「マジで間抜けな奴」! アカデミー賞でも、ジミー・キンメルのマット・デイモンいじりが炸裂

 

 最高賞にあたる作品賞を誤発表してしまうなど、大小さまざまな話題を振りまいた今年のアカデミー賞授賞式。しかし、アメリカ人を最も喜ばせたのは「司会者のジミー・キンメルの、マット・デイモンいじり」だった。

 深夜トーク番組『Jimmy Kimmel Live!』の司会者として国民的人気を集めるジミー。2005年から番組の終わりに「マット・デイモンに登場してもらう時間は、なくなってしまいました」と言うようになり、実際にマットがゲストとして登場した時も「すみません、時間がなくなってしまって」とエンドロールが流れ、ぶち切れたマットがFワードを炸裂させながら、ものすごい剣幕で激怒。「このビーフはマジだ!」と全米が注目するようになった。

 13年にはマットがジミーをガムテープで拘束。ドヤ顔で番組をハイジャックするという形で復讐を果たしたが、その後、映画『ミケランジェロ・プロジェクト』(14)のキャストをプロモーションで番組に招いた時には、ジミーがマットだけ粗末なイスに座らせ、彼が話し始めた時に火災報知器を鳴らし、消火器の粉をぶっかけた。15年には「番組の計らいでカップル・セラピーを受ける」というエピソードを放送するも、2人とも和解する気はなく、対立したまま。16年にも再びカップル・セラピーを受けたが、「ジミーの顔はケツ」「マットの存在はチンコ」と、低レベルな罵り合いを繰り広げて決裂した。

 そのため、ジミーがアカデミー賞の司会者に抜てきされた時、世間は「マットとのビーフが、授賞式でも見られるかも!」と大いに期待した。

 マットは、授賞式前に受けた複数のインタビューで、「(ジミーの司会は)アメリカにとって最悪なことだ」「失敗することを願ってるよ」「自分の席はステージに近いから。近距離でジミーの大失敗を見られるなんて、今からわくわくだよ」とけなしまくった上、「もし奴が仕掛けてきたら、反撃するつもりだ。自己防衛しなければならないからね」と意気込んでいた。

 一方のジミーは、マットをいじる気満々。席順チェックのためにセレブの写真が貼られている授賞式会場でのリハーサル中、マットの写真に落書きをするという小学生レベルの嫌がらせをしている様子をインスタグラムに投稿。「ゲロ作品賞マット・デイモン」というコメントまで添えていた。

 授賞式のレッドカーペットでは、マットが「(ジミーの攻撃を避ける計画は)特に練ってないね。奴は無能だけど、有能な脚本家たちが周りを固めているから」と気が抜けないと語り、「受けて立つよ。荒っぽいことになるかもしれないけど」と笑った。この直後、ジミーは控え室でマットのインタビューを見ている写真をTwitterに投稿し、「レッドカーペットに死刑囚が」とツイート。待ってろよというメッセージに、ネット上は大いに沸いた。

 このように2人のやりとりへの期待が最高潮に達する中、アカデミー賞授賞式の幕が上がったのである。

■オープニングから攻撃スタート

 ジミーはオープニングを飾るトークで、トランプ新大統領をめぐって分裂しているアメリカの現状について触れ、「この国を1つにまとめるためには、我々国民が団結しようと努力するしかない」という持論を展開。そして「私も、問題を抱えてきた人と和解したいと思います」と早々に攻撃を仕掛ける。カメラはここで「やっぱりきたか」と構えるような表情のマットを映し出し、ジミーは「(その人とは)マット・デイモンです」「マットとはかなり前からの付き合いなんです。初めてマットに会った時は、私の方が太ってたんですよ」と、中年太りし始めたマットのことをさりげなくディス。観客席のマットは口を固くつぐみ、その言葉に「間違ってはないな」というふうにうなずいて見せた。

 続けてジミーはマットを称賛したいと言いだし、「ご存じの方も多いと思いますが、マットは『マンチェスター・バイ・ザ・シー』に主演することができたんです。その作品は、マットがプロデュースしたもので、今回のアカデミー賞には、主演男優賞を含む6部門にノミネートされています」と説明。「彼はその役を、幼少時代からの友人であるケイシー・アフレックに譲ったんです。アカデミー賞にノミネートされることになった素晴らしい役を友人に譲り、自分は“チャイニーズ・ポニーテール映画”に出たんですよ」とジャブを放った。

 この「チャイニーズ・ポニーテール映画」とは、マット主演の新作『グレートウォール』のこと。中国・万里の長城が舞台で、マットは“長髪を後ろで1つに結んだ”古代戦士を演じている。見応えある大作だと評価される一方、中国語版ラジー賞に共演者のアンディ・ラウがノミネートされるなど、微妙な評価もされている作品なのだ。『グレートウォール』のことを「チャイニーズ・ポニーテール映画」と言われたマットは下を向いて失笑。そして、前に座っているケイシーの伸びた髪を触り、「こいつもポニーテールじゃないか」とカメラに向かってアピールした。

 ジミーはお構いなしに「その『グレートウォール』はですね。8000万ドル(約90億円)の大損を出したんです。いや、お見事。マジで間抜けな奴です」とディス。称賛すると言いながら最後にはお決まりのマットけなしをしたことに、観客は大喜びした。

■わざわざマットをおとしめるVTRを作成

 脚本賞発表前には、ジミーが映画『幸せへのキセキ』(11)でのマットの熱演を批評すると見せかけ、ディスりまくるコント映像が流された。同作は、マット演じる妻を亡くしたシングルファーザーが家族のために動物公園付きの広大な家を購入し、動物園の運営に奮闘する姿を描いた、実話に基づいた感動作。ジミーは以前から、この作品をネタにマットをイジってきた。

 コント映像では、まず「『幸せへのキセキ』を知ったのは(カリフォルニア州)バーバンクのマルチプレックス(映画館)だったんです」「映画館は見事にガラガラで、まるで魔法がかけられたようでした。ここにいるのは、私とマットと動物たちだけという錯覚に陥りました」と言いながら、映画館でたった1人で『幸せへのキセキ』を鑑賞するジミーの姿が映し出される。

 劇中、「なんでこんな所を買ったの?」と聞くスカーレット・ヨハンソンに、マットが「Why not?(いいじゃないか)」と答えるシーンが流れ、ジミーはスクリーンのマットを見つめながら、「2つの単語が、まるで3つあるように表現しますよねぇ」とマットの演技をバカにする。また、「よくこんな所を家だなんて呼べるな」と言われ、「いや。あのな、こういうことなんだよ。“こんな所”がオレたちの家なんだ」とマットが真面目な表情で返すシーンが流れると、ジミーも「ここで彼は、相手の言葉を聞き取り、オウム返しするという能力を披露している」と真面目な表情で解説。続けて、息子相手に泣きながら感情をぶつけるシーンが流れ、ジミーは「マットの演技からは、努力している様子が見て取れる。本当に精いっぱい努力しているんだって伝わってくる」と分析。「鳥肌が立つよ。もう何百回も見てるけど、それでも鳥肌が立つ」と首を振りながら言う。そして、最後のシーンが流れた後、「マットという男には、才能はない。でも成功させてしまう、そんな能力があるんだ」と、信じられないという表情で最大にディスった。

■マットがしゃべり始めると音楽が……

 コント映像が終わると、ステージの奥から脚本賞のプレゼンターとしてマットが、親友のベン・アフレックと共に登場。「脚本賞のプレゼンターをご紹介いたします。2度アカデミー賞を受賞されているベン・アフレックと同伴者です」と紹介され、会場は再び盛り上がる。マイクの前に立ったマットは、「“同伴者です”って? マジかよ」と苦々しい顔。ベンはポーカーフェイスで「そうだよ。ほか1名ってやつだよ」と説明。

 そして、2人は脚本賞のプレゼンテーションを始めるのだが、マットがしゃべりだすと舞台下のオーケストラが演奏をかぶせてくるというハプニングが起こる。ベンがしゃべるとピタっと止まるのだが、マットがしゃべりだすと大音量で演奏が始まり、さすがのマットも「冗談だろ? 待ってくれよ、なんだよこの音楽? みんなの前で大恥かかせるのかよ!」と叫び、カメラは舞台下でオーケストラの指揮を執るジミーの姿を映し出す。

 ほかにもジミーがマットにガンを飛ばしたり、マットのイスだけ壊れているように見せたり、ジミーvsマットのバトルはセレブをもファンをも楽しませた。

 今回の授賞式だが、最後は、前代未聞の誤発表で、ステージは大混乱となった。司会者であるジミーは必死にギャグを飛ばして場を和ませようとしたが、気まずい空気を消すことはできず。それまで軽快なトークで式を順調に進行させていたため、ネット上では「マットの怨念が引き起こしたんじゃないか」「マットの呪いだ」とネタにされるほどだった。

 今回の授賞式だけ見るとマットの敗色が濃厚だったが、実はこれで「引き分け」。昨年9月に開催されたエミー賞では、最優秀トーク番組賞の受賞を逃してしまったジミーの前に、マットはリンゴを丸ごとむしゃむしゃ食べながらやって来て「えっ、もう(トーク番組賞)発表しちゃったの? おまえ、賞獲れたの?」「あっ、ごめんね。屈辱的だよねぇ。負けたのに、(賞の司会者として)最後まで、ずっとステージに立ってなきゃいけないんだし。さっさと家に帰って大泣きしたいだろうにねぇ」と容赦ない攻撃。観客に向かって「みなさん、負け犬に拍手を! 彼は素晴らしい負け犬なんです! 彼ほど素晴らしい負け犬がいるでしょうか!」と、ジミーの気持ちをどん底に落としていたのだ。

 ちなみにこの一連のビーフ、完全なるヤラセであり、ファンはそのことを知りながらも楽しんでいる。ジミーが「マット・デイモンに登場してもらう時間はなくなってしまいました」と言いだしたのは、たまたまその夜の番組内容がひどく、プロデューサーを笑わすために口から出たものだったと、彼自身が告白しているのだ。ユーモアセンスのあるマットはノリノリで、偽ビーフを演出。マットの素晴らしい演技力のおかげで、ジミーと敵対していると信じている人も実に多いのだ。

 今後も、延々と続くであろう、ジミーとマットのディスり合い。「次はマットの番。どんな反撃をするのか、待ちきれない!」という声が早くもあちこちで上がっている。

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マット・デイモンの「トイレ・ストライキ」は、高度なジョークキャンペーンだった!

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ジョークが複雑すぎてよくわかんないよ!(動画はこちら

 スパイ映画『ボーン』シリーズなど数多くのヒット作に主演している、実力派俳優マット・デイモン。彼は慈善家、環境問題に取り組む活動家として、世界に大きな影響を与える人物だとも評価されている。そんなマットが、この度「トイレ・ストライキ」を宣言。大きな話題を集めている。

 ハーバード大学在学中に俳優を志し、幼なじみのベン・アフレックと共に脚本執筆し、自身が主演した『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1997)で高い評価を得たマット。6,500万ドル(約60億円)の資産を持つといわれる彼は、慈善活動にも積極的に参加していることで知られている。

 地球規模で深刻化する水問題への注意を喚起するために、3人のアスリートがサハラ砂漠横断マラソンに挑んだ姿を、国連開発計画(UNDP)の後援でドキュメンタリー作品化した『Running the Sahara』(07)のナレーターを務めたことがきっかけで、マットは地球全体の水不足問題に取り組むことを決心。NGO団体「H2Oアフリカ財団」を設立し、水不足を抱える地域へ清潔な水を提供する活動をスタートさせた。09年、同財団は、世界中の水問題に取り組む「ウォーター・パートナーズ」と合併し、「Water.org」へと成長。マットは引き続き財団の顔として、水問題解決支援に尽力している。