帝劇のファッションマナー論争……実は「ツアーTシャツ、痛バ」も問題なし!?

 東京・有楽町・日比谷エリアにある帝国劇場、通称・帝劇。明治44年、日本最初の近代的洋式劇場として創設された帝劇は、現在、日本を代表する劇場の1つとして広く知られている。1年を通してさまざまなミュージカルが上演され、「帝劇=日本ミュージカルの聖地」と見る者も少なくない。

 そんな帝劇に関して、ネットを中心に議論されているのが、“観劇時のファッションマナー”。帝劇に、“格式ある劇場”というイメージを抱いている人は少なくないだけに、ジャージやTシャツなどのラフな格好、また露出度の高い派手すぎる格好で来場する人たちに対し、「ふさわしくないのでは?」といった議論が巻き起こっているのである。

 さらに、特定のファンの間では、さらにこの議論が活発化している。帝劇では、堂本光一主演の『Endless SHOCK』、KAT‐TUN・亀梨和也やKis-My-Ft2・玉森裕太らが主演を務めてきた『DREAM BOYS』、またジャニーズJr.が一挙に介する『JOHNNYS’YOU&ME IsLAND(ジャニーズYOU&ME アイランド)』など、ジャニーズ事務所所属タレントがメインの舞台が頻繁に上演されている。また、昨年夏の『王家の紋章』に宮野真守、今年夏の『ビューティフル』に水樹奈々など、人気声優が帝劇のステージに立つこともある。

 そんな中、帝劇に訪れたファンの中に、彼らのツアーTシャツを着用していた者がいたと、ネット上で波紋を呼んだのだ。「帝劇はコンサート会場ではない」「ほかの出演者の方に失礼」「マナー違反」といった声が飛び交う一方、「Tシャツを着ていること自体は誰の迷惑にもなっていないと思う」「ファンが勝手にルールを作るのは息苦しい」などの反論も。さらに、帝劇に出演する声優が演じるアニメキャラクターの“痛バッグ”(推しキャラの缶バッチやぬいぐるみなどをあしらった「痛々しいバッグ」の意味)を持っていたファンに批判の声が渦巻くなどの炎上が起こったこともある。

 では、実際に、帝劇側は観劇のファッションマナーに関してどのような考えを持っているのだろうか。帝劇を運営する東宝演劇部宣伝室に問い合わせをしたところ、帝劇オフィシャルサイトの「よくあるご質問」にある「ドレスコードはありますか?」で記載している通りだといい、「それ以上のコメントは特にございません」との回答を得た。

 実際にサイトを確認してみると、「ドレスコードはございません。お客様のくつろげる装いでお気軽にお越しくださいませ。しかしながら、他にご観劇をされるお客様も多くいらっしゃいますので、他のお客様のご観劇の妨げにならないような装いを意識していただけますと幸いでございます。例:後方のお客様にご迷惑になるような髪型・髪飾り 背もたれに背中がつかず、前のめり姿勢になる恐れのある厚めの帯の着物など」とある。

 来場者の良識が問われる内容だけに、判断に悩む部分もあるが、これまで3000回以上劇場に通い、観劇マナーに関する番組にも出演する演劇ライターの上村由紀子氏は、この問題にどのような考えを持っているのだろうか。

 まず、上村氏は、観劇時のファッションに関する議論が起こる背景について、「普段あまり舞台の仕事をしないキャストが出演すると、観劇に慣れていないファンの方が劇場に訪れることが増えます。すると、既存の舞台ファンとの間に温度差が生じて、マナー問題で揉めやすいという面があると思います」と語る。

 確かに、帝劇という場所に思い入れがある人ほど、軽装や露出度の高いファッションに「ふさわしくない」という思いを抱きやすいかもしれない。しかし上村氏は、「周囲の観客に迷惑でなければ問題はない」と考えているといい、ただし、「個人的には、ジャージや肌を露出した服だと、劇場内で目立ちますし、浮いてしまいますから、『それでも構わないという強い心を持っているなら思いを通すのもアリ』という感じです。それに、劇場内は空調が効いているので、肌を出していると寒くてツラいですよ」(上村氏、以下同)。

 また、出演者のツアーTシャツを着てくる行為に関しては、「『ほかの出演者の方に失礼』という意見もあるようですが、そこまでの心遣いができるのは素晴らしいこと。『マナー完璧!』と感動します。ただ一方で、ツアーTシャツ自体が迷惑をかけるわけではないので、それを着ることで、その人自身の気持ちがアガるというのなら、特に問題はないと思います」とのこと。

 さらに、ネット上で猛批判を浴びていた“痛バッグ”に関しても、「缶バッチの音がうるさくなければ」といった点に気をつければ、帝劇に持っていくのも問題はないと語る。

「『王家の紋章』に声優の宮野さんが出演された際、“痛バッグ”を持ったファンの方がいて、ネット上で物議を醸していました。そういったファンのせいで『宮野さんが恥ずかしい思いをする』といわれていたようですが、宮野さんご自身はおおらかでファンを大切にする方ですので、むしろファン同士がいざこざを起こす方が心を痛める気も。それに“痛バッグ”以上に、出待ちの際に撮影禁止の俳優さんに対して勝手に写真や動画を撮る、洋服等を触るといった行為の方が問題視されるべきではないでしょうか」

 帝劇でのファッションマナーに関しては、「ロイヤルホストで晩ごはんを食べられる格好」を意識していれば問題ないとのこと。

「ファミレスの中ではちょっとグレードの高いロイヤルホストに行く服装をイメージしてもらえれば。なので、デニムやサンダルでももちろんOK。帝劇に行くのは就職試験に行くのとは違いますから。それに、ここ5年で観劇マナーはかなり向上している印象もありますし、演劇界に新しいファンを呼び込むためにも、そんなに締め付ける必要はないと思っています」

 上村氏は、「ちゃんとした服装をしていても、人に迷惑をかけるマナー違反をしている人がいて、そちらの方が問題」という。観劇時において「高さ(後ろの席の人が見えにくくなるようなお団子や盛り髪、帽子など)」「匂い(香水やハンドクリーム、また汗の匂いなど)」「光(スマホ画面、照明を反射するスパンコールの服など)」「音(スマホの着信&バイブ音、ダウンジャケットの“シャカシャカ”音、ビニール袋の“ガサガサ”音など)」の4つを出さないことを心がけるべきとし、また「大きな荷物や、かさばるダウンやコート類なども邪魔になるので、劇場内のクロークやロッカーに預けるといいと思います。劇場のサービスで利用できるものはどんどん利用しましょう」と語る。

 帝劇でのファッションマナー問題は、今後もネット上で議論を呼ぶだろうが、その際は「果たしてそれは、人に迷惑をかけているのか?」という視点を持つべきかもしれない。

帝劇のファッションマナー論争……実は「ツアーTシャツ、痛バ」も問題なし!?

 東京・有楽町・日比谷エリアにある帝国劇場、通称・帝劇。明治44年、日本最初の近代的洋式劇場として創設された帝劇は、現在、日本を代表する劇場の1つとして広く知られている。1年を通してさまざまなミュージカルが上演され、「帝劇=日本ミュージカルの聖地」と見る者も少なくない。

 そんな帝劇に関して、ネットを中心に議論されているのが、“観劇時のファッションマナー”。帝劇に、“格式ある劇場”というイメージを抱いている人は少なくないだけに、ジャージやTシャツなどのラフな格好、また露出度の高い派手すぎる格好で来場する人たちに対し、「ふさわしくないのでは?」といった議論が巻き起こっているのである。

 さらに、特定のファンの間では、さらにこの議論が活発化している。帝劇では、堂本光一主演の『Endless SHOCK』、KAT‐TUN・亀梨和也やKis-My-Ft2・玉森裕太らが主演を務めてきた『DREAM BOYS』、またジャニーズJr.が一挙に介する『JOHNNYS’YOU&ME IsLAND(ジャニーズYOU&ME アイランド)』など、ジャニーズ事務所所属タレントがメインの舞台が頻繁に上演されている。また、昨年夏の『王家の紋章』に宮野真守、今年夏の『ビューティフル』に水樹奈々など、人気声優が帝劇のステージに立つこともある。

 そんな中、帝劇に訪れたファンの中に、彼らのツアーTシャツを着用していた者がいたと、ネット上で波紋を呼んだのだ。「帝劇はコンサート会場ではない」「ほかの出演者の方に失礼」「マナー違反」といった声が飛び交う一方、「Tシャツを着ていること自体は誰の迷惑にもなっていないと思う」「ファンが勝手にルールを作るのは息苦しい」などの反論も。さらに、帝劇に出演する声優が演じるアニメキャラクターの“痛バッグ”(推しキャラの缶バッチやぬいぐるみなどをあしらった「痛々しいバッグ」の意味)を持っていたファンに批判の声が渦巻くなどの炎上が起こったこともある。

 では、実際に、帝劇側は観劇のファッションマナーに関してどのような考えを持っているのだろうか。帝劇を運営する東宝演劇部宣伝室に問い合わせをしたところ、帝劇オフィシャルサイトの「よくあるご質問」にある「ドレスコードはありますか?」で記載している通りだといい、「それ以上のコメントは特にございません」との回答を得た。

 実際にサイトを確認してみると、「ドレスコードはございません。お客様のくつろげる装いでお気軽にお越しくださいませ。しかしながら、他にご観劇をされるお客様も多くいらっしゃいますので、他のお客様のご観劇の妨げにならないような装いを意識していただけますと幸いでございます。例:後方のお客様にご迷惑になるような髪型・髪飾り 背もたれに背中がつかず、前のめり姿勢になる恐れのある厚めの帯の着物など」とある。

 来場者の良識が問われる内容だけに、判断に悩む部分もあるが、これまで3000回以上劇場に通い、観劇マナーに関する番組にも出演する演劇ライターの上村由紀子氏は、この問題にどのような考えを持っているのだろうか。

 まず、上村氏は、観劇時のファッションに関する議論が起こる背景について、「普段あまり舞台の仕事をしないキャストが出演すると、観劇に慣れていないファンの方が劇場に訪れることが増えます。すると、既存の舞台ファンとの間に温度差が生じて、マナー問題で揉めやすいという面があると思います」と語る。

 確かに、帝劇という場所に思い入れがある人ほど、軽装や露出度の高いファッションに「ふさわしくない」という思いを抱きやすいかもしれない。しかし上村氏は、「周囲の観客に迷惑でなければ問題はない」と考えているといい、ただし、「個人的には、ジャージや肌を露出した服だと、劇場内で目立ちますし、浮いてしまいますから、『それでも構わないという強い心を持っているなら思いを通すのもアリ』という感じです。それに、劇場内は空調が効いているので、肌を出していると寒くてツラいですよ」(上村氏、以下同)。

 また、出演者のツアーTシャツを着てくる行為に関しては、「『ほかの出演者の方に失礼』という意見もあるようですが、そこまでの心遣いができるのは素晴らしいこと。『マナー完璧!』と感動します。ただ一方で、ツアーTシャツ自体が迷惑をかけるわけではないので、それを着ることで、その人自身の気持ちがアガるというのなら、特に問題はないと思います」とのこと。

 さらに、ネット上で猛批判を浴びていた“痛バッグ”に関しても、「缶バッチの音がうるさくなければ」といった点に気をつければ、帝劇に持っていくのも問題はないと語る。

「『王家の紋章』に声優の宮野さんが出演された際、“痛バッグ”を持ったファンの方がいて、ネット上で物議を醸していました。そういったファンのせいで『宮野さんが恥ずかしい思いをする』といわれていたようですが、宮野さんご自身はおおらかでファンを大切にする方ですので、むしろファン同士がいざこざを起こす方が心を痛める気も。それに“痛バッグ”以上に、出待ちの際に撮影禁止の俳優さんに対して勝手に写真や動画を撮る、洋服等を触るといった行為の方が問題視されるべきではないでしょうか」

 帝劇でのファッションマナーに関しては、「ロイヤルホストで晩ごはんを食べられる格好」を意識していれば問題ないとのこと。

「ファミレスの中ではちょっとグレードの高いロイヤルホストに行く服装をイメージしてもらえれば。なので、デニムやサンダルでももちろんOK。帝劇に行くのは就職試験に行くのとは違いますから。それに、ここ5年で観劇マナーはかなり向上している印象もありますし、演劇界に新しいファンを呼び込むためにも、そんなに締め付ける必要はないと思っています」

 上村氏は、「ちゃんとした服装をしていても、人に迷惑をかけるマナー違反をしている人がいて、そちらの方が問題」という。観劇時において「高さ(後ろの席の人が見えにくくなるようなお団子や盛り髪、帽子など)」「匂い(香水やハンドクリーム、また汗の匂いなど)」「光(スマホ画面、照明を反射するスパンコールの服など)」「音(スマホの着信&バイブ音、ダウンジャケットの“シャカシャカ”音、ビニール袋の“ガサガサ”音など)」の4つを出さないことを心がけるべきとし、また「大きな荷物や、かさばるダウンやコート類なども邪魔になるので、劇場内のクロークやロッカーに預けるといいと思います。劇場のサービスで利用できるものはどんどん利用しましょう」と語る。

 帝劇でのファッションマナー問題は、今後もネット上で議論を呼ぶだろうが、その際は「果たしてそれは、人に迷惑をかけているのか?」という視点を持つべきかもしれない。

光GENJI~SMAP解散以降、アイドル誌の「役割」を語る――失われる“特権”とは?

 先日、大阪市西区で、日本出版学会関西部会による「出版メディアと『アイドル』:1980年代以降の動向を中心に」というテーマのワークショップが行われた。登壇したのは2017年3月に『「アイドル」のメディア史  『明星』とヤングの70年代』(森話社)を上梓した同志社大学メディア学博士の田島悠来さん。アイドルを中心に、日本のポピュラーカルチャーをメディアやジェンダーの視点から研究する人物だ。本書では、70年代の「明星」(集英社)においてアイドルはどのようにシンボル化されてゆき、読者はそれらをどのようにして受容していたのか、グラビアページや読者ページの分析などさまざまな面から論じている。

 さらに、平凡出版株式会社(現・株式会社マガジンハウス)で雑誌編集者や編集長、さらに広告、インターネットなど出版業界で30年近く活躍した江戸川大学教授・清水一彦さんも登壇。いわば“出版メディアの当事者”だ。

 「明星」が「Myojo」に誌名変更して刊行を続ける一方で、同じくアイドル誌の「平凡」(平凡出版)は87年に休刊。その理由を田島さんがひもといていく。ワークショップは、まず田島さんが研究報告を行い、その後に清水さんや出席者によるトークセッションを持つ形で進行。インターネット、SNSの台頭により、かつての勢いを失い、休刊が相次ぐ雑誌が多い今、アイドル誌が今後生き残る道を探っていく。

 80年代、光GENJIの爆発的人気でアイドル誌が得たもの

 松田聖子や“花の82年組”と呼ばれた中森明菜、小泉今日子、松本伊代、堀ちえみ、早見優、さらに男性アイドルではたのきんトリオ(近藤真彦・田原俊彦・野村義男)、シブがき隊や少年隊などジャニーズが人気を博した1980年代。

 それと同時に、アイドル誌も最盛期を迎える。歴史ある「明星」や「平凡」は売り上げを伸ばし、「BOMB!」「Momoco」(共に学研)、「DUNK」(集英社)といった女性アイドルを扱う“男子向け”アイドル誌、そして男性アイドルを取り上げる“女子向け”アイドル誌、「POTATO」(学研)「Duet」(集英社→ホーム社)「WiNK UP」(ワニブックス社)といったアイドル誌が相次いで創刊。特に“女子向け”アイドル誌は、87年にデビューした光GENJIが爆発的人気を得たことにより急成長を遂げる。

 読者の性別ごとにカテゴライズされた状況について、田島さんは次のような見解を示す。

「“男子向け”“女子向け”に共通していることは、異性との関係を追求する媒体になっていったということ。これまでの『明星』や『平凡』は、男女分け隔てなく親しまれてきましたが、1980年代に創刊したアイドル誌は、ジェンダーとしてセグメント化されて受容されていきます。例えば“女子向け”は、ジャニーズのマニアックなファン、のちに“オタク”と呼ばれるファンに親しまれる雑誌に変貌。マクロな視点でいうと、これまでアイドル文化が持っていたポピュラーで大衆的なものが解体してゆき、若者文化と一概に言えないようなサブカルチャー的な要素が濃くなるプロセスでもあったと見ることができるのではないでしょうか」

 そんな中、87年12月に「平凡」が休刊。当時を知る清水さんは、「休刊になる時も黒字だったし、数十万部という考えられないほど多くの部数が出ていた」と話すように、好調だったにもかかわらず休刊を決めた「平凡」。その背景には一体、何があったのか?「当時、社長だった清水達夫さんは、休刊を決意した理由を『平凡がその役割を終えたから』というふうに話されています。詳しく見ていくと、『平凡』は“スター”を中心にした雑誌であり、“タレント”のための雑誌ではないということのようです」と田島さん。

 59年に創刊して以降、石原裕次郎、美空ひばりといった、時代を築いた国民的スターを取り上げてきた「平凡」。スターはそこにいるだけで輝いている存在であるのに対し、タレントは特定のテレビ番組やドラマに出ている瞬間だけ輝いているという違いから、「清水社長の中では、明確に“スター”と“タレント”は区別されるものとしてあったようです」と話す。

 70年台~現代、アイドル誌の役割の変遷

 87年に鮮烈なデビューを果たした光GENJIだが、人気は長く続かず、凋落とともに“女子向け”アイドル誌の人気自体も沈静化。また、80年代に人気を博した『ザ・ベストテン』(TBS系)『夜のヒットスタジオ』(フジテレビ系)といった歌番組も80年代末から90年代初頭にかけて相次いで姿を消し、アイドルは冬の時代を迎える。

 この時期の女性アイドルについて、田島さんは「アイドル=歌手というわけではない、ジャンルレスな部分が浸透していった時期」と話す。「1つの例として、グラビアアイドルの全盛期も90年代。“男子向け”アイドル誌は90年代前半に相次いで休刊しますが、『BOMB!』はグラビアアイドルに特化した誌面作りを展開。女性の体に眼差しを向けることで、男性読者の性的な欲望をかき立てていくという方向に転換していきます」

 かたや男性アイドルは、SMAPやTOKIO、KinKi Kids、V6、嵐が相次いでデビュー。“女子向け”アイドル誌は、90年代中盤からジャニーズに特化した誌面作りを行い、“ジャニーズ専門誌”の色合いを強めていく。

 こうした状況で、田島さんはアイドル誌の“役割”について着目する。

「70年代のアイドル誌『明星』は、アイドルの等身大の姿を見せるためなら、たとえプライバシーに触れることであっても、それが読者の知りたい情報ならば“公開する”というスタンスでした。しかし1990年代からアイドルの情報を“守る”媒体へと変化していきます」

 それを表す事例として、「Myojo」96年12月号の編集後記の文章を引用。「要約すると、『最近ジャニーズのプライバシーを暴露するような本が相次いで出版されているが、そのような情報を真に受けてファンらしからぬ行動を取ってしまう人たちが目に余ります。本当のジャニーズファミリーのファンの皆さんなら、控えてください』というようなことが書かれています。アイドル誌の役割は、アイドルのプライバシーを“守る”もの、という変化が現れているのではないかと思います」(田島氏)。

 さらに90年代後半から2000年においてのメディアの変化を語る上で欠かせないのは、インターネットの存在。

 99年に電子掲示板「2ちゃんねる」が開設されたことにより、アイドルを話題にしてコミュニケーションを取るファンが可視化されるようになった。「特にモーニング娘。については、早い段階で板が立っていました」と田島さん。“男子向け”アイドル誌が持っていた役割がネット媒体に移行したことで、女性アイドルをめぐるファンのコミュニケーションはネットが中心となっていく。

 かたや“女子向け”アイドル誌は、ジャニーズ事務所が現在も権利の問題でインターネット上にメンバーの顔写真を公開されることを制限していることもあり、“女子向け”アイドル誌がジャニーズの情報を公開する権利が守られ、その利権によってネット媒体にシェアを奪われることなく今もなお熱狂的なジャニーズファンを確保することができているのではないかと話す。

 現在、アイドル誌の特権は「無効化」している

 10年以降になると、女性アイドルはアイドル戦国時代に突入。05年に誕生したAKB48は、10年以降に本格的にブレーク。スターダストプロモーションのももいろクローバーZなど、各芸能プロダクションがこぞって“アイドル”という芸能ジャンルに参戦する。メディアを取り巻く状況も変化を遂げ、ブログ、Twitter、Instagram、YouTubeなどを活用し、アイドル自身がみずから画像をアップしたり、自分の言葉で発言することが増加。また、AKB48グループのコンセプト「会いに行けるアイドル」に代表されるように、ファンと握手会などで対面的なコミュニケーションを取ることができる場も増えている。

 こういう状況に「マスメディアが持つ特権性が、無効化している状況に加速がかかっているのが現状」と田島さん。

 そんな中、田島さんが出版メディアとアイドルとの新しい関係性として提示できるのではと考えているのが、「ご当地ブーム」。「例えば、03年にデビューした新潟のご当地アイドルグループ・Negicco(ねぎっこ)は、地元の新聞社が発行しているローカルペーパー『おむす便』の中で、新潟の魅力を発信していくことで、観光促進のアイコンとなっています。ご当地アイドルはもともと地域密着型の活動を行っていることから、ローカル情報との結びつきという点で相性がいい。それが出版メディアの新しい可能性になるのでは」と語る。

 また、現在の“女子向け”アイドル誌が担っている役割は、「ジャニーズファンの疑似恋愛の場では」との見解。

「男性メンバー同士の仲のよさを、仲間としてホモソーシャリティだけではなく、ときにそれがホモセクシャリティを連想させるものとして楽しんでいく目線が導入されているのではないかと思います。その背景の1つにはBL(ボーイズラブ)があり、そういった見方をジャニオタの皆さんもするようになってきているのではないかと考えています」(田島氏)

 こうした状況を考えると、“女子向け”アイドル誌はこれからも確固たるシェアを保ち続けられるような気もするが、田島さんの見方は少し違うようだ。「これまで絶対的な存在として君臨していたジャニーズ事務所が、SMAPの騒動で見られるように徐々に特権性のような部分が変化しているのではないかと見ています。そう考えると、“女子向け”アイドル誌の存続が危ぶまれるのではないか」。

 では、今後のアイドル誌はどうなっていくのか。清水さんが、興味深い話を教えてくれた。

「実は、02年に発売された嵐の最初の写真集(『in a rush!』)は、僕が『POPEYE』編集部で編集長をやっていたときに話が来たんです。これから嵐を売り出そうという時に、男性誌が嵐の写真集を作った。当時の僕としては、難しいことは考えずに『どうやったら一番売れるかな』としか考えていませんでしたが、今になって後付けで考えると、ジャニーズのそういった感覚は『将来は、ジェンダーフリーになっていくのではないか』という戦略の1つだったのかもしれません」

 今後も大きく変化していくであろう、出版メディアとアイドルのつながり。アイドル誌が長らく所有していた“特権”が効力をなさなくなりつつある現在、新たな切り口のアイドル誌の誕生も近いのかもしれない。

光GENJI~SMAP解散以降、アイドル誌の「役割」を語る――失われる“特権”とは?

 先日、大阪市西区で、日本出版学会関西部会による「出版メディアと『アイドル』:1980年代以降の動向を中心に」というテーマのワークショップが行われた。登壇したのは2017年3月に『「アイドル」のメディア史  『明星』とヤングの70年代』(森話社)を上梓した同志社大学メディア学博士の田島悠来さん。アイドルを中心に、日本のポピュラーカルチャーをメディアやジェンダーの視点から研究する人物だ。本書では、70年代の「明星」(集英社)においてアイドルはどのようにシンボル化されてゆき、読者はそれらをどのようにして受容していたのか、グラビアページや読者ページの分析などさまざまな面から論じている。

 さらに、平凡出版株式会社(現・株式会社マガジンハウス)で雑誌編集者や編集長、さらに広告、インターネットなど出版業界で30年近く活躍した江戸川大学教授・清水一彦さんも登壇。いわば“出版メディアの当事者”だ。

 「明星」が「Myojo」に誌名変更して刊行を続ける一方で、同じくアイドル誌の「平凡」(平凡出版)は87年に休刊。その理由を田島さんがひもといていく。ワークショップは、まず田島さんが研究報告を行い、その後に清水さんや出席者によるトークセッションを持つ形で進行。インターネット、SNSの台頭により、かつての勢いを失い、休刊が相次ぐ雑誌が多い今、アイドル誌が今後生き残る道を探っていく。

 80年代、光GENJIの爆発的人気でアイドル誌が得たもの

 松田聖子や“花の82年組”と呼ばれた中森明菜、小泉今日子、松本伊代、堀ちえみ、早見優、さらに男性アイドルではたのきんトリオ(近藤真彦・田原俊彦・野村義男)、シブがき隊や少年隊などジャニーズが人気を博した1980年代。

 それと同時に、アイドル誌も最盛期を迎える。歴史ある「明星」や「平凡」は売り上げを伸ばし、「BOMB!」「Momoco」(共に学研)、「DUNK」(集英社)といった女性アイドルを扱う“男子向け”アイドル誌、そして男性アイドルを取り上げる“女子向け”アイドル誌、「POTATO」(学研)「Duet」(集英社→ホーム社)「WiNK UP」(ワニブックス社)といったアイドル誌が相次いで創刊。特に“女子向け”アイドル誌は、87年にデビューした光GENJIが爆発的人気を得たことにより急成長を遂げる。

 読者の性別ごとにカテゴライズされた状況について、田島さんは次のような見解を示す。

「“男子向け”“女子向け”に共通していることは、異性との関係を追求する媒体になっていったということ。これまでの『明星』や『平凡』は、男女分け隔てなく親しまれてきましたが、1980年代に創刊したアイドル誌は、ジェンダーとしてセグメント化されて受容されていきます。例えば“女子向け”は、ジャニーズのマニアックなファン、のちに“オタク”と呼ばれるファンに親しまれる雑誌に変貌。マクロな視点でいうと、これまでアイドル文化が持っていたポピュラーで大衆的なものが解体してゆき、若者文化と一概に言えないようなサブカルチャー的な要素が濃くなるプロセスでもあったと見ることができるのではないでしょうか」

 そんな中、87年12月に「平凡」が休刊。当時を知る清水さんは、「休刊になる時も黒字だったし、数十万部という考えられないほど多くの部数が出ていた」と話すように、好調だったにもかかわらず休刊を決めた「平凡」。その背景には一体、何があったのか?「当時、社長だった清水達夫さんは、休刊を決意した理由を『平凡がその役割を終えたから』というふうに話されています。詳しく見ていくと、『平凡』は“スター”を中心にした雑誌であり、“タレント”のための雑誌ではないということのようです」と田島さん。

 59年に創刊して以降、石原裕次郎、美空ひばりといった、時代を築いた国民的スターを取り上げてきた「平凡」。スターはそこにいるだけで輝いている存在であるのに対し、タレントは特定のテレビ番組やドラマに出ている瞬間だけ輝いているという違いから、「清水社長の中では、明確に“スター”と“タレント”は区別されるものとしてあったようです」と話す。

 70年台~現代、アイドル誌の役割の変遷

 87年に鮮烈なデビューを果たした光GENJIだが、人気は長く続かず、凋落とともに“女子向け”アイドル誌の人気自体も沈静化。また、80年代に人気を博した『ザ・ベストテン』(TBS系)『夜のヒットスタジオ』(フジテレビ系)といった歌番組も80年代末から90年代初頭にかけて相次いで姿を消し、アイドルは冬の時代を迎える。

 この時期の女性アイドルについて、田島さんは「アイドル=歌手というわけではない、ジャンルレスな部分が浸透していった時期」と話す。「1つの例として、グラビアアイドルの全盛期も90年代。“男子向け”アイドル誌は90年代前半に相次いで休刊しますが、『BOMB!』はグラビアアイドルに特化した誌面作りを展開。女性の体に眼差しを向けることで、男性読者の性的な欲望をかき立てていくという方向に転換していきます」

 かたや男性アイドルは、SMAPやTOKIO、KinKi Kids、V6、嵐が相次いでデビュー。“女子向け”アイドル誌は、90年代中盤からジャニーズに特化した誌面作りを行い、“ジャニーズ専門誌”の色合いを強めていく。

 こうした状況で、田島さんはアイドル誌の“役割”について着目する。

「70年代のアイドル誌『明星』は、アイドルの等身大の姿を見せるためなら、たとえプライバシーに触れることであっても、それが読者の知りたい情報ならば“公開する”というスタンスでした。しかし1990年代からアイドルの情報を“守る”媒体へと変化していきます」

 それを表す事例として、「Myojo」96年12月号の編集後記の文章を引用。「要約すると、『最近ジャニーズのプライバシーを暴露するような本が相次いで出版されているが、そのような情報を真に受けてファンらしからぬ行動を取ってしまう人たちが目に余ります。本当のジャニーズファミリーのファンの皆さんなら、控えてください』というようなことが書かれています。アイドル誌の役割は、アイドルのプライバシーを“守る”もの、という変化が現れているのではないかと思います」(田島氏)。

 さらに90年代後半から2000年においてのメディアの変化を語る上で欠かせないのは、インターネットの存在。

 99年に電子掲示板「2ちゃんねる」が開設されたことにより、アイドルを話題にしてコミュニケーションを取るファンが可視化されるようになった。「特にモーニング娘。については、早い段階で板が立っていました」と田島さん。“男子向け”アイドル誌が持っていた役割がネット媒体に移行したことで、女性アイドルをめぐるファンのコミュニケーションはネットが中心となっていく。

 かたや“女子向け”アイドル誌は、ジャニーズ事務所が現在も権利の問題でインターネット上にメンバーの顔写真を公開されることを制限していることもあり、“女子向け”アイドル誌がジャニーズの情報を公開する権利が守られ、その利権によってネット媒体にシェアを奪われることなく今もなお熱狂的なジャニーズファンを確保することができているのではないかと話す。

 現在、アイドル誌の特権は「無効化」している

 10年以降になると、女性アイドルはアイドル戦国時代に突入。05年に誕生したAKB48は、10年以降に本格的にブレーク。スターダストプロモーションのももいろクローバーZなど、各芸能プロダクションがこぞって“アイドル”という芸能ジャンルに参戦する。メディアを取り巻く状況も変化を遂げ、ブログ、Twitter、Instagram、YouTubeなどを活用し、アイドル自身がみずから画像をアップしたり、自分の言葉で発言することが増加。また、AKB48グループのコンセプト「会いに行けるアイドル」に代表されるように、ファンと握手会などで対面的なコミュニケーションを取ることができる場も増えている。

 こういう状況に「マスメディアが持つ特権性が、無効化している状況に加速がかかっているのが現状」と田島さん。

 そんな中、田島さんが出版メディアとアイドルとの新しい関係性として提示できるのではと考えているのが、「ご当地ブーム」。「例えば、03年にデビューした新潟のご当地アイドルグループ・Negicco(ねぎっこ)は、地元の新聞社が発行しているローカルペーパー『おむす便』の中で、新潟の魅力を発信していくことで、観光促進のアイコンとなっています。ご当地アイドルはもともと地域密着型の活動を行っていることから、ローカル情報との結びつきという点で相性がいい。それが出版メディアの新しい可能性になるのでは」と語る。

 また、現在の“女子向け”アイドル誌が担っている役割は、「ジャニーズファンの疑似恋愛の場では」との見解。

「男性メンバー同士の仲のよさを、仲間としてホモソーシャリティだけではなく、ときにそれがホモセクシャリティを連想させるものとして楽しんでいく目線が導入されているのではないかと思います。その背景の1つにはBL(ボーイズラブ)があり、そういった見方をジャニオタの皆さんもするようになってきているのではないかと考えています」(田島氏)

 こうした状況を考えると、“女子向け”アイドル誌はこれからも確固たるシェアを保ち続けられるような気もするが、田島さんの見方は少し違うようだ。「これまで絶対的な存在として君臨していたジャニーズ事務所が、SMAPの騒動で見られるように徐々に特権性のような部分が変化しているのではないかと見ています。そう考えると、“女子向け”アイドル誌の存続が危ぶまれるのではないか」。

 では、今後のアイドル誌はどうなっていくのか。清水さんが、興味深い話を教えてくれた。

「実は、02年に発売された嵐の最初の写真集(『in a rush!』)は、僕が『POPEYE』編集部で編集長をやっていたときに話が来たんです。これから嵐を売り出そうという時に、男性誌が嵐の写真集を作った。当時の僕としては、難しいことは考えずに『どうやったら一番売れるかな』としか考えていませんでしたが、今になって後付けで考えると、ジャニーズのそういった感覚は『将来は、ジェンダーフリーになっていくのではないか』という戦略の1つだったのかもしれません」

 今後も大きく変化していくであろう、出版メディアとアイドルのつながり。アイドル誌が長らく所有していた“特権”が効力をなさなくなりつつある現在、新たな切り口のアイドル誌の誕生も近いのかもしれない。

「話が通じない男」はなぜ生まれるのか? 男女の“コミュニケーション不全問題”を紐解く

 「将来や就職など真面目な話をしようとすると応じてくれない彼氏」「付き合いで飲みに付き合っただけなのに自分に気があると勘違いする職場の既婚上司」「グチを呟いただけなのに『オジサンも職場と家の板挟みで辛いんだから大目に見てよ』とTwitterで絡んでくるクソリプおじさん」……。

あなたもこんな「話を聴かない(=話の通じない)男」たちに遭遇したことはないだろうか? 心をモヤモヤさせられる彼らとは、できれば関わらずにいたいけれど、職場の上司や自分のパートナーが「話を聴かない男」だったらどうすればいいの? そんな疑問に始まり、これからの時代に求められる男女のコミュニケーションについて考えるトークイベント『早稲女同盟×桃山商事-<語る女>と<聴く男>の共闘に向けて-』が、浅草・田原町の本屋Readin’ Writin’ BOOK STOREで開催された。

 イベントの主催は、同人誌「いばら道」発刊している早稲女同盟。2015年にさまざまなバックグラウンドを持つワセジョ(早稲田大学に通う女子学生または卒業した女性)が集まって発足され、エッセイや詩、小説、漫画などを通して「自分と向き合い、自分の言葉で語る」表現活動を行っているという。今回は立ち上げメンバーである編集長・早乙女ぐりこ氏、橘まり子氏、伏見ふしぎ氏の3名が登壇。彼女たちのトーク相手は、9月に新刊『生き抜くための恋愛相談』(イースト・プレス)を刊行した桃山商事の清田代表と森田専務。“失恋ホスト”として1,000人以上の女性たちのお悩みに耳を傾けてきた彼らは、「聴く男」の代表としてブッキングされたそうだ。そんな「語る女」と「聴く男」たちによるトークのハイライトをレポートしたい。

◎「プレゼンテーションのことをコミュニケーションだと思っている」問題

 イベント前半では、早稲女同盟の3人が出会った「聴けない男」の具体例で盛り上がった。飲み会の席で「彼女がほしい」と相談されたのでアドバイスをしたら「それは嘘でしょ!」と、こちらの意見を全否定し、始終モテない自慢を繰り広げる男友達や、「最近は恋愛モードじゃない」「タイプじゃない」と断っているのに、「で、いつデートする?」と何度も誘い続けてくる男などのエピソードに、登壇者たちからは「もはやサイコパス」「腹が立つというより、むしろ可哀想」と辛らつな意見も飛び交った。

 「おそらくその男性はアドバイスがほしいんじゃなくて、“アテンション”がほしいだけだったのではないか。モテない自慢も、サービス精神からその場を盛り上げようと、つい話を盛ってしまっているのかもしれない。自分の興味がそこ(自分がモテないこと)にあるため、しゃべれる話題がそれしかない可能性も」と清田氏は解説する。

 また「男性は一方的なプレゼンテーションのことをコミュニケーションだと思っている」(清田氏)という説には、皆思い当たる節があるのか、会場内からも「あ~~~」と嘆声が漏れた。学生時代、塾講師のアルバイトをしていたという早乙女氏は、「中学1年生の男子でも、すでに話を聴けない子がいた。ほかの生徒に指導している最中に割り込んできて、一方的に自分の話をし始めたり。男性講師にはそんな態度じゃなかったので、家庭で母親が息子を甘やかしすぎているせいで、女の人は自分を無条件に受け入れてくれる存在だと思っているんじゃないか」と経験談を話し、問題の根深さが浮き彫りになった。

 イベント後半では、話題は「語る」という行為に及んだ。早稲女同盟発刊の「いばら道」は、「セックス」「仕事」「アイドル」など、1つのテーマについて各執筆者が自分の言葉で語っていく、という形式を採っているという。旧来的なジェンダー観に根づいている「男=語る側」「女=聴く側」という関係性を逆転させたところに同誌の面白さがあるのだろう、と清田氏は指摘する。

 しかし早乙女氏によれば、男性が、例えば『人志松本のすべらない話』(フジテレビ系)のようにオチのある話を好み、面白さを競い合うのとは違って、「順番に語るという同じ形式を取っていても、お互いを肯定し共感の和が広がっていくような癒やし効果を得ている」そうだ。「読者からも『これは私の話です!』という声が多く、どの作品に対しても満遍なく感想が届く。執筆者と読者の枠も外れて、読者だった子が書きたいと言って次号に寄稿してくれることもある」と橘氏。一方、男性読者からは誤字の指摘や作品を点数化して評価するような感想が届くそうで、「競い合いがない世界は男性にはないんですか? それに男の人って友達同士では仕事やプライベートの相談をあまりしない気がする。苦しくなるまで抱え込んで疎遠になった友人もいるし……語ることで楽になることもあるのになあ」と伏見氏は首をかしげる。

 この問いには「友人関係の捉え方の問題かもしれない」と森田氏。「上司や先輩など上下関係なら甘えてもいいが、友人同士はフラットな関係だから甘えられないと考えている。そもそも、男はそんなに自分の弱い部分を語らないものだという思い込みもあるかもしれない」と言う。中高の6年間を男子校で過ごした清田氏は、「ゴミ箱にゴミをシュートするとか、授業中にどれだけ面白い発言ができるかとか、いつでも全裸になれるとか(笑)、自分が勝てることは何かを考え、ひたすらパワーゲームを続けていた」と当時は自身も男性的なコミュニケーションに興じていた経験を明かしつつ、「でもそれは脳の構造の問題などではなく、単に男性は『語り合う』『会話を楽しむ』ということに慣れていないだけではないか』と分析。

 そしてバカリズム脚本のドラマ『架空OL日記』(日本テレビ系)を例に挙げ、ゴールや結論があるわけではなく「わかる~」という感覚を共有することで延々と盛り上がれるOLたちの会話を絶賛した。こうした「シスターフッド」とも呼べる関係は、昨年大ヒットしたドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』や『カルテット』(ともにTBS系)などでも肯定的に描かれているといい、そうなると同時に巻き起こる男性不要論についても触れられた。

◎男女が「共闘」するためには開かれたパートナーシップが重要

momoyamas

 最後に「男性自身が変わるきっかけは、失恋、失業、病気などのアイデンティティークライシスを経験する“内圧”か、今のままでは自分の立場が不利になっていくという“外圧”のどちらか」と、かつては人の話がまったく「聴けない男」だった自身の経験と併せて語った清田氏。

 「例えばカフェで充実した楽しい2時間を過ごせる男性と、会話はつまらないけれど高い焼肉奢ってくれる男性ならどっちがいいかという話で、おそらく前者の方がいいという女性が多いのでは?」と投げかけると、会場の女性陣も大きく頷く。早稲女同盟の面々も、学生の頃は彼氏の言動にモヤッとしても自分が我慢すればいいと黙っていたこともあったが、そんな一方的な関係を解消し、今では話し合えるパートナーと結婚した人が多いという。

 ここで早乙女氏が「結婚生活に必要なのは『共感』と『共闘』だと思っていて」と今回のトークテーマ「共闘」について切り出す。「共闘」というからには戦う相手がいる。それは家事分担、親戚付き合い、出産、子育て、介護など、その都度発生する現実の問題を指すが、2人がお互いにずっと向き合い「わかる~」と共感し合っているだけでは解決に進まない。

 「夫婦の中だけで閉じない、ということが大事なんだと思う。そのためには、それぞれが精神的に自立して、外に向かって開いている必要がある」と森田氏。また例えば家電1つ買うにしても、「これで好きなの買っていいよ」と男性がお金を出してしまったら、「それはコミュニケーションじゃないし『共闘』とは呼ばないよね」と清田氏は語る。

 そうなりがちな背景には、結婚したら相手の人生を背負わなければという、男性側の根強い規範意識や、それに乗っかる女性の存在もあるだろう。しかし、男女の役割にこだわることなく、純粋に目の前にいる相手に興味を持って「語る」「聴く」というプロセスを積み重ねていくことが、確かなパートナーシップを築く唯一の方法なのかもしれないと思わされるトークイベントだった。

試着なしで◯◯できる! 通販好きの“不満”を解消、sizebookが便利すぎ

sizebooktop ちょっと前まで「もう10月だけど、まだ暑いですね~」などといっていましたが、急に冬のような寒さが到来! 早速、冬用の靴やブーツをチェックしておきたい。そんなときに便利なのが通販ですが、靴を買ってみたら、微妙にサイズが合わずにショック……なんて経験をした方もいるのでは? そうなると、試着のできないまま靴を買うことに慎重になってしまいますよね。

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 まずは、Google Play またはApp Storeからsizebookを検索して、ダウンロード。アプリを開いたら「マイサイズ」の欄から足のサイズを測定開始。このとき、クレジットカードやPASMOなどのカードを2枚準備し、床に置きます。そして、椅子に浅く腰掛け、膝を90度に。靴や靴下は脱いで裸足の状態です。表示される手順の通り、画面をタップしていくとカメラに切り替わるので、スマホを横にして両足が入るように持ち、左足から撮影です。準備した2枚のカードは、画面に表示される赤枠内に置きます。そして、足型に自分の足を合わせてシャッターを押します。このとき、かかととつま先をしっかり足型に合わせるようにすると正確に測定できます。両足が伸びている、足が地面にくっついていない、スマホが傾いているなどでは、きちんと撮影できません。

 両足とも撮影できたら、次はスマホを縦にして、足の長さや幅など、細かなサイズの調整をします。それで、サイズの登録完了です。私は左足の長さが23.4cm、右足が23.3cm、幅は左足が11.1cm、右足が12.7cmでした。こうやって左右のわずかなサイズの違いまで測定できるなんて、まるでシューフィッターが測ってくれているみたい! 自分の足の幅なんて初めて知りました。

 計測したら、好きな靴を探してみましょう。気になる商品を選択したら、サイズ選択窓から「★オススメ」を選択。これが自分にぴったりのサイズです。今まで、靴のメーカーによって合うサイズが違った方も、こうやって自動的に自分に合うサイズがわかると、通販でも安心して購入できますね。

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 また、sizebookでは靴だけでなく、服の取り扱いもあります。こちらは、持っている服の写真を撮影するだけで、自分のサイズを登録して好きな服を選べます。今まで通販での靴の購入をためらっていた方も、ぜひsizebookを利用して、お部屋にいながらショッピングを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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※この記事はPR記事です。

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実は知らない“隣のオタク”の恋愛事情!? 『浪費図鑑』の劇団雌猫が解き明かす

 漫画に乙女ゲーム、ジャニオタからホストまで、さまざまなジャンルのオタク女子たちの浪費エピソードをまとめた『浪費図鑑』(小学館)が話題を呼んでいる。趣味に情熱を燃やす彼女たちの、恋愛事情はどうなっているのだろうか。オタク女子は自分の恋愛事情をSNSに書かない傾向にあり、オタク仲間の間でも恋愛ネタは「タブー化」されているというが、『浪費図鑑』の姉妹編にあたる同人誌『悪友 Vol.2 恋愛』には、オタク女子の恋愛エピソードが寄稿されている。この刊行を記念し、4人のオタク女子から編成される著者の「劇団雌猫」が、トークライブ『レ・レ・レンアイ〜オタクに恋は難しい?』を2017年9月30日に阿佐ヶ谷ロフトにて開催。オタク女子の恋愛あるあるネタや初恋の思い出トークなどを繰り広げた。

 チケットは瞬殺だったとのことで、会場は超満員。熱気あふれる中、劇団雌猫のひらりささん、ユッケさん、かんさん、もぐもぐさんが登壇。それぞれ、初恋の相手はアニメやゲームの二次元キャラだったことを告白すると、会場からは同調するような笑いが起こった。

 二次元キャラ勢を抑え、オタク女子「初恋の相手」堂々の1位は?

 今回は、イベント参加者にあらかじめアンケートを実施。「恋愛に関するインターネットに書けないエピソード」の項目には多くの回答が集まった。「ネット婚活で知り合った人が、私のことを唯一神扱いしてきます」といった思わず笑ってしまうものや「オタク女子は自分の話を聞いてくれる男性にコロッといってしまう。『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(フジテレビ系)の話に食いついてきて落とそうとした男に婚活アプリで出会った」というエピソードには、「オタク女子のみなさん、気をつけて!」と雌猫たちから忠告が。

 「某芸能人の“一般女性”をしています(中略)彼へのTwitterへのリプライはLINEで返ってくるので楽しいです」というエピソードには会場から悲鳴にも似た叫びが上がった。そこから、「自分の担当(自分が推しているキャラやアイドル)にガチ恋するか」の話題へ。担当にはいつもガチ恋で、付き合いたいという人もいれば、付き合いたいキャラと推したいキャラが別だという意見も。このあたりは、オタク女子にしかわからない感覚であろう。ちなみにアニメオタクや乙女ゲームオタク、アイドルオタクなど種々のオタク女子に募ったアンケートでは、「初恋の相手」No.1は嵐の二宮和也で、この結果には雌猫と会場は大いに納得。

 この日は、乙女ゲームの『ときめきメモリアル Girl’s Side 3rd Story(GS3)』にハマり、離婚を決意したコヨーテさんと、初彼がマンガ『犬夜叉』(小学館)の主人公・犬夜叉というエゾオオカミさんがゲストとして登場。この2人の詳しいエピソードは『悪友 Vol.2 恋愛』に掲載されているが、元旦那さんと不仲になって実家に帰省している際、『ときメモ』に夢中になったというコヨーテさん。「それまでは相手の顔色をうかがって言いたいことを言えずにいたが、『ときメモ』をプレイすることで、男性の気持ちを想像するようになった。ゲーム内では相手の好みの服をバーゲンで買って好みを合わせるようにした」と、『ときメモ』によって自分の恋愛観が変化したことを明かした。しかし、それらの経験を踏まえた上で、今後の恋愛について展望を聞かれると「三次元のことを考えるのはキツい」とポロリ。

 エゾオオカミさんは小学生の頃、インターネット上の架空都市「ハッピータウン」に登録し、コミュニケーションを楽しんでいた。そこでは自分の好きなアニメキャラの名前でキャラになりきることができ、大好きな『犬夜叉』の「桔梗」になったエゾオオカミさんは、同じく犬夜叉になりきる人物とそこで出会い、恋に落ちて付き合うことに。ところが、ハッピータウン内で友達になった「かごめ」も犬夜叉のことが好きだと判明。いわゆる三角関係である。友情と恋愛、どちらを取るか小学生ながら悩む中、かごめが桔梗に犬夜叉を譲ってくれたそうだ。なんと甘酸っぱい話……。「でも、犬夜叉は女だったと思う」と振り返るエゾオオカミさんだったが、架空の世界で、顔も本当の性別も知らない相手と付き合うとは、非常にプラトニックな真の愛とも言えそうだ。

 会場には駆けつけることはできなかったが、「性欲をシン・ゴジラで断ち切る女」という原稿を『悪友 Vol.2 恋愛』に寄稿したカマイルカさんからも、イベントに寄せ丁寧な手紙が届いた。カマイルカさんは、自分があらゆる男性とセックスに走る“ビッチ”となった理由について、「男性と適切な距離をもった恋愛ができないから」と手紙で吐露。また、ビッチをして良かったことについて「私相手にみんな勃ったわけですから、女として魅力があるのだという自信につながりました」と綴っていた。赤裸々な告白が読み上げられると、その独特な文体も相まって、場内は「太宰治の生まれ変わりか」「太宰の新作小説?」と騒然となったが、これはこれでオタク女子たちの共鳴を呼ぶ迫真の告白だったことだろう。

 イベント終了後、雌猫たちにインタビューを行った。今、雌猫たちが推したいオタクジャンルを尋ねると、ひらりささんは「株式投資」、もぐもぐさんは、チケットが意外とお手軽価格という理由から「宝塚歌劇団」。かんさんはK-POPのアイドルグループ「SEVENTEEN」、ユッケさんは「ジャニーズJr.の東京B少年」とのこと。

 そして、オタク活動と恋愛は両立できるのか、4人に聞いてみた。実は筆者自身、学生時代はヴィジュアル系バンドの追っかけに明け暮れて恋愛どころではなかったからだ。もぐもぐさんとかんさんは両立「できる」、ひらりささんとユッケさんは「できない」と回答。できない理由について、「日々人生の情熱の量が決まっており、どちらかをやると完全に心のキャパが不足するから」(ひらりささん)、「平日は仕事で人に会う時間がないし、週に2日の休みは趣味をさばくので精一杯。物理的に時間が取れません。だから、恋愛に発展しそうな人と会う機会が作れないのだと思います」(ユッケさん)と、切実な回答が。

 一方、両立可能と答えた2人は、「社会人になってからは案外なんとかなると思いました。恋人から『俺と趣味、どっちが大事なの?』という問いに至る前に、お互い仕事が大前提にあるし、良い意味でドライに考えられるようになりました。オタク活動は昼に取り組み、夜から彼と会う、ということもしょっちゅうあります」(もぐもぐさん)、「私は既婚者なのですが、恋人同士の頃は気を使ってしまい、しんどいところがありました。結婚してからの方が気兼ねなくオタク活動ができるようになりましたね。とは言え、旦那が出張で東京にいないときは、堰を切ったようにオタク活動を詰め込むので、心の底では我慢をしている部分があるのかもしれません」(かんさん)との回答だった。

 オタク活動と恋愛の両立は、人によって捉え方がさまざまなのかもしれない。オタク趣味のことを「沼」と表現することもあるが、一度深みにハマると抜けられなくなってしまうのはその通り。しかし、趣味でも恋愛でも何かに夢中になることは生きる糧にもつながる。イベント終盤でユッケさんが語った、「『好き』という感情は地続き。恋愛感情もさまざまだし、『好き』という感情があるのは人生楽しいことなんだ」という言葉に、会場のオタク女性たちが深くうなずいた夜だった。
(姫野ケイ)

日本史上に残る「恨み」が!?  怒りの魂が眠る、素人が“行ってはいけない”パワスポ

pawasupo-17091515

 パワースポット巡りとして寺社を訪れる人も多いだろう。しかし、寺社に関する知識の薄い素人が行くのは危険なスポットもある。前回の記事ではパワースポットの書籍などを手掛け、神社仏閣の知識も豊富なA氏に、「戦場となった神社は行かないほうがいい」とうかがったが、まだまだ危ない場所はあるという。

 平安時代の日本には「御霊(ごりょう)信仰」が根付いていた。「御霊」とは、怒りを抱いて亡くなった貴人。つまりは“祟り神”だ。日本人は、どんな悪人でも大切に祀れば恵みをもたらす神になると考えていたため、祟り神を祀る神社が各地にある。しかし、そもそもは怒りの魂が宿る地。何気なく参拝して、痛い目に遭わなければよいが……。

<危険なパワースポット1:祟り続出! 日本史上に残る“恨み”の地>

◎御霊神社(全国各地):崇徳天皇、早良親王、井上内親王を祀る

 日本史上最大の祟り神といえば、早良親王(崇道天皇)だろう。藤原氏と桓武天皇に陥れられて皇太子の座を奪われたため、怒りのあまり食事を拒否して餓死したという。彼の死後、藤原氏や皇族が相次いで病死したり、洪水が起きたり、平城京に疫病が流行したりなど、不穏な事件が続く。桓武天皇はこれを早良親王の祟りだと恐れ、平安京に遷都したとされる。

 そんな早良親王が祀られているのは、全国にある御霊神社だ。奈良や京都のほか、大阪や東京にもある。御霊神社にはほかにも、井上内親王(義姉を呪ったとして奈良県五條市に幽閉された)や崇徳天皇(親の鳥羽天皇に愛されず、讃岐へ流罪に。天下を乱した恐ろしい祟り神とされる)なども祀られている。しかし、早良親王や井上内親王は、藤原氏による陰謀で、無実の罪を着せられ、非業の死を遂げたといわれている。

 巫女のBさんは、巫女の頂点ともいえる伊勢の斎宮だった井上内親王にあこがれ、御霊神社に参拝したという。しかしその夜、怒りとも悲しみともつかない表情の女性に、冷たい手で額を押さえつけられる夢を見た。次の日から熱を出して寝込んだBさんは、藤原氏の氏神として建立された春日大社のお守りをかばんに入れて、参拝したことに気づいたそうだ。熱は3日で下がったが、御霊神社に参拝の際は、春日大社のお守りは置いていく方が無難だろう。

<危険なパワースポット2:学問の神様も危険度◎>

◎天満宮、天神社(全国各地):道真公を祟り神として祀る。春日神社との相性×

 受験生の多くが「天神さま」に合格祈願をするだろう。天神さまは天満宮や天神社に祀られている場合が多く、学問の神様として知られている。その天神さまである菅原道真公は、藤原氏でなければ出世できなかった時代、右大臣まで出世したとびっきりの秀才。しかし実は、初めから学問の神だったわけではなく、当初は祟り神として恐れられていたのである。

 道真公は藤原時平に妬まれ、大宰府に左遷された。その地で悲嘆の日々を送って亡くなると、京の都では怪しい事件が続いた。まず、疫病の流行。そして落雷で死者が続出し、その多くが道真公の左遷に関わっていた政敵だったため、「祟りである」と道真公を雷神(天神)として祀る場所が日本各地に建立されたのだ。繰り返しになるが、菅原道真公を陥れたのは藤原時平。御霊神社と同じく、春日神社関係のお守りは持っていかないようにしよう。

<危険なパワースポット3:関東随一の祟り神>

◎神田明神(東京都千代田区):平将門公を祀る

 関東の祟り神では、なんといっても平将門公が有名だ。太平洋戦争の後、GHQが東京・大手町にある将門公の首塚を移動させようとしたところ、不審死が相次いだのは有名なエピソードだろう。そんな強いパワーを持つ将門公が祀られる神田明神は、真摯に祈ればご利益は抜群だが、怒りに触れると恐ろしい祟りがあるといわれている。境内に落書きしたりして傷つけるのはもちろん、なんの気なしに落ちていた木の実を持ち帰った参拝者が、不幸に見舞われたという話など、因縁話には枚挙にいとまがない。

 これらの貴人たちの過去はどうあれ、現在は御祭神として信仰の対象だ。失礼のないように参拝したいものだ。

日本史上に残る「恨み」が!?  怒りの魂が眠る、素人が“行ってはいけない”パワスポ

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 パワースポット巡りとして寺社を訪れる人も多いだろう。しかし、寺社に関する知識の薄い素人が行くのは危険なスポットもある。前回の記事ではパワースポットの書籍などを手掛け、神社仏閣の知識も豊富なA氏に、「戦場となった神社は行かないほうがいい」とうかがったが、まだまだ危ない場所はあるという。

 平安時代の日本には「御霊(ごりょう)信仰」が根付いていた。「御霊」とは、怒りを抱いて亡くなった貴人。つまりは“祟り神”だ。日本人は、どんな悪人でも大切に祀れば恵みをもたらす神になると考えていたため、祟り神を祀る神社が各地にある。しかし、そもそもは怒りの魂が宿る地。何気なく参拝して、痛い目に遭わなければよいが……。

<危険なパワースポット1:祟り続出! 日本史上に残る“恨み”の地>

◎御霊神社(全国各地):崇徳天皇、早良親王、井上内親王を祀る

 日本史上最大の祟り神といえば、早良親王(崇道天皇)だろう。藤原氏と桓武天皇に陥れられて皇太子の座を奪われたため、怒りのあまり食事を拒否して餓死したという。彼の死後、藤原氏や皇族が相次いで病死したり、洪水が起きたり、平城京に疫病が流行したりなど、不穏な事件が続く。桓武天皇はこれを早良親王の祟りだと恐れ、平安京に遷都したとされる。

 そんな早良親王が祀られているのは、全国にある御霊神社だ。奈良や京都のほか、大阪や東京にもある。御霊神社にはほかにも、井上内親王(義姉を呪ったとして奈良県五條市に幽閉された)や崇徳天皇(親の鳥羽天皇に愛されず、讃岐へ流罪に。天下を乱した恐ろしい祟り神とされる)なども祀られている。しかし、早良親王や井上内親王は、藤原氏による陰謀で、無実の罪を着せられ、非業の死を遂げたといわれている。

 巫女のBさんは、巫女の頂点ともいえる伊勢の斎宮だった井上内親王にあこがれ、御霊神社に参拝したという。しかしその夜、怒りとも悲しみともつかない表情の女性に、冷たい手で額を押さえつけられる夢を見た。次の日から熱を出して寝込んだBさんは、藤原氏の氏神として建立された春日大社のお守りをかばんに入れて、参拝したことに気づいたそうだ。熱は3日で下がったが、御霊神社に参拝の際は、春日大社のお守りは置いていく方が無難だろう。

<危険なパワースポット2:学問の神様も危険度◎>

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 道真公は藤原時平に妬まれ、大宰府に左遷された。その地で悲嘆の日々を送って亡くなると、京の都では怪しい事件が続いた。まず、疫病の流行。そして落雷で死者が続出し、その多くが道真公の左遷に関わっていた政敵だったため、「祟りである」と道真公を雷神(天神)として祀る場所が日本各地に建立されたのだ。繰り返しになるが、菅原道真公を陥れたのは藤原時平。御霊神社と同じく、春日神社関係のお守りは持っていかないようにしよう。

<危険なパワースポット3:関東随一の祟り神>

◎神田明神(東京都千代田区):平将門公を祀る

 関東の祟り神では、なんといっても平将門公が有名だ。太平洋戦争の後、GHQが東京・大手町にある将門公の首塚を移動させようとしたところ、不審死が相次いだのは有名なエピソードだろう。そんな強いパワーを持つ将門公が祀られる神田明神は、真摯に祈ればご利益は抜群だが、怒りに触れると恐ろしい祟りがあるといわれている。境内に落書きしたりして傷つけるのはもちろん、なんの気なしに落ちていた木の実を持ち帰った参拝者が、不幸に見舞われたという話など、因縁話には枚挙にいとまがない。

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