篠原涼子主演『民衆の敵』最終回が同枠史上ワースト視聴率更新で、またぞろ“月9廃止”の風向き

 篠原涼子が主演するフジテレビ月9ドラマ『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?』最終回(第10話)が25日、15分拡大で放送され、視聴率は4.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、よもやの“5%割れ”を喫した。裏の日本テレビ系『有吉ゼミ』4時間スペシャルの15.7%にトリプルスコア以上の大差をつけられ、大爆死した。

『民衆の敵』最終回は、今年1月期『突然ですが、明日結婚します』(西内まりや主演)第6話の5.0%を下回り、同枠史上ワースト視聴率を更新する大失態となった。30年の歴史を誇るフジの看板枠で、視聴率が5%を割り込んだのは、むろん史上初の醜態だ。

 初回は9.0%でスタートしたが、その後、7%台→6%台→5%台とジリジリ下げていった。第9話では7.0%まで巻き返したが、最終回で再び急降下した。

 全話平均は6.74%となり、月9ワースト記録を持つ『明日結婚します』の6.65%と、わずか0.09ポイント差で、かろうじて最低記録更新は免れた。

『民衆の敵』は、小さな子どもを持つ普通の主婦・佐藤智子(篠原)が、市政に挑戦する物語。智子は仕事をクビになり、高額報酬に目がくらんで、あおば市の市議選に出馬したところ、繰り上げで当選。市長の河原田晶子(余貴美子)が失職すると、同市議会のボス・犬崎和久(古田新太)に担がれて、市長選に臨み、晴れてあおば市長となった。ところが、ことごとく犬崎と対立。最終回は、身に覚えのない不正献金疑惑や公共事業「ニューポート計画」反対などで、智子(篠原)の人気は急落し、リコールされる目前となっていた。だが、犬崎に付いていた秘書・富田恭一(渡辺いっけい)の告発で、智子の不正疑惑は晴れ、「ニューポート計画」の是非を市民の議会で決める……という展開だった。

「フジの看板枠だった月9は、昨年1月期『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(有村架純、高良健吾主演)以降、6クール連続で視聴率1ケタが続き、主たるスポンサーも離脱してしまいました。ドラマ畑出身の亀山千広社長が6月に退任したこともあり、フジ社内では月9廃止論が噴出し、打ち切りの危機に瀕したようです。しかし、7月期の『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-the 3rd season』(山下智久主演)が平均14.8%の高視聴率をマークして、“存続”に流れが変わったと聞きます」(テレビ誌関係者)

 ところが、今クールの『民衆の敵』が篠原と“今が旬”の高橋一生のコンビで、枠史上ワースト2位の低視聴率となったことで、またぞろ“廃止論”が噴出するのは必至。来年1月期の『海月姫』(芳根京子主演)は、女性向け漫画が原作で、主要キャストは若手ばかりとあって、視聴者が若年層に限定されそう。14年末に能年玲奈(現・のん)主演で公開された映画は爆死しており、視聴率的には期待薄。4月期は長澤まさみの引っ張り出しに成功し、『コンフィデンスマンJP』がオンエアされるが、来年には、月9が廃止の憂き目に遭う可能性もありそうだ。
(文=田中七男)

大みそかに格闘技『RIZIN』で勝負するフジテレビ、まさかの“時間帯最下位”もあり得る?

 まもなく2017年も終わり。大みそかのテレビといえば『NHK紅白歌合戦』の一人勝ちだが、“ビリ争い”の方も興味深いことになっている。

 今年の大みそか夜の各局特番は、NHKが『紅白』、日本テレビが恒例の『笑ってはいけない』、テレビ朝日が林修先生とくりぃむしちゅーのクイズ番組『クイズサバイバー』、TBSが各種トップアスリートを集めた『KYOKUGEN』、テレビ東京が夕方から『年忘れにっぽんの歌』、そしてフジテレビが格闘技の『RIZIN』というラインナップ。ちなみにテレビ東京以外はすべて昨年と同じタイムスケジュールだ。テレビ界の大みそかについて、TV情報誌の記者が語る。

「毎年のように数字が『下がった、下がった』と言われる紅白ですが、昨年は2部で40.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。ほんのわずかではありますが、数字を持ち直しました。その次は日テレが約17%で、事実上、『紅白』か『笑ってはいけない』かの二択状態です。その他の3局(TBS、テレ朝、フジ)はいずれも5%前後で、ほぼダンゴ状態ですが、昨年は微差でテレ朝>TBS>フジの順となりました」

 一時期は大みそかの格闘技中継が恒例行事と化し、複数の局が豪華ゲストを確保してしのぎを削ったが、それも今や昔。そんな中、今年も格闘技1本で勝負するのがフジテレビだが、かなりの苦戦を強いられそうだという。前出の記者が語る。

「今年の大みそかは、昨年とあまり代わり映えがありませんが、いかにも弱いのがフジの『RIZIN』です。低視聴率で三つ巴のテレ朝、TBS、フジですが、テレ朝のクイズは広い年代が見るのにふさわしく、昨年程度の数字は取るはず。TBSはボクシング世界戦、浅田真央、『ボブ・サップ対野生クマ』など、話題になりそうなコンテンツをしっかり揃えました。しかしRIZINは、格闘技ファンでも名前を知らないような選手ばかりで、盛り上がる要素がまったくありません。そこにきて今年は、テレビ東京が3年ぶりに『年忘れにっぽんの歌』をゴールデンタイムに持ってきます。この番組は諸々の問題で2015年、16年と、放送時間が短縮された上、夕方び放送でしたが、今年は夕方4時から6時間の過去最長となり、事前収録のため、紅白出場歌手をはじめ大物が多数出演し、確実に数字が見込めます。さらにテレ東はこの後、人気深夜ドラマ『孤独のグルメ』スペシャル版を放送します。この時間帯にドラマを持ってくるのはかなりのギャンブルですが、“おひとりさま”やネットユーザーには受けそうですし、少なくとも話題性はRIZINよりはるかに上です。消去法でフジが最下位になる可能性は十分にあるでしょう」

 不祥事、炎上、低視聴率など、ここのところほとんど良い話題のないフジテレビだが、2018年も暗い話題からのスタートを強いられそうだ。

大みそかに格闘技『RIZIN』で勝負するフジテレビ、まさかの“時間帯最下位”もあり得る?

 まもなく2017年も終わり。大みそかのテレビといえば『NHK紅白歌合戦』の一人勝ちだが、“ビリ争い”の方も興味深いことになっている。

 今年の大みそか夜の各局特番は、NHKが『紅白』、日本テレビが恒例の『笑ってはいけない』、テレビ朝日が林修先生とくりぃむしちゅーのクイズ番組『クイズサバイバー』、TBSが各種トップアスリートを集めた『KYOKUGEN』、テレビ東京が夕方から『年忘れにっぽんの歌』、そしてフジテレビが格闘技の『RIZIN』というラインナップ。ちなみにテレビ東京以外はすべて昨年と同じタイムスケジュールだ。テレビ界の大みそかについて、TV情報誌の記者が語る。

「毎年のように数字が『下がった、下がった』と言われる紅白ですが、昨年は2部で40.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。ほんのわずかではありますが、数字を持ち直しました。その次は日テレが約17%で、事実上、『紅白』か『笑ってはいけない』かの二択状態です。その他の3局(TBS、テレ朝、フジ)はいずれも5%前後で、ほぼダンゴ状態ですが、昨年は微差でテレ朝>TBS>フジの順となりました」

 一時期は大みそかの格闘技中継が恒例行事と化し、複数の局が豪華ゲストを確保してしのぎを削ったが、それも今や昔。そんな中、今年も格闘技1本で勝負するのがフジテレビだが、かなりの苦戦を強いられそうだという。前出の記者が語る。

「今年の大みそかは、昨年とあまり代わり映えがありませんが、いかにも弱いのがフジの『RIZIN』です。低視聴率で三つ巴のテレ朝、TBS、フジですが、テレ朝のクイズは広い年代が見るのにふさわしく、昨年程度の数字は取るはず。TBSはボクシング世界戦、浅田真央、『ボブ・サップ対野生クマ』など、話題になりそうなコンテンツをしっかり揃えました。しかしRIZINは、格闘技ファンでも名前を知らないような選手ばかりで、盛り上がる要素がまったくありません。そこにきて今年は、テレビ東京が3年ぶりに『年忘れにっぽんの歌』をゴールデンタイムに持ってきます。この番組は諸々の問題で2015年、16年と、放送時間が短縮された上、夕方び放送でしたが、今年は夕方4時から6時間の過去最長となり、事前収録のため、紅白出場歌手をはじめ大物が多数出演し、確実に数字が見込めます。さらにテレ東はこの後、人気深夜ドラマ『孤独のグルメ』スペシャル版を放送します。この時間帯にドラマを持ってくるのはかなりのギャンブルですが、“おひとりさま”やネットユーザーには受けそうですし、少なくとも話題性はRIZINよりはるかに上です。消去法でフジが最下位になる可能性は十分にあるでしょう」

 不祥事、炎上、低視聴率など、ここのところほとんど良い話題のないフジテレビだが、2018年も暗い話題からのスタートを強いられそうだ。

そして日向先生は伝説のカウンセラーとなった! 井上真央の“神演技”が炸裂『明日の約束』最終回

「悩み続けるしかないんだと思います。親の思い込みや決めつけは、子どもにとってつらいんです。愛情だと分かるから、心がどんどん縛られていくんです」

 井上真央主演の社会派ミステリー『明日の約束』(フジテレビ系)の最終話。視聴率の低迷から途中打ち切りにならないかと心配された井上真央の復帰作でしたが、なんとか全10話を完走しました。前回までに誰が吉岡圭吾を自殺に追い詰めたのかという謎解きは済ませていたので、最終回はスクールカウンセラー日向先生を演じた井上真央の、主演女優として圧巻演技が炸裂した50分間となったのでした。

 いつもはドラマのエンディングを飾っていた東方神起が歌う主題歌「Reboot」が流れる中、胸騒ぎのラストエピソードが幕を開けます。愛する息子・圭吾(遠藤健慎)を自殺で失った最凶毒親・吉岡真紀子(仲間由紀恵)との戦いも最終ラウンドです。小嶋記者(青柳翔)から預かった圭吾の肉声が残された音声データを、日向先生は真紀子の家へと届けに行きます。これまで日向先生のことを拒絶していた真紀子ですが、この日はどうも様子が違います。日向先生が圭吾の仏壇に「線香をあげたい」とお願いすると、あっさり「どうぞ」と許可したのでした。

 自殺を考えている人は、無意識のうちにSOSを発していると言われています。日向先生が圭吾の遺影に向かって手を合わせると、近くに真紀子が書いた遺書らしきものがあることに気づきます。圭吾の肉声が唯一残されている大切な音声データは、水槽の中に投げ込まれていました。真紀子が後追い自殺を考えていることを、日向先生は察知します。3カ月間ずっと真紀子に苦しめられてきた日向先生ですが、臨床心理士として、いやその場に居合わせた人間として放っておくわけにはいきません。

 死んであの世にいる圭吾に、自殺の原因は本当に自分なのかどうかを確かめたいと口走る真紀子。短大を卒業後、親から言われるがままにお見合い結婚し、23歳のときに産んだ圭吾だけが真紀子の生き甲斐でした。真紀子は自分が理想の母親になることで、圭吾に幸せな人生を歩ませようと誓ったのです。自分自身にとっても、そして圭吾にとっても絶対的なユートピアとなる理想の家庭を築き上げることに尽力した真紀子でした。でも、大人にとっての完成されたユートピアは、未来のある子どもにとっては自由のないディストピアとなってしまうのです。

 最愛の息子を失い、高校を訴える裁判も取り止めになり、生きる気力を失った真紀子に向かって、日向先生は圭吾から自殺前夜に告白されたことをようやく打ち明けます。「あなたのせいで圭吾が!」と真紀子は詰め寄りますが、そんな真紀子の怒りと憎しみを敢えて日向先生は受け止めるのでした。

「それで真紀子さんが生きようと思うのなら、それでもかまいません。あのとき、答え方が違っていたら何かが変わっていたかもしれません。私は心の苦しみを汲み取ってあげられなかった。ごめんさない」

 日向先生が胸の内をさらけ出したことで、真紀子は圭吾が死んで苦しんでいるのは自分ひとりではなかったことに気づきます。ドラマ開始から15分間にわたる、井上真央と仲間由紀恵との緊張感溢れる演技バトルでした。

 

■これが見納め、毒親・尚子の鬼顔スマッシュ!

 

 女子プロレスラーの豊田真奈美選手は、11月に行われた引退試合で前代未聞となる54人掛けのラストファイトを披露しましたが、最終話の日向先生/井上真央もそれに近いものを感じさせました。真紀子との息詰まるバトルの後は、もっとも身近で、いちばん扱いにくい実の母親・尚子(手塚理美)との決着戦です。

 圭吾の自殺騒ぎに日向の婚約解消といろいろありましたが、この夜は尚子と日向は一緒にコタツに入って、珍しくまったりモードです。「どこか温泉でも行かない?」と尚子は機嫌よさげです。せっかくの母娘の団欒タイムでしたが、日向は意を決して「家を出ていく」と尚子に告げるのでした。

「何よ、それ。ママに相談もなしで。ねぇピッピ、聞いた? また日向が変なこと言うのよ~」

 例によって日向が自己主張すると、尚子は文鳥のピッピちゃんに呼び掛け、家庭内議会での多数派であることを誇示するのでした。そして3カ月間ハラハラドキドキしどおしだった、背面からの振り向きざまの鬼顔スマッシュを決めます。

「本気で言ってんの、あんた? 日向はそんなにママのことが嫌いなの?」

 毒とドスの効いた尚子の高圧的な台詞に対し、日向は一度まぶたを閉じ、ためをつくってから乾坤一擲となる言霊を口から吐き出します。

「嫌いじゃないよ。だから、つらいんじゃない」

 毒親の恐ろしさは、本人が「自分は毒親」と気づいていないことです。日向は涙をボロボロとこぼしながら、尚子の押しつけがましい愛情に子どもの頃から苦しんできたことを訴えます。それでも尚子はまだ自分の非を認めようとはしません。

「あんたなんか二度と顔も見たくない! やっぱりママのことが嫌いなんでしょ。ちゃんと嫌いって言ってから、出ていきなさいよッ」

 日向はこのとき、ずっと研ぎ澄ましてきた優しいナイフで尚子に斬り掛かります。

「言わない。自分を産んでくれた人のことを嫌いになることは、自分を嫌いになることと同じことだから」

 

■日向先生がテレビ界に残したものとは?

 

 2人の毒親とのデスマッチを終えた日向先生は、高校に残される生徒や教師たちに終業式の場でラストメッセージを贈ります。井上真央は主演映画『八日目の蝉』(11)や『白ゆき姫殺人事件』(14)に代表されるように、“受け”の芝居が抜群にうまい女優です。『明日の約束』でも手塚理美や仲間由紀恵のテンション高めな演技に対し、抑えた芝居でずっと応え続けました。演技キャリアのない若手俳優たちとの共演シーンでは、相手のまっすぐな演技を引き出してみせました。でも視聴率は低迷したまま。そんな中でブレずに腐らずに自分の芝居を貫き、そして最後の最後に女優としての底力を発揮してみせます。日本のテレビドラマや映画での壇上での演説シーンは鼻白んでしまうことが多いのですが、井上真央は自分自身や自分の周囲にいる親しい人たちに向かって語り掛けるように、この3カ月間で芝居を通して体感してきたことを言葉へと凝縮していくのでした。

「私がいちばん許せないのは、吉岡圭吾くんです。亡くなった人を否定的に話すのはよくないと思います。でも、私は今を生きている人に言いたいのです。自殺という行為を、つらい現実から逃げるための手段と思ってほしくないんです。吉岡くんにも生きて逃げる勇気を持ってほしかった。生きることから逃げさえしければ、人はやり直せるから。幸せが約束された明日ではなくても、それでも明日も生きていることが大切だと信じてください」

 ノーサイドの時間です。これまで日向先生を窮地に追い込んできた小嶋記者や仮面ティーチャー・霧島先生(及川光博)は日向先生の名スピーチを褒め讃えて学校を去っていきます。日向先生から別れを告げられた年下の恋人・本庄(工藤阿須加)は「今の仕事を辞めて、医大を再受験する」とのことです。16歳のひとりの少年が自殺を遂げたという悲しい事実は変わりませんが、日向先生と共にこの事件に関わった人たちは、ほんの少しですが成長を遂げ、生きていくことの重みを背負う覚悟ができたのではないでしょうか。

 最後に関西テレビが制作した『明日の約束』の功罪について考えたいと思います。毒親というテーマに真っ正面から向き合った姿勢は高く評価されますが、視聴率は初回の8.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)以降は伸び悩み、最終回も5.9%に留まりました。もっと多くの人に観てもらうための工夫がされてしかるべきでした。サスペンス要素を強くしたために、1話~3話を見逃していた人たちが途中から入りづらかった点も惜しまれます。またシリアスムードのドラマにあって、コメディリリーフの役割を任されていたのが白洲迅と新川優愛の若手2人だったのも荷が重すぎたように思います。

 オリジナルストーリーであることを謳っている『明日の約束』ですが、2016年に出版されたノンフィクション『モンスターマザー 長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い』(福田ますみ著、新潮社刊)が企画のベースになっていることは明らかです。もちろん、『モンスターマザー』には日向先生のようなスクールカウンセラーは登場しませんし、『明日の約束』はフィクションドラマとして独自の展開をしています。実際に05年に起きた高校生自殺事件の傷跡が当事者たちには、まだ残る『モンスターマザー』を原作本としてクレジットすると諸々問題があったのでしょうが、関西テレビと新潮社側とでうまくコミュニケーションできていれば、双方にとって効果的な宣伝もできたように思います。例えば、原作として明記するのではなく、「原案」や「企画協力」にするとか。『モンスターマザー』で書かれている毒親のリアルな凄まじさや性善説に基づいた学校教育の危うさは、もっと知られるべきでしょう。日本のテレビ界に社会派ドラマを定着させるための課題も残した番組だったと言えそうです。

 10月の番組スタートからずっと苦虫を噛み潰したような表情だった日向先生でしたが、最終回では毒親との和解を果たしたバスケ部マネジャーの増田(山口まゆ)や真紀子の娘・英美里(竹内愛紗)の元気そうな近況を知り、ようやく明るい笑顔を見せてくれました。自分のことよりも、子どもたちの幸せを喜ぶ日向先生が、とても神々しく思えた瞬間でした。3カ月間、難しい問題に向き合ってきた日向先生/井上真央、お疲れさまでした。そして、決して明るくはないドラマを応援し続けてきた視聴者のみなさんも。どうかよい年をお迎えください。

(文=長野辰次)

フジテレビ来春月9『海月姫』が“大爆死”濃厚で、伝統の「月9」枠に黄信号か

 フジテレビが来春の月9『海月姫』の出演者を発表。視聴率不振からの脱却を狙うフジテレビだが、メンバーと原作を見る限り、苦戦は避けられなさそうだ。

『海月姫』は、東村アキコ原作の漫画。「自分の外観には無頓着で常にスッピン、服装は主にスエット。全く自分に自信がなく、それどころか自分は女性として何の魅力もないと卑下して」(ドラマのHPより)いるという筋金入りの“クラゲオタク女子”のヒロイン・月海が、“女装男子”と“中年童貞”という兄弟に出会ったことで、少しずつ新しい自分や新しい生き方を見つけ──というストーリーで、原作は累計発行部数が400万部を超えている大ヒット作だ。

 フジテレビの月9といえば、『東京ラブストーリー』『101回目のプロポーズ』『ひとつ屋根の下』といった伝説のドラマや、『ラブジェネレーション』『ロングバケーション』『HERO』といった木村拓哉主演の名作を生んだ黄金の時間帯だったが、近年はそのブランドも崩壊。今年1月の『突然ですが、明日結婚します』(西内まりや主演)は、全話平均視聴率が6.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、現在放送中の『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』(篠原涼子主演)も、8話までの平均が7.0%と、数字はまったく伸びていない。テレビ情報誌記者は、次作の『海月姫』についても悲観的な見方をする。

「まずヒロインの芳根京子は、朝ドラの『べっぴんさん』の“すみれ”で、マジメで辛気臭いイメージがついてしまい、家族向けドラマでは受けても、月9を見るようなF1(20~34歳の女性)やF2層(35~49歳の女性)に受けるタイプではありません。正統派の美人ですが、華がなさすぎます。芳根と同じアパートで暮らす『尼~ず』も、元SKEの松井玲奈や元グラドルの内田理央など、同性を惹き付ける要素が低いメンバーばかり。瀬戸康史だけで、どれだけ女性ファンを引っ張れるか……。そもそも『オタク女子』『女装男子』『中年童貞』という設定が見る人を相当選ぶので、いくら原作が大ヒット作とはいえ、一般的なドラマ好き女子に訴えるものがなく、男性に見てほしいのか女性に見てほしいのか、ターゲットがまったく見えません。『海月姫』は、2014年に能年玲奈主演で実写映画化されており、新鮮味も薄いので、相当苦戦することは間違いないでしょう。フジテレビは先ごろ、『めちゃ×2イケてるッ!』と『とんねるずのみなさんのおかげでした』の終了を発表しましたが、『海月姫』が大コケすれば、いよいよ月9でも“英断”が下されるかもしれません」

 2018年早々、フジテレビは厳しい局面を迎えることになりそうだ。

犯人探しをやめた日向先生が最後に向き合うのは? 実質的な最終回となった『明日の約束』第9話

「これは僕なりの教育です。今の時代、教師の立場は無力です。何かあれば保護者がすぐに騒ぎ立て、問題のある生徒を適切に指導することもできない。別に僕は体罰肯定派ではありません。生徒の間違った考えや行いに対して、相応のペナルティーを与えるということです」

 井上真央がスクールカウンセラーを演じる社会派ミステリー『明日の約束』(フジテレビ系)の第9話。最終回直前ということで、日向先生(井上真央)を雁字搦めにしていた問題の数々がいっきに真相解明へと向かっていきます。実質的な最終回といえるほど、盛りだくさんな内容でした。視聴率がずっと低迷していたために打ち切りになることも想定していたのかなと勘ぐってしまう、怒濤のミステリー解決編となったのです。

 まず『明日の約束』の最大の謎は、誰が吉岡圭吾(遠藤健慎)を自殺へと追い込んだのかということ。心優しい圭吾がクラスで無視されるようになったきっかけを演出したのはクラス担任の霧島先生(及川光博)であることを知り、日向先生は驚愕します。日向先生には親切だった霧島先生ですが、実は恐ろしい悪の仮面ティーチャーだったのです。しかも自分では手を下さず、思わせぶりな発言で生徒たちを誘導し、あたかも圭吾をチクリ魔のように仕立てたのでした。子どもたちを思うがままに遠隔操作し、霧島先生はほくそ笑んでいたのです。

 問題のある生徒もしくはその兆候のある生徒への戒めだったと、仮面ティーチャーは告白します。でも、どうして霧島先生は圭吾を標的にしたのでしょうか?

 霧島先生は以前いた高校で女子生徒から告白されたことがあると語っていましたが、どうやらその女子生徒は霧島先生から拒絶されたことを逆恨みし、性的暴行を受けたとでっちあげたようです。その噂を圭吾の母・真紀子(仲間由紀恵)は耳にしており、「同じ問題を繰り返さないでくださいね」と霧島先生にクギを刺したのでした。真紀子のケアレス・ウィスパーが、愛する我が子を悲劇へと追い込んでいたとは……。

 真紀子以外の保護者からも散々に振り回されてきた過去がフラッシュバックしたらしく、霧島先生は整った顔を苦しそうに歪めます。今、いちばんカウンセリングが必要なのは霧島先生でしょう。仮面ティーチャーは、保護者からのクレームに反論しにくい学校教育の犠牲者のひとりでもあったのです。

 

■千尋の谷にチワワを突き落とす日向先生

 

 前回、真紀子と刺し違える覚悟で家を飛び出してきた圭吾の妹・英美里(竹内愛紗)ですが、父親(近江谷太朗)のお金でホテル生活を送り、落ち着いた様子です。英美里は児童相談所に保護されることを望んでいましたが、家を出るには両親への聞き取り調査など時間が掛かることを日向先生は伝えます。でも、家族から一定の距離を置くことで、自殺を考えていたときのような情緒不安定さはなくなったようです。英美里のことを心配していたバスケ部マネジャーの増田(山口まゆ)も、第1話で流血騒ぎを起こしたネグレクト母ともう一度きちんと向き合うつもりだと日向先生に告げます。子どもたちの前向きな姿が、日向先生の背中を押すのでした。

 自宅に戻った日向先生は、母親・尚子(手塚理美)から小学生の頃に強制的に書かされていた交換日記「明日の約束」を開きます。そこには【明日の約束「日向はママのことを、一生愛し続ける」必ず守るように。】というメッセージがありました。

「12歳になったとき、日記の返事を書くのをやめた。母はそのことを責めたけど、私は頑なに無視し続けた。これ以上できない約束を増やしたくなかったから」

 日向先生の心の声によって、『明日の約束』という番組タイトルは“できない約束はしない”という反語的な意味が込められたものだったことが明かされます。そんなとき、日向先生のスマホが鳴ります。第7話のラストで日向先生を殴り飛ばし、髪を鷲掴みにした本庄(工藤阿須加)からでした。「久しぶりに食事でもと思って」「もう二度とあんなことしない」と愛情に飢えたチワワのように擦り寄ってくる本庄に対し、日向先生はきっぱりと言い渡します。

「カズ、私たちはもう会わないほうがいいと思う。カズのせいじゃない、私の問題なの。3年も付き合ってたのに、私はカズと結婚したり家族になることをイメージしていなかった。私は今まで目をそらし続けてきたんだと思う。母親ともちゃんと向き合ってこなかったから。私はカズもそうなんじゃないかなと思うの。とにかく、今の私にはカズの約束に応えることができないから。本当にごめんなさい」

 クリスマスを直前に控え、千尋の谷へと突き落とされたチワワ、いや本庄でした。でも、本庄の表情はどこか清々しさも感じさせます。恋人だった日向が長年抱えていた問題の核心部分を突き止めたことがうれしいのです。溜め込んでいた感情を爆発させ、つい暴力を振るった本庄ですが、根はいいヤツです。勝手な臆測ですが、職場の後輩(草刈麻有)あたりと仲良くなるんじゃないでしょうか。

 日向先生の勤める高校はいじめが横行する悪の巣窟として世間からのバッシングに遭っていましたが、人気女性タレントが不倫した挙げ句に殺人を犯した事件が話題となり、マスコミもネット民もあっさりと興味の鉾先を変えてしまいました。嵐は過ぎ去ったようです。日向先生は英美里から頼まれて、小嶋記者(青柳翔)のいる「週刊ワイド」編集部へと向かいます。圭吾の母・真紀子が息子の部屋を盗聴していた音声データを預かるためでした。圭吾の肉声が残されているこの音声データは、最終回の重要なツールになりそうです。

 日向先生の前ではいつもメガネをして、タバコをくゆらせている小嶋記者ですが、どうやらこれは伊達メガネのようです。カウンセラーである日向先生に自分の内面を読まれないようWARUぶってみせている小嶋記者ですが、圭吾が自殺した原因は、母親である真紀子ひとりの責任ではないことに気づいている数少ない人間でした。高校を退学になる寸前だったバスケ部・長谷部(金子大地)の窮地を救ったのも、小嶋記者の取材力のお陰でした。日向先生と小嶋記者はもっと違う形で出逢っていれば、仲良くなっていたのかもしれません。

 

■向き合うのではなく、横に並ぶという気づき

 

 警察の捜査網をかいくぐり、逃亡生活を送っていた香澄(佐久間由衣)が久しぶりに日向先生の前に現れました。最後に霧島先生を襲うつもりだったけど、もうやめたと日向先生に告げます。圭吾が亡くなってから、ずっとこの問題に向き合ってきた2人は、話しているうちにある事実に気づきます。圭吾を死に追い詰めた真犯人を探し出しても意味のないことだと。結局、犯人探しは誰かひとりに責任を負わせ、自分は無罪であると思い込みたいエゴでしかないのだと。自分には関係がない。家庭の問題には口が出せない。学校教育の在り方に問題がある。みんながみんな責任回避する、そんな社会の歪みの隙間から、圭吾は暗い世界へと堕ちていったのかもしれません。

「うまく言えないけど、誰のせいで吉岡くんが死んだのかという考え方は間違ってた気がする。私のやるべきことは犯人探しじゃない」

 それが、日向先生が3カ月間かけて導き出した答えでした。警察に自首するという香澄に付き添った日向先生は、校長先生(羽場裕一)に霧島先生が裏で暗躍していた事実を報告し、そのことを裏付けるパソコン上の記録も提出します。自分がやった悪事の数々を細かく記録していた霧島先生の几帳面な性格が災いした格好です。日向先生は圭吾から自殺前夜に告白されていたことも校長に打ち明け、退職願を出すのでした。一緒に退職するはめになった霧島先生は怒りを通り越して、日向先生の手際のよさを褒めたたえます。

 自宅に戻った日向先生は、母親である尚子に対し正面から向き合うのではなく、キッチンで横に並んで一緒に夕食の準備を始めます。「ひなちゃん、昔からシチューが好きだったわよね」という母親の言葉に、この日の日向は笑顔で応えることができたのでした。

 せっかく第8話で6.0%まで回復した視聴率ですが(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、第9話は5.1%とまた下降してしまいました。でも、日向先生のやるべきことが犯人探しではなかったように、『明日の約束』が求めていたものも視聴率ではなかったのではないでしょうか。

 第9話のラスト、愛する息子・圭吾が自殺した部屋で、圭吾と同じようにロープを手にして佇む真紀子。息子が味わった孤独感と苦しみを真紀子も体験しようとします。最終回、さらに地獄の底へ堕ちていこうとする宿敵・真紀子を、日向先生は果たして救うことができるのでしょうか?
(文=長野辰次)

日テレは「ヒットドラマ」不毛の地? 視聴率平均1ケタ、制作力は「フジ以下」の評

 好調続く日本テレビ。このままいけば、昨年に引き続き4年連続の「三冠王」を達成することは確実だ。だが、この局にはウィークポイントが1つある。それがドラマだ。

 7月、同局の定例記者会見で、福田博之編成局長は放送が始まったばかりの『過保護のカホコ』『ウチの夫は仕事ができない』『愛してたって、秘密はある。』の視聴率について、「リアルタイムで見ていただく努力が足りない。『コード・ブルー』のレベルまで行きたい」と、同期、好調な滑り出しを見せた他局の『コード・ブルー ‐ドクターヘリ緊急救命‐』(フジテレビ系)の名をあえて出して奮起を促した。しかし……。

「『コード・ブルー』が平均14.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)でフィニッシュしたのに対し、『カホコ』は平均11.5%、『ウチの夫』の平均は8.7%、『愛してたって』は平均8.6%に終わりました。軒並みドラマが弱いんです、日テレは」(テレビ業界関係者)

 日テレの主なドラマ枠は、「水曜ドラマ」「土曜ドラマ」「日曜ドラマ」と3つがあるが、「水曜ドラマ」はまず、ヒットドラマの指標といわれる15%に届かないことが多い。ここ5年の作品の中で、15%を超えた回があるのは20作品中わずか6作品(『Woman』『花咲舞が黙ってない1,2』『きょうは会社休みます。』『〇〇妻』『世界一難しい恋』)。ちなみに今クールの『奥様は、取り扱い注意』の最高視聴率は、5話目で記録した14.5%だった。

 また「土曜ドラマ」は『怪盗 山猫』が平均10.7%をマークして以来、6作連続で平均が1ケタに終わっている。「日曜ドラマ」にしても、過去10作の中で平均2ケタを超えたのは『デスノート』のみだ。

 それに対して他局では、『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)や、『ドクターX ~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)、あるいは『コード・ブルー』のように、社会現象にまで発展する大ヒット作品が生まれている。その差はどこにあるのだろうか?

「日テレのドラマ作りのスタンスは、ファミリーで見られるものとなっています。バラエティ番組ではそれがうまく作用するのですが、ドラマとなると、攻めた作品や思い切ったテーマ性にブレーキがかかり、結果、『見ても見なくても……』と視聴意欲があまりそそられないものになっているのでは」(同)

 良くも悪くもおとなしい「日テレドラマ」。果たして打開策はあるのだろうか?

「最近は、フジテレビが育てた実力のある脚本家に声を掛けています。今クールの『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系)を手掛けたのは、『HERO』『海猿』『ガリレオ』(いずれもフジテレビ系)などを書いた福田靖。『奥様は、取り扱い注意』は、『SP』『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(いずれもフジテレビ系)直木賞作家で脚本家の金城一紀。来年の1月期は、広瀬すずが主演する『anone』(日本テレビ系)の制作には、これまで『ドクターX』を作ってきたドラマ制作会社『ザ・ワークス』が入ることが決定、すでに動き出しています。この会社が日テレのドラマに携わるのはかなり久しぶりのこと。ヒットドラマのノウハウを少しでも吸収しようという狙いが透けて見えます」(制作会社スタッフ)

 民放王者のプライドに賭けて、ドラマも覇権を握りたいところだが、果たしてこうした作戦は実を結ぶのだろうか。

とんねるず『みなさん』終了告知も“身内ネタ”の極み……「小港? ダーイシ? 誰?」

 12月7日放送の『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)において、2018年3月末での番組終了が公式に発表された。

 元番組スタッフで現在は共同テレビ社長となった港浩一が座る社長室において、木梨憲武が扮する“小港ディレクター”のもとに、石橋貴明扮する“ダーイシプロデューサー”が登場し番組終了を伝える……というミニコント形式で発表された。コアな視聴者ならばともかく、大多数の人にとってはなじみが薄いネタであろう。

「港浩一は数々のバラエティ番組を手がけてきたフジテレビの名物ディレクターであり、プロデューサーの石田弘とともに、とんねるずを起用した『夕やけニャンニャン』『オールナイトフジ』などを手がけ、のちに『とんねるずのみなさんのおかげです』へとつながります。いわば、とんねるずとタッグを組んでフジテレビの黄金時代を作り上げた功労者です。とんねるずの2人が両者に扮したコントは、番組初期の名物企画でした」(放送作家)

 とはいっても、1980年代の軽薄なノリを引きずったままの“身内ネタ”を今さら見せられても、視聴者は面白くないだろう。

「とんねるずは、今でこそバナナマンやおぎやはぎといった弟分の中堅芸人を従えていますが、そうした動きが見られたのはここ10年ほどです。2000年代の半ばまでは、もっぱらスタッフとつるんでおり、付き合いのある若手芸人といえば、勝俣州和やプリンプリンなど、ごく少数に限られていました。スタッフを起用した身内ネタの最たるものは『NHK紅白歌合戦』出場まで果たした音楽ユニットの野猿でしょう。多くのヒット曲を生み出し社会現象になったのは事実ですが、今後の企画で“野猿復活”などがぶちあげられても、盛り上がりには欠けるでしょう」(同)

 とんねるずは肝心の番組終了発表すらスタッフコントの“身内ネタ”でお茶を濁してしまった。その“馴れ合い”が視聴者に飽きられ番組終了に至ったと自覚できていないのか。先ごろ時代の空気を読まずに保毛尾田保毛男を復活させ、炎上を招いた教訓は何ひとつ生かされていないようだ。
(文=平田宏利)

マッチ、モー娘。……フジテレビ『2017FNS歌謡祭』に見たテレビの“老人向け”傾向

 年度末の恒例番組『2017FNS歌謡祭』(フジテレビ系)が12月6日と13日に放送され、平均視聴率が第1夜は13.6%(ビデオリサーチ調べ・関東地区/以下同)と善戦するも、第2夜は11.1%と大爆死の結果となった。

 第1夜では番組では“マッチ”こと近藤真彦が出演し、この日のために結成されたスペシャルバンドで「ミッドナイト・シャッフル」「ハイティーン・ブギ」などのヒット曲メドレーを披露。第2夜ではモーニング娘。の第1期オリジナルメンバーが集結し、インディーズデビュー曲「愛の種」を披露した。

 このメンバーに、ネット上では「なんだか出演者の平均年齢高いな」「いまどきマッチなんて誰得だよ」「モー娘。みんな“オバサン”化したな」といった声が聞こえる。

「このほか第1夜には、V6の最年長メンバーである坂本昌行が、“イノッチ”こと井ノ原快彦とともに1999年に発売された『You’ll Be in My Heart』を披露しました。いまの10代から20代の視聴者にとっては、曲もメンツもなじみがないものでしょう。それだけテレビの視聴者が高齢化している証しだともいえますね」(放送作家)

 さらに第2夜はAKB48や、きゃりーぱみゅぱみゅなどが出演し“アイドル推し”で若者受けを狙うも、過去最低クラスの11.1%にとどまったのは、フジテレビとしては痛い結果だろう。

「最近のテレビ番組が、かつては年に数回レベルで放送されるだけだった『あの人は今』『あの事件の真相』といったネタに埋め尽くされているように、中高年が飛びつくコンテンツをループで生産している状態だといえます。第1夜は“腐っても鯛”ではありませんが、高年齢ジャニーズタレントにも一定の需要があると証明されました。ただモー娘。をそろえても11%台だった第2夜は失敗と言わざるを得ないでしょう」(同)

 テレビが今後ますます老人向けメディアになるのは確かなようだ。
(文=平田宏利)

放送終了目前に狂い咲き!? とんねるず『みなさん』が、なぜかここに来てメチャクチャな新企画を決行!

「探し物は、探すのをやめたら見つかる」とは、マーフィーの法則だったか。

 来春での放送終了を発表した『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)だが、終了が発表された直後に始まった新企画が、皮肉にも(?)かなり良いのだ。12月14日放送分にてスタートしたのは、その名も「内緒でおじさんNo.1を決める大会」。

 この日、番組に招集されたのは長嶋一茂、石原良純、大鶴義丹の3人だ。彼らへは「行きつけの美味しいお店を紹介してもらう」という企画内容だと伝わっているのだが、その裏には真の目的が存在する。実は、「誰が最も“おじさん度”があるかを競うグランプリをこっそり開催する」が、今回の裏テーマである。

 一口に「おじさん」と言っても、いろいろある。“おしゃべりなおじさん”、“おせっかいなおじさん”、“せっかちなおじさん”、“グイグイ来るおじさん”などなど。観察すると、3人はこれらの生態を全て兼ね備えていたのだ。

 いきなり、凄い。“芸能界のサラブレッド”とも言うべき彼らだが、木梨憲武からそれぞれの育ちについて質問されるや、一茂は「最低10万円くらいするようなおせちが何パックか来た」と回答。それに負けじと、義丹は唐突に「この中で親父に逮捕歴があるのは僕だけです」と胸を張るのだ。何も、そんな場をザワつかせなくても……。

 これは、いわゆる“負けず嫌いおじさん”の生態である。

 移動中のバスの車内では、体の衰えを自慢し合うおじさんたち。義丹が「若い頃は11時くらいまで寝れたが、今は何があっても朝5時に起きちゃう」とこぼせば、良純は「俺なんか、朝足つったぜ!」と心配なことを口にし、そんな良純に一茂は「それって栄養不足らしいよ」と無遠慮に指摘するのだ。さらに「サプリだけで50~60種類飲んでる」と、妙なベクトルの自慢を始める一茂。

 このくだりには“負けず嫌いおじさん”、“グイグイくるおじさん”、“ヒザが痛いおじさん”、“健康オタクおじさん”、“病気がちなおじさん”と、さまざまな生態があふれかえっている。

 バスから降りて空を見上げると、なんとも心配な空模様に気付いた一行。しかし、気象予報士でもある石原良純は「大丈夫。降ることはない!」と断言する。

 しかし、飲食店に寄ってバスへ戻る頃には、思いっきり雨が降っており、木梨らから「ハズレじゃん!」「ウソつき!」とツッコまれる良純。ザーザー降りなのに「こんなの降ってるうちに入らないよ!」と開き直りを見せるその態度は、“わがままおじさん”の生態に当てはまるだろう。

 そんな良純は、“行きつけの美味しいお店”として西洋料理店「東洋軒」に一行を案内している。店内で「東洋軒がクリームコロッケ発祥の地と言われている」と知識を披露する良純であったが、店員から「違う」と否定され、雨のくだりに続き、またも赤っ恥をかいてしまった。

 この時の良純は、まさしく“うんちくおじさん”の生態に当てはまる。

 これらの戯れを踏まえ、今回“キング・オブ・おじさん”に輝いたのは長嶋一茂であった。彼が特に兼ね備えていたのは“おしゃべりなおじさん”、“健康オタクおじさん”、“負けず嫌いおじさん”、“力持ちなおじさん”、“筋肉があるおじさん”といった生態だ。

 予想以上の破壊力を含んでいた、このハチャメチャな新企画。来春までに、もう一度放送されることを願うばかりである。
(文=寺西ジャジューカ)