酒井法子、11年ぶり地上波出演! 各局本格復帰にGOサイン?

 酒井法子の11年ぶりの地上波出演が実現。今後の動きが注目されている。酒井が出演したのは27日放送の『THEカラオケバトル』(テレビ東京系)。テレビ関係者が語る。

「酒井法子については、非常に知名度が高いため、起用しようという声は常にありました。ただ、逮捕時の騒動が大きすぎたため、視聴者の反応が読めず、各局とも起用をためらう状況が続いていました。

 しかし今回、一番良い番組で復活したように思います。内容が、『懐メロを本人が歌い、カラオケ採点機で採点する』というユルユルの番組でしたし、司会が大ベテランの堺正章なので、トークも堺に任せておけばOK。騒動には一切触れず、“のりピー語”などを巧みに交えつつ、無難に乗り切っていました。美貌は相変わらずですし、トークはもともとイケる子だったので、本人も他局の制作陣も手応えを掴んだのではないでしょうか」(テレビ関係者)

 番組では、手話をしながら歌うことでも話題になった大ヒット曲『碧いうさぎ』を歌い、90点以上を叩き出した酒井。彼女にとって地上波出演は悲願だったようだ。女性週刊誌の芸能担当記者が語る。

「テレビから完全に消えた後、しばらくはパチンコの営業で稼いでいた酒井ですが、ここ最近はパチンコの営業はしていません。また、中国や台湾で抜群の人気を誇る酒井は、現地でのコンサートやディナーショーで稼いできましたが、今年に入って中国版のツイッター『微博』で炎上騒ぎを起こしたり、チケット代が高すぎて批判が寄せられたりといったトラブルが相次ぎ、そちらの仕事もあまり順調ではありません。番組では11年ぶりの地上波出演について、『地上波来たー!』とおどけた酒井ですが、間違いなく本音だったと思います」(芸能担当記者)

 芸能界と違法薬物と言えば、先日のピエール瀧の件が記憶に新しいが、現在テレビに出ている芸能人の中には、過去に薬物関係で問題を起こしながら、平気な顔をしてテレビに出まくっている人間も少なくない。酒井もそんな流れにならい、一気に“解禁”となるのか?

「現在、テレビのコア視聴者層は40代以上ですから、酒井はピッタリです。使い方を間違えれば炎上は必至ですが、『金スマ』や『爆報!THEフライデー』(TBS系)、『しくじり先生』(テレビ朝日系)など、オファーしたい番組はいくらでもあるでしょうし、『サンデー・ジャポン』(TBS系)や『ワイドナショー』(フジテレビ系)で使うという手もあります。今回の『カラオケバトル』で“地上波もOK”という既成事実ができたので、一気に争奪戦に動くことになるでしょう」(前出・テレビ関係者)

 酒井にとって「マンモスうれP」状況が整いつつあるようだ。

『さすらい温泉』遠藤憲一と元ICONIQが、石崎ひゅーいの演奏で熱唱! 金剛地武志も加わる豪華ユニット

「遠藤憲一が俳優を引退する決意のもと、温泉で派遣の仲居をやっている」という設定のフェイクドキュメンタリー風人情ドラマ『さすらい温泉 遠藤憲一』(テレビ東京系)第10話。

 今回は、改名してなお美人度が加速する伊藤ゆみ(元ICONIQ)がマドンナ。主題歌を担当する石崎ひゅーいの演奏で遠藤とデュエットを披露。振りかえります。

(前回までのレビューはこちらから)

本当の遠藤も温泉好き

 今回も、遠藤のリアル知人に「彼が引退を考えてるらしい」と投げかけるインタビューからスタート。ある知人は「それはない」と否定するが、ある知人は「全然不思議じゃない。あいつだったら辞めちゃいますね」とやけに納得している。

 ただ前回「あんまり驚かないかも、もしそうだったとしても。ていうのは……」と、思わせぶりな編集で終わった知人(伊藤さん)の続きは無し。気になります。

 ちなみに今月発売された本『さすらい温泉 遠藤憲一 極上温泉ガイド』(TAC出版)によると遠藤は本当に温泉好きで、3日くらい休みが続くとすぐ温泉に行くという。

 奥さんの実家が北海道のニセコで温泉だらけとか、昔そこの露天風呂に入ってたらラグビー部の集団が入ってきて、細い身体を見られるのが嫌でのぼせてるにもかかわらず、なかなかお湯から上がれなかったなど、温泉エピソード多し。

 

おしんでも登場する銀山温泉は『千と千尋』のモデル?

 今回の舞台は山形・銀山温泉。

 昨今は大正ロマン溢れる街並みがなんとか映えするらしくさらに人気のよう。

 調べてみるとたしかにテーマパークのような異国感があり、特に夕暮れのトワイライト時に街の灯りが燈ると、一気にその雰囲気は倍増、物語の一場面のよう。

 世に数多とある「『千と千尋の神隠し』のモデルとなった」説がここにもあるのだが、行った人の感想を見ると建物や橋、街灯りなど、近い雰囲気が確かに感じられるよう。

 ちなみに、宮崎先生いわく「いろいろな温泉が入ってて特定のモデルはないけれど、道後温泉は確かに入ってる」と愛媛の道後温泉以外は、特定の地名での明言はしてはいない(第4話で出てきた渋温泉の金具屋旅館もモデルによくあげられる旅館)。

 だが「お墨付き」はなくとも、幻想的な雰囲気や唯一無二の存在感に変わりはない。

 ちなみに劇中でも触れているがこの温泉を一気に有名にしたのはNHKの朝ドラ『おしん』で、おしん(小林綾子・乙羽信子)の母親(田中裕子)がこの温泉街で働いてました。

 

手島優がいざなうテレ東感

 冒頭、女将役の手島優が登場した瞬間、ジブリ気分もおしん気分も吹き飛ぶ。

 何もしなくてもテレ東感が一気に増強される絶妙なキャスティング。もちろん入浴シーンもありました。

 ちなみにマドンナは手島でなく、歌謡歌手をしていた父親の痕跡を探しにやって来た尾藤優美(伊藤ゆみ)。

 健さん(遠藤は仲居の時は中井田健一と名乗っている)と手島女将で優美の身の上話を聞くシーンは、内容といいメンバーといい同局の『じっくり聞いタロウ』を彷彿とさせる。

 そこで提示された父親・ペリー尾藤の写真。古めかしい青いジャケットに蝶ネクタイ、マッシュルームカットでポーズを決める男性。よく見たら金剛地武志。

 配役に何クセかある今回。面白い。

 30年前、歌手として最後に訪れた地であるこの温泉街で、父親がやり残したと語っていたことを知りたいという優美。生前、仲が悪かった分、その思いは強いようだ。

 尾藤父の手がかりを探す中、健さんが道端でギターを弾いていたミュージシャンに声をかけると、なんと番組の主題歌を歌う石崎ひゅーい。

 一瞬のカメオ出演かと思いきや、「ねえ、こけし好き?」と意味深な質問をぶつけてくる。

 実はこの石崎演じる磯崎はこけし職人。

「この子はよしえって言います」

「名前ついてるんだ……」

 巨大なこけしを抱いた磯崎と健さんのやりとりの後ろで固まってる優美。楽しい。

 よしえを生きた赤ん坊のように撫でたり健さんに抱かせたりする磯崎。

 今をときめく菅田将暉やあいみょんとプライベートで演奏したりしてる人なのに、何をしているんだ石崎ひゅーい。

 ちなみに調べてみると『おしん』で、売られていくおしんに母がこけしを持たせてやるシーンがあるのだが、それがここのこけしらしい。

 感動のアイテムが悠久の時を経てコントの小道具に。ここのこけしを指定したという橋田壽賀子先生も驚かれていることだろう。ご覧になっていたらの話だが。

 

遠藤憲一が初歌唱

 磯崎の話によると、磯崎父が実行委員をやっていたという「銀山温泉歌謡ショー」でオーバーブッキングがあったという。チラシに尾藤父の名前はなく、出演したと思い込んでいた優美はショックを受ける。

 健さんは、いつものようになんでも出てくるトランクバッグから取り出した、なぜか持ってるペギー尾藤と全く同じステージ衣装に身を包み、磯崎の演奏で歌い出す。

 父との思い出の曲「見上げてごらん夜の星を」を聞いて優美は思い出す。

 オーバーブッキングした歌謡ショーのスタッフに無下に断られ、引退を決めていた記念のステージを踏めず泣きながら土下座して出演許可を請う父の姿を。

 金剛地武志の「最後のステージ」にこだわる芝居が胸を打つ。

 優美は忘れていたが、その時横で見ていたのだ。頭を地べたに擦り付けて土下座する父の姿を。娘に約束した最後の勇姿を見せられずもがく男の涙を。

 歌う健さんが本物のペギーの姿になっている。幼い優美が笑顔で拍手を送っている。

 そして健さんの姿に戻ったかと思うともう一本のマイクを優美に渡す。デュエットだ。

 感動的なシーンなのだが、驚異的にマッシュルームヘアが似合っていない健さん。爬虫類顔に丸みを帯びたフォルムは収まりが悪いのか、顔だけアイコラみたいに見えてくる。

 だが、そんなことは御構い無しに銀山温泉の夜景をバックに「親子」の歌声が響く。

 ここは最後金剛地武志の姿にしてあげたい気もしたが、えもいわれぬパワーのあるシーン。後藤庸介監督はバックショットを効果的に使いますね。

 さらに、父が亡くなる前に一人で近くの神社を訪れ、絵馬で娘の幸せを願う願掛けをしていたことがわかる。

 父のやり残したことが全て自分のためだったとわかり感無量の優美。

 健さんはほぼ毎回、その地にゆかりのある歌を口ずさんでいるのだが(今回は花笠音頭)、本気の歌は初めてで、わかっていたけどそんなに上手くはない。しかしまっすぐで誠実な歌い方でした。

 そして、ラストは石崎本人によるギター一本での生エンディング演奏。後ろに普通にお年寄りが足湯に入ってるのに、ギターをかき鳴らしシャウト。かっこいい。

 カオスながら感動的な回となった今回。

 そろそろ最終回かと思いきや、月をまたぎつつ、残り2回ある模様。Paraviで過去作も見られるので復習しながら待ちましょう。
(文=柿田太郎)

『さすらい温泉』遠藤憲一と元ICONIQが、石崎ひゅーいの演奏で熱唱! 金剛地武志も加わる豪華ユニット

「遠藤憲一が俳優を引退する決意のもと、温泉で派遣の仲居をやっている」という設定のフェイクドキュメンタリー風人情ドラマ『さすらい温泉 遠藤憲一』(テレビ東京系)第10話。

 今回は、改名してなお美人度が加速する伊藤ゆみ(元ICONIQ)がマドンナ。主題歌を担当する石崎ひゅーいの演奏で遠藤とデュエットを披露。振りかえります。

(前回までのレビューはこちらから)

本当の遠藤も温泉好き

 今回も、遠藤のリアル知人に「彼が引退を考えてるらしい」と投げかけるインタビューからスタート。ある知人は「それはない」と否定するが、ある知人は「全然不思議じゃない。あいつだったら辞めちゃいますね」とやけに納得している。

 ただ前回「あんまり驚かないかも、もしそうだったとしても。ていうのは……」と、思わせぶりな編集で終わった知人(伊藤さん)の続きは無し。気になります。

 ちなみに今月発売された本『さすらい温泉 遠藤憲一 極上温泉ガイド』(TAC出版)によると遠藤は本当に温泉好きで、3日くらい休みが続くとすぐ温泉に行くという。

 奥さんの実家が北海道のニセコで温泉だらけとか、昔そこの露天風呂に入ってたらラグビー部の集団が入ってきて、細い身体を見られるのが嫌でのぼせてるにもかかわらず、なかなかお湯から上がれなかったなど、温泉エピソード多し。

 

おしんでも登場する銀山温泉は『千と千尋』のモデル?

 今回の舞台は山形・銀山温泉。

 昨今は大正ロマン溢れる街並みがなんとか映えするらしくさらに人気のよう。

 調べてみるとたしかにテーマパークのような異国感があり、特に夕暮れのトワイライト時に街の灯りが燈ると、一気にその雰囲気は倍増、物語の一場面のよう。

 世に数多とある「『千と千尋の神隠し』のモデルとなった」説がここにもあるのだが、行った人の感想を見ると建物や橋、街灯りなど、近い雰囲気が確かに感じられるよう。

 ちなみに、宮崎先生いわく「いろいろな温泉が入ってて特定のモデルはないけれど、道後温泉は確かに入ってる」と愛媛の道後温泉以外は、特定の地名での明言はしてはいない(第4話で出てきた渋温泉の金具屋旅館もモデルによくあげられる旅館)。

 だが「お墨付き」はなくとも、幻想的な雰囲気や唯一無二の存在感に変わりはない。

 ちなみに劇中でも触れているがこの温泉を一気に有名にしたのはNHKの朝ドラ『おしん』で、おしん(小林綾子・乙羽信子)の母親(田中裕子)がこの温泉街で働いてました。

 

手島優がいざなうテレ東感

 冒頭、女将役の手島優が登場した瞬間、ジブリ気分もおしん気分も吹き飛ぶ。

 何もしなくてもテレ東感が一気に増強される絶妙なキャスティング。もちろん入浴シーンもありました。

 ちなみにマドンナは手島でなく、歌謡歌手をしていた父親の痕跡を探しにやって来た尾藤優美(伊藤ゆみ)。

 健さん(遠藤は仲居の時は中井田健一と名乗っている)と手島女将で優美の身の上話を聞くシーンは、内容といいメンバーといい同局の『じっくり聞いタロウ』を彷彿とさせる。

 そこで提示された父親・ペリー尾藤の写真。古めかしい青いジャケットに蝶ネクタイ、マッシュルームカットでポーズを決める男性。よく見たら金剛地武志。

 配役に何クセかある今回。面白い。

 30年前、歌手として最後に訪れた地であるこの温泉街で、父親がやり残したと語っていたことを知りたいという優美。生前、仲が悪かった分、その思いは強いようだ。

 尾藤父の手がかりを探す中、健さんが道端でギターを弾いていたミュージシャンに声をかけると、なんと番組の主題歌を歌う石崎ひゅーい。

 一瞬のカメオ出演かと思いきや、「ねえ、こけし好き?」と意味深な質問をぶつけてくる。

 実はこの石崎演じる磯崎はこけし職人。

「この子はよしえって言います」

「名前ついてるんだ……」

 巨大なこけしを抱いた磯崎と健さんのやりとりの後ろで固まってる優美。楽しい。

 よしえを生きた赤ん坊のように撫でたり健さんに抱かせたりする磯崎。

 今をときめく菅田将暉やあいみょんとプライベートで演奏したりしてる人なのに、何をしているんだ石崎ひゅーい。

 ちなみに調べてみると『おしん』で、売られていくおしんに母がこけしを持たせてやるシーンがあるのだが、それがここのこけしらしい。

 感動のアイテムが悠久の時を経てコントの小道具に。ここのこけしを指定したという橋田壽賀子先生も驚かれていることだろう。ご覧になっていたらの話だが。

 

遠藤憲一が初歌唱

 磯崎の話によると、磯崎父が実行委員をやっていたという「銀山温泉歌謡ショー」でオーバーブッキングがあったという。チラシに尾藤父の名前はなく、出演したと思い込んでいた優美はショックを受ける。

 健さんは、いつものようになんでも出てくるトランクバッグから取り出した、なぜか持ってるペギー尾藤と全く同じステージ衣装に身を包み、磯崎の演奏で歌い出す。

 父との思い出の曲「見上げてごらん夜の星を」を聞いて優美は思い出す。

 オーバーブッキングした歌謡ショーのスタッフに無下に断られ、引退を決めていた記念のステージを踏めず泣きながら土下座して出演許可を請う父の姿を。

 金剛地武志の「最後のステージ」にこだわる芝居が胸を打つ。

 優美は忘れていたが、その時横で見ていたのだ。頭を地べたに擦り付けて土下座する父の姿を。娘に約束した最後の勇姿を見せられずもがく男の涙を。

 歌う健さんが本物のペギーの姿になっている。幼い優美が笑顔で拍手を送っている。

 そして健さんの姿に戻ったかと思うともう一本のマイクを優美に渡す。デュエットだ。

 感動的なシーンなのだが、驚異的にマッシュルームヘアが似合っていない健さん。爬虫類顔に丸みを帯びたフォルムは収まりが悪いのか、顔だけアイコラみたいに見えてくる。

 だが、そんなことは御構い無しに銀山温泉の夜景をバックに「親子」の歌声が響く。

 ここは最後金剛地武志の姿にしてあげたい気もしたが、えもいわれぬパワーのあるシーン。後藤庸介監督はバックショットを効果的に使いますね。

 さらに、父が亡くなる前に一人で近くの神社を訪れ、絵馬で娘の幸せを願う願掛けをしていたことがわかる。

 父のやり残したことが全て自分のためだったとわかり感無量の優美。

 健さんはほぼ毎回、その地にゆかりのある歌を口ずさんでいるのだが(今回は花笠音頭)、本気の歌は初めてで、わかっていたけどそんなに上手くはない。しかしまっすぐで誠実な歌い方でした。

 そして、ラストは石崎本人によるギター一本での生エンディング演奏。後ろに普通にお年寄りが足湯に入ってるのに、ギターをかき鳴らしシャウト。かっこいい。

 カオスながら感動的な回となった今回。

 そろそろ最終回かと思いきや、月をまたぎつつ、残り2回ある模様。Paraviで過去作も見られるので復習しながら待ちましょう。
(文=柿田太郎)

菅田将暉『3年A組』が北川景子超え、竹内結子ワースト入り! 1月期ドラマ視聴率ランク

2019年1月スタートの冬ドラマがそれぞれ最終回を迎えた。昨年秋より2クール連続で放送された『相棒 season17』(テレビ朝日系)を除いて、視聴率トップに躍り出たのは、菅田将暉主演の『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)。全10話の平均は11.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だった。

『家売るオンナ』が首位逃す

 同作は、3年A組の担任である柊一颯(菅田)が、卒業まで残り10日と迫る中、29名の生徒を人質にとるところから物語が始まる学園ミステリー。椎名桔平、田辺誠一といったベテラン俳優が脇を固め、生徒役には永野芽郁、今田美桜、上白石萌歌、川栄李奈、福原遥、GENERATIONS from EXILE TRIBEの片寄涼太ら注目の若手キャストが出演。人質をとった理由は、クラスメイト・景山澪奈(上白石)の死の真相に迫るためだったが、謎が謎を呼ぶ展開や、出演者の熱演が話題を呼んだ。初回は10.2%とギリギリ2ケタスタートを切り、13作中6位にランクイン。2話で10.6%、3話は11.0と上昇し、一時は9%台に落ちてしまうも、終盤は11~12%をキープ。最終回は自己最高の15.4%で有終の美を飾った。

 続く2位は、同じく日本テレビ系の作品で、北川景子主演の『家売るオンナの逆襲』。16年7月期に放送された『家売るオンナ』の続編で、今回も北川は「私に売れない家はない」がモットーの天才的不動産屋・三軒家万智を好演した。前作に続いて工藤阿須加、仲村トオル、千葉雄大、イモトアヤコら個性豊かな役者が集まり、新たに松田翔太が加入。初回に12.7%を獲得後、一度も1ケタに落ちることなく10~12%台を行き来し、全10話の平均は11.4%となった。16年の放送時は平均11.6%で視聴率ランク首位に輝くも、新作は数字が微減。全話2ケタで完走したとはいえ、果たして第3弾の制作はあるのだろうか。

 初回視聴率で1位だった沢村一樹主演の『刑事ゼロ』(テレビ朝日系)は、全10話の平均11.3%でベスト3位にランクイン。20年間の記憶を失い、捜査テクニックや刑事としてのノウハウまで消えてしまった、京都府警捜査一課に勤務する“ゼロ状態”の主人公・時矢暦彦(沢村)と、新人刑事・佐相智佳(瀧本美織)がコンビを組んで捜査する物語。初回は14.7%の好スタートを切ったものの、2話で10.5%に大幅ダウンし、8話で初の1ケタ(9.9%)をマーク。結果的に、初回の数字を超えられずに9~12%台を辿り、『3年A組―』『家売るオンナの逆襲』と僅差で3位に。ラストの展開について、視聴者の間では「良い終わり方だった! 続編に期待」「記憶取り戻さなかったから続編確定」との声も出ていた。

 次は、残念ながら視聴率に恵まれなかったワースト3をご紹介。ワースト3位と2位はいずれもフジテレビのドラマで、竹内結子主演『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』が全10話平均6.8%、木村佳乃主演『後妻業』は全9話で6.2%と、それぞれ6%台に留まった。いずれも最高視聴率は初回放送で、『後妻業』については最終回で5.1%という自己最低を記録した。

 なおもう一つ、フジの作品は関ジャニ∞・錦戸亮主演の月9ドラマ『トレース~科捜研の男~』。こちらは全11話だったが、全9話の杉咲花主演『ハケン占い師アタル』(テレビ朝日系)と並ぶ10.6%で4位タイ。錦戸に関しては、放送の途中で一部報道により関ジャニ∞からの脱退疑惑が出るも、視聴率が増減するような影響は見られなかった。

 そして、初回視聴率でも13作中最も低いスタートだった『よつば銀行 原島浩美がモノ申す!~この女に賭けろ~』(テレビ東京系)が、全話平均ランクでもワーストに。同作は真木よう子扮する主人公(原島浩美)が、業績不振の支店を救うべく立ち上がる痛快ストーリーで、関ジャニ∞・丸山隆平、塚本高史、寺脇康文、柳葉敏郎、元乃木坂46・西野七瀬らが出演。オープニングテーマはNEWSの「トップガン」が起用され、第3話にはNEWSメンバー・加藤シゲアキがゲストで登場した。

 放送枠は、昨年4月に始まったビジネスドラマ枠「ドラマBiz」(月曜10時台)で、スタート以降どの作品も苦戦を強いられているだけに、『よつば銀行』の全8話平均4.5%が特別低いわけではない。しかし、前期の唐沢寿明主演『ハラスメントゲーム』(全9話で平均4.9%)に負けたばかりか、今期のテレ東は北大路欣也主演の『記憶捜査~新宿東署事件ファイル~』も放送され、平均6.9%(全7話)で終了している。同作にはジャニーズ事務所の俳優・風間俊介が出ており、奇しくもテレ東の“ジャニーズ出演ドラマ対決”は風間に軍配が上がる形となった。

 一方、ベスト&ワースト3位に入らなかったものの、深田恭子主演で横浜流星、中村倫也、永山絢斗といったキャストが名を連ねたラブストーリー『初めて恋をした日に読む話』(TBS系)は、イケメン3人の胸キュン台詞などが話題を集め、SNS上で人気が爆発。ネット上が沸いても、視聴率はさほど上がらなかったが、最終回は自己最高の9.6%だった。

 4月期は二階堂ふみとKAT-TUN・亀梨和也がW主演を務める『ストロベリーナイト・サーガ』(フジテレビ系)や、山下智久主演『インハンド』(TBS系)、King&Princeの永瀬廉、関西ジャニーズJr.内ユニット・なにわ男子の道枝駿佑と長尾謙杜が出演する古田新太主演『俺のスカート、どこ行った?』(日本テレビ系)など、ジャニーズタレント出演ドラマも豊富だ。女性が主人公の作品は初めての通年放送となる沢口靖子主演『科捜研の女』(テレビ朝日系)や、天海祐希主演『緊急取調室』(同)は第3シーズンに突入。テレ朝のシリーズもの以外では、吉高由里子主演『わたし、定時で帰ります。』(TBS系)と、中条あやみ&水川あさみがタッグを組む『白衣の戦士!』(日テレ系)も注目作の一つだろう。

 初回の視聴率争いでどのドラマがトップに君臨するのか、放送開始を楽しみに待ちたい。

【2019年冬ドラマ(午後8~10時台、民放5局)平均視聴率一覧】

1位『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系・日曜午後10時30分)全10話/11.5%
2位『家売るオンナの逆襲』(日本テレビ系・水曜午後10時)全10話/11.4%
3位『刑事ゼロ』(テレビ朝日系・木曜午後8時)全10話/11.3%
4位『ハケン占い師アタル』(テレビ朝日系・木曜午後9時)全9話/10.6%
4位『トレース~科捜研の男~』(フジテレビ系・月曜午後9時)全11話/10.6%
6位『メゾン・ド・ポリス』(TBS系・金曜午後10時)全10話/10.3%
7位『グッドワイフ』(TBS系・日曜午後9時)全10話/9.7%
8位『イノセンス~冤罪弁護士~』(日本テレビ系・土曜午後10時)全10話/9.1%
9位『初めて恋をした日に読む話』(TBS系・火曜午後10時)全10話/8.5%
10位『記憶捜査~新宿東署事件ファイル~』(テレビ東京系・金曜午後8時)全7話/6.9%
11位『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』(フジテレビ系・木曜午後10時)全10話/6.8%
12位『後妻業』(フジテレビ系・火曜午後9時)全9話/6.2%
13位『よつば銀行 原島浩美がモノ申す!~この女に賭けろ~』(テレビ東京系・月曜午後10時)全8話/4.5%

※平均視聴率は単純平均視聴率(全話合計÷放送回数)。小数点第2位以下を四捨五入。昨秋から2クール連続で放送された『相棒 season17』(テレ朝系)はランキング対象外とする。

視聴率ジリ貧のテレ東 結局、太川陽介&蛭子能収コンビに頼るしかない!?

 太川陽介と蛭子能収の名コンビが今春、本格的に復活することになった。テレビ東京系で4月18日より、レギュラー番組『太川蛭子の旅バラ』(木曜午後6時55分~)がスタートするのだ。

 2人は2007年10月20日にテレ東の『土曜スペシャル』枠で、単発番組として放送開始した『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』でコンビ結成。路線バスを乗り継いで、ゴールを目指す企画もさることながら、2人の掛け合いが人気を博した。視聴率はおおむね2ケタに乗せ、同局では特筆すべき大ヒット番組になった。

 しかし、特に県境などで、バスがつながらず、長距離歩かなければならないことが増え、高齢の蛭子がギブアップ。体力の限界を理由に、17年1月2日の放送回をもって、このコンビは卒業。番組は俳優・田中要次と芥川賞作家・羽田圭介の新コンビにより、『ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z』として引き継がれた。しかし、視聴率は振るわず、いまだに太川&蛭子コンビの復活待望論が根強い。

 同局では、視聴者の要望を踏まえ、同じ『土曜スペシャル』枠での『いい旅夢気分』で太川と蛭子のコンビを復活させ、昨年9月から、同枠で『太川・蛭子のローカル鉄道寄り道旅』を単発で放送していた。

 ただ、一連の番組は、いずれも単発放送だったが、4月から始まる『旅バラ』はレギュラー番組。内容は『ローカル鉄道寄り道旅』のほか、新たな旅企画が進行中だという。
 1度はコンビを解消したはずの2人だが、まさかのレギュラーで本格的に復活させる背景には何があるのか?

「独創的な番組が多いテレ東ですが、視聴率はジリ貧状態です。ヒット番組の『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』も、昨年7月14日、明石家さんまが出演した回では番組史上最高の13.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)をマークし、話題を振りまきました。ですが、その後、出演ゲストがしょぼいこともあって、視聴率は低迷。超売れっ子となった出川のスケジュールを押さえるのが難しくなり、2月23日から3月23日まで、1カ月ものブランクができたほど。また、特番時代は常時2ケタを超え、昨年4月より、月イチレギュラーに昇格した『緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦』もマンネリとネタ切れで、2月3日放送回は7%台に転落してしまいました。そんなわけで、新たな人気番組をつくりたい同局としては、結局、太川と蛭子のコンビに頼らなければならなくなったのでしょう」(テレビ制作関係者)

 とはいえ、『ローカル鉄道寄り道旅』の旅のルールは複雑で分かりづらく、『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』ほどの視聴率が取れていない。これまで、このコンビの番組は土曜ゴールデン帯だったが、平日ゴールデン帯で、同局の期待通りの数字がはじき出せるのだろうか?
(文=田中七男)

視聴率ジリ貧のテレ東 結局、太川陽介&蛭子能収コンビに頼るしかない!?

 太川陽介と蛭子能収の名コンビが今春、本格的に復活することになった。テレビ東京系で4月18日より、レギュラー番組『太川蛭子の旅バラ』(木曜午後6時55分~)がスタートするのだ。

 2人は2007年10月20日にテレ東の『土曜スペシャル』枠で、単発番組として放送開始した『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』でコンビ結成。路線バスを乗り継いで、ゴールを目指す企画もさることながら、2人の掛け合いが人気を博した。視聴率はおおむね2ケタに乗せ、同局では特筆すべき大ヒット番組になった。

 しかし、特に県境などで、バスがつながらず、長距離歩かなければならないことが増え、高齢の蛭子がギブアップ。体力の限界を理由に、17年1月2日の放送回をもって、このコンビは卒業。番組は俳優・田中要次と芥川賞作家・羽田圭介の新コンビにより、『ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z』として引き継がれた。しかし、視聴率は振るわず、いまだに太川&蛭子コンビの復活待望論が根強い。

 同局では、視聴者の要望を踏まえ、同じ『土曜スペシャル』枠での『いい旅夢気分』で太川と蛭子のコンビを復活させ、昨年9月から、同枠で『太川・蛭子のローカル鉄道寄り道旅』を単発で放送していた。

 ただ、一連の番組は、いずれも単発放送だったが、4月から始まる『旅バラ』はレギュラー番組。内容は『ローカル鉄道寄り道旅』のほか、新たな旅企画が進行中だという。
 1度はコンビを解消したはずの2人だが、まさかのレギュラーで本格的に復活させる背景には何があるのか?

「独創的な番組が多いテレ東ですが、視聴率はジリ貧状態です。ヒット番組の『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』も、昨年7月14日、明石家さんまが出演した回では番組史上最高の13.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)をマークし、話題を振りまきました。ですが、その後、出演ゲストがしょぼいこともあって、視聴率は低迷。超売れっ子となった出川のスケジュールを押さえるのが難しくなり、2月23日から3月23日まで、1カ月ものブランクができたほど。また、特番時代は常時2ケタを超え、昨年4月より、月イチレギュラーに昇格した『緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦』もマンネリとネタ切れで、2月3日放送回は7%台に転落してしまいました。そんなわけで、新たな人気番組をつくりたい同局としては、結局、太川と蛭子のコンビに頼らなければならなくなったのでしょう」(テレビ制作関係者)

 とはいえ、『ローカル鉄道寄り道旅』の旅のルールは複雑で分かりづらく、『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』ほどの視聴率が取れていない。これまで、このコンビの番組は土曜ゴールデン帯だったが、平日ゴールデン帯で、同局の期待通りの数字がはじき出せるのだろうか?
(文=田中七男)

『さすらい温泉 遠藤憲一』に尾崎紅葉もびっくり!?『金色夜叉』執筆した宿で、女体にボディ書道

「遠藤憲一が俳優を引退して温泉で派遣の仲居をやっている」という設定のフェイクドキュメンタリー風人情ドラマ『さすらい温泉 遠藤憲一』(テレビ東京系)第9話。他人の恋路におせっかいなほど首をねじ込む健さんこと遠藤憲一。振り返りましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

俳優を引退するのも想定内?

 毎度恒例の遠藤のリアル知人へのインタビュー。

 今回はいよいよ「遠藤が俳優を辞めようとしている」という核心にせまる質問をぶつける。

「え? それは本当の話ですか?」

「はい」

 驚く30年来の友人・伊藤さんに、いけしゃあしゃあと答えるディレクター。

 伊藤さんの反応から見るに、この時点では番組がフェイクドキュメンタリーであるとは伝えていない感じだ。

 驚く伊藤さんの反応よりも、堂々と素人に嘘をつくディレクターのトーンにニヤついてしまう。

 しかし、もっと驚くかと思われた伊藤さんだが、「あんまり驚かないかも、もしそうだったとしても。ていうのは……」。

 気になるところでインタビューシーンは終了、次回へ持ち越し。気になります。

 

『金色夜叉』執筆の地でボディ書道

 今回、健さんが訪れたのは静岡・修善寺。

(遠藤は仲居の時は中井田健一と名乗り、かつ健さんと呼ばれたがる。)

 ここが夏目漱石や芥川龍之介ら、文人墨客に愛された地であるというのが今回のキモ。

 目の前を流れる桂川で、井伏鱒二もよく釣りをしていたらしいし、今回働く新井旅館にも川端龍子や横山大観の書が飾られている。あちこちに作家や書家らの息吹を感じられるので、文学好きには二度美味しい温泉地だ。

 そんな中あらわれた客人はギャル丸出しのなちょす(なちゅ)。

「てか鯉ってバカじゃね? ガンガン(餌)食うしヤベー」と、撮影のためとはいえ心配になるくらい錦鯉に餌をあげて喜んでる。ヨーロッパなら虐待になるレベル。

「けんけん」と呼ばれタジタジの健さんがだが、実は彼女は若き書道界のカリスマ。

 夜中に女将(並木塔子)の肉体に筆で文字を書き「いや~ん先生、感じちゃううう」と、あえがせてしまうほどの大物。

 なんだこれ? と思ったが、演じるなちゅは本物の書道7段。

 以前レギュラー出演していた『恋のから騒ぎ』(日本テレビ系)では明石家さんまに「蕎麦屋の前」と呼ばれるほど信楽焼(たぬきのアレ)然とした風貌なのに、腕前は師範代クラス(事実、師範代である)だというから驚きだ。

「パラパラの角度で~」と鯉に餌を投げて騒いでいた姿からは、想像がつかない。

 しかも今回披露したのは、ただの書道ではなく、なちゅが近年押してる「ボディ書道」。

 女将の地肌(胸)に『金色夜叉』と書き殴ってある先週の予告でも異彩を放っていたシーンなのだが、なんと作者の尾崎紅葉が『金色夜叉』を執筆したのが、この宿。館主とも親交が深いとホームページにも記されている。

 まさか120年後に同じ場所で「ボディ書道」の題材にされるとは、尾崎も夢にも思わなかっただろう。しかも、なちゅに。

 というか撮影を許可した新井旅館がまず凄い。

 今回のメインのマドンナはなちゅでも女将でもなく、宿泊客として一人でやって来た矢部グループの令嬢・矢部順子(阿部純子)。

 特別室しか空いてないので若い女性1人で泊まるのは大変では……と断られかけるも「お金ならあります!」の痺れる一声で逗留決定。死ぬまでに一度は言ってみたい言葉。

 実は財閥の会長である父親の決めた結婚から逃げて来た順子。

 父親の部下に捕まり、連れ去られそうになるも、健さんの必殺「警察に電話をするフリ」でことなきを得る。さすが現役役者・遠藤憲一。

 実際に警察を呼んだのか? という順子の問いに「呼んだフリです。ケータイ持ってないんで」と答えたのは哀愁があってよかった。

 助けてくれた人の最初の個人情報が「今時ケータイ持ってない奴」という哀愁。

 

人力車もトランクから出て来たのか?

 修善寺で、束の間の自由を満喫する順子と、そのお供する健さん。足湯やスマートボールを楽しむ伊豆版ローマの休日。先のことを忘れるように刹那的に今を楽しむ順子の姿が物悲しい。

 小説家を目指すフリーターの彼氏との結婚を諦め、親の決めた相手と結婚するレールに乗りかかかろうとする順子。

 しかし順子の本心を感じ取った健さんは、今回も例のごとく、なんでも出てくるトランクバッグを開ける。

 今回、健さんが扮したのは車夫。人力車を引っ張り、街を駆ける、あの『はいからさんが通る』とかに出てくるやつ。

 おそらくあのレトロな人力車もトランクから出てきたのだろう。物理的に無理とかそういう話は置いておこう。これはそういうドラマだからいいのだ。必要ならオスプレイでもトマホークでも、あのトランクから出てくるのだろう。そういうドラマだから。

 なちゅや女将の協力もあり、父親の手下たちから順子を奪還した健さんは、彼氏の待つ教会へと順子を乗せて駆ける。

 地下足袋履いた車夫姿が異様に似合う健さん。

 今までの扮装の中でも傑出した似合い方。

 車夫としてさまざまなお客と関わる人情ドラマもいいかもしれない。

 実は順子は父親の巨大な力で、彼氏の小説家デビューを邪魔されるのを恐れて身を引こうとしていたのだが、健さんは文壇にパイプのある新井旅館に頼み、この彼氏の今後を守ってくれるよう根回ししておいた。

 持つべきものはコネと縁故だ。

 ボディ書道の下地にされて喘いでいたあの変態っぽい女将に、そんな力があるのか謎だが、現実世界では文壇に影響力があるのかも知れない。

 今回は、なちゅが少ない出番ながらいいスパイスとして働き、地味になりがちなストーリーを引き締めていた。

 バカだけど、ここ一番は頼れるムードメーカー的存在としてたまに出てきてほしい。

 次回は山形・銀山温泉。

 またなちゅが来て、開高健になぞらえ女体に「フィッシュ・オン」と書くのを楽しみにしています。
(文=柿田太郎)

『さすらい温泉 遠藤憲一』に尾崎紅葉もびっくり!?『金色夜叉』執筆した宿で、女体にボディ書道

「遠藤憲一が俳優を引退して温泉で派遣の仲居をやっている」という設定のフェイクドキュメンタリー風人情ドラマ『さすらい温泉 遠藤憲一』(テレビ東京系)第9話。他人の恋路におせっかいなほど首をねじ込む健さんこと遠藤憲一。振り返りましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

俳優を引退するのも想定内?

 毎度恒例の遠藤のリアル知人へのインタビュー。

 今回はいよいよ「遠藤が俳優を辞めようとしている」という核心にせまる質問をぶつける。

「え? それは本当の話ですか?」

「はい」

 驚く30年来の友人・伊藤さんに、いけしゃあしゃあと答えるディレクター。

 伊藤さんの反応から見るに、この時点では番組がフェイクドキュメンタリーであるとは伝えていない感じだ。

 驚く伊藤さんの反応よりも、堂々と素人に嘘をつくディレクターのトーンにニヤついてしまう。

 しかし、もっと驚くかと思われた伊藤さんだが、「あんまり驚かないかも、もしそうだったとしても。ていうのは……」。

 気になるところでインタビューシーンは終了、次回へ持ち越し。気になります。

 

『金色夜叉』執筆の地でボディ書道

 今回、健さんが訪れたのは静岡・修善寺。

(遠藤は仲居の時は中井田健一と名乗り、かつ健さんと呼ばれたがる。)

 ここが夏目漱石や芥川龍之介ら、文人墨客に愛された地であるというのが今回のキモ。

 目の前を流れる桂川で、井伏鱒二もよく釣りをしていたらしいし、今回働く新井旅館にも川端龍子や横山大観の書が飾られている。あちこちに作家や書家らの息吹を感じられるので、文学好きには二度美味しい温泉地だ。

 そんな中あらわれた客人はギャル丸出しのなちょす(なちゅ)。

「てか鯉ってバカじゃね? ガンガン(餌)食うしヤベー」と、撮影のためとはいえ心配になるくらい錦鯉に餌をあげて喜んでる。ヨーロッパなら虐待になるレベル。

「けんけん」と呼ばれタジタジの健さんがだが、実は彼女は若き書道界のカリスマ。

 夜中に女将(並木塔子)の肉体に筆で文字を書き「いや~ん先生、感じちゃううう」と、あえがせてしまうほどの大物。

 なんだこれ? と思ったが、演じるなちゅは本物の書道7段。

 以前レギュラー出演していた『恋のから騒ぎ』(日本テレビ系)では明石家さんまに「蕎麦屋の前」と呼ばれるほど信楽焼(たぬきのアレ)然とした風貌なのに、腕前は師範代クラス(事実、師範代である)だというから驚きだ。

「パラパラの角度で~」と鯉に餌を投げて騒いでいた姿からは、想像がつかない。

 しかも今回披露したのは、ただの書道ではなく、なちゅが近年押してる「ボディ書道」。

 女将の地肌(胸)に『金色夜叉』と書き殴ってある先週の予告でも異彩を放っていたシーンなのだが、なんと作者の尾崎紅葉が『金色夜叉』を執筆したのが、この宿。館主とも親交が深いとホームページにも記されている。

 まさか120年後に同じ場所で「ボディ書道」の題材にされるとは、尾崎も夢にも思わなかっただろう。しかも、なちゅに。

 というか撮影を許可した新井旅館がまず凄い。

 今回のメインのマドンナはなちゅでも女将でもなく、宿泊客として一人でやって来た矢部グループの令嬢・矢部順子(阿部純子)。

 特別室しか空いてないので若い女性1人で泊まるのは大変では……と断られかけるも「お金ならあります!」の痺れる一声で逗留決定。死ぬまでに一度は言ってみたい言葉。

 実は財閥の会長である父親の決めた結婚から逃げて来た順子。

 父親の部下に捕まり、連れ去られそうになるも、健さんの必殺「警察に電話をするフリ」でことなきを得る。さすが現役役者・遠藤憲一。

 実際に警察を呼んだのか? という順子の問いに「呼んだフリです。ケータイ持ってないんで」と答えたのは哀愁があってよかった。

 助けてくれた人の最初の個人情報が「今時ケータイ持ってない奴」という哀愁。

 

人力車もトランクから出て来たのか?

 修善寺で、束の間の自由を満喫する順子と、そのお供する健さん。足湯やスマートボールを楽しむ伊豆版ローマの休日。先のことを忘れるように刹那的に今を楽しむ順子の姿が物悲しい。

 小説家を目指すフリーターの彼氏との結婚を諦め、親の決めた相手と結婚するレールに乗りかかかろうとする順子。

 しかし順子の本心を感じ取った健さんは、今回も例のごとく、なんでも出てくるトランクバッグを開ける。

 今回、健さんが扮したのは車夫。人力車を引っ張り、街を駆ける、あの『はいからさんが通る』とかに出てくるやつ。

 おそらくあのレトロな人力車もトランクから出てきたのだろう。物理的に無理とかそういう話は置いておこう。これはそういうドラマだからいいのだ。必要ならオスプレイでもトマホークでも、あのトランクから出てくるのだろう。そういうドラマだから。

 なちゅや女将の協力もあり、父親の手下たちから順子を奪還した健さんは、彼氏の待つ教会へと順子を乗せて駆ける。

 地下足袋履いた車夫姿が異様に似合う健さん。

 今までの扮装の中でも傑出した似合い方。

 車夫としてさまざまなお客と関わる人情ドラマもいいかもしれない。

 実は順子は父親の巨大な力で、彼氏の小説家デビューを邪魔されるのを恐れて身を引こうとしていたのだが、健さんは文壇にパイプのある新井旅館に頼み、この彼氏の今後を守ってくれるよう根回ししておいた。

 持つべきものはコネと縁故だ。

 ボディ書道の下地にされて喘いでいたあの変態っぽい女将に、そんな力があるのか謎だが、現実世界では文壇に影響力があるのかも知れない。

 今回は、なちゅが少ない出番ながらいいスパイスとして働き、地味になりがちなストーリーを引き締めていた。

 バカだけど、ここ一番は頼れるムードメーカー的存在としてたまに出てきてほしい。

 次回は山形・銀山温泉。

 またなちゅが来て、開高健になぞらえ女体に「フィッシュ・オン」と書くのを楽しみにしています。
(文=柿田太郎)

遠藤憲一の“大人げなさ”を堪能『さすらい温泉』卓球シーンのクオリティにニヤける

 遠藤憲一が俳優を引退して温泉で派遣の仲居をやっている。そんな設定のフェイクドキュメンタリー風人情ドラマ『さすらい温泉 遠藤憲一』(テレビ東京系)。仲居の時は「中井田健一」と名乗り、なぜか遠藤だと気づかれることのない「健さん」が今回(第8話)も、見事に恋に落ちつつもシリーズ随一の大人げなさを見せる。振り返ります。

(前回までのレビューはこちらから)

「芦花公園」の徳富蘆花の常宿

 今回健さんが派遣されたのは、群馬は伊香保温泉の老舗旅館・千明仁泉亭。「明治の文豪・徳富蘆花が定宿にしていたことで知られている」と紹介されていたが、亡くなったのもこの宿の離れで、その木造の建物は、同じく伊香保の徳富蘆花記念文学館に移築されている。

 ちなみに京王線の芦花公園駅はもともと上高井戸駅で、近くに徳富蘆花が住んでいた蘆花恒春園があるので「芦花公園駅」に改名された。京王線ユーザーは特に気になる宿のはず。

珍しく若女将から逃げまくる健さん

 若女将(岩本和子)に挨拶するなり「健さんのような人を探していたのよ(ハート)」とモロに好意を寄せられる健さん。

 婚活中だということで積極的なのだが、グイグイくる女性が苦手なのか健さんは、珍しく逃げの一手。

 女将役の岩本和子は、第3回国民的美魔女コンテストファイナリストだったり、「週刊ポスト」(徳間書店)にグラビアが乗るたびに問い合わせが殺到(編集部談)したりするくらいらしいのだが、健さんの琴線には響かないようで、その「押し」の強さが面白くもあり、その報われなさぶりがどこか物悲しかったりもする。

 まあ、9割9分面白いのだが。

デリカシーの無い健さん

 今回健さんが恋に落ちたのは、宿泊客の増本若奈(松本若菜)。子連れなのに、お構いなしに恋に落ちるのは第1話(ともさかりえの回)から変わりない。

 むしろ子ども(達也=中野龍)の心をつかむことで母親につけ入ろうとして、子どもを有効に利用する節がある。

 温泉に浸かりながら若菜の入浴シーンを想像し、「やっぱり父親が必要だよな」とニヤけるたくましさも相変わらず。

「お父さんてのは家で留守番してるの?」

「今はいない、離婚した」

「その辺の話もう少し詳しく聞かせてくれないかな?」

 思春期で反抗期っぽい少年とのファーストコンタクトから、自分の目的のために引くくらいデリカシーのないアプローチを見せる健さん。

 さらに温泉に一緒に入ろうと誘うも強烈に拒否される。母親に言われても温泉には絶対に入らないようで、しかしながら、それには意外な理由があった。

 失踪しかけるも見つかり、慰める健さんを邪険にする達也。

「そんなでかい口を叩くのは俺を倒してからにしろ」

 まるで同い年の子どものように真正面からぶつかっていく、ただ母親のことが好きなだけの部外者・健さん。

 なぜ倒さないといけないのかはわかないが、口車に乗せられ、健さんに向かっていく相当年下の達也。

 何度か大人げなく子どもを投げ飛ばしたカットから、いきなり2人で並んで神社の階段上に腰掛け、ジュース(湯上り堂のサイダー?)を飲んでいるシーンに。

 無駄な説明をせず、見事に打ち解けた空気を表現した気持ちのいいシーン。

 汚れた身体を洗うため温泉に入りかけた達也の脚の痣を見て、温泉に入りたがらない理由も、卓球を辞めようしてる理由も健さんは理解する。

 恒例のなんでも出てくる四次元トランクから出てきたのは、卓球のユニフォーム。

 前回(第7話)、板前に扮した時も包丁でそうしていたが、今回も2人の前にユニフォームを着用して登場したとき、ずっとラケットを斜めに構えたまましばらく会話していた。

 しかも宴会場の畳の上で卓球のシューズを履いたまま。この猪突猛進ぶりがいい。

 ちなみに、四次元トランクにはビニール製のおもちゃの蛇も入ってました。

それでもデリカシーのない健さん

 達也は卓球のユニフォームを着ていると、どうしても脚の痣を見られてしまい、それを同級生がやんや言ったらしい。子どもは純粋なほど逆に残酷だ。

「なんできれいな身体に産んでくれなかったんだよ!」

 切実な達也の叫びが、今度は若菜を傷つける。

 母親にこの言葉はきつい。しかし、狭い世界で八方塞がりの達也は、それほど追い込まれていたのだろう。

「いいか、勝負ってのはな、痣があるとかないとか関係ないんだよ! 勝つか負けるかだ!」

 いまいちピンと来ない名言らしき迷言を、もっともっぽく叫ぶ健さん。怒っていることは間違いない。

 そして2人の卓球勝負が始まるのだが、スマッシュを決めるなり大声で「チョレーーーイ!」と叫び、拳を突き上げる健さん。

 どこまでも大人げない。最高。今時、なかなか恥ずかしくて言えないワードなのに。

 しかしここまでくるともはや気持ちいい。

 試合は結局、僅差で達也が勝利。

 息を切らしながら、「強いなお前。その才能をお母さんからもらったんだ。感謝しろ?」と言い残し、2人の前から消える健さん。

 親子は会話するかのように卓球をする。

「母と子の静かなラリーはお互いの心を確かめ合っているようだ……」と心の声で良いことを言いつつ、「俺も覚悟ができた……達也くんの父親になる覚悟が……!」と、支離滅裂でサイコな独り言で笑わせてくれる健さん。

 その後に、若菜が来月再婚するとの報告を聞き、絶妙な顔でフリーズしてしまうのもお馴染みだがきれいなオチだ。本当にいい顔をしていた。

 軽く「バイバーイ」と吐き捨てるような挨拶をしていなくなる達也もいいが、フリーズが治らない健さんに素早く寄り添い「いいわね再婚……私たちも……(ハート)」と持ちかけるたくましき若女将も見事。

 今回お色気要因として配置されたはずの岩本と黒川だが、健さんを狙う女将のめげない獣ぶりや、それを面白がって健さんに知らせる仲居・なお(黒川サリナ)のお節介ぶりが大変よかった。どちらも芸達者だ。

 今回さらに笑ったのは、幼い頃から卓球に勤しんできたはずの達也が思いっきり卓球が下手くそだったこと。

 健さんのことが言えないくらい大人げなくて申し訳ないが、あからさまにピンポンレベルのラケットさばきで、逆に笑ってしまった。

 次回は修善寺温泉。

 予告では全裸の女体に「金色夜叉」と書いてある謎のシーンが。これだけで俄然楽しみになりました。
(文=柿田太郎)

『さすらい温泉』初のマドンナとの両想い……変わらぬ魅力の酒井若菜を芝居をもっと見たい

「遠藤憲一が俳優を引退して温泉の仲居になるという」

 そんなナレーションで始まる、若干ドキュメンタリー風の人情温泉ドラマ『さすらい温泉 遠藤憲一』(テレビ東京系)。第7話となる今回は、変わらぬ魅力あふれる酒井若菜扮する女将と健さんがいい仲に。振り返ります。

(前回までのレビューはこちらから)

■酒井若菜が大人の女将を好演

 今回の舞台は南熱海とも呼ばれる静岡・網代温泉。

 派遣先となる竹林庵みずのの女将・澤井和佳奈(酒井若菜)に自己紹介するなり「面白い人ですね。私、面白い人好きです」と言われ、毎度のごとく健さんの恋心がメラメラと燃え上がる。

 仕事の後、さっそく温泉に浸かりながら女将の入浴シーンを実写でリアルに妄想してしまう一昔前の少年漫画の主人公のような健さん。「また、悪い癖が出た」と言ってるくらいだから、相当自覚があるようだ。

 ゲストのマドンナ相手に恋多き健さんだが、今回は第1話のともさかりえ以来のガチ恋具合。

 そもそも健さんが特に面白いことを言ったわけではないのだが、このドラマの番頭なり支配人は健さんが自己紹介の際に「極上のおもてなしを提供します!」と意気込みを語ると、必ずと言っていいほど笑い出す。極上という言葉が大袈裟なのか、言葉のチョイスが馬鹿に見えるのか、ほぼ100パーセント変な笑われ方をする。

 それは、ほぼ愛想笑いだったり変な空気を誤魔化すための作り笑いなのだが、しかしながら今回は「健さんと呼んでください」という、やはり恒例の自己紹介の言葉も相まってか、完全に女将のツボにハマった様子。

 浮かれて思わず三波春夫の「熱海音頭」を口ずさみながら掃き掃除を始める、わかりやすい健さん。挙げ句の果てに掻き集めた落ち葉で巨大なハートマークを作ってしまうほどの器用なのぼせっぷり。

 酒井若菜は体調の問題もあり、近年はブレイク時ほどは露出がないものの、変わらぬ柔らかい存在感を発揮。もっと活躍しててもいいはずの実力派だ。

 

■さすがの悪役・嶋田久作

 そんな春満開の健さんの働く竹林庵みずのに、テレビの取材が来るという。うまく行けば宣伝になると盛り上がる一堂だが、やってきた有名料理評論家・倉本淳之介(嶋田久作)は、どうにも態度が悪い。

 ロケ前日の夕食時に、酒を注いだ女将に返杯として酒を勧めるも、断られるとあからさまに不機嫌になり、代わりに飲もうと身代わりを買って出た健さんを拒絶する。

 倉本は辛口コメントでお馴染みの評論家らしいのだが、最近ロケしたらしき動画を見ると

「熱狂のサンバカーニバル! 星3つです!」

 と彦摩呂と堺正章を足したなような太鼓持ちぶりで、辛口とはだいぶ様子が違う。

 しかし、その太鼓持ちぶりが「あること」の見返りによるものだとすぐにわかる。

 夕食後、明日のロケの打ち合わせがあると、倉本の泊まっている部屋に呼び出される女将。

 部屋に入るなり扉を閉め、隣に座らされる。

 わかりやすい「美女と野獣」。「ボインとアゴ」。「木更津キャッツアイと帝都大戦」。

「僕のことは知ってるよね?」

「僕の評価次第で繁盛店も閑古鳥が鳴くようになる」

「この宿を潰したくないでしょ?」

「みんなそうしてるよ?」

「近頃物入りでね」

 すっごくエロそうな空気で、遠回しのような、直球のような言い回しをぶつけてくるから、女将の身体狙いかと思ったら、金の要求だった。

 浴衣で椅子にもたれかかり、物欲しげな目でねっとりと迫ってくるから、てっきり性交渉狙いだと思ったのだが、自然に「金かい!」と叫んでしまった。

 とにかく賄賂を要求され、健さんに心配される女将。

 しかし先代に先立たれ、誰より「この宿に恋してる」女将は、封筒に札束を入れ倉本の元に向かう。

 数十万は入ってそうな厚さ。

 見兼ねた健さんは女将を守るため、今回も何でも出てくるあの四次元トランクを開ける。

■完全に料理対決ドラマ

 今回、健さんが扮したのは料理人。割烹着の中にワイシャツを着てネクタイを締める、あの神田川俊郎スタイル。

「私が厨房に立ちます」

 包丁を斜め上に掲げたままの見栄えがいいポーズで、倉本に啖呵を切る健さん。

 こういう時の包丁は出刃包丁とか柳葉包丁とか、先が尖ったものがしっくりくるイメージだが、今回健さんが掲げていたのは、四角い菜切り包丁。その意外さに笑ってしまったが、その理由は後に明らかになる。

 収録が始まり、満面の笑顔で進行するも、カメラが止まると同時に笑顔も止めて「正直に批評するからな?」と敵意をむき出しにする倉本。

 そういう態度を隠さないということはスタッフも全てわかっているのかもしれない。

「味がはっきりしませんね」

「こんなもんですかね」

「味付けが単調」

 どんな料理が出てきても、これ見よがしにきついコメントをする倉本。

 しかし、ラストの「特製伊勢海老の具足煮」に入っていた桂剥きされた大根を食べるなり、思わず「……うまい!」と漏らしてしまう。

 前日、倉本が刺身のツマの大根を残しているのを見て、あえてその苦手な大根を美味しく食わせるという勝負に出た健さんと、その攻めの姿勢に驚いた倉本。

「嫌いな食べ物も食材の組み合わせや調理次第で美味しく食べられるということです」

「……参りました!」

 もはや完全に料理対決漫画のようになった今回。割烹着を着ただけでなく、しっかりと桂剥きも出来る健さんがさすが、というか、ますます得体が知れない。

 しかし、カメラが止まっている時、「正直に批評するからな?」と、脅してるような言い方で、実は公正な審査を宣言していた倉本も、実はいい奴なのかもしれない。素直に負けを認めたし。

 

■まさかの両想い

 物語のラスト、「このままずっとうちに居てくれませんか?」と白昼堂々、真正面から健さんを抱きしめる女将。

 夢でも妄想でもなく、現実のシーンでだ。

 ともさかりえの時みたいに、別れた夫が戻ってくる的なオチかと思ったが、まさかの両想い。

 誰より健さんがこの展開に一番驚いた顔をしていた。

「この宿には健さんが必要です。それに私にも……」

 完全なる恋の告白。

 待ってましたとばかりに強く抱きしめ返しつつ、健さんが言う。

「こんな出会い待ってました!」

 誰に言ってるのかわからないほど客観性に富んだ、独り言のような想いの吐露。

 このまま野外でおっぱじめるのか? というほどの勢いだったが、そこに仲居(栗林里莉)が健さん宛てのファクスを持って駆け込んでくる。

「早く次の温泉に行け エンズタワー社長」

 エンズタワーとは遠藤憲一の個人事務所で、社長は彼の奥さんが務めていると第2話でディレクターが話していた。

「社長に言われたらどうしようもない。すんません。」

 憑き物が取れたように、あっさりその場を後にする健さん、というか遠藤。

 あれだけ男女として盛り上がったのに、いきなり放ったらかしにされる奇妙な唐突さを「えー……」という一言で表現しきった酒井はさすが。もっとコメディエンヌ的な芝居も見たかった。

 それぞれに配役の生きた良い回だったが、気になるのは、テレビクルーが誰一人として「遠藤憲一」に気づかなかったこと。

 それどころか、今回は料理人として番組に出演すらしてるので、放送されたらさすがに「あれ? なんで遠藤憲一が板前に?」と話題になってしまうのでは? と心配になるが、そうはならない。それだけ遠藤のバイプレイヤーとしての演技力が凄まじいということなのだろう。

 最後になるが、板前を演じた夙川アトムも、実に自然な脇役ぶりで、素晴らしいバイプレイヤーズのネクストジェネレーションぶりを見せてくれた。

 次回は伊香保温泉。

 ここでも健さんは懲りずに一目惚れをする模様。社長(奥さん)に見つからなければいいという考えなのか。バレないようにがんばれ、健さん!
(文=柿田太郎)