『池の水ぜんぶ抜く』低視聴率回続出! マンネリ化した内容よりも「“外来種いじめ”に嫌気」が原因か

 テレビ東京系で放送されている人気番組『緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦』に、現在、異変が起こっている。

 同番組は2017年から「日曜ビッグバラエティ」枠で不定期放送され、人気となった番組。日本全国にある放置され汚くなってしまった池を掻い掘りし、キレイにするとともに、生き物の生態を調べるというコンセプトが視聴者に大ウケ。同枠の平均視聴率は5~6%であるのに対し、第1回目の放送は8.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。その後も不定期であるにもかかわらず、高視聴率をキープし、第6回目の放送時には、13.5%を記録し、その後も9~10%台をキープ。2018年4月からは月イチレギュラーになり、当初は9%台をキープしていたが……。

「2月3日放送分が7.2%と低視聴率を記録。昨年12月18日放送分は5.2%で過去最低を記録したものの、1月2日正月特番で11.1%まで回復。裏番組などの関係で一過性のものかと思われていたんですが、今回のこの結果に、ネットのみならず業界でも騒然となっています」(放送作家)

 そんな視聴率の低下が続いている同番組。ネットでは「最初ほどおもしろくなくなった」との声が聞こえているだけに、マンネリ化との指摘が上がっている。しかし、「それ以外にも理由がある」とテレビ局関係者は、こう語る。

「不定期放送時は“汚い池をキレイに掃除する”“池の生態系を調査する”というコンセプトで放送しており、時には珍しい生き物を見つけたりし、視聴者の注目を集めていました。ですが、最近では、カメと雷魚といった外来種をあたかも悪者のように放送し、退治するという内容になってしまっている。ネットではそれに嫌気を感じる人が続出している模様。また、捕獲したカメに関しては動物園に渡していましたが、外来魚については、ロケの参加者から『放置し殺している』との声も。現場には専門家もいなくて、ずさんな管理だったと、週刊誌報道もされている。面白くなくなったということより、番組に対し“信用がなくなった”ことが低視聴率続きになった理由かと思いますね」

 裏番組では『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)や『ポツンと一軒家』(テレビ朝日系)など、人気番組が多数放送されている。それらに勝つためには、一旦“初心”に戻ったほうがいいのかも!?

『さすらい温泉 遠藤憲一』旅情とエロス……久しぶりに地上波で女性の“生尻”を見た!

 遠藤憲一が俳優を引退する決意で、派遣の仲居として各地の温泉で働いている。そんな設定のちょっとだけドキュメンタリー風味なドラマ『さすらい温泉 遠藤憲一』(テレビ東京系)。

 第3話となる今回は、人気が落ちることを恐れ、仮病で休業中のトップアイドルのために健さんこと中井田健一(遠藤)が奮闘する。なんでも出てくるトランクから、今回もあり得ないサイズのモノが出てきます。

(前回までのレビューはこちらから)

 

■遠藤の友人が今回も登場

 今回も前回と同様、冒頭のインタビューでリアル(だと思われる)な友人・知人が普段の遠藤について語っている。

「(役者は)天職ではない」

「(遠藤は)そんなに器用ではない」

 のっけから営業妨害ではないかと思えるほどのコメントを叩きつける、遠慮ない素人たち。

 だが「台本を人の3倍(10倍)読む」など、非常に努力家な面も語られた。

 普段頑張りすぎている分、今回「風に当たってる」のではないかとの見立ても。

 いわゆるフェイクドキュメンタリーなのだが、引退とかの「設定」はともかく、知人らの遠藤に対する発言は本物だろう(そうあってほしい)。

 

■ビシバシステムに見えなくもない遠藤

 そんな健さんが今回訪れたのは山梨の下部温泉で、かの武田信玄の隠し湯とされる場所。

 さらにここは、全国に21カ所しかない「国民保険温泉地」の一つ。調べてみると、まず温泉として効能が折紙付となる「国民保養温泉地」というくくりがあり、その中でも医師の協力を得て温泉の保健的利用を促進することが期待できる条件を備えた温泉地を「国民保険温泉地」と呼ぶらしい。有名どころだと、大分・湯布院温泉や奈良の十津川温泉郷などもこれに当たる。

 そして今回派遣された宿は大市館・裕貴屋。明治8年創業で木造3階建ての建物(昭和11年建設)は、登録有形文化財に認定されているとのことで、温泉地に溶け込みながらも控えめな格式を感じる。

 ちなみに宿の支配人を住田隆が演じており、目のぎょろりとした遠藤と並ぶと初代ビシバシステムのように見えなくもない。住田の初代の相方は緋田康人(当時の名は西田康人)。ドラマ『半沢直樹』(TBS系)で日本中をムカつかせたあの「小木曽」といえば、わかる人も多いだろう。

 

■乃木坂46のヒット曲を作曲した人が劇中曲を

 さっそく働き出した健さんは、橋から川を見つめる宿泊客を勝手に自殺志願者だと思い込み、救助。それが、なんとあの人気アイドルグループ神田川55(KDG55)のセンター・大賀みな(大場美奈・SKE48)だった。無期限休養中の“みなるん”は、負傷した足の治療で湯治に来ているらしいのだが、どうやら人気投票でセンターから陥落しそうなのが怖くて、引退覚悟で逃げてきているのが本当のところらしい。

 部屋まで上がりこんで飯を食わそうとするお節介な健さんを、当初はうざがっていたみなるんだが、自分のために振り付けまで覚えようとしてる熱意にほだされ、心を開きかける。

 この劇中曲を作ったのは、坂道グループの曲も手掛けている小田切大(乃木坂46「おいでシャンプー」や欅坂46「302号室」作曲など)、ダンスの振り付けはNGT48の振り付けを手がけたこともある富田彩(監督・後藤庸介のツイッター情報)。

 同じテレ東の深夜ドラマ『忘却のサチコ』でもそうだったが、劇中の使い捨てのような架空の曲がちゃんと作られていると、何か誠意を感じる。

 

■国民的アイドルのはずなのに……

 面白かったのはネットでウワサを聞きつけ集まってきたファンたちと、みなるんの距離感が全然「国民的アイドル」のそれではなかったこと。

「いっつもいっつもなんなの?」「握手会のときだって何回もしつこく来るし!」と、集まって来たファンたちをひとかたまりに敵と見なし、ブチ切れるみなるんも凄いが、「なんだよそれ……! みなるんをセンターにするために、幾らつぎ込んだと思ってるんだよ!」「そうだそうだ」「僕たちがいなけりゃ、とっくにセンター取られてるよ?」「そうだそうだ」と、負けじと本音をぶちまけるファンも凄い。

 ネットで匿名をいいことに本音をさらけ出す人は多くいるかもしれないが、白昼ファンが本人を取り囲んで文句を浴びせている様子は、荒れた地下アイドルの現場のよう。

 売れている「国民的アイドル」を取り囲む人の輪にライト層がまったくいないのが違和感の原因だと思うが、「人気」を表現するのは意外と難しい。

■武田信玄の鎧まで持参してる健さん

 そして再度心を閉ざしかけたみなるんを元気付けるため、恒例の健さん変装タイム。今回、古めかしく、さほど大きくもないトランクから出てきたのは、なんと武田信玄を思わせる鎧兜と衣類一式。腰には刀まで装着していたから、それも入っていたのだろう。もう絶対に収まる寸法ではないのだが、一体トランク内はどんな宇宙が広がっているのか。

 例によって、入っている他の服を撒き散らしながらトランク内を探すシーンでも、途中サンタの衣装らしきものをほっぽり投げていた。みなるんの薄着の私服から考えるに季節は夏前後だろうに、冬物までも押さえているのはさすがだ、というか怖い。

 怖いといえば、夜中に旅館内を鎧を着た男がうろついてるのに平然と後を追っかけるみなるんも怖い。

 普通に考えて超常現象なはずだし、そうじゃなかったとしても、かなり不審者だし、どっちにしろ、かなり怖いはずなのに。ファンへの対応といい、度胸が凄い。

 そして、鎧武者を追いかけていくと、そこにはオタ仲間らしき数人とサイリウムを両手にオタ芸(サイリウムダンス)をする健さんが。おそらく早着替えで鎧を脱いだのだろうが、たかだかこのためだけに鎧を着てまでみなるんを導くという発想が凄い。

 この健さんの熱意が届いたのか、みなるんも本域で踊り出し、アイドルとしてやっていこうという気持ちを取り戻すのだが、この時のみなるんのダンスが普通にかっこいい。ここだけで終わらせるのももったいないから、どこかで披露してしっかり成仏させてあげてほしい。

 

■フェイクドキュメンタリーという設定は後付け?

 ちなみに、みなるんはいわば俳優・遠藤憲一の同業者にあたるわけだが、どちらもお互いのことを知らなかったし、「えーー? まさか遠藤憲一さん!?」的なカタルシスも最後までない。

 フェイクドキュメンタリーとして見せようとしながらも、メーンのドラマ本編でまったく「遠藤憲一」的要素が入らないのは、あくまで流れ者の仲居ドラマとして撮った完全なフィクションに、何か事情があって後から頭とお尻にドキュメンタリー部分を付け足したのだろうか?

 そう思ってしまうくらい「ドキュメンタリー」部分と「ドラマ・フィクション」部分が断絶している。今後、種明かしがあるのだろうか?

 

■説明するほどでもない宿の情報を疑似体験

 今回も、「良さげな抹茶が出てくる」とか「ロースルロイスで送迎」とか「マシュマロを焼いて食べられる」とか(食べ放題らしく、ゆで卵やポップコーンも)、ドラマの中で実在する旅館の情報がさりげなく差し込まれており、行ったこともないのに見ているだけで旧知の宿に思えてくる。

 温泉(旅館)の贅沢なプロモーションビデオとして楽しむのも正解なのかもしれない。

 今回は女性の入浴シーンが踏み込んでいて、成宮潤というセクシー系の女優は、ぼかしていたとはいえ生尻まで披露していた。今や地上波ではなかなか見られなくなったお色気シーン。

 旅情だけでなく、そんな部分でも昭和を味わせてくれた。

 次回は南海キャンディーズのしずちゃんがマドンナで登場します。面白そう。
(文=柿田太郎)

 

『さすらい温泉 遠藤憲一』旅情とエロス……久しぶりに地上波で女性の“生尻”を見た!

 遠藤憲一が俳優を引退する決意で、派遣の仲居として各地の温泉で働いている。そんな設定のちょっとだけドキュメンタリー風味なドラマ『さすらい温泉 遠藤憲一』(テレビ東京系)。

 第3話となる今回は、人気が落ちることを恐れ、仮病で休業中のトップアイドルのために健さんこと中井田健一(遠藤)が奮闘する。なんでも出てくるトランクから、今回もあり得ないサイズのモノが出てきます。

(前回までのレビューはこちらから)

 

■遠藤の友人が今回も登場

 今回も前回と同様、冒頭のインタビューでリアル(だと思われる)な友人・知人が普段の遠藤について語っている。

「(役者は)天職ではない」

「(遠藤は)そんなに器用ではない」

 のっけから営業妨害ではないかと思えるほどのコメントを叩きつける、遠慮ない素人たち。

 だが「台本を人の3倍(10倍)読む」など、非常に努力家な面も語られた。

 普段頑張りすぎている分、今回「風に当たってる」のではないかとの見立ても。

 いわゆるフェイクドキュメンタリーなのだが、引退とかの「設定」はともかく、知人らの遠藤に対する発言は本物だろう(そうあってほしい)。

 

■ビシバシステムに見えなくもない遠藤

 そんな健さんが今回訪れたのは山梨の下部温泉で、かの武田信玄の隠し湯とされる場所。

 さらにここは、全国に21カ所しかない「国民保険温泉地」の一つ。調べてみると、まず温泉として効能が折紙付となる「国民保養温泉地」というくくりがあり、その中でも医師の協力を得て温泉の保健的利用を促進することが期待できる条件を備えた温泉地を「国民保険温泉地」と呼ぶらしい。有名どころだと、大分・湯布院温泉や奈良の十津川温泉郷などもこれに当たる。

 そして今回派遣された宿は大市館・裕貴屋。明治8年創業で木造3階建ての建物(昭和11年建設)は、登録有形文化財に認定されているとのことで、温泉地に溶け込みながらも控えめな格式を感じる。

 ちなみに宿の支配人を住田隆が演じており、目のぎょろりとした遠藤と並ぶと初代ビシバシステムのように見えなくもない。住田の初代の相方は緋田康人(当時の名は西田康人)。ドラマ『半沢直樹』(TBS系)で日本中をムカつかせたあの「小木曽」といえば、わかる人も多いだろう。

 

■乃木坂46のヒット曲を作曲した人が劇中曲を

 さっそく働き出した健さんは、橋から川を見つめる宿泊客を勝手に自殺志願者だと思い込み、救助。それが、なんとあの人気アイドルグループ神田川55(KDG55)のセンター・大賀みな(大場美奈・SKE48)だった。無期限休養中の“みなるん”は、負傷した足の治療で湯治に来ているらしいのだが、どうやら人気投票でセンターから陥落しそうなのが怖くて、引退覚悟で逃げてきているのが本当のところらしい。

 部屋まで上がりこんで飯を食わそうとするお節介な健さんを、当初はうざがっていたみなるんだが、自分のために振り付けまで覚えようとしてる熱意にほだされ、心を開きかける。

 この劇中曲を作ったのは、坂道グループの曲も手掛けている小田切大(乃木坂46「おいでシャンプー」や欅坂46「302号室」作曲など)、ダンスの振り付けはNGT48の振り付けを手がけたこともある富田彩(監督・後藤庸介のツイッター情報)。

 同じテレ東の深夜ドラマ『忘却のサチコ』でもそうだったが、劇中の使い捨てのような架空の曲がちゃんと作られていると、何か誠意を感じる。

 

■国民的アイドルのはずなのに……

 面白かったのはネットでウワサを聞きつけ集まってきたファンたちと、みなるんの距離感が全然「国民的アイドル」のそれではなかったこと。

「いっつもいっつもなんなの?」「握手会のときだって何回もしつこく来るし!」と、集まって来たファンたちをひとかたまりに敵と見なし、ブチ切れるみなるんも凄いが、「なんだよそれ……! みなるんをセンターにするために、幾らつぎ込んだと思ってるんだよ!」「そうだそうだ」「僕たちがいなけりゃ、とっくにセンター取られてるよ?」「そうだそうだ」と、負けじと本音をぶちまけるファンも凄い。

 ネットで匿名をいいことに本音をさらけ出す人は多くいるかもしれないが、白昼ファンが本人を取り囲んで文句を浴びせている様子は、荒れた地下アイドルの現場のよう。

 売れている「国民的アイドル」を取り囲む人の輪にライト層がまったくいないのが違和感の原因だと思うが、「人気」を表現するのは意外と難しい。

■武田信玄の鎧まで持参してる健さん

 そして再度心を閉ざしかけたみなるんを元気付けるため、恒例の健さん変装タイム。今回、古めかしく、さほど大きくもないトランクから出てきたのは、なんと武田信玄を思わせる鎧兜と衣類一式。腰には刀まで装着していたから、それも入っていたのだろう。もう絶対に収まる寸法ではないのだが、一体トランク内はどんな宇宙が広がっているのか。

 例によって、入っている他の服を撒き散らしながらトランク内を探すシーンでも、途中サンタの衣装らしきものをほっぽり投げていた。みなるんの薄着の私服から考えるに季節は夏前後だろうに、冬物までも押さえているのはさすがだ、というか怖い。

 怖いといえば、夜中に旅館内を鎧を着た男がうろついてるのに平然と後を追っかけるみなるんも怖い。

 普通に考えて超常現象なはずだし、そうじゃなかったとしても、かなり不審者だし、どっちにしろ、かなり怖いはずなのに。ファンへの対応といい、度胸が凄い。

 そして、鎧武者を追いかけていくと、そこにはオタ仲間らしき数人とサイリウムを両手にオタ芸(サイリウムダンス)をする健さんが。おそらく早着替えで鎧を脱いだのだろうが、たかだかこのためだけに鎧を着てまでみなるんを導くという発想が凄い。

 この健さんの熱意が届いたのか、みなるんも本域で踊り出し、アイドルとしてやっていこうという気持ちを取り戻すのだが、この時のみなるんのダンスが普通にかっこいい。ここだけで終わらせるのももったいないから、どこかで披露してしっかり成仏させてあげてほしい。

 

■フェイクドキュメンタリーという設定は後付け?

 ちなみに、みなるんはいわば俳優・遠藤憲一の同業者にあたるわけだが、どちらもお互いのことを知らなかったし、「えーー? まさか遠藤憲一さん!?」的なカタルシスも最後までない。

 フェイクドキュメンタリーとして見せようとしながらも、メーンのドラマ本編でまったく「遠藤憲一」的要素が入らないのは、あくまで流れ者の仲居ドラマとして撮った完全なフィクションに、何か事情があって後から頭とお尻にドキュメンタリー部分を付け足したのだろうか?

 そう思ってしまうくらい「ドキュメンタリー」部分と「ドラマ・フィクション」部分が断絶している。今後、種明かしがあるのだろうか?

 

■説明するほどでもない宿の情報を疑似体験

 今回も、「良さげな抹茶が出てくる」とか「ロースルロイスで送迎」とか「マシュマロを焼いて食べられる」とか(食べ放題らしく、ゆで卵やポップコーンも)、ドラマの中で実在する旅館の情報がさりげなく差し込まれており、行ったこともないのに見ているだけで旧知の宿に思えてくる。

 温泉(旅館)の贅沢なプロモーションビデオとして楽しむのも正解なのかもしれない。

 今回は女性の入浴シーンが踏み込んでいて、成宮潤というセクシー系の女優は、ぼかしていたとはいえ生尻まで披露していた。今や地上波ではなかなか見られなくなったお色気シーン。

 旅情だけでなく、そんな部分でも昭和を味わせてくれた。

 次回は南海キャンディーズのしずちゃんがマドンナで登場します。面白そう。
(文=柿田太郎)

 

『さすらい温泉 遠藤憲一』つげ義春も通った北温泉旅館 天狗の鼻に弄ばれる山口紗弥加がエロすぎた!

 役者を引退し、さまざまな名湯に派遣され仲居として働く遠藤憲一。そんな「脱・今の生活」を成し得た役者の遠藤憲一改め仲居の中井田健一が、時間が止まったような温泉地を舞台に儚い夢のような物語と、その温泉宿の情報や押し付けがましくなく見せてくれる、ちょっと変な番組『さすらい温泉 遠藤憲一』(テレビ東京系)。

 主に冒頭と終わり部分をフェイクドキュメンタリーとして見せつつも、基本はしっかりと「ドラマ」。第2話はその筋では有名な奥那須・北温泉(栃木県)を「さすらい」ます。

(前回までのレビューはこちらから)

 

■遠藤憲一の同級生が暴露

 今回は冒頭のドキュメンタリーチックなパートに、遠藤の中学の同級生(現在は社会科教師)が登場。遠藤が歴史や漢字にかなり疎いことなどプライベート情報を暴露する。

 遠藤が大河ドラマに出るたびに、その都度、歴史についてレクチャーしてあげてるのだという。

 この後、奥那須を行く遠藤が、その地の歴史や由来を渋い声で語るのだが、直前の「暴露」のおかげで「知ったかぶり」に見えてしまい、なんだか微笑ましい。基本このドラマでの遠藤は三枚目だ。

 ちなみに遠藤が最初に立ち寄った奥那須の名所・殺生石は「京の都を荒らした九尾の狐がこの地で退治され石になったと言われている」場所だが、この「九尾の狐」は漫画『うしおととら』(小学館)のあのラスボス・白面の者のモチーフ。

 石の周りからは絶えず火山ガスが出ており、いやが上にも温泉気分が盛り上がる。

 

■1,200年前からある温泉

 そして到着したのは奥那須・北温泉旅館。1,200年前に天狗が発見したとされる温泉と、江戸、明治、昭和と増築を重ね、迷路のように伸びた木造建築が得も言われぬ雰囲気を醸し出す秘湯。

 中井田(遠藤)が到着すると、若い女性の仲居・森本千秋(鮎川桃果)が出迎える。第1話と同じく中井田は「健さんと呼んでください」とアピール。

 さらに同じく第1話でも披露された「極上のおもてなしを……(提供します)」という健さん渾身の決めセリフに「こちらです」と、ぶった切るように言葉を被せ、奥へ消えてゆく森本が可愛くもどこか不気味でいい。

 決めセリフの腰を折られ、不安げな健さんの表情もいい。建物の作りだけでなく、精神的にも迷路に入りこんだかのよう。

 巨大な天狗のお面がいくつも壁に飾られた独特すぎる内湯(天狗の湯)に浸かる健さん。

「源泉の湯量が豊富」「鉄分を含んだ単純泉」「子宝の湯」であることなどをさりげなく心の声で教えてくれる。気持ちよさそうな温泉シーンは、やはりこのドラマの主役だ。

 

■官能小説家が似合う山口紗弥加

 そんな浮世離れした宿で今回出会ったのは官能小説家・艶口さやか(山口紗弥加)。部屋にこもって執筆に励むも、筆が進まず編集者にせっつかれている。今回も出会ってすぐ、このマドンナに惹かれる健さん。恋多き仲居。

 妖艶な魅力溢れる艶口だが、実は男性恐怖症で、過去のトラウマから男性の体に触れることができず、それがプレッシャーとなり作品が書けなくなっているという。

 これは旅館の敷地内にある鬼子母神に祀られてる男根を模した彫刻に、艶口が触れないことから発覚したのだが、雑誌(週刊プロレス別冊)の表紙になってる本間朋晃(新日本プロレス)すら触れないくらいだから、かなり重症だ。

 艶口は悩みを打ち明ける前に健さんを混浴に誘い、自身を「荒治療」をしようとしていたのだが、結局健さんに触れることもできず失敗に終わった。映画『座頭市』(1989)での勝新と樋口可南子くらい濃厚な温泉での濡れ場を期待したのだが残念。

 だが「私もう無理だあ」「元から無理だったんだよね。才能ないの気付いてたし」と、はにかむように告白する艶口の姿もとても可愛らしかった。

■天狗姿で夜這いする健さん

 ここで我らが健さんが一肌脱ぐ。毎度恒例、唯一持参した古ぼけた小さなトランクから、なぜか出てくる、その時に必要な「こんなものまで持ってきてたの?」的な衣装が今回も登場。

 深夜、艶口が目を覚ますと布団の上に覆いかぶさっていたのは、いかつい真っ赤な天狗。

 しかもよく見ると天狗の顔はお面でなく、艶口を射抜くように伸びた鼻とぼうぼうの眉毛以外は、健さんの地肌。肌を真っ赤に塗っているのだ。普通にとても怖い。黒光りならぬ赤光りする肌の男が暗い部屋で自分にまたがり、無言で見つめてくるのだ。『水曜日のダウンタウン』(TBS系)でやりそうなドッキリだが、実際は死ぬほど怖いはず。

 ここで、男根のごとく伸びた鼻で艶口の輪郭を焦らすように撫で始めるエロ天狗。さらにその鼻は艶口の桃のごとき2つの膨らみをなぞり、そしてその下の秘境へと這い降りる。

 顎を突き上げ、身悶えしながら吐息を漏らす艶口。そして、散々喘いだあとに「……健さん?」と、ようやく気づく。得体の知れないUMA相手に、あんなに感じていたのが逆に凄い。この時、健さんの本当の「鼻」は固くなっていたのだろうか?

 さらに健さん天狗は「鼻を触って」と真顔で指示。ウイスパーボイスで、とんちんかんなことを言う面白さ。

 しかも隠語ではなく、まんま鼻(作り物)を触ってという意味。上の鼻だが、それでもエロい。だが、それすら触れない艶口を天狗が説き伏せる。

「恐れずに」

「……これでいいの?」

「それでいい!!」

 ど、どれ??

 私の声はもちろん二人には届かない。

 ここで健さん天狗は、官能小説の一節のように今の状況を語れと艶口に指示。

「私はその屹立した天狗の鼻にそっと触れた。逞しく猛々しい天狗に鼻に指を這わせる。今までの恐れは消え、愛おしさすら覚え始めていた……」

 この時「素晴らしい」と喜ぶ天狗の口元が緩み、中から白い歯がずらりと現れるのだが、ものすごく怖かった。

 薄暗い部屋の中で、そこにある何よりも明るく光る歯。艶口の肌より白い生々しい輝き。長く伸びた鼻なんかよりよっぽど怖い。

 絶頂に達したように深い呼吸をした艶口がゆっくり目を開けると、もはや天狗の姿はどこにもなかった。翌日、憑き物が取れたようにすっきりした顔で旅館を後にする艶口。

「今度はゆっくりサービスしてあげるから」と、いたずらに笑う姿は、今までと違っていた。

 

■第2話に感じた、つげ義春的世界

 今回は、前回のお人好しな「寅さん」的雰囲気ではなく、不安定な場所に迷い込んだ「つげ義春」的空気を強く感じた。

 そもそもこの北温泉旅館は、つげのお気に入りで、何度も足を運んだり作品にも登場させたりしている「ゆかりの地」。

 しかも映画『無能の人』(1991)にも登場していた「かんべちゃん」こと神戸浩が、今回謎のキャラで物語内を徘徊しており、これが余計に「つげ」感を増幅していた。

 最近では映画の『テルマエ・ロマエ』(2012)で上戸彩の実家として登場したりして観光客が増えたためか、脱衣所や通路が綺麗になったりして、一部の人からやや残念がられているが、それでも世間から取り残されたような存在感は健在。

 同じテレ東の深夜ドラマ『日本ボロ宿紀行』では味のあるB級宿泊施設を愛情を込めて「ボロ宿」と呼んでいるが、それに通じる愛され方をしている。

 このドラマを見ると温泉に入りたくなるのはもちろんなのだが、入ったかのようなリフレッシュ感も味わえる。

 平日深夜の30分で気軽に味わえる極小旅行として、これからの回も期待したい。
(文=柿田太郎)

西島秀俊、もう民放プライム帯の連ドラ主演は無理? まさかのテレ東深夜ドラマに出演!

 大物俳優・西島秀俊が4月期にテレビ東京系「ドラマ24」枠(金曜深夜0時12分~)の連続ドラマ『きのう何食べた?』で、内野聖陽とダブル主演を務めることが分かり、周囲を驚かせている。

 同作は、よしながふみ氏の同名漫画が原作。2LDKのアパートで同居する、料理上手で几帳面、倹約家の弁護士・筧史朗(西島)と、その恋人で人当たりの良い美容師・矢吹賢二(内野)の毎日の食卓を通して浮かび上がる、男2人暮らしの人生の機微や、ほろ苦くて温かな日々をリアルに描いた作品だ。

 深夜ドラマとはいえ、同枠では、昨年10月期には、グルメドラマ『忘却のサチコ』で高畑充希が主演、今クールではデリヘルを舞台にした『フルーツ宅配便』(濱田岳主演)が放送されるなど、意欲的な作品が続いている。

 西島は2013年のNHK大河ドラマ『八重の桜』で、主人公・八重(綾瀬はるか)の兄・山本覚馬役を演じて、大ブレーク。特に熟女層から絶大な支持を受けるようになった。

 その後は、香川照之とのコンビで、『MOZU』シリーズ(14年/TBS系、WOWOW)、『流星ワゴン』(15年/TBS系)で主演し、自身のポジションを上げていった。

 ところが、同10月期に主演した『無痛~診える眼~』(フジテレビ系)が第4話で5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)割れを記録するなど、全話平均7.9%と大爆死。

 これを契機に、民放からは“主演オファー”がとだえ、連ドラで主演を務めたのは、17年6月から8月にNHK総合で放送された『ブランケット・キャッツ』のみ。民放では、“脇役”しか回ってこなかった。そのため、今回の『きのう何食べた?』は、テレ東深夜枠とはいえ、3年半ぶりの民放連ドラでの主演となる。

「『無痛』は、当時視聴率がドン底にあえいでいたフジのドラマとあって、不運もあったと思います。ですが、準主役で出演した『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(17年/フジテレビ系)、『奥様は、取り扱い注意』(同/日本テレビ系)での演技が高評価を得て、主役にはこだわらない考えに変わったのではないでしょうか。そうでなければ、現在オンエア中の『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)で、若手の高畑の引き立て役に回るオファーなんて受けないと思われます。『きのう何食べた?』では、新たな西島の一面が見られそうで、役の幅も広がるのではないでしょうか」(芸能関係者)

 連ドラではないが、2夜連続スペシャルドラマ『名探偵・明智小五郎』(テレビ朝日系/放送日未定)での主演も決まった西島。存在感がある俳優だけに、今後は主役、脇役にこだわらず活躍してほしいものだ。
(文=田中七男)

西島秀俊、もう民放プライム帯の連ドラ主演は無理? まさかのテレ東深夜ドラマに出演!

 大物俳優・西島秀俊が4月期にテレビ東京系「ドラマ24」枠(金曜深夜0時12分~)の連続ドラマ『きのう何食べた?』で、内野聖陽とダブル主演を務めることが分かり、周囲を驚かせている。

 同作は、よしながふみ氏の同名漫画が原作。2LDKのアパートで同居する、料理上手で几帳面、倹約家の弁護士・筧史朗(西島)と、その恋人で人当たりの良い美容師・矢吹賢二(内野)の毎日の食卓を通して浮かび上がる、男2人暮らしの人生の機微や、ほろ苦くて温かな日々をリアルに描いた作品だ。

 深夜ドラマとはいえ、同枠では、昨年10月期には、グルメドラマ『忘却のサチコ』で高畑充希が主演、今クールではデリヘルを舞台にした『フルーツ宅配便』(濱田岳主演)が放送されるなど、意欲的な作品が続いている。

 西島は2013年のNHK大河ドラマ『八重の桜』で、主人公・八重(綾瀬はるか)の兄・山本覚馬役を演じて、大ブレーク。特に熟女層から絶大な支持を受けるようになった。

 その後は、香川照之とのコンビで、『MOZU』シリーズ(14年/TBS系、WOWOW)、『流星ワゴン』(15年/TBS系)で主演し、自身のポジションを上げていった。

 ところが、同10月期に主演した『無痛~診える眼~』(フジテレビ系)が第4話で5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)割れを記録するなど、全話平均7.9%と大爆死。

 これを契機に、民放からは“主演オファー”がとだえ、連ドラで主演を務めたのは、17年6月から8月にNHK総合で放送された『ブランケット・キャッツ』のみ。民放では、“脇役”しか回ってこなかった。そのため、今回の『きのう何食べた?』は、テレ東深夜枠とはいえ、3年半ぶりの民放連ドラでの主演となる。

「『無痛』は、当時視聴率がドン底にあえいでいたフジのドラマとあって、不運もあったと思います。ですが、準主役で出演した『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(17年/フジテレビ系)、『奥様は、取り扱い注意』(同/日本テレビ系)での演技が高評価を得て、主役にはこだわらない考えに変わったのではないでしょうか。そうでなければ、現在オンエア中の『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)で、若手の高畑の引き立て役に回るオファーなんて受けないと思われます。『きのう何食べた?』では、新たな西島の一面が見られそうで、役の幅も広がるのではないでしょうか」(芸能関係者)

 連ドラではないが、2夜連続スペシャルドラマ『名探偵・明智小五郎』(テレビ朝日系/放送日未定)での主演も決まった西島。存在感がある俳優だけに、今後は主役、脇役にこだわらず活躍してほしいものだ。
(文=田中七男)

連ドラ初主演の真木よう子、事務所移籍後の初主演は大丈夫? 初回視聴率5%割れで早くも窮地

 昨年9月、個人事務所から大手事務所レプロエンタテインメントに移った真木よう子が、『よつば銀行 原島浩美がモノ申す!~この女に賭けろ~』(テレビ東京系)で移籍後初の連ドラ主演を務めているが、早くも窮地に陥ってしまった。

 同ドラマは21日に放送開始したが、本来“演技派”であるはずの真木のセリフがまるっきりの“棒読み”で、「いったいどうしたの?」と視聴者が不安になるありさま。さらに、初回視聴率は4.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、プライム帯では禁断の5%割れでの最悪スタートとなり、先行きに暗雲が立ち込めてしまった。

 同作は漫画『この女に賭けろ』(作・周良貨、画・夢野一子/講談社)が原作。「よつば銀行」を舞台に、頭取・鳩山英雄(古谷一行)の女性行員積極登用策の一環で、業績不振の台東支店に営業課長として抜擢されたトラブルメーカー・原島浩美(真木)が、上司であろうと取引先であろうと臆せずに放つ「恐れながら申し上げます」を決めゼリフに、支店の立て直しを手掛け、上り詰める姿を描いた作品だ。

 真木は2017年7月期に主演した『セシルのもくろみ』(フジテレビ系)が初回で5.1%しか取れず、大爆死スタート。自身のTwitterで、ドラマを見てくれるよう過剰な宣伝をして炎上。さらにクラウドファンディングで資金を集めて、フォトマガジンを制作し、「コミックマーケット」で販売する意向を表明したところ、「コミケはそういう場所ではない」などとしてバッシングを受け、この計画は中止。結局、同ドラマは平均4.5%と大コケした。

 失意の真木は同11月、出演予定だった映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』を体調不良名目で降板するなど迷走し、“トラブルメーカー”という、ありがたくない呼ばれ方をされるようになってしまった。

 その後、昨年1月、当時所属していたフライングボックスから独立したが、個人事務所では、なかなか思うように仕事が獲得できなかった。

 そんな閉塞状態の中、レプロに籍を置いたことで、早々にNHK総合のスペシャルドラマ『炎上弁護人』(同12月15日放送)で主演。そして、『この女に賭けろ』での主演のチャンスをつかんだが、今回の作品が評価されないと、『セシルのもくろみ』での黒歴史は、そう簡単に払拭できそうにない。

「真木のセリフ棒読みは、お堅い役ということで、やらされているのでしょうが、印象はよくないですね。演出面の失敗ですから、改善した方が得策。『この女に賭けろ』が放送されている、テレ東の『ドラマBiz』は硬派のビジネスドラマ枠で、『金8』ドラマのように数字は取れていません。唐沢寿明が主演を務め、ブレーク中の広瀬アリスがヒロインに起用された、前クールの『ハラスメントゲーム』でさえ初回は5.2%。その後も5%前後をウロウロしました。従って、テレ東も視聴率的には過度な期待はしていないでしょう。ただ5%割れを連発されると、スポンサー筋から苦情がくるでしょうね。ましてや、共演陣も、古谷のほか、関ジャニ∞・丸山隆平、寺脇康文、柳葉敏郎、片桐はいり、矢島健一、木下ほうか、元乃木坂46・西野七瀬らが名を連ね、この枠にしては豪華メンバーで経費がかかってますから、悪くても5%はキープしてもらいたいはず」(テレビ誌関係者)

 真木としては、せっかく表舞台に戻ってきたのだから、『この女に賭けろ』で“復活”ぶりをアピールしたいところ。ドラマはまだ始まったばかりだけに、ここから巻き返して評価を上げてほしいものだが……。

(文=田中七男)

北川景子と高畑充希が同率2位、真木よう子はワースト1位! 1月期ドラマ初回ランク

2019年1月期の連続ドラマ(民放の午後8~10時台)がそれぞれスタート。初回視聴率ランキングの首位は沢村一樹主演の『刑事ゼロ』(テレビ朝日系)で、14.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を獲得した。

 テレビ朝日では、シリーズやSPドラマも放送された人気作『DOCTORS~最強の名医~』で、主人公の天才外科医役を好演した沢村。今回は20年間の記憶を失った“ゼロ状態”の刑事(京都府警捜査一課・時矢暦彦)役で、記憶を失う前の“デキる男”と、現在の“ビビリ男”を演じ分けるという。14.7%という数字は、1999年に始まった木曜ミステリー枠の新シリーズとしては、“初回の歴代最高視聴率”をマーク。しかし、第2話は10.5%と大幅ダウン、早くも暗雲が立ち込めている。沢村といえば、17年の主演作『ユニバーサル広告社~あなたの人生、売り込みます!~』(テレビ東京系)が平均4.0%(全7話)と大コケし、昨年夏の主演『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(フジテレビ系)は平均10.6%と、ギリギリ2ケタのラインだった。『刑事ゼロ』は、『DOCTORS』のようなテレ朝のヒットシリーズに仲間入りできるのか、最終回まで注目が集まる。

 北川景子主演『家売るオンナの逆襲』(日本テレビ系)と、高畑充希主演『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)は12.7%で2位に登場。『家売るオンナの逆襲』は16年7月期に放送され、「私に売れない家はない」が合言葉の天才的不動産屋・三軒家万智がさまざまな手法で“家を売りまくる”痛快ストーリー。北川が無表情かつ機械的な話しぶりの独特なキャラクターを好演し、話題となった。前作に続いて工藤阿須加、仲村トオル、千葉雄大、イモトアヤコらがキャストに名を連ね、初参加の松田翔太が三軒家のライバルとなる留守堂謙治を演じている。2話で12.9%に上昇し、初回12.4%、2話10.1%だった第1シリーズを上回る勢いをみせている。視聴者からは、「続編でつまらなくなるドラマが多いけど、これは前作に匹敵するぐらい面白い」との声もあり、2ケタ台のキープは手堅い様子。

 同じく2位の『メゾン・ド・ポリス』は、新人刑事の牧野ひより(高畑)が、退職警察官だけが住むシェアハウス「メゾン・ド・ポリス」の“おじさま”たちに振り回されながら、一緒に事件を解決していく1話完結の刑事ドラマ。加藤実秋氏の小説『メゾン・ド・ポリス』シリーズ(角川文庫)が原作で、共演は西島秀俊、近藤正臣、角野卓造、小日向文世、野口五郎など。ネット上では「登場人物のキャラが立ってるし、話も面白い」「おじさまたちが良い味出してる」と高評価のようだ。2話は12.4%に下がったものの、ひとまず12%台は維持した。

 続いては、下位3作品をご紹介。北大路欣也が主演を務め、テレビ東京のドラマ初出演となる風間俊介、上白石萌音が脇を固める『記憶捜査~新宿東署事件ファイル~』と、坂口健太郎主演の『イノセンス~冤罪弁護士~』(日本テレビ系)は、いずれも初回8.3%で幕を開けた。テレビ東京系の人気シリーズ『三匹のおっさん』と同枠で始まった『記憶捜査』は、前期の寺島進主演『駐在刑事』の初回10.1%を下回る結果に。

『イノセンス~冤罪弁護士~』は、タイトル通り“冤罪”の犠牲となった人々を救う弁護士たちの物語。川口春奈、藤木直人、杉本哲太、趣里らが出演している。この土曜ドラマ枠は、午後9時台で長らく放送されていたが、17年4月に午後10時台に移動。以降、同枠ドラマには、ジャニーズ事務所所属のタレントが出演してきたが、『イノセンス』はジャニーズがレギュラー登場しない初めての作品。その意味でも、今作の成績はジャニーズ起用の是非を問う一つの指針になるだろう。

 今期、大爆死の4.6%だったのは真木よう子にとって事務所(レプロエンタテインメント)移籍後、初の地上波での連ドラ主演作となる『よつば銀行 原島浩美がモノ申す!~この女に賭けろ~』(テレビ東京系)。真木演じる主人公(原島浩美)が、業績不振にあえぐ「よつば銀行」台東支店を立て直す痛快ストーリーで、関ジャニ∞・丸山隆平、塚本高史、寺脇康文、柳葉敏郎、元乃木坂46・西野七瀬らが出演。オープニングテーマは関ジャニ∞と同じくジャニーズ事務所のNEWSの楽曲「トップガン」が起用され、NEWS・加藤シゲアキが第3話にゲスト出演する。

 放送時間帯は、昨年4月に始まったテレ東のビジネスドラマ枠「ドラマBiz」(10時台)。同枠はスタート後から低迷が続き、前期の唐沢寿明主演『ハラスメントゲーム』は初回5.2%で最下位に。全9話の平均も4.9%で終わり、「ドラマBiz」は初回・平均視聴率ランキングともに“安定のビリ”が定番になりつつある。トップの『刑事ゼロ』とはおよそ10%もの差がついてしまった『よつば銀行 原島浩美がモノ申す!』だが、2話以降は2ケタに上昇し、巻き返しを図れるだろうか。

【2019年冬ドラマ(午後8~10時台、民放5局)初回視聴率一覧】

1位『刑事ゼロ』(テレビ朝日系・木曜午後8時) 14.7%
2位『家売るオンナの逆襲』(日本テレビ系・水曜午後10時) 12.7%
2位『メゾン・ド・ポリス』(TBS系・金曜午後10時) 12.7%
4位『トレース~科捜研の男~』(フジテレビ系・月曜午後9時) 12.3%
5位『ハケン占い師アタル』(テレビ朝日系・木曜午後9時) 12.1%
6位『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系・日曜午後10時30分) 10.2%
7位『グッドワイフ』(TBS系・日曜午後9時) 10.0%
8位『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』(フジテレビ系・木曜午後10時) 9.3%
9位『後妻業』(フジテレビ系・火曜午後9時) 8.7%
10位『初めて恋をした日に読む話』(TBS系・火曜午後10時) 8.6%
11位『記憶捜査~新宿東署事件ファイル~』(テレビ東京系・金曜午後8時) 8.3%
11位『イノセンス~冤罪弁護士~』(日本テレビ系・土曜午後10時) 8.3%
13位『よつば銀行 原島浩美がモノ申す!~この女に賭けろ~』(テレビ東京系・月曜午後10時) 4.6%

※昨秋から2クール連続で放送中の『相棒』(テレ朝系)は対象外とする。

『さすらい温泉 遠藤憲一』テレ東深夜に連なる、新たな「フェイクドキュメンタリー」の系譜

 あの遠藤憲一が、役者を引退して温泉宿で仲居として働くらしい……なかなか奇抜なビッグニュースが飛び込んできた。

 その真偽を確かめるべく遠藤にカメラが密着、そこに映るのは、温泉街で起こるさまざまな人間ドラマに、前のめりに首を突っ込む遠藤の姿。またしても一癖ありそうなテレ東深夜ドラマ『さすらい温泉 遠藤憲一』の第1話。振り返りましょう。

 

■フェイクドキュメンタリーである必然性は?

 番組は、遠藤本人への直撃取材からはじまる。

「遠藤さんが俳優を引退されるって聞いたんですけど」

 真意を問う番組ディレクターの質問を無視して、旅支度を進める遠藤。ドキュメンタリーであることを強調した導入部分だ。

 野暮を承知で言わせていただくなら、遠藤は現実では役者も辞めないし、温泉で働きもしない。現実とフィクションが交錯するいわゆるフェイクドキュメンタリーと呼ばれる手法。

 この手法は、テレ東深夜ではお馴染みで、『山田孝之の東京都北区赤羽』や『山田孝之のカンヌ映画祭』、斎藤工が芸人を目指した『マスクメン』、そして、それこそ同じ遠藤が本人役で出演した『バイプレイヤーズ』などもこれに含まれる。

 番組名に「遠藤憲一」の文字がデカデカと入っているのも、本人のままであると強調するためだろう。

 しかし、この冒頭の「前フリ」パート以降、ドキュメンタリー的な見せ方は影を潜める。

 草津の温泉宿(奈良屋)に着くなり、そこの番頭に「温泉宿専門、仲居派遣サービス・エンスタワーから参りました、中井田健一です」と自己紹介する遠藤。

 宿の従業員らも、彼があの「遠藤憲一」であると気づく様子もなく、これ以降、中井田健一を主役とした「温泉を舞台にした人情ドラマ」が進む。

 1話見ただけで言うのもなんだが、今のところこの作品における「ドキュメンタリー」部分の必要性は、他のテレ東のフェイクドキュメンタリー番組に比べると低いと思われる。

 他の番組(『山田孝之の~』や『バイプレイヤーズ』など)は、それが本人である必然性があるのだが、この番組は「中井田健一」と名乗って以降、彼が「遠藤憲一」本人であるとする見せ方は特になく、ドラマ終了後に、再び冒頭のディレクターが遠藤にインタビューするごく短いくだりはあるものの(やはり質問には答えない)、完全にドラマパートとフェイクドキュメンタリーパートが別れている。

 この見せ方が今後どんな効果を生むのか。

 

■「健さん」と呼ばれたがる遠藤

 遠藤、いや中井田は、自己紹介時に必ず「健さんと呼んでください」とアピールしており、意図的に違う自分になろうとしているようにも見える。

 しかも、さっそく奈良屋で働き出すのだが、その所作は昨日今日仲居を始めた人間のこなれ方ではなく、もはや長年役者と二足の草鞋を履いていたかのような、こなれっぷり。得体が知れない。

 ちなみに、温泉の効能や男湯女湯が入れ替わる時間など、実在する奈良屋の説明を中井田……いや健さんが働きながらしてくれるのだが、温泉ロケ番組でリポーターから情報を説明されるよりも、ドラマの中でさりげなく(というか、あからさまな、でもあるが)情報に触れさせられる方が、遠藤の色気溢れる声のおかげもあって押し付けがましくなく、聞いていて心地よい。

 これはフェイクドキュメンタリーにしているからこそ許される見せ方だろう。普通のドラマで宣伝の強い台詞やナレーションが入ったら興醒めしてしまうはずだ。

 そして、健さんは実に気持ちよさそうに風呂に入る。

 いや、実際気持ちいいのだろうが、グラビアアイドルとかでもないのに、その入浴っぷりについ見入ってしまうほど「画がもつ」。女性ファン的には、やはりたまらないのだろうか?

■寅さんばりに、すぐ恋に落ちる

 今回、健さんが恋に落ちる相手は、ともさかりえ演じる、同じく仲居である富永理恵。

「今回」と、毎回恋に落ちるような決めつけで書いたが、初回を見るとその可能性は実に高そう。今回も出会って15秒で「落ちて」いたほど。

 富永の入浴シーンを妄想する健さん。

 富永と2人でお使いに出かけるため、番頭に嘘をつく健さん。

 富永に借りたハンカチの匂いを嗅ぎ、ニヤニヤする健さん。

 冒頭のドキュメンタリーシーンで、ディレクターに冷たく当たっていた人物とは思えないほどの3枚目ぶり。

 富永に子どもがいるとわかっても、富永の罪な態度(「健さんみたいな優しい人がパパならあの子も幸せなのに……」)が、健さんを俄然燃え上がらせる。旦那とは別居中らしい)。

 だんだんテレ東の深夜ドラマを見てるのか『男はつらいよ』を見てるのか、わからなくなってくる。

 特に、富永の幼い子ども(勇介=五十嵐陽向)と触れ合いながら「母ちゃんにさ、『健さんに親切にしてもらった』って伝えんだぞ?」と真顔で伝えるシーンや、富永と上手くいっていると勘違いして、大声で歌(草津よいと~こ~)を歌いながら仕事(湯もみ)しちゃうシーンなど、その純粋さや「大人げなさっぷり」が、強く『寅さん』を感じさせた。

 

■4次元ポケットのようなトランク

 そして、クライマックス。

 実は富永の夫は刑務所に入っているのだが、豪華客船の船長で、ずっと航海に出ていると聞かされてる勇介のために、船長のような上下白いスーツと制帽を身につけ、まだ見ぬ父親役を買って出た健さん。

「お前のお父さんだよ」

「嘘だ。お母さんと一緒に働いてるじゃん」

 いきなり撃沈しかけるも、

「父さんは、世界のどの海の上にいても、お前のこと思ってる」

「強くなって母さんのこと守ってやるんだ」

「俺がいない時はお前が家族の船長だ」

 熱い畳みかけで子どもの心をつかみほぐし、励ました。

 このときの船長の衣装が、なぜか健さん唯一の荷物である古びたトランクから出てくる出てくるのだが、この「そんな物まで詰め込んでたの?」という驚きが毎回見どころのひとつのようだ。

 そういえば、遠藤憲一として冒頭で直撃インタビューされているとき、衣装さんらしきスタッフと荷物の確認をしていた。

 ドラえもんの4次元ポケットや21エモンのなんでも入るバッグのような存在を思わせる、健さんの古ぼけたトランク。

 中からどんな「こんなものが?」が飛び出すのか次回以降楽しみだ。

 

■奈良屋のお湯に「無料」で入る方法

 いじめられてる子どもの精神的ケアもしてあげ、いよいよ告白というタイミングで、「来月旦那が出所する」と、うれしそうに富永に伝えられてしまう健さん。失恋具合も見事に寅さん。

 正直、内容的にはよくある話のオンパレードなのだが、「さまざまなしがらみから離れ、人里離れた地で違う自分となって働く」という潜在的な願望が刺激されるからなのか、丁寧な作りも相まって、見ていて陳腐に感じることはない。

 温泉に浸かりながら、誰もが描く淡い夢を丁寧に見せてくれつつ、温泉ガイドもしてくれる。

 実在の遠藤憲一が実在の温泉でこれをしてるという「事実」が、このありふれた夢物語を、少しだけ生々しく感じさせてくれる。

 まだ始まったばかりだが、今後どんな効果を生むのか楽しみなドラマだ。

 ちなみに情緒溢れる奈良屋は泊まらなくても1,200円で日帰り入浴もできるし、そもそも近くの無料で入れる白旗の湯(草津最古の湯とされる)のお湯を引いているので、そこに行くのもアリ。

 草津にはこうした無料で入れる浴場が大小10カ所ほどあるので、それらを回るだけでも楽しい。

 次回は、山口紗弥加が、ゲストというかマドンナ。予告では濃厚な濡れ場っぽいシーンも見られたので、ドキドキしながらオンエアを待ちたいと思います。
(文=柿田太郎)

大みそか『紅白』裏番組の視聴率……日テレ『ガキ使』が9年連続民放首位も激落! “ビリ”はテレ朝『0円生活』

 毎年大みそかの夜は、どの番組を見ようかと思案する方も多いことだろう。一昨年末まで、依然『NHK紅白歌合戦』が根強い支持を受け、民放では日本テレビ系『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』シリーズが圧倒的な強さを見せていたが、昨年大みそかの視聴動向はどうだったのか?

『第69回NHK紅白歌合戦』は前半(午後7時15分~8時55分)が37.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、前年比1.9ポイントアップ。後半(9時~11時45分)は41.5%で、2.1ポイント上げて、2年ぶりに大台に乗せた。

 昨年は「特別枠」でサザンオールスターズや、卒業したはずの北島三郎が5年ぶりに出演。シンガーソングライター・米津玄師のテレビ初歌唱などで注目を集め、前年の視聴率を超えた模様だ。

 瞬間最高は白組の2年連続優勝が決まった午後11時42分の45.5%。歌手別では、大トリで登場したサザンの45.3%が最高で、桑田佳祐と松任谷由実の夢の共演がファンを歓喜させたようだ。

 一方、『紅白』の裏となる民放では、日テレ系『ガキの使い!大晦日年越しSP!絶対に笑ってはいけないトレジャーハンター24時』が第1部(午後6時30分~)で14.3%、第2部(9時~深夜0時30分)で12.8%を獲得して、9年連続で民放トップを守った。しかし、前年と比較すると、第1部で3.0ポイント、第2部で3.5ポイントも落とす大幅ダウンとなり、今年の大みそかに向け、不安要素が生じた。

『ガキ使』が数字を落とした分を、ほかの局がうまく拾えたのかというと決してそうでもなかった。民放2位は前年に続き、テレビ東京系『第51回年忘れにっぽんの歌』(午後4時~10時)で8.1%をマーク。前年比0.3ポイントの微減となったが、和田アキ子の初出演などで話題を振りまき、根強い人気を示した。2年連続放送の松重豊主演『孤独のグルメ大晦日スペシャル 京都・名古屋出張編 生放送でいただきます!』(10時~11時30分)は4.0%で、前年より0.6ポイント下がった。

 民放3位は、4年目のフジテレビ系『RIZIN.14』で1ランクアップ。今回はボクシング世界5階級制覇王者で50戦無敗のフロイド・メイウエザーの招へいに成功し、キックボクシングで28戦無敗の“神童”那須川天心との夢の対決が格闘技ファンの注目を集めた。視聴率は第1部(午後6時~)が5.7%、第2部(7時~)が5.0%、第3部(9時30分~)が6.9%、第4部(10時50分~11時45分)が7.5%。前年の最高は第2部(7時30分~9時30分)の6.4%で、メイウエザーVS那須川が生中継された第4部は、1.1ポイントアップとなった。

 2017年まで放送した『KYOKUGEN』のオンエアをやめ、『平成最後の大晦日SP! SASUKE&ボクシング井岡一翔世界タイトルマッチ』で勝負したTBSは、前年の民放最下位から1ランク上げて4位。第1部(午後6時~)が6.5%、世界4階級制覇を懸けた井岡の試合を放送した第2部(7時47分~)は6.9%、第3部(8時52分~)は4.2%、第4部(11時~11時55分)が4.8%。前年の『KYOKUGEN』の最高値は、第1部(6時~)と第2部(7時50分~10時15分)の5.9%で、井岡の試合で1.0ポイント上げた。とはいえ、13年の同番組では、井岡の試合で14.5%の高視聴率をマークした実績があっただけに、“井岡人気”の急落が気になるところ。

 17年は4年目の『くりぃむVS林修! 年越しクイズサバイバー2017』で民放3位だったテレビ朝日系は、人気番組『よゐこの無人島0円生活SP』を11年ぶりに大みそかにオンエアし、勝負に出たが、よもやの民放ビリ。視聴率は第1部(午後6時~)が6.7%、第2部(7時~)が6.2%、第3部(9時~)が5.0%、第4部(11時45分~深夜0時30分)が5.9%。前年の『年越しクイズサバイバー』は、『紅白』とバッティングしない第1部(午後6時~7時)が6.8%で最高だったが、今回も同様の傾向で、かつ前年より0.1ポイント落としてしまった。特番での放送を続けている『無人島0円生活』は常時2ケタをマークしており、07年大みそかには11.8%を獲得した実績があったが、今回は視聴者に響かず、大爆死となってしまった。

 総じて、昨年大みそかは、『紅白』が巻き返して数字を上げて、民放の王者だった『ガキ使』は激落。テレ東は2年連続で健闘を見せたが、ほかの3局は例年とほとんど視聴率が変わらなかっただけに、てこ入れを迫られることになりそうだ。日テレ以外の局には、せめて10%を超える番組を制作してほしいものだが……。
(文=田中七男)