どうしてあのタレントは人気なのか? なぜ、あんなにテレビに出ているのか? その理由を、業界目線でズバッと斬る「ズバッと芸能人」。
今回取り上げるのは高田純次だ。実は、平日朝に放送中の散歩番組『じゅん散歩』(テレビ朝日系)が今、50歳以上の視聴者から絶大な支持を集めている。「シニアの星」と言っても過言ではない、彼の異常人気の理由を追った。
■「主婦層」からの支持も抜群
4月30日に放送された同番組の平均視聴率は7.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と同時間帯1位。さらに、年齢別の視聴率では50歳以上の男性が6.9%、女性も6.8%と、これまた他局の裏番組を大きく引き離している。またこの日、職業別でいうと「主婦層」が7.1%と、これまた独走。こうしたシニア層からの追い風は、もちろんこの年代の在宅率が高いことも大前提だが、同局の『徹子の部屋』の50歳以上の視聴率より高い割合になる日もあるくらいだ。
5月3日の平均視聴率は8.1%と絶好調。50歳以上の男性は7.1%。女性は7.8%と抜群の吸引力。高水準をキープしている背景はまず、前の番組である『羽鳥慎一モーニングショー』が好調ということが挙げられる。
実は、この『モーニングショー』など民放各局のワイドショーに大差をつけていた裏の『あさイチ』(NHK)が、この4月から若干数字を落としているのである。金曜日は豪華ゲストによる人気トークコーナー「プレミアムトーク」の放送日なので10~11%はいくのだが、それ以外の日は9%前後。対する『モーニングショー』は7%後半から8.5%と、『あさイチ』にかなり肉薄しているのだ。つまり、ハイアベレージを保つ『モーニングショー』の流れで『じゅん散歩』も見るという波及効果を生み出している。
■純次の軽口が激減!?
受け入れられている理由として考えられるのはもうひとつ、2015年の番組開始当初は頻繁に見られた、街を行き交う人へのイジりが、最近はあまり見られなくなっていることである。
以前は、お店の主人が2代目と聞けば、「2代目はたいてい先代の店をつぶす」、人妻と出会えば「子作りするときは呼んでください」などと言って笑わせていた。だが、こうした彼の代名詞でもあったテキトーな軽口を極力排除することで、それに少なからず嫌悪感を持っていた視聴者も抵抗なく見られるようになっているのではないだろうか。
だが、それでも高田の「芸人魂」が垣間見える部分がある。それが、お店を訪ねるときの挨拶だ。
「テレ朝の『じゅん散歩』でやってきた鶴田浩二ですけど」(5月18日・八丁堀)
「まぼろし探偵って者なんですけど。チェックしに来たんです」(同)
「『じゅん散歩』をやっている赤胴鈴之助ですが」(5月14日・京橋)
「『じゅん散歩』で来ました源義経という者なんですけど」(4月30日・鎌倉)
このような自己紹介を、のれんをくぐるとき、店主と会ったとき、毎回、必ず言うのである。彼が口にする名前は、場合によっては、ある年代の者しか分からない人物ばかり。だが、これがオーバー50には懐かしいとさえ思えるのかもしれない。
しかし実際には、年配であるお店の方々も、まったく笑わないことのほうが多い。それでも彼はこうした自己紹介をやめることはない。しかも、自己紹介とお店との関連性はほとんどない。まさに無意味の極致だが、これまでの冗談めいたイジりを封印する代わりに、こうしたことで自己主張しているのかもしれない。
そういえばこの4月から、50年近く続いていた長寿ラジオコーナー『毒蝮三太夫のミュージックプレゼント』が、月~木の放送から、週1回の金曜日に縮小された。マムシさんも82歳。後継者として、中高年からの後ろ盾を手に入れた高田が引き継いでも面白いかもしれない。
(文=都築雄一郎)
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