ガングロおやじサーファー風の陣内孝則が邪魔するも、安定の高視聴率マーク! 『ドクターX ~外科医・大門未知子』第3話

 米倉涼子が一匹オオカミの天才外科医を演じるドラマ『ドクターX ~外科医・大門未知子』(テレビ朝日系)第5期の第3話が26日に放送され、平均視聴率19.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.6ポイント下がったものの依然として高い数値をキープしています。

 今回は大門未知子(米倉涼子)ら東帝大学病院の外科チームが、大学の付属幼稚園に健診に訪れたところからスタート。子供嫌いの未知子は生意気な園児たちに手を焼くのですが、そんな中で園長の三鴨寿(平田満)が倒れ、すぐさま病院へと搬送します。

 実は三鴨は肺がんを患い、外科副部長・猪又孝(陣内孝則)の指示で半年前から化学療法を受けているのです。しかし、腫瘍は一向に小さくなる気配がないため、セカンドオピニオン(別の医者に診察してもらうこと)を希望。プライドが高くメンツを気にする猪又はこれを了承するものの、他の病院に三鴨の検診をしないよう根回しをします。

 困り果てた三鴨は、未知子が所属する神原名医紹介所の所長・神原晶(岸部一徳)に相談。神原は病院長・蛭間重勝(西田敏行)のもとへ出向き、園児たちに人気の三鴨を救えばマスコミに取り上げられて絶好のPRになると進言します。そして、持ち込み患者扱いということで未知子にオペをさせる約束を取り付けるのです。

 しかし、もともと三鴨の主治医であった猪又がこれに猛反発。困った蛭間は、猪又を執刀医、未知子を第一助手にしてオペを行うよう提案するのですが、今度は未知子が納得いかないと拒否したため話が進まなくなってしまうのです。

 猪又をステーキ屋に呼び寄せた蛭間は、オペが失敗した時に責任をなすりつけるための保険として未知子を助手に置いておくべきだと主張。さらに、次期・外科部長の座をチラつかせて未知子と一緒にオペをするよう丸め込みます。

 その一方、三鴨の声がかすれていることに気づいた未知子は、原発巣(がんの元)は甲状腺にあり、肺の腫瘍はそこから転移したものだと見抜きます。だからいくら化学療法を続けても腫瘍は小さくならなかったのです。そのことに気づいた未知子は、早急に処置をしなくてはまずいと思い、助手としてオペに立ち会うことを了承するのです。

 そうとは知らない猪又は、オペ中に血管を損傷してしまい大量出血を引き起こすなど醜態をさらします。未知子は強引に猪又を押しのけ、甲状腺にある腫瘍の摘出を開始。見事にオペを成功させ、三鴨の命を救ったところで今回は終了となりました。

 初回のレビューにも書いたように同ドラマは、これまでのシーズンも含めて病院内で孤立する未知子が教授の誰かと対立し、オペ中に教授がミスを犯して未知子がその尻拭いをして終了というのがお決まりのパターンになっています。今回で5期目ということで、定番化した展開は旧来のファンにとって『水戸黄門』(TBS系)のような長寿ドラマに似た安心感をもたらしているかもしれません。ただ、今シーズンはあまりにも露骨に脚本が定型化されてしまっているようにも思えます。今回、猪又がオペ中に血管を損傷して大量出血を引き起こしてしまう展開は、前回の伊東亮治(野村周平)が執刀した時とまるで同じでした。

 ストーリーに変動がないのは、未知子のキャラクターの生みの親であり第1~4シーズンまでメインで脚本を担当していた中園ミホが、今回初めてチームから外れてしまっていることが少なからず影響しているのかもしれません。これまでのシーズンやスペシャル版を通じて平均視聴率20%前後を常に叩き出してきただけに、中園なしにして展開をガラリと変えてしまうのは困難なのでしょう。

 第3シーズンのラスト、神原が未知子の高額なギャラをネコババして資金を貯め、未知子のための外科病院建設プラジェクトを画策していることが明らかになり、そろそろその計画が実行に移されてもいいのではないかとも思っていたのですが、今シーズンでは望めそうにありませんね。主演を務める米倉の魅力が損なわれない限りは安定した視聴率を獲得できると思いますが、少し物足りない気もします。

 また、脚本をいじれない代わりにキャラづくりで目新しさを出そうとしたのかもしれませんが、白髪にガングロのおやじサーファーみたいな陣内孝則のルックスはいかがなものでしょうか。今回の役柄に限らず陣内の演技には強引に笑いを取ろうというあざとさが見える気がするのですが、オペ中にもふざけた演技をしたのはドラマの緩急をつける意味でも邪魔だったと思います。

 脇役たちの新鮮さで勝負という意味では、次回ゲスト出演する仲里依紗は同枠の前クールに放送された『黒革の手帖』で、地味な女から夜の蝶へと変身する過程を見事に演じ絶賛されただけに期待したいと思います。
(文=大羽鴨乃)

スーパー外科医・大門未知子、ゆとり世代に医師としての覚悟を問う!『ドクターX』第2話

 米倉涼子がフリーランスの凄腕外科医を演じるドラマ『ドクターX ~外科医・大門未知子』(テレビ朝日系)第5期の第2話が19日に放送され、平均視聴率19.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から1.3ポイント下落となってしまいました。

 その前回、東帝大学病院とフリーランス契約を交わした未知子は、困難な手術を成功させたことで伊東亮治(野村周平)ら“ゆとり世代”の若手医師たちから一目置かれるようになりました。親子ほども年齢が離れた両者ですが、先輩医師に対して意見をきっちり通したり、院長回診を無駄だと判断し参加しないなど、その言動には相通じるところがあるのです。

 そんなある日、病院長・蛭間重勝(西田敏行)のもとへ挨拶に訪れた亮治の母・不二子(中田喜子)が吐血。内視鏡検査したところ、進行胆のう癌肉腫が見つかります。この腫瘍は切除が極めて困難であり、若手では成功例がありません。それを実の息子・亮治が成功させれば世界的なPRになる。そう算段した日本医師倶楽部の会長・内神田景信(草刈正雄)が蛭間に命じ、亮治が執刀医を務めることになります。

 しかし、不二子は手術を拒否。また、私立の三流医大に入学した際に不二子が裏金を納めていたことを知って以来、ドライな関係になってしまった亮治は、無理に手術を勧めることはしません。

 一方、なんとか不二子の手術を実現させたい蛭間のもとに、ロビーに落ちていたというデジタルカメラが届きます。その中には東帝大学病院の医師たちのプライベート盗撮画像が入っているのです。実はこれ、亮治を想う不二子が職場の人間関係を気にして撮影したものなのですが、蛭間はこれを利用することに。盗撮を告発されたくなければ同意書にサインをしろと不二子を脅すのです。

 まさかの手術決行に亮治は暗い表情を浮かべるのですが、未知子はそれがギクシャクした親子関係からくるものではなく、手術への自信のなさだと見抜きます。そして一言、「意地を張るのと覚悟を決めるのは違う」と言い放つのです。その言葉に奮起した亮治は執刀することを決断。そして助手に未知子を指名します。

 迎えた手術本番。突如として謎の大量出血が起こり、亮治は取り乱してしまいます。そこへすかさず「あんたの覚悟は?」と未知子から一喝されたことで冷静さを取り戻し、一時的に心臓停止させて出血点を探すことにするのですが、なかなか見つかりません。これは無理だと判断した未知子は、亮治を強引に押しのけて手術を無事に成功させます。

 しかし、執刀医が未知子ではニュースバリューは落ちる。そう判断した蛭間は、手術成功は亮治の手柄ということにして会見を開くことに。ただ、ここで計算外の事態が発生。未知子のオペ技術やプロフェッショナルな姿勢に感服した亮治は、自分にはそれがないと気づき、今回の手術がすべて未知子の手によるものだったこと、さらに医師を辞めてミュージシャンの道を志すことを発表してマスコミの前から立ち去ってしまうのです。その様子をテレビで見ていた内神田は立腹。未知子を日本の医療界から追放することを決意したところで今回は終了となりました。

 さて、感想。今回の予告動画では、“ハケンの女VSゆとり世代”と煽っていたため、未知子と若手医師たちがバチバチとやり合うのかと思っていたのですが、そんなことはありませんでした。対立するどころかマイペースな言動がソックリなのです。ただ、その行動原理はまったく異なります。亮治らはお金やステータスを重視。そういった意味では、先輩医師らとなんら変わりはないのですね。

 その一方、人命を救うこと自体に情熱やプライド、責任感を抱く未知子は、お金や名声にはまったくの無頓着。前シリーズまで、恩師であり神原名医紹介所の所長を務める神原晶(岸部一徳)に高額なギャラをネコババされていたことも知らなかったほどなのです。

 世代間の違いなど興味はない。ただ、患者の命を救うために全力を尽くすという医師としての覚悟が亮治にあるのかを未知子は問いたかったのでしょう。だからこそ、普段は拒否する助手というポジションもあまんじて受け入れた。そして、オペの最中にその背中で医師としての在り方を教えたのです。

 未知子のその想いを亮治は感じ取っただけに、医師を辞める展開にしたのは残念でした。あっさり方向転換してしまうことでゆとり世代の“らしさ”を表現したのかもしれませんが、未知子の背中を追って成長させて欲しかったです。

 しかし、亮治と同世代の医師はまだ残っています。未知子が彼らにどう接していくのか、また次回からは内神田が率いる日本医師倶楽部によって未知子潰しが本格的に始まるということで、その運命やいかに。放送を待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)