第4次オリラジブーム来るか? “俳優”藤森慎吾に熱視線

どうしてあのタレントは人気なのか? なぜ、あんなにテレビに出ているのか? その理由を、業界目線でズバッと斬る「ズバッと芸能人」。

 オリエンタルラジオ藤森慎吾が、ここのところ俳優づいている。興行収入20億円を突破した大ヒット映画『七つの会議』に続き、山下智久主演の金曜ドラマ『インハンド』(TBS系)では、実質4番手。さらに、6月公開のV6岡田准一主演『ザ・ファブル』にも出演。演技経験はそれほどあるわけではないが、どうしてそこまで求められているのだろうか?

”俳優芸人”として絶妙な立ち位置をキープ

 野村萬斎主演の『七つの会議』には、香川照之をはじめ、及川光博、片岡愛之助、鹿賀丈史、北大路欣也など、日本俳優界のトップが集結。そんな中で、藤森の存在感は異彩を放っていた。

 お笑い芸人がドラマや映画に出ると、往々にして画面から浮いてしまうことがあるのだが、藤森の場合はそこからはみ出さず、かといって埋もれることのない絶妙な立ち位置を保っていた。

 同作での藤森の役どころは、営業部のアラ探しに執着する経理部課長代理・新田雄介。新田は当然、営業一課の万年係長・八角(野村)と衝突することになるのだが、野村の存在感と遜色なく、白熱した“つばぜり合い”を展開。

 今年1月に『王様のブランチ』(TBS系)でメイキングシーンが紹介された際、映画コメンテーターのLiLiCoは彼の演技を「本当にすごい」と絶賛、「役者の道に行ったほうがいい」と勧めていたほどだった。

 そんな演技への“開眼”ぶりのウワサが広まったのか、4月から始まった『インハンド』で連ドラ初出演を果たした藤森。菜々緒演じる美人官僚・牧野巴の同僚・御子柴隼人を好演している。

 共通しているのは、いずれも藤森にしか出せない、クセのある役ということだ。『七つの会議』では斜に構えたクズとして豪華キャストのアクセントとなり、『インハンド』では、キレ者かと思いきや周りに流される風見鶏キャラ。『ザ・ファブル』では、女性のことしか頭にないチャラ男を演じているという。

 

 考えてみればオリラジほど、毎度のごとく復活するお笑いコンビも珍しい。2人が最初にブレークしたのは2005年のテレビデビュー直後。リズム芸「武勇伝」で火がつき、いきなり冠番組を含むレギュラー番組を10本獲得。だが、それから急失速し、『笑っていいとも!』(フジテレビ系)以外のすべての全国ネット地上波レギュラー番組を失うことになった。

 ところが11年、慶応大卒の中田敦彦はインテリキャラ、そして藤森はチャラ男キャラで再ブレーク。その5年後の16年、ダンス&ボーカルユニット「RADIO FISH」として「PERFECT HUMAN」で再々ブレーク。

「武勇伝」を第1次ブームとした場合、第2次が「チャラ男」、第3次が「PERFECT HUMAN」ということになろう。この後、相方の中田がビジネス展開を始めてからコンビの方向性が見えなくなったが、藤森が新天地を見つけたことで、逆にバランスは取れている印象がある。そして、「第4次」があるとしたら、藤森の俳優大ブレークだろう。今後、彼には姑息な役はもちろん、一転、晴れ渡るような好青年も演じてもらいたいところだ。ゆくゆくは、朝ドラや大河ドラマも期待できよう。

 とはいえ、これまでも自身で嫌というほど経験しているであろうが、一度頂点に上れば、あとは下るだけ。「上り調子」ぐらいの状態をキープし、今のようにバラエティで「俳優ですもんね」とイジられているぐらいのほうが、見ているほうも気構えなくていい。そういう「ブレークしかかっている」状態をキープして長続きさせるすべは身についているはずだ。それでも、俳優・藤森慎吾としてどこまで勢力を拡大できるか? 新たな武勇伝に期待したいところだ。

(文=都築雄一郎)

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「NGなしタレント」の最終兵器・朝日奈央がブレークも、バラエティ利権めぐる“食い合い”が始まる!?

どうしてあのタレントは人気なのか? なぜ、あんなにテレビに出ているのか? その理由を、業界目線でズバッと斬る「ズバッと芸能人」。

 今回は朝日奈央を取り上げる。朝日といえば、アイドルグループ「アイドリング!!!」からデビューした1人。だが、当時の活躍を知る者は意外に数少ない。同グループからは菊地亜美も巣立っているが、在籍時からテレビに露出していた彼女とは違って、卒業してから芽が出た1人だろう。

 そんな朝日が今、とにかくテレビに出まくっている。直近の出演番組を挙げてみよう。

 3月28日『ダウンタウンDXDX芸能人の自宅風水鑑定スペシャル』(日本テレビ系)

 3月31日『飯テラー1グランプリ』(フジテレビ系)

 4月1日『バナナマンのせっかくグルメ!SP』(TBS系)

 4月2日『グータンヌーボ2』(関西テレビ)、『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)

 4月4日『櫻井・有吉THE夜会』(TBS系)、『メッセンジャーの○○は大丈夫なのか?』(MBS)

 4月5日『DTテレビ』(AbemaTV)

 4月6日『オールスター感謝祭2019春』(TBS系)、『ゴッドタン』(テレビ東京系)

と、ほぼ1日に1回は見る計算だ。

笑えない衝撃の“10円玉芸”に彼女の覚悟を見た

 朝日を初めてはっきりと認識したのはごく最近、という業界人もいよう。そんな彼女の十八番が、目、そして鼻の中にそれぞれ10円玉を入れるというものである。目に入れた時は「義眼」を入れたような見た目になる。鼻の中に入れる芸当は、10円玉を鼻孔に縦にして入れ込むというものだ。

 彼女がこれをやる時に必ず口にするのは、特技がなくて、家族会議で作戦を練っていた時にお母さんから提案された――というエピソードである。これがどこまで真実かは定かではないが、ウソを言っているようにも見えないので、たぶん本当なのだろう。

「売れるためになんでもやります」というタレントは多い。とはいえ、この10円玉芸は衝撃を受けるものではあるが、笑えるものではない。むしろ“ドン引き”の部類に入る。だが、この捨て身の技に、業界人は彼女がバラエティの世界で生きる覚悟を見るのである。

 崖っぷちアイドルとして、過去には「チェキッ娘」の熊切あさ美もいたが、朝日はまったく色気を感じさせないところも新しい。

NGなしタレントは、スタッフにとって「神」

 そんな彼女たちとは正反対に、この業界にはとにかく「NGあり芸能人」が多い。例えば「自宅NG」。自宅を見せるのがイヤだという芸能人のことだ。ただ、動画はダメだが、写真だったらOKという者もいる。あるいは「身内NG」。子どもの顔はさらしたくない、親も一般人で堅い職業なのでダメ、夫の露出もアンケートで答えるだけだったらいい、などなど。

 また中には、知性が露呈するから「クイズ番組NG」という者もいる。ほか苦手なもの、たとえば「ジェットコースターNG」「心霊ロケNG」、旅ロケでも「温泉の入浴NG」というのもある。また、幼少時代と今とあまりにも顔が違いすぎる場合は、「昔の写真NG」も、ごくまれに存在する。

 スタッフはいつも、こうしたNGがないかどうか事務所を通じて恐る恐る尋ね、結局NGを食らい、代わりのキャスティング探しに奔走している。そんな時に、鈴木奈々を先駆者として、丸山桂里奈、菊地亜美、野呂佳代、岡井千聖など(最近は矢口真里なども入ってくるようになった)NGがないタレントは、むしろ「神」のように思えてくるほど貴重な存在なのだ。

 その中で朝日は、最後発のメンバーではあるが、前述の通り、10円玉芸と、みなぎるやる気で仕事を獲得してきた。つまり、朝日をはじめとするNGなし女性タレントの仕事増は、一方でNGがありすぎて規制がかかってきた業界人のフラストレーションが爆発したことが背景にあるとも考えられるのだ。

 だが、ある程度、その「NGなし」グループが増えすぎると、反動が来てぱったりオファーしなくなるというのも、業界人の困った性(さが)だ。そして、10円玉芸を見せられた時、「NGなし芸能人グループ」は、ひとまず彼女で「打ち止め」だと思ったのも事実である。実際、朝日以降、あまり聞かない。

 バラエティの利権を独占してきたNGなしタレント。これからはグループ内での食い合いになることだろう。そんな中で朝日が、次にどんな芸を開発し、そして見せてくれるのか期待したい。

(文=都築雄一郎)

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コンプラ至上主義の芸能界を丸腰でサバイブ! ”全裸俳優”原田龍二にレギュラーオファー増

どうしてあのタレントは人気なのか? なぜ、あんなにテレビに出ているのか? その理由を、業界目線でズバッと斬る「ズバッと芸能人」。

 今回取り上げるのは、俳優の原田龍二だ。『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)の大みそか恒例特番「笑ってはいけないシリーズ」でブレイクしたあとも、順調にキャリアを重ねている。

ミステリーから美容番組まで大活躍!

 バラエティでもよく見かける「俳優」は、例えば遠藤憲一や吉田鋼太郎、陣内孝則などほかにもいろいろいるが、ここまで振り幅がある俳優はいないのではないか。

『シューイチ』(同)では、“芸能界屈指のサウナー”として体感温度100℃以上の熱すぎるサウナに入り、絶叫。ミステリー検証番組『世界の何だコレ!?ミステリー』(フジテレビ系)では、“ミステリー大好き俳優”として座敷わらしに会いに行く企画を自ら番組に持ち込んで決行。かと思えば、『京都ぶらり歴史探訪』(BS朝日)では、京都のみやびな場所を巡っている。

 さらに、司会業にも進出。2017年4月から『5時に夢中!』(TOKYO MX)の金曜日メインMCを務めているが、来月からは新たにニッポン放送の午後ワイド番組『DAYS』の水曜パーソナリティーに抜擢された。

 また今年1月には、特番『キレイの新習慣~原田龍二の美アカデミー』(フジテレビ系)で、なぜか通販番組の初司会にチャレンジし、今年イチ押しの美容アイテムを紹介していた。手当たり次第というべきか、もはや「マルチ俳優」という肩書を超越している。

 彼を一躍有名にしたのは、なんといっても温泉に入るときの全裸スタイルにある。タオルを一切使用しないのだ。これはおそらく、俳優界初の快挙と言ってもいいだろう。東MAXや荻原次晴、パンチ佐藤など、さまざまな温泉レポーターがいるが、彼らベテランもできなかった芸当なのである。

 通常は「撮影のために特別にタオルを……」というテロップを入れるが、彼の場合は必要ない。タオルは通常、いらないからだ。当たり前のことをしたまでなのである。スタッフはその思い切りのよさに感動し、旅番組のキャスティングの第一候補に躍り出たのである。さらにアノ原田龍二を仕込んで温泉に入れたという喜びに浸ることもできる。

 もちろん、スッポンポンの気持ちよさは我々にもダイレクトに伝わってくる。見ていて、すがすがしい。おそらく裸芸人が風呂に入ると眉をひそめるおばちゃん連中も、彼の全裸は許してしまうのであろう。

 原田と裸の関係は古い。20代半ばから『世界ウルルン滞在記』(TBS系)のレポーターとして海外に行く機会も増えたが、いかんせん言葉・文化が通じない。現地の裸族と、どう心を通わせるか。その時に有効だったのが「裸」だった。すべてをさらけ出し、自分も裸になって向き合い、現地の人と同じものを食べた。その時、素のままの姿が喜んでもらえた。これが原点となったという。タオルを巻いて入ることに、「温泉に対してすごく失礼」だと語り、「入らせてもらう側として、気持ちよく入るのが使命」と言ってはばからない。

 今テレビは、プライバシーやコンプライアンスといった言葉に振り回され、がんじがらめになっている。芸能人の豪邸の周囲はボカシ、タレントの子どもも0歳からボカシ、ライバルスポンサーの商品もボカシ、事件の目撃者も下半身だけしか映さない、もちろんわいせつな映像はカット、犯罪者の過去の作品も差し替え……と、すべて萎縮の方向へ行っている。そんな中、彼が風呂場に素っ裸で臆することなく入ってくるときは、「ボカせるものならボカシてみやがれ」という覚悟すらも感じる。彼はそんな未来のない芸能界にあらがうかのように、これからも「丸腰」でサバイブしていく――。

(文=都築雄一郎)

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クロちゃんは賞味期限間近!? 「全力ポンコツ」パンサー尾形にブレークの兆し

どうしてあのタレントは人気なのか? なぜ、あんなにテレビに出ているのか? その理由を、業界目線でズバッと斬る「ズバッと芸能人」。

 今回取り上げるのは、お笑いトリオ・パンサーの尾形貴弘だ。一時期あまり見かけなかった印象があるが、なぜか再び露出が増えている。

■『水ダウ』が生んだ新たなドッキリスター

 彼があらためて注目されたきっかけは、昨年10月3日に放送された『水曜日のダウンタウン』(TBS系)の、「中継先に現れたヤバめ素人のさばき方で芸人の力量丸わかり説」だ。ニセのネット配信番組のリポーターとして都内の釣り堀にやって来た彼に、怪しげな中年男性が無言で接近。すると、尾形は「うお……」といきなり素に戻り、一気にパニックに。

 それでも男をカメラから遠ざけようと、息を切らしながら、「すみません、ちょっとあの今テレビやってまして」とたしなめるが効果はなく、最後は顔じゅう汗だくになりながら、「やめろ」「あっち行ってください」「怒るぞ、怒るよ」など、カメラを気にせず注意。スタジオの爆笑をさらっていた。

 その前後から『スクール革命!』(日本テレビ系)、『深夜でロンドンハーツ!』(テレビ朝日系)などでもおなじみだったが、この『水ダウ』を機に『人気芸能人にイタズラ!仰天ハプニング』『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ系)など、ドッキリ系のオファーが急増した。

■「全力ポンコツ」という新ジャンル

 尾形が「ポンコツ芸人」であることに異論はないが、そんなポンコツ芸人は性格的に2つに大別できる。まずは「良い人」。出川哲朗、狩野英孝、サバンナ八木真澄、ジャングルポケットおたけ、といった「お人よし」である。

 一方、底意地の悪さを前面に出すことで笑いを取るタイプもいる。例えばドランクドラゴン鈴木拓、三四郎・小宮浩信、コロコロチキチキペッパーズ・ナダル、そして安田大サーカス・クロちゃんなどだ。時に後者が炎上しやすいことは、周知の通りである。

 そんな中、尾形の場合は、性格の良し悪しというより、とにかく「テンパる」「目の前のこと以外、何も見えなくなる」ところが持ち味だ。

 20日放送の『水ダウ』でも、カーナビの音声を収録するというドッキリで、「1000キロ先右折です」「熊を先頭に10キロの渋滞です」「熊をひきました」といったありえないアナウンスを一生懸命読み上げていた。

 つまり彼は「全力投球ポンコツ」という、新たなジャンルを切り開いたのだ。ちなみに、この日の同番組の視聴率は10.3%(ビデオリサーチ調べ、関東/以下同)。裏番組の『家売るオンナの逆襲』(日本テレビ系)は11.0%。北川景子を相手に大健闘だ。

■パンサー復活の起爆剤に?

 尾形が起用されているのは、「暑苦しい」芸人の枠が意外に少し空いていたことも考えられる。また、クロちゃんやナダルといった「悪意の塊」芸人に視聴者が少々、辟易している中、勘も鈍く、ただただ単細胞の尾形にあきれながら癒やされているところが大いにあるだろう。

 尾形のポンコツぶりは、パンサーの向井慧、菅良太郎によってたびたび暴露されており、「(尾形が)エピソードトークを3つしか持ってない」のに、それを雑誌の取材中に「100回ぐらい聞いている」とツッコミを入れたら激ギレされたなど、枚挙にいとまがない。果ては、そんな尾形を脱退させようという話まであったという。

 だが、今こうしてピンで呼ばれているのは尾形だ。一番足手まといだった男が、パンサー人気復活のキーマンとなるか? ただ彼の場合は、たまに見るぐらいがちょうどいいのかもしれない。

(文=都築雄一郎)

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半年で奇跡の大ブレーク! Mr.シャチホコ、和田アキ子復活のキーマンとなるか!?

どうしてあのタレントは人気なのか? なぜ、あんなにテレビに出ているのか? その理由を、業界目線でズバッと斬る「ズバッと芸能人」。

 今回取り上げるのはMr.シャチホコ。和田アキ子の「しゃべり」モノマネで今、大ブレーク中の芸人である。

「あなたは何をされてる方なの?」「ほんで、今、何? キャメラ回ってんの?」「お兄ちゃんが……あっ、お兄ちゃんて加山雄三さんのことやねんけど」「私が気にしてたっていうよりも、周りがそう言うてただけだから」「まぁまぁ、それは別にいいんですけど」「〇〇(主に芸人)、お前、腕上げたな」……。

 声色やイントネーションはもちろん、彼女が言いそうな(もしくは聞いたことがある)細かい言葉の言い回しを連発。『アッコにおまかせ!』(TBS系)を見ているような錯覚さえ起きてしまう。

 芸歴わずか4年。以前は営業の仕事が多かったが、昨年後半から一気にテレビ出演が激増、半年でスターダムに躍り出た。当初出演していた『ウチのガヤがすみません!』のみならず、『THE 突破ファイル』『行列のできる法律相談所』(以上、日本テレビ系)、『水曜日のダウンタウン』『サタデープラス』(TBS系)、『潜在能力テスト』 (フジテレビ系)など枚挙にいとまがない。

■ものまねに「日常のしゃべり」を取り込む

「ものまね」と一口に言ってもさまざまな似せ方があるが、その主流が「誇張」、いわゆる「デフォルメ」である。コロッケの森進一、野口五郎、岩崎宏美などはその最たるものであろう。ちょっとした仕草を「最大化」して、別のエンタテインメントへと昇華する力業が笑いを呼んだものである。

 だが、その流れにくさびを打ったのが、かの青木隆治だった。ポルノグラフィティの「サウダージ」、徳永英明の「壊れかけのRadio」、そして美空ひばりの「愛燦燦」と、コメディ色を一切排除し、とにかく似せることだけを追求したのである。つまり、その人の「普通」を似せたのだ。

 シャチホコも、これまでデフォルメが多かったアッコのモノマネを、日常会話をただただマネることで人気を得たといえる。

■安定のフリートーク

 もちろん、しゃべりのモノマネであれば、原口あきまさによる高田純次、ホリの武田鉄矢、ミラクルひかるのYOU、福田彩乃の綾瀬はるかなど、先人は数多く存在するが、彼らはどちらかといえば「一発芸」、つまり“つかみ”の道具だった。だが、シャチホコの場合、アッコとして延々とトークすることができる。『サタプラ』ではスタジオにいた関ジャニ∞・丸山隆平、小島瑠璃子、小堺一機らを相手に5分以上も、和田でしゃべり続けていた。

■芸人によるモノマネの強み

 もはやバラエティに欠かせない存在になりつつあるシャチホコだが、同じく「モノマネ」で人気を得ているのが、チョコレートプラネットやガリットチュウ福島善成である。周知の通り、チョコプラ松尾駿はIKKOや坂上忍、長田庄平は和泉元彌、一方、福島は船越英一郎や元貴乃花親方をマネているが、彼らは純粋なモノマネ芸人よりも見る側のハードルも低く、芸人としてのトークスキルもある程度、確保できる。

 さらに「チェンジ・オブ・ペース」といってスタジオの流れを変えたいときに重宝される。その点、シャチホコはモノマネが本業だが、芸人と遜色ない活躍を見せてくれるので助かるというわけだ。

■”嫌われ”アッコの好感度アップなるか

 モノマネの世界でよくあるのが、モノマネされた本人が再ブレークを果たすという現象である。コロッケの美川憲一しかり、山田邦子の島倉千代子しかり、長州小力の長州力と、“ご本人”が再び注目されるきっかけを作った。

 さて、今回はどうか。1月22日放送の『ウチのガヤがすみません!』では、アッコとシャチホコが共演。アッコがひな壇を初体験し、シャチホコから「君は何をされてる方なの?」と聞かれるなど、イジられていた。

 さらに同じく1月27日の『アッコにおまかせ!』では、アッコ本人がカンニング竹山やNON STYLEなどから「シャチホコみたい」と言われ、「私や!」と返していた。

 近年の和田は、その高圧的な態度から“嫌われ者”に成り下がって久しいが、シャチホコの活躍によってイジられキャラになれば、好感度もアップするのではないか。そうなれば、例えばジョイントコンサートを開いたり、果てはアッコの紅白復活も見えてくる。わずか半年前まで「あなたは何をされてる方なの?」と言われかねなかったMr.シャチホコ。「完コピ」を武器に、モノマネ城の天守閣に立つことができるのか?

(文=都築雄一郎)

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半年で奇跡の大ブレーク! Mr.シャチホコ、和田アキ子復活のキーマンとなるか!?

どうしてあのタレントは人気なのか? なぜ、あんなにテレビに出ているのか? その理由を、業界目線でズバッと斬る「ズバッと芸能人」。

 今回取り上げるのはMr.シャチホコ。和田アキ子の「しゃべり」モノマネで今、大ブレーク中の芸人である。

「あなたは何をされてる方なの?」「ほんで、今、何? キャメラ回ってんの?」「お兄ちゃんが……あっ、お兄ちゃんて加山雄三さんのことやねんけど」「私が気にしてたっていうよりも、周りがそう言うてただけだから」「まぁまぁ、それは別にいいんですけど」「〇〇(主に芸人)、お前、腕上げたな」……。

 声色やイントネーションはもちろん、彼女が言いそうな(もしくは聞いたことがある)細かい言葉の言い回しを連発。『アッコにおまかせ!』(TBS系)を見ているような錯覚さえ起きてしまう。

 芸歴わずか4年。以前は営業の仕事が多かったが、昨年後半から一気にテレビ出演が激増、半年でスターダムに躍り出た。当初出演していた『ウチのガヤがすみません!』のみならず、『THE 突破ファイル』『行列のできる法律相談所』(以上、日本テレビ系)、『水曜日のダウンタウン』『サタデープラス』(TBS系)、『潜在能力テスト』 (フジテレビ系)など枚挙にいとまがない。

■ものまねに「日常のしゃべり」を取り込む

「ものまね」と一口に言ってもさまざまな似せ方があるが、その主流が「誇張」、いわゆる「デフォルメ」である。コロッケの森進一、野口五郎、岩崎宏美などはその最たるものであろう。ちょっとした仕草を「最大化」して、別のエンタテインメントへと昇華する力業が笑いを呼んだものである。

 だが、その流れにくさびを打ったのが、かの青木隆治だった。ポルノグラフィティの「サウダージ」、徳永英明の「壊れかけのRadio」、そして美空ひばりの「愛燦燦」と、コメディ色を一切排除し、とにかく似せることだけを追求したのである。つまり、その人の「普通」を似せたのだ。

 シャチホコも、これまでデフォルメが多かったアッコのモノマネを、日常会話をただただマネることで人気を得たといえる。

■安定のフリートーク

 もちろん、しゃべりのモノマネであれば、原口あきまさによる高田純次、ホリの武田鉄矢、ミラクルひかるのYOU、福田彩乃の綾瀬はるかなど、先人は数多く存在するが、彼らはどちらかといえば「一発芸」、つまり“つかみ”の道具だった。だが、シャチホコの場合、アッコとして延々とトークすることができる。『サタプラ』ではスタジオにいた関ジャニ∞・丸山隆平、小島瑠璃子、小堺一機らを相手に5分以上も、和田でしゃべり続けていた。

■芸人によるモノマネの強み

 もはやバラエティに欠かせない存在になりつつあるシャチホコだが、同じく「モノマネ」で人気を得ているのが、チョコレートプラネットやガリットチュウ福島善成である。周知の通り、チョコプラ松尾駿はIKKOや坂上忍、長田庄平は和泉元彌、一方、福島は船越英一郎や元貴乃花親方をマネているが、彼らは純粋なモノマネ芸人よりも見る側のハードルも低く、芸人としてのトークスキルもある程度、確保できる。

 さらに「チェンジ・オブ・ペース」といってスタジオの流れを変えたいときに重宝される。その点、シャチホコはモノマネが本業だが、芸人と遜色ない活躍を見せてくれるので助かるというわけだ。

■”嫌われ”アッコの好感度アップなるか

 モノマネの世界でよくあるのが、モノマネされた本人が再ブレークを果たすという現象である。コロッケの美川憲一しかり、山田邦子の島倉千代子しかり、長州小力の長州力と、“ご本人”が再び注目されるきっかけを作った。

 さて、今回はどうか。1月22日放送の『ウチのガヤがすみません!』では、アッコとシャチホコが共演。アッコがひな壇を初体験し、シャチホコから「君は何をされてる方なの?」と聞かれるなど、イジられていた。

 さらに同じく1月27日の『アッコにおまかせ!』では、アッコ本人がカンニング竹山やNON STYLEなどから「シャチホコみたい」と言われ、「私や!」と返していた。

 近年の和田は、その高圧的な態度から“嫌われ者”に成り下がって久しいが、シャチホコの活躍によってイジられキャラになれば、好感度もアップするのではないか。そうなれば、例えばジョイントコンサートを開いたり、果てはアッコの紅白復活も見えてくる。わずか半年前まで「あなたは何をされてる方なの?」と言われかねなかったMr.シャチホコ。「完コピ」を武器に、モノマネ城の天守閣に立つことができるのか?

(文=都築雄一郎)

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「東京が怖い」キャラでブレーク! 青森のローカルアイドル・王林はバラエティ界の新女王になれるのか?

どうしてあのタレントは人気なのか? なぜ、あんなにテレビに出ているのか? その理由を、業界目線でズバッと斬る「ズバッと芸能人」。

 今回取り上げるのは、青森のアイドルグループ「りんご娘」のリーダー・王林(おうりん)。一瞬中国人かと思ってしまうが、彼女いわく「純の日本人」。王林はリンゴの品種名で、ほかのメンバーも同様に、とき、彩香、ジョナゴールドと、それぞれ命名されている。

 そんな王林に「波」が来たのは、昨年夏だった。7月24日放送の『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)に初めて出るや、ヒロミによるAIスピーカ・アレクサにまつわるトークに対し「青森にそういう文化はまだ流れてきてない」と青森訛りで笑いをさらい、「踊るヒット賞」をゲット。その後、『御殿』には9月4日、11月27日、12月25日と立て続けに登場。この頻度の多さから考えると、ゲストで呼ばれてからすぐにブッキングが決まっている感じである。

 そんな『御殿』でのデビューが衝撃的だったのか、以後、『今夜くらべてみました』『THE突破ファイル』(同)、『有吉ジャポン』『林先生が驚く 初耳学!』(TBS系)、『有吉くんの正直さんぽ』『アウト×デラックス』(フジテレビ系)などなど、怒涛の出演ラッシュが始まったのだ。

■王林の魅力はどこなのか

 王林は青森生まれ、青森在住。現在20歳。大阪人でさえも「訛り」が恥ずかしいと思うような中で、おらが街の言葉に誇りを持っているというより、それを使うことになんら後ろめたさを持っていない。

 一方、仕事のために東京へ行くたびに、その驚きを語る。地方出身のタレントが上京時の思い出話として、人の多さに「お祭りかと思った」などと語ることはよくあるが、「東京ってすごい」と、現在進行形で言える人はあまりいない。

 しかも、考え方もまたどこかピュアで、それゆえズレていて、テレビ的だ。

「馬アレルギーなので、大河ドラマとかお姫様役で馬に乗らないといけないときは、ちゃんと、担ぎます」(『さんま御殿』)

「東京には駅の出口がたくさんあるから、駅の中に駅を造ったほうがいいと思います」

「東京は、向かいからものすごい勢いでぶつかってくる。私が今実在しないんだ、そういう気持ちにさせられちゃう、東京の人たちは」(『アウト×デラックス』)

『正直さんぽ』に出たときは、そのかわいらしい魅力が爆発。ロケしてきた感想を聞かれた王林は、散歩番組のゆるさを語ろうと思ったのだろう、「都会のテレビに出させてもらってからは、すごい仕切りの『はい、はい』みたいな感じだったけど、(この番組は)こんなノロノロな……」と発言。有吉弘行から「ノロノロ? ゆったりでいいかな?」と言い直されていた。

■田舎育ちキャラの限界

 そんな田舎育ちキャラのタレントの限界は、東京での仕事が増えすぎて染まっていったときに訪れる。東京との違いやギャップを語り、笑いを作っていたが、その武器が1つ外れる。また田舎育ちのタレントが人気者になっていくと、今まで優越感で見ていた分、かえって“やっかみ”の対象にもなりうる。

 リンゴの品種としての王林についてひもといてみると、「黄緑色りんごの代表格」らしい。 甘味が強く、香りも芳醇。 「りんごの中の王様」という意味を込めて命名されたという。バラエティ界の新女王になるか、乞うご期待といったところである。

(文=都築雄一郎)

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DA PUMP、チョコプラ、古市憲寿……2018年のバラエティ番組をにぎわせたブレークタレントは?

どうしてあのタレントは人気なのか? なぜ、あんなにテレビに出ているのか? その理由を、業界目線でズバッと斬る「ズバッと芸能人」。

 2018年もあとわずか。テレビ界では『あさイチ』(NHK)でのV6井ノ原快彦・有働由美子アナの卒業、『とんねるずのみなさんのおかげでした』『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)の相次ぐ終了から、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)でのやらせ疑惑までさまざまな出来事があったが、そんなバラエティ番組を席巻した3組を紹介しよう。

 まずは古市憲寿だ。活躍し始めた当初は「社会学者」という肩書、さらにそのコメントとのギャップで拒絶反応を示していた視聴者も多く、露出も『ワイドナショー』『とくダネ!』(フジテレビ系)、他局では『ニノさん』(日本テレビ系)と限定的であった。 

 だが、今年夏頃、ネットニュースで彼のコメントに共感の声が寄せられていると報じ始られたことから風向きが一変。それまで足踏みしていたバラエティスタッフが次々とオファーし始めた。さらに、渡辺直美が「自分が思っていることをちゃんとテレビで言ってるのがすごい」と評価したり、城田優や佐藤健といった著名人とも親しく、林真理子から「人をムカつかせる天才」など、意外と愛されている人柄も人気拡大の理由に。

 主食がチョコで、寝ている間も自分で気がつかない間に起き出して食べてしまうなど、その変わった私生活にも関心が寄せられた。

 そして何より、彼の一連のコメントもたびたび報じられるうちにある種の「芸」と認識されるようになり、すっかりテレビ画面になじんだ感がある。 

 続いては、お笑いコンビ・チョコレートプラネットだ。ここまで売れっ子になったのは当然、松尾がIKKOをものまねしたことが大きい。もともとIKKOの「どんだけ~!」は番組のオイシイところを見せるオープニングVTRやCM前のフレーズ、トークのシメなど、どのタイミングで何回言っても使い減りしないフレーズであった。

 それを「見つけた」松尾の勝利であるが、さらには『キングオブコント2018』(TBS系)の1stステージで高得点を獲得し優勝が目前だったものの、ファイナルで失速。結果3位に終わるという、芸人としては「オイシイ」ネタができたのもポイントだった。

 さらに、彼らは『ウチのガヤがすみません!』(日本テレビ系)で、DA PUMPの「U.S.A」に便乗して国あるあるをテンポよく言っていく「U.S.A.ゲーム」など別角度で訴求したのもよかった。

 彼らがうまいのは、IKKOのマネをしている松尾が松尾本人としてバラエティに時折出るなど、飽きられないようにしていることだ。年末にかけては相方の長田が狂言師・和泉元彌のマネを積極的にし始め、来年につなげようという狙いも透けて見える。

 3組目はDA PUMPだ。先に述べたように「U.S.A」のヒットによって再ブレークしたわけだが、その歌の気安さとともに「いいねダンス」が“ネタ”としてバラエティで大ウケ。各番組こぞってISSAにレクチャーを求めていた。一時期バラエティ定番の「歌の振り真似」と言えば三代目 J Soul Brothers の「R.Y.U.S.E.I.」の間奏で踊る「ランニングマン」だったが、すっかり交代した印象がある。

 さらに、そのノリの良さで『ベストアーティスト2018』や『行列のできる法律相談所3時間SP』(日本テレビ系)などのオープニングアクトとして重宝されるようになった。ただ心配なのが次の曲と、他のメンバーの名前がほとんど知られていないことだ。歌で認知されたあとはグループとしての人気を定着させなければならないのだが、やはりISSA以外のキャラクターがあまり掘られていない。

 来年は、果たしてどんなタレントが人気者になるのだろうか? 楽しみにしたい。

(文=都築雄一郎)

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吉岡里帆、峯田和伸、NHK桑子真帆アナ……“ポスト○○”を躍起になって探すメディアと、その犠牲者たち

どうしてあのタレントは人気なのか? なぜ、あんなにテレビに出ているのか? その理由を、業界目線でズバッと斬る「ズバッと芸能人」。

 今回は、雑誌・ネットメディアのタレントに対する「持ち上げぶり」について自己反省も含めて語ってみたい。最近、いろいろな媒体の記事で目にするのが「ポスト〇〇」という言葉である。例えば、「ポスト有働由美子は、NHKの桑子真帆アナ」という記事があった。

■桑子アナはポスト有働アナではない

 だが、桑子アナは有働アナとはまったくベクトルが違う。また、桑子アナは政治知識も薄く、有働アナほどの頭の回転もない。「かみ子アナ」と呼ばれるほど、かみ癖がある。『ブラタモリ』で注目されたが、ツッコミやボケも他の司会者ほどせず、ゆるくて安定感のあるタモリの横にいるから、彼女にもなんとなく「安心」を感じていただけである。

 さらにメディアは、どうしても水ト麻美アナの次を探したいようだ。その「ポスト水ト」は、同局の尾崎里紗アナや岩本乃蒼アナなどと主張する識者もいた。

 だが、尾崎アナは単に体形が似ているだけだ。もし、それで「ポスト」と言われるなら、本人にとってこれほど屈辱的なことはないだろう。

 また岩本アナが、ポスト水トアナに推されているという記事の論拠は、昨年の『24時間テレビ』のチャリティーマラソンで、ブルゾンちえみに伴走していたことがキッカケだというが、その後、彼女は推されるどころか『スッキリ』の司会の座をその水トアナに取って代わられ、またもうひとつのレギュラーだった『火曜サプライズ』も今年9月に降板。今のレギュラーは『news zero』の1本のみである。

 つまり、ポスト〇〇という記事は「希望的観測を(多分に)含む」ということに留意したほうがいいだろう。

■持ち上げられすぎて沈んだ面々

 さて、そんなメディアの持ち上げの犠牲者になったといえるのが吉岡里帆だ。彼女は2015年度下半期放送のNHK連続テレビ小説『あさが来た』で脚光を浴びた。

 そこでは、ヒロイン・あさ(波瑠)の信奉者となる「のぶちゃん」こと田村宜役を演じていたが、もし彼女が丸メガネをかけていなかったら、あそこまで人気が出ただろうか?

 メガネは女性のかわいさを2割増しにする。アレでテレビ関係者は勘違いしてしまったようだ。だが、いまや彼女の主演作はどうだ。『きみが心に棲みついた』(TBS系)は全話平均7.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、『健康で文化的な最低限度の生活』(フジテレビ系)は平均5.8%と、いずれもひとケタに終わっている。『ケンカツ』については、数ある出演オファーの中から、プロデューサーの熱心な説得で 彼女が自ら選んだという。この時代、生活保護というテーマにあえて踏み込んだ吉岡の心意気は買うが、それだけである。

 そもそも今の彼女には、あの笑顔の裏に「野心」が見え隠れしている。それが現代劇だと、どうしても前面に出てしまう。時代劇ぐらいがちょうどいい。

 甲子園がプロ野球選手の見本市のように、朝ドラは次のドラマスターの狩り場であるが、使い捨てられる墓場でもある。銀杏BOYZ峯田和伸は2017年度上半期の朝ドラ『ひよっこ』から『高嶺の花 』(日本テレビ系)に引き抜かれたが、「気持ち悪い」と叩かれた。同年度下半期の朝ドラ『わろてんか』のヒロイン・葵わかなは、『ブラックペアン』(TBS系)に早速起用され、新人看護師を演じていたが、たいして話題にならなかった。16年度下半期『べっぴんさん』ヒロインだった芳根京子も今や影が薄く、駅のコンビニNewDaysの看板で見かけるぐらいである。

 つまり、NHKを出て民放で活躍するためには、見えない壁があるということだ。有働アナもそうである。適材適所という言葉があるように、NHKにいるからこそ輝く人材だった。「NHKなのに、ちょっとはみ出している」ということが人気の源だったのに。このままニュース畑にいても、草野満代や膳場貴子といった諸先輩のように埋もれていく気がする。思い切ってバラエティに専念したほうがよっぽどいい。

■芸能事務所の異様なプッシュ

 タレントを推すのはメディア側だけではない。芸能プロダクションも同様だ。その最たる例 がオスカープロモーションである。例えば、ますだおかだ岡田圭右の娘・岡田結実がブレークしたのは16年、前の事務所インセントからオスカーに移籍したのがきっかけで、得意の過剰露出によって人気があるように錯覚させる、いわゆるゴリ押しが功を奏したともいえるのである。

 また12月4日、そんなオスカー恒例の晴れ着撮影会が行われ、岡田をはじめとして所属タレントが来年への抱負を語ったが、彼女以外の顔ぶれはといえば、宮本茉由、髙 橋ひかる、吉本実憂、小芝風花、是永瞳、玉田志織、井本彩花、川瀬莉子、藤田ニコル、本田望結という面々。

 その中で、顔と名前が一致するのは何人いるだろうか? 岡田、藤田、本田 は良しとして、高橋・小芝 ぐらいがギリではないだろうか。

 このうち宮本は『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』(テレビ朝日系)に、本田、小芝 、是永、井本はこれまでの『ドクターX ~外科医・大門未知子~』(同)に出ている。つまり、いずれも米倉涼子のバーター。まだまだ先輩に頼らないとオファーが来ない、というのが現状である。

 なぜそこまでメディア、プロダクションともに人気者を生み出そうと躍起になるのか? それは個人的な印象でしかないが、絶対的スターだったSMAPの不在が潜在的にあるのではないかと考える。その喪失感が、彼らをゴリ押しへと駆り立てるのではないか。

 いずれにしても、「ポスト〇〇」だの「期待の新星」だの「ブレーク間近」といった記事を来年も目にするに違いない。本稿含めて。

(文=都築雄一郎)

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青木崇高『西郷どん』”ひさみちゅ”好演で「優香の旦那」から脱却! 

どうしてあのタレントは人気なのか? なぜ、あんなにテレビに出ているのか? その理由を、業界目線でズバッと斬る「ズバッと芸能人」。

 NHK大河ドラマ『西郷どん』。1年にわたって放送されてきた同作も、いよいよ来週16日に最終回を迎える。そんな中、鈴木亮平演じる主人公・西郷隆盛と同様、ひときわ存在感を放ったのが島津久光だ。演じているのは青木崇高。どうやら今、彼がキテいるらしい。

■ドラマチックでわかりやすい久光の人生

 まず、『西郷どん』について知らない視聴者のために説明しておこう。そもそも久光は薩摩藩主でも島津家当主でもなかったが、国父、つまり父親のように尊敬される人という立場で藩の実権を握っていた。

 だが、彼の人生は波瀾に満ちている。そもそもは、10代藩主・島津斉興(鹿賀丈史)と側室・由羅(小柳ルミ子)の子だ。一方、正室の子で、類いまれな才能を持った異母兄・斉彬(渡辺謙)に憧れ、その背中を追いかけているというわかりやすい構造。

 さらに加えて、そんな兄・斉彬公に重用され、どんどん出世していく西郷に嫉妬し、激しく嫌うという、これまたドラマになりやすい、もしくはいかにもマンガ的なバックグラウンドだ。

 片や、今作の西郷のパーソナリティーは最後まで謎であった。主君・斉彬の死を追って自害したいと必要以上に泣き叫んだかと思えば、やたら好戦的になったりして、脚本家が同じでも、演出家が変わるだけでこうも違うのかというくらいブレブレだった。

■青木のデフォルメ VS 鈴木亮平の体重の増減

 さて、翻って久光だ。そんなすんなり理解できる彼の生い立ちとともに、久光人気を加速させたのが、やはり青木のデフォルメと熱演だろう。「まなこ」と言ってしまいそうなその目力の強さ、気にならずにはいられない長い“もみあげ”、さらに何かにつけて顔を紅潮させるその瞬間湯沸かし器ぶり。

 セリフ回しも異彩を放っていた。どういうシチュエーションの話かは割愛するが、「酔うておられぬのなら、ないごてころころころころ考えを変えられるのじゃ!」「もうええって!無理無理無理! 一蔵帰っど! おいはもう帰る! 帰る帰る」(26話「西郷、京へ」)であるとか、 「異国異国異国異国異国の猿まねじゃったら馬でも鹿でもできっど」(41話「新しき国へ」)と、SNSが盛り上がりそうなリフレインを多発していた。

 対して鈴木は、体重増減させ、その時代時代の西郷を“演出”していたが、どうしてもほぼ毎回その体重にしか目がいかず、演技そのものの正当な評価ができなかったきらいがある。辛辣なことを言うようだが、体重を減らさなくても、西郷を生き切ることはできたはずである。

■「優香の旦那です」と言える気さくさ

 さて、青木といえば優香である。2016年6月の結婚以来、折に触れ仲の良さが伝わってくるが、最近はそんな夫婦話も、『火曜サプライズ』(日本テレビ系)などでするようになった。ロケ先では「優香の旦那」「優香のハートを射止めた男です」と一般人に吹いて回るなど、気さくな人柄を見せるが、知名度ではやや妻に劣ることを自覚している、ある種の割り切りと、そんな彼女を想う気持ちの強さがあるのだろう。また、彼は昨年からバラエティ初レギュラーとなる『セブンルール』(フジテレビ系)でYOUやオードリー若林正恭とMCを務めており、いい形で仕事をしている印象がある。

『西郷どん』はこれまで、医師との不倫で揺れた斉藤由貴の代役として南野陽子が緊急登板したり、奇人といわれた徳川十三代将軍・家定役のピース又吉直樹の怪演が話題を呼んだり、毎回スポットライトを浴びる役者が変わったが、最後まで注目されたのは、この青木崇高だったのではないだろうか。機は熟している。あともう一押し羽ばたける作品があれば、イケそうな気がする。

(文=都築雄一郎)

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