文字か麺か、どっちが珍級?
梅雨入り間近の日曜日、横浜の中華街を歩いてる時、中華料理屋のある看板がふと目に入った。

「……」
書けない。てか、フォントがないのだ。しんにょうにうかんむり、肉月に糸? 長、言、馬……。こんな文字、もちろん日本にはないが、中国語の中でも最も画数の多い文字ということらしい。
が、問題はそんなところじゃなくて、この料理。例の文字は「ビャン」と読むらしく、料理の名前は「ビャンビャン麺」。文字どおり、カックカクの麺なんだろうなと食べてみることにした。
小ぎれいな店内で中国人の女将さんにビャンビャン麺を注文すると、
「ビャンビャン麺? 3ツアルヨ、ドレニスル?」
カタコトのタメ口でそう言われ、よく見ると、ちゃんと別メニューに載っている。
「焼き牛肉ビャンビャン麺に、辛口ビャンビャン麺、高菜と和牛筋肉入りビャンビャン麺かぁ……」
実は中華街に来る前に、BBQで肉をたらふく食べていたため、胃袋の肉用キャパは満タンだった。なので、筆者が注文したのは辛口のヤツ。どれくらい辛いのか、少し興味もあったのだ。
客は全員日本人だが、その中に、自慢げに、覚えたばかりの中国語で中国人の女将に大声で質問し、日本語で返事されている痛客2人組が(笑)。
(っるせー客だなぁ)なんて思っていたら、カックカクのビャンビャン麺が着丼した。

どう、カックカク? 57角らしい。
まぜ麺タイプで、具材はひき肉にちんげん菜、もやしに小ネギ。そして下に見える薄べったい餅みたいなのがビャンビャン麺らしい。天地返しを数回繰り返し、いざ、実食と、箸で麺をつまんで持ち上げると……。

「ん?」

「んえ、ええっ……」

「えええっ、えええええええ……。長っげぇ~~~」
椅子に腰掛けて麺上げするだけじゃ腕の長さが足りないので、行儀が悪いが立ち上がって麺を持ち上げる。麺の重さで箸を持つ指がつりそうだ! いったい何十センチあるんだ???
再び腰掛け、からそうなタレが満遍なくついた1本麺をほおばり、ズズッとすすりあげると、あげると……、あげ、られない。1本というか1枚というか、幅広で肉厚の麺が重くて、口の吸引力では啜り上げることができないのだ。

仕方なく、麺をたぐっては食い、食ってはたぐる。辛さは、期待したほど刺激的ではなく、ピリ辛以下という感じ。ひょっとしたら中国人女将が、辛味を弱めてくれたのかもしれない。タレも甘辛くて、麺の弾力もほどよい。
聞くと、麺の長さは約70センチで、1人前だとそれが3本入っているらしい。名前の「ビャンビャン」は、手打ちの麺を伸ばす時の仕草や麺の音だという。なるほどね~。
玄奘三蔵法師が、インドから持ち帰った経典を保管したのが、「ビャンビャン麺」発祥の街・西安。三蔵もビャンビャン麺を食べたのだろうか? 今度、「西遊記」を見るときは、注意して見ることにする。
ビャンビャン麺、うもうございました。
横浜中華街 蘭州牛肉拉面「ビャンビャン麺」880円
SNS映え ☆☆
味 ☆☆☆
珍級度 ☆☆☆
*尚、次回から「珍級グルメハンター」は、「おたぽる」 (https://otapol.com/) に移動となります。「おたぽる」でもよろしくね!
(写真・文=よしよし)
































































