3月6日にスタートするスーパー戦隊シリーズの最新作『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』(テレビ朝日系)の制作発表記者会見が、2月9日に行われた。桃太郎をモチーフとした今作では、主人公のヒーロー・ドンモモタロウとともに、サルブラザー、イヌブラザー、キジブラザー、そしてオニシスターの仲間たちが悪と戦う。<…
「スーパー戦隊」カテゴリーアーカイブ
戦隊モノとして初ギャラクシー賞の『ルパパト』 工藤遥&奥山かずさのヒロインがブレーク必至
今年2月までテレビ朝日系で放送されていた『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』が、優れたテレビ番組に贈られる「2019年2月度ギャラクシー賞月間賞」を受賞した。スーパー戦隊シリーズがギャラクシー賞を受賞したのは、今回が初となる。
「怪盗の『ルパンレンジャー』と警察の『パトレンジャー』という2組が、犯罪集団『ギャングラー』と戦うという、これまでにない設定が高く評価されたとのこと。善と悪だけでは表現できない複雑な人間ドラマをスーパー戦隊モノの中にうまく落とし込んだということで、視聴者からの評価も高く、“ルパパト“の愛称で親しまれています」(エンタメ誌ライター)
作品の内容だけでなく、2人のヒロインにも注目が集まっている。ルパンレンジャー側のヒロインであるルパンイエロー(早見初美花)を演じたのは元モーニング娘。の工藤遥、一方パトレンジャー側のヒロイン・パトレン3号(明神つかさ)は奥山かずさが演じた。
「工藤にとっては、モー娘。卒業後初の大仕事であり、またモー娘。OGがスーパー戦隊のヒロインを演じるのは初めてということもあって、番組開始前から特撮ファンだけでなく、モー娘。ファンの関心が高かったようです。戦隊モノでは、キャスト本人たちによるイベントが多いのですが、その現場にはモー娘。ファンも多数足を運んでいたようです」(前出・ライター)
そして、放送が始まると、工藤だけでなく、奥山の人気も急上昇することとなった。
「奥山は、『ルパパト』が女優デビュー作。これまではほぼ無名の状態だったものの、放送開始後にグラビア展開を始めると、一気にブレークしました。『週刊ヤングマガジン』(講談社)や『FRIDAY』(同)のほか、『週刊プレイボーイ』(集英社)の表紙も飾るなど、2018年にグラビア界で最も売れた一人といえるでしょう」(週刊誌記者)
ショートカットでボーイッシュな工藤に対し、奥山は“きれいなお姉さん”タイプだ。
「現在25歳で落ち着いた雰囲気だけど、水着グラビアにも積極的。そのギャップと、スレンダーで健康的な美しさが大きな魅力。正統派の美女でもあるし、幅広い層に受けているようです」(同)
奥山が所属するのは、多くの美女タレントを抱えるオスカープロモーション。今後も、さらなるブレークが予想される。
「武井咲や剛力彩芽の次の世代のスターに育てるべく、小芝風花、高橋ひかるなどとともに、奥山も売り出されていきそう。いろいろな役に挑戦できる年齢なので、重宝される女優になると思います」(同)
一方、工藤も順調に女優としてのキャリアを積もうとしている。
「工藤は10月から始まる舞台『魔法使いの嫁』に主演することが決まっています。人気漫画の初舞台化作品ということで注目度も高いです」(前出・ライター)
作品として評価が高かっただけでなく、新たなスターも生み出しそうなルパパト。戦隊シリーズの歴史の中でも、かなり重要な作品になったといえそうだ。
学歴に頼ってられない! 求められるのは“キャラ立ち”か……東映が史上初の「特撮番組専任のプロデューサー」を募集中
『仮面ライダー』や『スーパー戦隊』シリーズなど、日本の特撮作品の屋台骨を支えてきた東映が、会社創立以来初めてとなる特撮番組専属のプロデューサーの募集を開始して話題となっている。
現在公開されている要項によれば、募集人員は「若干名」。応募資格には「映像制作の経験がある方※特撮番組(「仮面ライダー」「スーパー戦隊」シリーズ等)に関心のある方歓迎」となっている。
長らく特撮に限らず日本の映像文化を担ってきた東映であるが、一般の大企業と同じく就職しようと思えば、まず学歴が重視される。
『仮面ライダー』や『スーパー戦隊』のプロデューサーを務めた白倉伸一郎氏は、コアな特撮マニアとしても知られているが、マニア以前に最終学歴は東京大学の仏文科卒である。特撮を生み出してきたかつての関係者を見ると、副社長でもあった渡邊亮徳氏は専修大学卒。でも、これは例外のようで、平山亨氏は東大卒。その片腕だった阿部征司氏は早稲田卒である。
つまり、大企業である以上、よほどの異能でもない限りは強固な学歴フィルターのある会社というのが、東映なのである。
そんな東映が、あえて特撮マニアを求めるかのような専業プロデューサーを募集することを決めたのはなぜか。
事情に詳しい映像関係者は語る。
「時代の流れと共に、若手イケメン俳優が活躍するのが当たり前になった特撮番組ですが、視聴率は決して芳しくはありません。『仮面ライダーエグゼイド』が、オモチャは売れた一方で視聴率が低かったのは、業界でも話題になりました。正直、就職活動で東映を志望する有名大学出身者は<コンテンツ産業>の中で東映を選んでいます。要はビジネスには長けているけれども、思いも寄らない圧倒的な作品を生み出すような人材は決して多くはないのです。さまざまな模索の末たどり着いた、新しい思考を取り入れたい意図が、今回の募集にはあるでしょう」
かつて、東映の名物社長であった、岡田茂氏は、東大卒というエリートにもかかわらず、任侠映画に実録もの、そして、エログロ路線と、誰も想像し得なかった作品を次々と世に送り出した人物。もはや、そんな傑物のいない時代。今こそ「俺の考えた仮面ライダーで大ヒットだ!!」というような強烈な個性を持ったプロデューサーが求められている。
(文=大居候)
日曜午前を騒がすトレンドワード「圭一郎」って誰だ!? BLクラスタ熱狂の“赤”とは……
毎週日曜午前、Twitterを賑わし、トレンド入りする言葉がある。それは「圭一郎」だ。
誰のことか、ピンとこない人は多いだろう。
これは、テレビ朝日系のニチアサキッズタイム内「スーパーヒーロータイム」枠で現在放送中の特撮ドラマ『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』の登場人物の名前である。
「正義のアウトロー、絶対のヒーロー」をキャッチコピーとし、2つの戦隊が登場。
アルセーヌ・ルパンの残した「ルパンコレクション」を「ギャングラー」に奪われ、取り戻すために戦う怪盗たちと、世界の平和を守ろうとする警察とが、明確な敵同士として戦うという斬新なストーリーだ。
今作は、モーニング娘。を卒業したばかりの“元アイドル”工藤遥が「ルパンイエロー」として出演していることや、物語の内容的にルパン側が中心に描かれるであろうこともあって、放送開始前には、ネット上で「圧倒的にルパン有利だろ」「ルパン側ばかり人気になりそう」などと予想する声が多かった。
ところが、フタをあけてみると、意外にも毎週話題を独占しているのは「圭一郎」。結木滉星が演じる「パトレン1号」こと、朝加圭一郎だった。
メイン視聴者層である子どものお母さんたちにも「可愛い」と言われているが、特にネット上で熱い視線を送っているのは、BL好きの女性たちと、ネット掲示板に集うゲイたちのよう。
それも、特撮モノ出身で人気が出た松坂桃李、菅田将暉、佐藤健などのように最初に「中の人」のルックスの人気ではない(佐藤健の場合、『仮面ライダー電王』の頃は、むしろモモタロスのほうが、より人気だったが)。
もちろん俳優・結木滉星の魅力もあってのものだが、何より「朝加圭一郎」というキャラクターと、圭一郎と周りの人々の関係性のほうに、盛り上がっている声が多いのだ。
なぜ「圭一郎」人気が、こうも過熱しているのだろうか? 特撮好きで、同番組の大ファンという、ある漫画編集者は言う。
「朝加圭一郎の魅力は、正義感の強さと真っすぐさ、バカがつくほどの真面目さ、熱血漢であることが最初に挙げられます。ただし、それだけでは、一般的な戦隊ヒーローもののエースポジションにある『赤レンジャー(レッド)』キャラにすぎないですよね。圭一郎をより奥の深い魅力的なキャラにしている理由には、まさに今作の特徴である2つの戦隊、ルパンとの対立構造があると思うんです」
今作の場合、ルパンレンジャーと、パトレンジャーの2つが登場する対立構造になっている。
「2つの戦隊が対立するというのはレアケースですが、それによって『ルパンレッド』と『パトレン1号』という、2人の『赤』キャラができました。2人の『赤』の差別化を図るために、ルパンレッドの夜野魁利(伊藤あさひ)は『一見チャラいが頭の回転が速く、大胆不敵』というキャラになり、一方の圭一郎には『ルパンに対する警察』イメージが付加されているのだと思います」(同)
ルパンに対する警察といってイメージされるのは、もちろん「銭形警部」だろう。確かに、朝加圭一郎は、制服以外のときには「銭形のとっつぁん」のような刑事風のコートを着ている。
それに、店に入ってきておしぼりで顔を堂々と拭いたり、仲間の恋愛に関する軟派な発言に対して「ふしだらな!」と本気で怒ったりするような堅物さ、恋愛に対する奥手さ、オッサンくささや渋さも持ち合わせている。
「加えて、仕事がデキて優秀で、ストイックで、なおかつ仲間や民間人への気遣いも意外とできるという点は、一般的なレッドのキャラよりも、クールでデキる『青』や、作品の途中から登場するハイスペックな黒や金などに近い印象すらあります」(同)
「圭一郎」の人気を番組制作サイドは知ってか知らずか、4月22日放送分では、女装するシーンも登場。黒髪ストレートのカツラをかぶった姿が似ているというだけの理由で、Twitterのトレンドには「江角マキコ」がランクインするという珍現象も起こっていた。
ちなみに、「圭一郎」の中の人・結木滉星は、『くりぃむクイズ ミラクル9 2時間スペシャル』に登場。アンケートクイズの「防水仕様になっていると便利だと思う家電製品」という問題に対し、どういうわけか自信満々に「冷蔵庫」と回答。有田哲平に盛大にツッコまれるというオイシイ天然ぶりを披露してもいる。
キャラクターの魅力と、中の人の魅力とによって「圭一郎沼」にハマる人が、ますます増えてしまいそうだ。
シリーズ初のW戦隊『怪盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』銭形警部に松田優作にキャッツアイと小ネタ満載
日曜朝9時のヒーロー番組枠「ニチアサ」。子どものみならず、一部の大人からも人気の枠で、今期は『仮面ライダービルド』と、スーパー戦隊シリーズとして42作目を数える『怪盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』の2本立て。
戦隊モノとしての元祖となる石ノ森章太郎原作の『秘密戦隊ゴレンジャー』と『ジャッカー電撃隊』を『スーパー戦隊シリーズ』としては含めないという説(『バトルフィーバーJ』からという説)もあったが、今は正式に含めて語られているようだ。そして、今作で気になるのは「VS」? 対立してるの? という部分。
■「VS」シリーズはお馴染みだったが
今までも、正式なレギュラー戦隊以外に「追加戦士」として物語中盤などで投入され、起爆剤的に活躍するキャラクターはいた。古くは『ジャッカー電撃隊』のビッグワンから始まり、『恐竜戦隊ジュウレンジャー』に登場したドラゴンレンジャーは人気のあまり正式メンバーにも加入、続く『五星戦隊ダイレンジャー』のキバレンジャーなどもこの流れに続いた。
『爆竜戦隊アバレンジャー』のアバレキラーは、ずっと敵側だったが終盤共闘の後、壮絶な死。人気を博した。
そして、これまでも『スーパー戦隊祭り』と呼ばれる豪華版などで「VS」として、主に誤解を原因として新旧2つの戦隊が対立(VSといいながらさほど対立していないのもある)する見せ方は何度もあった。主にその時期放送している戦隊と次年度の戦隊で構成されたが、『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』(2012)は、それぞれスーパー戦隊35周年、メタルヒーロー30周年を記念した「異種対決」で、往年のアクションスター・大葉健二(バトルケニア・デンジブルー・ギャバン)の衰えぬ活躍にかつてのファンも目頭を熱くした。
しかし、これらはいわゆる特別篇である。今回画期的なのは「シリーズ初のW戦隊」と銘打ち、初めから2つの戦隊が対立しつつ通常放送をする点だ。
■W戦隊と敵のそれぞれの関係性
まず、どちらの敵でもある絶対的な悪である「ギャングラー」といういわゆる悪の組織が存在し、それに対しルパンレンジャーは、おのおの大切な人をギャングラーに消されたメンバーばかり。「消えた人も取り戻せる」というアルセーヌ・ルパンの子孫を主とし仕える執事コグレ(温水洋一)の言葉を信じ、主にギャングラーの所有する「ルパンコレクション」なるお宝を収集する。そして、このギャングラーとルパンレンジャー、どちらも取り締まろうとするのが絶対的な正義として存在するパトレンジャーで、ここまで(第3話まで)戦闘時は3つ巴の戦いになることも多い。
「失ったものを取り戻すために戦う怪盗、世界の平和を守るために戦う警察、君はどっちを応援する!?」と子どもに選ばせるスタンスをとっているが、当然というべきか、ガミガミうるさいパトレンジャーよりも、子どもには、おしゃれで自由そうなルパンレンジャーの人気が高いようで(いかりやが嫌われ志村が人気だったように)、しかしながら、しがらみを抱えつつ、職務をまっとうせんとするパトレンジャー(主に朝加)の姿は、どちらかというと大人目線で楽しむものかもしれない。
ルパン側のレッドも、パトレン側のレッド(1号)のまっすぐな正義感を悪く思っていないようで、第2話では「しゃあない」と一時的に手を貸しているし、パトレン1号もルパン側が敵を倒し逃げ去った際「ギャングラーが1体いなくなったんだ、今回はよしとしよう」と認めるようなそぶりをみせるなど、徐々に共闘っぽい流れになってきている。
それぞれのキャラクター設定も凝っている。
■ルパン三世はもちろんキャッツ・アイまで
夜野魁利(ルパンレッド)は普段軽いノリで、宵町透真(ルパンブルー)はクール。それはどこかルパン三世と次元大介のようだし、これに早見初美花(ルパンイエロー)を加えた3人で普段飲食店を切り盛りしているところなどは、3姉妹で喫茶店を営んでいた怪盗漫画『キャッツ・アイ』を思わせる(警察であるパトレンジャーが普段その店を何も知らずプライベートで利用している点も『キャッツ・アイ』の内海俊夫と同じ)。
名字にはそれぞれ夜を思わせる単語が入り、下の名前を一文字ずつとると「かい・と・う」と細かい。
普段は私服だが、怪盗として活動時はシルクハットにアイマスクにスーツとやや変態のような格好で、レンジャー変身後は顔面にシルクハットを模した仮面とマント、全体に暗めの出で立ちでシック。変身後、名乗り口上をする際は、どこにいようが背景が夜のレンガとなりスポットライトで照らされ、BGMもジャジーな雰囲気で全体にスタイリッシュ。
それでいて「例え誰かが倒れても、最後に夢が叶えばそれでいい」とピンチになってもお互いを無駄に助けないという厳しい約束もかわしているなど、昔に比べ全体に情報量が多い。
■銭形警部っぽいパトレン1号
対するパトレンジャーはといえば、朝加圭一郎(パトレン1号)は、いわゆる堅物として描かれ、犯罪ゼロを目指すまっすぐな熱血漢。若そうなのに私服はトレンチコートで「おのれ、怪盗~」とか「貴様ら逃げるつもりか~」と腕を振り上げて追いかける三枚目ぶりなどは思いっきり銭形警部。
イメージカラーも赤なので不遇のスター赤木圭一郎を連想する名だが、ここまでくると子どもはもちろん50歳以下の多くもピンとはこないだろう。
パトレン2号、3号となる陽川咲成や明神つかさと共に明るい系の名字に、同じく下の名から一文字ずつ取ると「けい・さ・つ」。
彼らを指揮する管理官の名前はヒルトップ(=昼トップ・お笑いグループ超新塾のアイク)で、本部にいるロボットはジム・カーター(事務方)ととことんダジャレ。
変身後は警官の帽子をイメージしたマスクに警察っぽいエンブレム、胸元はネクタイをモチーフとしたストライプデザイン。戦闘前に「国際警察の権限において、実力を行使する!」と口上を述べたり、戦闘中にメガホンを使い敵に大声で指示したり、そのメガホンから三段式のスライド警棒が出てきたりと、警官らしき仕様満載。「パトレンU号」として3人が初合体した際には「なんじゃこりゃあ!?」、もちろん『太陽にほえろ!』のジーパン刑事(松田優作)の殉職時の名セリフだ。
■「デカレンジャー」と共演は?
警察をモチーフとした戦隊モノとしては、04年に放送された『特捜戦隊デカレンジャー』があるが、こちらも小ネタが多く、ボス(デカマスター)がヘリから狙撃したりと完全に『西部警察』の大門警部(渡哲也)だった。この脚本は、本作『~パトレンジャー』の脚本家・香村純子(生粋の戦隊モノファン)の先輩(同郷の中学でも先輩)にあたる荒川稔久(なるひさ)が担当しており、香村も意識しているという。
パトレンジャーが国際警察所属の警察官、デカレンジャーは宇宙警察の地球署に所属する刑事で、デカレンジャーは10年後の世界を描く『特捜戦隊デカレンジャー10YEARS AFTER』も作られていたり、『スペース・スクワッド 宇宙刑事ギャバンVS特捜戦隊デカレンジャー』で「刑事」共演もしているので、本作でもどこかで共演を期待したい。
銃のような武器を交え戦う至近距離での肉弾戦はまるでジョン・ウーの映画のようだし、タイムレンジャー以降増えたCGシーンも今作はてんこ盛りで賛否はあるが、近年見ていない方々も、これを機にぜひ一度ご覧いただきたい。
(文=柿田太郎)
シリーズ初のW戦隊『怪盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』銭形警部に松田優作にキャッツアイと小ネタ満載
日曜朝9時のヒーロー番組枠「ニチアサ」。子どものみならず、一部の大人からも人気の枠で、今期は『仮面ライダービルド』と、スーパー戦隊シリーズとして42作目を数える『怪盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』の2本立て。
戦隊モノとしての元祖となる石ノ森章太郎原作の『秘密戦隊ゴレンジャー』と『ジャッカー電撃隊』を『スーパー戦隊シリーズ』としては含めないという説(『バトルフィーバーJ』からという説)もあったが、今は正式に含めて語られているようだ。そして、今作で気になるのは「VS」? 対立してるの? という部分。
■「VS」シリーズはお馴染みだったが
今までも、正式なレギュラー戦隊以外に「追加戦士」として物語中盤などで投入され、起爆剤的に活躍するキャラクターはいた。古くは『ジャッカー電撃隊』のビッグワンから始まり、『恐竜戦隊ジュウレンジャー』に登場したドラゴンレンジャーは人気のあまり正式メンバーにも加入、続く『五星戦隊ダイレンジャー』のキバレンジャーなどもこの流れに続いた。
『爆竜戦隊アバレンジャー』のアバレキラーは、ずっと敵側だったが終盤共闘の後、壮絶な死。人気を博した。
そして、これまでも『スーパー戦隊祭り』と呼ばれる豪華版などで「VS」として、主に誤解を原因として新旧2つの戦隊が対立(VSといいながらさほど対立していないのもある)する見せ方は何度もあった。主にその時期放送している戦隊と次年度の戦隊で構成されたが、『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』(2012)は、それぞれスーパー戦隊35周年、メタルヒーロー30周年を記念した「異種対決」で、往年のアクションスター・大葉健二(バトルケニア・デンジブルー・ギャバン)の衰えぬ活躍にかつてのファンも目頭を熱くした。
しかし、これらはいわゆる特別篇である。今回画期的なのは「シリーズ初のW戦隊」と銘打ち、初めから2つの戦隊が対立しつつ通常放送をする点だ。
■W戦隊と敵のそれぞれの関係性
まず、どちらの敵でもある絶対的な悪である「ギャングラー」といういわゆる悪の組織が存在し、それに対しルパンレンジャーは、おのおの大切な人をギャングラーに消されたメンバーばかり。「消えた人も取り戻せる」というアルセーヌ・ルパンの子孫を主とし仕える執事コグレ(温水洋一)の言葉を信じ、主にギャングラーの所有する「ルパンコレクション」なるお宝を収集する。そして、このギャングラーとルパンレンジャー、どちらも取り締まろうとするのが絶対的な正義として存在するパトレンジャーで、ここまで(第3話まで)戦闘時は3つ巴の戦いになることも多い。
「失ったものを取り戻すために戦う怪盗、世界の平和を守るために戦う警察、君はどっちを応援する!?」と子どもに選ばせるスタンスをとっているが、当然というべきか、ガミガミうるさいパトレンジャーよりも、子どもには、おしゃれで自由そうなルパンレンジャーの人気が高いようで(いかりやが嫌われ志村が人気だったように)、しかしながら、しがらみを抱えつつ、職務をまっとうせんとするパトレンジャー(主に朝加)の姿は、どちらかというと大人目線で楽しむものかもしれない。
ルパン側のレッドも、パトレン側のレッド(1号)のまっすぐな正義感を悪く思っていないようで、第2話では「しゃあない」と一時的に手を貸しているし、パトレン1号もルパン側が敵を倒し逃げ去った際「ギャングラーが1体いなくなったんだ、今回はよしとしよう」と認めるようなそぶりをみせるなど、徐々に共闘っぽい流れになってきている。
それぞれのキャラクター設定も凝っている。
■ルパン三世はもちろんキャッツ・アイまで
夜野魁利(ルパンレッド)は普段軽いノリで、宵町透真(ルパンブルー)はクール。それはどこかルパン三世と次元大介のようだし、これに早見初美花(ルパンイエロー)を加えた3人で普段飲食店を切り盛りしているところなどは、3姉妹で喫茶店を営んでいた怪盗漫画『キャッツ・アイ』を思わせる(警察であるパトレンジャーが普段その店を何も知らずプライベートで利用している点も『キャッツ・アイ』の内海俊夫と同じ)。
名字にはそれぞれ夜を思わせる単語が入り、下の名前を一文字ずつとると「かい・と・う」と細かい。
普段は私服だが、怪盗として活動時はシルクハットにアイマスクにスーツとやや変態のような格好で、レンジャー変身後は顔面にシルクハットを模した仮面とマント、全体に暗めの出で立ちでシック。変身後、名乗り口上をする際は、どこにいようが背景が夜のレンガとなりスポットライトで照らされ、BGMもジャジーな雰囲気で全体にスタイリッシュ。
それでいて「例え誰かが倒れても、最後に夢が叶えばそれでいい」とピンチになってもお互いを無駄に助けないという厳しい約束もかわしているなど、昔に比べ全体に情報量が多い。
■銭形警部っぽいパトレン1号
対するパトレンジャーはといえば、朝加圭一郎(パトレン1号)は、いわゆる堅物として描かれ、犯罪ゼロを目指すまっすぐな熱血漢。若そうなのに私服はトレンチコートで「おのれ、怪盗~」とか「貴様ら逃げるつもりか~」と腕を振り上げて追いかける三枚目ぶりなどは思いっきり銭形警部。
イメージカラーも赤なので不遇のスター赤木圭一郎を連想する名だが、ここまでくると子どもはもちろん50歳以下の多くもピンとはこないだろう。
パトレン2号、3号となる陽川咲成や明神つかさと共に明るい系の名字に、同じく下の名から一文字ずつ取ると「けい・さ・つ」。
彼らを指揮する管理官の名前はヒルトップ(=昼トップ・お笑いグループ超新塾のアイク)で、本部にいるロボットはジム・カーター(事務方)ととことんダジャレ。
変身後は警官の帽子をイメージしたマスクに警察っぽいエンブレム、胸元はネクタイをモチーフとしたストライプデザイン。戦闘前に「国際警察の権限において、実力を行使する!」と口上を述べたり、戦闘中にメガホンを使い敵に大声で指示したり、そのメガホンから三段式のスライド警棒が出てきたりと、警官らしき仕様満載。「パトレンU号」として3人が初合体した際には「なんじゃこりゃあ!?」、もちろん『太陽にほえろ!』のジーパン刑事(松田優作)の殉職時の名セリフだ。
■「デカレンジャー」と共演は?
警察をモチーフとした戦隊モノとしては、04年に放送された『特捜戦隊デカレンジャー』があるが、こちらも小ネタが多く、ボス(デカマスター)がヘリから狙撃したりと完全に『西部警察』の大門警部(渡哲也)だった。この脚本は、本作『~パトレンジャー』の脚本家・香村純子(生粋の戦隊モノファン)の先輩(同郷の中学でも先輩)にあたる荒川稔久(なるひさ)が担当しており、香村も意識しているという。
パトレンジャーが国際警察所属の警察官、デカレンジャーは宇宙警察の地球署に所属する刑事で、デカレンジャーは10年後の世界を描く『特捜戦隊デカレンジャー10YEARS AFTER』も作られていたり、『スペース・スクワッド 宇宙刑事ギャバンVS特捜戦隊デカレンジャー』で「刑事」共演もしているので、本作でもどこかで共演を期待したい。
銃のような武器を交え戦う至近距離での肉弾戦はまるでジョン・ウーの映画のようだし、タイムレンジャー以降増えたCGシーンも今作はてんこ盛りで賛否はあるが、近年見ていない方々も、これを機にぜひ一度ご覧いただきたい。
(文=柿田太郎)