藤谷 劇中歌の「Don’t」を歌っているSALUくんも、「RGTO」のMVがめちゃくちゃ『クローズZERO』でしたよね。あの「SALUくんにはがんばってほしい」のパンチラインで有名な。

加藤 まさにSALUくんは頑張った結果、今に至ったわけですからね。全部つながっている。

藤谷 ハイロー本編も含めて、『クローズZERO』の二次創作をやってきた人たちが集っているわけですよ。

加藤 アクション関係でいっても、海外の映画関係者が『クローズZERO』を観て影響を受けてアクションが発展した部分があって、そこで修行して日本に帰ってきた人たちが『THE WORST』に参加してたりするわけですから。国内外の『クローズ』的なものが全部集まって元の作品と合体する、本当に不思議な構図の映画です。

藤谷 SALUくんの話が出たので音楽の話をしておくと、やっぱりLDHらしく今回もかっこいいですよね。映画のオープニングでEXILE THE SECONDの「TOP DOWN」がかかった瞬間、楽曲面でも『クローズZERO』に負けるつもりはないという意志を感じました。

加藤 あの曲、最初にギターがジャーンと鳴るじゃないですか。そのあとにダンダカダンダカ……って始まっていく。あの「ジャーン」がすごくTHE STREET BEATS(『クローズZERO』シリーズ主題歌担当)っぽいんですよね。

藤谷 そうそう、目配せを感じました。

加藤 ロックの文脈をリスペクトしつつ、ちゃんとセカンドの曲として出してくるのがすごくいいですよね。

編集部 芸能史オタクとしては、今の日本の芸能界の男の子の勢力図の中で強大な力を持っているのは、「ジャニーズ帝国」「LDH国」「小栗旬国」だと思うんです。ハイローの何がすごかったかって、役3年ほど前までは弱小だったLDH国が、その2国を打ち負かすようなものをつくった! っていう高揚感があった。でも今作は、小栗国の耕した畑があってのものという感じが少しあって、そこをどう判断していいのか、まだ迷っている部分があります。今作を小栗国王がどう思ってるのか。

藤谷 『今日から俺は!』で、滝谷源治の髪型をした床屋役でカメオ出演するというギャグをやっていたので……何も気にしてないのでは……。

加藤 ハリウッドで『ゴジラVSキングコング』に出るから、それどころじゃないですよ。学校で頂点極めてる場合じゃない、地球の生態系がかかってますから。

編集部 たしかに、小栗国王は今やハリウッドに向かっているからもう『クローズ』はやらないし、そういう意味では今はLDHにしかできないことではありますね。

藤谷 今回この対談の前に『クローズZERO』シリーズを見返したんですけど、ちょっと説教臭いんですよね。もちろん、ハイローも説教臭さはあるんですけど、それとは違う。これは山本又一朗(『クローズZERO』シリーズプロデュース/トライストーン・エンタテイメント代表取締役)とHIROさんの説教臭さの違いなんだろうな、と。特に豊田利晃監督の『EXPLODE』は、三池監督の持つコミカルさ、ポップさがなくなってストレートに説教が出てきてる。

加藤 むしろ『EXPLODE』は、三池崇史さんが描いたヤンキーのファンタジー性を解体しようってアプローチの映画ですからね。

藤谷 『クローズZERO』以降邦画で流行ったヤンキーファンタジーに対するカウンターとして『EXPLODE』を打ち出したかったんでしょうけど、単に説教臭くなっちゃってる。

加藤 思うに、『EXPLODE』と『THE WORST』は、扱っているテーマはたぶん一緒なんですよ。青春は永久に続くものじゃないとか、本当に貧困に陥ってしまった人が半グレ的な存在になってしまうし、そういう連中の暴力は学生のケンカとは異なるとか。ハイロー自体も、言ってみれば説教臭い話ではあるんですよ。でもHIROさんはやっぱり根底にラブドリームハピネスがあるエンターテイナーだから「よし、コンテナ街に1000人集めて殴り合わせよう」「よし、団地攻めよう」って方向にいく。

藤谷 たしかに今作も、要所要所で生々しいところはありますよね。「貧困と半グレ」みたいなテーマだったり。

加藤 そうなんですよね。ものすごいアクションに覆われているから気づかないだけで、結構生々しい話をしている。

藤谷 NHKスペシャルで半グレ特集があったじゃないですか(2019年7月27日放送『半グレ 反社会勢力の実像』)。番組内で半グレのリーダーが「俺達はグレてるわけじゃない」「まっすぐ育った結果こうなった」みたいなことを言ってて、ほぼほぼ『クローズ』じゃん、って思ったんですよ。ある種そういう、ダメな意味での男らしさを補強するものになってしまっている側面も『クローズ』にはあった。

加藤 「真似すると危ない」という、ヤンキーものやヤクザ映画にずっとつきまとっているテーマですよね。「フィクションなんだから真似するやつなんかいない」って言う人もいますけど、肯定的な面でいえば、『スラムダンク』を観てバスケを始める人はいっぱいいる。それと同じように、ヤンキーマンガを読んでヤンキーっぽくなる人もいますよ。僕の周りの何人の少年たちが『クローズ』を読んでからウォレットチェーンをつけ始めたことか。そういう側面に対して、ハイローはかなり配慮しているんだろうなとは思います。

藤谷 それでいうと今作ですごいと思ったのが、この20年くらいくすぶっていた「ヤンキーが大人になる」問題をちゃんと描いたことです。ヤンキーものにおいて大人になるというとヤクザになるか堅実に生きるかで、後者の生き方も作品内で提示してはいるものの、説得力が薄かったんですよ。その後、『闇金ウシジマくん』あたりが大ヒットした影響からリアルアウトロー路線が主軸になっていって、2000年代後半からは『ギャングース』など半グレを扱うものが増えていった。景気が悪くなっているせいもあって、そういう路線がリアリティを持っていたと思うんですね。そんな中にあって、ちゃんと働いてお金を貯める姿を見せて「子どもは夢を見るだけで終わるけど、大人は夢を叶えることができるんだ」って語るのは、綺麗事ではあるけれど、この作品の中では説得力を持って響いたと思う。

加藤 その言葉を言うのが小沢仁志というのも非常に説得力がありますよね。小沢仁志に言われちゃかなわない。フィリピンに行って映画を撮ったり、銃を撃ちまくったりしている大人ですからね、小沢仁志さんは。

編集部 「大人になる」と言えば、唯一の原作キャラとして大人になったパルコ(塚本高史)が登場しましたね。あれは原作ファンとしてはどうなんですか?

藤谷 主人公と絡んでもいないし、単に登場人物とすれ違ったこの街の人として存在している距離感で、よかったと思います。

加藤 僕も肯定的ですね。原作のパルコのポーズもやってくれて、「パルコは元気でやってるんだな」とわかるところも含めてよかったです。

藤谷 『その後のクローズ』的なことですよね。

編集部 ちなみに、おふたりのお気に入りのキャラクターは?

藤谷 サバカンはすごい。高橋ヒロシのキャラクターとして100点満点。「君、原作にいたでしょ?」っていう見た目じゃないですか? 前髪パッツンとか、眉毛の形とか。

加藤 鼻とおでこがつながってる感じもそうですね。

藤谷 完全に“原作通り”のキャラクターですよ。原作にいませんけど。

加藤 僕は泰志ですね。出番は少ないけど、その全部でキャラが立ってる。「ケンカ買いに来たぜ~」の言い方とか、轟のことを楓士雄が「ドロッキー」って言ったときに後ろでプッて笑ってるところとか。ああいうのがイイですよね。楓士雄のキャラ立てにも貢献していたと思います。あんなふうに笑わされちゃったら、なかなか殴り合いはできないじゃないですか。そういう紙一重のニュアンスを表現ができているのがすごいです。

藤谷 反射神経がいいんでしょうね。佐藤流司さんは2.5次元で活躍していて『ミュージカル刀剣乱舞』では加州清光だったり、中性的でかわいい役も多いんですけど、その彼に戦闘狂みたいな役をやらせるという采配もいいですよね。私が好きなのはまどかちゃんです。不良マンガの文脈において、なかなかいないキャラクターだな、って。ブスブス言われていじられるキャラでも、おかんキャラでもない。まどかちゃんは6人の中で紅一点でも対等なんですよね。それは不良マンガ・映画では相当珍しいし、すごく新しいと感じます。高橋先生もインスタで「冨田さんはすごい」と書いていたり、LINEスタンプでもまどかちゃんはイラストも2個ありますし、先生も気に入ってる気がします。

加藤 演じている富田さんの力によるところも、かなりありますよね。僕もやっぱり、変な容姿いじりは嫌なんですよ。『THE WORST』にも若干それはあるけど、陰険な感じに見せないようにリアクションしてみせているのが効いている。

藤谷 幼馴染キャスト全員で、そういうふうにはならないようにしてますよね。

加藤 そこはかなり意識してつくっている感じがしましたね。

藤谷 そして圧倒的な小田島有剣ブームですよ。『クローズZERO』の漆原凌(綾野剛)もそうでしたけど、鳳仙を実写化するととんでもない化け物が一体生まれるんだな、と。「殺しの軍団」というだけあって、オタクの女を殺す化け物が……。

加藤 原作でも鳳仙はどちらかというと美形のイメージですよね。キングジョーもいますが、美藤兄弟とか、いわゆるボウズでゴツいという感じではなくて、線が細くてかっこよくて強い。

藤谷 ボウズの中に君臨する美男子というギャップ萌えを高橋先生も意識してますよね。

加藤 そしてグレーの学ランという非日常感。

編集部 演じている塩野瑛久さんの絶妙なナルシスト感がうまくハマっていましたね。あの振る舞いが自分に似合うと思ってやりきれることがすごい。

加藤 僕じゃ狂っても真似できないです。

藤谷 『クローズZERO』に出ていた人たちって、そのあと妙に男らしくなっていったじゃないですか。小栗旬もそうだし、桐谷健太も山田孝之も、男らしさを出す役が増えた。世代的に、今の30代半ば以上の人たちって「イケメン」と呼ばれることに抵抗があるけど、その下の世代はそこに屈託がないんですよね。イケメンという概念が当たり前にある世代だから。

加藤 自分のことを客観的に見ることができるのは俳優の大事な能力ですから、「この役は俺に似合う」「これくらいやっても俺はかっこいい」とわかっているのは優れた俳優である証ですよね。僕がなんの立場で言ってるのかわかりませんが……。

編集部 それがわかっている、セルフプロデュース力がある人たちが集まるのがハイローですしね。

藤谷 爪痕を残すことに長けてる人が勝つ場所です。

加藤 出てる人たちみんなが、なんらかの形で爪痕を残そうという意識が感じられましたね。定時の3人+轟という先人たちが同じようにがんばった結果、この映画があるわけですし。

編集部 そう考えると、良い卒業式でしたね。寂しい気持ちはありますが、こうして入れ替わっていくのもハイローらしいのかな、と。

藤谷 「変わっていくことと仲間を失うことは全然違う」って龍也さんも言ってましたから。

編集部 世代交代させながら、同時にひとつの作品としてまとめ上げていて、ザムの頃と比べて洗練を感じます。

藤谷 過去の作品を観てなくても『THE WORST』から観られるので、人に勧めやすいですね。

加藤 ドラマ版を観てなくてもいけるというか、むしろドラマを観ていたほうが混乱する部分があるかもしれません。

藤谷 司くん問題ですね。最初に映画版を観たとき、「司くんをないがしろにしないで!」と、司のモンペになるか思いました。でもその後5回くらい映画を観て、「これはもう仕方ないな」と。ドラマ版で司と楓士雄の2人の物語は完結してるので、映画では楓士雄のスタンドになるのは致し方ない。団地戦でジャム男を助けてるから偉い。

加藤 でも、ドラマの最終話のタイマンはすごくよかったです。司くんの格が上がりましたもん。

編集部 あれで眠れる獅子が目覚めたのに、映画ではまた眠ってしまった感じが……。

加藤 2人は今後に期待ですよね。単純に、2人とも長編映画への出演がまだ2本目ですし、ハイローじゃなくてもいいのでこれからの活躍を応援したいです。続編があるとしたら、鳳仙側にLDHの人がいるのもアリだと思うんですよ。ハイローを通して毎回LDHさんは学んでいっている感じがあるので、次に期待できるのは大きいです。

藤谷 まどかちゃんの表現も、ヤマトがナオミにブスブス言ってたドラマ版から成長が見られるし、PDCAを着実に回している感じはしますね。だからぜひ今後は女の子をエンパワメントするような作品も作ってほしいです。海外進出をするなら、そこは避けて通れない道ですよ。チャリ盗んだりパンツ盗んだりするのはそろそろやめないといけない。

編集部 撮り方の部分での話だと思いますが、今作を撮るにあたって久保監督が『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』を参考にしたと話していたので(「日本映画navi」vol.82)、期待はできますよね。

加藤 インタビューで言っていましたね。あれはまさにジェンダーを取り扱った映画なので、そういうものを観ていくうちに感覚でわかっていくと思うんですよ。ハイローは特に現場の意見でバンバン変わっていく作品なので、もし上から「なんじゃこりゃ?」っていうネタが降りてきても、現場で「これはないわ」と変えるようなことが起きうるのではないか。そうやって改善されていくんじゃないかと思います。これも何目線だって話ですけど……。

編集部 久保監督がハイロー以外の作品を撮るのも観てみたいです。それこそ女の子をメインにしたアクションものとか。

藤谷 強くてかっこいい女の子を活躍させたいという気持ちはLDHにもあるでしょうからね。

加藤 僕が勝手に思ってるのは、それをできる場所があるとしたら、ハイローでいうとルードボーイズだけだな、と。女の子にアクションをさせるとしたらルードしかない。久保監督はルードのスピンオフを撮りたいと言ってましたよね【URLリンク:https://realsound.jp/movie/2019/10/post-424662.html】。ぜひ日本全国の動ける女性陣を集めて撮ってほしい。なかなか活躍する場所がなくて、動ける女性がくすぶってる現象はあるんですよ。

編集部 そうなったら、トップは水野美紀ですね。

加藤 水野美紀がラスボスで、そこにLDHや武田梨奈とか、女性たちが全員で立ち向かっていく。香港映画のラストバトルみたいに1対多数で水野美紀が鬼のような動きで全員さばいていくのを観たい。みんなで一生懸命倒して「やったー!」ってなったあと、エンドロールでサノスみたいに志穂美悦子が出てくる。これができるのは今LDHしかいないですよ! ぜひ久保監督に撮ってほしい。

藤谷 こんなに想像力を越えたことをやってくれるんだ、更新してくれるんだっていうのは本当にハイローの魅力ですからね。

編集部 そのためには、ハイローがもっとヒットしてほしいですね。現時点で『THE WORST』の興行収入は7億円だそうです。

加藤 もっと伸びていいはずの作品ですよ。僕としては、一刻も早く国外に売り出してほしいです。絶対売れると思う。『クローズZERO』がヒットした土壌があるから、最悪海外タイトルは『クローズZERO 3』にしてもいい。日本でもスティーブン・セガールの主演作は全部タイトルに「沈黙」をつけてますし、そういうやり方は別にあることですからね。あとは全国の高校生に割引券を配るとか。

藤谷 『クローズZERO』は中国語圏では『熱血高校』というタイトルで愛されています。たしか『RED RAIN』は『熱血街』でしたよね。そうやってしれっとタイトルをかぶせていって……。

加藤 海外の人が観たら疑問に思う部分はところどころあるでしょうけど、アクションがとにかくすごいので、絶対人気が出ると思うんですよね。あとはオープニングにTHE STREET BEATSのライブシーンを追加撮影で入れて『クローズZERO』感を出せば……。『ザ・レイド』だって、リンキン・パークのマイク・シノダさんが音楽を差し替えてアメリカでヒットしたので。そういうローカライズを行うのはひとつの手ですよ。

藤谷 もしくは中華圏で爆発的人気の片寄くんをポスターに入れる。

加藤 それは詐欺だからダメです! 

藤谷 せめてNetflixに入ってほしいですね。huluへの恩義もあるかもしれませんが、Netflixより影響力が弱いのでは。世界中のアクションファン、学ランの男の子たちが戦う作品ファンに観てほしい。

加藤 誰か大いなる力を持った人が、アメリカで布教を……。

藤谷 それこそ小栗旬では?

加藤 そうか。『ゴジラVSキングコング』の現場で「俺が出た映画の続編なんだ」と観せて回れば解決ですね。

編集部 冗談抜きで、海外とのコラボはやってほしいですね。いま韓国のSMエンタテインメントがマーベルと正式にコラボしてるんですよ。SUPER Mというユニットをデビューさせるにあたって「K-POP界のアベンジャーズ」という触れ込みだったんですけど、それが本当に手を組んだ。

加藤 じゃあLDHはDCと組みましょう。『アクアマン』は音楽の使い方とかがLDHぽかったし、ジェームズ・ワンを呼んでくれば解決です。『ワイルド・スピード SKY MISSION』を撮った人でもあるので、ノリは合うはず。

編集部 そうなると、国内で壁を作ってる場合じゃない。ジャニーズも体制が変わりましたし、今後は期待してもいいんじゃないかと勝手に思ってます。滝沢(秀明)さんはLDHの手法に影響を受けているという報道もありましたよ!【参照記事】

藤谷 いよいよ休戦協定を……そもそも戦っていたのか?

加藤 我々の悲願である岡田准一さんのハイロー出演の日が……。

藤谷 俺たち……待ってますから……(『ファブル』を思い出しながら)。

編集部 以前から我々は「岡田さんにハイローに出てほしい」と言い続けてますからね。それが実現したら、我々のこの企画も最終回ですね。

加藤 俺たちは毎回最終回という気持ちで臨んでるんですが、ハイローが新しいものを出してくるので……。でも、映画秘宝のムック(『映画を進化させる職人たち 日本アクション新時代』(洋泉社))によれば、すでに現場レベルで岡田さんとハイローの接触はあったと聞きますし。可能性はありますよ!

編集部 『ザム』の頃、アクション監督の大内貴仁さんがRUDE BOYSと空き瓶のあの場面の動画コンテを撮っていたら、撮影所でばったり岡田さんと会って、とりあえず瓶を一発投げてもらったという珠玉のエピソードがあるんですよね。大内さんと岡田さんは『SP』シリーズからの旧知の仲だし、本当になくはないのかも……。

藤谷 この対談、もう3年くらいやってますからね。全日だったら卒業してますよ。いつか爆破セレモニーをして終わりましょう。

加藤 サイゾー爆破セレモニーを!?

『HiGH&LOW THE WORST』

監督:久保茂昭/脚本:高橋ヒロシ、平沼紀久、ほか/出演;川村壱馬、吉野北人、山田裕貴 ほかの

2015年のテレビドラマから始まった『HiGH&LOW』シリーズ、その劇場版第6弾。全国から札付きの悪が集まるという鬼邪高校内で起こる派閥争い、さらには鳳仙学園との熾烈なケンカを描いた青春群像アクション。人気マンガ『クローズ』シリーズとのコラボとして、脚本にはマンガ家・高橋ヒロシも参加している。

加藤よしき

ライター。1986年生まれ。「Real sound」などで執筆。『別冊映画秘宝 90年代狂い咲きVシネマ地獄』(洋泉社)に寄稿。

ブログ:http://blog.livedoor.jp/heretostay/

twitterID:@daitotetsugen

 

藤谷千明

ヴィジュアル系とヤンキーマンガとギャル雑誌が好きなフリーライター。1981年生まれ。執筆媒体「サイゾー」「Real sound」「ウレぴあ」ほか。共著に『すべての道はV系へ通ず。』(シンコーミュージック)がある。

twitterID:@fjtn_c