1月期の連続ドラマ(民放、午後8~10時台)がそれぞれ最終回を迎え、竹内涼真主演の『テセウスの船』(TBS系)が全話平均視聴率13.3%でトップに輝いた。2位には、同じくTBSで放送された上白石萌音主演『恋はつづくよどこまでも』が11.6%でランクイン。初回視聴率の順位では4位と6位スタートだった2作品が、最終的に上位に食い込む結果となった。
首位の『テセウスの船』は、週刊漫画誌「モーニング」(講談社)で連載されていたミステリー漫画をドラマ化した作品。平成元年に警察官の父親(鈴木亮平)が起こした連続殺人事件を解明するため、主人公・田村心(竹内)が奔走する「泣ける本格ミステリー」だ。あるきっかけから事件当時にタイムスリップした心が、父の冤罪を証明できるかどうか、話数を重ねるほどに視聴者の関心は高まっていった。また、原作者の東元俊哉氏が「原作と犯人が違う」と発表したことから、ネット上で「黒幕は誰なのか」と、推理合戦が盛り上がったことも視聴率上昇の一因だろう。
初回は11.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、視聴率ランキングでは4位にランクイン。1~5話までは11%台だったものの、6話で13.2%を記録した後は14~15%台をキープ。最終回は、シリーズ作の『科捜研の女』『相棒 season18』(ともにテレビ朝日系)を除く今期ドラマの中で最高の19.6%をマークし、全10話の平均は13.3%で、堂々の1位を獲得した。
2位は、上白石と佐藤健が初共演した『恋はつづくよどこまでも』で、全10話の平均は11.6%。こちらは、円城寺マキ氏による同名コミックス(小学館)が原作のドラマ。医者の天堂浬(佐藤)に一目惚れした主人公・佐倉七瀬(上白石)が彼を追いかけて看護師になり、 5年越しに再会。新人ナースの七瀬が“ドS医師”の天堂に思いを伝え続ける姿を描いた「医療×愛×冒険」の物語だ。
初回は9.9%と、1ケタで幕を切ったが、佐藤演じる天堂のドS・ツンデレぶりや、“胸キュン”な展開が反響を呼び、10%台が増加。7話で自己最高の11.9%を獲り、8話が12.1%、9話は14.7%と記録を更新し続けた。そして最終回は15.4%で有終の美を飾り、視聴者の間では「恋つづロス」「続編作ってほしい」という声も上がったほど。話題性で言えば今期ナンバーワンの作品となった。
ベスト3位に滑り込んだのは、天海祐希主演の医療ドラマ『トップナイフ』(日本テレビ系)。初回は13.0%の高視聴率で、ランキングトップに君臨するも、徐々に10.6%(4話)、9.1%(5話)と下降していき、6~10話にかけては10~11%台を行き来した。1ケタは1回のみでなんとか持ち堪えたが、最終回も11.6%と初回超えはできず、全話平均11.3%でフィニッシュ。
女優主演の医療ドラマという共通点から、当初は米倉涼子主演の『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)と比較する声もあったが、視聴率だけ見れば『トップナイフ』が完敗だろう。
続いては、視聴率に恵まれなかった下位3作品をご紹介。ワースト3位と2位はいずれもフジテレビ系のドラマで、松下奈緒主演の『アライブ がん専門医のカルテ』と、向井理主演『10の秘密』だった。『アライブ』は初回8.4%で始まり、初回視聴率ランクでもワースト2位。その後も5~8%と1ケタにとどまり、全11話の平均は7.0%に終わった。
一方、『10の秘密』は後藤法子氏によるオリジナル脚本で、娘を誘拐された白河圭太(向井)が秘密を抱えた登場人物たちに翻弄される“ミステリー考察系”ドラマ。昨年春にヒットした『あなたの番です』(日本テレビ系)のように、ネット上で黒幕予想が飛び交うかと思いきや、「『10の秘密』はいつになったら面白くなるの?」「主人公の詰めが甘くて、とにかくツッコミどころ満載」「本当につまらないドラマ。好きな役者は出てるけど、ストーリーや演出がダメ」といったシビアな感想が相次いでいた。
さらに第7話の最後には、ドラマがフィクションにもかかわらず、第2話・第3話の工事現場として使用されたマンションの名称が「実在するマンションブランドの名称と酷似しておりました」として、謝罪のメッセージを流すという制作上のアクシデントも。視聴率は、初回8.9%でワースト3位以内に入っていなかったが、『アライブ』と同じく全10話は2ケタに届かないまま終了。平均は6.9%だった。
そして、今期の最下位は、小泉孝太郎が主演を務めた『病院の治しかた~ドクター有原の挑戦~』(テレビ東京系)で、全7話の平均は6.7%。こちらは、18年4月に誕生した「ドラマBiz」(月曜午後10時台)で放送され、初回の8.1%は、同枠の歴代最高視聴率を獲得。「ドラマBiz」の作品は、初回・平均それぞれの視聴率ランクでワースト3位以内が定番となっているが、今回の平均6.7%は、仲村トオル主演『ラストチャンス 再生請負人』(18年7月期)の平均4.9%を上回り、トップに躍り出た。惜しくも1月期の中で最下位になってしまったとはいえ、視聴率の獲れないテレ東の「ドラマBiz」においては、大健闘と言えるだろう。
4月期の「ドラマBiz」は、鈴木京香主演の『行列の女神~らーめん才遊記~』が待機。女優主演の過去作『よつば銀行 原島浩美がモノ申す!~この女に賭けろ~』(真木よう子主演、平均4.5%)と、『ハル ~総合商社の女~』(中谷美紀主演、平均4.2%)はいずれも平均4%台と伸び悩んでいたが、次作は今クールの良い流れに乗ってほしいものだ。
4月期のTBSは、2013年に堺雅人主演で大ヒットした『半沢直樹』の続編や、絶好調だった『恋つづ』の枠(火曜午後10時台)に多部未華子主演『私の家政夫ナギサさん』が控えるほか、金曜午後10時台は綾野剛と星野源がタッグを組む『MIU404』が放送される。フジテレビは、月9ドラマが織田裕二主演『SUITS/スーツ2』で、ほかにも玉木宏主演『竜の道 二つの顔の復讐者』(火曜午後9時台)、石原さとみ主演『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』(木曜午後10時台)というラインアップだ。
『半沢直樹』『SUITS/スーツ2』のほかにも続編ドラマが待機中で、木村拓哉主演『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系)と、13年ぶりとなる篠原涼子主演『ハケンの品格』(日本テレビ系)もあり、視聴率の行方に注目が集まりそうだ。また、ベテラン勢が多い中で、若手ジャニーズのSexy Zone・中島健人とKing&Prince・平野紫耀がダブル主演を務める『未満警察 ミッドナイトランナー』(日本テレビ系)で、2人はどれだけ力を発揮できるのか、まずは初回放送に期待が高まる。
【2020年冬ドラマ(午後8~10時台、民放5局)平均視聴率一覧】
1位『テセウスの船』(TBS系・日曜午後9時)全10話/13.3%
2位『恋はつづくよどこまでも』(TBS系・火曜午後10時)全10話/11.6%
3位『トップナイフ ―天才脳外科医の条件―』(日本テレビ系・土曜午後10時)全10話/11.3%
4位『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(フジテレビ系・月曜午後9時)全11話/9.9%
5位『ケイジとケンジ 所轄と地検の24時』(テレビ朝日系・木曜午後9時)全9話/9.8%
6位『知らなくていいコト』(日本テレビ系・水曜午後10時)全10話/9.5%
7位『病室で念仏を唱えないでください』(TBS系・金曜午後10時)全10話/8.9%
8位『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』(日本テレビ系・日曜午後10時30分)全10話/8.1%
9位『駐在刑事 Season2』(テレビ東京系・金曜午後8時)全7話/7.4%
10位『アライブ がん専門医のカルテ』(フジテレビ系・木曜午後10時)全11話/7.0%
11位『10の秘密』(フジテレビ系・火曜午後9時)全10話/6.9%
12位『病院の治しかた~ドクター有原の挑戦~』(テレビ東京系・月曜午後10時)全7話/6.7%
※平均視聴率は単純平均視聴率(全話合計÷放送回数)。小数点第2位以下を四捨五入。19年4月より通年放送された『科捜研の女』と、同10月から2クール連続放送だった『相棒 season18』(ともにテレビ朝日系)はランキング対象外とする。