今回取り上げるのは、田中みな実だ。かつてはその“ぶりっ子”ゆえ「女の敵」だった彼女も、このところ好感度がアップ。先ごろ発表された「好きな女性アナウンサーランキング」(オリコン調べ)では、昨年の10位から一気に躍進し、2位。天下取りまであと一歩に迫った。
加藤綾子、宇垣美里、川田裕美……対抗馬の足踏み
まずは、ライバルであるフリー女子アナ勢力図をおさらいしておこう。先の「女性アナランキング」で、田中と入れ替わるように昨年の3位から10位に急降下してしまったのが加藤綾子だ。美貌と知性、アナウンス力と三拍子そろったスーパー綾子だが、現在の担当番組は『世界へ発信!SNS英語術』(Eテレ)、局アナ時代から引き続き出ている『ホンマでっか!?TV』、夕方のニュース番組『Live News it!』(ともにフジテレビ系)の3本のみ。以前より、お茶の間の目につく機会も減ってしまった印象がある。女優進出も果たし、2018年4月クールの日曜劇場『ブラックペアン』(TBS系)に治験コーディネーター役で登場したが、知的なイメージそのままの役柄で、あまり新しさがなかった。
一方、田中も女優として『ルパンの娘』(TBS系)、『絶対正義』『モトカレマニア』(フジテレビ系)に出演。キスシーンやベッドシーンにも挑戦するなど、これまでのイメージを軽々と飛び越えた。肝心の演技も意外と好評で、女優としての小生は田中に分がありそうだ。
また川田裕美は、このほど結婚したことが明らかになった。彼女はもともと関西人特有なのか、頑固で気が強い性格だったのだが、あの超絶ド下手スキップで、好感度をもぎ取ったところがある。だが最近、『この差って何ですか?』(TBS系)で共演している加藤浩次や『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)で4年ともにした宮根誠司などを結婚式に「呼びたくない」と番組できっぱり公言するなど、性格の悪さがにじみ出ている。
宇垣美里も、田中と同じくTBSから飛び出したが、方向性がつかめずにいる。もちろん彼女が自分を決めつけない意向があるからだろうが、退職直前、毎週のようにコスプレで『サンデー・ジャポン』(TBS系)を沸かせていたころからすると、少し大人しくなってしまった。そんな数多の対抗馬の目を盗んで、田中は羽ばたいていったのである。
「抱かれたくないタレント」出川哲朗と同じ“変化”
どうしてこうも状況が変わったのか。まずは年齢のせいもあろう。かつては「若さ」と「ぶりっ子」が共存し、年上女性からは目の敵にされていた。だが、そんな彼女もいまや33歳。年相応の落ち着きが加わり、見ていて「痛々しくない」のである。
これは、かつては「抱かれたくないタレント」の最高峰に君臨していた出川哲朗の変化と、なんとなく似ている。出川も、以前はもっとカン高い声で、しかも今より痩せて見えていたため、同じリアクションでも「汚らしい」「汚らわしい」という反応しかなかったのが、いまや立派な「おじさん」が「頑張っている」という見方に変わっていったのだ。少し哀愁が垣間見られるのもいい。
また、当初はTBSのスターアナとして蝶よ花よともてはやされていた時代から一転、自ら発信しなければならない立場となり、どう見られているのか自己プロデュース力が働くようになった。準レギュラー『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)での、ぶりっ子全開の姿と、『グータンヌーボ2』(カンテレ)のオープニングで長谷川京子らに話を振っている顔とは全然違う。キャラの「使い分け」ができるようになったのだ。
さらに「確変」(パチンコでいう当たり)のきっかけとなったのは、仕切りの上達である。彼女は平日のお昼、地上波キー局 ではなく関東ローカル局TOKYO MXの情報バラエティ番組のMCを約3年務めていた。知る人ぞ知る、『ひるキュン!』である。今年3月に残念ながら終わってしまったが、生放送の1時間を、アンミカや生島ヒロシ、クリス松村といった曜日替わりのパートナーと日々渡り合っていた。それまではどちらかというとMCの隣でアシスタント的な役割が多かった田中にとって、貴重な経験となったことだろう。「田中みな実の――」と冠番組扱いではなかったものの、実質それにも似た立ち位置で3年間メインを張ったことは自信にもつながっただろうし、何より、先述の猛獣たちをさばく術に長けていた。
その人気の高さが顕著なのが、彼女に関するネットニュースの多さだ。とにかく今、その発言が注目されている。テレビ番組で話したことがその直後、遅くても翌日には大手のニュースサイトがこぞって取り上げ、そして拡散する。
それはひとえに人々が彼女に関心を寄せているからにほかならないが、彼女の武器はオリエンタルラジオ藤森慎吾の「元カノ」という肩書と、胸にまで化粧水をつけるといった美意識の高さの2つに集約されるだろう。
彼女が語る「恋愛話」は、実はほとんど具体的ではなく、「考え方」や「嫌いな女性のタイプ」など抽象的なのだが、それでもフリーの女子アナで恋愛について語る者はあまりいない。一方、美意識の高さはこれまでも語られているように、写真集を出すことでも実証済みだ。だが、それだけでは逆にイヤミになる。つまりは、ちょっと「下世話」な感じと「美しさ」の両輪がバランスよく備わっているからこそ、今の隆盛があるのかもしれない。
『サンデー・ジャポン』(TBS系)時代からよく言っていた「みんなの、みな実」に、名実共になったのである。