6月8日に開票を控えた「AKB48 32ndシングル選抜総選挙」。そこで、今回は、AKB48のガチヲタX氏が緊急寄稿。今回の総選挙で、注目のAKB48・石田晴香に宛てた手紙形式で、応援メッセージをここで紹介。ロックな生き方で知られる彼女の波乱万丈のAKB48での歴史を振り返りながら、その魅力を探っていく。昨年の指原莉乃へのメッセージ(
「批判を受け入れる指原莉乃の“察しの美学”」)に続き、温かな目線で、メンバーにエールを送る。
拝啓 石田晴香様
●はるきゃん、劇場に降臨! 伝説のキョドきゃん時代
2008年3月8日、とびっきりかわいくて、初々しい少女がAKB48劇場に立った。彼女の名前は石田晴香。チームB3rd公演のらぶたん(多田愛佳)アンダー(代役)で、超キュートなのに、あんまり……踊れてない! ずっとキョドっててほかのメンバーを見ながら踊ってるし! 今でも時々話題に上る、“キョドきゃん(キョドる+はるきゃん)時代”の鮮烈なデビュー公演だった。それが君への第一印象でした。それからしばらくして、握手会で、いろんな話をしたよね。子供のころからやっていた柔道の話、僕も大好きな『幽遊白書』や、『HUNTER×HUNTER』の話でも盛り上がったよね。『幽白』では、蔵馬と黄泉の関係が好きなんだけど、その話をわかってくれる君は、「やるな」って感じでした。その笑顔は「微笑みの爆弾」って感じだった。
●パフォーマンス力向上! 研究生ながらチームK公演レギュラーに だが喘息で昇格できず……
最初はちょっと苦手だったダンスもメキメキ成長して、K4thやA5th公演にもアンダーで出るようになるけど、でも、そんな時、喘息でしばらく休演になっちゃったんだよね。実は、もしかしたら昇格できるかもしれないポジションを、後輩メンバーが昇格しちゃったんだよね。あれは悔しかっただろうな。病気は仕方ないけど、プロの世界にはそういうシビアさがあるのも事実で……。同期もどんどん昇格して、不安もあっただろうけど、09年4月11日からは、チームK5th公演には研究生ながらレギュラーで出演。そのころにはもう確実に公演なら誰からも頼られる存在。大島優子や秋元才加もチームKの仲間だって認めてくれていたぐらいだったもんね。千秋楽で、流した涙は美しかったね。
●第1回じゃんけん選抜で2位獲得でも見せてしまった“リアル”
10年は去年は入れなかった総選挙で27位、おめでとう! アンダーガールズで歌った「涙のシーソーゲーム」はモータウンサウンド系で切ない、いい曲だった。
そんな時に、開催されたのが、10年9月、初の「じゃんけん選抜」。順位を勝ち進むごとに嬉しさを覚えて、同じく空手で武道を大切にしてきたうっちー(内田眞由美/今のニックネームは内田さん)が1位、君が2位と同期でワンツーを飾ったのは運命的だったよね。12月にはこの「じゃんけん選抜」当日のドキュメンタリーDVD『51のリアル』が発売。
もはや言うまでもないけど、柔道を大切にしてきた君だけに武道館でじゃんけんで選抜を決めることに抵抗があったのか、舞台裏で「武道館に申し訳ない」と伝説の名言を残しちゃったんだよね。「武道館を目指してインディーズでやってる人もいるだろうし」とも言ってるし、当時のはるきゃんとしては、さまざまな思いがあった上での言葉だと思う。
そして、メンバー側には全員分の映像を発売することは伝わってなかったみたいだし、あそこまで素のままを見られたのは、ガチの証明だし、貴重な体験だったよ。
●髪をバッサリカット、MCで話さない……大丈夫?
「じゃんけん選抜」で初めて選抜を経験して、ようやく少しソロ仕事も入ってきたね。『環境超人エコガインダー0X』(キッズステーション)では、悪役のイラネイヤを演じたし、大好きなニコニコ動画関連の仕事も増えてきた。なのに、なんだか、君の心は不安定なようで、突然髪を切り始めて、まず4月にバッサリ切って、6月にまた切って、どんどん少年みたいになっていった。まるで、『HUNTER×HUNTER』のキルアみたいだったね。去年は27位だった総選挙も今年は圏外になって、何かを吹っ切りたかったんだろうな。このころのはるきゃんは本当に見ていて、ヒヤヒヤしたよ。
そして、決定的な事件が起きてしまった。公演では、スベるのがイヤなのか、ニコニコやアニメの話をして、周囲にわかってもらえないのがイヤなのか、いつからか、自己紹介以外はあんまりしゃべらなくて、ついにメンバーから公演中に舞台の上で、注意されてしまったんだよね。この日はなんだか体調も悪そうだったのもあるけど、本当に心配な時期だった。
●まさかのぐぐたす選抜センター! 声優選抜にも起用
ネットが大好きなはるきゃんは、Google+にもマジハマり。あいりん(古川愛李)とのやりとりや、さっしー(指原莉乃)との「申し訳ない」のかぶせあいも面白かった。そんなこんなで、12年3月に「ぐぐたす選抜」が発表され、はるきゃんも選抜に参加。しかも、初のセンターなんだよね。「ぐぐたすの空」は「真夏のSounds good!」のカップリング曲にも収録されたし、すごくいい経験になったんじゃないかな。これは、もちろんはるきゃん自身が手繰り寄せたチャンスでもあり、そして、やすす先生(秋元康氏)のこのタイミングでの大抜擢はすごいね。なんだかんだ、やすすは本当に人の本質を見抜く力があるんだと思う。ありがとう、やすす!

さらに、4月からアニメ『AKB0048』(TVKほか)で東雲彼方ちゃん役にも抜擢。このオーディションは12月にあったけど、念願のこの役の演技を通じて、声優としても、演技力はメキメキ向上していったね。研究生のキャプテンでたかみな(高橋みなみ)に憧れる真面目で熱血な彼方は、君と重なる面もいっぱいあったね。声優選抜のNO NAMEでの活動も得られるものが大きかったはず。「希望について」は「目標に向かって努力している人の支えになればいいなと思います」ってブログに書いてたよね。
夢への階段を着実に上り始め、第4回総選挙では、50位で、フューチャーガールズ入り。見事、武道館の壇上に立ててよかった!
●社会を知るために始めたエゴサーチで学んだこと
このころから特に積極的に自分と向き合うために、始めたのが“エゴサ”だよね。エゴサーチ=インターネット上で、自分の本名やニックネームを検索して自分自身の評価を確認する行為。僕もじつは、ネットを通じて、表現活動をしているから、よくやるんだ、エゴサ。
世の中、老若男女、多種多様な価値観がある。自分が「絶対正しい!」と思ってやったことが他人には全然違う受け取られ方をしていたり、あるいは、逆に自分が微妙だなと思ったことが意外に評価がよかったり……。世の中って本当に不思議だと思う。そして、思いっきりディスってくる人の声の中にも、ビックリするぐらい的確な指摘もあったりして……。
そうして、君もネットを通じてさまざまな他人の意見、モノの見方、判断の仕方、人との折り合いのつけ方、社会で生きていくルール…そんなものを覚えていったんじゃないかな?
●梅田チームBで覚醒! 真面目でピュアで優しい…完全体はるきゃん誕生!
組閣で梅田チームBになり、“嫁”である藤江れいなも同じチームになるって心機一転。後輩も増えるし、生まれ変わった君は、立ち位置をしっかり、ノートに書いて、覚えるようになったんだよね。新キャプテン・梅ちゃんからは君について、「やんちゃなイメージだったけど、超冷静で、いい子。私がテンパっても、レッスンの時に、ここはこうですと教えてくれる」と絶賛。大場美奈からは「一番なぐらい真面目」と評された。自分を見つめなおして、行動した。
MCも話すようになったし、この前、のなみー(野中美郷の石田流の呼び方)の生誕祭で言った「のなみーがいい人だからさー、ファンの人も類は友を呼ぶで ファンも優しい人なんだよ」の一言はとっても和んだな。19歳の自分の生誕祭ではこう言ってたね。
「私はこのままでいいのかなって思ったりもしたし、自分に対しての劣等感というか、自分がほんとにここにいていい立場なんだろうか、辞めていった子たちがここにいるべきなんじゃないだろうかとも考えました。組閣もあって、ステージに立つことが当たり前じゃないって改めて思ったので、こういう(生誕祭の)機会を与えていただくのも本当に嬉しいことだし、みなさんの真剣な顔だったり、笑顔だったりを見れる場を与えていただいてるって、すごい幸せなことだなっていつも思いながら生活しております」
なんだかんだファンには時々ツンデレだけど、言うべきときにはちゃんと感謝の言葉をくれるから、はるきゃん推しは辞められないんだよね。
●初舞台で演じた大好きな初音ミク プレッシャーと向き合い成長
今までにないチャレンジが今年3月開催のニコニコミュージカル『音楽劇 千本桜』の出演。はるきゃんが大好きなボカロ曲のひとつである「千本桜」の世界観のミュージカル版で、しかも君が演じるのは、初音ミク(初音未来)なんだよね。
このニュースが流れると、ネット上は、賛否両論だった。でも、ニコニコ大好きな君だから、絶対、ミクのファンも楽しんでもらえる舞台にしたかったはず。初舞台でプレッシャーもいっぱいあっただろうけど、移動中には、電車の中では台本は出せないから携帯電話でページを写メっておいて電車の中で読んでいたという話も、はるきゃんらしくて、いいなって思ったよ。
ドキドキしながら見に行った舞台。そこにいたのは、もう石田晴香じゃなかった。帝都を守る特殊部隊・神憑きの初音未来だった。完全に役になりきって、殺陣もあるし、叫ぶシーンもあるし、そしてはるきゃんの歌の上手さも生かされたすばらしい舞台だった。
そして何より、今まで6年間、AKB48劇場で、日々コツコツと学んできたことがしっかり生きているのがわかったよ。舞台度胸だけでなく、歌、表現力もAKB48の楽曲から学んだことだったんじゃないかな?
実は、この物語の中では、海斗というお兄ちゃんができたこともよかったんじゃないかな? そこが君とダブってしまって、いっそう涙腺を突いてしまった。これは書くべきか、書かないべきか、迷ったけど……はるきゃんには、亡くなったお兄さんがいるんだよね。今までも、じゃんけん選抜や、声優選抜に選ばれると、お墓に報告に行ってたけど、きっと今回もお兄さんは天国から見守って、喜んでくれていると思うよ。温かく見守ってくれるご家族、そして、(ペットの犬の)神輿の松君もはるきゃんのパワーの源だね。
●傷つきながら学んだ大切なこと 僕らをつなぐ魔法の呪文
あまりにもリアルで、フランクなはるきゃん。TwitterやGoogle+そして、モバメを見ていればわかるように、ファンを喜ばせてくれるぶっちゃけトークも魅力だ。
だからこそ君の言葉にはウソがない。楽しくなければ、笑わない子だからこそ、笑っている時は本当に楽しいんだなってわかる。だから、君の笑顔は本物だ!
そんなウソが嫌いな君がいるからこそ、AKB48もありのままを見せられるステキな集団なんだと思えるんだ。
もしかしたら、これからも、壁にぶつかることがあるかもしれない。困難が襲うことがあるかもしれない。そんな時は、あの曲を思い出そう。そう。「チャンスの順番」だ。
「チャンスの順番 次は君に来る どんなに負けてても 今度は勝ちに行こう あきらめなければ 夢は叶うんだ ずっと 頑張って来た 君の努力 報われるように……」
キョドきゃんの衝撃デビューから成長して、あまりにリアルな面を見せすぎて、傷ついたこともあったよね。長い研究生生活で学んだこともあるだろうし、かなり波乱万丈だ。そして、エゴサを通して、世間の人々の考え、社会のあり方を学び、自分と向き合って大きく成長したんだね。
君だったら、夢である声優も、「千本桜」のような女優もどんなことでも、乗り越えていけるよ。桜が、厳しい冬を乗り越えて初めて美しい花を咲かせるように。はるきゃん、君ならできるよ。君のキャッチフレーズ通りに。
「Haru CAN(はるきゃん) Do it!」。