娘が「すみっコぐらし」のグッズを友達にあげてしまった! お礼は折り紙と手紙だけって許せる?

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係は、価値観や環境の違いからさまざまなすれ違いが起きやすい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、ママ友トラブルの解決策を考える。

 子どもの頃、香りのついた消しゴムや小さな便せんなど、可愛らしい文房具を友達同士で交換したことがある人は少なくないだろう。令和の小学生の間でも、友達同士でプレゼントを贈り合う風習は残っているようだ。しかし、そこにはトラブルも潜んでいる。今回は、娘の友達付き合いをめぐり、ママ友の対応に頭を悩ませているお母さんの声を取り上げる。

小学校の帰り道にある我が家は子どもの溜まり場に

 都内に住む歩美さん(仮名・43歳)は、私立大学の事務として勤務しながら中学1年生になる息子と、小学3年生の娘の育児をしている。

「娘の愛理(仮名)はコロナ禍の時に小学校へ入学した影響からか、新しい友達ができにくかったんです。当時は子どもの保育園が同じだったママ友とLINEのグループを作って、子どもたち同士で遊ぶ機会を作るようにしていましたが、今では愛理も、小学校にたくさん友達ができました」

 戸建て住宅である歩美さんの家は現在、子どもたちが集う場所になっているそうだ。

「我が家はちょうど小学校の帰り道にあるので、よく娘が友達を家に連れて来ているようです」

 放課後、子どもたちが歩美さん宅で過ごすことは、ママ友たちも了承しているそうだ。というのも、歩美さんの家には中学生の息子がおり、小学生だけで留守番しているわけではないため、「安心感があるみたいですね」とのこと。

「小学校の周りには高額な民間学童しかないため、当初は仲が良いママ同士で『お互いの家で子どもを留守番させよう』とも話していたんです。実際に、娘もママ友の家で遊んでいたのですが、ほかのお宅はみんなマンションでして、『一軒家のほうが広い』という理由から、自然とうちに子どもたちが集まるようになった感じですね」

 歩美さんの家では、息子さんが小学生の頃も、友達がよく遊びに来ていたそうだ。

「私は時短勤務で午後4時には退社できるので、フルタイムで働いているママの子どもがよく遊びに来ていました。ママ友にうちまで迎えに来てもらうのは悪いなぁと思い、子どもたちには『帰る時間があまり遅くならないようにね』とよく伝えていました。それでもゲームに熱中して、なかなか帰らないこともあって、それには困ってしまいましたね」

 子どもたちが集まる家ならではの悩みはほかにもある。

「息子と友達は当時、ポケモンカードや『Nintendo Switch』でよく遊んでいました。ある時、そのゲームソフトがなくなってしまい、一緒に遊んでいたママ友にLINEをして探してもらったことがあるんです。どうやら友達が、息子にソフトを借りたまま持って帰ってしまっていたのです。そういう子ども同士のトラブルがあると、『うちで遊んでもらうのは嫌だな……』と思ってしまいます」

 最近、歩美さんは、愛理さんの友達付き合いで困っていることがあるそうだ。

「息子は、特定の少数の友達と仲良くするのではなく、大勢のクラスメイトが一気にうちへ遊びに来て、途中で公園に行く……という遊び方をしていたのですが、愛理は仲のいい2~3人の女の子とばかり一緒に過ごしていて、その子たちが代わる代わる毎日遊びに来ています。そのうちの1人は、ママに会ったことがないので、何かあった時に困るなぁとは常々思っていました」

 ある時、愛理さんの持ち物で気になることがあった。

「愛理の筆箱を見たら、鉛筆や消しゴムが減っているんです。それにぬいぐるみも1つなくなっていました。『この前、買ってあげたばかりじゃない』と聞いたら、家に遊びに来た三奈ちゃん(仮名)にあげてしまったと言うんです。三奈ちゃんは、3年生になって初めて同じクラスになった子で、さっき話した“ママと面識がない子”。三奈ちゃんは娘の好きな『すみっコぐらし』のキャラクターを気に入って、『欲しい』と言ったみたいで、愛理がプレゼントしたそうです」

 もともと家に遊びに来ていたのは保育園で一緒だったママさんの子どもが多かったので、「気軽に連絡が取れた」という歩美さん。しかし子どもが小3にもなると、交友関係が広がり、相手の家庭を把握しきれなくなったそうだ。

「三奈ちゃんのママは、あまり保護者会などには来ないので、顔もよくわからないんです。息子の時のゲームソフトのように高額ではないですが、ノートや文房具、ぬいぐるみなどを勝手にあげるのはよくないと思いました。娘にも『金銭のやりとりではないけれど、パパとママが働いて買ったものなのだから、そういうことはしないで』と伝えたんです」

 しかし、愛理さんから驚くような反論をされたという。

「愛理は『あげたんじゃない。お礼をくれたよ』と言い、折り紙の作品や、メッセージの書かれたノートの切れ端が入ったビニール袋を持って来たんです。子ども同士なので悪気はないのでしょうが、新品の文房具やぬいぐるみのお礼を、折り紙や手紙で済ませてしまっていることに、強い違和感を抱きました」

 そこで、歩美さんは三奈ちゃんのママに手紙を書いたそうだ。

「もしかしたら、うちに遊びに来ていることを知らないかもしれないので、手紙にはまずそのことを書きました。それから、愛理が文房具やぬいぐるみをあげてしまったことを記し、『お互いそういうことはしないようにしませんか』『ご家庭でも三奈ちゃんに注意してほしい』と書きました」

 その手紙を三奈ちゃんに『パパかママに渡してね』と伝え、託したという歩美さん。しかし――。

「その後、公開授業で三奈ちゃんのママと会う機会があったのですが、何も話しかけてこなかったんです。私だったらすぐ謝るのに……。たまらずこちらから『こんにちは』と声を掛けたのですが、『こんにちは』と受け流されてしまって、『私の手紙読んだのかな』『読んだのに何も伝わってない?』と、それ以来モヤモヤしています」

 物の貸し借りや、もらったりあげたりをめぐり、子ども同士、また親同士がトラブルになるケースはよくある話。最近は、おもちゃや文房具も高額化しているが、「親の知らぬところで、子どもが友達に貸したり、あげたりしてしまう」ことは、ママたちの悩みの種になっているようだ。実際、筆者も、気づかぬうちに子どもが自分の文房具を友達にあげていたことがあった。

 小学校中学年くらいまでの子どもは、物の価格や価値はわからないだけに、キャラクターものなど、周りの友達が欲しがるグッズは、できるだけ学校や学童には持っていかせず、家の中だけで使うのが得策といえる。しかし、愛理ちゃんと三奈ちゃんは自宅で遊ぶ仲だけに、それでは防ぎきれない。

 となると、やはり「もともと付き合いがあり、コミュニケーションが取れるママの子どもしか家に招かない」ようにするしかない。たとえ親しいママ友同士でも、おもちゃがなくなったことを伝えたり、子どもがあげたつもりのものを返してほしいとお願いするのは、気が引けるものだし、あまり知らない相手であった場合、それはなおのこと難しいだろう。

 三奈ちゃんのママは、実際のところ手紙を読んでいないかもしれないが、子ども同士のトラブルに介入するのを嫌がるタイプの可能性もある。しかし、お互いに「物の貸し借りは、親に確認してからじゃないとしない」「持ち物を勝手にあげたりしない」というルールを明確に共有できているママではない場合は、自分の目が届く場所で、子どもたちを大勢かつ公園で遊ばせるなど、個人同士だけの付き合いにならない工夫をする必要があるかもしれない。

 そうこうしているうちに、子どもも成長し、物の価格や価値を理解できるようになって、こうしたトラブルはなくなっていくはずだ。

ママ友から、USJへの合同旅行に誘われて……「どう断ったらいい?」内気ママの憂鬱

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係は、価値観や環境の違いからさまざまなすれ違いが起きやすい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、ママ友トラブルの解決策を考える。

 コロナ禍が落ち着いた今年の夏休み期間、レジャー施設や観光地がかつてのような盛況を見せ、ファミリー層の外出が復活したことを実感させる。同時にママ友と子連れでお出かけする機会が増えたというママも多いだろうが、今回は、「夏休みにやたらと外出に誘ってくママ友の対応に困った」というお母さんの声を取り上げる。

夫は単身赴任、小学生と園児のワンオペ育児をするママ

 涼子さん(仮名・40歳)は、首都圏で小学3年生の娘と保育園の年長である息子の育児をしている。夫は、北陸地方に単身赴任中のため、自動車メーカーの総務部に事務として勤務しながら、ワンオペ育児で2人の子どもの面倒をみているそうだ。

「夫は、観光地などに展開しているホテルチェーンで働いています。コロナ禍の影響で、観光業が下火になった時も変わらず勤務していました。そして、旅行が活発になった今年、地方のホテルへ支配人として転勤に。観光業なので、こっちに戻って来られるのは平日のみなんですが、子どもは学校や保育園があるので、家族で外出することはほとんどなく、もっぱら家で過ごしています」

 涼子さんの娘の陽菜乃ちゃん(仮名・9歳)は人見知りをする性格だが、保育園の頃から仲の良い彩奈ちゃん(仮名・9歳)とは、休みの日もお互いの家に行き来して過ごしている。

「彩奈ちゃんのママの望美さん(仮名・39)は、地域の祭りの手伝いを自ら申し出たりするなど、すごく社交的な性格でママ友も多い。でもここ数年は、娘同士の仲が良いので、私たち親子とばかり一緒に過ごしているんです」

 涼子さんは、外出するとなると、1人で陽菜乃ちゃんと年長の男の子の世話をしなければならないため、通院など以外では、遠出はしないという。しかし、望美さん親子と一緒だと、ある程度自由に動けるため、助かっているそうだ。

「娘同士の仲が良いので、望美さんがどこかへ買い物や遊びに行く時には、うちにも声をかけてくれるんです。公園で遊ぶ以外にも、ママ友と数人で子連れ飲み会をやったり、キッザニアに行ったりもしました。娘も息子も『また行きたい』と大喜びしてましたね。こちらが子ども2人で、向こうは1人なのもあって、望美さんに負担をかけてしまうのではと気を使ってしまうんです。でも望美さんは『私は子ども好きだから気にしないで』と言って、また誘ってくれます」

 さまざまな行動制限が撤廃された今年の夏は、望美さんからキャンプのお誘いがあったという。

「望美さんは、かつて飲料メーカーの配達員をしていたことから、その時のお客さんや同僚など、とにかく知り合いが多い。今年の夏は、当時から付き合いのあるママ友家族とキャンプへ行くと聞いていたんですが、うちも一緒にどうかと誘われたんです。私はアウトドアが苦手だし、単身赴任中の夫も参加できないのでやんわり断ったものの、望美さんは『男手がないとキャンプは行けないと思うから、複数の家族で行けるのはいい機会だよ』と何度も誘ってきました」

 涼子さんが行くのを渋ったのには、ほかにも理由があった。

「望美さんは、私がキャンプに来るほかのママとも仲良くなれると思っているんです。そのママとは、夏祭りで一度、会ったきり。子どもも娘とは別の小学校に通っています。なのに望美さんは『すごくいい人だから安心して』『子どもたちもすぐ仲良くなれると思う』と……。『知らない人とキャンプに行くのは抵抗ある』とは言いづらくて困ってしまいました。最終的には、どうしてもずらせない予定が入ったと嘘をついたのですが、モヤモヤしてしまって」

「一緒にUSJへ行こう」ママ友からの誘いをどうやって断ったらいいのか?

 そんな折、今度は望美さんから、連休などを使ってユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)に行かないかと誘ってきたそうだ。

「早割りだと宿泊代が安くなるプランがあるらしくて、一緒に行こうと言ってきました。でも以前、望美さん親子と東京ディズニーランドに行った時、もう彼女と大型テーマパークに行くのは嫌だなと思う出来事があったんです」

 望美さんから「子どもが中学生になるとパスポート代が高くなるから、今のうちに行こうよ」と誘われ、ディズニーランドに行くことになったという。

「望美さんの作ったスケジュールは分刻みで、どのアトラクションに乗るとか、食べる店もすべて決めてあったんです。本当はもっとゆっくりしたかったのにと、疲れ果ててしまいました。なので、USJでもそうなるかと思うと避けたくて。しかも望美さんが言うには、彼女と仲の良いママ友も興味を持っているらしく、『みんなでコテージを借りて泊まろう』と計画しているんです。やっぱりよく知らない人と泊まるのは嫌だなぁと思ってしまいますし、自分だけ断るのも気まずくて」

 涼子さんいわく、望美さんには普段からお世話になっており、下の子の世話で手いっぱいの時には、陽菜乃ちゃんと彩奈ちゃんが一緒に通っているスイミングスクールの送迎を引き受けてくれることもあるとのこと。

「そういうのもあって、お誘いを断り続けるのも気まずく、悩んでいます。これからも仲良くはしたいのですが、そういう場合、どうやって断ればよいのか……」

 ママ友付き合いは、人によってさまざま。学校行事やPTA委員など、必要に迫られた時のみ連絡を取るだけの相手や、子ども同士が同じお稽古に通い、毎週のように顔を会わせる相手や、また親子ともども仲が良くて一緒に旅行などにも行くような相手など、人それぞれ接し方は違うだろう。とはいえ、お互いの認識が異なってしまうこともある。

 今回の望美さんは、もともと社交的なタイプだが、子ども同士の仲が良い涼子さんのことは、かなり親密なママ友と思っているのではないか。そのため、長い時間を共にするテーマパークやキャンプに行こうと提案してくるのだろう。しかし、相手に気を使ってしまう内気タイプの涼子さんは、望美さんに対してそこまでの気持ちはないのだろうと感じた。

 ただの知り合い程度の関係ならば、涼子さん側からスパッと一緒に出掛けるような付き合いを辞めてしまえばいいが、ママ友となると、子ども同士の関係が第一なのでそれはできない。となると、ある程度、自分の中でルールを作り、「1泊など宿泊を伴う外出は難しい」「レジャー施設は苦手なので行きたくない」と、これは決定事項であるとして、相手に伝えてみてはどうだろうか。

 その際に、ワンオペや夫がいないことを理由にすると、逆に相手が「私が手伝う」と言って、断りづらくなる状況になりかねないので、あくまで「自分が行きたくない」と思う理由を伝えたほうがいいといえる。

 もしもそれで、関係が気まずくなってしまったら、今度は、涼子さんから誘ってみてはどうだろうか。相手からの誘いを受ける側だから、自分の行きたい場所に行けないし、自分の思う通りに過ごせない。望美さんも誘われる側になった時、「ママ友からのお誘いは断りづらい」と気づいてくれるかもしれない。

夏休みの早朝ラジオ体操に現れず! サボり癖のある校外委員のママ友にイライラ爆発

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係は、価値観や環境の違いからさまざまなすれ違いが起きやすい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、ママ友トラブルの解決策を考える。

 コロナ禍が明けた今年、これまで中止されていた盆踊りやラジオ体操といった夏ならではの行事が各地域で復活。ママたちはその手伝いに駆り出されるため、「毎日忙しいのに、さらに負担が増えた」という声も聞こえてくる。今回は、当番をサボるママ友との付き合い方に頭を悩ませているお母さんの声を取り上げる。

PTA委員と校外委員のダブル任務で大忙し!

 都内にある小学校に5年生の娘を通わせている薫さん(仮名・38歳)。彼女は、玩具メーカーの広報として勤務しながら、今年はPTAの広報委員と校外委員の委員長を務めている。

「うちの小学校は在学中に一度はPTAの委員か役員をやらなければならないルール。それとは別に、校外委員と呼ばれる委員活動もあるんです。校外委員は、主に学校外の活動がメイン。交通安全のための旗振り役や登校班のグループ作成、祭りなどの地域活動の手伝いなど、活動は多岐にわたり、必ず担当が回ってくるにもかかわらず、PTAの委員のほうは免除にならないので大変なんです」

 校外委員は、住んでいる地区などにもよってルールが異なるが、「高学年で担当することになるとPTA委員・役員と兼任になってしまうこともある」と薫さんは言う。

「私はフルタイムで働いているので、これまでPTA委員・役員は避けてきました。でも来年は、娘が中学受験をする年なので、5年生のうちに済ませてしまいたいと思ったんです。学級委員のような定期的な集まりがある委員よりも、必要な時だけ集まればいい広報なら……と思って選びました。ところが、住んでいる地区の校外委員も選任されていまい、夏休み中は子ども向けイベントの手伝いにも呼ばれるように。校外委員がこんなにも忙しいとは思いませんでした」

校外委員に選ばれたのに……理由をつけてサボるママ

 薫さんと一緒に校外委員を務めているのが、息子が同学年という晴香さん(仮名・40歳)。

「晴香さんは、家が近所なので、なんとなく顔見知りだったのですが、小3の時に引っ越してきたみたいで、あまり付き合いがないんです。うちの地区の校外委員はみんなで3人。旗振り当番なども分担していたのに、晴香さんは下の子の送迎を理由に当番をサボるようになりました」

 旗振り当番など、期日が決まっているものは、家庭内でスケジュールを調整し、両親のどちらかが担当するのが通例だ。しかし当日、晴香さんもその夫も旗振りに姿を現さなかったため、それに気づいた別の保護者から、校外委員の委員長である薫さんに連絡が入ったという。

「くじ引きで委員長になったのですが、まさか旗振りをサボった人の代わりをすることになるとは思いませんでした。晴香さんに連絡したところ、『下の子を保育園に送ってからやるつもりだった』と言っていて、悪びれる様子もないんです。理由があるから当番はできないっていうのが通るなら、みんなそうしたいですよ……」

 夏休みとなり、PTAの広報委員の活動は休止中だという薫さん。しかし、校外委員の活動は、むしろ活発だ。

「コロナ禍が明けた今年は、夏祭りの受付当番や、ラジオ体操の手伝いなどがあります。ラジオ体操は朝7時からなのですが、校外委員は準備のために6時半には会場の公園に行かなければなりません。先日、眠い目をこすりながら会場に行ったら、なんとまた晴香さんが来なかったんです。あとで『体調不良なので行けません』とLINEが来ました。それなら仕方ないけど、私だって多忙の中、頑張って早起きして手伝っているのに……」

 薫さんがママ友に聞いた話によると、晴香さんはPTA委員の活動は「ちゃんとやっていた」という。

「PTAの委員活動は、先生の協力が必要となるので、手を抜いて学校側の心証を悪くしたくないと、みんな真面目にやるんですよね。でも校外委員は地域のイベントの運営や交通整理など学校外の活動なので、手を抜いてしまうんだと思うんです」

 薫さんは、平日にPTA委員や校外委員の仕事が発生する場合、半休を取って対応している。

「晴香さんはパートタイムで働いているようなんです。これはママ友の意見ですが、『校外活動で働く時間が減ると手取りも減るから、サボってるんじゃない?』と……。実際、PTAも、フルタイムで働いているママさんが仕事を休んで業務をしている一方、パートや時間給で働くママは『シフトをずらせない』という理由で休むケースが多いんですよ」

 共働き家庭が増えた昨今でも、PTAや校外委員の活動はなくならない。薫さんは、まだ残り半年間の任期がある中、晴香さんに「担当業務はきちんと行ってほしい」と伝えるか迷っているという。

「PTAにしても校外委員にしても、『自分がやらなくてもほかの誰かがやる』という雰囲気があるせいか、必ず業務をやらない人が出てくる。でも、旗振り当番にせよ、夏祭りにせよ、ラジオ体操にせよ、前もって日程が決まっているのだから、調整して対応すべきだと思うんです。晴香さんにも、ちゃんと業務をやってほしいのですが、関係が気まずくなるのは嫌だし、どう伝えればいいのか……」

 なにかとトラブルが多いPTA活動だが、今回、話題に上った校外委員と呼ばれる活動もまた、忙しいママたちの悩みの種になっているようだ。

 ちなみにこの校外委員、ほかにもバザーや市民ホールでの映画の上映会といった行事の手伝いも含まれているという。ただでさえ負担となっているPTAの活動以外に、校外活動の手伝いも発生するとなると、ママたちから不満が噴出するのも仕方ない。

 校外委員の活動は、地域の人との付き合いが薄いママの場合、子どもが参加しないことを理由に手伝わない人も出てくる。今回の晴香さんもよそから転居してきただけに、まさにこのケースに当てはまるだろう。その尻拭いを、昔からこの地域に住んでいる人=薫さんがするはめになったという構図のように見えた。          

 では、薫さんは晴香さんに対し、どうやって「校外委員の業務をきちんとやってほしい」と伝えたらよいのだろう。

 そもそも校外委員は、子どもの学年がバラバラということも多く、それまで交流が乏しかったママ友と一緒に活動しなければいけないケースが目立つ。そんな関係性の相手に対し、いきなりストレートに「きちんとやってほしい」と伝えるのは確かに角が立ちやすいだろう。

 できれば、委員をやっているもう一人のママも含めて、「その業務がいかに重要か」「委員が一人でも欠けると、大変であるという事実」を、会議の体で伝えるのがよいと思う。ママ友は、子どもを介した付き合いのため、価値観や立場も違うと思って間違いない。なるべくママ同士、関わり合いになりたくないと考えている人もいるだけに、「あくまでこれは仕事」というスタンスで話をしてみてはどうか。

 サボるようなママは、ママ同士の付き合い自体が希薄で、ほかのママがどのようにして活動を行っているのかを知らない可能性もある。薫さんが正社員で、有休を使って活動をしているという事情を話せば、晴香さんにもその大変さがわかってもらえるような気もする。

 一番よくないのが、何も言わずに、晴香さんの代わりに業務をしてしまうこと。「自分がいなくても事が進む」とわかると、晴香さんはますます活動に参加しなくなってしまうだろう。

 任期が決まっていると、サボりがちな人のしわ寄せがきても、我慢してしまうというママもいる。しかし、周りと協力し、お互いの状況を理解し合い、一人ひとりの負担が減るようになるのが、やはり望ましいと思う。

ポイ活が趣味の堅実なママ友が「ママ起業」! セミナーの誘いを断ったら“既読無視”に

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係は、価値観や環境の違いからさまざまなすれ違いが起きやすい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、ママ友トラブルの解決策を考える。

 昨今の物価上昇を受け、子どもを持つママたちは、生活費を少しでも抑えたい、もしくは収入をもっと増やせたらと日々頭を抱えている。そんな中、ママたちの間で話題となっているのが「ママ起業」だ。その名の通り、子育て中のママが起業をすることを指すが、ネット上では、詐欺まがいの怪しい起業セミナーを告発する投稿も少なくない。今回は、そんなママ起業に没頭しているママ友との付き合いに疲弊したというお母さんの声を取り上げる。

夫婦で夫の家業を手伝い。よく来店してくれる幼稚園時代からのママ友

 喫茶店を営んでいる香菜さん(仮名・39歳)は、9歳になる男児を育児中のママ。この喫茶店は香菜さんの夫である啓介さん(仮名・45歳)の実家で、普段は啓介さんと香菜さんの2人で切り盛りをしている。

「喫茶店は、夫のお父さんと3人で営業していました。ただ、義父は高齢で過労のため倒れてしまったこともあり、ここ数カ月は夫婦で営業しています。20人も入れば満員になる店なのですが、まだコロナ禍以前の客入りには戻っていないですね。でも人を雇うほどの余裕はないので、夫と2人で頑張っています」

 香菜さんの息子・賢人君には多動傾向があり、保育園には預けずに幼稚園に通わせていた。賢人君は小学校に入学してからも、放課後は周りとのトラブル回避のために学童などは利用せず、自宅で過ごしているという。

「いつも1階の店舗で働きながら、上の住居部分で息子を遊ばせていました。でもじっとしていられないようで、すぐ店のほうにやって来るんです。お客さんが少ない時はいいのですが、息子はお客さん用のテーブルにおもちゃを置いて遊んだりするので、困ってしまって。声が大きいこともあり、まだまだ手がかかります」

 香菜さんの店には、幼稚園時代のママ友や、地域センターなどで知り合ったママ友がよく訪れるそうだ。

「うちに息子がいることを知っているので、ママたちも気兼ねなく子連れでやって来てくれるんです。コロナ禍はお客さんが少なかったので、ママたちの来店はありがたかったですね。同じ幼稚園、小学校に子どもを通わせる真里香さん(仮名・40歳)は、1人でもよくランチを食べに来てくれていました。年代も近いので、ママ友というより、普通の友達のような関係です」

専業主婦のママ友が「ママ起業」! セミナーの誘いを断ると思いもよらぬ態度に

 真里香さんは、ママ友の間で、よくアプリの招待メールやクーポンコードを送ってくる人として有名だったという。

「真里香さんは、ずっと専業主婦。そのため在宅でできる“ポイ活”(買い物などに使えるポイントを貯めること)に熱心でした。よく『使わなくても良いから、登録だけして』と言って、アプリの招待メールを送ってくるんです。なんでもアプリを紹介することで、真里香さんと私の双方にポイントがもらえるという仕組みで。『たった500ポイントだけどね(笑)』とメッセージには書いてあったのですが、そのためにこちらはいろいろと入力して登録しなきゃならないので、正直、面倒でした。でもお店に来てくれる手前、断りづらかったんです」

 真里香さんは善意のつもりだったのかもしれないが、その行動はどんどんエスカレートしていった。

「思い返せば、真里香さんは昔から、『今、この漫画が無料で読めるよ』とか『この無料のLINEスタンプ、かわいいからダウンロードしなよ』とか、お得情報をよくシェアしてくれていました。特に興味がない時も『ありがとう!』と返していたせいか、向こうは『いいことをした』と勘違いしてしまったのかもしれませんね」

 ただ、真里香さんの息子と賢人君はとても仲が良く、「それに彼女は、やんちゃな賢人にも優しく接してくれる」と香菜さん。2人の付き合い自体は良好だった。

 しかし、真里香さんがあることに興味を持ち始めてから、香菜さんと次第に話題が合わなくなっていったそうだ。

「真里香さんは、短大で学んだ工芸を生かして、お金を稼ぎたいと言ってきたんです。なんでも、以前、幼稚園のバザー用に手作りのミサンガを販売したら、かなり売れたので、ハンドメイドアクセサリーの販売を始めようと思う……という話でした。今は個人でも簡単にネットショップを作れるし、趣味感覚で始めるのなら素敵だなって思ったのですが、『起業したい』っていうから驚きました」

 先日、香菜さんは、真里香さんから、LINEでママ向けの起業セミナーに誘われたという。

「真里香さんは、起業した主婦のブログを読んで、オンラインセミナーなどを受講し、自分もやってみようと考えたそうです。真里香さんがハマっているブログを教えてもらって見てみたら、もともとは安い時給でパートをしていたけど、起業してコンサルの仕事を始めたら、数千万円稼げるようになった……という夢みたいな話が書いてありました。そういうのを読んで、自分もできると信じてしまったんでしょうね。それで、私にも起業セミナーを勧めてきましたが、『店の手伝いもあるし、休むことはできない』とやんわり断りました」

 そんな香菜さんに、真里香さんは驚くべき言葉を投げつけたそうだ。

「ただの誘い文句だと思うのですが、『そのままだと一生生活が苦しいよ』って言うんです。うちは喫茶店だし、実体がない商売ではないんです。それなのに、あからさまに飲食業をバカにしてきたので腹が立ちました」

 香菜さんは真里香さんに対し、「このママ起業したって人は『みんなに幸せになってもらいたいからノウハウを教える』みたいな体だけど、それが本当だったら無償でやるべきじゃないの?」と物申したそうだ。

「そうしたら、『セミナーを開くのだって会場を借りたり、進行役のスタッフが必要で、いろいろとお金がかかるんだよ』って言い返してきたので、『なんか怪しいよ』『騙されないか心配』と送ったんです。そうしたら既読はついたのに、返信が来なかった。言いすぎたかなと思ったのですが、これ以上、巻き込まれるのは嫌だったので仕方なかったです。ただ、真里香さんと会いづらくなってしまい、賢人にかわいそうなことをしたな……と後悔もしています」

 ママ友付き合いは、通常の友達付き合いとは違い、関係にヒビが入ると、子どもたちにも影響が出てしまう。真里香さんとの関係を修復するためには、ママ起業のセミナーに参加しなければならないかと思うと、「どうしても慎重になってしまう」と香菜さんは言う。

「これまで通り、子どもたちを遊ばせる関係ではいたいのですが、真里香さんはこちら側に踏み込んでくるタイプなので悩んでいます」

 起業したい人に向け、そのノウハウを指南するオンラインサロンやメールマガジンなどは、この世に山ほど存在している。なかでもママをターゲットにした起業セミナーやコンサルティングは最近よく目にするが、景気が低迷するこのご時世、「私が収入を増やさねば」という主婦層は多いのだろう。

 一口にママ起業といっても、その内容はさまざま。特技を生かしてハンドメイドを販売したり、ネイルサロンやマッサージサロンを自宅で開業したりするママのほか、育児や子育てのアドバイザーなどの肩書でセミナーを開催するなど、新事業で起業を行うママも台頭している。今ある技術や知識を生かすことができればいいが、新たに資格を取得したり、設備投資までして起業するのは、今の時代なかなかのギャンブルともいえる。

 専業主婦の真里香さんは、ママ起業向けのセミナーを受講した影響から、自分のスキルを生かした商品を販売すれば、かなり儲かると考えたのだろう。確かに向こう見ずなところがあることは否めないが、現在の日本では、子どもがいると正社員採用はおろか、非正規雇用で採用されるのすら難しい。それでもどうにか収入を増やしたいと考えた時、つい目先のおいしい話につられてしまうのは致し方ない面もある。

 今回、香菜さんは真里香さんに対し、はっきり騙されている可能性を指摘していたが、たとえ腹が立ったとしても、または真里香さんのことが心配だったとしても、それは避けたほうがよかったかもしれない。

 ママ友は、子どもの習い事や学校など、コミュニティが重なっていることが多い。真里香さんとの付き合いを避けたとしても、彼女と交流のあるママとは学校行事や委員活動などで会う機会もある。何かの拍子で真里香さんとトラブルが起きたことがうわさになるかもしれないし、自分が悪く言われてしまうケースも考えられるだろう。普通の友達のように、アドバイスすることで仲が深まるわけではないので、ママ友付き合いには「相手には相手の事情がある」という割り切りも必要だ。

 真里香さんの誘いを断りたいなら、「ほかで働くのを禁止されている」など、仕事を理由にすれば、角が立ちにくかったはずだ。ママ友付き合いは、子どもが同じ学校に通っている場合は続いてしまう。今回の起業のようなお金が絡む話や、同じように経済力が関係してくる子どもの教育方針といった家庭の事情には首を突っ込みすぎず、ほどよい距離感を保つことが大切だろう。