『X-メン』シリーズ監督、少年への性的虐待疑惑が膨れ上がり、ついにハリウッド追放か

『X-メン』シリーズで知られる映画監督ブライアン・シンガー(52)が、性的暴行で訴えられたと芸能サイト「TMZ」が報じた。訴えた男性によると、ブライアンは「自分に逆らったら、この業界では働けなくなる」と脅しながら、当時17歳だった彼にイラマチオを強要。その後、無理やりアナル・レイプしたというのだ。ブライアンが性的暴行で訴えられるのは初めてではなく、これまでは「金目当てだろう」と同情されていた。しかし今回は、ハリウッドの性的搾取が相次いで告発され大騒ぎとなっているタイミングでの訴訟案件だけに、厳しい目が向けられている。

 ブライアンは、2000年にスタートした映画『X-メン』シリーズや『スーパーマン リターンズ』(06)、トム・クルーズ主演の『ワルキューレ』(08)、人気テレビシリーズ『Dr.HOUSE』(04~12)などの監督を務め、ハリウッドの第一線で活躍してきた。バイセクシュアルであることをオープンにしており、14年には25年来の親友である女優ミシェル・クラニーとの間に子どもをもうけている。「代理母契約を結んだのか」と取り沙汰されたが、ミシェルは「私はブライアンと自分の子どもを妊娠し、出産する。ゲイの男性が、代理母経由ではなく子どもをもうけるケースを聞いたことがないから、みんな混乱しているんでしょうね」「大親友と一緒に子どもを育てることがいかに幸せなのか、今後多くの女性たちは気がつき、このようなケースが増えると思う」と発言し、2人の間の実子だと説明していた。15年1月には息子が無事誕生したが結婚はせず、親友として子育てパートナーとして、良い関係を保ち続けていると伝えられている。

 実はこの子作りについて、ブライアンの性的暴行騒動からのイメージ回復を狙ったものではないかという説があった。ブライアンは14年4月に、マイケル・イーガンという男から「17歳の時にレイプされた」と提訴されているのだ。マイケルは「1999年にマーク・コリンズ・レクターが主催したカリフォルニアのパーティーでブライアンと知り合い、その後、ハワイに連れていかれ、ドラッグと酒を与えられた上で強姦された」と主張。マーク自身が04年に未成年への性犯罪で有罪になっている実業家で、「そんな男と交流があるなんて、ブライアンもクロなんじゃないか」と白い目で見られたものだった。

 これに対してブライアンは「でっち上げだ」と主張し、「反訴も辞さない」と強気な姿勢を見せた。裁判所に「原告が強姦されたと主張している時期、2人ともハワイにはいなかった」という証拠を提出し、14年8月、訴えは却下された。

 同年、ブライアンはイギリス人男性からも「14歳の時にレイプされた」と訴えられている。「03年にプロデューサーのゲイリー・ゴダートが、ソーシャルメディアを通して連絡してきた。ブライアンを紹介できる、役者になれるとアプローチされた。ゲイリーとは、15歳のときからオンラインセックスをするようになり、06年の『スーパーマン リターンズ』プレミア上映でゲイリーとブライアンがイギリスに来て、ブライアンにホテルで強姦された」と提訴されたのだ。しかし、結局この訴えも7月に却下されている。

 実は97年4月、ブライアン監督作の『ゴールデンボーイ』(98)に出演していたエキストラ少年(当時14歳)の両親が「我々保護者の許可なく、全裸でシャワーを浴びるシーンを撮影した」「桃色のGストリングス(Tバック状の下着)をはいていたのに、撮影直前に『脱げ』と命じた」とブライアンを訴える騒ぎを起こしたことがあった。結局この訴えも証拠不十分で却下されていた。

 立て続けに騒動が起きた14年、ブライアンは米誌「Out」のインタビューを受け、自分のセクシュアリティについて「ここ5年で2人の女性と交際した。最初に真剣交際したのはミシェル」「でも情緒的には男性に惹かれる。だからゲイと呼ばれてもよいと思っている」と告白している。

 しかし、もちろん男なら誰でもよいわけではないはずだ。誰にでもタイプというものがあるわけで、ブライアンの場合はそれが「つるつるで滑らかな肌の少年」だと長年うわさされてきた。というのも、ゲイであることを公にしている映画監督のローランド・エメリッヒが、11年に同性愛者専門誌「The Advocate」のインタビューで、ブライアンが主催するプライド・パレード・パーティーやニューイヤーズ・パーティーには「トゥインク」がたくさん招待されていることを暴露したからだ。「トゥインク」とは、若くてスリムで体毛が薄くすべすべした、少年のようなタイプのゲイ男性を指す。これまでにブライアンを訴えた男性たちも、被害に遭ったのは10代の頃で、「やっぱり少年が好きなんだ」と確信を持たれることとなった。

 そして16年6月、米「ニューヨーク・マガジン」電子版に掲載された、俳優ノア・ギャルビンのインタビューが、この疑惑をより大きなものにする。「ブライアン・シンガーは小さい男の子たちを自宅プールに招いて、夜暗くなってから騙してファックするんだよ(笑)。自分は、そういうのには関わりたくない。ロサンゼルスでは、チャンスをつかむためならなんでもするようなホモセクシュアルがいるんだよね。ニューヨークのゲイ・コミュニティはとても健康的だけど、ロサンゼルスはそうではない」と語ったノアの発言が、掲載後すぐに削除されたのだ。同マガジン編集部は「このような論議を招くような発言は削除したほうがよいと決断した」と弁解するも「ブライアン=ペドフィリアの強姦魔」という噂はどんどんと膨れ上がっていった。

 ハリウッドでは、ディズニー・チャンネルやニコロディオンの番組にレギュラー出演する子役はアイドルとして大ブレークするし、テレビコメディやドラマなどで子役が人気者になり、破格のギャラを手に入れて大成功を収めることがよくある。当然多くの子役たちがこれを夢見ており、彼ら・彼女らを「有名にしてやる」という言葉で釣って性的に搾取する犯罪が、ハリウッドで横行しているとのうわさは、長年まことしやかにささやかれていた。

 今年10月、ハリウッドの重鎮で権力者として知られていた映画プロデューサーのハービー・ワインスタインが、過去30年にわたって女優やアシスタントに性的嫌がらせをしたとメディアに暴露され、ハービーが失脚した後には、女優たちが「キャリアアップと引き換えに、体の関係を迫られた/強要された」と告発し始めた。

 この流れに乗ろうとしたのが、ドキュメンタリー『An Open Secret』の制作者たちだ。ハリウッドでの成功を夢見る少年たちが、業界の男たちにどのように性の餌食にされてきたかを告発した作品で、14年に作られた。当然ながらハリウッド配給会社などの協力はまったく得られず、多くの人に見てもらう機会をつくれなかった。「ハリウッドの闇を暴こうという声が高まっている今なら」ということで、10月12日にVimeoで配信を開始。最初の2週間で300万人が視聴するヒットとなった。

 そして29日、アカデミー俳優のケヴィン・スペイシーから14歳の時に性的行為を強要されそうになったと俳優のアンソニー・ラップが暴露。その後、次々とケヴィンに性的行為を強いられたと告発する男性が現れ、彼の悪事もこれまた長年にわたる公然の秘密だったことが発覚し、ますます『An Open Secret』は注目を集めた。

 同時期、以前より「ハリウッドはペドフィリアばかり」だと声を大にしてきた元・名子役のコリー・フェルドマン(『グーニーズ』『スタンド・バイ・ミー』ほか)が、「ハリウッドのペドフィリアを暴露するドキュメンタリー映画を作る。6人名前を挙げられるが、そのうちの1人はとてつもない権力者だ」とぶち上げ、製作のために必要な1,000万ドル(約11億円)をクラウドファンディングで求める活動を開始する。すると、この「権力者」とは、ブライアンのことではないかと臆測が飛び交った。

 31日、20世紀フォックスがブライアンのプロダクション会社と契約を更新しなかったことが報じられると、「業界内でも見切りをつけ始めたのでは?」とうわさされるようになる。そして11月1日、今度はジャスティン・スミスという男性が、ツイッターで「2000年に彼氏からブライアンを紹介されたんだけど、いつも『ちんこ見せて』『おしり見せて』ってうるさかった」「ブライアンはハイになると、こうなんだって」「50~70代のラリった男たちと16〜17歳以下の少年たちが5~10人くらいでパーティーするんだよ」「ブライアンはいつもオレとやりたがって、『「X-メン2」に出させてあげる』なんて言われたけど、オレはいつも『ノー』って拒否ってた」などとブライアンの悪事を次々と暴露投稿。ブライアンのツイッターアカウントは大炎上し、閉鎖に追い込まれた。

 11月10日になると、人気ドラマシリーズ『ER 緊急救命室』でブレークしたアンソニー・エドワーズが、ゲイリー・ゴダードから性的暴行を受けてきたことを告白。ゲイリーといえば、14年にブライアンを訴えたイギリス人男性に、最初に「ブライアンを紹介する」と接触してきたプロデューサーだ。

 12月1日になると、ブライアンがイギリスのロックバンド・クイーンの伝記映画『Bohemian Rhapsody』の現場に無断で来なくなっており、撮影が中断していると報じられる。4日、20世紀フォックスは「ブライアンをクビにした」と発表。ブライアンは5日に「両親の健康状態が理由で、どうしようもなかった」と弁解したが、「白々しい」という反応が大半だった。

 そして今月7日、米大手ゴシップ芸能サイト「TMZ」が、ある男性が「17歳の時にイラマチオを強要された上、レイプされた」とブライアンを提訴したことを報じた。

「TMZ」によると、原告はシーザー・サンチェス・グズマンという男性だ。シーザーは17歳だった03年、裕福な投資家が所有する豪華ヨットで開催されたパーティーに、たくさんの若いゲイたちとともに招かれた。そこでブライアンから「ヨットの中を見せてあげる」と誘われたが、部屋で2人きりになるとブライアンは豹変。シーザーを無理やりひざまずかせたという。
 
 ブライアンはパンツからイチモツを取り出し、それでシーザーの頬を叩きながら「しゃぶれ」と命令。躊躇する彼の口に無理やり押し込み、イラマチオを強要した。シーザーは窒息しかけ、「やめてほしい」と繰り返したものの聞き入れてもらえず、最後にはアナルレイプされたという。

 事が終わった後、ブライアンは「黙ってれば、お前に役を与えてやる」「俺はハリウッドでは、とても権力があるプロデューサーだからな」「もし誰かに今日起こったことを言っても、誰もお前を信じないだろう。そして、俺はお前を潰す」と脅されたそうだ。シーザーはショックで心身を病み、トラウマに苦しむようになったと主張。怖くて今まで誰にも言えなかったが、勇気を振り絞って起訴を決意したとしている。

 ブライアンの弁護士は、今回も真っ向から否定している。相手側の弁護士が、14年のマイケル・イーガンのときと同じ人物であるのがうさんくさいとし、当のイーガンがその後別件の詐欺罪で禁錮刑に処されたことも持ち出して「何もかも金目ての訴訟」と強くアピールした。

 しかし世間は、『An Open Secret』があまりにも生々しかったことから、ブライアンが少年たちに権力を振りかざし、性的暴行しているのは間違いないだろうと見ている。ネット上でも、「ペドフィリアの強姦魔」「ゲイ版/ペドフィリア版ハービー」などと叩かれまくっている。

 ハービー同様、年内にはブライアンもハリウッドから追放されるのではないかと推測する声が上がっているが、今後、どのような展開になるのだろうか?ペドフィリアは、想像以上に世の中に多いとされている。ほかにも、芋づる式に告発される大物が出てくるのか。続報に注目したい。

『X-メン』シリーズ監督、少年への性的虐待疑惑が膨れ上がり、ついにハリウッド追放か

『X-メン』シリーズで知られる映画監督ブライアン・シンガー(52)が、性的暴行で訴えられたと芸能サイト「TMZ」が報じた。訴えた男性によると、ブライアンは「自分に逆らったら、この業界では働けなくなる」と脅しながら、当時17歳だった彼にイラマチオを強要。その後、無理やりアナル・レイプしたというのだ。ブライアンが性的暴行で訴えられるのは初めてではなく、これまでは「金目当てだろう」と同情されていた。しかし今回は、ハリウッドの性的搾取が相次いで告発され大騒ぎとなっているタイミングでの訴訟案件だけに、厳しい目が向けられている。

 ブライアンは、2000年にスタートした映画『X-メン』シリーズや『スーパーマン リターンズ』(06)、トム・クルーズ主演の『ワルキューレ』(08)、人気テレビシリーズ『Dr.HOUSE』(04~12)などの監督を務め、ハリウッドの第一線で活躍してきた。バイセクシュアルであることをオープンにしており、14年には25年来の親友である女優ミシェル・クラニーとの間に子どもをもうけている。「代理母契約を結んだのか」と取り沙汰されたが、ミシェルは「私はブライアンと自分の子どもを妊娠し、出産する。ゲイの男性が、代理母経由ではなく子どもをもうけるケースを聞いたことがないから、みんな混乱しているんでしょうね」「大親友と一緒に子どもを育てることがいかに幸せなのか、今後多くの女性たちは気がつき、このようなケースが増えると思う」と発言し、2人の間の実子だと説明していた。15年1月には息子が無事誕生したが結婚はせず、親友として子育てパートナーとして、良い関係を保ち続けていると伝えられている。

 実はこの子作りについて、ブライアンの性的暴行騒動からのイメージ回復を狙ったものではないかという説があった。ブライアンは14年4月に、マイケル・イーガンという男から「17歳の時にレイプされた」と提訴されているのだ。マイケルは「1999年にマーク・コリンズ・レクターが主催したカリフォルニアのパーティーでブライアンと知り合い、その後、ハワイに連れていかれ、ドラッグと酒を与えられた上で強姦された」と主張。マーク自身が04年に未成年への性犯罪で有罪になっている実業家で、「そんな男と交流があるなんて、ブライアンもクロなんじゃないか」と白い目で見られたものだった。

 これに対してブライアンは「でっち上げだ」と主張し、「反訴も辞さない」と強気な姿勢を見せた。裁判所に「原告が強姦されたと主張している時期、2人ともハワイにはいなかった」という証拠を提出し、14年8月、訴えは却下された。

 同年、ブライアンはイギリス人男性からも「14歳の時にレイプされた」と訴えられている。「03年にプロデューサーのゲイリー・ゴダートが、ソーシャルメディアを通して連絡してきた。ブライアンを紹介できる、役者になれるとアプローチされた。ゲイリーとは、15歳のときからオンラインセックスをするようになり、06年の『スーパーマン リターンズ』プレミア上映でゲイリーとブライアンがイギリスに来て、ブライアンにホテルで強姦された」と提訴されたのだ。しかし、結局この訴えも7月に却下されている。

 実は97年4月、ブライアン監督作の『ゴールデンボーイ』(98)に出演していたエキストラ少年(当時14歳)の両親が「我々保護者の許可なく、全裸でシャワーを浴びるシーンを撮影した」「桃色のGストリングス(Tバック状の下着)をはいていたのに、撮影直前に『脱げ』と命じた」とブライアンを訴える騒ぎを起こしたことがあった。結局この訴えも証拠不十分で却下されていた。

 立て続けに騒動が起きた14年、ブライアンは米誌「Out」のインタビューを受け、自分のセクシュアリティについて「ここ5年で2人の女性と交際した。最初に真剣交際したのはミシェル」「でも情緒的には男性に惹かれる。だからゲイと呼ばれてもよいと思っている」と告白している。

 しかし、もちろん男なら誰でもよいわけではないはずだ。誰にでもタイプというものがあるわけで、ブライアンの場合はそれが「つるつるで滑らかな肌の少年」だと長年うわさされてきた。というのも、ゲイであることを公にしている映画監督のローランド・エメリッヒが、11年に同性愛者専門誌「The Advocate」のインタビューで、ブライアンが主催するプライド・パレード・パーティーやニューイヤーズ・パーティーには「トゥインク」がたくさん招待されていることを暴露したからだ。「トゥインク」とは、若くてスリムで体毛が薄くすべすべした、少年のようなタイプのゲイ男性を指す。これまでにブライアンを訴えた男性たちも、被害に遭ったのは10代の頃で、「やっぱり少年が好きなんだ」と確信を持たれることとなった。

 そして16年6月、米「ニューヨーク・マガジン」電子版に掲載された、俳優ノア・ギャルビンのインタビューが、この疑惑をより大きなものにする。「ブライアン・シンガーは小さい男の子たちを自宅プールに招いて、夜暗くなってから騙してファックするんだよ(笑)。自分は、そういうのには関わりたくない。ロサンゼルスでは、チャンスをつかむためならなんでもするようなホモセクシュアルがいるんだよね。ニューヨークのゲイ・コミュニティはとても健康的だけど、ロサンゼルスはそうではない」と語ったノアの発言が、掲載後すぐに削除されたのだ。同マガジン編集部は「このような論議を招くような発言は削除したほうがよいと決断した」と弁解するも「ブライアン=ペドフィリアの強姦魔」という噂はどんどんと膨れ上がっていった。

 ハリウッドでは、ディズニー・チャンネルやニコロディオンの番組にレギュラー出演する子役はアイドルとして大ブレークするし、テレビコメディやドラマなどで子役が人気者になり、破格のギャラを手に入れて大成功を収めることがよくある。当然多くの子役たちがこれを夢見ており、彼ら・彼女らを「有名にしてやる」という言葉で釣って性的に搾取する犯罪が、ハリウッドで横行しているとのうわさは、長年まことしやかにささやかれていた。

 今年10月、ハリウッドの重鎮で権力者として知られていた映画プロデューサーのハービー・ワインスタインが、過去30年にわたって女優やアシスタントに性的嫌がらせをしたとメディアに暴露され、ハービーが失脚した後には、女優たちが「キャリアアップと引き換えに、体の関係を迫られた/強要された」と告発し始めた。

 この流れに乗ろうとしたのが、ドキュメンタリー『An Open Secret』の制作者たちだ。ハリウッドでの成功を夢見る少年たちが、業界の男たちにどのように性の餌食にされてきたかを告発した作品で、14年に作られた。当然ながらハリウッド配給会社などの協力はまったく得られず、多くの人に見てもらう機会をつくれなかった。「ハリウッドの闇を暴こうという声が高まっている今なら」ということで、10月12日にVimeoで配信を開始。最初の2週間で300万人が視聴するヒットとなった。

 そして29日、アカデミー俳優のケヴィン・スペイシーから14歳の時に性的行為を強要されそうになったと俳優のアンソニー・ラップが暴露。その後、次々とケヴィンに性的行為を強いられたと告発する男性が現れ、彼の悪事もこれまた長年にわたる公然の秘密だったことが発覚し、ますます『An Open Secret』は注目を集めた。

 同時期、以前より「ハリウッドはペドフィリアばかり」だと声を大にしてきた元・名子役のコリー・フェルドマン(『グーニーズ』『スタンド・バイ・ミー』ほか)が、「ハリウッドのペドフィリアを暴露するドキュメンタリー映画を作る。6人名前を挙げられるが、そのうちの1人はとてつもない権力者だ」とぶち上げ、製作のために必要な1,000万ドル(約11億円)をクラウドファンディングで求める活動を開始する。すると、この「権力者」とは、ブライアンのことではないかと臆測が飛び交った。

 31日、20世紀フォックスがブライアンのプロダクション会社と契約を更新しなかったことが報じられると、「業界内でも見切りをつけ始めたのでは?」とうわさされるようになる。そして11月1日、今度はジャスティン・スミスという男性が、ツイッターで「2000年に彼氏からブライアンを紹介されたんだけど、いつも『ちんこ見せて』『おしり見せて』ってうるさかった」「ブライアンはハイになると、こうなんだって」「50~70代のラリった男たちと16〜17歳以下の少年たちが5~10人くらいでパーティーするんだよ」「ブライアンはいつもオレとやりたがって、『「X-メン2」に出させてあげる』なんて言われたけど、オレはいつも『ノー』って拒否ってた」などとブライアンの悪事を次々と暴露投稿。ブライアンのツイッターアカウントは大炎上し、閉鎖に追い込まれた。

 11月10日になると、人気ドラマシリーズ『ER 緊急救命室』でブレークしたアンソニー・エドワーズが、ゲイリー・ゴダードから性的暴行を受けてきたことを告白。ゲイリーといえば、14年にブライアンを訴えたイギリス人男性に、最初に「ブライアンを紹介する」と接触してきたプロデューサーだ。

 12月1日になると、ブライアンがイギリスのロックバンド・クイーンの伝記映画『Bohemian Rhapsody』の現場に無断で来なくなっており、撮影が中断していると報じられる。4日、20世紀フォックスは「ブライアンをクビにした」と発表。ブライアンは5日に「両親の健康状態が理由で、どうしようもなかった」と弁解したが、「白々しい」という反応が大半だった。

 そして今月7日、米大手ゴシップ芸能サイト「TMZ」が、ある男性が「17歳の時にイラマチオを強要された上、レイプされた」とブライアンを提訴したことを報じた。

「TMZ」によると、原告はシーザー・サンチェス・グズマンという男性だ。シーザーは17歳だった03年、裕福な投資家が所有する豪華ヨットで開催されたパーティーに、たくさんの若いゲイたちとともに招かれた。そこでブライアンから「ヨットの中を見せてあげる」と誘われたが、部屋で2人きりになるとブライアンは豹変。シーザーを無理やりひざまずかせたという。
 
 ブライアンはパンツからイチモツを取り出し、それでシーザーの頬を叩きながら「しゃぶれ」と命令。躊躇する彼の口に無理やり押し込み、イラマチオを強要した。シーザーは窒息しかけ、「やめてほしい」と繰り返したものの聞き入れてもらえず、最後にはアナルレイプされたという。

 事が終わった後、ブライアンは「黙ってれば、お前に役を与えてやる」「俺はハリウッドでは、とても権力があるプロデューサーだからな」「もし誰かに今日起こったことを言っても、誰もお前を信じないだろう。そして、俺はお前を潰す」と脅されたそうだ。シーザーはショックで心身を病み、トラウマに苦しむようになったと主張。怖くて今まで誰にも言えなかったが、勇気を振り絞って起訴を決意したとしている。

 ブライアンの弁護士は、今回も真っ向から否定している。相手側の弁護士が、14年のマイケル・イーガンのときと同じ人物であるのがうさんくさいとし、当のイーガンがその後別件の詐欺罪で禁錮刑に処されたことも持ち出して「何もかも金目ての訴訟」と強くアピールした。

 しかし世間は、『An Open Secret』があまりにも生々しかったことから、ブライアンが少年たちに権力を振りかざし、性的暴行しているのは間違いないだろうと見ている。ネット上でも、「ペドフィリアの強姦魔」「ゲイ版/ペドフィリア版ハービー」などと叩かれまくっている。

 ハービー同様、年内にはブライアンもハリウッドから追放されるのではないかと推測する声が上がっているが、今後、どのような展開になるのだろうか?ペドフィリアは、想像以上に世の中に多いとされている。ほかにも、芋づる式に告発される大物が出てくるのか。続報に注目したい。

「俺と結婚するかもしれないじゃん」ニック・カーター、全盛期のレイプ事件を告発される

 1990年代から2000年代前半に世界中の女性をとりこにしたスーパーアイドルグループ、バックストリート・ボーイズで一番人気との呼び声が高かったニック・カーター(37)が、全盛期の02年に、ガールズグループ・ドリームのメンバーをレイプした疑惑が浮上している。レイプされたという女性が、自身のブログに告発文を投稿したもので、無理やりクンニされ、フェラチオを強制され、結婚するまで処女を守りたいと訴える彼女に「俺と結婚するかもしれないじゃん」とペニスをねじ込んだという生々しい内容にネット上は騒然となっている。

 バックストリート・ボーイズは、来年結成25周年を迎える“ご長寿ボーイズグループ”だ。活動開始当初は人気が出ず、イギリスで大ブレークしていたテイク・ザットにあやかろうと、ヨーロッパでプロモーションをしたところ大ウケ。アメリカでも人気になり、99年にリリースしたサードアルバム『ミレニアム』は全米アルバムチャートNo.1に輝き、世界的スーパーアイドルグループとして一世を風靡した。

 00年代半ばからはそれぞれがソロ活動や私生活の充実に専念するようになり、ペースダウンしたが、ワン・ダイレクションがボーイズグループ・ブームを巻き起こしたことで再び注目が集まった。年を取っても変わらぬ彼らの姿に、当時ファンだった熟女たちが「ボーイズグループの代名詞といえば、バックストリート・ボーイズでしょ!」と大フィーバーしたのだ。今年に入ってからラスベガスの定期公演をスタートし、来年には5年ぶりとなる新作アルバムがリリースされるのではと期待が高まっている。彼らは永遠のトップ・ボーイズグループなのだ。

 全盛期に一番人気だといわれていたのは、サラサラのブロンドヘアーに甘いマスクで超ハンサムな長身ボーイのニックだった。キラキラと輝くような笑顔で、世界中の女子の心をトロけさせていたものだった。

 ニックは当然女に困ったことはなく、セクシーモデル、女優、歌手と数多くの美女たちと浮名を流してきた。アイドル女優のアリサ・レイズやヒラリー・ダフ、アシュレイ・シンプソンや人気歌手のアナスタシアと噂になったこともあった。03年~04年まで交際していたパリス・ヒルトンとのロマンスは大きな話題になったり、中国人民解放軍出身のセックスシンボル、バイ・リンとも付き合っていたと伝えられるなど、絵に描いたような“ヤリチン人生”を歩んできた。30歳を過ぎてしばらくしてからようやく落ち着き、13年に4歳年下のフィットネス・インストラクターで女優のローレン・キットと婚約。翌年結婚し、昨年4月に第一子が誕生するなど、公私ともに充実した日々を送っている。

 そんなニックに「15年前にレイプされた!」と告発する女性が現れたのだ。ガールズグループ、ドリームのメンバーだった、メリッサ・シューマンという女性だ。

 ドリームは98年に、タレントスカウトがカリフォルニアで発掘した13歳のホリー・ブレイク=アーンスタイン、アシュレイ・プール、アレックス・チェスター、14歳のメリッサ・シューマンの4人の少女たちで結成されたガールズグループだ。バッド・ボーイ・レコードと契約後、アレックスが抜け、13歳のダイアナ・オルティーズが入り、00年に「He Loves U Not」でデビューした。「He Loves U Not」は、ビルボードHot100のナンバー2にランクインする大ヒットとなったため、曲を聞いたら「あぁ、あの」と思い出す人もいるかもしれない。

 メリッサは02年4月に女優になるためグループを円満脱退し、04年にテレビホラー映画『The Hallow』でニックと共演した。同年、ニックとのデュエットソング「There For Me」もレコーディングしているが、ソロ歌手としてはスムーズなスタートを切れず、その後も鳴かず飛ばず。15年にドリームのオリジナルメンバーと歌った「He Loves U Not」のアカペラをネット上で公開したところ大きな話題となり、ドリームとして活動を再開し、16年8月には15年ぶりとなるニューシングルをリリース、アルバムも制作すると意気込んでいたが、10月に再び解散したと発表している。

 キャリアでは散々のメリッサだが、私生活は比較的順調で、06年にダンサーのブランドン・ヘンシェルと結婚、10年には第一子を出産している。

 そのメリッサが、今年6月にブログを開設。11月2日に「心配するなよ。誰にも言わないから」というタイトルの長文告発を投稿したのだ。

「18歳の頃から“起こらなかった”ふりをしてきた事実を、これからみなさんにお話しします。死ぬまで誰にも話さないつもりだった“負の秘密”、苦しみながら沈黙し続けてきた秘密です」という書き出しで、「ほかのレイプ被害者や性的暴行被害者のように、なぜ、もっと早く告発しなかったのかという疑問を抱くでしょうね」「実際には、告発しようとしたんです。レイプされてしばらくしてから、当時のマネジャーに『告発したい』って相談し、彼はこの件について調査をしてから、『いい弁護士を探すからね』と言ってくれました。私は告発する気満々だったんです」と、レイプ被害に遭った経験を激白した。

 そして、「でも、私をレイプした相手には、この国で最も力のある弁護士が付いていることが判明。私はお金がなかったし、影響力もなく、相手を敗訴させる力のある弁護士へのコネもなかった。周囲の誰もが、屈辱的な思いをするだけ、売名行為だととられ、キャリア的にも個人的にも大きなダメージを受けるから、告発するのはやめた方がいいと言いました」「私は当時、キャリアを積み上げている最中でした。私をレイプした相手から、これ以上傷つけられ、これからの人生を狂わされるのは嫌だった」と、当時、告発を断念した経緯を説明した。

 メリッサは続けて、「私をレイプした相手とは、初対面ではありませんでした」「私をレイプした加害者は当時も今も、とても有名なボーイズバンドに属しています。その彼が私に恋愛感情を抱いていると、彼の代理人が私のレーベルに連絡をしてきたんです。2人を電話で話させたいと」「レーベルは、私が彼とビビッとくるのを期待していましたが、当時私には、きちんとしたお付き合いをしている男性がいました。ボーイフレンドには、“その気は全まったくない。でもレーベルの顔を立てるために、電話は受ける”と説明したんです」「そして、電話を受けました。電話の彼はとても礼儀正しく、短い会話で済みました」と淡々と説明。

 長くなるので以下、要約していくが、メリッサと“彼”はのちにテレビ映画で共演し、その頃には恋人と別れていた彼女は、彼からのホームパーティーの誘いに応じる。友人らと楽しく健全に過ごした後、事件は起きた。「制作中の曲を聞かせてあげる」と彼の仕事部屋で2人きりになり、「ごく自然に彼とキス」すると、いかにもありがちな、ロマンチックな状況に持ち込まれたことを明かした。

 ここでメリッサは「彼は、私が処女だってことを知っていました。私はクリスチャンで、結婚するまで純潔を守ることを大事にしていると、普段から周囲に話していたからです」と主張。

「彼は私の手をとり、隣接したバスルームに連れて行きました。彼はバスルームのドアを閉め、『ここで何をするの?』と聞いても答えず、キスをし続けました。そして私を抱き上げ、バスルームのカウンターの上に座らせ、私のズボンのボタンを外し始めたんです。私は『これ以上はやりたくない』と言いました」「でも、彼は聞いてくれなかった。私の気持ちなど、彼にとってはどうでもいいことだったんです」

「彼は、こう言いました。『心配するなよ。誰にも言わないから』と」「『そういうことじゃない』と反論しましたが、彼は私のパンツを脱がせ、クンニを始めました。『やめて』と懇願しても彼は舐め続けました」

「誰かがバスルームのドアをノックしたので、彼は別のバスルームに私を連れて行き、行為を続行。彼もパンツを脱ぎました。ナイトライトしか点いていなかったけれど、バスルームの鏡で全てが見えました。彼はバスルームカウンターに座り、私にフェラチオするように要求。嫌だと言ったら怒り『俺はやってやったんだから。お返しするのが筋だろう』と言われました。

「ものすごく怒ってイライラしている彼に怖くなり、その場から逃げ出すことができず。彼の力は強く、体も私より大きかった。ドアを開けて助けを求めるなんて論外でした」「だから彼が私の手を取りペニスを握らせた時、もうやるしかないんだって諦めました。自分の意思に反すること性的暴行を受けている、ヘドが出るような自分の姿を鏡で見ながら」と、オーラルセックスを強要させられたことを明かした。

 事態は、それだけでは終わらなかった。ベッドルームに連れて行かれた後も、宗教的な理由から婚前交渉はしたくないのだと訴える彼女に、相手の男は「俺が夫になるかもしれないじゃないか」とささやいたという。彼には、「やめるなんて選択はなかったんです」とのこと。

「彼はすごく重くて、下にいる私は逃げることなんてできませんでした。彼が何かを私の中に入れるのを感じました。何を入れたのかと聞くと、彼は再び私の耳元でこうささやきました」「君の中に入ってるのは全部俺だよ、ベイビー」

 彼女はすべてを諦めて無抵抗になり、「何もなかったことにしよう」と思いながら眠ったという。一緒にパーティーに来ていた友人に朝起こされた時には、彼女をレイプした加害者はどこにもおらず、彼女は逃げるように家を出たそうだ。その後、男はしつこく連絡を取ってきたものの、彼女が全て無視。汚い捨て台詞をメッセージに残して、去ったという。

 のちに、彼女はレイプした男と同じマネジャーと契約を結ぶことになり、ソロアーティストとして活動を開始。敏腕マネジャーだったので、キャリアのためにも断るという選択はなかったという。同じマネジャーだったため、レイプ男とのデュエット曲をつくる羽目になり、レコーディングは別々で顔を合わせずに済んだが、何も知らないマネジャーは、彼女のブレークにつながるようにと、レイプ男と一緒にステージでデュエットする仕事を入れた。マネジャーはレイプ男と家族のような大親友であったため、真実を語って「嫌だ」と言うこともできなかったそうだ。その後このマネジメント形態は、あのレイプ男の狙いだったのだと悟り、彼女は怒りに駆られた。

 メリッサは「バックステージで対面した彼は、私の冷たい態度にイラついていました。『調子はどう?』と聞かれたので、『いいですよ。付き合っている人ができた』と告げました。私にその気がまったくないと悟った彼は、明らかに動揺。そして『さっさと終わらしちまおうぜ』と吐き捨てるように言い、私たちはステージに向かいました」と綴り、「司会者はこう言いました。『みなさん、メリッサ・シューマンと、バックストリート・ボーイズのニック・カーターです!』」と、ここで彼女をレイプした男がニックであることを暴露したのだ。

 パフォーマンス直後、マネジャーは2人を絶賛し、メジャーレーベルとの契約も近日中だと言ったが、その後話は立ち消えになる。あれほど彼女をプッシュしていたマネジャーは興味をなくしたようで、「ニックの仕業に違いない」と彼女は推測。歌手でいることに嫌気が差し、歌うことをやめたそうだ。

 この事件があった後、セラピーを受け、家族や友人らにも打ち明けたものの、これまで公にすることはなかった。今回、ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラが暴露され、女優たちが次々と告発を始めたことで、周囲から「あなたも告発すべき」だと勧められたが、彼女は最初「ノー」と言い続けたという。長年かけてやっと立ち直れたのに、またあのトラウマを掘り返すなんて耐えられないと思ったからだ。「もし、ほかに誰かニックにレイプされたって被害者が出てきたら、それをバックアップする意味で告発する」とだけ心に決め、何事もないようにと願っていた。

 しかし10月30日、メリッサは大手ゴシップ芸能サイト「RadarOnline」で「ニック・カーターが、ホームパーティーで20歳のファンに性的暴行を加えた容疑で捜査を受けていた」という見出しの記事を発見。そして、その記事のコメント欄にあった「嘘つき女」という書き込みも読んだ。そして心に決めていた通り、告発に踏み切ったというわけだ。

 メリッサの存在は忘れかけられていたため、ブログエントリーはまったく話題にならなかったが、21日に大手ゴシップ芸能サイト「TMZ」が、この告発を紹介。ネット上は「18歳で酒を飲むなんて。酒は飲むけど、処女は守るって変」「今だったら、セクハラ告発は全部クロって見られる。だから今なんでしょ」というメリッサへの批判的な意見、一方、「ニックは当時調子に乗っていたから、いかにもやりそう」「『何人と寝た』とかカウントしてそう」「世界中の女子からキャーキャー言われている彼からしたら、イヤイヤ言われても、最後までやるでしょ」とニックのヤリチンぶりを指摘する意見、さらには「ニックってゲイじゃなかった?」と混乱する声などが上がり、お祭り騒ぎとなっている。

 メリッサは「怒ったニックが怖かった」と書いていたが、これはよくわかる。06年に放送された、カーター家の日常をカメラが追うリアリティ番組『House of Carters』で、ニックは弟のアーロンにブチ切れる姿を映されている。これが相当怖かったのだ。自分より背が低く、線も細いアーロンを突き飛ばして罵声を浴びせる姿に、姉妹たちは真っ青になりドン引き。そもそもアーロンにムカついている訳も「俺がパリスと別れた翌日、俺の車でパリスと出かけて、彼女がにっこり笑ってる写真を撮りやがった!」という女絡みだった。

 ニックは、メリッサの告発も、「RadarOnline」が報じた20歳のファンへのレイプ疑惑についても「事実無根」と否定。「メリッサのことは、公私ともに応援してきた。彼女がやりたがらないことを強要した事実はない。すべて合意の上だった」「20年近くたった今、初めてこんな告発を聞いた」とショックだと語り、メリッサの告発を全力で否定している。

 今回の告発に対する、ネットユーザーの意見を見ると、「当時22歳の世界的アイドルが、パッとしない4歳年下のアイドルをレイプするか?」と疑問を抱く声が多い。セクハラやレイプ告発は勇気がいることだけに、応援すべきだという風潮はあるものの、メリッサのケースは、世間が想像して義憤に駆られやすい「キモいメタボの権力者に、女性が脅されながら無理やり押し倒される」という構図ではない。なお、当然のように、バックストリート・ボーイズのファンは怒り狂っている。

 今後、この件がどういう展開を見せるのか。見守っていきたい。

強制キス、準強姦、胸を触る……スポーツ界で横行する“セクハラ”の深い闇

 ハリウッドの大物プロデューサーのセクハラ告発後、日本でもセクハラを明かす人が相次いでいる。11月5日には、元なでしこジャパンの丸山桂里奈が『サンデー・ジャポン』(TBS系)で監督からのセクハラ被害を告白。若手選手の頃に「だーれだ?」と後ろから目隠しをされ、そのまま胸を触られたのだという。ストイックなイメージのあるスポーツ界にも、さまざまなセクハラが横行しているようだ。

「2014年には、なでしこリーグの『ジェフユナイテッド市原・千葉レディース』で監督を務めていた上村崇士が、所属選手へのセクハラを理由に解任されています。当時行われた会見によると、彼は選手を個別に呼び出して腰に手を回したりといった行為に及んでいた模様。また丸山選手も10年から11年まで同チームに所属しており、上村の監督就任時代とかぶっているので、『丸山選手が言ってたのは上村のことでは?』などとうわさになっています」(芸能ライター)

 セクハラの被害に遭うのは、決して女性だけではない。フィギュアスケートの高橋大輔も、現役時代はセクハラに苦しんだようだ。

「14年の『週刊文春』(文藝春秋)に、日本スケート連盟会長・橋本聖子と高橋がキスをする写真が掲載されました。各スポーツ紙では“キス強要”などと報じられたのですが、両者共にこれを否定。しかし、世間からは『写真を見る限り、とても合意があるようには思えない』『そりゃあ高橋選手も立場上、我慢するしかないよな……』などの声が相次ぎました。結局、騒動については不問とされ、橋本は会長職を続投。この決定にも、世間からは疑問の声が上がりました」(同)

 野球界では、元プロ野球選手の重鎮・張本勲のセクハラ発言がネットでたびたび問題視されている。

「張本は今年9月の『サンデーモーニング』(TBS系)で、カーリングの『LS北見』の試合を見て『このチームは、べっぴんさんが多い』とコメント。以前から失言が多いこともあって『試合を見た後に、技術じゃなくて容姿を評価するとかセクハラでしょ』と話題になりました。また、7月放送の同番組でBMXという自転車競技で活躍する女性選手が取り上げられた時も、『あれって腰を浮かせているんですよね?』と、しきりに“サドルと腰”の関係を気にして物議を醸しています」(同)

 基本的に役職がある場合は“解任”などの処分を受けることが多いセクハラだが、行きすぎると“実刑”で刑務所に服役することも。

「オリンピック金メダリストの元柔道選手・内柴正人は、11年に大学の教え子への“準強姦”容疑で罪に問われています。裁判では女子部員の“合意”をめぐって争われ、14年に最高裁で有罪が確定。懲役5年の実刑判決が言い渡されました。しかし内柴は、服役中に書いた手記で『僕はやってません』と訴え、これがニュースサイトなどで取り上げられると『全く反省してない』『冤罪なのでは?』など、さまざまな意見が飛び交っています。とはいえ、仮に合意があったとしても、女性部員は当時未成年だったので、問題があるのですが……」(同)

 意外と闇が深い、日本のスポーツ界。丸山の告発は、おそらく氷山の一角にすぎないだろう。業界の体質が改善され、セクハラ被害に遭う人がこれ以上増えないのを祈るばかりだ。

ハリウッド権力者の“セクハラ”事件にベン・アフレックの声明に「てめぇもだろセクハラ野郎」の声

 ハリウッドの権力者で名プロデューサーのハーベイ・ワインスタインが、過去30年間にわたって20代の女優や女性社員たちにセクハラしてきたと大手新聞が報道した。ハーベイが、弟と共に立ち上げた映画会社ワインスタイン・カンパニーを解雇された途端、ハリウッド女優たちが次々と「私もセクハラされた」「言い寄られた」と暴露を開始。俳優たちも「そんな卑劣な男だなんて知らなかった」と怒りをあらわにしている。

 しかし、このハリウッドスターたちの告発や批判に、世間はシラけモード。「知らなかったわけがない」「暗黙の了解だったんだろう」と冷ややかな目で見ている。そんな中、ハーベイのおかげでアカデミー賞を獲得し、何作もの映画を共に製作してきたベン・アフレックが「知らなかった」「怒りを覚える」と声明を発表した。しかし、共演した女優から「なに言ってるの? ずっと前から知ってたじゃん! 嘘つき!」とSNSで撃沈され、10年以上前にテレビ番組で司会女性たちにセクハラしまくっている映像までもが掘り起こされネット上で拡散。「お前もセクハラ男じゃないか!」「第二のハーベイ!」とボコボコにバッシングされる事態に陥っている。

 10月5日、大手紙「ニューヨーク・タイムズ」が、ミラマックスやワインスタイン・カンパニーで数多くのアカデミー賞映画を製作してきたハリウッドの権力者ハーベイ・ワインスタインの、己の権力を利用し、20代の女優や女性社員たちに過去30年にわたりセクハラしてきた“エロおやじ”っぷりを暴いた。その内容も「自分の裸を見せつけて性的行為を求める」というこの上なく情けないもので、世間は「やっぱり女優は仕事を得るためにはプロデューサーと寝るんだね」と冷ややかに反応。同紙は「被害を受けた女性の中には、口封じのため和解金を受け取らされた者もいた」と報道している。ネット上では、業界に居続けたいがためにハーベイから受けたセクハラを黙ってきた女優たちに対して「同情の余地はない」という声が上がっていた。このスクープ記事の直後、ハリウッドはダンマリを続けていたため、なおさらそう感じた人が多かったようだ。

 が、しかし、ハーベイが8日に自身の映画会社を解雇され、権力を失い、おそらくもう二度とハリウッドでは仕事ができないだろうとわかると、Aリスト(もっとも金を稼ぐスター階級を指す)の女優たちが一気に批判を開始した。「私もセクハラされた」と告発する大物女優が次から次へと現われ、俳優たちも「ハーベイがそんな男だったとは」と遺憾の意を述べ始めた。

 長年ハリウッドの権力者として君臨していたハーベイに恩のある役者は山ほどいる。彼のおかげでアカデミー賞を受賞し、その後輝かしいキャリアを歩んできた女優や俳優も数多い。ベン・アフレックもそのひとりだ。彼はミラマックス時代のハーベイと一緒に『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1997)を製作し、幼馴染で大親友のマット・デイモンと共にアカデミー脚本賞を受賞。ハリウッドで一目置かれるようになった経歴を持つ。その後もハーベイと一緒に数作映画を製作し、監督としての才能も開花させた。

 今回、ハーベイの長年にわたる悪事が暴露されたのは、アメリカにおけるセクハラや女性差別に対する意識が非常に高まっているからだとされている。ベンからすれば、ハーベイと一緒に働いたことがある俳優、脚本家として、また、アカデミー脚本家、アカデミー監督として「ここはひとつ、ガツンと言わなければ」と思ったのだろう。もしかしたら、離婚や『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(16)の大ゴケで低下したイメージを回復できるかも、という下心もあったかもしれない。ベンはツイッターで、ハーベイを批判する投稿をした。

 ツイートの内容は、「かつて一緒に働いた男が、何十年もの間、権力を振りかざし、脅し、セクハラをすることで大勢の女性たちを操っていただなんて、非常に悲しく怒りを覚える」「吐きそうだ」「断じて許されることではない。二度とこのようなことが起こらないようにするには、自分はどうすればよいのか。自問している」「この業界の姉妹、友人、同僚、娘たちを守るため、我々はもっと頑張らなければならない。今後、告発する者たちを支援し、このようなセクハラを見かけたらとがめなければならない。そして、もっと多くの女性たちが権力を持つ地位に就くようにしなければならない」という立派なものだった。ところがこの立派すぎるツイートが、ベンの立場を危うくすることになる。

 実はこのツイートが投稿される前、ハーベイがプロデュースした『Phantoms』(98)でベンと共演していたローズ・マッゴーワンが、ツイッターに「ベン・アフレックとケイシー・アフレック。今朝のご機嫌はいかが?」というミニ爆弾を投下していた。

 ローズは、これまたハーベイがプロデュースした大ヒット映画『スクリーム』(96)に出演した際、セクハラされ、10万ドル(約1121万円)の和解金を受け取ったと伝えられている。今回のスクープ記事以降、ツイッターで激しくハーベイを批判してきた。同時に「多くの俳優たちが見て見ぬ振りをしてきた」と批判しており、「『アフレック兄弟もそうだ』と示唆しているのだろう」と話題を集めていた。そこにベンは「びっくりしたなぁ」「許せないよね」という声明を出したのだ。

 このベンのツイートを読み、当然のようにローズは大激怒。「ベン・アフレック、ファック・オフ!」とダイレクトにディスり、「ベン・アフレック。あなたは、『ちくしょう! なんてことだ! あれほどやめろって彼に言ったのに!』って、私に言いましたよね。私が性的暴行を受けた後、行かされたプレス会見での話って言えばわかるかしら? 嘘つき」と言い放ったのだ。

 この騒動から、ベンは過去に自分がしてきたセクハラ映像を掘り起こされ、大バッシングを受けるハメになる。

 始まりは、ベンの声明を読んだ複数のツイッターユーザーたちが「ベンも子どもたちのナニーと浮気していた時、自分の娘のことなんて考えてなかっただろうよ」「多分みんな忘れてるだろうけど、昔『TRL』でヒラリー・バートンのおっぱいつかんだよね」と盛り上がっていた。なんとそこにヒラリー本人が「私は忘れないわよ」と混ざったのだ。そして今回ハーベイのセクハラを告発した女性たちに対して「素晴らしい。私がベンからセクハラされた時は笑いのネタにするしかなかった。そうでもしなきゃ、泣きそうだったから」とツイートした。

 これは、2003年に米MTVの人気情報番組『トータル・リクエスト・ライブ(TRL)』にゲスト出演したベンが、当時司会を務めていたヒラリーに挨拶がてらにかました有名なセクハラのことを指している。ベンは「本当にお会いできて光栄だよ」と言いながら立ち上がり、彼女の肩に手を回して抱きしめた。そして自分の左手をヒラリーの左脇下にまわし、彼女の左の乳房をモミモミしたのだ。揉んでいる手ははっきりとは見えないが、ヒラリーは「あ!!」と驚きの声をあげ、ベンは「やってやった」というような笑顔を見せる。もちろんスタッフも目撃しているが、ベンは悪びれることなく踏ん反り返るように椅子に座り、ヒラリーのインタビューに答えていく。

 のちにMTVは、別のまとめ番組でこのことを放送。ヒラリーは当時のことを「何やってんの!って思った」と笑い飛ばした後に、「私はハイ・ファイブのほうが好きなんだけど」とチラッと嫌そうな顔を見せた。

 今回この映像が掘り起こされてネットに出回り始めると、「ベンのセクハラはこんなもんじゃなかったはず!」と言い出す者が現れた。「04年にカナダの映画紹介番組でプロモーション・インタビューを受けるベンの、セクハラ三昧映像が一番ひどいんじゃないか!?」と言うのだ。

 問題のインタビューは、「はじめまして」とハグをしてきたカナダ人の女性司会者にベンが座ったまま抱きつき、そのまま自分の膝の上に乗せて抱きしめ、彼女の髪に顔を埋め「いい匂いの香水つけてるねぇ」と言うところからスタートする。司会者は笑っているが、その場から必死に逃れようとしているようにも見える。体をよじっており、カメラに写らないところを触られているのか、何かされているようにも見える。

 司会者は落ち着かせるように彼に手を回すものの、ベンはカメラなどお構いなしで彼女をナンパする。フランス語訛りの彼女の英語の真似をしてジョークを言ったり、「君がトップレスになったほうが、みんな喜ぶんじゃないの?」とまで言い、彼女を笑わせようと脳性麻痺患者の真似をするなど調子に乗りまくり、実に見るに堪えない映像となっている。

 このインタビュー映像によって、セクハラ、女性を見下すような性差別、フランス語訛りの英語をバカにしている人種差別に加え、障害者を笑いネタにしていると、ハリケーン級のバッシングが巻き起こっているのだ。

 ちなみにこのカナダ人女性司会者は、米業界紙「The Hollywood Reporter」の取材に対して「あれは全部演技よ。えぇ、トップレスになれとか言うのも全部、仕込みです」とベンをかばう発言をしている。それが本当なら彼女もアカデミー女優級だが、「そんなわけないだろ!」「和解金でももらってるんじゃない?」「いや、体の関係を持ったからでしょ」と、火に油を注いでしまった。

 ベンはヒラリーに対して「ごめんなさい」と謝罪ツイートを投稿。問題のインタビューについては沈黙を守っている。

 そして今度は、メイクアップ・アーティストのアナマリー・テンドラーという女性が、「私もベン・アフレックから謝罪の言葉が欲しいわ。14年のゴールデン・グローブのパーティーでおしりを掴まれたセクハラに対して」と爆弾を投下。「私のそばを通った時に、おしりを掴んで、おしりの割れ目に指を押し当てたのよ」と具体的に説明した。ネットは「まだ結婚していた時じゃないか!」「セクハラは治らないのね。最悪」と彼を批判する声で溢れ、ますます収拾がつかない状態となっている。

 もしベンがハーベイのセクハラに関して何も言わなかったら、このような大炎上騒ぎにはならなかったかもしれない。グウィネス・パルトローの「私もハーベイに言い寄られたが断った。当時交際していたブラッド・ピットに打ち明けたら、彼は抗議して私を守ってくれた」という発言で株を上げたブラッドとは大違いだ。グウィネスはベンの元カノでもある。「もし、ベンと交際していた時にハーベイに言い寄られてたら、グウィネスは人身御供として差し出されてたでしょうね」と言う人までいるように、今やベンも「ハリウッドでやりたい放題している、セクハラ野郎」という目で見られている。『バットマン』の続編どころではなさそうだ。最悪の場合には、ハーベイ共々ハリウッドでは今後見られない可能性も考えておくべきだろう。

加藤綾子「セクシーポーズ」日テレ「清廉性」弁護士が斬る、女子アナ入社試験のおかしな項目!

 元フジテレビのフリーアナウンサー、加藤綾子が7月10日深夜放送の『クジパン』(フジテレビ系)に出演。同局の入社試験で“セクシーポーズ”を求められた際に、スカートをまくり上げたことを明かした。これに対し、ネットでは、「セクハラ」「これを面白いと思って放送したフジテレビは倫理観が狂ってる」「気持ち悪い」等、非難ごうごう。テレビ局の入社試験で、セクシーポーズをさせることは法的に問題ないのだろうか。アディーレ法律事務所の吉岡達弥弁護士に聞いた。

■人格権侵害で損害賠償も!

 吉岡弁護士によると、セクハラとは、相手の意に反する性的言動、性的嫌がらせ全般を指すという。

「入社を希望する学生等からすれば、入社試験で、『セクシーポーズをしてください』と言われたら、意に反していても断ることはできず、要求に応えざるを得ません。一般の場で同じことを言われたら、断る女性の方が多いと思いますし、入社試験だから、やむを得ず要求に応じ、『セクシーポーズ』をすると考えられますので、セクハラに該当します。セクハラに該当すれば、人格権侵害として損害賠償請求の対象となります」

 そもそも、採用選考にあたって、男女で異なる扱いをすることは法律で禁止されているそうだ。

「例えば、結婚の予定の有無、子どもが生まれた場合の継続就労の希望の有無等一定の事項について、女性に対してのみ質問することは禁止されています(雇用機会均等法10条、労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針)。

 当然、入社試験で、女性にだけ『セクシーポーズをしてください』と言ったら、この雇用機会均等法、指針に反します。そして、厚生労働大臣は、必要があるときは、事業主から報告を求め、助言・指導・勧告をすることができ(29条)、報告をしなかったり、虚偽の報告をした者に対しては、20万円以下の過料が科せられます(33条)。勧告に従わない場合には、企業名を公表することもできます(30条)」

 現在、この試験項目はなくなったそうだが、加藤はフジテレビに対して損害賠償を請求する裁判を起こすことも可能だったということだ。

 また、裁判といえば、以前、学生時代のホステスのバイト歴が発覚し、内定を取り消された女子学生がいた。その後、裁判を起こして和解し、日本テレビに入社した笹崎里菜アナウンサーだ。彼女が受け取った通知書には「アナウンサーには高度の清廉性が求められる」などと書かれていたという。

 これら2つのケースのように、入社希望者に「高度の清廉性」や「セクシーポーズ」を求めるのは、“女子アナ”という特殊な職業だから、ということで認められるものなのだろうか。

「職業ごとに要求される要素というものは異なりますが、憲法、雇用機会均等法によって、性別による差別は禁止されていますので、『セクシーポーズ』を求めるのは認められません。

 また、『高度の清廉性』に関しては、具体的中身が問題となります。ホステスのバイトをすることが、なぜ『高度の清廉性』を害するのかが不明です。ホステスも立派な職業ですから、ホステスをしていたことが『高度の清廉性』を害すると判断するのは、ホステスを職業差別していることになる可能性もありますし、ホステスは『高度の清廉性』を害すると判断している人にこそ、『高度の清廉性』がないのではと判断される可能性もあります。そういったことから、内定取り消し事件は和解に至ったのではないでしょうか」

■女子アナに就職協定は関係ない

 ところで、加藤は、ほかの受験者よりも相当優位な状況下で試験を受け、フジテレビ入社は「青田買い」状態だったと報じられている。また、元乃木坂46の市來玲奈は、今年2月に、日本テレビのアナウンサーに内定したと報じられた。日本経済団体連合会(経団連)の「採用選考に関する指針」(いわゆる就職協定)では「正式な内定日は17年10月1日以降とする」と定められているが、それよりも半年以上早く内定が出ていることになる。就職協定には法的な拘束力はないのだろうか?

「経団連の就職協定(採用選考指針)に法的拘束力はありません。あくまで自主的ルールです。ルールを定めた理由は、企業の採用活動を学業の妨げにならない時期に定め、学生が学業に専念できるようにすることにあります。法的拘束力を持たせると、企業の採用の自由、学生の就職活動の自由が制約され問題が出てきます。そのため、あくまで自主的ルールにとどめています。当然、採用活動に苦戦する企業等は守りません。また、経団連に加盟していない企業からすれば自主的ルールにさえ拘束されません」

 つまり女子アナの「青田買い」は法的に問題ないということのようだ。しかし、これらは、女子アナの入社試験がいかに特殊かを表しているのではないだろうか。

アディーレ法律事務所

加藤綾子「セクシーポーズ」日テレ「清廉性」弁護士が斬る、女子アナ入社試験のおかしな項目!

 元フジテレビのフリーアナウンサー、加藤綾子が7月10日深夜放送の『クジパン』(フジテレビ系)に出演。同局の入社試験で“セクシーポーズ”を求められた際に、スカートをまくり上げたことを明かした。これに対し、ネットでは、「セクハラ」「これを面白いと思って放送したフジテレビは倫理観が狂ってる」「気持ち悪い」等、非難ごうごう。テレビ局の入社試験で、セクシーポーズをさせることは法的に問題ないのだろうか。アディーレ法律事務所の吉岡達弥弁護士に聞いた。

■人格権侵害で損害賠償も!

 吉岡弁護士によると、セクハラとは、相手の意に反する性的言動、性的嫌がらせ全般を指すという。

「入社を希望する学生等からすれば、入社試験で、『セクシーポーズをしてください』と言われたら、意に反していても断ることはできず、要求に応えざるを得ません。一般の場で同じことを言われたら、断る女性の方が多いと思いますし、入社試験だから、やむを得ず要求に応じ、『セクシーポーズ』をすると考えられますので、セクハラに該当します。セクハラに該当すれば、人格権侵害として損害賠償請求の対象となります」

 そもそも、採用選考にあたって、男女で異なる扱いをすることは法律で禁止されているそうだ。

「例えば、結婚の予定の有無、子どもが生まれた場合の継続就労の希望の有無等一定の事項について、女性に対してのみ質問することは禁止されています(雇用機会均等法10条、労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針)。

 当然、入社試験で、女性にだけ『セクシーポーズをしてください』と言ったら、この雇用機会均等法、指針に反します。そして、厚生労働大臣は、必要があるときは、事業主から報告を求め、助言・指導・勧告をすることができ(29条)、報告をしなかったり、虚偽の報告をした者に対しては、20万円以下の過料が科せられます(33条)。勧告に従わない場合には、企業名を公表することもできます(30条)」

 現在、この試験項目はなくなったそうだが、加藤はフジテレビに対して損害賠償を請求する裁判を起こすことも可能だったということだ。

 また、裁判といえば、以前、学生時代のホステスのバイト歴が発覚し、内定を取り消された女子学生がいた。その後、裁判を起こして和解し、日本テレビに入社した笹崎里菜アナウンサーだ。彼女が受け取った通知書には「アナウンサーには高度の清廉性が求められる」などと書かれていたという。

 これら2つのケースのように、入社希望者に「高度の清廉性」や「セクシーポーズ」を求めるのは、“女子アナ”という特殊な職業だから、ということで認められるものなのだろうか。

「職業ごとに要求される要素というものは異なりますが、憲法、雇用機会均等法によって、性別による差別は禁止されていますので、『セクシーポーズ』を求めるのは認められません。

 また、『高度の清廉性』に関しては、具体的中身が問題となります。ホステスのバイトをすることが、なぜ『高度の清廉性』を害するのかが不明です。ホステスも立派な職業ですから、ホステスをしていたことが『高度の清廉性』を害すると判断するのは、ホステスを職業差別していることになる可能性もありますし、ホステスは『高度の清廉性』を害すると判断している人にこそ、『高度の清廉性』がないのではと判断される可能性もあります。そういったことから、内定取り消し事件は和解に至ったのではないでしょうか」

■女子アナに就職協定は関係ない

 ところで、加藤は、ほかの受験者よりも相当優位な状況下で試験を受け、フジテレビ入社は「青田買い」状態だったと報じられている。また、元乃木坂46の市來玲奈は、今年2月に、日本テレビのアナウンサーに内定したと報じられた。日本経済団体連合会(経団連)の「採用選考に関する指針」(いわゆる就職協定)では「正式な内定日は17年10月1日以降とする」と定められているが、それよりも半年以上早く内定が出ていることになる。就職協定には法的な拘束力はないのだろうか?

「経団連の就職協定(採用選考指針)に法的拘束力はありません。あくまで自主的ルールです。ルールを定めた理由は、企業の採用活動を学業の妨げにならない時期に定め、学生が学業に専念できるようにすることにあります。法的拘束力を持たせると、企業の採用の自由、学生の就職活動の自由が制約され問題が出てきます。そのため、あくまで自主的ルールにとどめています。当然、採用活動に苦戦する企業等は守りません。また、経団連に加盟していない企業からすれば自主的ルールにさえ拘束されません」

 つまり女子アナの「青田買い」は法的に問題ないということのようだ。しかし、これらは、女子アナの入社試験がいかに特殊かを表しているのではないだろうか。

アディーレ法律事務所

セクハラ野次の塩村あやか議員が語る、オジサン議員の裏側「都議会は“学級崩壊”状態だった」

 「早く結婚したほうがいいんじゃないか?」「まずは自分が産んでから!」など、2014年6月の都議会でとんでもない「セクハラ野次」を浴びた塩村あやかさんが、『女性政治家のリアル』(イースト新書)を上梓した。塩村さんといえば、『恋のから騒ぎ』(日本テレビ系)への出演、タレント活動、放送作家などを経て、13年に東京都議会議員へと転身した異色の経歴の持ち主。また、就職氷河期の“ロスジェネ世代”で、非正規雇用で社会に出て、女性、ひとり会派と、超マイノリティな政治家でもある。

 そんな塩村さんに、「セクハラ野次」はなぜ起こったのか? そして、都議会と政治の世界について聞いた。

■みなさんが意見を言うことで、政治を動かしていく

――『女性政治家のリアル』を出版された経緯を教えてください。

塩村あやかさん(以下、塩村) 1年以上前に出版のお話をいただき、編集者さんと内容を決め、原稿を書きました。都議会議員選挙(17年7月)直前に出すと、バタバタしてしまい、あまりよくないと思ったので、何事もない平和な時にと、16年10月に発売日を設定していました。そうしたら舛添(要一)さんの騒動が起きて、本当は都政の仕事も落ち着いたタイミングを狙ったつもりが、小池百合子都知事誕生の大騒動のさなかになってしまいました(笑)。

――偶然のタイミングなんですね。それにしても、なぜ順調だった放送作家のお仕事を捨て、政治家の道へと進もうと思われたのでしょうか?

塩村 切実に「世の中を変えたい」という気持ちがあったからです。長年、動物愛護活動をしているのですが、日本では年間10万頭もの犬や猫が殺処分されている現実をどうにかしたかった。それから、いつか子どもを産んでも、フリーランスの放送作家だと、保育園に預けられないかもしれない、そうしたら仕事が続けられないといった、当事者世代だからこそ身近に感じる現実にも直面しました。そのサポートがダイレクトにできるのは、政治の世界だと思い、飛び込みました。

 政治家になる前に、元議員のある有名な先生にそのことをお話ししたら、「放送作家のほうが世の中を変えられるよ。政治の世界は、なかなか変えられるものではない」とおっしゃったんですね。当時は、それもおかしな話だと思ったんですが、3年半たった今は、その意味もわかります。政治の世界は、ものすごく歩みが遅くて、悪いほうに一気に変わらないように、安全に安全を重ねた仕組みになっているので、緊急性をもってやらないといけないことへの対応が遅れてしまっている気がしています。

――動きが遅いのですね。子どもを保育園に預けられなくて、今も困っている女性が大勢いると思います。どうすれば、早く前へ進むようになると思いますか?

塩村 政治を動かすのは、みなさんでしかないんですよ。政治の世界には民意を反映する、というところがあるので、世論をつくるしかない。「保育園落ちた日本死ね!!!」というブログが大きな話題になりましたが、あのような世論を喚起する騒動がないと、政治の世界では物事がなかなか前へ進まないんですね。政治は少し遅れながら動いている部分があるので、そのスピードを速めるには、みなさんが意見を言うことで、政治を動かしていくことが必要です。

 例えば、ウェブニュースなどを読んで、おかしいなと感じたことがあれば、「これ、マジやばい」とつぶやいてみる。そのちょっとしたつぶやきが、何万人にも拡散されると、変わっていきます。

 でも、あまりにも拡散すると一気に叩かれちゃうから、書いた人は二度と言わなくなる。それに、あまりやりすぎると、「コイツは左翼だ」と言われ、ネットの住民に叩かれるので、少しずつコツコツと。私は、すでにぼっこぼこに叩かれているけれども、叩かれたら勲章ぐらいに思って、社会を底上げするような応援をしてほしいですね。

■怒られるから、野次は言っちゃいけない!?

――「セクハラ野次」についてお伺いします。議会の一般質問で、不妊治療に関する質問をしている時に、「早く結婚したほうがいいんじゃないか?」「まずは自分が産んでから!」といった、とんでもない野次が飛び交っていました。どんな思いで質問を続けていたのか教えてください。

塩村 当時は、議員になってまだ1年たっていない時だったので、純粋な気持ちでやっていたんですけれど、こりゃひどいと思いました。今はもう、こんな人たちが議員であることがわかっているので、当時のように思わないでしょうが、あの時は聞いているうちに落胆するし、悲しくなるし、何より相談してくれた人たちの顔が浮かぶわけです。

 「不妊治療の末に子どもを授かった」とか、「今、不妊治療しています」とか、そういう方々の代表で立っているのに、目の前には「早く結婚したほうがいいんじゃないか?」「まずは自分が産んでから!」と言って、ギャーギャー笑っている人たちがいる。もう学級崩壊となんら変わらない状態ですよ。このおじさんたちに何を言っても無駄だ、という絶望感、怒りと悲しみで、声が上ずりました。

――女性という理由で、あれほど野次が飛んだのでしょうか?

塩村 それもありますし、議会には「小さい会派には何を言ってもいい」「強い者が弱い者をいじめてよし」みたいな風土があるんですよね。私はこれを“逆カースト制度”と呼んでいます。数が少ないほうが虐げられるんです。あの野次には権力闘争みたいな面もあって、「自分は他の会派を牽制しているんだ」と、先輩へのアピールになる。だから、自分をアピールする手段にしていたんだと思います。

――ひどい話ですね。その後、ちゃんと謝りに来てもらえたのですか?

塩村 議会が終わった直後、幹部クラスではないにしろ、同期くらいの議員から「ウチの会派が悪かったね」と、ひと言ぐらい謝りに来ると思っていたら、来なかった。来たのは、「謝りに来ました?」と確認しにきた記者だけでした。その後、しばらしくて、明らかに野次の声の主だとされ、逃げ切れなくなったひとりだけが謝りました。けれど、そのほかの多くの議員は、逃げたまま、今も謝罪はありません。

 騒動以降、一応、あのような野次はダメなんだというふうに、少しずつ変わってきているとは思います。でも、まだ強制的に直されている、という状況ですよね。怒られるから言っちゃいけないーーみたいなレベルです。

■当選させてくれた人たちを、裏切っちゃいけない

――あの野次を本気でまずいことだと思っている議員の割合は、どれくらいいると感じていますか?

塩村 都議会全体として、3分の1ぐらいは、まともな議員という印象です。共産党と東京・生活者ネットワークは、あのような野次は公私ともにあってはならないとの認識がある方々です。公明党も、基本的にはまずいとわかっていると感じています。ただ、やっぱり友党として自民党に引っ張られちゃう部分はあったせいか、制止するまでには至らない。

 自民党の中にも、わずかですが、本気でまずいと思っている方もいらっしゃいます。直接、言葉にして伝えてくれた先生もいますから。でも、私と話しているのを見つかるとまずいので、あの騒動がだいぶ落ち着いてからでしたけど。

――しかし、本当に精神的にタフですね。

塩村 タフになったのは、幼い頃から徐々にだと思いますね。本にも書いてあるのですが、私が子どもの頃に、父親が事件を起こし、逮捕されているんですよ。そのあたりから慣れてはいます。そのことで、近所のお母さんから「あの子と遊んじゃいけないよ」と、ひどい扱いを受ける一方で、良い人もたくさんいて、助けられて生きています。

 その人たちを裏切っちゃいけないという思いもあるんです。議員になって、少数派ですけれど当選させてくれた、応援してくれた人たちが約2万3,000人います。その人たちの代表で来ているので、個人的なことで辞めちゃいけない、と思います。もちろん腹が立つことも多いけれど、それが仕事ですから。めげますけどね、よく(笑)。
(上浦未来)

(後編につづく)

映画『未来を花束にして』講演会で考えた、女性が活躍できない日本社会

 国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。

 秘書仲間にはいろいろな人がいて、帰国子女も多いです。「人材のグローバリゼーションが進んでいる」と言いたいところですが、実際の永田町は、全く違います。古臭い男尊女卑が横行し、セクハラやパワハラが横行しているのです。その上、自分の言動がセクハラだとまったく気づいていない議員も多いんですよね。

 しかし、「紳士の国」とか「レディーファースト」のイメージが強く、女性の首相が2人も誕生しているイギリスでさえ、女性に男性と同等の参政権が与えられたのは、1928年のことだったそうです。イギリスも女性の地位が非常に低く、当時の女性の労働者の賃金は男性の2分の1から6分の1だった時代があったと知り、驚きました。

 このイギリスにおける女性参政権運動をテーマにした映画『未来を花束にして』が、2017年1月に日本でも公開されるそうで、公開に先駆け、日本でも講演会が行われました。

■イギリスの国会でも、いまだにセクハラは存在する

 この映画は、普通の女性たち(映画では“名もなき花”と表現されています)の日々の生活と参政権運動をリアルに描いており、運動を熱心にしていた女性たちが、決して「男勝り」ではなく、自分たちらしい服装と感性で働きながら子育てや家事をしていたごくごく普通の女性たちだったという部分が、とても印象に残ると思います。主演のメリル・ストリープは「すべての娘たちはこの歴史を知るべきであり、すべての息子たちはこの歴史を心に刻むべきである」というメッセージを出しています。

 ストリープ演じる主人公、エメリン・パンクハーストのひ孫にあたるヘレン・パンクハーストさんが来日し、「政治分野における女性の参画と活躍を推進する議員連盟」の特別講師として議員会館で講演をされ、イギリスでの女性の社会進出の取り組みや効果的な手法などをお話ししてくださいました。

 意外だったのは、イギリスの国会でも、いまだにセクハラは存在するということです。でも、国会がテレビ中継され、セクハラを受けた女性議員もその都度SNSにアップしたりするので、かなり減ってきたそうです。

 そういえば日本でも、2014年の東京都議会の塩村文夏議員が受けた「結婚しろ」「自分が子どもを産め」というセクハラヤジの映像がネットに出回り、批判であふれたことから、ヤジを飛ばした男性議員がかなりの社会的制裁を受けたことがありましたよね。

 でも、永田町では、こんな程度のセクハラなんて日常茶飯事です。日本の中心である永田町からセクハラがなくならない限り、女性が日本社会で活躍できないことは明白です。

■女性秘書も「愛人」と思われたい!?

 パンクハーストさんのお話をお聞きして、「権利は勝ち取るもの」だと実感しました。永田町にずっといると、もはやセクハラにも感覚がマヒしてしまいがちなのですが、やはり怒っていかなければならないなあとも思います。

 たとえば永田町では、おばさんになると女性扱いされません。これは一般企業や官庁も同じかもしれませんけどね。おばさんの前では、オッサンたちが平気で下ネタをしゃべります。年齢を重ねても女性であることは変わらないし、不快に思う気持ちも変わらないのにと憤りを感じることもしばしばです。

 それに、男性議員と女性秘書は、事あるごとに愛人関係を疑われます。これには女性秘書のほうにも問題があることが多いです。デキてもいないのに「デキてる」と言われたら、普通は怒ると思うのですが、それを女性秘書自身が「愛人と疑われているうちは華よねー」なんて言うんです。自分を納得させるためなのか、間違った感覚を洗脳されているのかわかりませんが、そんなことを言わなくてもいいのにと思います。

 「女性秘書=愛人」という考え方は、本当にどうにかしてほしいと思う日々。自他ともに認める「年増」になった神澤ですが、それでも「愛人」だと思われて仕事に支障の出ることがあります。それを愚痴ると、逆に「よかったね」などと言うのが永田町の感覚なんです。要するに「まだ女性として見られてよかったね」という皮肉なんでしょう。

■永田町では「年増の女は不要」

 さらに、政党職員の採用では、履歴書の審査の段階で、一定年齢以上の女性ははじかれます。「年増はダメだ」と公然と言う国会議員が多いのです。秘書としての経験値の高い人の方が即戦力として役立つはずなのに、年齢や外見を重視するのです。男性職員の採用の場合は、経験値と能力を重視するのに……。

 そして、それも女性差別だと気づいていないのです。一部の議員は「女性を優遇して何が悪い」とまで言い放ちます。女性のみ「年齢重視、外見重視の、どこが優遇なんだ!?」と叫びたくなります。

 それに、秘書同士でも、「女性としての賞味期限が、あと少しですよ」なんてことを言う人がいます。それもセクハラだと思いますが、ハラスメントだと気づいていないんです。「それ、セクハラですよ」と指摘すると「え、なんで? まだまだきれいだって褒めたつもりなんだけど?」などと反論するレベルなんですよ。

 もちろん容姿について、あれこれ言われるのも、女性秘書に対してだけです。最近、芸能人に使うように「劣化している」なんて言葉が永田町でも聞こえてきますが、それも女性議員や女性秘書に対してしか使われていません。

■女性の活躍は期待できない?

 議員秘書は基本的に立場が不安定で、議員の落選や失職、辞職などにより、突然職を失うこともあります。そんな時、女性の元秘書だけは「旦那さんがいるんだから、少し休んだら?」などと周囲に言われることがあります。気遣っているつもりなのですが、同じ言葉を男性秘書にも言えますか? と思うんです。

 男性の元秘書に対しては「家族もいるから大変だよね、早く次の職場が見つかるといいね」などと声をかけます。これも立派なセクハラですが、やはり気づいていない。独身の女性秘書から言わせると「議会は、ただでさえパイが少ない職場。旦那さんがいる人は、働かないでほしいのが本音」なのだそうです。

 きっと男性も同じ論理で、競争率を減らすために、夫のいる女性秘書には、先のような声がけをしてしまうのでしょう。でも、男女平等の感覚があれば、決して出てこない発言です。

 こんな残念な永田町ですから、世界経済フォーラム(WEF)が調査している男女の平等格差を表す「ジェンダーギャップ指数」(2015年)が145カ国中で日本は101位と、先進国ではダントツに低い状況というのにも納得がいきます。

 安倍総理から「女性の活躍」という発言を聞くたびに、正直、「本気でやる気はないくせに……」と、ため息をついています。

映画『未来を花束にして』講演会で考えた、女性が活躍できない日本社会

 国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。

 秘書仲間にはいろいろな人がいて、帰国子女も多いです。「人材のグローバリゼーションが進んでいる」と言いたいところですが、実際の永田町は、全く違います。古臭い男尊女卑が横行し、セクハラやパワハラが横行しているのです。その上、自分の言動がセクハラだとまったく気づいていない議員も多いんですよね。

 しかし、「紳士の国」とか「レディーファースト」のイメージが強く、女性の首相が2人も誕生しているイギリスでさえ、女性に男性と同等の参政権が与えられたのは、1928年のことだったそうです。イギリスも女性の地位が非常に低く、当時の女性の労働者の賃金は男性の2分の1から6分の1だった時代があったと知り、驚きました。

 このイギリスにおける女性参政権運動をテーマにした映画『未来を花束にして』が、2017年1月に日本でも公開されるそうで、公開に先駆け、日本でも講演会が行われました。

■イギリスの国会でも、いまだにセクハラは存在する

 この映画は、普通の女性たち(映画では“名もなき花”と表現されています)の日々の生活と参政権運動をリアルに描いており、運動を熱心にしていた女性たちが、決して「男勝り」ではなく、自分たちらしい服装と感性で働きながら子育てや家事をしていたごくごく普通の女性たちだったという部分が、とても印象に残ると思います。主演のメリル・ストリープは「すべての娘たちはこの歴史を知るべきであり、すべての息子たちはこの歴史を心に刻むべきである」というメッセージを出しています。

 ストリープ演じる主人公、エメリン・パンクハーストのひ孫にあたるヘレン・パンクハーストさんが来日し、「政治分野における女性の参画と活躍を推進する議員連盟」の特別講師として議員会館で講演をされ、イギリスでの女性の社会進出の取り組みや効果的な手法などをお話ししてくださいました。

 意外だったのは、イギリスの国会でも、いまだにセクハラは存在するということです。でも、国会がテレビ中継され、セクハラを受けた女性議員もその都度SNSにアップしたりするので、かなり減ってきたそうです。

 そういえば日本でも、2014年の東京都議会の塩村文夏議員が受けた「結婚しろ」「自分が子どもを産め」というセクハラヤジの映像がネットに出回り、批判であふれたことから、ヤジを飛ばした男性議員がかなりの社会的制裁を受けたことがありましたよね。

 でも、永田町では、こんな程度のセクハラなんて日常茶飯事です。日本の中心である永田町からセクハラがなくならない限り、女性が日本社会で活躍できないことは明白です。

■女性秘書も「愛人」と思われたい!?

 パンクハーストさんのお話をお聞きして、「権利は勝ち取るもの」だと実感しました。永田町にずっといると、もはやセクハラにも感覚がマヒしてしまいがちなのですが、やはり怒っていかなければならないなあとも思います。

 たとえば永田町では、おばさんになると女性扱いされません。これは一般企業や官庁も同じかもしれませんけどね。おばさんの前では、オッサンたちが平気で下ネタをしゃべります。年齢を重ねても女性であることは変わらないし、不快に思う気持ちも変わらないのにと憤りを感じることもしばしばです。

 それに、男性議員と女性秘書は、事あるごとに愛人関係を疑われます。これには女性秘書のほうにも問題があることが多いです。デキてもいないのに「デキてる」と言われたら、普通は怒ると思うのですが、それを女性秘書自身が「愛人と疑われているうちは華よねー」なんて言うんです。自分を納得させるためなのか、間違った感覚を洗脳されているのかわかりませんが、そんなことを言わなくてもいいのにと思います。

 「女性秘書=愛人」という考え方は、本当にどうにかしてほしいと思う日々。自他ともに認める「年増」になった神澤ですが、それでも「愛人」だと思われて仕事に支障の出ることがあります。それを愚痴ると、逆に「よかったね」などと言うのが永田町の感覚なんです。要するに「まだ女性として見られてよかったね」という皮肉なんでしょう。

■永田町では「年増の女は不要」

 さらに、政党職員の採用では、履歴書の審査の段階で、一定年齢以上の女性ははじかれます。「年増はダメだ」と公然と言う国会議員が多いのです。秘書としての経験値の高い人の方が即戦力として役立つはずなのに、年齢や外見を重視するのです。男性職員の採用の場合は、経験値と能力を重視するのに……。

 そして、それも女性差別だと気づいていないのです。一部の議員は「女性を優遇して何が悪い」とまで言い放ちます。女性のみ「年齢重視、外見重視の、どこが優遇なんだ!?」と叫びたくなります。

 それに、秘書同士でも、「女性としての賞味期限が、あと少しですよ」なんてことを言う人がいます。それもセクハラだと思いますが、ハラスメントだと気づいていないんです。「それ、セクハラですよ」と指摘すると「え、なんで? まだまだきれいだって褒めたつもりなんだけど?」などと反論するレベルなんですよ。

 もちろん容姿について、あれこれ言われるのも、女性秘書に対してだけです。最近、芸能人に使うように「劣化している」なんて言葉が永田町でも聞こえてきますが、それも女性議員や女性秘書に対してしか使われていません。

■女性の活躍は期待できない?

 議員秘書は基本的に立場が不安定で、議員の落選や失職、辞職などにより、突然職を失うこともあります。そんな時、女性の元秘書だけは「旦那さんがいるんだから、少し休んだら?」などと周囲に言われることがあります。気遣っているつもりなのですが、同じ言葉を男性秘書にも言えますか? と思うんです。

 男性の元秘書に対しては「家族もいるから大変だよね、早く次の職場が見つかるといいね」などと声をかけます。これも立派なセクハラですが、やはり気づいていない。独身の女性秘書から言わせると「議会は、ただでさえパイが少ない職場。旦那さんがいる人は、働かないでほしいのが本音」なのだそうです。

 きっと男性も同じ論理で、競争率を減らすために、夫のいる女性秘書には、先のような声がけをしてしまうのでしょう。でも、男女平等の感覚があれば、決して出てこない発言です。

 こんな残念な永田町ですから、世界経済フォーラム(WEF)が調査している男女の平等格差を表す「ジェンダーギャップ指数」(2015年)が145カ国中で日本は101位と、先進国ではダントツに低い状況というのにも納得がいきます。

 安倍総理から「女性の活躍」という発言を聞くたびに、正直、「本気でやる気はないくせに……」と、ため息をついています。