ホモフォビアの裏に潜む 「自分が性の対象になるかもしれない」という危機感

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Photo by torbakhopper from Flickr

(前編はこちら)

■人間はよくわからないものを排除しようとする

――強いホモフォビア(同性愛嫌悪)を抱く人の中には、自分も同性愛者であるケースが少なくないようですね。倒錯的な感じがしますが、あり得る話ですか?

Tomy氏(以下、Tomy) それは十分あり得る話です。当事者によるフォビアはわりとある現象なんです。自分がそうであるからこそ許せないっていうのは結構あること。ただ、だからといって殺そうというところまでいかないですよね。そこに宗教的なことや、認めがたい環境があるということは想像できます。

――ホモフォビアは宗教的な背景を持っているケースと、「気持ち悪い」とか「抵抗感がある」という感覚的なケースがあるということですが、では同性愛について「なんとなく生理的に気持ち悪い」という感情はなぜ出てきてしまうのでしょうか?

Tomy 考えられることは2つあります。1つは、「一般的に無知なものに対して人は警戒する」ということ。人間には、よくわからないものは排除しようとする性質があります。それは本能的に正しいことなので、よくわからないものに関しては、とりあえず遠ざけたほうが安全であることが多いわけです。だから、「とりあえずちょっと気持ち悪い」とか、「ちょっと距離を置こう」というのは自然な反応なんです。

 もう1つは、自分が同性愛に興味があって、でも抑圧している場合、認めたくないから気持ち悪いっていう人がいます。

――興味があるのに、それを否定してしまうのは、なぜなのでしょう?

Tomy ちょっと興味があるからこそ、不安になるんですよね。これは、世間体を気にしたうえでの不安とはまた少し別の話で、人間は本当の気持ちを認めて不安定になるのが嫌で、自分の気持ちを“いろいろ加工する”という作業を本能的に行うことがあるんです。

 ちょっとニュアンスが違うかもしれませんが、好きな異性に対していじわるをしたくなるという感情に近いかもしれません。興味があるがゆえに敏感になってしまう。だから、自分は無関係だという主張をしたくて逆に強く否定してしまうわけです。

 こうした作用は「防衛機制」といわれるのですが、やり方はいろいろあって、そのひとつに「否認」があります。その気持ちがあることを認めないという、最もわかりやすい単純な防衛機制のひとつです。

 ただ、自分にとって都合の悪い話でなければ、否定する必要はないわけです。しかし、同性愛という性的指向を受け入れてしまうと自分が不安定になる、さらにそれが宗教の教義などで「悪」だと深く思想に刷り込まれている場合、ハードなフォビアにさいなまれてしまうということにつながってしまうのです。

■自分が性の対象になるかもしれないという不安感がホモフォビアに発展

――他に不安定な感情を引き起こす理由は、何か考えられますか?

Tomy 自分が恋愛対象にされてしまうんじゃないかと感じるときですね。たとえば、男性同性愛者の場合は女性より男性の方が、ホモフォビアが強い傾向にあると思います。女性的な感覚だと男性同性愛者っていう存在を認めてもなんにもリスクがない。むしろ女性の場合は興味深かったり、近づいてみたりすることもあるわけで親和性が高いです。逆に女性の場合は、むしろ、男友達がゲイだってわかったら、男女間にある緊張感から解放されますよね。しかし、男性にとっては自分が性の対象になるかもしれないという危機なので、割と過剰に反応する人が多いですね。女性にしてみればあまり不安な感覚にならないので、「気持ち悪い」というのは男性側が発する言葉なんです。

――自分が同性愛者かもしれないというより、同性愛者の恋愛対象になるかもしれないということでしょうか?

Tomy そうです。よく起きるのが、ストレートの友達にカミングアウトしたら、「俺はそういうの興味ないから」と、告白したわけでもないのに否定されるという展開。先に防衛線を張られてしまって、気まずくなってしまう。カミングアウトされた側は自分の存在が脅かされるというか、自分に不安定な要素が入ってくるということがなければ、わざわざ否定しなくてもいいことですからね。

 大抵の人にとっては、他者の性的指向なんてどうでもいいことなんですよ。同性愛だって存在するなら認めればいいじゃん、という話で済むわけです。そこであえて拒絶したり気持ち悪いという感情が芽生えたりするということは、どうでもよくはないということなんです。その存在を認めると自分にリスクがおよんでしまう、だから拒絶したほうがリスクから身を守れるとなんとなく考えて反射的に「興味ないとか」「気持ち悪い」と言ってしまうわけです。

――身近な人のカミングアウトをきっかけに、強く嫌悪感を持ってしまうことはあるんですか?

Tomy ゼロではないと思います。つまり自分の存在に関係性が生じてくると反発も強くなるわけです。別に同性愛者がいたっていいんじゃないっていう話であれば問題ないわけです。でも、自分たちが危機感を抱くようになると、反発って生まれるようになるんですね。これは宗教や民族の対立にも当てはまることで、別に多様性を認めたっていいんだけど、その人たちの存在を認めると、自分たちの存在が危なくなるってときに、だいたい反発や対立が起こるものです。

 だから、同性愛者の存在は認められても、同性婚を法制化すると反対が起こるというのは、それを認めてしまうと、社会性とか全体の流れが変わってしまってちょっと困ってしまうという危機感を感じている人たちいるということ。あまりにもスタンダードなものが変わってしまう流れになると、今までの制度の中で安心していた人が不安を感じる。その瞬間に反発が生まれるんです。

――そういう意味では、伝統的な家族のかたちが定着している日本で、同性婚が認められるまでの道のりはまだまだ遠そうですね。その一方で、同性愛者も生きやすい社会を作っていこうという動きは増していると思います。今後こういうふうに変わっていくと暮らしやすいんじゃないかというアイデアがあれば教えてください。

Tomy 同性愛をオープンにしている人とか、オープンにした方が生きやすいという人たちがいますよね。そういう人たちがオープンにしやすい環境をつくってあげることは大事です。ただ、クローズにしたいという人もいて、カミングアウトするかしないかというのは、どちらの方がいいっていう話ではないと思います。

 でも、オープンにしたいと思ったときに、オープンしにくいっていうのはよくないので、カミングアウトされたとしても「ああそうなの」くらいに普通に受け止められる人が増えることが望ましいですよね。そのためにも、まずはいろいろな性的指向を持つ人と接してみて、交流を持つのがいいのではないでしょうか。
(末吉陽子)

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Tomy(トミー)
精神科病院勤務を経て、現在はクリニックに常勤医として勤務する。オカマキャラで相談に乗るブログ「ゲイの精神科医 Tomyのお悩み相談室」が注目を集めている。著書に『アンタたち治るわよ!』(講談社)『おネエ精神科医のウラ診察室』(セブン&アイ出版)など。

同性愛者は守ってもらわないと命に関わる恐れがある ホモフォビアが生まれる背景

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精神科医のTomyさん(似顔絵)

 一橋大学法科大学院に通っていた男子学生Aさん(当時25)が、2015年8月に校舎6階から転落死した。ゲイであるAさんは、同級生の男性BさんにLINEで恋愛感情を持っていることを伝えたが、それをBさんが同級生に暴露。ショックを受けたAさんは心療内科を受診していたというが、転落死した当日には学校でパニック障害の発作を起こし、学内の保健センターで休養している。

 これを受けて遺族は、秘密を暴露した同級生や、Aさんの症状などを知りつつも対策を講じなかったとして大学を提訴。訴訟の第1回口頭弁論が今年8月5日、東京地裁で開かれた。

 Aさんは法科大学院の同級生たちが同性愛者を「生理的に受け付けない」などと話しているのを聞いていたと報道されている。この裁判では、性的指向や性自認を暴露する行動「アウティング」が問題となっているが、Bさんをはじめとする同級生たちの「ホモフォビア(同性愛嫌悪)」がAさんを追い詰めた可能性は、はたしてゼロだといえるだろうか。

 世界を見渡せば、6月12日には米国フロリダ州・オーランドの同性愛者が集まるクラブで銃乱射事件が発生。49人の死者と53人の負傷者を出した銃撃事件を起こした犯人の男はIS(イスラム国)に忠誠を誓っていたが、明らかに同性愛者をターゲットにしていたことから、根底にはホモフォビアがあったと考えられている。

 では、このホモフォビアとは、どのような感情から派生したものなのだろうか。その正体を知ることは、同性愛者への偏見・差別感情を解消する一助になるはずだ。自身もゲイであることをカミングアウトしている精神科医のTomy氏に話を聞いた。

■アメリカでは同性愛者は守ってもらわないと命に関わる恐れがある

――ホモフォビアというのは、何を契機に芽生える感情なのでしょうか?

Tomy氏(以下、Tomy) まず、「フォビア」つまり「嫌悪」という現象は、おそらく宗教的なベースがあるかないかで、だいぶ違ってくると思います。もし、同性愛をはじめとする特定の指向が罪であるとされている宗教で育った場合と、そうした概念がない場合では、偏見のレベルは大きく違ってくると思います。

――宗教が偏見を強めている可能性があるということでしょうか?

Tomy たとえば、一部の宗教では、そもそも同性愛自体が犯罪であるという扱いを受けることがありますね。存在してはいけないと思っている。そうした教条を信じる人が抱くホモフォビアと、なんとなく「気持ちが悪い」とか「抵抗がある」という人のそれとでは、偏見に対しての、ある意味でいう“モチベーション”がまったく違ってくるはずです。

――なるほど。日本でホモフォビアに端を発する重大事件をあまり聞かないのは、そうした“モチベーション”の違いがあるとも考えられますか?

Tomy そうだと思います。たとえば日本の場合、ヒソヒソと陰口を言うことはあるかもしれませんが、「存在を抹消しよう」という発想までには至らないことが多いですよね。しかし、他国では「存在そのものが罪である」とか「消さなきゃならない」レベルのホモフォビアが根付いているケースもあります。

 さらにいえば、アメリカでは同性愛者の人権を求める動きが活発ですが、日本の場合にはそうした動きはもともとあまりありません。というのも、アメリカでなぜそうした権利が制度化されたり法律的に認められたりする必要があるかといえば、権利を主張して守ってもらわないと、犯罪に巻き込まれるとか、殺されるかもしれないという不安が根底にあるからです。

 たとえば、カリフォルニア州でカミングアウトした同性愛者として、初めて議員になったハーヴェイ・ミルクも暗殺されてしまいましたが、こうした事例にみるホモフォビアは「気持ちが悪い」というレベルを超えていて、同性愛者は守ってもらわないと命に関わる恐れがあるわけです。

■日本は同性愛を認める文化があった

――ホモフォビアのレベルが深刻だからこそ、より強く権利を主張するという相互作用があるということですね。それでは、日本はそこまで深刻ではないと思われますか?

Tomy 日本って、歴史からみても同性愛を認める文化がありましたよね。というより、あまり気にしないっていうか……「なんか気持ち悪いかもしれないけど、別にいっか」っていう。だからアングラではあるけれど、それでなんら不自由を感じなかったので当事者も何か主張をしようという流れがあまりなかったように思います。最近になって、アメリカなどで同性婚が法律によって認められてきた流れをうけて、国内でもそうした権利を認めてほしいという声があがりはじめたっていうのが現状ではないでしょうか。

――いわゆる過渡期にあたるということでしょうか?

Tomy そうですね。あと以前に比べると同性愛者たちを見かける機会が増えていますよね。たとえば私が子どもの頃は、そういう人たちは東京の新宿にしかいないと思っていたくらい。だから身近にいるという認識がなかったんです。今はメディアにもたくさん出てきているし、身近な存在であるという認識が高まってきていていますよね。その中でカミングアウトもさらっとできちゃう風土がだんだんとでき上がってきている印象です。当たり前にいる、特別じゃないという理解がだんだん増えてきたので、殺されたりとか、そうした不安感はないにせよ、やっぱり法律で認められていた方がいいんじゃないかという、緩やかな土壌の中での権利主張が出てきたんじゃないかなと思います。
(末吉陽子)

(後編につづく)

Tomy(トミー)
精神科病院勤務を経て、現在はクリニックに常勤医として勤務する。オカマキャラで相談に乗るブログ「ゲイの精神科医 Tomyのお悩み相談室」が注目を集めている。著書に『アンタたち治るわよ!』(講談社)『おネエ精神科医のウラ診察室』(セブン&アイ出版)など。

多様な家族のかたちを受け入れるには何が必要か? 同性カップルの子育てから考える

<p> 戦後から今日に至るまで、夫婦と子ども2人の家庭は「標準世帯」と呼ばれ、典型的な家族構成の概念として浸透している。しかし近年、晩婚化や少子化、シングルファザー・マザー家庭、外国人家族などの増加により、家族構成の多様化が浮き彫りになるなか、長らく標準世帯をベースに政策やマーケティングを進めてきた国や企業、そして我々自身の価値観も、変化が必要な時期に差し掛かっているのではないだろうか。</p>

アメリカの「ゲイビーブーム」とは? 生殖ビジネスの先進地における同性カップルの子育て

<p> 2015年6月、アメリカの連邦最高裁判所が、同性婚を「憲法上の権利」と認める判断を示してから、およそ1年がたった。日本でも昨年11月に、渋谷区で「パートナーシップ証明書」の発行、世田谷区では同性カップルを対象にした「宣誓書」を受け付ける制度の導入などが決まり、セクシュアル・マイノリティを取り巻く環境に変化が生じている。<br /> </p>

教科書にLGBTが必要な理由 多様な性の理解における学校教育の重要性

<p> 今年5月6日、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(以下、HRW)が、日本政府にLGBT(セクシュアル・マイノリティ)の子どもを学校でのいじめから保護するよう求める報告書を公表した。「『出る杭は打たれる』日本の学校におけるLGBT生徒へのいじめと排除」と題された全84ページの報告書には、児童・生徒および学生へのインタビューやアンケート調査の結果が詳細に記されている。<br />  その中で、「今年度(もしくは一番最近の学年度)、学校の先生や生徒がLGBTの人たちに対する暴言、否定的な言葉、もしくは冗談を言うのを聞いたことはありますか」という問いに対し、25歳未満の回答者458名のうち「先生が言っているのを聞いた」と答えたのは29%、「先生もしくは生徒が言っているのを聞いた」では86%の多数に上る。なかには、「ホモ」という言葉を使用し、侮蔑的な表現をしていた教員を目にした生徒や学生も少なくないことがわかった。</p>

「異性の服装と振る舞いを何十年も続けなければいけない違和感」性同一性障害の当事者が語る本音

<p> 生まれたときの体の性と心の性が一致しない「性同一性障害」。全国に約4万6,000人いるとされているが、性的マイノリティに位置づけられている当事者たちは、性別に対する違和感だけではなくカミングアウトの不安など、さまざまな苦悩を抱えている。実際のところ、それぞれのライフステージにおいてどのような壁を感じ、葛藤してきたのだろう。<br />  そこで、今年のGID学会(Gender Identity Disorder=性同一性障害の略)の研究大会にあわせて、NPO法人性同一性障害支援機構が開催した「GID全国交流会」に参加。当日、筆者の取材に応じてくれた当事者たちの本音の一部を紹介したい。<br /> </p>

「異性の服装と振る舞いを何十年も続けなければいけない違和感」性同一性障害の当事者が語る本音

<p> 生まれたときの体の性と心の性が一致しない「性同一性障害」。全国に約4万6,000人いるとされているが、性的マイノリティに位置づけられている当事者たちは、性別に対する違和感だけではなくカミングアウトの不安など、さまざまな苦悩を抱えている。実際のところ、それぞれのライフステージにおいてどのような壁を感じ、葛藤してきたのだろう。<br />  そこで、今年のGID学会(Gender Identity Disorder=性同一性障害の略)の研究大会にあわせて、NPO法人性同一性障害支援機構が開催した「GID全国交流会」に参加。当日、筆者の取材に応じてくれた当事者たちの本音の一部を紹介したい。<br /> </p>

地方はセクシュアル・マイノリティへの偏見が強い 名古屋の成人式に苦情電話も

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LGBT成人式@名古屋の実行委員とゲスト

 レズビアンやゲイなどセクシュアル・マイノリティ(LGBT)がありのままの姿で成人の節目を迎えようという「LGBT成人式」が3月19日、愛知県名古屋市の中区役所ホールで開催された。このLGBT成人式は当事者の実行委員によって運営されており、2011年に初開催された東京のほか、大阪や札幌、盛岡、静岡など、今年度は過去最多の11カ所で行われている。

■就職活動中、カミングアウトせざるを得ないと感じた

 名古屋の実行委員によると、この日の参加者は100人。入場無料で、セクシュアリティや年齢を問わず参加できることから、中には親と一緒に参加した小学生もいたという。

 式では、来賓の挨拶、参加者の演説やパフォーマンス、東ちづる、乙武洋匡、IVANといった著名人からのメッセージ映像の上映と、ゲストによるトークショーが行われた。

 トークショーのテーマは「LGBTと就職」で、地元のケーブルテレビでキャスターとして働く高倉唯さん、NPO法人「PROUD LIFE」代表理事の安間優希さん、タレントの一ノ瀬文香さんが、就職や職場でのカミングアウトなどについて、それぞれの経験を語った。

 マスコミを希望していたレズビアンの高倉さんは、就職活動中、面接官に志望理由を話すとき、カミングアウトせざるを得ないと感じたという。

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高倉唯さん

「マスコミはいろんなことに目を向けて取り上げないといけないから、『LGBT(の問題)をやりたいのならNPOに就職したほうがいいんじゃないか』と言われました。そこでLGBTだけでなく、いろいろな社会的マイノリティに目を向けないといけないと気づいたんです。就活しながら成長していきました」(高倉さん)

 現在は女性として生活している安間さんは、就職した時は男性だった。当時はまだ性同一性障害特例法もない時代だったが、性別への違和感が強くなり、自分の希望する性で生きていきたいという気持ちが募って、途中から女性として仕事をするようになった。

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安間優希さん

「(自分の性別について話すことは)恥ずかしいことだと思っていました。市役所で市会議員の秘書のような堅い仕事をしていたのですが、いろいろせめぎ合いがあるところで、敵の弱みを握ってやろうという人がいる中、『あそこの奴はオカマだ』ということになったら、格好の餌食だから絶対言えないと思っていました」(安間さん)

 徐々に性同一性障害を人権の問題として捉えるようになるとともに、男性の身体への違和感が強くなり、公表しないといけないと思うようになったという。

「カミングアウトは37~38歳の時。上司の議員に話をしました。いろいろな反応がありましたが、『仕事は今まで通りやってくれればいい』という人が多かったです」(安間さん)

 一ノ瀬さんが世間にレズビアンであることを公表したのは09年。

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一ノ瀬文香さん

「当時は、ほかにレズビアンで芸能活動している人がいなかったので、マイナスだとは思っていました。でも、いずれ(状況は)良くなると信じていたんです。(LGBTをテーマにした)漫画の原作や映像の企画書を自分で出して、セルフプロデュースしていました。そういう仕事をした経緯があって、自信がついたことで今があるんです」(一ノ瀬さん)

■地方は偏見や差別が強い傾向

 高倉さんと安間さんは、セクシュアル・マイノリティであることを公表して名古屋で活動しているが、カミングアウトをすることで人間関係が円滑になったり、信頼関係が生まれたりすると感じている。

 一方で、名古屋という土地柄、職場で公表できないとか、なかなか自分をさらけ出せないという人も少なくないようだ。関係者は、「名古屋は東京と比べて、LGBTへの偏見や差別が強い傾向がある」と語る。実際、今回の成人式についての記事が新聞に掲載されると、「病気が蔓延するからやめろ」という苦情電話があったという。

 2月には、埼玉のLGBT成人式の主催団体が、埼玉県と県教育委員会、県議会にイベントの後援を申請し、却下されるという一件もあった。

 昨年から自治体での同性パートナーシップ制度への取り組みが拡大しつつあり、セクシュアル・マイノリティについてメディアで取り上げられる機会も増えたが、地方の隅々へ理解が浸透するまでにはまだ時間がかかりそうだ。

女だって女に癒やされたいときがある レズビアン風俗体験記

<p> 女のコ大好き! レズビアンでタレントの一ノ瀬文香です。癒やしを求める女性たちのために、今回は新たな癒やしを提案したいと思います。それは、“レズビアンデリヘル”というもの。デリヘルとは、ホテルや自宅などへの出張という形で、性的サービスを提供してくれるお店ですが、レズビアンデリヘルもその一種。ここでは、女性が女性のお客さんに性的サービスを行ってくれます。<br />  「自分は異性だけが性の対象」と思っていても、実は潜在的に性別関係なく性の対象になり得る要素を持っているという方は多いと感じます。そんな方々のために、気持ち良く癒やされちゃうレズビアンデリヘル体験をレポートしますので、ご覧ください!<br /> </p>

「女も女性という“性”を過剰に演出している」 Xジェンダーの漫画家が語る、自分らしく生きる方法

<p> 最近、セクシュアル・マイノリティについて取り上げるメディアも増え、“LGBT”というワードの認知度も高まってきたように感じられる。これまで差別や偏見に悩まされてきたセクシュアル・マイノリティの人たちに対する理解が深まることは、歓迎されるべきことである。しかし、人間の“性”というものは、必ずしもわかりやすい言葉を使って表現できるとは限らない。</p>