『牛首村』Kōki,の初演技で覚醒した、「村」ホラーシリーズの最高傑作!?

『牛首村』は、ジャパニーズホラーの巨匠・清水崇監督の「恐怖の村」シリーズこと「村」ユニバースの第3弾にして、「村」縛りとしては、最終作となる可能性のある作品だ。

 というのも、配給元の東映は、「東映×ブースタープロジェクト」と題して、清水監督の新たなホラー作品の企画を一般募集しており(現在は終了)、それによると「村」縛りにする必要がないからだ。

 ついにネタ切れか…

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『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』、これこそが正統派バイオだ!

 映画『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』が、1月28日(金)より全国の映画館にて公開される。

「バイオハザード」といえば、1996年に発売され、今もシリーズが続くカプコンの人気ゲームシリーズ。2002年にはミラ・ジョヴォヴィッチ主演で映画化され、これまでに全6作が制作されている。

 しかし、これまでの映画版には、大きな問題点があった。それはシリー…

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ホラー版『魔女の宅急便』でもあった『ラストナイト・イン・ソーホー』の魅力

 12月10日より映画『ラストナイト・イン・ソーホー』が公開されている。

 本作の​​監督・脚本を務めたのはエドガー・ライト。『ショーン・オブ・ザ・デッド』(04)や『ベイビー・ドライバー』(17)など絶賛された娯楽作を手がけてきた彼が、「タイムリープ・サイコ・ホラー」と銘打たれたジャンルへ挑戦していることが最大の注目ポイントだろう。

 実際の本編を観ると、なるほ…

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『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』が実話を『セブン』のように描くホラー映画になった理由

 2021年10月1日より、映画『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』が公開される。

 本作は「死霊館ユニバース」の第8作目。つまり、スーパーヒーロー映画のような「同一の世界観の共有」をホラーでやってのけているシリーズだ。とはいえ、ストーリーの連続性は比較的控えめであるため、今回も含めそれぞれが単体の作品として、予備知識がなくても楽しめる内容になっている。

 今回の目…

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“密告社会”で芽生えた恋愛感情は成就するのか? 台湾発のホラー映画『返校 言葉が消えた日』

 恐ろしい悪夢から目覚めると、そこは現実の世界だった。だが、現実の世界は悪夢よりもさらに恐ろしかった。台湾で2019年に大ヒットし、映画賞を総なめした『返校 言葉が消えた日』は、生々しいリアリティーを感じさせるホラー映画だ。日本人が観てもどこかノスタルジックな気分になる、1960年代の台湾の高校に通う少年少女たちの純真さが悲劇を引き起こすことになる。

 本作がモチーフにしている…

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コウメ太夫はいかにしてコウメ太夫になったのか なぜかNHKが掘り下げた衝撃の半生

 異なる分野で活躍する2人の“達人”が登場し、成功への道筋や、独自の哲学を語り合う『SWITCHインタビュー 達人達』(Eテレ)の7月10日放送回に、映画監督の清水崇とコウメ太夫の2人が出演した。

 一体、どういう組み合わせなのか。『呪怨』を監督した清水はジャパニーズホラーの代名詞的存在だが、コウメは何の達人になる? まれに狂った番組を制作するNHKだが、いくら何でも滅茶苦茶だ…

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『ホラーマンガ黒塗り事件』秋田書店が苦し紛れの発言!? 雑誌協会も唖然!「再三の警告は、なかった」

 今月12日、「ヤングチャンピオン」(秋田書店)で連載中のホラー漫画『殺戮モルフ』の原作者・外薗昌也氏が、20日発売の単行本第2巻に収録される予定だった過激なシーンが無断で黒塗りにされたことをツイート。「前代未聞です」「全く相談無しだったので、ボー然とするしかありませんでした」と語り、注目を集めている。

 外園氏のツイートに対して、多くの読者から秋田書店に対する批判が殺到。そうしたところ、当日中に外園氏から「ヤングチャンピオン編集さんが青くなって飛んできました 行き違いがあり、非礼を詫び、仲直りしました」と報告された。

 外園氏の説明によれば、黒塗りの理由は「倫理委員会かや再三警告来ていて、有害図書指定されたらアウトなので、慎重になり過ぎて真っ黒にしちゃったみたいです」(原文ママ)と記されている。

 同日、外園氏はニュースサイト「ハフポスト 日本版」での安藤健二氏の取材(http://www.huffingtonpost.jp/2017/12/13/hokazono-masaya_a_23305844/)に対して「(雑誌掲載時には)日本雑誌協会の編集倫理委員会から再三警告受けてたので、残酷シーンはアミをかけて黒くし、よく見えないように処置しました。雑誌は不特定多数の人が読みますから、グロテスクなシーンが嫌いな人も多いわけで、仕方ない処置かと思いました。単行本では黒塗りは取る約束でした」と述べている。

 一段落したこの騒動であるが、事件に興味を持つ人々の間では、座間市での大量殺人事件などを背景に、日本雑誌協会が“リョナグロ”への規制を強めているのではないか? という観測が出ている。

 果たして、日本雑誌協会から秋田書店に対しては、どんな要求があったのか。

 前述の外園氏の発言や安藤氏の記事などに記されている「再三の警告」とは、編集倫理委員会の下にある倫理専門委員会から送付される通知である。

 この通知は、青少年に不適切と思われる表現が掲載されている雑誌に対して注意を促すもの。同じ業界団体からの通知でも、18禁にすることを強く求める出版ゾーニング委員会からのものとは違い、あくまで注意を喚起する程度の性質だ。

 それが、どうして編集者が「人気作品なので、有害図書指定されたら(事実上の)発禁になり、連載も中断してしまう、それは絶対に避けたい(前述・安藤氏の記事)」と発言してしまうような事態になったのか?

 一連の業務を扱う日本雑誌協会の担当者は、言葉を選びながらも「びっくりです」と、驚きを隠せないようであった。

 ここで明らかになったのは、雑誌協会から「再三の警告」は、行われていないとのこと。

「倫理専門委員会からの通知書を9月12日付で送付しています。ここで指摘したのは、掲載誌の14号と17号。文面も通常通りのものです」(担当者)

 担当者に確認したところ、今年に入って倫理専門委員会から注意を促す文面を送付したのは、雑誌10誌。うち性的表現が問題とされるものが8誌。暴力は2誌となっている。

 暴力のうち1誌は、同じく秋田書店が発行する「ヤングチャンピオン烈」。指摘したのは、栗原正尚氏の『神アプリ』の暴力表現だという。

 つまり、日本雑誌協会としては通常の自主規制の水準を、なんら変更してはいない。これに対して、秋田書店が過剰な反応をしたというのが実態のようだ。

 むしろ問題は、編集者から「有害図書指定されたら(事実上の)発禁になり、連載も中断してしまう」という発言があったとされていること。有害図書指定制度の問題は別として、それを理由に発禁や連載中止がありえるのならば、秋田書店は相当問題を抱えた出版社と考えざるを得ない。

 あるいは編集者が許してもらおうと、あることないことを並べ立てた可能性も想像できる。

 かつて秋田書店では、松山せいじ氏の『奥サマは小学生』の単行本が、東京都の猪瀬直樹副知事(当時)に、「青少年に有害なマンガ」と名指しされる騒動があった。この時、松山氏は絶版を申し入れて注目されたのだが、秋田書店では、ここぞとばかりに在庫を続々出荷。一部のマンガ専門書店では平積みになり、話題となった。そんな過去もある秋田書店にしては、今回の対応はあまりにも腰が引けている。

 さて、本来ならばここで秋田書店に電話して取材を試みるところであるが、今回はやらない。というのも出てくるのが「担当者不在」か、通り一遍の回答になることが容易に想像できるからだ。

 秋田書店というのは、記事に対して異論があれば直接連絡してくる風潮の出版社(少なくとも数年前までは、そう)なので、反応を待つこととしたい。

 なお黒塗りとなったシーンは、現在、ホラー漫画試し読みサイト「恐ろし屋」で公開されている。
(文=昼間たかし)