【日雇いマンガ】第6話 『ダメ。ゼッタイ! 倉庫作業のご法度行為』

――「キツイ」「汚い」「男臭い」……なんとなく近寄りがたいイメージのある“日雇労働”。その、実態はどのようなものなのか? 日雇い労働を生業とするアラサー・柿ノ種まきこが、日雇いの日々と人間模様を紹介するマンガ連載がスタート。

第6話 『ダメ。ゼッタイ! 倉庫作業のご法度行為』

kaki4_1話

 日雇い作業で多いのがピッキング。電子部品やアパレルなどピッキングする商品もさまざま。

 倉庫内で行いますが、気になるのが積み上げられた商品の棚。IK◯Aやコス◯コのような高い棚に囲まれると、ふと怖くなってしまうこともあります……。

 余計なこと考えてないで働こ〜!

※ちなみに、もしものためにきちんと対策している現場がほとんどです。ご安心を。もし、気になることがある場合は日雇い派遣会社さんに伝えてみるのもアリだとおもいます!

――毎週、木曜日に最新話を更新。次回7話は7月19日(木)更新予定です。

【過去記事はこちらから】
1話『アラサー女。基本、日雇いで生きてます。』
2話『野菜袋詰めで“きゅうりハイ”』
3話『監視カメラは見た! 密室の個人作業で熱唱する女』
4話『サマージョブ~アラサーを襲う熱中症~』
・5話『日雇い飯! 選ばれたのは◯◯でした』

柿ノ種まきこ/@kakinotane_makiko
日雇いをしながらマンガを描くアラサー。過去には、「iVERY」にて婚活マンガ『女もつらいよ』を連載。現在はインスタグラムにて、マンガを不定期投稿。
https://www.instagram.com/kakinotane_makiko/

『ドカベン』完結も、長期連載に“うま味”ナシ!? 次に終わる長寿漫画の本命は『王家の紋章』か

 水島新司氏の超名作野球マンガ『ドカベン』シリーズが先月28日発売の「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)で堂々完結。連載開始から46年目。単行本は全205巻で、シリーズ累計では、日本でもっとも巻数の多い作品となった。

 この完結を受けて出版界で話題なのは、次に終わる長寿連載が何になるかということだ。ここで比較されるのが昨年44年の歴史に幕を下ろした、ジョージ秋山の『浮浪雲』(小学館)である。

 小学館の雑誌「ビッグコミックオリジナル」の看板ともなっていた『浮浪雲』であるが、同時に単行本はまったく売れない作品としても知られていた。

「大御所作家の体裁を保つため、実際の部数よりも印税を水増しして支払うケースもあったというのが、もっぱらのウワサでした」(編集者)

 巨匠による長寿連載は、それだけで価値があるもの。だが、ビジネスと考えた時には、まったく美味しくない。出版事情に詳しいライターは語る。

「何十巻も続くような作品は、いまさら新規の読者も増えるワケではありません。『ドカベン』が完結したからといって、それじゃあ第1巻から買って読もうなんて読者は、まずいませんよ。長寿作品というものは固定ファンがいるからある程度、数字は読めますが、それも目減りしていくばかりです」

 では、次に終わる可能性の高い長寿作品とは、いったいなんなのか?

「『ゴルゴ13』(小学館ほか)は、今後も永遠に続いていきそうな雰囲気です。なぜなら、短編・中編が主なので、どこから読んでも構わないので単行本も売れているんです。となると、そろそろ作者自身が幕を引かなければならないムードになっている『ガラスの仮面』(白泉社)が、もっとも完結間近な作品なのではないでしょうか」(同)

 1975年の連載開始以来、休載を繰り返しながらも、確実に話は進んでいる『ガラスの仮面』。今年5月には掲載誌の「別冊花とゆめ」が休刊したものの、作者の美内すずえ氏は、必ず完結させるとコメントしている。現在、67歳の美内氏。まだ、きちんと読者が納得のいく大団円を描いてくれる可能性は高い。

 その一方で、そろそろ幕引きをしなくては、どうにもならないのではないかとウワサされているのが、細川智栄子あんど芙~みんの『王家の紋章』(秋田書店)である。連載開始は『ガラスの仮面』とほぼ同時期の1976年。単行本は64巻に達している。何より、作者の細川氏は、80歳を越えているのである。

 作者の年齢的にも完結させたほうがよいのは間違いないが、繰り返されるのは、ヒロイン・キャロルのピンチばかり。連載開始当初は、ホラーっぽいテイストだったのを作者も忘れていそうな気も(ジミーとか、どこへ?)。

 長寿作品というものは、どんな作品であっても作者と読者は運命共同体のようなもの。決して「未完」だけは避けて欲しいものだ。
(文=是枝了以)

突然の大地震、その時あなたはどうする? 実践的震災サバイバルマンガ『彼女を守る51の方法』

 6月18日に発生した「大阪府北部地震」では4名の方が亡くなり、建物や交通網などに多くの被害を出しました。

 さらに、7月初旬に西日本を襲った記録的豪雨は、広島、岡山、愛媛など12府県にまたがり、甚大な被害を拡大しています。日本のどこにいようとも、地震、火山、豪雨など、自然災害の危機からは逃れられる絶対安全な場所はないということをあらためて痛感させられますね。

 自然災害についての意識が高まっている今だからこそ、ぜひ読んでもらいたいマンガが『彼女を守る51の方法』です。東京・お台場にマグニチュード8の直下型地震が起こったら、東京はどうなってしまうのか――そんな震災サバイバルマンガです。

「週刊コミックバンチ」(新潮社)にて2006~07年まで連載されていた作品で、作者は『ライチ☆光クラブ』『帝一の國』の古屋兎丸先生です。

 以前、本コラムでご紹介した『ドラゴンヘッド』(参照記事)は、正体不明の巨大災害後の人間の絶望と恐怖を描いたサバイバルホラーでしたが、この『彼女を守る51の方法』は、震災後に帰宅難民となってしまった人々がどういう行動を取るべきか、という部分に主眼が置かれた実践的なものです。

 主人公・三島ジンはお台場にある、フジテレビもとい、アルプステレビの就職説明会にきていた大学生。そしてヒロイン・岡野なな子は、ゴスロリメイドの格好で「死の時、魂は完全に聖化される」とか「聖デストピアが、ソドム様が…」とかブツブツつぶやいている、病み系女子です。

 ジンは、お台場にビジュアル系バンド「サリン・ヘルヴァイン」のライブ追っかけで来ていた高校時代の同級生・なな子を偶然見つけ、話しかけますが、彼女は「私はロルコです、昔のことは覚えてません」などと意味のわからないことを話しだして、過去を否定。高校時代、ジンはなな子のことが好きだったのですが、変わり果てた彼女にドン引き。この娘を守る方法が本当に51も存在するのでしょうか……。

 実は、なな子は高校時代にいじめに遭い、人間不信になってしまっていたのです。なな子の背負っていたつらい過去を思い出したジンは、彼女を放っておけず、めげずに話しかけるのですが、そんなジンをよそに、自暴自棄になって滅びの呪文「バルス」を唱え続けるなな子。やっぱり、こいつヤバイ……とその時、ものすごい轟音とともに激しい揺れが発生。そう、マグニチュード8の東京直下型地震が発生したのです。2人のいるお台場は震度7。揺れが収まると、目の前には地獄絵図が広がっていました。

 人が乗ったままの観覧車は折れ曲がり、建設中のマンションは倒壊、液状化でマンホールがせり上がり、地面は水浸しです。ゆりかもめは脱線・炎上し、ショッピングセンター内も死者だらけ、アルプステレビはケガ人だらけで野戦病院のようです。恐るべし東京直下型地震……。

 ジンとなな子はお台場を脱出し、2人の家がある新宿・早稲田を目指します。しかし、そのためには余震で揺れが続く恐怖のレインボーブリッジを渡り、震災後のアウトローが徘徊する六本木や、ギャングの巣窟となっている渋谷を抜けて歩いていくことになります。未曾有の崩壊に陥った東京には、多くの危険と困難が待ち受けていたのです。

 そんな流れで2人の目を通して、震災直後にパニックを起こした人々の心理状態や、一体どう行動するのが正解なのかなどが描かれている作品ですが、その中でも特に知っておいたほうがよさそうな内容を一部ご紹介します。

■ケガの止血にはナプキンを使え!

 太ももにガラスが突き刺さり、大量出血している女の子を助けるため、ジンはネクタイで太ももを縛り、さらに女の子の持っていたナプキンを利用して止血します。ナプキン! そういう手もあるのか!! 考えてみれば、血を吸収するためのテクノロジーの粋が集まっているわけですから、絶好の止血帯というわけです。

 大ケガしたらナプキン。いざという時のためにナプキン。特に女性はぜひ覚えておきたいですね。

■災害時はハイヒールの足を折れ!

 震災後は路面状態が悪く、亀裂が入っていたり陥没していたり、浸水していることもあります。そんな時、歩きにくい靴ではとてもサバイバルできません。ハイヒールを履いているのなら、思い切ってハイヒールの足を折って動きやすくしてしまいましょう。

 ちなみになな子は、ゴスロリスタイルの厚底パンプスを履いていたため、倒壊して無人となったショッピングセンターのマネキンが履いていたスニーカーを拝借。盗むんじゃないよ、借りるだけ! 

■パニックが発生したらとりあえず、しゃがんで大声を出す!

 お台場脱出のためにレインボーブリッジを渡るジンとなな子。しかし、レインボーブリッジを渡っている最中に巨大な余震が発生して橋が大きく傾いてしまい、橋が崩れるかもとパニックになった人の波が発生。このままでは、橋を渡る前に人の波にのまれてしまいます。その時ジンはすさかず、なな子に向かって大声で「しゃがめ!」「身を固めろ」「頭を守れ」と叫ぶことで偶然にもパニックが収まりました。

 誰かが突然しゃがむと周囲の人も反射的にしゃがんでしまう、という群集心理が偶然にも発生したのです。平常時にやると変な人扱いされそうですが、非常時にパニックが起こったら、冷静になってまず「しゃがむ」というのが有効そうです。 

■震災後はレイプマンがいっぱい! ミニスカ・お色気は厳禁!!

 メディアではほとんど報道されませんが、実は震災後、治安が不安定な状態につけ込んだ犯罪、特に強姦などが起こることもあるみたいです。酒を飲んだ男性がその勢いで……というケースが多いそうで、女性は要注意です。

 作品中盤で登場し、ジンやなな子と行動を共にするリカという少女は、ミニスカートにギャルメイクで、震災後も男に色目を使って食料を分けてもらいながら賢く生き抜いていましたが、調子に乗りすぎて六本木のアウトローたちに囲まれて襲われてしまいました。

 ミニスカートや露出の多い服装をしている場合は、できるだけ着替えたほうがよさそうです。

 さらに作品後半の舞台となる渋谷は、政府からの救援が1週間近く来ない状況で、ギャングたちによるレイプなどの犯罪の巣窟となっており、109ならぬ009(マルキュー)はギャングたちから逃れた女性だけで籠城する女の城と化していましたが、精神的ストレスの限界となった帰宅難民たちが暴動を起こし、マルキューに一斉に襲いかかるシーンがあります。

 しかし、マルキューにいた女性陣は、洋服を極限まで重ね着して、目の下にクマ、顔にニキビやソバカス、鼻の穴も大きく描いて、眉毛は太く眉尻は下げるという究極のブサメイクにより、男たちに襲われるのを逃れたのです。震災時は女であることを捨てる。究極の選択といえますが、これで身を守れるなら簡単なもんです。

■骨折ぐらいでは治療してもらえない! 災害医療トリアージ

 男たちにレイプされ、心身ともに傷ついたリカの体を医者に見せるため、病院へ向かうジン一行。

 しかし、そこで行われていたのはトリアージという、救命医療の方法。命を救える可能性がある人を最優先で治療するためのもので、けが人が赤、黃、緑、黒などのタグで色分けされており、赤以外のタグの人は治療をしてもらえない状況でした。

 たとえ骨折していたり、眼球が飛び出ていても、命には別状がないということで治療をしてもらえないのです。当然リカも診てもらうことができず、病院を後にします。

■富士山が爆発する! 怪しげな宗教団体による震災時のデマ

 震災が起きると、弱った人々の心に忍び込むように、怪しげな宗教団体が勢力を伸ばしてきます。本作品では食糧難が続く渋谷の帰宅難民に、食料とセットで「21世紀箱舟学会」なる、うさん臭い名前の宗教が会報を渡すシーンがあります。おなかが減っていてそこに食べ物があれば、宗教の会報だろうとなんだろうともらってしまうというのが人のさがですよね。

 しかも、「間もなく富士山が噴火する」「北朝鮮が侵略してくる」なんてもっともらしいデマ情報をセットで刷り込まれたら、不安になって入信してしまうかもしれません。デマがはやりやすい、というのも震災後の特徴のようです。ちなみに主人公のジンも、まんまと宗教にハメられ、大ピンチに陥ってしまいます。

*** 

 というわけで、大学生とゴスロリ女子による震災後の7日間を描いた『彼女を守る51の方法』を紹介しました。コメディっぽいシーンやラブストーリー要素もあり、堅苦しくなく読めますが、万が一の時には、意外とこういうマンガで得た知識というのが役に立ったりするものです。読んでおいて損はない作品といえるでしょう。

 

(文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん <http://ablackleaf.com/>)

◆「ザオリク的マンガ読み」過去記事はこちらから

【マンガ】電車の隣に”あの人”が!? 若手俳優の交通事情【2.5次元の推しゴト!!】

 城田優、斎藤工、宮野真守など、有名俳優も多く輩出している“2.5次元“の世界。

 「注目度の高いジャンルであることは知りつつも、なかなか一歩が踏み出せない……」そんな読者のために、ひょんなきっかけから2.5次元にハマった漫画家・吉田にくが、2.5次元素人の編集・ちーとともに、その楽しさとおっかけ舞台裏、人気のイケメン情報までを全力レポート!

(第1回はこちら:『ガラスの仮面』も2.5次元!? 見えないモノを見せる“技術”とは)
(第2回はこちら:”2.5次元ネットワーク”は侮れない!? 海をも超える「ヲタ活」の実態)
(第3回はこちら:宮崎秋人はハンガリーでも愛される!? 2.5次元愛と”チケットの壁”)
(第4回はこちら:「推し」は触れずに愛でるもの!? 2.5次元と”ガチ恋”とは)
(第5回はこちら:小越勇輝は「いい匂い」!?  “誕生日イベント”と握手の魔力)
(第6回はこちら:2.5次元俳優の愛は「課金で示す」!? 生身のキャラへの“愛情表現”)
(第7回はこちら:2.5次元オタの家には「必ずある」!? 2.5次元と“神棚”の存在”)
(第8回はこちら:”箱推し”は俳優だけじゃない!? 裏方も”推し”の2.5次元”)
(第9回はこちら:見れば見るほど増えていく! ”2.5次元推し”は伝染するモノ”)
(第10回はこちら:「キャス変」はオトナの都合!? 2.5次元の公演事情”)
(第11回はこちら:彼の面影が忘れられない……「キャス変」は演歌の世界!?”)

第12回:電車の隣に”あの人”が!?

026-600
027-600(毎週日曜日・次回は7月15日更新)


吉田にく(よしだ・にく)

バリ島と2.5次元にどっぷりハマり続ける漫画家。
趣味は旅行と漫画を描くこと、2.5次元舞台歴まだ2年ちょいながらも、自由業であることを活かし平日も舞台に通っている。
2018年の推しメンは前山剛久、櫻井圭登、荒牧慶彦他にもわさわさ。
先行抽選チケットを勝ち取るために日々徳を積む事を心がけています!
近著に『バリ島だらだら旅』(ワニブックス)。

【日雇いマンガ】第5話 『日雇い飯! 選ばれたのは◯◯でした』

――「キツイ」「汚い」「男臭い」……なんとなく近寄りがたいイメージのある“日雇労働”。その、実態はどのようなものなのか? 日雇い労働を生業とするアラサー・柿ノ種まきこが、日雇いの日々と人間模様を紹介するマンガ連載がスタート。

第5話 『日雇い飯! 選ばれたのは◯◯でした』

kaki7_1話

 日雇いの持ち物で「必ず用意してきて!」と言われるのが、お弁当。

 日雇いは、現場に行って初めて作業内容を知らされることもあり、中には予想外にハードな作業にあたったりすることも……。そのため、お昼ごはんを抜くのは危険です!

 現場で適当に買おう……と思っていると、近くにお店がまったく無くて、お昼を食べられなくなることがあるので要注意。

 でも、暑くなってくると衛生面が不安ですよね。初めて行く現場でどんな状況かわからない……そんなとき、私は菓子パンを買っちゃいます! 常温でも品質が変わりにくいので安心です。

 いざ現場に行ってみたら、自由に使える冷蔵庫や冷暗所にカバン置き場があったりすることもあるので、そういう時は、次回また作業しにいくときに手作りのお弁当でも大丈夫だと思います。

 暑い日も体調に気をつけてレッツ日雇い☆

――毎週、木曜日に最新話を更新。次回6話は7月12日(木)更新予定です。

【過去記事はこちらから】
1話『アラサー女。基本、日雇いで生きてます。』
2話『野菜袋詰めで“きゅうりハイ”』
3話『監視カメラは見た! 密室の個人作業で熱唱する女』
4話『サマージョブ~アラサーを襲う熱中症~』

柿ノ種まきこ/@kakinotane_makiko
日雇いをしながらマンガを描くアラサー。過去には、「iVERY」にて婚活マンガ『女もつらいよ』を連載。現在はインスタグラムにて、マンガを不定期投稿。
https://www.instagram.com/kakinotane_makiko/

「ただの“出オチ”じゃない!」作者が語る、極道×アイドルマンガ『Back Street Girls』の魅力とは

 今、アイドル界では、ありとあらゆるものとの組み合わせが考えられている。プロレスアイドル、元自衛隊アイドル、女医アイドルなど、挙げていけばきりがないほどだ。

 そんな中、「極道」と「アイドル」というありえない設定で人気となったマンガがある。2015年から「ヤングマガジン」(講談社)に連載されている『Back Street Girls』だ。

 主人公は、「犬金組」という組織に属する若手極道の男3人。彼らは性転換&全身整形を施し、アイドルグループ「ゴクドルズ」としてデビューすることになる。極道ならではの特訓でアイドルのスキルを身につけた彼らは、アイドルヲタクから人気となり、その中で様々な出来事が起こっていく――。

 この奇想天外な設定が、ネットを中心に話題となり、今回ついにアニメ化されることとなった。

 一体、どんな発想からこの作品は生まれたのか? そしてアニメの見どころを、作者のジャスミン・ギュさんにお話を伺った。

* * *

 

――作品のアイデアは、どのような形で生まれたのでしょう?

ジャスミン・ギュ(以下、ジャスミン) 一言で言うと“究極のギャップ”を描きたかったんです。もともと極道モノを描きたいという気持ちがあって、“極道”と対称的なものを考えたときに頭に浮かんだのが“アイドル”でした。

――極道モノを描きたかったというのは、何か理由があるのですか?

ジャスミン 私、おじさんを描くのが好きなんですよ(笑)。それで、極道を描いていたら、担当さんから「可愛い女の子も出してよ」と言われて、女の子を描いてみました。

 自分では、今でも女の子を描くのは下手だと思っています。あまり描きたくなかったですし(笑)。でもいい機会なので、思い切ってこの作品は女の子を主人公にして、上手くなりたいなとは思いました。

――作品を描くにあたって、モデルとした人物や、参考にしたものは?

ジャスミン キャラクターなどで参考にしたものは全くないですね。衣装を参考にさせてもらった程度です。

 取材でとあるグループのライブを何度か見に行きましたが、ファンの幅広さには驚きました。年齢層もさまざまだし、女性もいますし。 

――好きなアイドルはいますか?

ジャスミン テレビなどで見ることはありますけど、「ファン」と言えるほど好きになった人はいないですね。私は、いろんなことにハマりやすいタイプなんですよ。なので、もし本気でファンになってしまったらどうなるかが怖いです。作品に出てくる人たちみたいに、実際CD何百枚も買ってしまいかねないです(笑)。

――マンガ作品では、どのようなものが好きでしたか?

ジャスミン 子供の頃は、鳥山明先生の『ドラゴンボール』(集英社)などが好きでした。一番好きなマンガ家さんは、伊藤潤二先生。楳図かずお先生の作品も好きです。ホラーマンガがとにかく好きなんですよ。

 なので、影響されないように意識しています。それでも影響されてしまっている部分はあると思いますね。

――今作を描くときは、ストーリーから作られたんですか? それともキャラクターから?

ジャスミン まずは設定を作って、その後がキャラクターですね。ただ、組長のキャラクターについては、ずっとこういう人を描きたいと思っていたんです。“ヤクザがアイドルになる”という設定が話題になりがちですが、彼らのキャラクターにも注目してもらいたいです。

――ストーリーやギャグのアイデアは、どのようにして考えられているのでしょう?

ジャスミン 何か方法があるわけではなく、単純に絞り出す感じです。

――ゴクドルズが歌う曲の詞も、先生が考えられているんですよね?

ジャスミン はい、私が考えています。ぼんやりとイメージはあるんですが、なるべくポップな感じにしようと思っていますね。

 音楽は大好きで、私自身、バンドもやっていたくらいなんです。よく聴くのはレゲエとかですね。

――連載は、今年3月発売の「ヤングマガジン」16号で一旦休止されていましたが、6月18日発売の29号から再開されましたね。今後の展開はどのようになりそうですか?

ジャスミン 今までのストーリーは、いろんな人が不幸になっていたので、その人たちを幸せにさせてあげたいなと思っています。まぁ、実際描いてみないとそのとおりになるかどうかはわからないですが。もしかしたら、もっと不幸になるかもしれない……。たまに、「ゴクドルズ」の生みの親である組長が暴走しがちで(笑)。

――やはり組長にも幸せになってもらいたい?

ジャスミン 組長はひどいことをやってるじゃないですか。だから、「この人こそひどい目に遭ってほしい」とはよく言われますね。悪い人間なんですけど、かっこよさは保ってあげたいと思っています。

――今回の作品以外で、今後描いてみたいテーマなどはありますか?

ジャスミン いろいろありますね。具体的なところまでは決まっていませんが、スケールの大きな作品を描いてみたいです。もちろんギャグマンガで。

――この作品もギャグ要素がありますが、時折ヒューマンストーリー的なシーンも出てきますよね。

ジャスミン 私は、ドラマや映画でもヒューマンストーリーの方が好きなんですよ。小説も恋愛小説が好きですし。なので、いろいろ挑戦していきたい気持ちはあります。

――ちなみに、原作のファンの方は、どのような層が多いと思われますか?

ジャスミン 20~30代の男性で、マンガ好きな人かなと思っているんですが、担当からは、結構女性ファンも多いと聞いています。たまにやりすぎる下ネタがあったりするので、ドン引きされない程度にとどめていこうとは思っています(笑)。

――この作品が話題になった一番の要因は、何だと思われますか?

ジャスミン やはり、最初の設定が大きいと思います。でも、それだけだと思われると悔しい部分もあります。「“出オチ”じゃなくて、その後のストーリーも、ギャグも、ちゃんと面白いよ!」と言いたいです。

――ここからはアニメについてお聞きしたいのですが、アニメ化の話は、いつ頃決まったのでしょう?

ジャスミン 話自体はかなり前からあったのですが、正式に決定したのはわりと最近です。決まってからはバタバタと具体化していきましたね。原作の雰囲気のまま作ってくださるということだったので嬉しい反面、過激な描写もあるので、大丈夫なのかなという心配もありました。

――ネットでの反響も大きいですが、SNSなどはチェックされていますか?

ジャスミン ネガティブなことが書かれている掲示板などは見ないようにしていますね(笑)。

――声優さんのアフレコ現場にも立ち会われたそうですが、先生から「こうしてほしい」など要望を出されたりはしたのですか?

ジャスミン 私はほとんど何も言わずに、アニメのスタッフの方におまかせしました。ただ、1話でアイリが「ちくしょう!! 売れちゃったよ!!」と言うシーンがあるのですが、それだけは「思い切って叫んでほしい」とお願いしましたね。

 現在PVも公開されていますが、一視聴者として見て、普通に面白かったです。インパクトがあって(笑)。

――7月3日からいよいよ放送が始まりますが、「ここは注目してもらいたい」という点は?

ジャスミン もちろん、“極道”であり“アイドル”でもあるメインキャラたちのギャップは面白いので見てほしいですが、個人的には脇役にも注目してもらいたいです。マンガを描く段階では、それほど作り込んでいなかったキャラでも、声優さんたちが声をあてることで本当に面白くしてくれているんです。実は、メインキャラ以外にも豪華な声優さん方が出演してくださるので、そこも楽しみにしていただきたいですね。

――最後に、読者のみなさんにメッセージをお願いいたします。

ジャスミン アニメもマンガも、これからもっともっと面白くなりますので、ぜひ期待していてください!

* * *

 一見、突飛な設定に思われがちだが、先生のお話を伺って、それだけにとどまらない魅力と見どころのある作品であることを再認識した。アニメ放送後も、必ずやネットで話題になることだろう。ギャグ漫画好き、極道もの好き、アイドル好き、それぞれの見方で楽しむことができる作品だと思う。まずは、今夜放送の第1話に注目だ。

(取材・文=プレヤード)

■TVアニメ『Back Street Girls-ゴクドルズ-』
原作:ジャスミン・ギュ(講談社「ヤングマガジン」連載)
監督:今 千秋

BS11 7月3日より毎週火曜深夜1時~
TOKYO MX 7月3日より毎週火曜深夜1時40分~
MBS 7月3日より毎週火曜深夜3時~
AT-X 7月7日より、毎週土曜23時30分~
※リピート放送:毎週火曜15時30分~/毎週金曜7時30分~

公式HP:http://backstreetgirls-anime.toeiad.co.jp/ 
公式Twitter:https://twitter.com/inuganekikaku
公式Facebook:https://www.facebook.com/animebsg/

©ジャスミン・ギュ・講談社/犬金企画

■マンガ『Back Street Girls』
講談社「ヤングマガジン」にて連載中
単行本 1~11巻発売中

「ただの“出オチ”じゃない!」作者が語る、極道×アイドルマンガ『Back Street Girls』の魅力とは

 今、アイドル界では、ありとあらゆるものとの組み合わせが考えられている。プロレスアイドル、元自衛隊アイドル、女医アイドルなど、挙げていけばきりがないほどだ。

 そんな中、「極道」と「アイドル」というありえない設定で人気となったマンガがある。2015年から「ヤングマガジン」(講談社)に連載されている『Back Street Girls』だ。

 主人公は、「犬金組」という組織に属する若手極道の男3人。彼らは性転換&全身整形を施し、アイドルグループ「ゴクドルズ」としてデビューすることになる。極道ならではの特訓でアイドルのスキルを身につけた彼らは、アイドルヲタクから人気となり、その中で様々な出来事が起こっていく――。

 この奇想天外な設定が、ネットを中心に話題となり、今回ついにアニメ化されることとなった。

 一体、どんな発想からこの作品は生まれたのか? そしてアニメの見どころを、作者のジャスミン・ギュさんにお話を伺った。

* * *

 

――作品のアイデアは、どのような形で生まれたのでしょう?

ジャスミン・ギュ(以下、ジャスミン) 一言で言うと“究極のギャップ”を描きたかったんです。もともと極道モノを描きたいという気持ちがあって、“極道”と対称的なものを考えたときに頭に浮かんだのが“アイドル”でした。

――極道モノを描きたかったというのは、何か理由があるのですか?

ジャスミン 私、おじさんを描くのが好きなんですよ(笑)。それで、極道を描いていたら、担当さんから「可愛い女の子も出してよ」と言われて、女の子を描いてみました。

 自分では、今でも女の子を描くのは下手だと思っています。あまり描きたくなかったですし(笑)。でもいい機会なので、思い切ってこの作品は女の子を主人公にして、上手くなりたいなとは思いました。

――作品を描くにあたって、モデルとした人物や、参考にしたものは?

ジャスミン キャラクターなどで参考にしたものは全くないですね。衣装を参考にさせてもらった程度です。

 取材でとあるグループのライブを何度か見に行きましたが、ファンの幅広さには驚きました。年齢層もさまざまだし、女性もいますし。 

――好きなアイドルはいますか?

ジャスミン テレビなどで見ることはありますけど、「ファン」と言えるほど好きになった人はいないですね。私は、いろんなことにハマりやすいタイプなんですよ。なので、もし本気でファンになってしまったらどうなるかが怖いです。作品に出てくる人たちみたいに、実際CD何百枚も買ってしまいかねないです(笑)。

――マンガ作品では、どのようなものが好きでしたか?

ジャスミン 子供の頃は、鳥山明先生の『ドラゴンボール』(集英社)などが好きでした。一番好きなマンガ家さんは、伊藤潤二先生。楳図かずお先生の作品も好きです。ホラーマンガがとにかく好きなんですよ。

 なので、影響されないように意識しています。それでも影響されてしまっている部分はあると思いますね。

――今作を描くときは、ストーリーから作られたんですか? それともキャラクターから?

ジャスミン まずは設定を作って、その後がキャラクターですね。ただ、組長のキャラクターについては、ずっとこういう人を描きたいと思っていたんです。“ヤクザがアイドルになる”という設定が話題になりがちですが、彼らのキャラクターにも注目してもらいたいです。

――ストーリーやギャグのアイデアは、どのようにして考えられているのでしょう?

ジャスミン 何か方法があるわけではなく、単純に絞り出す感じです。

――ゴクドルズが歌う曲の詞も、先生が考えられているんですよね?

ジャスミン はい、私が考えています。ぼんやりとイメージはあるんですが、なるべくポップな感じにしようと思っていますね。

 音楽は大好きで、私自身、バンドもやっていたくらいなんです。よく聴くのはレゲエとかですね。

――連載は、今年3月発売の「ヤングマガジン」16号で一旦休止されていましたが、6月18日発売の29号から再開されましたね。今後の展開はどのようになりそうですか?

ジャスミン 今までのストーリーは、いろんな人が不幸になっていたので、その人たちを幸せにさせてあげたいなと思っています。まぁ、実際描いてみないとそのとおりになるかどうかはわからないですが。もしかしたら、もっと不幸になるかもしれない……。たまに、「ゴクドルズ」の生みの親である組長が暴走しがちで(笑)。

――やはり組長にも幸せになってもらいたい?

ジャスミン 組長はひどいことをやってるじゃないですか。だから、「この人こそひどい目に遭ってほしい」とはよく言われますね。悪い人間なんですけど、かっこよさは保ってあげたいと思っています。

――今回の作品以外で、今後描いてみたいテーマなどはありますか?

ジャスミン いろいろありますね。具体的なところまでは決まっていませんが、スケールの大きな作品を描いてみたいです。もちろんギャグマンガで。

――この作品もギャグ要素がありますが、時折ヒューマンストーリー的なシーンも出てきますよね。

ジャスミン 私は、ドラマや映画でもヒューマンストーリーの方が好きなんですよ。小説も恋愛小説が好きですし。なので、いろいろ挑戦していきたい気持ちはあります。

――ちなみに、原作のファンの方は、どのような層が多いと思われますか?

ジャスミン 20~30代の男性で、マンガ好きな人かなと思っているんですが、担当からは、結構女性ファンも多いと聞いています。たまにやりすぎる下ネタがあったりするので、ドン引きされない程度にとどめていこうとは思っています(笑)。

――この作品が話題になった一番の要因は、何だと思われますか?

ジャスミン やはり、最初の設定が大きいと思います。でも、それだけだと思われると悔しい部分もあります。「“出オチ”じゃなくて、その後のストーリーも、ギャグも、ちゃんと面白いよ!」と言いたいです。

――ここからはアニメについてお聞きしたいのですが、アニメ化の話は、いつ頃決まったのでしょう?

ジャスミン 話自体はかなり前からあったのですが、正式に決定したのはわりと最近です。決まってからはバタバタと具体化していきましたね。原作の雰囲気のまま作ってくださるということだったので嬉しい反面、過激な描写もあるので、大丈夫なのかなという心配もありました。

――ネットでの反響も大きいですが、SNSなどはチェックされていますか?

ジャスミン ネガティブなことが書かれている掲示板などは見ないようにしていますね(笑)。

――声優さんのアフレコ現場にも立ち会われたそうですが、先生から「こうしてほしい」など要望を出されたりはしたのですか?

ジャスミン 私はほとんど何も言わずに、アニメのスタッフの方におまかせしました。ただ、1話でアイリが「ちくしょう!! 売れちゃったよ!!」と言うシーンがあるのですが、それだけは「思い切って叫んでほしい」とお願いしましたね。

 現在PVも公開されていますが、一視聴者として見て、普通に面白かったです。インパクトがあって(笑)。

――7月3日からいよいよ放送が始まりますが、「ここは注目してもらいたい」という点は?

ジャスミン もちろん、“極道”であり“アイドル”でもあるメインキャラたちのギャップは面白いので見てほしいですが、個人的には脇役にも注目してもらいたいです。マンガを描く段階では、それほど作り込んでいなかったキャラでも、声優さんたちが声をあてることで本当に面白くしてくれているんです。実は、メインキャラ以外にも豪華な声優さん方が出演してくださるので、そこも楽しみにしていただきたいですね。

――最後に、読者のみなさんにメッセージをお願いいたします。

ジャスミン アニメもマンガも、これからもっともっと面白くなりますので、ぜひ期待していてください!

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 一見、突飛な設定に思われがちだが、先生のお話を伺って、それだけにとどまらない魅力と見どころのある作品であることを再認識した。アニメ放送後も、必ずやネットで話題になることだろう。ギャグ漫画好き、極道もの好き、アイドル好き、それぞれの見方で楽しむことができる作品だと思う。まずは、今夜放送の第1話に注目だ。

(取材・文=プレヤード)

■TVアニメ『Back Street Girls-ゴクドルズ-』
原作:ジャスミン・ギュ(講談社「ヤングマガジン」連載)
監督:今 千秋

BS11 7月3日より毎週火曜深夜1時~
TOKYO MX 7月3日より毎週火曜深夜1時40分~
MBS 7月3日より毎週火曜深夜3時~
AT-X 7月7日より、毎週土曜23時30分~
※リピート放送:毎週火曜15時30分~/毎週金曜7時30分~

公式HP:http://backstreetgirls-anime.toeiad.co.jp/ 
公式Twitter:https://twitter.com/inuganekikaku
公式Facebook:https://www.facebook.com/animebsg/

©ジャスミン・ギュ・講談社/犬金企画

■マンガ『Back Street Girls』
講談社「ヤングマガジン」にて連載中
単行本 1~11巻発売中

みんなの力が<命令者ちゃん>を救うと信じて……相次ぐ休刊で“マンガ雑誌の未来”は?

 マンガ雑誌のウェブへの移行は、止まらない流れになっているのか。その先に待つのは文化の衰退か?

 もはや出版社が紙媒体での発行継続を諦めて、ウェブへ移行するのは、ありふれた話になっている。5月には徳間書店の「月刊COMICリュウ」、白泉社の「別冊花とゆめ」が相次いで休刊を発表した。

 前者は近年アニメ化もされた『モンスター娘のいる日常』や『アリスと蔵六』の掲載誌。さらに、休刊が発表された最新号では『推しが武道館いってくれたら死ぬ』のアニメ化決定が告知されている。

「別冊花とゆめ」の場合、読者が恐れたのは、いまだ終わらない大長編『ガラスの仮面』の掲載誌であったこと。その作品の力ゆえにか、大手新聞まで休刊の話題を取り上げ、作者の美内すずえ氏が自身のTwitterで「最終巻まで書き続ける」と表明するまでに至った。

 アニメ化される作品を多数抱えていたり、多くの熱い読者がいる作品の掲載誌であっても休刊を逃れ得ないマンガ雑誌の衰退。この背景には何があるのか。

「とにかくマンガ雑誌は、ここ数年でガクンと売れなくなりました。雑誌を発行している出版社が無料のウェブコミックを多数発行したりするのですから、読者がそっちに流れるのは当然でしょう。まだ安定しているとはいえ、無料が当たり前になっていけば、いずれコミックの売り上げも下がっていくことになるでしょう。自分で自分の首を絞めていますよ」(都内の書店員)

 実にマンガからYouTubeなどの動画サービスまで「基本は無料」という概念の浸透は著しい。結果、ネットでバズっても売上には結びつかずに、作品がネタにされて終わるだけという悲惨な事態も繰り返されている。

「ここ数日、『週刊少年ジャンプ』(集英社)に連載されている『ジガ-ZIGA-』に登場する“命令者ちゃん”が、ネット上で妙な話題になっていますけど……わざわざ本誌を買ってアンケートハガキを送ってくれるような人は限られているでしょう。カネを使わずに楽しむ文化が普及している今、もうマンガ文化そのものが衰退期に入っているといえるでしょう」(編集者)

 もしも「これは!」という作品を見つけたら、アンケートハガキを送り、SNSで呟き、雑誌も単行本も買って支える。その信念がなければ、面白いマンガは生まれない。

 みんなの力がマンガを救うと信じて……。
(文=是枝了以)

【マンガ】彼の面影が忘れられない……「キャス変」は演歌の世界!?【2.5次元の推しゴト!!】

 城田優、斎藤工、宮野真守など、有名俳優も多く輩出している“2.5次元“の世界。

 「注目度の高いジャンルであることは知りつつも、なかなか一歩が踏み出せない……」そんな読者のために、ひょんなきっかけから2.5次元にハマった漫画家・吉田にくが、2.5次元素人の編集・ちーとともに、その楽しさとおっかけ舞台裏、人気のイケメン情報までを全力レポート!

(第1回はこちら:『ガラスの仮面』も2.5次元!? 見えないモノを見せる“技術”とは)
(第2回はこちら:”2.5次元ネットワーク”は侮れない!? 海をも超える「ヲタ活」の実態)
(第3回はこちら:宮崎秋人はハンガリーでも愛される!? 2.5次元愛と”チケットの壁”)
(第4回はこちら:「推し」は触れずに愛でるもの!? 2.5次元と”ガチ恋”とは)
(第5回はこちら:小越勇輝は「いい匂い」!?  “誕生日イベント”と握手の魔力)
(第6回はこちら:2.5次元俳優の愛は「課金で示す」!? 生身のキャラへの“愛情表現”)
(第7回はこちら:2.5次元オタの家には「必ずある」!? 2.5次元と“神棚”の存在”)
(第8回はこちら:”箱推し”は俳優だけじゃない!? 裏方も”推し”の2.5次元”)
(第9回はこちら:見れば見るほど増えていく! ”2.5次元推し”は伝染するモノ”)
(第10回はこちら:「キャス変」はオトナの都合!? 2.5次元の公演事情”)

第11回:「キャス変」は演歌の世界!?

024-600
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(毎週日曜日・次回は7月8日更新)

吉田にく(よしだ・にく)
バリ島と2.5次元にどっぷりハマり続ける漫画家。
趣味は旅行と漫画を描くこと、2.5次元舞台歴まだ2年ちょいながらも、自由業であることを活かし平日も舞台に通っている。
2018年の推しメンは前山剛久、櫻井圭登、荒牧慶彦他にもわさわさ。
先行抽選チケットを勝ち取るために日々徳を積む事を心がけています!
近著に『バリ島だらだら旅』(ワニブックス)。

「漫画村」本当の問題はこれから……ブロッキングをめぐり、内閣府の検討会がついに始まった!

「漫画村」はなくなったのに、まだ続けていたの? 大騒動を巻き起こした上に4月に消滅した海賊版サイト「漫画村」が巻き起こしたブロッキング騒動は、まだ続いていた。

 ブロッキングとは、特定のウェブサイトへのユーザーのアクセスを遮断すること。海賊版サイト「漫画村」をめぐっては、これを行うべきとの意見が、権利を侵害されている出版社側からも出されて、議論の的となった。

 一見すれば、悪質なサイトを遮断するのだから正当な行為に見える。ただ、ブロッキングというのは、実はとんでもない行為だ。要は、ブロッキングの対象となっているサイトにアクセスしようとして、初めてインターネット・プロバイダが遮断を行う。どういうことかといえば、ユーザーがインターネットを用いて行っている通信を覗き見られているのだ。

「通信の秘密」というのは、日本国憲法というより近代以降、守られることが前提となっている権利の一つ。ゆえにブロッキングしたほうが効率がよいから、やってしまおう!! というワケには本来いかないのだ。

 ところが、海賊版サイト「漫画村」の問題をめぐっては、ブロッキングがもっとも有効な手段であるとして、これを容認する声が浮上。ついに、法整備が議論されるまでになったのである。しかし、問題の発端である海賊版サイト「漫画村」は4月に消滅。その後、議論は沈静化しているように見えた。

 ところが、法整備の準備はまだ続いていた。6月22日、内閣府では海賊版サイト遮断をテーマに初めての検討会を開いたのである。

 この会合では、慶応大の村井純教授と中村伊知哉教授が共同座長として、出版社や通信事業者が出席。憲法への抵触などの懸念を検討して結論を出すとしている。

「あくまで、検討会ではありますが、全体的な雰囲気としては法制化への問題を払底するのが目的のように感じます。要は、結論ありきの議論のようにも思えました」

 そう話すのは、会議に出席した関係者の一人だ。

 海賊版サイト「漫画村」をめぐっては、4月に政府の知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議が、児童ポルノを扱っているサイトではブロッキングが実施されている現状を挙げて、同様の措置が適当だとされた。しかし、法的根拠を明確にする措置が必要とされ、この検討会が新設された経緯がある。

「悪質なサイトだからといって、ブロッキングを是認しては、際限なく対象が広がっていく懸念があります。でも、このまま法整備は進んでいくのではないか」(傍聴者)

 やがては、あらゆるエロサイトや「有害情報」も対象にされてしまうという可能性もあるというのに。意外にこの問題は注目されていない。
(文=特別取材班)