ダウンロード違法化だけじゃない! 今度は「リンク税」なんてのもやってくる!?

 ダウンロード違法化問題など著作権法改正の流れで、どんどん不自由になる感じのするインターネットの世界。今度は「リンク税」なるものが導入されるのではないかという、新たな脅威が囁かれている。

 このリンク税というのは、リンクしたニュース記事の抜粋を表示した企業に対して、使用料金の支払いを義務付けるというもの。つまり、さまざまなウェブ上のサービスで、議論になっている話題を取り上げたりするときに、リンクを貼るだけで請求書が届いたりする可能性があるのだ。

 そんな法制度が本当に導入されようとしているのがヨーロッパ。EUの改正著作権法指令案で、そんな条文が導入されようとしているのだ。もともと、これはGoogleなどがニュースにタダ乗りすることに対しての対抗策として示された法律案。ところが、実際には個人が運営するサイトなども対象となり、報道機関などのニュースにリンクを貼っただけで、使用料が発生することになってしまう。ともすれば、批評や検証を行うことを阻害してしまいかねない法律。ゆえに、反対派からはリンク税という呼称がなされているというわけだ。

 実際、EU内でも、この法律案に対する危惧はあり、昨年の欧州議会では一度否決されている。ただ、今後も否決に追い込めるかは明確ではない。

 そもそも、インターネットの特徴というのはリンクをたどって、次の情報へ次の情報へと移動し、次々とさまざまな世界がつながっていくことにある。そこに使用料を徴収するというのは、インターネットの根本的な原理を否定するようなものである。

 何よりも、使用料を恐れてリンクしないことによって、批評や検証が相当困難になることは間違いないだろう。

 どんどん不自由になるインターネットの世界。まさか、誰がこんなことを予測できただろうか。
(文=大居候)

ファーウェイに続き、TikTokにも“スパイ疑惑”……ユーザー投稿から米軍施設や兵士の情報を収集か

 しかし、そんなTikTokに対し、一部専門家が「中国当局が情報収集に利用している可能性がある」と警鐘を鳴らしている。

 香港系メディア「東網」(1月14日付)によると、米ワシントンD.C.に本部を置く非営利組織・ピーターソン国際経済研究所が、TikTokに関する調査結果を発表した。その中で、「TikTokは中国当局に対し、個人情報や位置情報のほか、各国の軍事施設などの機密情報を提供している可能性が高い」と結論付けている。中国国内の企業は、収集した情報の提出を政府や当局などから求められた場合、協力することが義務付けられており、TikTokも例外ではないという。

 実際、TikTokの投稿動画の中には、アメリカの軍隊に所属する若い軍人が施設内で撮影したと思われる動画も数多くアップされており、すでに中国当局はこうした動画データを収集し、軍事施設内部の様子や軍人の顔データなどを分析しているというのだ。

 TikTokの危険性を呼びかける動きに対し、中国国内のメディアは反発。国営メディア「環球時報」は、「またしても西側諸国が中国企業に難癖をつけている。世界に進出している中国企業に対し、こうした根拠のない話で、信頼を傷つけることはやめるべきだ」と厳しく非難している。

 TikTokはこれまでに150の国と地域に進出しており、75の言語に対応している。アメリカではすでにダウンロード数が8,000万を超えており、FacebookやInstagramなどのライバルとして挙げられることも多い。

 通信機器大手・ファーウェイに続き、TikTokまで”スパイ疑惑”がかけられ、世界的に排除の動きが広がり始める中、中国はどのように対応していくのだろうか? 

(文=青山大樹)

人気は相変わらずだけど……昨年デビューしたバーチャルYouTuber、だいたいがやめている事実

 バーチャルYouTuberにも底辺はたくさんいるということか。

 次々とアバターを制作するアプリなども開発されたりして、誰もが簡単に始められるようになっているバーチャルYouTuber。だが、始めてはみたものの、すぐにやめてしまう人も多い。

 昨年12月に公開された夜枕ギリー氏の動画「【検証】8月デビューのVTuber300人を調査したら○○人が引退していた」(https://www.youtube.com/watch?time_continue=152&v=_KIbiv8WS3E)では、8月から3カ月間で引退したバーチャルYouTuberの数を計測しているが、そのリアルな数字はインパクトがあったのか、着々と再生数を伸ばしている。

「夏以降の計測では、PVの98%を上位3%の企業VTuberが占めているということも明らかになっています。要は、素人がトークで目立つだけで張り合える時代は終わっていて、定期的な更新と戦略的な運用を進める企業がPVを奪い合う時代に突入しているのです」(VTuber運営者)

 バーチャルYouTuberの動画再生回数を見ると、キヅナアイをはじめ従来からのビッグネームは、どんどん再生数を稼いでいる。だが、再生数の少ない順から見るとまだ3ケタにも満たないバーチャルYouTuberがわんさかといる。

 結局、参入する人は増えたものの、魅力的な動画の作成や拡散力では、個人は集団には太刀打ちすることができずに、やめてしまっているというわけである。

 インディーズ感が魅力的だった時代は、とうに終わり、バーチャルYouTuberは商業コンテンツのひとつになろうとしている。果たして、それでも魅力を保っていけるのか。
(文=是枝了以)

権力への警戒心を失った出版業界……静止画ダウンロードの違法化を出版業界が支持する理由

 昨年来、海賊版サイトへの対策として提案された著作権を侵害する静止画ダウンロードの違法化への動きが注目を集めている。

 これは、昨年の海賊版サイト対策を議論した有識者会議「インターネット上の海賊版対策に関する検討会議」の中で提案されたもの。すでに文化庁では次期通常国会への著作権法改正案の提出を目指して検討に入っている。

 12年の著作権法改定で違法コンテンツと知りつつダウンロードした場合には、処罰することが反対論を抑えて成立している(2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金)。この時も、違法コンテンツかどうかの判別の問題などは先送りされたままだった。今回の静止画ダウンロード違法化は、それよりもさらに厳しい判断基準となる。

 日々ネットを利用していれば、誰がアップロードしたかわからない画像を、自分のパソコンやスマホに保存したことのない人は、ほとんどいないだろう。そうしたこともすべて違法とされてしまう。さらにいえば、パソコンやスマホを持っていれば誰もが違法にダウンロードをしている「容疑者」とされてしまうわけである。

 そうした「監視社会」を一歩進める危惧のある法律といえるのに、これまでこうした問題には積極的に異を唱えてきた出版業界の動きは鈍い。

 というのも、静止画ダウンロードの違法化には、出版業界でも賛成するものが多いからだ。賛成する人々が焦点にしているのは、海賊版サイト。それらを撲滅するためには、法によってもたらされる弊害は関係ないという意思表示のようにも見える。

「ここ数年で、出版業界の権力に対する警戒心は薄くなっていると言わざるを得ません。静止画ダウンロードが違法化されてしまえば、国民の誰もが法律違反の容疑者として警察の捜査対象になる可能性があります。そうした権力の拡大に対して、出版業界は常に警戒心が高かったはずなのですが、そのように考えを働かせている人は次第に減っているのです」(出版社幹部)

 かつては、出版社というのは学生運動経験者であるとか、何かしら権力に対して警戒心を持つ人々が多く在籍しているものだった。ところが、もうそうした人々は引退していく時代。よくも悪くも「権力のヤバさ」を知る世代がいなくなっている。それが、静止画ダウンロード違法化を支持してしまう背景にはある。
(文=ピーラー・ホラ)

2019年、誰もが“もう一つの肉体”を! 3Dアバターファイルフォーマット「VRM」の国際標準化へ、さらに一歩

 いよいよ2019年は、誰もが自分のもう一つの肉体=アバターを持つ時代になるのか。

 昨年12月、VR向け・3Dアバターファイルフォーマット「VRM」の国際標準化を目指す「VRMコンソーシアム」の発足が発表され、注目を集めている。

「VRMコンソーシアム」には、クリプトン・フューチャー・メディアやpixiv、ドワンゴなど13社が発起人として参加。今年2月に一般社団法人として「VRMコンソーシアム」を発足させるとしている。

 昨年、3Dアバターを使えるサービスが、飛躍的に増大した。しかし、まだフォーマットはアプリケーションやプラットフォームごとに仕様が異なるために、せっかく作ったアバターも限られたところでしか使えないのが実情。まだ、多くの人は理想的な自分の分身を作って眺めて楽しむ程度で止まってしまっている。

 すでに「VRchat」では、多くのアバターがセックスまで楽しんでいるわけだが、それを誰もが遊ぶにはまだまだ敷居が高いことは否めない。今後、標準フォーマットができれば、もっと間口は広がっていくことになるだろう。

 ただ、サービスが増加する中で、標準フォーマットを作成する動きは、必然のもの。VRに関わる企業が考えているのは、それをどうやって収益化するかだという。

「収益を上げるのは、標準化されたフォーマットを、どこで読み込んで遊ぶか。ユーザーが利用してくれる遊び場をどのように提供するかです。まず魅力的な遊び場を提供できるかどうかが成功のカギになるでしょう」(VRに詳しい関係者)

 昨年公開された映画『レディ・プレイヤー1』では、近未来の仮想現実が普及した世界が描かれた。作中に登場するような、さまざまな娯楽やビジネスを、ユーザーが作成したアバターを通して利用できる場……そんなものを生み出した企業が、覇権を握っていくことになるだろう。

 恐らく、ひとつのカギになるのはセックスであろう。すでに分身として異性のアバターを利用し、同化している人は多い。そして、その多くがアバターに性欲を抱く回路を開いている。そうしたアバターを通したセックスを「VRchat」なんかよりも、もっと簡易にできるようになったら、世界は激変するだろう。

 2019年には、きっとそうなると思っている。
(文=昼間たかし)

アクセスが世界から殺到! 知られざる世界的エロ動画投稿サイト「Pornhub」の存在感

 今や、ネットで海外のエロ動画投稿サイトを巡回してオカズを探すのは、日常の生活の一部。表の動画投稿サイトがYouTubeなら、裏に秘めた欲望を満たすのは、XVIDEOSやXtube、Xhumsterなどなど……。そんな中で、2018年に存在感を発揮したのが「Pornhub」である。

「Pornhub」は、カナダに本社機能を置くとされるMindGeek社が運営する動画投稿サイト。近年、プライベートな投稿から、著作権に問題のあるものまで含めて、世界でもっとも優れたオカズが集中しているのではないかと、注目を集めている。

「Pornhub」の発表によれば、1日のアクセス回数は平均9,200万。2018年中には335億アクセスを稼ぐ予定であるとされている。

「動画の数も多いから、当然オカズを探しやすくなっていますね。とりわけ、無修正のVRも視聴できるというのはすごい。ちなみに、Pornhubは2015年には学生のための奨学金プログラムを始めたり、エロで稼いで社会貢献もしている謎な企業です」(アダルト系ブロガー)

 確かに「Pornhub」は、極めて限定的な自分好みのオカズにもアクセスしやすいサイトのように見える。日本語ページも存在するし、無料でアカウント登録もできる。アカウントを登録する際には、好きなのは男性か女性かの選択に始まって、シチュエーション。さらに、人種の選択まで。

 海外のエロサイトでは、黒人とか白人、ヒスパニックなどの人種別の検索カテゴリはよくあるがPornhubでは中東とかインド人といった分類まで。なるほど、そんな“好み”もあるのか!

 世界のどこでもエロって盛んなんだなと、改めて知らしめてくれる「Pornhub」。いつの間にやら、こんな巨大企業が誕生していたのか。
(文=ピーラー・ホラ)

アクセスが世界から殺到! 知られざる世界的エロ動画投稿サイト「Pornhub」の存在感

 今や、ネットで海外のエロ動画投稿サイトを巡回してオカズを探すのは、日常の生活の一部。表の動画投稿サイトがYouTubeなら、裏に秘めた欲望を満たすのは、XVIDEOSやXtube、Xhumsterなどなど……。そんな中で、2018年に存在感を発揮したのが「Pornhub」である。

「Pornhub」は、カナダに本社機能を置くとされるMindGeek社が運営する動画投稿サイト。近年、プライベートな投稿から、著作権に問題のあるものまで含めて、世界でもっとも優れたオカズが集中しているのではないかと、注目を集めている。

「Pornhub」の発表によれば、1日のアクセス回数は平均9,200万。2018年中には335億アクセスを稼ぐ予定であるとされている。

「動画の数も多いから、当然オカズを探しやすくなっていますね。とりわけ、無修正のVRも視聴できるというのはすごい。ちなみに、Pornhubは2015年には学生のための奨学金プログラムを始めたり、エロで稼いで社会貢献もしている謎な企業です」(アダルト系ブロガー)

 確かに「Pornhub」は、極めて限定的な自分好みのオカズにもアクセスしやすいサイトのように見える。日本語ページも存在するし、無料でアカウント登録もできる。アカウントを登録する際には、好きなのは男性か女性かの選択に始まって、シチュエーション。さらに、人種の選択まで。

 海外のエロサイトでは、黒人とか白人、ヒスパニックなどの人種別の検索カテゴリはよくあるがPornhubでは中東とかインド人といった分類まで。なるほど、そんな“好み”もあるのか!

 世界のどこでもエロって盛んなんだなと、改めて知らしめてくれる「Pornhub」。いつの間にやら、こんな巨大企業が誕生していたのか。
(文=ピーラー・ホラ)

炎上案件も起こらない……アングラ感が失われた結果か? 「ニコニコ動画」有料会員200万人割れの深刻度

 ニコニコ動画のオワコン化が止まらない。

 カドカワが11月8日発表した2018年4~9月期決算で、傘下のドワンゴが運営する「ニコニコ動画」の有料会員であるニコニコプレミアム会員が9月末で194万人と、6月末から6万人減り、200万人を割る状況になったことが明らかになった。

 ニコ動において、プレミアム会員は動画の優先視聴などヘビーユーザーには欠かせないサービス。その会員数は16年3月の256万人超えをピークに、以降は減少に転じている。ニコ動のプレミアム会員は月額540円と決して高くはない。また、公式コンテンツに関しても以前より充実しているように見える。にもかかわらず会員数が減少する一方というのは、どういうことか?

 ひとつの理由として挙げられるのは、有料動画配信サイトの増加だ。Netflixはプレミアム会員よりも高額だが、見逃した最新アニメは視聴できるし、話題の映画も早期に配信される。Amazonの場合、プライム会員になっていれば動画視聴以外にも特典となる部分が多い。

 だが、ニコ動衰退の理由として挙げられるのは、サービス内容よりもコンテンツの魅力の減少だ。

「やっぱり、以前のようなアングラ感がなくなってきたし。ニコ動発の事件も、もう聞かなくなったでしょう?」

 そう話すのは、かつてニコ動で配信者として活動していた人物。彼が楽しそうに語るのは、かつての「なんでもアリ」な時代のニコ動である。

「善悪の判断は別として、著作権無視でさまざまな動画がアップされたり、MAD動画も盛んに作られていた頃のニコ動は楽しかったでしょう? でも、今は運営がすぐに消してしまうようになりました。ぼくらが楽しんでいたのは、あのヤバいことを一緒にやっている感、つまり共犯者の気分だったんです」

 アップロードされる動画だけではない。かつてのニコ生には、とにかく目立ちたいからと犯罪行為をしてみたり、配信者同士の対立が話題になったりと、完全な無法地帯だった。それに比べると、優等生になった今の雰囲気は、まったく楽しくないのだという。

「“踊ってみた”が流行ってた時期。みんな、最も面白がっていたのは、親フラ(生配信中に親が近づいてくる気配のある状態、また親が見切れること)だったんじゃないんですか?」

 もはや、逮捕上等とまではいかなくとも、炎上上等な人は、より手軽なTwitterへと移行してしまった。ちゃんと面白さを軸に活動する人はYouTubeへ。今日もなにが起こるかわからない。そんなワクワク感がなくなったニコ動が衰退するのは当然か。
(文=是枝了以)

赤ちゃんの“ニューボーンフォト”は危険!? 窒息死や児童ポルノのリスクを専門家が指摘

 最近ママたちの間で話題になっている「ニューボーンフォト」をご存じでしょうか? 生後約3週間までの新生児を撮影した写真のことで、赤ちゃんはまだふにゃふにゃで目をつむったままの状態ですが、頬杖をついたり、うつぶせ寝をして天使の羽飾りをつけたりして、かわいらしくポージングされた写真を残すことができます。“生まれたての一瞬を残せる!”と注目が集まり、写真館はもちろん、自宅でプロのカメラマンに撮ってもらうなど、ニューボーンフォト用の撮影プランも多く登場。しかし、このニューボーンフォト、「かわいい!」だけでは済まない危険性をはらんでいるというのです。

■うつぶせ寝は窒息の危険性がある

 子どもの事故予防に詳しい滋賀医科大学の一杉正仁教授は、次のように指摘します。

「生後しばらくの間、赤ちゃんは首が据わっておらず、寝返りをうつことができません。したがって、ニューボーンフォトのように、うつぶせ寝でポーズをさせると、場合によっては口や鼻が布団に埋もれて閉塞されてしまい、窒息する危険性があるのです。また、閉塞状態にならなくても、鼻口周辺の狭い空間に自らが吐いた二酸化炭素濃度の高い空気がたまることで十分な酸素が供給されず、呼吸しにくい状態に陥る危険性も考えられます」

 日本では、頭の形がよくなる、寝かせやすい……などの説もあり、推奨されることも多い赤ちゃんの“うつぶせ寝”。しかし、その危険性は、1990年代から海外で指摘され続けているのだとか。

「イギリスやオーストラリアでは、赤ちゃんをあおむけで寝かせるキャンペーンを行ったところ、乳幼児の予期せぬ死亡が減少したというデータもあります。長時間のうつぶせ寝は危険、ということを理解しておいたほうがよいでしょう。また、スタジオでできたからと、自宅でも同じようなポーズをさせることは、非常に危ないですね」

 撮影時間はあくまで数秒間なので、ニューボーンフォトすなわち危険ということではありませんが、うつぶせ寝をさせる際は十分な注意が必要です。

■子どもの写真が児童ポルノサイトで悪用される可能性も

 一方、ニューボーンフォトのみならず、そもそも子どもの写真をネットに上げること自体のリスクを指摘する声も。

「子どもの写真をネットで公開する場合、その写真を性的な目で見る人の存在を忘れてはいけません。もちろん新生児も例外ではなく、海外では自宅で託児所を開き、預かった赤ちゃんに性行為をしていたというケースがあります。日本でも2009年に、1歳の娘に性的なポーズをとらせて撮影した画像を販売したとして、主婦らが児童ポルノ禁止法違反の疑いで宮城県警に書類送検されました。また10年には、ネットで知り合った母親の1歳の娘にわいせつ行為を行ったとして、東京都内の男が実刑判決を受けた事例があります。幼い子どもを性的な目で見る人は存在するのです」

 そう語るのはメディア学者の渡辺真由子氏。最近はネットリテラシーも高まり、子どもの顔や体にスタンプを押して隠すなどの配慮をしてから公開する人も増えてきましたが、赤ちゃん時代まで気を使える人は少ないのが現状なのだそう。

「お尻丸出しの姿や上半身裸の写真でも、“まだ赤ちゃんだし、いいか”となってしまうと、公開した写真が児童ポルノサイトで悪用されたり、コレクター同士で交換されたりする可能性もあります。年齢性別に関係なく、ネットに載せる=不特定多数の人間に性的な目で見られる可能性がある、ということを常に意識してください」

 何気なくネットに公開した写真から、子どもやママ自身の個人情報が流出する可能性もあるため、名前や誕生日、撮影場所の位置情報などには注意が必要です。また、赤ちゃんや幼い子どもの写真を公開することは往々にして、本人の意思が反映されていないという問題もあると渡辺先生は言います。

「ネットに載せる際は相手に確認を取るのが最低限のマナーですが、赤ちゃんではそれもできない。写真をアップする際は、その子が大きくなったときに傷つかないか、嫌がらないかを考えましょう」

 たとえば子どものお風呂写真を載せて、その子が今は微笑んでいたとしても、大きくなったときにどう感じるかはわかりません。一度公開された写真はネットで半永久的に残ってしまい、イジメのネタにされてしまう可能性も……。こういったことが問題になり、実際に海外では子どもが親を訴えたケースも存在するそうです。

「16年にオーストリアで10代の女の子が、『自分が赤ちゃんの頃のおむつ交換の写真やトイレトレーニングの様子をネットで公開したものを削除してくれない』と、両親を相手に裁判を起こしています。日本でもこういった事例は、今後十分に起こりうるのではないでしょうか」

 自分の意思とは関係なく、知らないところで勝手に写真や個人情報を公開されている……自分の立場に置き換えてみると、その怖さが実感できるかもしれません。渡辺さんは「自分の子でも、意思のある1人の人間として扱うこと」が重要だと言います。

「赤ちゃんも子どもも大人も、みんな自分の姿を勝手に撮影されたり、公開されたりしないための権利、“肖像権”を持っています。親子という関係性においても、そのことを忘れないようにしたいですね」

 子どもの肖像権やプライバシーを守ってあげられるのも、親だからこそ。ただかわいいからと、自己満足で写真を撮って公開する前に、リスクを考えてみる必要があるかもしれません。
(藤野ゆり/清談社)

赤ちゃんの“ニューボーンフォト”は危険!? 窒息死や児童ポルノのリスクを専門家が指摘

 最近ママたちの間で話題になっている「ニューボーンフォト」をご存じでしょうか? 生後約3週間までの新生児を撮影した写真のことで、赤ちゃんはまだふにゃふにゃで目をつむったままの状態ですが、頬杖をついたり、うつぶせ寝をして天使の羽飾りをつけたりして、かわいらしくポージングされた写真を残すことができます。“生まれたての一瞬を残せる!”と注目が集まり、写真館はもちろん、自宅でプロのカメラマンに撮ってもらうなど、ニューボーンフォト用の撮影プランも多く登場。しかし、このニューボーンフォト、「かわいい!」だけでは済まない危険性をはらんでいるというのです。

■うつぶせ寝は窒息の危険性がある

 子どもの事故予防に詳しい滋賀医科大学の一杉正仁教授は、次のように指摘します。

「生後しばらくの間、赤ちゃんは首が据わっておらず、寝返りをうつことができません。したがって、ニューボーンフォトのように、うつぶせ寝でポーズをさせると、場合によっては口や鼻が布団に埋もれて閉塞されてしまい、窒息する危険性があるのです。また、閉塞状態にならなくても、鼻口周辺の狭い空間に自らが吐いた二酸化炭素濃度の高い空気がたまることで十分な酸素が供給されず、呼吸しにくい状態に陥る危険性も考えられます」

 日本では、頭の形がよくなる、寝かせやすい……などの説もあり、推奨されることも多い赤ちゃんの“うつぶせ寝”。しかし、その危険性は、1990年代から海外で指摘され続けているのだとか。

「イギリスやオーストラリアでは、赤ちゃんをあおむけで寝かせるキャンペーンを行ったところ、乳幼児の予期せぬ死亡が減少したというデータもあります。長時間のうつぶせ寝は危険、ということを理解しておいたほうがよいでしょう。また、スタジオでできたからと、自宅でも同じようなポーズをさせることは、非常に危ないですね」

 撮影時間はあくまで数秒間なので、ニューボーンフォトすなわち危険ということではありませんが、うつぶせ寝をさせる際は十分な注意が必要です。

■子どもの写真が児童ポルノサイトで悪用される可能性も

 一方、ニューボーンフォトのみならず、そもそも子どもの写真をネットに上げること自体のリスクを指摘する声も。

「子どもの写真をネットで公開する場合、その写真を性的な目で見る人の存在を忘れてはいけません。もちろん新生児も例外ではなく、海外では自宅で託児所を開き、預かった赤ちゃんに性行為をしていたというケースがあります。日本でも2009年に、1歳の娘に性的なポーズをとらせて撮影した画像を販売したとして、主婦らが児童ポルノ禁止法違反の疑いで宮城県警に書類送検されました。また10年には、ネットで知り合った母親の1歳の娘にわいせつ行為を行ったとして、東京都内の男が実刑判決を受けた事例があります。幼い子どもを性的な目で見る人は存在するのです」

 そう語るのはメディア学者の渡辺真由子氏。最近はネットリテラシーも高まり、子どもの顔や体にスタンプを押して隠すなどの配慮をしてから公開する人も増えてきましたが、赤ちゃん時代まで気を使える人は少ないのが現状なのだそう。

「お尻丸出しの姿や上半身裸の写真でも、“まだ赤ちゃんだし、いいか”となってしまうと、公開した写真が児童ポルノサイトで悪用されたり、コレクター同士で交換されたりする可能性もあります。年齢性別に関係なく、ネットに載せる=不特定多数の人間に性的な目で見られる可能性がある、ということを常に意識してください」

 何気なくネットに公開した写真から、子どもやママ自身の個人情報が流出する可能性もあるため、名前や誕生日、撮影場所の位置情報などには注意が必要です。また、赤ちゃんや幼い子どもの写真を公開することは往々にして、本人の意思が反映されていないという問題もあると渡辺先生は言います。

「ネットに載せる際は相手に確認を取るのが最低限のマナーですが、赤ちゃんではそれもできない。写真をアップする際は、その子が大きくなったときに傷つかないか、嫌がらないかを考えましょう」

 たとえば子どものお風呂写真を載せて、その子が今は微笑んでいたとしても、大きくなったときにどう感じるかはわかりません。一度公開された写真はネットで半永久的に残ってしまい、イジメのネタにされてしまう可能性も……。こういったことが問題になり、実際に海外では子どもが親を訴えたケースも存在するそうです。

「16年にオーストリアで10代の女の子が、『自分が赤ちゃんの頃のおむつ交換の写真やトイレトレーニングの様子をネットで公開したものを削除してくれない』と、両親を相手に裁判を起こしています。日本でもこういった事例は、今後十分に起こりうるのではないでしょうか」

 自分の意思とは関係なく、知らないところで勝手に写真や個人情報を公開されている……自分の立場に置き換えてみると、その怖さが実感できるかもしれません。渡辺さんは「自分の子でも、意思のある1人の人間として扱うこと」が重要だと言います。

「赤ちゃんも子どもも大人も、みんな自分の姿を勝手に撮影されたり、公開されたりしないための権利、“肖像権”を持っています。親子という関係性においても、そのことを忘れないようにしたいですね」

 子どもの肖像権やプライバシーを守ってあげられるのも、親だからこそ。ただかわいいからと、自己満足で写真を撮って公開する前に、リスクを考えてみる必要があるかもしれません。
(藤野ゆり/清談社)