大みそか『紅白』裏番組の視聴率……日テレ『ガキ使』が9年連続民放首位も激落! “ビリ”はテレ朝『0円生活』

 毎年大みそかの夜は、どの番組を見ようかと思案する方も多いことだろう。一昨年末まで、依然『NHK紅白歌合戦』が根強い支持を受け、民放では日本テレビ系『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』シリーズが圧倒的な強さを見せていたが、昨年大みそかの視聴動向はどうだったのか?

『第69回NHK紅白歌合戦』は前半(午後7時15分~8時55分)が37.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、前年比1.9ポイントアップ。後半(9時~11時45分)は41.5%で、2.1ポイント上げて、2年ぶりに大台に乗せた。

 昨年は「特別枠」でサザンオールスターズや、卒業したはずの北島三郎が5年ぶりに出演。シンガーソングライター・米津玄師のテレビ初歌唱などで注目を集め、前年の視聴率を超えた模様だ。

 瞬間最高は白組の2年連続優勝が決まった午後11時42分の45.5%。歌手別では、大トリで登場したサザンの45.3%が最高で、桑田佳祐と松任谷由実の夢の共演がファンを歓喜させたようだ。

 一方、『紅白』の裏となる民放では、日テレ系『ガキの使い!大晦日年越しSP!絶対に笑ってはいけないトレジャーハンター24時』が第1部(午後6時30分~)で14.3%、第2部(9時~深夜0時30分)で12.8%を獲得して、9年連続で民放トップを守った。しかし、前年と比較すると、第1部で3.0ポイント、第2部で3.5ポイントも落とす大幅ダウンとなり、今年の大みそかに向け、不安要素が生じた。

『ガキ使』が数字を落とした分を、ほかの局がうまく拾えたのかというと決してそうでもなかった。民放2位は前年に続き、テレビ東京系『第51回年忘れにっぽんの歌』(午後4時~10時)で8.1%をマーク。前年比0.3ポイントの微減となったが、和田アキ子の初出演などで話題を振りまき、根強い人気を示した。2年連続放送の松重豊主演『孤独のグルメ大晦日スペシャル 京都・名古屋出張編 生放送でいただきます!』(10時~11時30分)は4.0%で、前年より0.6ポイント下がった。

 民放3位は、4年目のフジテレビ系『RIZIN.14』で1ランクアップ。今回はボクシング世界5階級制覇王者で50戦無敗のフロイド・メイウエザーの招へいに成功し、キックボクシングで28戦無敗の“神童”那須川天心との夢の対決が格闘技ファンの注目を集めた。視聴率は第1部(午後6時~)が5.7%、第2部(7時~)が5.0%、第3部(9時30分~)が6.9%、第4部(10時50分~11時45分)が7.5%。前年の最高は第2部(7時30分~9時30分)の6.4%で、メイウエザーVS那須川が生中継された第4部は、1.1ポイントアップとなった。

 2017年まで放送した『KYOKUGEN』のオンエアをやめ、『平成最後の大晦日SP! SASUKE&ボクシング井岡一翔世界タイトルマッチ』で勝負したTBSは、前年の民放最下位から1ランク上げて4位。第1部(午後6時~)が6.5%、世界4階級制覇を懸けた井岡の試合を放送した第2部(7時47分~)は6.9%、第3部(8時52分~)は4.2%、第4部(11時~11時55分)が4.8%。前年の『KYOKUGEN』の最高値は、第1部(6時~)と第2部(7時50分~10時15分)の5.9%で、井岡の試合で1.0ポイント上げた。とはいえ、13年の同番組では、井岡の試合で14.5%の高視聴率をマークした実績があっただけに、“井岡人気”の急落が気になるところ。

 17年は4年目の『くりぃむVS林修! 年越しクイズサバイバー2017』で民放3位だったテレビ朝日系は、人気番組『よゐこの無人島0円生活SP』を11年ぶりに大みそかにオンエアし、勝負に出たが、よもやの民放ビリ。視聴率は第1部(午後6時~)が6.7%、第2部(7時~)が6.2%、第3部(9時~)が5.0%、第4部(11時45分~深夜0時30分)が5.9%。前年の『年越しクイズサバイバー』は、『紅白』とバッティングしない第1部(午後6時~7時)が6.8%で最高だったが、今回も同様の傾向で、かつ前年より0.1ポイント落としてしまった。特番での放送を続けている『無人島0円生活』は常時2ケタをマークしており、07年大みそかには11.8%を獲得した実績があったが、今回は視聴者に響かず、大爆死となってしまった。

 総じて、昨年大みそかは、『紅白』が巻き返して数字を上げて、民放の王者だった『ガキ使』は激落。テレ東は2年連続で健闘を見せたが、ほかの3局は例年とほとんど視聴率が変わらなかっただけに、てこ入れを迫られることになりそうだ。日テレ以外の局には、せめて10%を超える番組を制作してほしいものだが……。
(文=田中七男)

食べることは生きること『忘却のサチコ』最終回 “サイコな俊吾さん”で「シーズン2」はあり得るのか?

 前回、幸子(高畑充希)の元に突如戻ってきた元・新郎の俊吾さん(早乙女太一)。結婚式の最中に突如失踪し、その後偶然旅先(宮崎)で再会するも再度失踪、そんな「どのツラ下げて」な俊吾さんがついに……。

 グルメドラマなのにグルメどころじゃなくなってる『忘却のサチコ』(テレビ東京系)最終回を振り返ります。

(前回までのレビューはこちらから)

■何事もなかったような俊吾が怖い

 俊吾が現れるや否や、幸子に恋心を抱いている後輩の小林(葉山奨之)は「今さらどういうつもりで!」とブチ切れる。もともとモンスター後輩だったのに今や実に常識人、かつ幸子の一番の理解者。

 もうこの子とくっつけばいいのに! と何度も思ってきたが、そうは原作が許さない(想像ですが)。すかさず「ご紹介遅れました、こちら俊吾さんです」と、いつものように馬鹿丁寧にことを進めようとする幸子だが、内心かなり慌てている様子。

 そして渦中の俊吾さんは、「いつも幸子さんがお世話になってます」と笑顔で挨拶、こちらは未だ、まったくもって真意が読めない。

 少なくとも今まで幸子へしてきた仕打ちを気にもとめず、平然と笑顔で挨拶してくる様子は、とんでもないサイコパス野郎。手土産に生鮭を一匹渡すところも、もはや不気味。

 そんな俊吾に「行こう」と言われ、迷いつつも着いて行く幸子。残された小林の気持ちを思うとなかなか辛い。

 幸子の家に着いてからも、いなくなった理由を聞きたい幸子の気持ちをよそに、生鮭の保冷を気にしたり、幸子の身長が伸びたことに触れたりと、まったく心が読めない俊吾。

 もうここまでくると外見はそのままで中身が宇宙人に乗っ取られてるとかじゃないと説明がつかない気がする。映画『ゼイリブ』みたいに。

■さよなら、俊吾さん

 次の日、仕事も手につかず帰宅した幸子は、真意を問おうと家事をする俊吾に背後から近づくも、結局背中を抱きしめてしまう。絵に描いたような「好きになったら負け」っぷり。

 小林にやんや言われても、つい俊吾をフォローしてしまい、「それで佐々木さんが幸せならどうぞご自由に」と呆れられてしまう。

 今まで合理的な正解しか選んでこなかった幸子が初めて見せる間違った選択の数々。

 そんな中、担当作家・姫村(長谷川朝晴)との打ち合わせで(幸子は文芸雑誌の編集員)、その姫村が言った「見たいものを見に行くのが放浪、見たくないものから逃げのが逃亡」という何気ない一言が、幸子に突き刺さる。

 俊吾は果たして、ただの気まぐれな放浪だったのか、それとも幸子との結婚が嫌で逃亡していたのか……?

 それを幸子が確認しようとする前に、俊吾がついに失踪について幸子に詫びる。

「どんなに謝っても許してもらえないことをしたと思ってる。本当にごめんなさい」と土下座。

 気持ちを落ち着かせるかのように、第1話の鯖味噌からの今までの忘却遍歴を語る幸子。そして、核心を突く。

「なぜ結婚式のあの日、私を置いて逃げたのですか?」

「嫌なものから目を背けたかっただけなんですよね? 本当は私と結婚したくなかったんですよね? あの日、私から逃げたんですよね?」

 謝りながらも今でも幸子を愛していると言いかけた俊吾を遮って幸子は言う。

「ダメです、もう逃げてはダメです。私ももう逃げません。私、きちんと俊吾さんを忘れます」

 当の幸子も現実から「逃亡」していたのだ。心からの「忘却」なんてできちゃいなかった。

 俊吾のことを好きだったと告げつつ、握ろうとしてきたの俊吾の手を振り払って幸子は言った。

「さよなら俊吾さん」

 ラブイズオーバー。

■別れた直後の一人石狩鍋

 一人になった部屋で、残された食べ頃の2人前の石狩鍋をキチンと味わう幸子。おじやまでちゃんも作って食べた。俊吾オススメのバターも入れた。

 普通なら一番食欲がなくなるタイミングなのかもしれないが、幸子は食べた。忘れようとしていたからなのか、忘れないようにしたからなのかはわからない。

 バターと味噌の相性を確かめながら言う。

「んー、間違いない。うん……間違ってない……」

 少なくとも幸子が前を向いていたことだけは間違いないだろう。

 不条理な死を扱うドラマ『アンナチュラル』(TBS系)では、主人公がやたらとものを食べるシーンが生々しく挿入されており、食事が「生」の象徴として描かれていた。

 違うドラマの褌を借りるような言い方になってしまうが、幸子のこの食事にも同じようなメッセージを感じた。

「生」とまで言わないが、幸子のこの食事は前を向いて歩いてゆくこと=それでも生きていくことの決意なのだろう。

 毎日ルーティーンになってしまっている食事というものの本来の意味を考えさせられる。

 こんなに重い「飯テロ」も珍しい。飯テロというか「飯哲」。飯の哲学。お腹も空くし頭も使う。そして結局余計お腹が空く。

『アンナチュラル』を見てお腹が空くことはあまりなかったから、やはり『忘却のサチコ』はこれまでにないドラマだ。

■シーズン2はあるのか?

 翌日、腫れ物に触るように接してくる職場仲間を昼飯に誘う幸子。

 幸子が連れてきたのは第1話の三宝食堂(東府中)。幸子が『忘却』に目覚めた鯖味噌定食を全員で食べる。ドラマ最後の晩餐。大人数で食べるのことのよさがなんとなく伝わってくる。

 その時、食堂のテレビの街角中継に、南の国へ放浪してるはずの俊吾さんの姿が映る。

「サチコさん、メリークリスマス! 待っててね、必ず帰るから!」

 笑うところなのかも知れないがここは完全にホラーだと思った。

「ご心配なく、綺麗さっぱり忘却しましたから」と幸子は言っているが、この俊吾さんの放浪はシーズン2がいつ来てもいいための布石だろう。

 しかし、ここまで俊吾さんが不気味に描かれてしまうと、次から幸子が悩みにくいのではないだろうか?

 もしくは次からは単にストーカーと化した俊吾さんのあの手この手の嫌がらせから『忘却」するために食べる話になるのだろうか。

 まあ未確定な先の話はさて置き、少なくとも幸子が前を向けたのだから、これはこれでハッピーエンドなのだろう。

 最終回は雑に扱ってしまいがちな自分をちゃんと労ってやりたくなるような回で、前向きに胃袋に何かを入れてあげたくなるような回でした。

■俊吾さんは困難の象徴?

 ふざけた回から考えさせられる回まで、実に振り幅の広いドラマで、正直どういう流れで見ていいのかレビュー的に難しいところもあったのだが、見終わった瞬間感じたのは、そんな細かいことなどどうでもいいという爽快感。

 結局、俊吾さんの整合性などどうでもよいのだ。象徴としての「困難そのもの」だと思うと見やすくなる。最後はそんなずるい見方になってしまいました。

 原作の幸子はもっと機械的でコミカルだし、ドラマほど生々しい弱さや人としての悩みを露わにしなかったので、ドラマは結末も含めて別物として見るのが正解だろう。

 別物と言ってもしっかり手を抜かず、原作が続行してる中で、作る側の試行錯誤や遊びがふんだんに盛り込まれていたので、毎回新鮮に楽しめたのがよかったです。

 なんなら最後、俊吾さんがやはり宇宙人に乗っ取られていて突如エイリアンとの死闘に変わるとか、ロバート・ロドリゲス的な展開も期待してしまったので、シーズン2ではさらなる遊びを期待してます!
(文=柿田太郎)

10代男女の成長物語がここに!――『青春高校3年C組』その魅力とウインターライブレポート

 2018年も、秋元康プロデュースによるアイドルグループが多くの話題を集めた。海外で新グループを立ち上げた48グループや、「吉本坂46」を発足させた坂道シリーズをはじめ、エイベックスと共同で運営する「劇団4ドル50セント」、テレビ番組と連動した「ラストアイドル」、ワーナーミュージック・ジャパンとタッグを組んだ「国民的ガールズバンドオーディション」など、新企画を次々に打ち出し、それまでとは違った側面で楽しませてくれるのは、「さすが」という他はない。

 そんな中、今年の4月に、テレビ東京で、秋元康企画・監修の新たな番組が始まった。タイトルは『青春高校3年C組』。どこかにある、でもどこにもないような「理想のクラス」3年C組を舞台に、生徒たちが企画に挑戦し、その様子を生放送で伝えるというものだ。

 テレビ東京のみの放送ではあるが、「SHOWROOM」や「Paravi」といった配信サービスで楽しめるため、全国のアイドルファンが視聴可能だ。

 

■多種多様な生徒と、実力派のMC陣

 まず、「生徒」となる出演者は、番組内のオーディションで選ばれた若者たち。この時点で、番組の方向性というものが見えてくる。どんなメンバーを選ぶかで、盛り上がり方や人気が全く変わってくるからだ。

 実際選ばれたのは、実に個性豊かな面々だった。

 ジュニアアイドルグループ「みにちあ☆ベアーズ」の元メンバーで、学級委員長を務める美少女・日比野芽奈。中学時代から7年間引きこもっていたという村西里世。仕草や雰囲気が老けて見えるのか、「おばちゃん」の愛称で親しまれている宇都木彩乃など。

 一方、男性陣は、ナイジェリアと日本のハーフである「チャーリー」ことエゼマタ健太チャールズ。体重120kg超えの巨漢・佐藤諒。見た目のヤンキーっぽさが売りの「リッキー」こと奥村力など、こちらもバラエティ色豊か。

 何よりも、「美男・美女」だけではないところがいい。10代男女が多く出演する番組といえば、今年5月に終了した『Rの法則』(NHK Eテレ)に近い部分もあるが、あちらは基本的にモデルや芸能活動経験がある出演者が多く、美男美女揃い。見ている立場からすると、「どうせみんな“リア充”だしなぁ」という気持ちにならなくもなかった。

 しかし、『青春高校』は違う。多くのメンバーが、何かコンプレックスを抱えていたり、「自分を変えたい」というような気持ちを抱いていたりするのだ。そこに大きな魅力がある。

 一方で、選ばれたメンバーには共通点も感じる。それは、「伸びしろがある」ということだ。実際、毎日の生放送を続けて見ていると、それぞれの成長が見えてくる。

 それは、MC(番組内では「担任」)のキャスティングからも感じることができる。

 隔週木曜日担当のバカリズムは、『アイドリング!!!』(フジテレビ系)のMCを10年近く担当し、菊地亜美や朝日奈央などを育ててきた。金曜日のバナナマン・日村勇紀は、相方の設楽統とともに『乃木坂工事中』(テレビ東京系)など、乃木坂46のMCを務め、「公式お兄ちゃん」と呼ばれるまでになっている。他にも、月曜日のメイプル超合金は、『STU48のセトビンゴ!』(日本テレビ系)で、STU48と共演。隔週火曜日のバイきんぐ・小峠と、水曜日の三四郎は、『浅草ベビ9』(テレビ東京系)で、ベイビーレイズJAPANや9nineと共演している。つまり、多くのMCが、番組を通してアイドルを“育てた”実績があるということだ。

 番組プロデューサーは、『ゴッドタン』でもおなじみの佐久間宣行。彼の中にも、芸人と若者のぶつかり合いによって生まれる、感動や面白さを見せようという思いがあったのではないだろうか。

 生徒たちの成長の度合いを見せるかのように、定期的に企画やイベントが組まれている。

 野外合宿、運動会、新メンバーの加入……その時々に用意された課題に取り組むことにより、メンバーは絆を強め、また少し大人へと近づいていくのだ。

 そんなイベントの中でも、一番の盛り上がりを見せたのが、8月27日に東京富士大学で開催された『青春高校文化祭』だった。会場にはキャパいっぱいの1,000人ものファンが訪れ、「アイドル部」「軽音部」「ダンス&ボーカル部」などの、練習の成果を見届けたのだ。

 そのライブの最後に発表されたのが、「12月26日に、ウインターライブを開催する」という告知だった。一つの山を越えたメンバーたちは、次のイベントに向かって歩き出した。

 そして迎えた、ウインターライブ当日。私も会場に足を運んだので、レポートしたい。

■熱気と感動に包まれた3時間

 開場時間の17時半頃、会場である中野サンプラザに到着すると、すでに大勢の客が集まっていた。ちなみにチケット(およそ2,000枚)はソールドアウト。年末の忙しい時期ではあるが、多くのファンが、彼ら彼女らの発表を見届けようと思っていたのだ。

 入場待機列を眺めてみると、若い男女が多い。皆、自分の現在を、生徒たちに重ね合わせているのかもしれない。入口で、生徒手作りのパンフレットを受け取り、会場に入る。

 注意事項のアナウンス、前説をそれぞれ担当の生徒たちがこなしていく。いずれも、プロとは一味違う初々しさが微笑ましい。

 定刻を15分ほど押して、開演。幕が上がると、出演者の生徒たち31人、そしてMCの中井りか(NGT48)、岩永達彦(ノブナガ)が登場。多くのステージを経験している中井だが、生徒たちかうまくできるかどうか心配で緊張しているという。

 簡単な挨拶の後、まずは、夏に作られた、それぞれのユニットの楽曲披露となった。

 トップバッターは、軽音部。小峠が学生時代に作った曲をベースにした「うるさいうた」を披露する。8月の文化祭に比べ、レベルが上がっているのはもちろんだが、新メンバーが加わり、音に厚みが加わった。特に、上島陸歩のヴァイオリンが、魅力的な音を奏でていた。

 ここで、客席に来ていたMC陣、三四郎の小宮浩信と相田周二、そして安藤なつ(メイプル超合金)が挨拶する。今回相田は、ダンスボーカル部のセンターを務めるということもあり、気合が入っている。

 続いて、企画ユニットが「バトラー」、ダンス&ボーカル部が「Leave it to me!」をパフォーマンス。どちらも新メンバーが加わっているが、クオリティは前回以上。それぞれの熱意が感じられた。

 そして、アイドル部が登場し「チャイムの途中で」を歌う。こちらは、前回の7人から9人に増員。華やかさが増した印象だった。客席からも、色とりどりのペンライトが振られ、彩りを添えていた。

 ここからは、かくし芸的なステージが続く。まずは3人組の漫才部。台本もメンバーで書いたという、ドライブデートを題材にした漫才は、テンポもよく面白かった。そして、MC・中井りかも加わってのコント部。アイドルの握手会という設定で、中井のスキャンダルをネタにしたストーリーは大ウケだった。

 前回賛否両論あったマリンバ演奏では、ピアノや太鼓も加わって、SEKAI NO OWARI「スターライトパレード」を披露。他の出し物のような、熱さこそないものの、なにかほのぼのとして温かい気持ちになれた。

 続いて、今回の目玉のひとつでもある、全員コント。主役は、前回の文化祭で、補欠から正規メンバーに昇格した、別所匠。30分を超えるコントだったが、ひとりひとりの熱演もあって、あっという間に感じた。

 そして後半戦。ここからは、今回のライブのために作られた、新ユニットや新曲のコーナーだ。

 トップバッターは、今回唯一のソロ、前川歌音による「クラクションレクイエム」。かつての中森明菜を彷彿させる楽曲に、マイクスタンドを使った大胆なパフォーマンスが見事。会場からの大歓声に、満足感を感じているようだった。

 そして、チャーリー(エゼマタ健太チャールズ)とおばちゃん(宇都木彩乃)によるユニットで、「ナイジェリアローズ」。こちらは、チャーリーが曲の途中で上着とズボンを脱ぎ捨て、短パンひとつで歌うという驚きの趣向であった。

 ここで客席には、隔週火曜日MC・千鳥の二人が登場。会場に歓声が沸き起こる。

 さて、ステージ上には、元引きこもりの村西里世が登場し、YouTubeとTwitterで、50万回以上再生されたという「引きこもりあるあるのうた」を歌う。自身の経験をも織り込んだと思わる歌詞と、コミカルなダンスが印象的。引きこもりらしく、スウェット姿もよく似合っていた。

 そして、クラスではモテない男子キャラとなっている、出口晴臣、別所匠の2人による「負け犬のブルース」。ここでは、出口がハーモニカも奏で、切なげな歌を一層盛り上げていた。

 部活の発表に戻り、軽音部が新曲「自己嫌悪の夜」を演奏。切ないバラードに、キーボードのソロ、そしてやはりヴァイオリンがいい味を出している。そのままの盛り上がりを受け、企画ユニットの「気まぐれカモン」へと繋がった。

 新メンバーの、「マーガリン」こと大曲李佳がセンターとなった、アイドル部は、「無人島へ連れてって」を歌い踊る。AKBなどにも通じる王道のアイドルソングで、9人のフォーメーションも見事だった。

 部活のラストは、三四郎・相田がセンターをすることになった、ダンス&ボーカル部の「マイナスワン」。赤いジャージ風の衣装で12名が踊る様は圧巻だった。短い練習時間だったと思うが、相田も立派に務めを果たしていた。

 ライブも一通り終了し、生徒がステージに揃ったところでサプライズ。なんと、番組MCを務めている芸人13人による新曲「たった一つだけの約束」ができたとのこと。会場に来ていたMC陣もマイクを握り、曲が流される。「死ぬな、生きろ!」というメッセージが伝わってくる力強い曲。生徒たちは涙を流して聞き入っていた。

 その後、もう一つのサプライズ、来年2月に、新宿アルタで1週間劇場公演が決まったとのこと。こちらもどんな内容になるのか、期待して待ちたい。

 最後、メンバーから感謝の言葉が述べられ、全員で合唱曲「夕焼けはなぜ、一瞬なのか」を歌う。会場は、ひとつのことをやり遂げた生徒たちに拍手を送り、3時間にも及んだライブは終了した。

 

■ライブを通して伝えたかったこと

 企画もバラエティに富んでいて、楽しく、見ごたえのあるライブだった。テレビの企画であることを考えれば、構成や演出は細かく決められていたことと思う。制作しているのは、経験豊富なプロの人たちだ。良いものができるのも納得だ。ただ、実際にステージを生で見て、生徒たちの頑張る姿に、台本を超えた勢いや感動を感じたことも事実である。

 近年は、ネットなどの広まりにより、「学校」というものの存在は希薄化しているのではないかと思う。この番組の作り手側の人たちが経験した時代は、今よりもっと濃密な学校生活があった。私自身振り返ってみても、学生時代、学校は生活のほぼ全てで、塾に行っている人すら少数派だったのだ。

 この番組を生み出したのは、あの頃の学校を作りたかった人たちなのだ。人間関係が濃くて、キラキラと輝いていた。そんな思い出の中の「理想の学校」、それこそが、今回見せてくれた若者たちの「青春」なのだろう。

「学校って、こんなに楽しかったんだよ。こんなに一生懸命になれたんだよ」そんなことを、生徒たちや、テレビの向こうにいる視聴者に知ってほしかったんじゃないだろうか。熱血モノの学園ドラマも流行らなくなった今、バラエティとドキュメンタリーの間にあるような、この番組が、伝えようとしているものは大きいはずだ。

 番組が始まって8カ月、実際に生徒たちは大きく成長した。かつての『夕やけニャンニャン』(フジテレビ系)や『ASAYAN』(テレビ東京系)などの例を見るまでもなく、若い子たちが成長する姿を見るのは、何よりも嬉しいものだ。当然、番組である以上、つらいことや厳しい面もあるだろう。しかし、困難を乗り越えてなお「前に進もう」とする姿勢は、実に尊いものなのだ。

「学校」がコンセプトであるがゆえに、生徒たちもみないつかは卒業していく。彼ら彼女らが外の世界に向け大きく羽ばたいていく日まで、しっかりと見届けたいと思った。

(文=プレヤード)

10代男女の成長物語がここに!――『青春高校3年C組』その魅力とウインターライブレポート

 2018年も、秋元康プロデュースによるアイドルグループが多くの話題を集めた。海外で新グループを立ち上げた48グループや、「吉本坂46」を発足させた坂道シリーズをはじめ、エイベックスと共同で運営する「劇団4ドル50セント」、テレビ番組と連動した「ラストアイドル」、ワーナーミュージック・ジャパンとタッグを組んだ「国民的ガールズバンドオーディション」など、新企画を次々に打ち出し、それまでとは違った側面で楽しませてくれるのは、「さすが」という他はない。

 そんな中、今年の4月に、テレビ東京で、秋元康企画・監修の新たな番組が始まった。タイトルは『青春高校3年C組』。どこかにある、でもどこにもないような「理想のクラス」3年C組を舞台に、生徒たちが企画に挑戦し、その様子を生放送で伝えるというものだ。

 テレビ東京のみの放送ではあるが、「SHOWROOM」や「Paravi」といった配信サービスで楽しめるため、全国のアイドルファンが視聴可能だ。

 

■多種多様な生徒と、実力派のMC陣

 まず、「生徒」となる出演者は、番組内のオーディションで選ばれた若者たち。この時点で、番組の方向性というものが見えてくる。どんなメンバーを選ぶかで、盛り上がり方や人気が全く変わってくるからだ。

 実際選ばれたのは、実に個性豊かな面々だった。

 ジュニアアイドルグループ「みにちあ☆ベアーズ」の元メンバーで、学級委員長を務める美少女・日比野芽奈。中学時代から7年間引きこもっていたという村西里世。仕草や雰囲気が老けて見えるのか、「おばちゃん」の愛称で親しまれている宇都木彩乃など。

 一方、男性陣は、ナイジェリアと日本のハーフである「チャーリー」ことエゼマタ健太チャールズ。体重120kg超えの巨漢・佐藤諒。見た目のヤンキーっぽさが売りの「リッキー」こと奥村力など、こちらもバラエティ色豊か。

 何よりも、「美男・美女」だけではないところがいい。10代男女が多く出演する番組といえば、今年5月に終了した『Rの法則』(NHK Eテレ)に近い部分もあるが、あちらは基本的にモデルや芸能活動経験がある出演者が多く、美男美女揃い。見ている立場からすると、「どうせみんな“リア充”だしなぁ」という気持ちにならなくもなかった。

 しかし、『青春高校』は違う。多くのメンバーが、何かコンプレックスを抱えていたり、「自分を変えたい」というような気持ちを抱いていたりするのだ。そこに大きな魅力がある。

 一方で、選ばれたメンバーには共通点も感じる。それは、「伸びしろがある」ということだ。実際、毎日の生放送を続けて見ていると、それぞれの成長が見えてくる。

 それは、MC(番組内では「担任」)のキャスティングからも感じることができる。

 隔週木曜日担当のバカリズムは、『アイドリング!!!』(フジテレビ系)のMCを10年近く担当し、菊地亜美や朝日奈央などを育ててきた。金曜日のバナナマン・日村勇紀は、相方の設楽統とともに『乃木坂工事中』(テレビ東京系)など、乃木坂46のMCを務め、「公式お兄ちゃん」と呼ばれるまでになっている。他にも、月曜日のメイプル超合金は、『STU48のセトビンゴ!』(日本テレビ系)で、STU48と共演。隔週火曜日のバイきんぐ・小峠と、水曜日の三四郎は、『浅草ベビ9』(テレビ東京系)で、ベイビーレイズJAPANや9nineと共演している。つまり、多くのMCが、番組を通してアイドルを“育てた”実績があるということだ。

 番組プロデューサーは、『ゴッドタン』でもおなじみの佐久間宣行。彼の中にも、芸人と若者のぶつかり合いによって生まれる、感動や面白さを見せようという思いがあったのではないだろうか。

 生徒たちの成長の度合いを見せるかのように、定期的に企画やイベントが組まれている。

 野外合宿、運動会、新メンバーの加入……その時々に用意された課題に取り組むことにより、メンバーは絆を強め、また少し大人へと近づいていくのだ。

 そんなイベントの中でも、一番の盛り上がりを見せたのが、8月27日に東京富士大学で開催された『青春高校文化祭』だった。会場にはキャパいっぱいの1,000人ものファンが訪れ、「アイドル部」「軽音部」「ダンス&ボーカル部」などの、練習の成果を見届けたのだ。

 そのライブの最後に発表されたのが、「12月26日に、ウインターライブを開催する」という告知だった。一つの山を越えたメンバーたちは、次のイベントに向かって歩き出した。

 そして迎えた、ウインターライブ当日。私も会場に足を運んだので、レポートしたい。

■熱気と感動に包まれた3時間

 開場時間の17時半頃、会場である中野サンプラザに到着すると、すでに大勢の客が集まっていた。ちなみにチケット(およそ2,000枚)はソールドアウト。年末の忙しい時期ではあるが、多くのファンが、彼ら彼女らの発表を見届けようと思っていたのだ。

 入場待機列を眺めてみると、若い男女が多い。皆、自分の現在を、生徒たちに重ね合わせているのかもしれない。入口で、生徒手作りのパンフレットを受け取り、会場に入る。

 注意事項のアナウンス、前説をそれぞれ担当の生徒たちがこなしていく。いずれも、プロとは一味違う初々しさが微笑ましい。

 定刻を15分ほど押して、開演。幕が上がると、出演者の生徒たち31人、そしてMCの中井りか(NGT48)、岩永達彦(ノブナガ)が登場。多くのステージを経験している中井だが、生徒たちかうまくできるかどうか心配で緊張しているという。

 簡単な挨拶の後、まずは、夏に作られた、それぞれのユニットの楽曲披露となった。

 トップバッターは、軽音部。小峠が学生時代に作った曲をベースにした「うるさいうた」を披露する。8月の文化祭に比べ、レベルが上がっているのはもちろんだが、新メンバーが加わり、音に厚みが加わった。特に、上島陸歩のヴァイオリンが、魅力的な音を奏でていた。

 ここで、客席に来ていたMC陣、三四郎の小宮浩信と相田周二、そして安藤なつ(メイプル超合金)が挨拶する。今回相田は、ダンスボーカル部のセンターを務めるということもあり、気合が入っている。

 続いて、企画ユニットが「バトラー」、ダンス&ボーカル部が「Leave it to me!」をパフォーマンス。どちらも新メンバーが加わっているが、クオリティは前回以上。それぞれの熱意が感じられた。

 そして、アイドル部が登場し「チャイムの途中で」を歌う。こちらは、前回の7人から9人に増員。華やかさが増した印象だった。客席からも、色とりどりのペンライトが振られ、彩りを添えていた。

 ここからは、かくし芸的なステージが続く。まずは3人組の漫才部。台本もメンバーで書いたという、ドライブデートを題材にした漫才は、テンポもよく面白かった。そして、MC・中井りかも加わってのコント部。アイドルの握手会という設定で、中井のスキャンダルをネタにしたストーリーは大ウケだった。

 前回賛否両論あったマリンバ演奏では、ピアノや太鼓も加わって、SEKAI NO OWARI「スターライトパレード」を披露。他の出し物のような、熱さこそないものの、なにかほのぼのとして温かい気持ちになれた。

 続いて、今回の目玉のひとつでもある、全員コント。主役は、前回の文化祭で、補欠から正規メンバーに昇格した、別所匠。30分を超えるコントだったが、ひとりひとりの熱演もあって、あっという間に感じた。

 そして後半戦。ここからは、今回のライブのために作られた、新ユニットや新曲のコーナーだ。

 トップバッターは、今回唯一のソロ、前川歌音による「クラクションレクイエム」。かつての中森明菜を彷彿させる楽曲に、マイクスタンドを使った大胆なパフォーマンスが見事。会場からの大歓声に、満足感を感じているようだった。

 そして、チャーリー(エゼマタ健太チャールズ)とおばちゃん(宇都木彩乃)によるユニットで、「ナイジェリアローズ」。こちらは、チャーリーが曲の途中で上着とズボンを脱ぎ捨て、短パンひとつで歌うという驚きの趣向であった。

 ここで客席には、隔週火曜日MC・千鳥の二人が登場。会場に歓声が沸き起こる。

 さて、ステージ上には、元引きこもりの村西里世が登場し、YouTubeとTwitterで、50万回以上再生されたという「引きこもりあるあるのうた」を歌う。自身の経験をも織り込んだと思わる歌詞と、コミカルなダンスが印象的。引きこもりらしく、スウェット姿もよく似合っていた。

 そして、クラスではモテない男子キャラとなっている、出口晴臣、別所匠の2人による「負け犬のブルース」。ここでは、出口がハーモニカも奏で、切なげな歌を一層盛り上げていた。

 部活の発表に戻り、軽音部が新曲「自己嫌悪の夜」を演奏。切ないバラードに、キーボードのソロ、そしてやはりヴァイオリンがいい味を出している。そのままの盛り上がりを受け、企画ユニットの「気まぐれカモン」へと繋がった。

 新メンバーの、「マーガリン」こと大曲李佳がセンターとなった、アイドル部は、「無人島へ連れてって」を歌い踊る。AKBなどにも通じる王道のアイドルソングで、9人のフォーメーションも見事だった。

 部活のラストは、三四郎・相田がセンターをすることになった、ダンス&ボーカル部の「マイナスワン」。赤いジャージ風の衣装で12名が踊る様は圧巻だった。短い練習時間だったと思うが、相田も立派に務めを果たしていた。

 ライブも一通り終了し、生徒がステージに揃ったところでサプライズ。なんと、番組MCを務めている芸人13人による新曲「たった一つだけの約束」ができたとのこと。会場に来ていたMC陣もマイクを握り、曲が流される。「死ぬな、生きろ!」というメッセージが伝わってくる力強い曲。生徒たちは涙を流して聞き入っていた。

 その後、もう一つのサプライズ、来年2月に、新宿アルタで1週間劇場公演が決まったとのこと。こちらもどんな内容になるのか、期待して待ちたい。

 最後、メンバーから感謝の言葉が述べられ、全員で合唱曲「夕焼けはなぜ、一瞬なのか」を歌う。会場は、ひとつのことをやり遂げた生徒たちに拍手を送り、3時間にも及んだライブは終了した。

 

■ライブを通して伝えたかったこと

 企画もバラエティに富んでいて、楽しく、見ごたえのあるライブだった。テレビの企画であることを考えれば、構成や演出は細かく決められていたことと思う。制作しているのは、経験豊富なプロの人たちだ。良いものができるのも納得だ。ただ、実際にステージを生で見て、生徒たちの頑張る姿に、台本を超えた勢いや感動を感じたことも事実である。

 近年は、ネットなどの広まりにより、「学校」というものの存在は希薄化しているのではないかと思う。この番組の作り手側の人たちが経験した時代は、今よりもっと濃密な学校生活があった。私自身振り返ってみても、学生時代、学校は生活のほぼ全てで、塾に行っている人すら少数派だったのだ。

 この番組を生み出したのは、あの頃の学校を作りたかった人たちなのだ。人間関係が濃くて、キラキラと輝いていた。そんな思い出の中の「理想の学校」、それこそが、今回見せてくれた若者たちの「青春」なのだろう。

「学校って、こんなに楽しかったんだよ。こんなに一生懸命になれたんだよ」そんなことを、生徒たちや、テレビの向こうにいる視聴者に知ってほしかったんじゃないだろうか。熱血モノの学園ドラマも流行らなくなった今、バラエティとドキュメンタリーの間にあるような、この番組が、伝えようとしているものは大きいはずだ。

 番組が始まって8カ月、実際に生徒たちは大きく成長した。かつての『夕やけニャンニャン』(フジテレビ系)や『ASAYAN』(テレビ東京系)などの例を見るまでもなく、若い子たちが成長する姿を見るのは、何よりも嬉しいものだ。当然、番組である以上、つらいことや厳しい面もあるだろう。しかし、困難を乗り越えてなお「前に進もう」とする姿勢は、実に尊いものなのだ。

「学校」がコンセプトであるがゆえに、生徒たちもみないつかは卒業していく。彼ら彼女らが外の世界に向け大きく羽ばたいていく日まで、しっかりと見届けたいと思った。

(文=プレヤード)

『忘却のサチコ』今度は本格ラップ! なんでもこなす高畑充希の器用っぷり

 年末を迎え、今夜最終回を迎える『忘却のサチコ』(テレビ東京系 )。第11歩(第11話)となる「YO! 夜明けのソルロンタン」を振り返ります。

(前回までのレビューはこちらから)

■「作家」は曲者だらけ

 担当している姫村先生(長谷川朝晴)の執筆の相談に乗る編集者・佐々木幸子(高畑充希)。

 だが幸子は、小説の登場人物が「なぜ結婚破談になったか?」という話題において、「ケッコン」や「ハダン」の言葉が言えない。

 あげく、結婚式の当日に新郎に逃げたられた記憶が蘇り、フリーズしてしまう。

 その新郎こと俊吾さん(早乙女太一)がどこにいるのか? なぜいなくなったのか? の部分が、もはやグルメパート以上にキモになってきている。今回も出てきた食事は1回のみ。多い時は立ち食い的なのを含め3回くらい食べたりするので、やや少ない印象。

 それはさておき、公園で佇む幸子の背後から、芝の斜面を段ボールに寝そべり、身体を揺すりながら滑って登場した笑顔の姫村先生の不審者感は際立っていた。

 一見ちゃんとして見える人物だけに、そのポテンシャルは未知数。

 このドラマを見ていると、文芸作家というのは異常な人しかいないのだな……と錯覚してしまうほど、ジーニアス黒田(池田鉄洋)といい有村先生(大和田伸也)といい、クセの強い作家ばかり登場する。

 特に幸子ら編集者側からは“機嫌を損ねてはならない相手”だけに、余計にそう描かれているのかもしれないが、このドラマの魅力の1つが曲者だらけの作家先生たちなのは間違いない。

 ちなみに姫村を演じる長谷川朝晴は元ジョビジョバだし、コメディ芝居が上手いのはもちろんなのだが、タレントの千秋のリアル同級生で仲も良かったと知り、不審者感の細かい演技が上手いのも、なぜか納得してしまった。

 

■俊吾は「クソ野郎」

 幸子は編集部の後輩・小林(葉山奨之)の協力のもと、姫村の執筆に生かすべく、結婚が破談になった相手に取材をすることになるのだが、取材の席で聞く破談経験者の意見が、つらい記憶を刺激し、ギアが一段上がってしまう。

「何か止むに止まれぬ理由があったんですよね? 例えば元恋人が、実は血のつながった兄弟だったと判明したとか? そして、許されざる愛から身を引かれた……」

「違います」(破談経験者)

「もしくは、なんらかの組織に命を狙われていて彼女の身を危険から守るために」

「違います」

「もしくは実家が倒産して、莫大な借金を……」

「抱えてません」

「披露宴の最中に突然記憶喪失に……」

「なってません」

 幸子の「何か止むに止まれぬ事情があってほしい」感が溢れ出し、取材される破談経験者も段々とぶった切るように否定しだす。普通に考えたら重い内容なのだが、台詞がいいのか見ていて気持ちのいい掛け合い。

 結局、統計すると「なんとなく好きではなくなった」という漠然とした理由が多く、それに納得できない幸子は、もっと徹底的に調べた方が……とムキになる。

 そんな幸子を、「これ以上、傷口に塩を塗るようなことはしなくても」と小林がなだめる。幸子の「傷口」に、初めてしっかりと触れる小林。

 腫れ物に触るような人たちばかりの中、この小林の踏み込みは新鮮だ。

 さらに、一度再会してるのに再度逃げられ(第7話)、それでも俊吾を信じようとする幸子に、振り向いてもらえない小林の想いが爆発する。

「馬鹿なんですか? 現実見てくださいよ? 2年も付き合った結婚式当日に紙切れ一枚で逃げて、再会しても紙切れ一枚で逃げて、そういう奴をなんて言うかわかりますか? クソ野郎って言うんですよ」と痛烈。

 好きだからこその苛立ち。

「本当に優しい人間が逃げるわけないでしょ? まだそんな人間を引きずってるなんて、佐々木さんも佐々木さんですよ」

 言うだけ言ってしまった後、我に返り後悔するような小林が切ない。

■ラップも上手い高畑充希

 所変わって、幸子の勤め先・文芸誌さららの忘年会。居酒屋とかではなく、温泉の大宴会場のような場所を借り切って全員浴衣での本格的な宴会だ。

 ここで披露される部下たちの一芸を、編集長(吹越満)は「つまらなかったら次の年、あらゆる企画が通らなくなる」ほど楽しみにしてるらしい。

 幸子も例によって生真面目に宴会芸を考えているようで、その候補リストにチラッと見えた文字は、二人羽織や似顔絵描き、作家先生のモノマネ(ジーニアス黒田)と比較的オーソドックスなものから、「一発ギャグ20連発」というリスクの高いものまで並ぶ。

 中には「Tシャツ何枚重ね着できるか」、という「演目」もあり、幸子がいかにこの宴会芸に真剣に取り組んでいるかがわかる。

 その宴会芸で、小林はなんとオペラをアカペラで披露。『夢遊病の女』(ヴィンチェンツォ・ベッリーニ)の中から「どうか許しておくれ、愛しい人よ」を熱唱。

 どうやら強く当たってしまった幸子に謝ってるつもりらしいが、当の幸子は仲居さんにデザートを出すタイミングを指示しており、まったくその歌を聞いてない。聞いててもイタリア語なのでわかるかは不明だが。

 そして、幸子の出番。

 B-BOYの格好で登場した幸子が、シンプルなトラックに乗せてライムを繰り出す。

 それもとりあえずできないなりにラップしてみましたというより、日々、逆おしくらまんじゅうみたいに、井戸端会議みたいに向かい合ってラップでけなし合うやつ(サイファーと言うらしい)やって腕磨いてますといった感じで本格的。

 自己紹介からの「編集のお仕事紹介、必要なスキルは長文読解、読んだ原稿奥深い、校了終えたら即公開、センテンス組み合わせ作る世界、力合わせて交わすは誓い、私たちで作ろう出版業界ーー!」。

 盛り上がる浴衣姿のオーディエンスたち。

 なんか韻を踏んでると「凄い感」が増し、盛り上がりそうなので、若手が宴会芸を披露する際、ラップは意外とありかも。鼻に付く危険性も多分にあるが。

「なんか不思議と上がるな」とご機嫌な編集長だが、後半から盛り上がりのための人柱に選ばれ、ディスられまくる。

「say! 編集長(編集長)長! 長! 長! ゲラチェックをお願いに、そこで見たのはスマホゲーム、こっそりこそこそスマホゲーム(スマホゲーム)、そこで見たのはPC動画(PC動画)!」

 上司をいじって盛り上がるのは、内輪の集まりの鉄則。しかし異様に盛り上がってしまっていただけに、幸子がこの先どこか理不尽な部署に移動させられないかが心配だ。

 

■新大久保で牛骨スープ

 明け方お開きになった後、小林は幸子をソルロンタンの朝食に誘う。

 ソルロンタンは韓国料理で牛骨で出汁を取ったスープ。乳白色でこってりしていそうだが、実はあっさり味で朝飯にもぴったりだという。

 ある程度食べた後、キムチやカクテを混ぜて味変えしてもいいし、ご飯を投入して、おじやにしてもいい。

 石焼の器だからご飯投入後も熱が保たれるのがうれしい。

 調べてみるとこの店は新大久保の「とまと」というサムギョプサル専門店。しかしランチでソルロンタンの定食があるらしいので、サチコ体験したい人は是非。

 

■またまたまた、俊吾さん登場

 帰り道、先日の件を謝り仲直りしつつ、幸子への恋の告白をしかける小林。

 しかし告白する寸前、橋の向こうから現れたのは、なぜか生鮭の発泡スチロールを抱えた俊吾さん。

 漁師っぽいかっこをしてるのが気になるが、しっかり「ただいま」と微笑むその姿は、紛れもなく俊吾さん本人だ。

 三崎漁港に行った際、まるで似ていない地元漁師(東京03・角田晃広)を俊吾だと空目していたことがあった(第4話)ので油断はできないが、いよい大団円だし、さすがに本人であってほしい。

 俊吾さんが消えた理由は気になるものの、それが解決すると幸子が『忘却』する必要もなくなってしまうので、なんとも複雑だ。

 いよいよ今夜最終回。

 来期のドラマ『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)で、西島秀俊、小日向文世、野口五郎、さらに近藤正臣ら豪華キャストと共演する幸子、いや充希。

 このドラマを見てると不器用な幸子に親心を抱いてしまうので、次期ドラマへ無事旅立てるのかとお節介にも気になってしまう。まずはこちらの最終回、楽しみに待ってます。

(文=柿田太郎)

 

『忘却のサチコ』漆黒の三代目登場! 新春の『孤独のグルメ』に登場してほしい

 我が道を行く新感覚グルメドラマ『忘却のサチコ』(テレビ東京系)。第10話では、あの有名店のオムライスに幸子がほだされます。

(前回までのレビューはこちらから)

■「いつも通り=精一杯努める」の幸子

 編集者によるネット討論番組に出演することになった我らが佐々木幸子(高畑充希)。その名も「今必要な恋愛小説」。

 編集長(吹越満)から「いつも通りでいいからな」と言われるも「はい、精一杯努めてまいります!」と高らかに返事する幸子。確かに、いつでも愚直に手抜きなしが幸子の「いつも通り」。編集長はおそらくリラックスさせる意図で言ったのだろうが、そう受け取れない不器用な幸子がかっこいい。

 

■まずは「おやき」で忘却

 しかし本番前、ネット番組→全世界の人が見ている→結婚式当日に失踪した元・新郎の俊吾さん(早乙女太一)が生放送中に現れるかも! と妄想し、パニックになりかけた幸子は、いつものように美味しいものを食べてつらい気持ちを「忘却」することに。

 幸子の目に留まったのは、主催者が長野出身とのことでケータリングに置かれていた「おやき」。

 言わずと知れた、きんぴらやかぼちゃなどの具を小麦の皮で包んで焼いたお惣菜饅頭。

 幸子が選んだのは、定番中の定番の具材、野沢菜。

 奇をてらってない飽きの来ない味は、いつ食べても落ち着く。

 蒸した肉まんよりやや皮が硬めなのも、武骨でいい。素朴を絵に描いたような郷土の味ながら、現代でも通じる惣菜パン的おやつ。

 

■幸子のライバル

 実はこの討論番組のキャスティングは、「月刊スピカ」の尾野真由美(佐藤めぐみ)が裏で手を回し仕組んだもの。

 8話で初登場し、接待の場で幸子に大敗を喫した尾野は、幸子を陥れるために復讐の炎を燃やす、わかりやすい女狐タイプのライバルだ。

 今回も本番前に主催者で司会の社会学者(六角慎司)の手をハプニングを装って握り、色仕掛けに走るなど余念がないが、幸子にストッキングが伝線してることを教えられパニクるなどやはり天敵・幸子にペースを乱される。

 本番中も、社会問題に恋愛を絡めたような作品、読者の知識レベルや倫理観を高められるような小説が必要、毒にも薬にもならない小説は必要ないと強弁し、存在感を示そうと躍起になる尾野。

 それに対し、社会的弱者であろうとなかろうと悩みはさまざまなので、自分の物語だと思える作品を見つけることができるのが「小説」であるから、よって「今必要な恋愛小説」の答えは「全ての恋愛小説」だとある種の正解を出してしまう幸子。

 さらにネット住民が喜びそうな作家と編集者との色恋話をあえて繰り出す尾野に対し、幸子は、小説家とは身体一つで真っ暗な宇宙(未知の世界)へ飛び込んで人類(読者)を新しい世界へと誘うパイオニア「はやぶさ2号」(小惑星探査機)であると、壮大な例えを繰り出す。

 当初そんな存在と恋愛はできないとしていた幸子だが、悩んだ挙句、作家の先生を尊敬しているから、「もし愛する人が作家になったら愛と尊敬を両立させ新しい感情の扉を開くことができるかもしれません」と気持ちを吐き出す。

 尾野が常に視聴者や世論など他者のウケを優先し、ある種、媚びて発言するのに対し、幸子の発言は無茶苦茶ながらも自分の想いが貫かれており、そこに嘘がない。

■幸子は嘘をつかない

 そう、この討論に限らず幸子は嘘をつかないのだ。

 いや、つけないと言ってもいいのかもしれない。

 式の最中に新郎がいなくなった時も、逃げられた悲劇の新婦である以上に、責任を伴う立場の当事者として、自ら状況を正直に淡々と説明、最悪の状況を「以上です」で締めくくり参列者を驚かせた。

 常に嘘がない故に、空気を読むことに長けまくっている現代の世では奇特に見えてしまうことも多いが、そのひたむきさにどこか胸を打たれることも多い。

 他人どころか自らを騙すなど自分に嘘がつけないから、毎度逃げた俊吾さんを思い出しては苦しんでしまうのだろう。

 当初は幸子、というか高畑のコスプレが必ずあったのだが、最近は俊吾さんこと早乙女太一のコスプレに移行してきている。

 今回も、宇宙から来た正義のヒーローや和装の文豪に早乙女が扮しているが、借り物的なコスプレではなくかなりの熱演で、早乙女の新たな魅力を見せてくれている。

 

■三代目登場!

 番組終了後、幸子が立ち寄った店はあの「たいめいけん」。

 オムライスと真っ黒な3代目店長でお馴染みのあの老舗洋食店。

 絶品のカニクリームコロッケやコンソメスープを味わったあと、いよいよ名物タンポポオムライスが到着。

 伊丹十三の映画『たんぽぽ』(1985)でもお馴染みの、切り開くととろとろの卵が溢れるあのオムライス。

 デミグラスソースを纏った卵とチキンライスを口にいれ、思わず目を細める幸子。

 ケチャップもいいが洋食店ならではのデミグラスもいい。

 店長と見分けがつかないくらいの漆黒が卵に映える。

 食べてる最中、第2話のように3代目と踊り出すのでは? とソワソワしたが、無事そういうハプニングもなく終了。3代目の不自然な固い笑顔がよかった。

 ちなみに映画『たんぽぽ』で、このオムライスが登場した時は、デミグラスではなく真っ赤なケチャップをかけている。

 トマトが好物な高畑にはそちらも食べさせてみたかった。

 

■脇役の宝庫

 結局この日も幸子にいいところを持っていかれ、またしてもグギギとなった尾野真由美だが、だんだんその純粋な負けん気が可愛く見えてくるから不思議だ。

 そして、ニコニコ動画らしきサイトで「佐々木さん頑張れ」と必死にコメントを連打する後輩・小林(葉山奨之)も、どんどん存在感を増している。

 そして、堂々としてるがゆえに見落としがちだが、小林より先に「佐々木頑張れ」とコメントを打とうと言い出し、実践していた編集長。

 原作でもそうだが、時折佐々木を想う場面が見られる(恋愛感情かどうかは定かでないが)ので、もっと編集長を活躍させてあげてほしい。

 残りあとわずか。

『孤独のグルメ』新春スペシャルで一部生放送をやるらしいので、そこにサチコがカメオ出演とかしないかなーと期待してますが、叶ったら嬉しいです。
(文=柿田太郎)

北大路欣也、75歳で連ドラ主演へ……『やすらぎの郷』から続く“抱かれたいお年寄り”ブームって!?

 来年1月からの新ドラマ『記憶捜査~新宿東署事件ファイル~』(テレビ東京系)で主演を務めることがわかった俳優・北大路欣也。75歳になってもドラマの第一線で活躍し続ける姿は、多くの高齢者のみならず中高年にも希望を与えている。

 昨年テレビ朝日が、主演の石坂浩二はじめ、元妻の浅丘ルリ子や元カノの加賀まり子らを起用した昼ドラ『やすらぎの郷』(脚本:倉本聰)を放送。初のシニア向けドラマとして成功するか注目を集める中、懐疑的な予想を覆して見事大ヒットを記録した。このヒットに勇気づけられたのが、往年の俳優たちだった。

 日本には、坂田藤十郎が会長を務める『日本俳優協会』や、西田敏行が理事長を務める『日本俳優連合』があるが、年金制度はなく、老後の生活に不安を抱く役者は少なくない。そんな彼らにとって、シニアドラマの成功は、新たな活路が開けるのではないかと期待が高まった。

 実際、『やすらぎの郷』のヒットに触発された民放各局が、広告代理店やシンクタンクと共に、60歳以上を対象にした企画プロジェクトを立ち上げてドラマの話を進めているが、中でもいち早く反応したのがテレ東だった。

 というのも、テレ東は『やすらぎの郷』に先駆け、2014年・15年・17年と3シーズンにわたって、北大路欣也、泉谷しげる、志賀廣太郎の“おっさん”が活躍するドラマ『三匹のおっさん』を放送。高視聴率を記録した実績があったからだ。

『三匹~』の主演の一人だった北大路は、テレ東でかつて新年恒例だった『新春ワイド時代劇』の30年来の常連出演者で、03年からは刑事ドラマ『さすらい署長 風間昭平』シリーズの主演も務めている。来年1月から放送される新ドラマ『記憶捜査~』は、『三匹~』と同じ金曜夜8時枠とあって、早くも注目の的だ。実はテレ東は、紫綬褒章や旭日小綬章を受章している大物俳優の北大路が、今回のオファーも引き受けてくれるのか、自信がなかったようだが、北大路は二つ返事で受諾したという。

 ちなみに北大路は、「週刊女性」(主婦と生活社)が実施した「抱かれたいお年寄りランキング」でも、渡哲也に次ぐ2位にランキングしている。いつまでも現役で活躍し続ける姿は、目標を失っている中高年たちに「75歳でも、まだまだやれるんだ!」と、高齢者俳優には「俺にもまだチャンスがある」という、ささやかな希望を抱かせるには十分だろう。

 それだけに、新ドラマには、視聴率・視聴熱とも『三匹~』を超えてほしいものだ。
(文=本多圭)

「好きな女性アナウンサー」ランク外の注目株! テレ東・鷲見玲奈が“女子アナ界”を席巻する日

 先頃発表された、ORICON NEWS「好きな女性アナウンサーランキング」では、弘中綾香(テレビ朝日)、川田裕美(フリー)、徳島えりか(日本テレビ)、宇垣美里(TBS)と、4人の女子アナが初ランクインして注目を集めた。女子アナ界の勢力図が塗り替えられつつあるということでもあるが、「来年のランキング入り間違いなし」と言われる逸材をご存じだろうか?

「ズバリ、テレビ東京の鷲見玲奈(すみれいな)アナですね。推定90センチ・Gカップと称される巨乳で、以前から女子アナファンの間で人気を集めていました。昨年には局アナとして初めて、青年コミック誌『週刊ヤングジャンプ』(集英社)の表紙と巻頭グラビアを飾ったほどの美貌の持ち主でもあります」(芸能ライター)

 現在28歳の鷲見アナは、2013年にテレビ東京へ入社。同年入社組には弘中綾香、笹川友理(TBS)らがいる。鷲見アナが注目を集め始めたのは、『ウイニング競馬』への出演。

「サブMCとして出演していた彼女は、同番組でたびたびメガネを着用。さらに巨乳を強調するノースリーブの衣装が多かったこともあって、セクシーなメガネ美人アナとして、ネット上で注目が集まりました」(同)

 女子アナ好きの間で早くから人気があった鷲見アナだが、なかなかブレークしなかったのは、テレ東がほかの民放キー局に比べてマイナーであるからだろう。だが、『家、ついて行ってイイですか?』『追跡LIVE! Sports ウォッチャー』といった人気番組や看板番組への出演で、急速に知名度を高めつつある。

「芸人、スポーツ選手などジャンルを問わず、出演者との絡みも達者で、局内外で評価も高い。最近は、テレ東とTBSの共同によるコンテンツ配信サービスParavi(パラビ)のPR大使をTBSの宇垣美里と務めていることで、お茶の間でも広く顔を知られるようになりました。こうした仕事を任されるということは、テレ東でも彼女を“局の顔”として考えていることにほかなりません」(同)

 知名度のアップに伴い、鷲見アナの一挙手一投足がネットニュースなどでも取り上げられるようになっている。先日も、「鷲見アナの巨乳がしぼんだ」「特大パットをしていたのでは」といった臆測に対して、<何がとは言いませんが、してもないことをしてると言われるのって、どうなんですかね? 嫌でも耳に入ってくるのも困りものです>と、自身のTwitterでつぶやいたことが話題になった。

 その豊満ボディーで各局の人気女子アナにどこまで肉薄できるか、来年のランキングが見ものである。

『忘却のサチコ』に“ジーニアス黒田”再び! 踊る高畑充希に食う高畑充希……

 高畑充希の魅力を味わい尽くすグルメドラマ『忘却のサチコ』(テレビ東京系)。第9話となる今回もダンス、寸劇、そして見事な食べっぷりと、さまざまな顔を見せてくれました。

(前回までのレビューはこちらから)

■ジーニアスの恋

 人気作家・ジーニアス黒田先生(池田鉄洋)からアイドルとの対談の替え玉役を頼まれた幸子(高畑充希)の編集部の後輩・小林(葉山奨之)。

 第2話に登場したジーニアス黒田は外見を公表していないため、基本対談などはNGにしているのだが、そのアイドル・桃乃もぎか(岩田華怜)が自分のファンだと知ってしまい、どうしても断れない。なぜならジーニアスも桃乃の大ファンだからだ。

「こんな俺(もっさりロン毛の池田鉄洋)が出ていけるわけない!」との思いから、イケメンの小林が自分(ジーニアス)の替え玉をしないのなら原稿を書かないと駄々をこね、あげく難色を示す小林に土下座までする始末。

 しかし、小林に励まされ、「桃乃ちゃんに作品だけでなく、俺のことも好きになってもらいたい!」と、ダイエットを決意する。

 ダイエットで解決する問題なのだろうか? と思ったが、それは置いておこう。池田さんすみません。

 幸子はダイエットをバックアップするため、近隣のスーパー3軒のお惣菜ラインナップより考案した献立表や、1日の健康的なタイムスケジュールを作成するだけでなく、ジーニアスに運動させるために、桃乃の曲の振り付けまで「身体に叩き込んで」きて、ジーニアスに指導する。

 このアイドルの曲「理想の彼氏はあなただぴょん」が、今時のアイドルっぽい音で無駄にちゃんと作られており、フルで聴きたくなるほど。

 その曲に合わせ、アイドルさながらのダンスを真顔でする高畑充希と、同じ動きをする池田鉄洋。

 第2話のおにぎりミュージカルを思い出すコラボ。

 そして数日後、ダイエット失敗。

 桃乃のCM「牛丼をお腹いっぱい食べる人、好き、好き、大好きー!」にまんまとやられ、何十杯も食べてたらしい。

 悲しきファン心理。

 しかし購買力のあるファンを持つアイドルを使う狙いは、そこだから仕方ない。

 スズキの車を購入し、タマホームで家を建てた太いモノノフ(ももいろクローバーZのファン)も、きっといるはずだ。

 

■ジーニアスの想いが爆発

 ということで対談当日、いつも通りの容姿で現れたジーニアスに鹿のお面(被るタイプ)を装着させ、顔出しNGとして対談させる幸子。

 見た目はバンビーノのネタ「ダンソン~フィーザキ~」の狩られる側を想像してほしい。

 対談中も桃乃の質問に答えず、無言でしばし見とれてしまうダメなジーニアスに、手を叩き意識を戻させるなど、けなげにサポートする幸子。

 しかし桃乃のジーニアスを気遣う心に、ジーニアスの想いが爆発。

「僕、桃乃さんのこと、前のグループ、ブリングトップに入る前の素人時代の踊ってみました動画の頃からずっと見てました! 桃乃ちゃんがアイドルとして成長していく過程が僕の創作意欲の原点になってることは間違いありません!」と熱くぶちまけ、あげく嗚咽を漏らすほど興奮。

 引かるかと思ったが、桃乃もジーニアスの手を握りしめて感激、その後、対談はジーニアスの1人しゃべりが5時間に及んだという。

■このシリーズ一番のジェットコースターな展開

 ふらふらになりながらの帰宅途中、ガッツリといきたい幸子は程よく汚いジンギスカンの店に飛び込む。

 今回は逃げられた俊吾さん(早乙女太一)を忘却するためではなく、単にエネルギー補給としての入店。

 一人席に着き、マトンスライスジンギスカンを注文するが、横の席のカップルから「一人でなんでもできちゃう女って、かわいげないよなあ」と揶揄する声が漏れ聞こえる。

 普通のグルメドラマなら、ここからはただジンギスカンを美味しく食べるだけのシーンになると思うのだが「私、一人でなんでもできるからダメなんでしょうか……かわいげって、なんでしょう……」と、ヒツジ肉の焼ける音をバックに悩む幸子。

 さらに「もしも幸子がきゃぴきゃぴした女の子だったら」の妄想シーンに突入。お揃いのロンTを着た俊吾さんといちゃつきながら、ツインテールでパフェを食べる幸子。

 この幸子、いや高畑充希のツインテールの似合いっぷりが半端なく、素直にかわいいと思いました。すみません。

 この妄想にバットマンのようなマントを広げ、シルクハットを被った白井編集長(吹越満)が登場するのだが、この意味不明なキャラも妙にハマっていて、ジンギスカンの焼ける音で唾液が出かかってる最中に何を見させられているんだろうと変な気持ちになる。

「もしも私がそんな風(きゃぴきゃぴ)だったら、俊吾さんはソバにいてくれた……? ……でも……そんなの私じゃない」

 妄想しつつ悩んでいた幸子がふと真顔に戻り、こちらもハッとさせられたことろに、間髪入れずに

「おまたせしました~マトンスライスジンギスカンになりまーす」と注文が到着。

 相変わらず短い時間に丁寧に詰め込んで、観る側をさりげなく揺さぶる作り。地味なジェットコースターに乗ってるようだ。

「そんなの私じゃない」の言葉の耳に残る中、画面にはボールに入った生のマトンともやしが映っている。余韻の波状攻撃。

 いろいろあるけど、結局身体に食べ物を入れないと始まらない。

 いろいろあるけど、明日からも続いていく。

 フィーザキーされた羊の肉を頬張る幸せそうな幸子。

 どんな人間も、忘却しないと生きていけない。

 うるさいカップルを尻目に、一人でジンギスカンを楽しむ幸子を見ていると、なぜかこちらまで幸せな気持ちになってくる。

 こちらのそんな気持ちなどお構いなしに、画面では幸子は延々もやしの感想とか述べている。油断できないドラマだ。

 今回は前半に早乙女太一、ふせえりとの贅沢な演劇シーンもあり、時間稼ぎのようなシーンで誤魔化さず手間を惜しんでないのがうれしい。

『男はつらいよ』のタイトル前の夢芝居みたいなのが毎回数本入ってくるわけだから、撮る側もやる側も大変だ。

 

■小林の片想いは実るのか?

 体調を崩して対談に来れなかった小林が、幸子しかいない編集部に戻ってくる。

「佐々木さんに早く認めてもらいたいので」と、片想い丸出しの小林。

 対談すっぽかしたお詫びにと飯を誘うが、当然幸子は食べてきたからと断る。

 残念そうな小林に「デザートならまだ入ります」と幸子。

「デザートの美味しい店ですね」と生き返ったように検索しだす小林。

「さ、仕事がんばりますよ!」

「はい!」

 暗い編集部に佇む2人の背中でエンディング。

 なんか合ってるかわからないけど、これぞハッピーエンドという気持ちになりました。

 残りの回もあと少し。最近は小林の片想いぶりがハマっているので、そちら目線でも見てしまう。まったく小林の想いが届いていなさそうだったのに、今回のデザートのくだりはちょっとずるい。

 幸子、わかっててやってるのだろうか……? だとしたら、さじ加減が絶妙。また次回。
(文=柿田太郎)

『忘却のサチコ』サワークリームのような甘酸っぱい葉山奨之に母性を刺激される……今回はロシア料理!

 グルメだけにとらわれない新感覚グルメドラマ『忘却のサチコ』(テレビ東京系)。第8話は幸子(高畑充希)を想う後輩の気持ちが、さらに膨らんだ模様。振り返りましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

 

■大和田伸也、ふたたび

 ライバル誌に大物作家・有村(大和田伸也)の作品掲載を奪われてしまった幸子が編集者を務める文芸誌「さらら」。担当編集者である小林(葉山奨之)がSNSで有村と接している知った編集長(吹越満)は、「ちゃんと会って話さないとコミュニケーション取ってることにならないでしょ?」と注意するが、「わざわざアポとって対面するのって非合理的じゃないですか?」と言い返す“ザ・イマドキノワカモノ”な小林。

 第3話でモンスター新入社員として登場した頃を彷彿とさせる。

 以前より社会人として「まとも」になったように見えていたが、先輩(幸子)との会話中に会社近くで長崎物産展をやっていたから買ったというカステラを広げ、食べ出すなど、相変わらずのマイペースぶり。

 そういえば初登場した時も会社の冷蔵庫を熊本名物「いきなり団子(だご)」で埋め尽くし幸子に注意されていた。

 おそらく意味はないのだろうが、やけに九州の銘菓ばかり食べてるのが気になる。

 

■長崎カステラで宮崎を思い出してしまう幸子

 小林の教育係で、かつ、有村の前・担当者だった幸子は「有村奪還」に向けて動き出すも、カステラ→長崎→九州→宮崎→俊吾さん(前回宮崎旅行中に再会した)と多少強引な連想ゲームで俊吾さん(結婚式当日に失踪した元・新郎=早乙女太一)を思い出し苦しむ。

 たまらず小林のカステラを一切れもらい、「忘却」を試みる幸子。何度もいうが、幸子は美味しいものを食べているときだけ俊吾のことを忘れられる体質だ。

 ザラメ砂糖の甘さや、ふわふわの食感に酔いしれる、そんな幸子を幸せそうに見つめる小林。彼は今、幸子に片思いしており、三角関係が形成されつつある。

 そんな小林の気持ちなどつゆ知らず、さっそくSNSの投稿から、4時間後にバー「ノクターン」に有村が現れると分析する探偵幸子。

 有村が「SNSに上げた写真のお店と日付と時間を全て書き出し、統計を取った結果」から割り出したという。それが実際当たっているからすごい。

 生真面目すぎる奇人ぶりがクローズアップされがちだが、社員として実にデキる人だ。

 

■王道の展開で光る母性キラー・葉山奨之

 そして、今回そんな幸子の「ライバル」として登場したのが、有村をたぶらかし作品掲載を奪ったライバル誌「月刊スピカ」の尾野(佐藤めぐみ)。

 オンナ丸出しでベタベタと接し、ホステスのように有村をたぶらかす尾野に対し、「今回の作品、物足りなく感じました」と気持ちをまっすぐにぶつける幸子。

 担当でもないくせにと尾野に詰め寄られるも、担当ではないが先生の作品を愛していると、曇りのない眼で真摯に訴える。

 それでいて「ファンである以前に編集者でありたいと思っています。作家の可能性を最大限に引き出すのが編集の仕事です。今回の作品に関しては書き直しをお願いしてもよかったのではないかと思っています」と踏み込む。

 怒ると思われた大物(有村)が、しっかり意見を言ってくれる主人公(幸子)を好意的に受け入れ、ライバル(尾野)が悔しがるという王道のパターン。

 危なっかしくも頼もしい幸子の活躍を、横でハラハラしながら見守る後輩・小林の目線がいい。

 葉山奨之は『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』(フジテレビ系)で上手いんだか下手なんだかわからない悪人役で存在感を見せていたが、こういう少しダメなイマドキな若者役が一番ハマると思う。原作のイケメン小林よりもかわいさが強いのは、葉山だからだろう。なんというか、母性を刺激するオーラがにじみ出ている。

 そう言えば『モンテ・クリスト伯』でも、自分を赤ん坊の頃に生き埋めにした実の母・稲森いずみの母性を歪んだ形ではあるが刺激しまくっていた。

■鈍感なサチコ

 結局、有村から次回の作品掲載の約束を取り付けた幸子は、小林に誘われロシア料理の店に。いわば祝杯だ。

「注文は任せてもらっていいですか?」

「苦手なものとかないですか?」

 小林は片思いしてる幸子とご飯ができる幸せに満ち溢れている。吊り橋効果的なものもあったであろうから尚更だ。

 ピロシキを食べてみたいと考える幸子の気持ちを汲んで「ピロシキは絶対に頼みますね」と言う小林。驚く幸子。

「なんでわかったんですか、私が考えていること」

「それくらい、ちょっと考えたら誰でもわかります」

「みんなそうなんでしょうか……私は今まで相手が何を食べたいかなんて考えたことなかったです」

「僕だって普段はそうですよ」

 実は不器用な2人が、いつも以上に距離の近い会話を自然としてるのが微笑ましい。

 そしてさりげなく幸子への気持ちを口にしている小林だが、こういうことに鈍感な幸子にはまるで届かない。

 小林にはデート、幸子には食事なのだ。

 結局このときも、幸子は俊吾のことを思い出していた。それでも幸子を喜ばそうとメニューを説明する小林が健気だ。

 モンスター後輩だったくせに、感情移入させられるとは少し悔しい。

 

■怒涛のサワークリーム

 まずやってきた皿は「ペリメニ」。小麦粉の皮でひき肉を包んで茹でたロシアの水餃子とのこと。

 ロシアにも餃子が……と幸子は驚いていたが、中国の周りの国には、必ずと言っていいほど餃子っぽい料理が存在する。モンゴルには「ボーズ」という蒸し餃子、ネパールには「モモ」という水餃子が有名だからあの広大なロシアに餃子があるのも頷ける。

 ソースにサワークリームを使っているとのことだが、今回のこの店は「フランス風ロシア料理」とのことで、さらにラタトゥーユまで添えてある。

 フランス風ロシア料理だから馴染みやすいというニュアンスで紹介されていたが、ロシア料理どころかフランス料理すらまともに食べたことがない筆者的には、あまり響かず、なんならサワークリームと聞いてプリングルスのサワークリーム&オニオンを想像してしまう始末。お恥ずかしい。

 続いてピロシキやボルシチなど定番をたいらげ、そしてメインのビーフストロガノフが。

 ハヤシライスとは完全に別物の、でかいビーフがゴロゴロした豪華なやつから湯気が立ち込める。

 ここにもサワークリームが入ってるし、ボルシチにもしっかり添えられていた。日本でいう醤油とか味噌みたいな感覚なのだろう。

 厳密には、本来のロシア料理でよく使うのは「スメタナ」という発酵食品で、実はサワークリームとは別物らしく、こちらはこちらで気になる。ぜひプリングルスで出してほしい。

 一口食べる度に新しい味がどんどん出てくるこの味を「味のマトリョーシカ」を表現する幸子。

 美味しいもの食べている時の幸子は無言ながら、脳内は実に饒舌だ。今回は美味しすぎて幸子の背景にコサックダンスをする群勢が登場。この恒例になりつつある変な効果のシーン、大好きです。

 

■深まる俊吾の謎

 終盤、有村争奪戦に負け悔しがるライバル・尾野が「次会ったら絶対復讐してやる!」と叫ぶなど、割とオーソドックスな展開が目立った回だったが、気になるのはやはり俊吾さんの謎。

 幸子の回想によると、俊吾は入籍を決めていた日が一粒万倍日(一つのいいことが数万倍になるくらい幸運な日とされてる、入籍には大変適した日)だと知り、その日に悪いことをしたらどうなるのか気にしていた。幸子いわく「もちろん数万倍になります」とのことだが、その直後、何かを言おうとしてした俊吾。

 幸子に遮られそれは聞けなかったのだが、あのとき何を言おうとしていたのか? 幸子も今更ながら気にしていた。

 帰り際、本当はオールで幸子と過ごしたい気持ちが見え隠れする、まるでサワークリームのような甘酸っぱい小林と、駅まで急ごうとする何も感じていない幸子。

「本当はちょっと落ち込んでたんです。ありがとうございました。」

 と、理屈屋のくせに素直にしっかり礼をいう小林に、最後まで母性をつつかれる。筆者は中年男性なのに。

「小林さんが有村先生の最高傑作を持ってきてくれるのを楽しみに待っています。」

「早く佐々木さん(幸子)を安心させられるよう頑張ります。」

 こういうのを見せられると、小林と上手くいってほしいと素直に思ってしまう。無理だろうけど、まずは阿部先生(原作者)お願いします。

 そして、第9話には原作に忠実な、あのジーニアス黒田先生(池田鉄洋)が再登場。笑わせてくれつつもホロリとさせられそうな予感が……楽しみです。
(文=柿田太郎)