迷宮に迷い込んだ女性を追う映画『彼女のいない部屋』と『Zola ゾラ』の魅力

 8月26日より『彼女のいない部屋』と『Zola ゾラ』が公開されている。この2作は本来まったく関連のない映画であるが、迷宮(あるいは悪夢)に迷い込んだ女性の物語という意味では共通している。具体的なそれぞれの魅力を紹…

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『ONE PIECE FILM RED』「Adoの歌唱シーン多すぎ」という批判はなぜ起こるのか?

ONE PIECE FILM RED』が超大ヒットを遂げている。公開2日間で157万人動員、興行収入22.5億円を突破するというオープニング記録は、あの『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』に次ぐ歴代2位の成績。劇場版『ワンピース』シリーズ初の興行収入100億円突破への期待も高まっている。

 だが…

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理不尽でサイテーな日常を笑いに変える映画『野球部に花束を』の魅力

 8月11日よりクロマツテツロウの同名マンガを原作とした映画『野球部に花束を』が公開されている。

 本作の触れ込みには「時代錯誤」や「《時代逆行型野球》野球“部”エンタメ」などがあり、予告編では「いかにも」な体育会系の部活の風潮を面白おかしく描いているような印象も持つ。それらから「…

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成田凌と前田敦子による異世界不倫物語『コンビニエンス・ストーリー』の魅力

 8月5日より映画『コンビニエンス・ストーリー』が公開されている。

 三木聡監督・脚本作品は直近で『大怪獣のあとしまつ』が阿鼻叫喚の酷評の嵐となったことが記憶に新しい。個人的に同作は2022年のワースト映画(現時点で決定)であり、観ながら失望が怒りへ、やがて憎しみへと変わっていき、最…

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映画『C.R.A.Z.Y.』同性愛嫌悪の問題を描く「一生に一本の映画」を作り上げた監督が遺した優しさとは

 7月29日より映画『C.R.A.Z.Y.』が公開されている。

 本作を手がけたジャン=マルク・ヴァレ監督は『ダラス・バイヤーズクラブ』(2013)や『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』(2015)など、優れたドラマ作品を世に送り出し続けていたが、2021年12月に母国カナダ…

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吉岡里帆が盲信的な女性を熱演する、凄惨な沖縄戦を描く力作『島守の塔』

 7月22日より『島守の塔』が公開されている。本作は約20万人、実に県民の4人に1人が犠牲となったという、太平洋戦争末期の沖縄戦を描いた映画だ。

 本作で重要なのは、『二十四の瞳』(1952)や『この世界の片隅に』(2016)がそうだったように、戦争に参加する軍人ではなく、知事や警察部長や県職員、つまりは「…

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映画『エルヴィス』てんこ盛りな豪華さでより悲劇を際立たせたバズ・ラーマン

 7月1日より『エルヴィス』が劇場公開されている。