『孤独のグルメ』スタート!「こういうのでいいんだよ」という美学を覆すとんかつ屋の“追いステーキ”ってナンだ!?

 レギュラー放送としては1年ぶりとなる『孤独のグルメ Season7』(テレビ東京系)がスタート。

 ほぼ毎年レギュラー放送があり、さらに昨年は大みそかの年越し直前枠を2時間SPで任されるまでになった人気コンテンツ。もはや局を代表する顔だ。ただおじさんが独り言を言い(思い)ながら飯食うだけの地味な番組なのだが、それが逆によかった。

 言うまでもないが『アンナチュラル』(TBS系)や『バイプレイヤーズ』(テレビ東京系)で1~3月期もフル回転だった松重豊を押し上げた出世作。

 Season7の開幕を飾るのは上尾(埼玉)。Season6こそ大阪での遠征スタートだったが、それ以外の初回は、門前仲町、新丸子、赤羽、清瀬、稲田堤というクラクラするほどの地味具合。この気負わぬスピリットは変わらずだが、しかし今回の上尾でのとんかつが、とんでもないやつだった。

 

■第1話「埼玉県上尾市本町の肩ロースかつ定食」

 

 前日、すんでのところでとんかつを食いそびれた五郎(松重=個人でやってる輸入雑貨の貿易商)は、朝から腹がとんかつ状態。アンティーク照明を希望する呉服店主夫妻にカタログを届けに来たのだが、返す刀で着物を売りつけられそうになる。「売るか、売られるか」の弱肉強食なセールス合戦。なんとなく付き合い的にこちらも「買わなきゃいけない」ような気持ちになるのは営業あるあるだ。

「あやうくミイラ取りがミイラになるところだった」が、なんとか脱出。一安心したその直後、恒例・食事決心のシーン。いつもの「よし、店を探そう」を「よし、とんかつを探そう」とセルフパロディ。

 とんかつはSeason1の第6話で「ミックスかつ」、Season4の第7話で「カツサンド」を食べているが、意外とがっつりのとんかつ単体は初めて。

 いつもは惹かれそうな中華、洋食、うなぎに目もくれず、とんかつを求め彷徨う五郎。上尾市役所前で職員が行く飯屋があるはずと推理。(実は市役所に隣接する食堂にも、とんかつがあるのだが)長いとんかつクエストの末、たどり着いたのが今回の舞台・キセキ食堂だ。

 結論から言うと、地元では有名な人気店。今回の放送を知った店のファンは、むしろ「バレて」しまうことを悲しんでいるだろう。

 ドラマ内でも繁盛店として描かれているが、少なくとも今の時点でふらっと来て並ばず入れるようなことはないだろう(放送翌日にいたっては店頭のシート記入がいっぱいになり開店時間前なのに「品切れ」となるほど)。

 五郎が選んだのは、肩ロースを低温熟成したという人気ナンバーワンのキセキ定食。カツとステーキ(豚)があるのだが、「初めての方にはステーキをお勧めします」という注意書きを振り切り、カツを選ぶ「初志貫徹」。

 

■メジャーで肉を採寸する五郎

 

 出てきたカツは『なにこの威圧感』とビビるほどのデカさ。

 思わずメジャーを取り出し採寸しちゃう五郎。前シーズンでもアジフライを測っていた恒例のアレ。

 横16センチ、縦10センチ、高さ4センチ5ミリ。立体感がレンガのよう。

 真ん中の切り身にだけソースをかけ、箸で持ち上げるが、デカい。「ジェンガだな!」と例える心の声もデカかった。ジェンガがピンとこない人は、赤ちゃんの靴くらいのデカさを想像してほしい。もしくは小さめのテレビリモコン。一切れが、だ。一口かじって「何だよこれ、笑うしかないなあ」と目尻が垂れる。この番組(原作)を端的に表す名台詞「こういうのでいいんだよ」という美学とは明らかに違う、今までになかった圧倒的な美味さに屈服する感じ。

 続いて塩で一切れ。

「塩とんかつがうまいってことは肉がいい証し。それを白いご飯で追っかける法悦(ほうえつ)」

 塩レモンでも一切れ。

「今俺が食ってるのは肉の形をした幸せだ」

 辛味噌で一切れ。

「今度は辛味噌で名古屋に行ってみるか!」

 ふんだんな調味料でバイキング状態を楽しむ五郎。キャベツもごまドレやソースで味替え。どこにでも幸せはある。

 ちょいちょい「ごまドレいってみよー」「塩レモンいってみよー」と宣言する五郎が、いかりや長介みたいでどこか頼もしい。

 くどいようだが、肉一切れがデカく、五郎ですら場合によっては4口で食べていた。女性なら5口から6口は要するはず。中は低温熟成ということで、ほんのりピンク。生だと誤解する人もいるらしく、しっかり中まで火が通っていることを告げる張り紙が店内にあるほど。

 低温熟成ならではだと感じたのが、箸で肉片を持ち上げた際、両端が微妙にプルンとたわむこと。柔らかそうな食感が口に広がる。食ってないけど。

「肉食ってる感が尋常じゃない肉」

 これが230グラムの定食で1,000円。自分が地元民なら紹介した番組を生涯呪う。

■とんかつの後の「追いステーキ」

 

 さらに隣の客の「キセキのステーキとかつ100グラムずつ」という注文の仕方に注目し、「そういうのアリなのか……」とキセキのステーキ100グラムを追加。思わず隣の客に「助かりました」と礼を言い、動揺させてしまう五郎。今回も飯の海を自由に泳いでる。

 ラストのかつ一切れを再度とんかつソースで締める。ソースに始まりソースで終わる美学。

 そして美学とはとても思えない追加のステーキが到着。

「衣を脱いでなお旨し」という肉をステーキソースで。

「これはご飯いらない、肉で肉が食える」らしい。注文時にも「ここで追いステーキをかませたのはうれしい」と喜んでいたが、五郎独自の言語感覚がこのドラマの人気を支える一つ。いやメインといってもいい。追いステーキって、ソイソースみたいでどこかしっくりくるし。

 店員お勧めのオニオンソース。豚肉と玉ねぎの相性の良さから「生姜焼きの原理か」と発見する五郎。美味い組み合わせを考えている時、その舌は科学者だ。

 今回、ぜひ確かめたくなったのは、わさび醤油で食う(この店の)豚肉の美味さ。この組み合わせを「ベストアンサー」だと断言した五郎。

「俺の舌は今、感動にむせび泣いている」

 食えるか心配していたくせに、結局「あと300グラムくらい全然イケる」と胃袋フル回転。量を食っても軽い肉なのだろう。

「こんなとんかつとこんなステーキが、上尾の街に潜んでいたなんて。豚肉の道、奥深し」

 そして原作者・久住昌之がロケ地で飯を食う「ふらっとQUSUMI」のコーナー。原作漫画にない店しかドラマでは描かれないので、作者が来るのも基本毎回初めて。

 まずは予約限定の牛タンステーキを、わさび醤油で。美味いに決まってる。驚いたのは小ぶりの熟成ひれカツの150円といういう値段。小ぶりといっても久住ですら4口以上かかりそうな立派な「小ぶり」っぷり。店からしたら大迷惑だろうが、これとご飯だけでも昼飯としてアリだと思ってしまった。

 本編でメニューだけ出てきたお子様定食(カツまたはステーキ)も350円だし、五郎も言ってたが、いくら精肉店が経営してるとはいえ「店として大丈夫か?」。

 

■「行かない」視聴者でも、ただ見るだけで楽しめる作り

 

 この番組は基本実在する店やメニューで撮影しているのだが、店員は役者が演じているし、味わってるのも、あくまで架空の存在・井之頭五郎であって松重豊でないし、もちろん物語部分はフィクション。ドラマ本編部分には必要以上の「情報」的なものは差し込まず(久住コーナーが「情報」に当たるが、あくまで脇。逆に裏返しでここを「メイン」だと言う人もいる)、視聴者が「行く」という前提を強く押し出してはいない。

「食べたいけど行くの面倒臭い」とか「一見さん入りづらそう」とか「そもそも行く時間ない」とか、そういった萎える感情から解き放たれ、ただ井之頭というどこにでもいそうな人物が、ただ一人、悩んだり浮かれたり発見したりしながら日常の飯を享受するサマを観て楽しめばいいだけだ。

 グルメ情報を見てる時につきまとう「でもどうせ俺は行かないしな……」という劣等感に苛まれることがない。

 もちろん行きたくないわけではない。そりゃ行きたいし食べたいのだが、それはそれとして、「ここ」に行かないで「これ」を食べなくても、別に構わない気持ちにさせてくれる。腹が減ったら各々のとんかつ「らしき」ものを食えばいいのだ。

 だがしかし、今回はこのキセキのとんかつは食ってみたくて仕方がない。うれしいような悔しいようなこの気持ち。

 あくまで五郎が食らうところを鑑賞することで「自分の中に眠る食の思い出を喰らう」的な楽しみ方を提示してきた番組だったのに、こんなに感情をかき乱されるとは。

 Season6でもラム肉だらけの中華という未知の味を突きつけ我々を困らせた「前科」があったが(第8話)、今回は王道の味でありながらそのクオリティの高さと圧倒的なコストパフォーマンスで仕掛けてきた。この方向が番組的にどう影響するかはまだわからない。今週の「世田谷区経堂のバイキング」を待ちたい。
(文=柿田太郎)

世界一うざい男・宮本はもう1人の自分なのか!? 恋も仕事も失敗だらけ『宮本から君へ』第1話

 常にクールでスマートでいることが求められる現代社会において、そこからいちばん遠い遠い存在が宮本浩という男です。新井英樹の同名コミックを原作にしたドラマ24『宮本から君へ』(テレビ東京系)の主人公・宮本浩は、とにかく暑苦しくて、面倒くさいことこの上ありません。中小企業に就職した社会人1年目の宮本は、恋に仕事に100%全力でぶつかり、そのたびに七転八倒します。そんな超うざいキャラクター・宮本役に、若手演技派の筆頭格である池松壮亮。脚本・演出が暴力青春映画『ディストラクション・ベイビーズ』(16)で注目を集めた新鋭・真利子哲也監督というタッグで、1クールにわたってオンエアされることに。モヤモヤモヤ~とした寝苦しい3カ月間になりそうですね。

 原作コミックは1990~94年に青年漫画誌「モーニング」(講談社)で連載され、バブル景気で浮かれまくっていた世相に、冷や水を差しまくるような異質な内容でした。小さな文具メーカーの営業部に配属された宮本(池松壮亮)の真っすぐすぎて、超かっこ悪い、痛~い青春の日々が描かれます。

 さて、テレビ版第1話のオープニング、駅のホームで電車を待つ若いOLの姿が映し出されます。宮本にとって憧れの女性となる甲田美沙子(華村あすか)の登場です。入社1年目で仕事が楽しくない宮本は、朝の通勤時に見かける美沙子だけが毎日の楽しみでした。電車の中で同僚たちとの会話を盗み聞きし、美沙子は大手自動車メーカーの受付嬢であることが判明。超美人な美沙子は、ちっぽけな文具メーカーに勤める宮本にとっては高嶺の花。さりげなく声を掛けたいけど、きっかけがつかめません。自分の持てる欲望と情熱をどう形にすればいいのか分からない宮本浩、22歳の新人営業マンでした。

 宮本のうざったさがむっちりみっちりと描かれたのが、職場の同僚たちと繰り出した居酒屋シーンでした。小田課長(星田英利)の面倒見のよさに甘え、愚痴をこぼしまくる宮本。「学校に行ってるうちはよかった。学校を出たら、夢も自信もなくなったなぁ~」と上司に向かってタメ口で愚痴るダメダメな宮本でした。「学校出たらから失う自信を、何か持ってたん?」と関西弁でやんわりと宮本に釘を刺す小田課長ですが、酔っぱらった宮本には馬の耳に念仏でした。「自宅通いのボンボンは生活を考えんでええなぁ」と同期入社の田島(柄本時生)にディスられ、店の中でつかみ合いのケンカに。「何か俺、デカいことやりたいんです~!」と居酒屋で叫ぶ宮本は自己チューな大バカ野郎です。

 翌朝、二日酔い状態で出社する宮本。同僚たちに向かって「デカいことやりたいんです」と叫んだ手前、田島が手渡すスポーツ飲料を飲んでまったりすることは宮本自身が許せません。ホームに立つ可憐な一輪の花・美沙子を見つけるや、ツカツカと歩み寄り、「僕の、僕の名前は宮本浩ですッ!!」とホーム中に響くようなハイトーンボイスで自己紹介するのでした。

 何かデカいこと=通勤電車で見かける美女に声を掛けること、というエピソードにほんの少しでも共感した人は、この先も『宮本から君へ』を見続けるでしょうし、まるで響かなかった人は、さっさとチャンネルを変えるか、SNSの世界に没頭することでしょう。

 まずはバットを振ってみなくちゃ、ボールは前には転がりません。ひどくかっこ悪いスイングでしたが、宮本の振ったバットにボールが当たり、運よくポテンヒットになりました。美沙子と毎朝、電車の中で世間話をする仲になったのです。出社前に超ラブリーなOLとお話ができるという、モテない男にとっては至高の喜びを手に入れた宮本でした。女神・美沙子はさらなる福音を宮本に与えます。「総務部の女の子が宮本さんに会ってみたいって」と合コンすることを持ち掛けてきたのです。俄然、やる気まんまんになる宮本、そして同僚の田島でした。

■美人OLが合コンに連れてきた女友達がつらかった!

 

 通勤中に出会う美人OLと仲良くなり、合コンにまでありつけるという美味しい展開。原作コミックが連載されたバブル時代のイケイケ感を彷彿させるじゃないですか。原作者の新井英樹自身も漫画家になる前は文具メーカーに勤めていたそうですが、バブル時代に流行したトレンディードラマのようなおしゃれな方向には、このドラマはこの先、間違っても転がりません。宮本たちは営業部の新人3人でこの合コンに臨みますが、そこで待っていたのは「女性幹事マックスの法則」でした。

 美人受付け嬢の美沙子がどんなかわいい友達を選抜して連れてくるのか? 浮かれ気分で渋谷の雑居ビル地下にある微妙な雰囲気のパブの扉を開けた宮本たちですが、美沙子が連れてきた女の子たちも微妙なランクでした。ひとりは乗りがよくて合コン向きですが、総務部の裕奈(三浦透子)は全身から暗いオーラを漂わせ、ねっとりとした視線を宮本に注ぐのでした。このメンバーの中では、どうしようもなく美沙子のルックスが際立ちます。無意識なのかもしれませんが、自分がいちばんかわいいことを美沙子はアピールしているようで、男性陣は一抹の侘しさを覚えるのでした。

 楽しいはずの合コンなのに、そこは男の度量の大きさが試される修練の場でした。懸命に場を盛り上げようとする田島。できれば美沙子と2人っきりになりたい宮本ですが、「宮本さんに会ってみたい」と言い出した裕奈のフォローもしなくてはいけません。口数が少ない裕奈は彼女なりに気を遣って、宮本たちのグラスにピッチャーからビールを注ぎ足そうとしますのが、その度にグラスを倒してしまい、「ごめんなさい、ごめんなさい」と泣きながら謝るばかりです。いましたよね、クラスに1人はマジメなんだけど、すっごい不器用な子が。要領よく人生を生きることができない裕奈は、社会人になってもつらい思いをしているのではないでしょうか。宮本や田島たちは、まるで鏡を見せられているようなブルーな気分です。宮本たちももっと要領がよければ、大きな会社に入社していたでしょうから。男の欲望としては美沙子に向かいながらも、心の中では裕奈にシンパシーを感じてしまう宮本でした。

 盛り下がり気味の合コンの雰囲気を変えようと、パブの店長がサービスで大きな鉢に入ったフルーツポンチを運んできました。ここでもやっぱり裕奈がやらかしてしまいます。宮本に上着を渡そうとする裕奈でしたが、宮本の上着のポケットに入っていた小さな包みを誤ってフルーツポンチの鉢の中に落としてしまいます。小さな包みは、「宮本」とサインペンで名前が書かれたコンドームでした。コンドームの包みだけが甘く濡れた、とってもしょっぱい合コンはこうして終わりを告げたのです。

 合コンの後もしばらくは美沙子や裕奈に振り回されることになる宮本ですが、やがて先輩営業マンの神保(松山ケンイチ)と一緒に得意先回りをするようになり、仕事の厳しさと面白さを同時に学ぶようになっていきます。さらには、年上の女性・靖子(蒼井優)との出逢いも待っています。原作コミックでは、宮本と靖子との濃厚なSEXシーンが激しい筆使いで描かれ、思わず読者が引いてしまったほどです。ベッドの上でもやっぱり宮本はクドくて、暑苦しい男なのです。R18映画『愛の渦』(14)でリアルなSEXシーンを見せつけた池松壮亮と、最近は『オーバー・フェンス』(16)や『彼女がその名を知らない鳥たち』(17)で濡れ場に挑んでいる蒼井優ですが、テレビ版『宮本から君へ』ではどこまで描いてみせるのか興味津々です。

 いかがだったでしょうか、『宮本から君へ』第1話。見終わった視聴者は「だせえよ、宮本」「コンドームをネタに渾身のギャグで切り返せよ」と宮本に向かって叫びたくなったんじゃないでしょうか。そうです、社会人1年生の宮本は実はかつての視聴者自身なのです。仕事や恋愛に失敗した恥ずかしい体験の数々を、テレビの中の宮本はこれからも生々しく再現してみせるのです。あのとき彼女にもっと違う言葉を掛けていれば、あの職場でもう少し要領よく立ち回っていたら……。忘れかけていた記憶のドロドロした部分を宮本は呼び起こすのです。やっぱり、宮本は超うざい奴です。これから、ひどく寝苦しい3カ月間になりそうです。
(文=長野辰次)

世界一うざい男・宮本はもう1人の自分なのか!? 恋も仕事も失敗だらけ『宮本から君へ』第1話

 常にクールでスマートでいることが求められる現代社会において、そこからいちばん遠い遠い存在が宮本浩という男です。新井英樹の同名コミックを原作にしたドラマ24『宮本から君へ』(テレビ東京系)の主人公・宮本浩は、とにかく暑苦しくて、面倒くさいことこの上ありません。中小企業に就職した社会人1年目の宮本は、恋に仕事に100%全力でぶつかり、そのたびに七転八倒します。そんな超うざいキャラクター・宮本役に、若手演技派の筆頭格である池松壮亮。脚本・演出が暴力青春映画『ディストラクション・ベイビーズ』(16)で注目を集めた新鋭・真利子哲也監督というタッグで、1クールにわたってオンエアされることに。モヤモヤモヤ~とした寝苦しい3カ月間になりそうですね。

 原作コミックは1990~94年に青年漫画誌「モーニング」(講談社)で連載され、バブル景気で浮かれまくっていた世相に、冷や水を差しまくるような異質な内容でした。小さな文具メーカーの営業部に配属された宮本(池松壮亮)の真っすぐすぎて、超かっこ悪い、痛~い青春の日々が描かれます。

 さて、テレビ版第1話のオープニング、駅のホームで電車を待つ若いOLの姿が映し出されます。宮本にとって憧れの女性となる甲田美沙子(華村あすか)の登場です。入社1年目で仕事が楽しくない宮本は、朝の通勤時に見かける美沙子だけが毎日の楽しみでした。電車の中で同僚たちとの会話を盗み聞きし、美沙子は大手自動車メーカーの受付嬢であることが判明。超美人な美沙子は、ちっぽけな文具メーカーに勤める宮本にとっては高嶺の花。さりげなく声を掛けたいけど、きっかけがつかめません。自分の持てる欲望と情熱をどう形にすればいいのか分からない宮本浩、22歳の新人営業マンでした。

 宮本のうざったさがむっちりみっちりと描かれたのが、職場の同僚たちと繰り出した居酒屋シーンでした。小田課長(星田英利)の面倒見のよさに甘え、愚痴をこぼしまくる宮本。「学校に行ってるうちはよかった。学校を出たら、夢も自信もなくなったなぁ~」と上司に向かってタメ口で愚痴るダメダメな宮本でした。「学校出たらから失う自信を、何か持ってたん?」と関西弁でやんわりと宮本に釘を刺す小田課長ですが、酔っぱらった宮本には馬の耳に念仏でした。「自宅通いのボンボンは生活を考えんでええなぁ」と同期入社の田島(柄本時生)にディスられ、店の中でつかみ合いのケンカに。「何か俺、デカいことやりたいんです~!」と居酒屋で叫ぶ宮本は自己チューな大バカ野郎です。

 翌朝、二日酔い状態で出社する宮本。同僚たちに向かって「デカいことやりたいんです」と叫んだ手前、田島が手渡すスポーツ飲料を飲んでまったりすることは宮本自身が許せません。ホームに立つ可憐な一輪の花・美沙子を見つけるや、ツカツカと歩み寄り、「僕の、僕の名前は宮本浩ですッ!!」とホーム中に響くようなハイトーンボイスで自己紹介するのでした。

 何かデカいこと=通勤電車で見かける美女に声を掛けること、というエピソードにほんの少しでも共感した人は、この先も『宮本から君へ』を見続けるでしょうし、まるで響かなかった人は、さっさとチャンネルを変えるか、SNSの世界に没頭することでしょう。

 まずはバットを振ってみなくちゃ、ボールは前には転がりません。ひどくかっこ悪いスイングでしたが、宮本の振ったバットにボールが当たり、運よくポテンヒットになりました。美沙子と毎朝、電車の中で世間話をする仲になったのです。出社前に超ラブリーなOLとお話ができるという、モテない男にとっては至高の喜びを手に入れた宮本でした。女神・美沙子はさらなる福音を宮本に与えます。「総務部の女の子が宮本さんに会ってみたいって」と合コンすることを持ち掛けてきたのです。俄然、やる気まんまんになる宮本、そして同僚の田島でした。

■美人OLが合コンに連れてきた女友達がつらかった!

 

 通勤中に出会う美人OLと仲良くなり、合コンにまでありつけるという美味しい展開。原作コミックが連載されたバブル時代のイケイケ感を彷彿させるじゃないですか。原作者の新井英樹自身も漫画家になる前は文具メーカーに勤めていたそうですが、バブル時代に流行したトレンディードラマのようなおしゃれな方向には、このドラマはこの先、間違っても転がりません。宮本たちは営業部の新人3人でこの合コンに臨みますが、そこで待っていたのは「女性幹事マックスの法則」でした。

 美人受付け嬢の美沙子がどんなかわいい友達を選抜して連れてくるのか? 浮かれ気分で渋谷の雑居ビル地下にある微妙な雰囲気のパブの扉を開けた宮本たちですが、美沙子が連れてきた女の子たちも微妙なランクでした。ひとりは乗りがよくて合コン向きですが、総務部の裕奈(三浦透子)は全身から暗いオーラを漂わせ、ねっとりとした視線を宮本に注ぐのでした。このメンバーの中では、どうしようもなく美沙子のルックスが際立ちます。無意識なのかもしれませんが、自分がいちばんかわいいことを美沙子はアピールしているようで、男性陣は一抹の侘しさを覚えるのでした。

 楽しいはずの合コンなのに、そこは男の度量の大きさが試される修練の場でした。懸命に場を盛り上げようとする田島。できれば美沙子と2人っきりになりたい宮本ですが、「宮本さんに会ってみたい」と言い出した裕奈のフォローもしなくてはいけません。口数が少ない裕奈は彼女なりに気を遣って、宮本たちのグラスにピッチャーからビールを注ぎ足そうとしますのが、その度にグラスを倒してしまい、「ごめんなさい、ごめんなさい」と泣きながら謝るばかりです。いましたよね、クラスに1人はマジメなんだけど、すっごい不器用な子が。要領よく人生を生きることができない裕奈は、社会人になってもつらい思いをしているのではないでしょうか。宮本や田島たちは、まるで鏡を見せられているようなブルーな気分です。宮本たちももっと要領がよければ、大きな会社に入社していたでしょうから。男の欲望としては美沙子に向かいながらも、心の中では裕奈にシンパシーを感じてしまう宮本でした。

 盛り下がり気味の合コンの雰囲気を変えようと、パブの店長がサービスで大きな鉢に入ったフルーツポンチを運んできました。ここでもやっぱり裕奈がやらかしてしまいます。宮本に上着を渡そうとする裕奈でしたが、宮本の上着のポケットに入っていた小さな包みを誤ってフルーツポンチの鉢の中に落としてしまいます。小さな包みは、「宮本」とサインペンで名前が書かれたコンドームでした。コンドームの包みだけが甘く濡れた、とってもしょっぱい合コンはこうして終わりを告げたのです。

 合コンの後もしばらくは美沙子や裕奈に振り回されることになる宮本ですが、やがて先輩営業マンの神保(松山ケンイチ)と一緒に得意先回りをするようになり、仕事の厳しさと面白さを同時に学ぶようになっていきます。さらには、年上の女性・靖子(蒼井優)との出逢いも待っています。原作コミックでは、宮本と靖子との濃厚なSEXシーンが激しい筆使いで描かれ、思わず読者が引いてしまったほどです。ベッドの上でもやっぱり宮本はクドくて、暑苦しい男なのです。R18映画『愛の渦』(14)でリアルなSEXシーンを見せつけた池松壮亮と、最近は『オーバー・フェンス』(16)や『彼女がその名を知らない鳥たち』(17)で濡れ場に挑んでいる蒼井優ですが、テレビ版『宮本から君へ』ではどこまで描いてみせるのか興味津々です。

 いかがだったでしょうか、『宮本から君へ』第1話。見終わった視聴者は「だせえよ、宮本」「コンドームをネタに渾身のギャグで切り返せよ」と宮本に向かって叫びたくなったんじゃないでしょうか。そうです、社会人1年生の宮本は実はかつての視聴者自身なのです。仕事や恋愛に失敗した恥ずかしい体験の数々を、テレビの中の宮本はこれからも生々しく再現してみせるのです。あのとき彼女にもっと違う言葉を掛けていれば、あの職場でもう少し要領よく立ち回っていたら……。忘れかけていた記憶のドロドロした部分を宮本は呼び起こすのです。やっぱり、宮本は超うざい奴です。これから、ひどく寝苦しい3カ月間になりそうです。
(文=長野辰次)

ナイナイが『ASAYAN』でもらっていた「引くくらい」のギャラって、いくら!?「1,00万円でもおかしくない」

 ナインティナインの矢部浩之が、2月22日放送の『アウト×デラックス』(フジテレビ系)で、もっともギャラが高額だった番組を暴露した。

 矢部は『ASAYAN』(テレビ東京系)で、過去最高のギャラをもらっていたという。共演者のマツコ・デラックスから値段を聞かれると「引くくらい」と回答した。ネット上では、この値段がいくらであったのか注目が集まっている。

「ナイナイは過去に、ラジオ番組において新人時代の大阪のギャラは1本5,000円、東京進出後は1.5倍の7,500円だったと暴露しています。『ASAYAN』も当初はその程度だったのでしょう。番組では岡村とともに番組を辞めたいと申し出て、交渉の過程でギャラを上げていったと語られていましたから、相当な値段であることには間違いないでしょう」(放送作家)

 現在、ナイナイのギャラは1本100万円前後といわれている。それ以上となると、王台も見えてくる。

「最初のギャラが5,000円ですから、100倍の500万円、コンビで1,000万円であってもおかしくありません。『ASAYAN』はモーニング娘。らを輩出したオーディションバラエティ番組でしたが、もともとの番組名は『浅草橋ヤング洋品店』として1992年に始まりました。この番組はテリー伊藤が演出を担当したことで知られていますが、制作には吉本興業と電通がかんでいました。やがてテリー派が駆逐され、番組のワンコーナーだった小室哲哉プロデューサーによるオーディション企画『コムロギャルソン』が拡大する形で95年に『ASAYAN』が始まります。社会現象にまでなった番組ですから、ケチな吉本でも高額のギャラでナイナイをつなぎとめた可能性はありますね」(同)

『ASAYAN』の放送期間は95年から2002年までである。CDの売上が最高潮に達したのは1998年。『ASAYAN』は音楽バブルの絶頂期に放送されていただけに、ギャラ1,000万円もあり得ない話ではなさそうだ。
(文=平田宏利)

ナイナイが『ASAYAN』でもらっていた「引くくらい」のギャラって、いくら!?「1,00万円でもおかしくない」

 ナインティナインの矢部浩之が、2月22日放送の『アウト×デラックス』(フジテレビ系)で、もっともギャラが高額だった番組を暴露した。

 矢部は『ASAYAN』(テレビ東京系)で、過去最高のギャラをもらっていたという。共演者のマツコ・デラックスから値段を聞かれると「引くくらい」と回答した。ネット上では、この値段がいくらであったのか注目が集まっている。

「ナイナイは過去に、ラジオ番組において新人時代の大阪のギャラは1本5,000円、東京進出後は1.5倍の7,500円だったと暴露しています。『ASAYAN』も当初はその程度だったのでしょう。番組では岡村とともに番組を辞めたいと申し出て、交渉の過程でギャラを上げていったと語られていましたから、相当な値段であることには間違いないでしょう」(放送作家)

 現在、ナイナイのギャラは1本100万円前後といわれている。それ以上となると、王台も見えてくる。

「最初のギャラが5,000円ですから、100倍の500万円、コンビで1,000万円であってもおかしくありません。『ASAYAN』はモーニング娘。らを輩出したオーディションバラエティ番組でしたが、もともとの番組名は『浅草橋ヤング洋品店』として1992年に始まりました。この番組はテリー伊藤が演出を担当したことで知られていますが、制作には吉本興業と電通がかんでいました。やがてテリー派が駆逐され、番組のワンコーナーだった小室哲哉プロデューサーによるオーディション企画『コムロギャルソン』が拡大する形で95年に『ASAYAN』が始まります。社会現象にまでなった番組ですから、ケチな吉本でも高額のギャラでナイナイをつなぎとめた可能性はありますね」(同)

『ASAYAN』の放送期間は95年から2002年までである。CDの売上が最高潮に達したのは1998年。『ASAYAN』は音楽バブルの絶頂期に放送されていただけに、ギャラ1,000万円もあり得ない話ではなさそうだ。
(文=平田宏利)

テレ東『TVチャンピオン』復活! 成功の鍵を握るのは“名付け親”中村有志か?

 テレビ東京の人気バラエティ番組『TVチャンピオン』が、10年ぶりにレギュラーで復活することが判明。新たな才能の発掘の場だった番組が復活するが、果たして成功するのだろうか?

『TVチャンピオン』は1992年にスタート。「ラーメン王」「大食い王」「手先が器用王」など、テーマに沿った素人が登場し、驚愕の知識や技を見せる姿が人気を集めたが、2006年に終了、その後『TVチャンピオン2』として08年まで放送された。

 しかしテレビ東京は3月2日、4月から『TVチャンピオン極~KIWAMI~』という番組名で、『TVチャンピオン』を復活させることを発表。「カニむき王」「チョーク看板王」「腹筋女王」「女装メイク王」「ギリギリ駐車王」など、さっそくマニアックなテーマが提示されている。

 毎回1つのジャンルで優勝者を決めるこの番組からは、多くのスターが生まれた。テレビ東京のライバル局の関係者が語る。

「『TVチャンピオン』が偉大だったのは、数々のスターを生み出したことです。歴代のラーメン王の多くは、その後、ラーメン評論家として活動していますし、鉄道、プラモデル、フィギュアなど、それまで日陰だった趣味に光をあてたのもこの番組の功績だと思います。ライバル局の番組でしたが、優勝者をウチの局の番組に呼んだことは何度もありましたし、思いっきり『○○王』と紹介していましたね(笑)。寿司、カレー、ラーメンなど、料理人大会で優勝した料理人のお店が有名店になって、後に商品化が実現したようなケースもありました。番組末期は正直ネタ切れの感がありましたが、『知られざるスゴい人』を世に紹介するというコンセプトは素晴らしかったと思います」

 復活の報はネットでも大きく取り上げられ、「まじか!!」「嬉しすぎるわ」「めちゃくちゃ楽しみ」といった声が殺到。放送は、BSジャパンでは1時間、テレビ東京では30分の枠で放送されるそうだが、成功にはキーマンがいるという。テレビ情報誌の記者が語る。

「数々の異才を発掘した『TVチャンピオン』出身で、タレントとして活躍している人物には、ギャル曽根、ジャイアント白田、さかなクンなどがいますが、3人とも命名したのは中村有志です。中村は、『TVチャンピオン』終了後も続いた『大食い選手権』で長らく司会を務めていましたが、2016年に番組からの引退を発表しました。しかし『TVチャンピオン』の復活がアナウンスされると、中村はTwitterで、『現場MCやりたいな~!』とツイートしました。中村が戻ってくるなら、全盛期の勢いを取り戻すのも夢ではないでしょう」

『池の水ぜんぶ抜く』や『家、ついて行ってイイですか?』など、他の局とは一線を画す番組作りで快進撃を続けるテレビ東京から、また新たな伝説が生まれることを期待したいものだ。

フジテレビがフラれていた!? 池上彰とテレ東が“蜜月関係”なワケとは

 視聴率20%超えを連発する『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)やNHK大河ドラマの牙城に、“池上無双”が切り込む。

 4月から日曜日のゴールデンタイムで、ジャーナリスト・池上彰の冠番組『池上彰の現代史を歩く~Walking through Modern History~』(テレビ東京系)がスタートすることが発表された。池上氏が世界各国の現代史の舞台となった現場を歩き、今、起きているニュースとの結びつきをわかりやすく解説するという。

 テレビ東京の小孫茂社長は「私は小さい(テレビ局の)社長ですから、他局さんを打ち崩すまでの大望は持っていませんが……」と自虐的に語っているが、池上といえば選挙特番では同局の顔として他局の選挙番組を打倒してきただけに、日テレをはじめとした各局が戦々恐々としていることだろう。

「実は池上さんには、フジテレビからも『現代史を歩く』と似たニュース解説番組への出演オファーがあったようです。しかも、テレ東のギャラは1本80万円ほどなのに対して、フジは1本300万円超。制作費もテレ東は1,000万円でフジは6,000万円と、比べものにならない。しかし、結果はフジがフラれ、テレ東が選ばれた。池上氏とテレ東の蜜月関係は、“テレビ界の七不思議”といわれています」(テレビ関係者)

 もっとも、池上氏が“札束では落ちない”ことは、業界では有名な話だ。

「池上氏はインテリや高所得層だけでなく、自営業者やガテン系の労働者にもニュースをわかりやすく説明することに意義があるという考えで、一時期は実話誌にも登場していたことがありました。テレ東との関係も、一部では社名に『東京』がつくと、海外での取材がしやすいからでは? との説がまことしやかに流れています。しかし、実際はそうではなく、フリージャーナリストとして食うのに困っていた時期に、友人だったテレ東のプロデューサーから多方面で仕事を紹介してもらったことへ恩義を感じているからだといいます」(民放プロデューサー)

 とにもかくにも、日曜夜の視聴率バトルが面白くなりそうだ。

フジテレビがフラれていた!? 池上彰とテレ東が“蜜月関係”なワケとは

 視聴率20%超えを連発する『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)やNHK大河ドラマの牙城に、“池上無双”が切り込む。

 4月から日曜日のゴールデンタイムで、ジャーナリスト・池上彰の冠番組『池上彰の現代史を歩く~Walking through Modern History~』(テレビ東京系)がスタートすることが発表された。池上氏が世界各国の現代史の舞台となった現場を歩き、今、起きているニュースとの結びつきをわかりやすく解説するという。

 テレビ東京の小孫茂社長は「私は小さい(テレビ局の)社長ですから、他局さんを打ち崩すまでの大望は持っていませんが……」と自虐的に語っているが、池上といえば選挙特番では同局の顔として他局の選挙番組を打倒してきただけに、日テレをはじめとした各局が戦々恐々としていることだろう。

「実は池上さんには、フジテレビからも『現代史を歩く』と似たニュース解説番組への出演オファーがあったようです。しかも、テレ東のギャラは1本80万円ほどなのに対して、フジは1本300万円超。制作費もテレ東は1,000万円でフジは6,000万円と、比べものにならない。しかし、結果はフジがフラれ、テレ東が選ばれた。池上氏とテレ東の蜜月関係は、“テレビ界の七不思議”といわれています」(テレビ関係者)

 もっとも、池上氏が“札束では落ちない”ことは、業界では有名な話だ。

「池上氏はインテリや高所得層だけでなく、自営業者やガテン系の労働者にもニュースをわかりやすく説明することに意義があるという考えで、一時期は実話誌にも登場していたことがありました。テレ東との関係も、一部では社名に『東京』がつくと、海外での取材がしやすいからでは? との説がまことしやかに流れています。しかし、実際はそうではなく、フリージャーナリストとして食うのに困っていた時期に、友人だったテレ東のプロデューサーから多方面で仕事を紹介してもらったことへ恩義を感じているからだといいます」(民放プロデューサー)

 とにもかくにも、日曜夜の視聴率バトルが面白くなりそうだ。

熾烈極める「日8」戦争! TBS『坂上&指原のつぶれない店』は短命濃厚!? テレ東『池の水ぜんぶ抜く』は脅威!

 激戦区の「日曜午後8時」が、今春から、さらに激しい視聴率獲得合戦が繰り広げられそうな気配となった。

 同時間帯は、日本テレビ系『世界の果てまでイッテQ!』が常時20%前後(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)の高視聴率をマークし、大きくリード。それを、NHK大河ドラマが追走している。両番組共に、高い数字を記録しており、ほかの民放4局は苦しい戦いを強いられている。

 テレビ朝日は、昨年11月から、伝説のスポーツバラエティ番組『ビートたけしのスポーツ大将』を、27年ぶりにレギュラーで復活させて話題を呼んだ。同番組は2ケタを超える回もあり、裏の強さを考えれば、健闘している。ところが、放送自体が月1回程度しかないため、オンエアがない週は苦戦を免れない状況だ。

 そんな中、TBSは現在、同時間帯で放送されている『ピラミッド・ダービー』を3月で終了させ、4月から新番組『坂上&指原のつぶれない店』をスタートさせる。同番組は昨年6月と10月に特番で放送されており、今回レギュラーに昇格する。同番組は、「街で見かける“つぶれそうなのにつぶれない店”は、なぜつぶれないのか?」をテーマに、そのミステリーを解き、おカネのこと、世の中のからくりを学ぶ“銭ゲバ”バラエティー。

 同局にとって、同枠は、2009年3月で終了した『どうぶつ奇想天外!』以降、ヒットした番組がなく、これで9度目の改編だという。MCは坂上忍とHKT48・指原莉乃で、それなりに注目を集めそうだが、『イッテQ』を裏に回して、どこまで対抗できるかとなると甚だ疑問で、この番組もまた、“短命”に終わってしまう可能性もありそうだ。

 一方、独自路線で、激戦区に一矢を報おうとしているのがテレビ東京だ。同局は、『日曜ビッグ』をオンエアしているが、4月から『緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦』を月1回のレギュラー番組とすることを明らかにした。

 同番組は、ロンドンブーツ1号2号・田村淳、ココリコ・田中直樹がMCを務め、池の水を全部抜いて、迷惑外来生物の駆除、巨大岩石の撤去、お宝探しなどをする企画で、昨年1月に第1弾が放送された。当初、視聴率は1ケタ台だったが、第4弾(同9月)で11.8%を記録。第5弾(同11月)も12.8%と高視聴率をマーク。今年1月2日にオンエアされた第6弾のお正月3時間スペシャルは、13.5%まで跳ね上がった。この数字がどれだけすごいかというと、同時間帯に放送された正月特番では、NHK総合『ブラタモリ×鶴瓶の家族に乾杯 初夢スペシャル』の11.3%、日本テレビ系『新春しゃべくり007超超超豪華な4時間半』の10.0%を上回り、堂々の2位だったのだ。

 まさに人気急上昇中の同番組は、3月11日に、池松壮亮をゲストに招いて、第7弾をオンエアする。4月から月1レギュラー番組となることで、『イッテQ』、大河にとって、“脅威”となるのは必至。『池の水ぜんぶ抜く』が放送される週は、さらに熾烈な「日8」戦争が展開されることになりそうだ。
(文=田中七男)

熾烈極める「日8」戦争! TBS『坂上&指原のつぶれない店』は短命濃厚!? テレ東『池の水ぜんぶ抜く』は脅威!

 激戦区の「日曜午後8時」が、今春から、さらに激しい視聴率獲得合戦が繰り広げられそうな気配となった。

 同時間帯は、日本テレビ系『世界の果てまでイッテQ!』が常時20%前後(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)の高視聴率をマークし、大きくリード。それを、NHK大河ドラマが追走している。両番組共に、高い数字を記録しており、ほかの民放4局は苦しい戦いを強いられている。

 テレビ朝日は、昨年11月から、伝説のスポーツバラエティ番組『ビートたけしのスポーツ大将』を、27年ぶりにレギュラーで復活させて話題を呼んだ。同番組は2ケタを超える回もあり、裏の強さを考えれば、健闘している。ところが、放送自体が月1回程度しかないため、オンエアがない週は苦戦を免れない状況だ。

 そんな中、TBSは現在、同時間帯で放送されている『ピラミッド・ダービー』を3月で終了させ、4月から新番組『坂上&指原のつぶれない店』をスタートさせる。同番組は昨年6月と10月に特番で放送されており、今回レギュラーに昇格する。同番組は、「街で見かける“つぶれそうなのにつぶれない店”は、なぜつぶれないのか?」をテーマに、そのミステリーを解き、おカネのこと、世の中のからくりを学ぶ“銭ゲバ”バラエティー。

 同局にとって、同枠は、2009年3月で終了した『どうぶつ奇想天外!』以降、ヒットした番組がなく、これで9度目の改編だという。MCは坂上忍とHKT48・指原莉乃で、それなりに注目を集めそうだが、『イッテQ』を裏に回して、どこまで対抗できるかとなると甚だ疑問で、この番組もまた、“短命”に終わってしまう可能性もありそうだ。

 一方、独自路線で、激戦区に一矢を報おうとしているのがテレビ東京だ。同局は、『日曜ビッグ』をオンエアしているが、4月から『緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦』を月1回のレギュラー番組とすることを明らかにした。

 同番組は、ロンドンブーツ1号2号・田村淳、ココリコ・田中直樹がMCを務め、池の水を全部抜いて、迷惑外来生物の駆除、巨大岩石の撤去、お宝探しなどをする企画で、昨年1月に第1弾が放送された。当初、視聴率は1ケタ台だったが、第4弾(同9月)で11.8%を記録。第5弾(同11月)も12.8%と高視聴率をマーク。今年1月2日にオンエアされた第6弾のお正月3時間スペシャルは、13.5%まで跳ね上がった。この数字がどれだけすごいかというと、同時間帯に放送された正月特番では、NHK総合『ブラタモリ×鶴瓶の家族に乾杯 初夢スペシャル』の11.3%、日本テレビ系『新春しゃべくり007超超超豪華な4時間半』の10.0%を上回り、堂々の2位だったのだ。

 まさに人気急上昇中の同番組は、3月11日に、池松壮亮をゲストに招いて、第7弾をオンエアする。4月から月1レギュラー番組となることで、『イッテQ』、大河にとって、“脅威”となるのは必至。『池の水ぜんぶ抜く』が放送される週は、さらに熾烈な「日8」戦争が展開されることになりそうだ。
(文=田中七男)