心屋仁之助氏「不倫告白」、八木さや「市長選出馬」!? 2020年スピリチュアル界隈の“注目株”

 弱った心に入り込む、甘い言葉やラクに稼げそうな情報――。ネット上には、無責任な理論で集客しては人を食い物にする、スピリチュアリスト、霊能者、民間資格カウンセラーなどがあふれています。「この人たちのようになれるかも」と彼らを信じ込んでしまえば、価値観や金銭感覚をゆがめられるのはあっという間。友人や家族を失ってからでは、もう遅い! 「スピリチュアルウォッチャー」黒猫ドラネコが、現代社会にのさばる怪しい“教祖様”を眼光鋭く分析します。

 読者のみなさまと教祖様方、今年もどうぞよろしくお願い致します。2020年もスピリチュアルを都合よく使ってビジネスを繰り広げている方々を中心に、しっかりと監視する所存です。

 スピ好きな方々はやはり、『成功している人は、どこの神社に行くのか?』(サンマーク出版)を参考にして、初詣に行かれたのでしょうか。同書の著者は八木龍平氏。そう、あの「子宮委員長(現・八木さや)」の夫です。「リュウ博士」と呼ばれ、子宮系女子から尊敬のまなざしを向けられている人物でもあります。

 リュウ博士は同書の著者プロフィールで、「博士論文の執筆で追い込まれていた深夜、寮の自室に仏様の映像があらわれ、メッセージを聴く神秘体験をする。以来、見えない“氣”に敏感になり、スピリチュアルな感覚が開発される」と紹介されています。これだけ読んでも、なかなか “スピった人”だと察していただけるでしょう。

スピリチュアル界隈、今年は「八木夫妻」がアツイ

 私の中で今年の注目度ナンバー1は、この八木夫妻の動向です。もともと、八木夫妻は別居婚をしていますが、八木さやは現在、長崎県壱岐市在住の70代男性との不倫を公表しています。しかし、こんなことは子宮委員長的には平常運行。前夫の時も同様で、自身のトークショーに不倫関係だった元彼を登壇させ、それを前夫に見せていましたからね。つまり、「倫理観が狂ってる!」とか言ってもムダ。しかも昨年から、八木さやは「自分ビジネス・オンライン講座」なる情報商材の販売を始め、「自己開示すべし」と信者に説いています。要するに、八木さやとその信者の人生はすべてコンテンツであり、不倫も隠すことではない、という考えなのです。

 で、そんな妻の“芸風”をわかっているはずのリュウ博士は、昨年10月に更新したブログの中で、不倫に対して一定の理解を示しながらも、チクリとやっています。

「浮気だけなら当事者だけに閉じた話だけど、公言までされると社会的評価が下がり、地位は変わらずとも、侮られるってことですね。だから僕個人について対応策が必要と判断します。で、具体的な対応策が壱岐には、もう行かない」(19年10月16日「もしも妻が浮気をしたら?(笑)回答編」より)

 そもそも、「子宮の声に従って生きる」といって不倫を推奨したり、高額な情報商材を販売したり、やりたい放題の子宮委員長と結婚して「社会的評価」を気にするなんて……。これを読んだとき、「ギャグなのか?」とツッコミを入れるとともに、「すわ離婚!?」と思いました。しかし、安心してください(?)。今年は2人そろって、壱岐島でお正月を過ごしたようですよ(リュウ博士、意志が弱い~!)。

 壱岐島に移住後、「壱岐市長選に出る」と自身のブログで宣言したり、市内の神社に金をばらまいたりしている八木さや。当然、地元紙や市議会からマークされ、素性を怪しまれているようです。武蔵野学院大学・兼任講師でもある夫は、彼女の信用を担保する存在といえます。夫婦仲が険悪になってしまっては、今年計画している市長選への出馬も、断念せざるを得なくなるかもしれません。なんだかんだ言っても、意地でも別れないのでは、と思っている次第です。

 さて、そんなリュウ博士は新年早々スピ界隈に、ある騒動を巻き起こします。いろんな意味で“重鎮”といえる、心理カウンセラー・心屋仁之助氏の怒りを買ってしまったのです。

 発端は昨年12月28日、心屋氏が夫婦間の問題をブログで公表したこと。そこには自身の不貞行為をほのめかす記述がありました。しばらくして削除されたその記事の内容は、ファンの間でも「ぢんさんが不倫!?」と騒ぎになり、いろいろ批判もされたようです。翌29日のブログでは、「みんな ワイドショーのコメンテーターかと思ったよ」と余裕を見せつつ、「『コレ』は、ダメだったんだな、と『やってみて初めて分かった』」「(前日のブログは)奥さんが消してって言ってから消したんだよ」とかなんとか、みっともない反論をしていました。すると同日、ついに「サレ夫」であるリュウ博士が口を開きます。

「立場の弱い人が『不倫告白』すると、それは『勇気』にもなりえるけど、立場の強い人が『不倫告白』すると、ただの『横暴』でしょう。心屋仁之助さんのように多くの人を動かせる人は『本物のインフルエンサー』立派な権力者なんだから、いつまでも『無力な者のフリしてんな!』と思うね」(19年12月29日「いつまでも『無力な者のフリしてんな!』」より)

 なんだか、妻である八木さやへ言いたいことを、心屋氏にぶつけているかのよう。かなり強めの批判に思えます。で、このブログを心屋氏が見てしまったから、さあ大変! 年が明けてから、心屋氏は自身のFacebookで「なぜ発表したのかその理由も知らずに想像だけでよくこんなこと上から書けるなこいつ ワシが一度でもキミを攻撃したのか?! 応援したことはあっても」と応戦します。

 すると、心屋氏と仲良しの八木さやが、コメント欄で「なんか、すみません これ、わたし宛なんだと思います。話し合ってみます」と謝罪(現在は削除)。このコント……失礼、いざこざの落としどころは、一体どこになるのでしょうか。プライベートを自ら全世界に開示しておいて、わちゃわちゃ揉めてんじゃないよ、どいつもこいつも! というか心屋氏も、虐待の連鎖に悩む母親に「娘さん、叩かれるために生まれてきたのよ」と言い放った時のように、「リュウ博士もワシの妻も、不倫されるために生まれてきたのよ」と、軽い感じで言えばいいのに。

 新年から踏んだり蹴ったりの心屋氏ですが、最近は自身のブログで「心理カウンセラーとしての活動をやめる」と匂わせ続けています。ちなみに、今後は“シンガー”として活動をしていきたいとか。昨年秋頃、私もとあるイベントで心屋氏の生歌を聴きました。これを言うのは心苦しいですが、お世辞にも歌がお上手とは思いませんでしたね……。

 チャレンジ精神は批判しませんし、多くの信者をつけてからの転身も、賢い戦略といえるでしょう。しかし、母親に対して「頑張らなくていい」と励ます趣旨の歌で、「子ども叩いていいよ」との歌詞がありました。やはり私は、こういった心屋氏の考えに嫌悪感を抱きます。まるで「自分が楽になるなら、誰かを傷付けていい」と言わんばかりの無責任な姿勢は、たとえシンガーになってもブレないでしょう。そこそこな歌声に惹かれてご新規さんが増えるとも思わないので、今後の活動がどうなっていくのか見守るつもりです。信者の中にも彼の歌には興味がない人が多く、さらに不倫騒動もあったため、支持者はじわじわと減っている模様。思わず応援したくなるほどです。しませんけど。

 そうそう、不倫といえば、昨年「壱岐市観光大使」をクビになったhappyです。しばらく見ない間に、親友で自称アーティストの愛さん(女性)と交際を公表しました。2人とも既婚者なので、立派なダブル不倫です。ちなみに、happyは昨年夏頃から新たにブログを設置し、「メンバー限定記事」を多数更新しています。入会のために顔写真が必要な「HAPPY理論研究所」なる会員制サロンまで始めました。

 観光大使解嘱の前後でSNSを全削除し、『縄文祭』で壱岐島の公園を荒らしたことへの公式な謝罪もせず雲隠れしていたのに、やっぱりスピ界隈に戻ってきましたね。「happyロス」だった信者を歓喜させて、再び宗教的コミュニティを作ろうと開き直ったかのようです。残党を「ワンチーム」にするもくろみでしょうか? 閉鎖的な場所で思想が暴走し、また何か問題を起こさないといいけれど……。

 ねずみ年は「繁栄の年」ともいわれます。日々新しい教祖様が増え続け、一般社会に入り込み、広く浅くつながりながら栄える、怪しいスピリチュアル界隈。教祖様を妄信する前に、一度立ち止まって冷静に考えてくれる人が増えるよう、今年もさまざまな面々にチューモクし、チューイ喚起していきたいと思います。おあとがよろしいようで。

心屋仁之助氏「不倫告白」、八木さや「市長選出馬」!? 2020年スピリチュアル界隈の“注目株”

 弱った心に入り込む、甘い言葉やラクに稼げそうな情報――。ネット上には、無責任な理論で集客しては人を食い物にする、スピリチュアリスト、霊能者、民間資格カウンセラーなどがあふれています。「この人たちのようになれるかも」と彼らを信じ込んでしまえば、価値観や金銭感覚をゆがめられるのはあっという間。友人や家族を失ってからでは、もう遅い! 「スピリチュアルウォッチャー」黒猫ドラネコが、現代社会にのさばる怪しい“教祖様”を眼光鋭く分析します。

 読者のみなさまと教祖様方、今年もどうぞよろしくお願い致します。2020年もスピリチュアルを都合よく使ってビジネスを繰り広げている方々を中心に、しっかりと監視する所存です。

 スピ好きな方々はやはり、『成功している人は、どこの神社に行くのか?』(サンマーク出版)を参考にして、初詣に行かれたのでしょうか。同書の著者は八木龍平氏。そう、あの「子宮委員長(現・八木さや)」の夫です。「リュウ博士」と呼ばれ、子宮系女子から尊敬のまなざしを向けられている人物でもあります。

 リュウ博士は同書の著者プロフィールで、「博士論文の執筆で追い込まれていた深夜、寮の自室に仏様の映像があらわれ、メッセージを聴く神秘体験をする。以来、見えない“氣”に敏感になり、スピリチュアルな感覚が開発される」と紹介されています。これだけ読んでも、なかなか “スピった人”だと察していただけるでしょう。

スピリチュアル界隈、今年は「八木夫妻」がアツイ

 私の中で今年の注目度ナンバー1は、この八木夫妻の動向です。もともと、八木夫妻は別居婚をしていますが、八木さやは現在、長崎県壱岐市在住の70代男性との不倫を公表しています。しかし、こんなことは子宮委員長的には平常運行。前夫の時も同様で、自身のトークショーに不倫関係だった元彼を登壇させ、それを前夫に見せていましたからね。つまり、「倫理観が狂ってる!」とか言ってもムダ。しかも昨年から、八木さやは「自分ビジネス・オンライン講座」なる情報商材の販売を始め、「自己開示すべし」と信者に説いています。要するに、八木さやとその信者の人生はすべてコンテンツであり、不倫も隠すことではない、という考えなのです。

 で、そんな妻の“芸風”をわかっているはずのリュウ博士は、昨年10月に更新したブログの中で、不倫に対して一定の理解を示しながらも、チクリとやっています。

「浮気だけなら当事者だけに閉じた話だけど、公言までされると社会的評価が下がり、地位は変わらずとも、侮られるってことですね。だから僕個人について対応策が必要と判断します。で、具体的な対応策が壱岐には、もう行かない」(19年10月16日「もしも妻が浮気をしたら?(笑)回答編」より)

 そもそも、「子宮の声に従って生きる」といって不倫を推奨したり、高額な情報商材を販売したり、やりたい放題の子宮委員長と結婚して「社会的評価」を気にするなんて……。これを読んだとき、「ギャグなのか?」とツッコミを入れるとともに、「すわ離婚!?」と思いました。しかし、安心してください(?)。今年は2人そろって、壱岐島でお正月を過ごしたようですよ(リュウ博士、意志が弱い~!)。

 壱岐島に移住後、「壱岐市長選に出る」と自身のブログで宣言したり、市内の神社に金をばらまいたりしている八木さや。当然、地元紙や市議会からマークされ、素性を怪しまれているようです。武蔵野学院大学・兼任講師でもある夫は、彼女の信用を担保する存在といえます。夫婦仲が険悪になってしまっては、今年計画している市長選への出馬も、断念せざるを得なくなるかもしれません。なんだかんだ言っても、意地でも別れないのでは、と思っている次第です。

 さて、そんなリュウ博士は新年早々スピ界隈に、ある騒動を巻き起こします。いろんな意味で“重鎮”といえる、心理カウンセラー・心屋仁之助氏の怒りを買ってしまったのです。

 発端は昨年12月28日、心屋氏が夫婦間の問題をブログで公表したこと。そこには自身の不貞行為をほのめかす記述がありました。しばらくして削除されたその記事の内容は、ファンの間でも「ぢんさんが不倫!?」と騒ぎになり、いろいろ批判もされたようです。翌29日のブログでは、「みんな ワイドショーのコメンテーターかと思ったよ」と余裕を見せつつ、「『コレ』は、ダメだったんだな、と『やってみて初めて分かった』」「(前日のブログは)奥さんが消してって言ってから消したんだよ」とかなんとか、みっともない反論をしていました。すると同日、ついに「サレ夫」であるリュウ博士が口を開きます。

「立場の弱い人が『不倫告白』すると、それは『勇気』にもなりえるけど、立場の強い人が『不倫告白』すると、ただの『横暴』でしょう。心屋仁之助さんのように多くの人を動かせる人は『本物のインフルエンサー』立派な権力者なんだから、いつまでも『無力な者のフリしてんな!』と思うね」(19年12月29日「いつまでも『無力な者のフリしてんな!』」より)

 なんだか、妻である八木さやへ言いたいことを、心屋氏にぶつけているかのよう。かなり強めの批判に思えます。で、このブログを心屋氏が見てしまったから、さあ大変! 年が明けてから、心屋氏は自身のFacebookで「なぜ発表したのかその理由も知らずに想像だけでよくこんなこと上から書けるなこいつ ワシが一度でもキミを攻撃したのか?! 応援したことはあっても」と応戦します。

 すると、心屋氏と仲良しの八木さやが、コメント欄で「なんか、すみません これ、わたし宛なんだと思います。話し合ってみます」と謝罪(現在は削除)。このコント……失礼、いざこざの落としどころは、一体どこになるのでしょうか。プライベートを自ら全世界に開示しておいて、わちゃわちゃ揉めてんじゃないよ、どいつもこいつも! というか心屋氏も、虐待の連鎖に悩む母親に「娘さん、叩かれるために生まれてきたのよ」と言い放った時のように、「リュウ博士もワシの妻も、不倫されるために生まれてきたのよ」と、軽い感じで言えばいいのに。

 新年から踏んだり蹴ったりの心屋氏ですが、最近は自身のブログで「心理カウンセラーとしての活動をやめる」と匂わせ続けています。ちなみに、今後は“シンガー”として活動をしていきたいとか。昨年秋頃、私もとあるイベントで心屋氏の生歌を聴きました。これを言うのは心苦しいですが、お世辞にも歌がお上手とは思いませんでしたね……。

 チャレンジ精神は批判しませんし、多くの信者をつけてからの転身も、賢い戦略といえるでしょう。しかし、母親に対して「頑張らなくていい」と励ます趣旨の歌で、「子ども叩いていいよ」との歌詞がありました。やはり私は、こういった心屋氏の考えに嫌悪感を抱きます。まるで「自分が楽になるなら、誰かを傷付けていい」と言わんばかりの無責任な姿勢は、たとえシンガーになってもブレないでしょう。そこそこな歌声に惹かれてご新規さんが増えるとも思わないので、今後の活動がどうなっていくのか見守るつもりです。信者の中にも彼の歌には興味がない人が多く、さらに不倫騒動もあったため、支持者はじわじわと減っている模様。思わず応援したくなるほどです。しませんけど。

 そうそう、不倫といえば、昨年「壱岐市観光大使」をクビになったhappyです。しばらく見ない間に、親友で自称アーティストの愛さん(女性)と交際を公表しました。2人とも既婚者なので、立派なダブル不倫です。ちなみに、happyは昨年夏頃から新たにブログを設置し、「メンバー限定記事」を多数更新しています。入会のために顔写真が必要な「HAPPY理論研究所」なる会員制サロンまで始めました。

 観光大使解嘱の前後でSNSを全削除し、『縄文祭』で壱岐島の公園を荒らしたことへの公式な謝罪もせず雲隠れしていたのに、やっぱりスピ界隈に戻ってきましたね。「happyロス」だった信者を歓喜させて、再び宗教的コミュニティを作ろうと開き直ったかのようです。残党を「ワンチーム」にするもくろみでしょうか? 閉鎖的な場所で思想が暴走し、また何か問題を起こさないといいけれど……。

 ねずみ年は「繁栄の年」ともいわれます。日々新しい教祖様が増え続け、一般社会に入り込み、広く浅くつながりながら栄える、怪しいスピリチュアル界隈。教祖様を妄信する前に、一度立ち止まって冷静に考えてくれる人が増えるよう、今年もさまざまな面々にチューモクし、チューイ喚起していきたいと思います。おあとがよろしいようで。

「お金の神様に可愛がられる」? 藤本さきこ氏、ビジネス指南に見せかけた“スピリチュアル本”の実態

 誰にでも、心が弱ってしまう時はあります。救いを求める先が、信頼できる家族や友人ではないこともあるでしょう。「こうすれば幸せになる」と語りかける心理カウンセラー、スピリチュアリスト、霊能力者。彼らを見ていると、「私を救ってくれそう」「この人たちのようになれるかも」と、次第にそんな気持ちが膨らみ……ちょっと待って! それ、本当に信じて大丈夫? スピリチュアルウォッチャー・黒猫ドラネコが、無責任なことばかり言っている“教祖様”を、鋭い爪でひっかきます。

 書店やバラエティショップに、来年の手帳コーナーができる時期ですね。私は毎年「どんな自己啓発系やスピリチュアル系“教祖様”が手帳を出しているかな?」と、楽しく観察しています。もちろん今年も大注目なのは、「月収10万円のシングルマザーが短期間で年商3億円の実業家に」でおなじみ(?)、KADOKAWAから『お金の神様に可愛がられる手帳』を毎年発売している、藤本さきこさんです。

「300万円一括払い」で“覚悟”を確認する教祖様

 藤本さんは1981年生まれ、青森県出身。怪しいスピリチュアルの代表格、子宮委員長はる(現・八木さや)と同郷です。さらに、“布ナプキン”などの女性向け商品を取り扱う共通点もあってか、子宮委員長とは2015年頃から付き合いがある様子。しかし、残念ながら最近は絡みがないことも、藤本さんのブログからうかがえます。とはいえ、彼女はまさに「子宮系」から派生した「スピ系自己啓発」で大きく稼ぎ、大手出版社の後ろ盾を得て派手な宣伝をしている、代表的な“教祖様”の1人でしょう(そういえば、KADOKAWAは子宮委員長の本を2冊出版していますね)。

 「藤本さきこ認定講師」、すなわち「“教祖様”からお墨付きを得て商売ができる権利」を獲得するために必要な金額は、全6回のセミナーで300万円(税込)。このセミナーでは、藤本さんから直々に「勝ち負けのない対等の世界」「繁栄拡大の世界」(って何?)を学べるそうで、全6回すべて受講しないと、認定講師にはなれません。

 藤本さんはこの金額設定について、今年4月30日のブログで「『絶対に受けたい』と志願する姿勢を整えるためでもあります」と説明しています。この前日29日のブログには、「世の中には基本的に『愛』か『不足』か、のベースしかないのですが 『支払わなくちゃ』がベースにあると、どうしても『愛』ベースで受け取れないんです」という理由から、基本的に“一括払い”でのみ受け付けるとの記載も。どうやらこの300万円は、単純な講習料だけではなく、藤本さんの認定講師になりたい人が、彼女に“覚悟”を見せるための金額でもあるようです。

 実際、どんなことを教えてくれるのだろうかと、藤本さんの著書『お金の神様に可愛がられる方法』(KADOKAWA)を読んでみました。お金を増やす方法や、節約術が具体的に書かれた“ビジネス指南”かと思いきや、そんな内容はほとんど見当たりません。それに、私が読み飛ばしてしまったのか、この「神様」の正体が最後までよくわからないのです。それでも藤本さんは、お金を増やすためには「お金の神様に可愛がられる」ことが大事だと主張し、読者にもそれを勧めます。「感覚を信じて『私の世界(背景)を変える』と決めれば、宇宙のエネルギーが自分の中に入ってきます」という、謎の説明も。「お金の神様も宇宙そのもの」といった記述もあり、「じゃあ『宇宙に可愛がられる』ってことなのか?」と、私の思考回路はショート寸前。前回の連載で、「まだ見ぬ不思議なものから『力を与えられた』と言うと、なんでも“スピっぽく”なる」という話をしましたが、藤本さんがやたらと「宇宙」を持ち出してくるのも、まさにコレでしょう。

 藤本さんは、自身のブログでせっせとセミナーの宣伝をするだけでなく、札束を手にポーズを決める自撮り写真を掲載し、仲間と優雅にお食事をする華やかな日々も発信。ブログの読者を大いに刺激しているはずです。これに感化された人たちが、角川本社ビルで行われる藤本さんのセミナーや、KADOKAWAが企画する藤本さん同行の海外ツアー「ラグジュアリー読書会in Paris」に参加するのでしょうか? ちなみにこの読書会、渡航費を含まず現地集合・現地解散、3泊するホテルは参加者で相部屋なのに、お値段なんと52万円。これは“お金の神様”に愛された人じゃないと、参加できませんねー(棒読み)。

 実際、参加者はお金も時間も腐るほどある人がほとんどなのだと思います。しかしその一方で、必死にお金を工面して参加する人もいるようです。藤本さんは18年10月17日更新のブログにて、読書会参加者に向けた説明会と懇親会を行なったと報告。その場で参加者から、「お金の工面はどうしてるんですか?」という質問が出たそうです。これに対し、藤本さんは「今まで参加してくれた方」に聞いた話として、「これは手をつけない」「使っちゃダメなお金」を出して参加した人がいる、と明言しています。さらに具体的な答えとして、「子供の学資保険」「積み立て貯金」「保険」という話まで。続けて、「最初からあったお金をParis資金にしたりしたようです(ハート)後悔とか一切してないみたい。笑」とつづられていました。

 苦い思い出がよみがえります。連載当初に明かした通り、私の妹は「子宮系スピリチュアル」にハマり、自分でも制御できないほど、金銭感覚が麻痺してしまったのです。セミナーに通ったり、グッズを購入したりするために、家族旅行の貯金を崩し、学資保険の解約を画策。これが明らかになり、妹の家庭は崩壊寸前の状態にまで陥りました。家族のお金に手をつけることが、“破滅の道”につながる実例があるのです。この状態を笑っていられるのは、藤本さんを含む“教祖様”だけでしょうね。

危険な教祖様の“信頼度”を高めるKADOKAWA

 私が藤本さんを恐ろしいと感じるのは、多数の“信者”が読んでいる自身のブログで、時に厳しい人心掌握の手腕を見せることです。例えば、19年10月7日の更新では、金銭面の理由から「認定講師トリップ」なる旅行に参加できなくなった人の名前を挙げ、「直前で突然キャンセルしたらしい」「お父さんにも彼にもお金貰えなかった」「一番、行く気満々やったよね!?笑」と、本人的にはあまり知られたくないであろう事情を晒しています。さらに19年1月28日には、「アンチに愛をかけてみた」と題したエントリーで、「数年前からいちいち入ってくるキモいアンチがいたのですが(いちいち存在をアピールしてくる)お金をかけてみたんです。特定して、裁判所からお手紙を出しました」と、弁護士をつけたことを明らかにしました。

 こうした藤本さんの発言は、金銭面の事情から講座を辞めたい受講者を「私も晒されるのではないか」と不安にしたり、批判の声を潰したりすることにはならないでしょうか? 現に、私の周りの“スピウォッチャー”は、訴訟を怖がって藤本さんの話題をネット上でほとんど出さなくなりました。自身を批判する人の何をどこまで「アンチ」だと判断するかはわかりませんが、このエントリーを読んだ人が藤本さんに“萎縮”してしまうことは確かです。

 それにもまして、私がドン引き&血の気も引いた記事といえば、19年6月24日更新の「『死産』という素敵な経験の話」。不幸にも、藤本さんご自身が死産してしまったことや、火葬についての内容でした。つらい出来事をポジティブに考えることはあるにしても、なんと「死産にもオススメ!!」と、ブログ内で布ナプキンなどを宣伝しているのです。さらに、ベッドの上で撮影された、胎児の遺体(モザイクあり)との “ツーショット画像”まで……。これはさすがに、ネット上で「晒された赤ちゃんが気の毒」「子どもの死をネタにするな!」と批判の声が上がっていました。記事の削除要請を出した人もいたとか。それだけ、世間が藤本さんの言動に驚いたということでしょう。

 「お金の神様に可愛がられる」というぼんやりとした目標を掲げ、成功者のごとく優雅な生活を見せびらかす藤本さん。KADOKAWAという大手出版社がバックにいれば信用度が高まり、「私もこうなれるかもしれない」と夢を抱く人が増えるはずです。誰もが知る企業がバックについていても、やっていることは不確かな成功マインドを高額で売り、夢見がちな人から搾取する“信者ビジネス”にほかなりません。思想や信条は自由ですが、甘い言葉や企業の名前に釣られて、藤本さんを妄信することがないようにしてほしいものです。

 ということで、今回が年内最後の更新です。今年はこのコラムを書く機会をいただき、貴重な1年になりました。2020年は、怪しいスピリチュアルや胡散臭いセミナーなど、“変なもの”にハマる人が劇的に減る1年になることを願っております。
(黒猫ドラネコ)

心屋仁之助氏・デューク更家氏も出演――スピリチュアルイベント『龍の日』で目撃した一部始終

 誰にでも、心が弱ってしまう時はあります。救いを求める先が、信頼できる家族や友人ではないこともあるでしょう。「こうすれば幸せになる」と語りかける心理カウンセラー、スピリチュアリスト、霊能力者。彼らを見ていると、「私を救ってくれそう」「この人たちのようになれるかも」と、次第にそんな気持ちが膨らみ……ちょっと待って! それ、本当に信じて大丈夫? スピリチュアルウォッチャー・黒猫ドラネコが、無責任なことばかり言っている“教祖様”を、鋭い爪でひっかきます。

 先月、台風や豪雨が全国各地で猛威を振るいました。被害に遭われた方々に、心からお見舞い申し上げます。私が観察している“怪しいスピリチュアル”界隈には、台風が来ると「白龍が来た」などと騒ぐ連中がいます。どうやらここ最近、彼らのトレンドは「龍」のようなのです。

 昔から界隈で人気のあるモチーフではありますが、最近は特によく目につきます。その発端とまでは言い切れませんが、ブームを過熱させたのはおそらく、“ウォーキング健康法”で一世を風靡した、デューク更家氏でしょう。

 昨年11月には、『お金持ちになれたのは龍のおかげ』(宝島社)という著書を出版。“スピ好きカミングアウト”ともいえるこの一冊には、良くも悪くも注目が集まりました。アマゾンの内容紹介によると、デューク氏は「幼いころから『龍』と交信をしていました」とのこと。この本を読めば、「龍を自分の中に呼び込んで、人生が激変」する方法がわかるようです。神秘的な(胡散臭い)魅力と、天災が多かったことの畏れが相まって、この1年でじわじわと「龍」を持ち出す人が増えたと思われます。

 そんなデューク氏は、今月11月3日に東京・銀座の時事通信ホールで行われた『龍の日』なるイベントに出演。フライヤ―を見ると、「龍に興味がある人 龍の運気にあやかりたい人 名前に龍が付く人 龍の地名に住んでいる人 とにかく龍好き!! THE・ハッピーエンターテイメント 2020年に向けてパワーアップ1Day!」と書かれていますが、一体何の目的で開かれたイベントなのかは不明。その他、スピ界隈から絶大な支持を受ける、心理カウンセラー・心屋仁之助氏や、お笑い芸人・楽しんご氏、アニメソング歌手の高橋洋樹氏ら、多種多様なゲストが登場するとの告知も。私としても無視するわけにはいかず(?)、少しだけ会場に潜入してきました。

デューク更家氏の妻は“心屋信者”

 このイベントは、ゲストのトークショーが行われるステージと、物販ブース等がある展示会場に分かれており、展示会場は無料で出入り可能。トークショーは登壇者ごとにチケットを購入する必要があり、全ステージを前方の席(プレミアムシート)で見る場合、ちょうど5万円になる計算です。

 私は午前中のメインステージへ潜入し、デューク氏と心屋氏の“初対談”を見てきました。そこで語られた話によると、デューク氏の奥様が心屋氏の大ファンらしく、お互いに存在を認識していたようです。心屋氏に龍は見えないとのことでしたが、一方で「8歳の頃から見える」と話すデューク氏。さらに、ふくよかなおなかを指さして「ここにも龍がいる。触った人は運気が上がる」と、軽快なトークを展開します。小鳥のような龍の鳴き声、得意な歌謡曲の一節などを披露し、デューク氏は200人以上集まった聴衆を喜ばせていました。

 本当にデューク氏に龍が見えているのか……私には否定も肯定もできませんが、過度にビジネスへ絡めることなく、イベントでの“話術”として使えば、スピ好きな人を大いに楽しませてくれるでしょう。降壇後、彼をロビーで見かけましたが、ファンから握手や撮影を求められても気さくに応じ、残りのステージを見るため椅子を勧めるスタッフに「お客さんの邪魔になるから、後ろのほうで立って見るよ」と優しく告げるなど、いい意味で、そのへんの“教祖様”と風格の違いを感じました。

 さて、ここからが本題です。今回のイベントで私が最も注目したのは、SHINGO氏という男性。なんと肩書は「龍使い」です。SHINGO氏は、14年間勤めた上場企業を過労とストレスにより退社し、高野山奥で「龍神」と出会い、それをきっかけに「龍が視える」ようになったそう。『龍の日』公式サイトのプロフィールを見ると、「最近は自身が『龍』であったことに目覚め、ますます高次元のエネルギー体との共同創造に拍車がかかる」と書かれており、「現在はセミナーや個人セッションを中心に龍のエネルギーを活かして、本来の自分を生きる『真の龍遣い(ドラゴンマスター)』の育成に力を入れている」(すべて原文ママ)と、彼の“活動”も紹介されています。

 いやはや、「龍が視える」という設定まではまだ、スピ好きが食いつくフレーズとしてグッと笑いをこらえられますが、「最近は自身が『龍』であったことに目覚め」「エネルギー体との共同創造に拍車がかかる」というあたりは、さすがにツッコミを禁じ得ません。「最近、運動不足だからジム通い始めてさ~」的なノリで大真面目にこれを言えるのですから、感動すら覚えます。

 ちなみにこの人も、怪しいスピリチュアル界隈御用達の“Ameba公式ブロガー”。ブログ更新を知らせてくれるLINEに登録したところ、「龍と仲良くなれる」方法として、「龍の置物を飾る」「龍に感謝する」といった、誰でも言えそうなメッセージが届いて笑いました。

スピリチュアリスト・happyの「付き人」だった過去

 SHINGO氏は「龍の魔法学校」なるセミナーを開催しており、彼のブログを見ると、「魔法学校の生徒」と輪になって手をつないだり、魔法使いのような衣装を着て生徒の頭に手をかざしたりと、非常に“それっぽい”ことをやっています。なお、今年1月に名古屋で開催された「龍の魔法学校2019」は、午前10時~午後5時の受講で、参加費10万円(税込)。SHINGOさんのブログによると、「さまざまなスピリチュアル能力を1日にして得ることができます」とのことなので、安いと感じる人も、もしかしたらいるかもしれません。

 実はSHINGOさん、「前世が卑弥呼」だという天宮玲桜(あまみやれいか)と、長崎県壱岐市の観光大使を1年足らずで解任されたスピリチュアリスト・happyの“付き人”だった過去があります。この手の人たちって、広~く浅~く繋がるんですよね。2017年1月13日、SHINGO氏は「つきびと終了しました」というタイトルのブログを更新していました。そこには、「3か月弱という短い間で 僕のお金・時間・人間関係すべての価値観が まったく変わってしまった。こんな変化、自分でも想像していませんでした。人生はこんなにも突然変わるということ そして、『世界は自分で創る』って ホントだった、ということを 間近で見せてもらいました」などとつづられており、2人に強く“感化”された様子が伝わります。

 付き人を辞めて約半年後の17年7月、SHINGO氏は「スピリチュアル好きのための龍神サロン」なるコミュニティを立ち上げ、本格的に“教祖様”への道へと進みます。一般的な認知度はほぼゼロ、たった2年の“教祖歴”で『龍の日』のメイン扱いされるとは、さぞ素晴らしい力をお持ちか、世渡り上手のどちらかでしょう。

 改めて言うのもなんですが、「龍」は空想上の生き物です。夢のある言い方をすれば、似たような生き物なら、どこかにいるのかもしれません(SHINGO氏は視たって言ってるし)。こうした“空想上の存在”というのは、「大きなエネルギー」といった曖昧なニュアンスに変換され、都合よく利用されがち。子宮委員長はる(現・八木さや)が「“子宮の声”に従って生きる」などと唱え、局地的に大流行した「子宮系スピリチュアル」と「龍のエネルギー」は、似たようなものだと言えるでしょう。

 別にこれは、「子宮」や「龍」ではなくても、「宇宙人」「ペガサス」「人魚」などなんでもよくて、まだ見ぬ不思議なもの、だけどイメージしやすいものから「力を与えられた」とでも言えば、なんでも“スピっぽく”なってしまいます。こういったモチーフを持ち出せば、特別な力を持っていなくても、誰だって人を導く“ふり”ができる。ネット上での自己発信が達者で、キャッチーなイメージを作り上げた“だけ”の人たちが、実にならないセミナーを開き、高額な商材を購入させているのかもしれません。

 たとえすべてがウソだとしても、“教祖様”にお金を出す人が集まってしまうスピ界隈。人からお金を巻き上げるなら、最初から「龍とか子宮とか宇宙とか不思議で面白いことを言うので、お金を恵んでください!」と素直に言う教祖様のほうが、まだマシだと思いますけどね。

■黒猫ドラネコ
大分県生まれ、大阪を経て東京都内在住の36歳。職業、性別は非公表。身内が「子宮系女子」となって壊れた経験から、怪しいスピリチュアルや自己啓発セミナーなどの監視と注意喚起を開始。本当の趣味はスポーツ観戦、漫画・アニメ鑑賞。3食スイーツでもいい甘党。
Twitter/ブログ「黒猫ドラネコのブログ(仮

天理教、知られざる「宗教合宿」と信者22万人が集う「おぢばがえり」に潜入してみた!

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 いろんな宗教が世の中にはありますが、その“内側”を知る機会は滅多にないもの。今回、義実家が「天理教」の教会だったというライター・有屋町はるが体験した、世にも珍しい(?)潜入体験をお届け。「後継者合宿」「おぢばがえり」に「ひのきしん」「おやさま」――耳慣れない専門用語が飛び交う現場で、目にしたものとは!?

夫の実家は「天理教」!? 奈良県天理市の「後継者合宿」に子連れ潜入

 夫の実家が天理教の教会だと知ったのは、結婚直前でした。当時、天理教についての認識といえば、「黒い法被を着て、路上で太鼓やシンバルのような楽器を叩きながら、歌い練り歩く宗教」であり、なんとなく、カルトの部類とは違うんだろうなあ、という程度。

 あの日、初めて夫の実家に行くと、それはそれは情緒溢れる立派な教会、というか神社? いや、道場? が、ドーンと待ち構えていました。古い木造の家に瓦造りの屋根。立派な神棚と、ずらりと並ぶ楽器。何十畳もの畳が敷かれた大広間。それを目の当たりにした感想は、「かっこいい!」のひとこと。

 で、教会の機能はというと、警察でいうところの「派出所」にあたるようでした。奈良県は天理市にあり、教祖的な人がいる「本部(神殿)」という名の「警察庁」があり、その下に「群馬県警」的な「大教会」というのが各地にあったり、いろいろ経たあとのもっとも末端が、夫の実家の「教会」だそうなのです。

 実家の人たちは、そこで毎朝6時と毎晩18時に、「おつとめ」といわれる、楽器演奏&歌と、踊り&歌をやります。覚える気などさらさらないわたしは、朝は早くて起きられないから参加もしないし、夜は後ろの方で正座をして「楽器演奏はやってみたいなあ。やるなら大太鼓がイケてていいなあ」などのんきに考えているくらいでした。

 さて、結婚5年目。いつものように帰省すると、義母が夫に言います。

「ねえ、あの話、考えてくれた? 行く?」

 夫は、「いやあ、まあ」などとごにょごにょ言います。話が見えないので聞くと、どうやら天理教の「後継者講習会」なる2泊3日の合宿に、わたしたち夫婦で参加してほしいとのことでした。わたしに話すのが面倒な夫は、返事をうやむやにしていたようでした。

黒い法被に「天理教」の文字――まるで異世界!?

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 いよいよ後継者講習会を翌々日に控えた晩、夫とふたりで、持ち物の確認をすることになりました。簡単な持ち物は、義母から転送された「後継者講習会の持ち物リスト」で把握したし、2人の子どもたちは、わたしたちの講習中に天理教施設内の保育園に預けられることもわかりました。それに、「洗濯機はあるけど、干す場所があるかはわからないから、タオル類はたくさん持っていけ!」ということも(大事)。

 夫に、「どうせ3日間ずっと法被(はっぴ)を着ていることになるから、服はほんとうにどうでもいいと思うよ」と、おしゃれ欲に釘を刺されつつ、いざ出発日です。講習会前日の朝、車で8時間かけ、天理市に前乗りしました。

 山を降りると天理市に入るのですが、ここは、本当に、日本なのでしょうか。

 ところどころ印象的な赤色が施された瓦屋根の黒とグレーを基調としたどでかい集合住宅が、同じようにいくつも立ち並び、路上を歩く人々はみな、背中に「天理教」と書かれた黒い法被を着ています。あほでも、「異世界に紛れ込んだ」と思わせる雰囲気を放つ街並みです。創価学会陣取る東京都・信濃町一帯や、顕正会が幅を利かせる埼玉県・大宮公園駅界隈など目じゃありません(幸福の科学が町ぐるみになったら勝てるかもしれませんが)。

 ディズニーランドがある舞浜に近い……? いや、あのようなハリボテ感はありません。もっとも近いのは、「沖縄」かもしれません。日本なのに日本じゃない、古くから脈々と続く独自の伝統文化が、がっちりと、ぎっしりと根付いている印象を受けました。

みんなゴリゴリの天理教信者じゃん!!!

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 これが、天理教本部。からっぽの信仰心をも煽る、広大で重厚な趣き。「でかっ……」と、思わず見惚れていると、AさんBさんは神殿に向かいナチュラルに一礼をしていました。天理教独自の、4回手拍子をしたあとに。

 本部に近づくにつれ、黒い集団がどこからともなく湧いて出てきます。巨人戦開始前の東京ドームのような人口密度といいますか、何千人規模ではないでしょうか? みな神殿に吸い込まれ、中に入るとさらにびっくり。黒い人間が、広大な神殿内に、ずら―――――っと、規則正しく正座をして並んでいるではありませんか。

 壮観。圧巻。

 わたしもAさんBさんにならい、正座をします。

 ふと空気が変わり、全員参加者全員が神殿内に入ったのでしょうか。

 ♪えぇ〜あしきをはろおてた〜すけた〜ま〜え〜てんりのみ〜こ〜と〜
(ちん、どん、ちん、どん/太鼓や鈴の音)

天理教って、いいところかも……!?

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 あらかじめ、世代別にひとクラス30人ほどに分けられており、わたしも事前に知らされていた該当教室に向かうと、教室の手前と奥に、長椅子が2本。適当に、空いていた奥の椅子に座ると、ふと気づいたらその椅子は全員男性。女性はみな、手前の椅子にずらり。やばい、間違った……。

 ところでこれって、”宗教あるある”じゃないですか? 「婦人部」や「青年部」など、やたら男女で分けがち。そんなテンションに慣れていないわたしは、まるで仲間外れのごとく、講義開始を待つことに。

 しばらくすると、講師が入室。俳優の和田正人サン似の、40代半ばの爽やかハンサムです。

「まずはみなさん、居住地順に並んでください」

 挨拶もそこそこに、和田サンが言います。こ、これは……よく耳にする、自己啓発セミナー特有の……「初対面を強引にコミュニケーションさせる手法」ではないか!

“天理教ド素人”の私が、たった2日で……

 2日目の朝。天理市に来てからというもの人間の順応性に感心するばかりですが、天理偏差値5以下のわたしでも、朝の「おつとめ」で踊りをできるようになってきました。人間、閉鎖された空間に押し込められると、なんでもできるんですね。

 ふと同室のAさん、Bさんを見やると、なにやら様子がおかしい。やたら乙女チックなのです。

「いいなー、子連れじゃない人たちは」
「早朝に“おやさま”を見に行けたんでしょう?」
「もー! ずっるーい! わたしも見たかった〜!」
「ねー! わかるぅ〜!」

 2人はサッカー部の先輩の県大会決勝戦を見に行けなかったようなテンションで話していますが、まったくついてゆけません。

 2人に聞いてみると、天理教の教祖である中山みきさん(1798~1887)こと「おやさま」(天理教特有の教祖の意味)の、お披露目の儀式(?)が、早朝5時頃、神殿であったそうなのです。身軽ではない子連れたちは、そこに行けずじまいで悔やんでいる、といったところでした。

天理教の感動エピソードで、涙がドボドボ

 この日のプログラムで講義をするのは和田サンではなく、大教会の教会長兼教団幹部の男性、要は偉い人です。岸部一徳からクセを抜いたような、ダンディーなおじさまです。

 あらかじめ配られていたテキストを基に講義を行うのですが、このテキストが素人にはさっっっぱりわからない! 「おやさま」や「真柱様」といった天理用語はまだまだたくさんあるのですが、テキストにはそうした言葉が羅列してあって、初心者には解読できない仕様になっています。

「ふしから芽が出る」

 とか、意味がわからないでしょう? わたしもいまだにわかりません。

 さて、岸辺一徳の話はテキストとは違い、非常にわかりやすいものでした。

 ある信者家族の実話感動エピソードを、情感たっぷりに話すものですから、隣の介護士女性は美しい涙を目にため……るどころか、頬に伝わせているではありませんか。

 なんてピュアな空間なんだろうか。

 彼女の涙を見てわたしも真剣に聞いてみると、こんな話でした。

 ある少女が、母の日にサプライズで近所の花畑からきれいな花を取ってこようとした。が、突然の大雨。少女が遭難したと一家は大騒ぎ。ずぶ濡れで帰ってきた少女に、母親は「なにをやっていたの!」とガチギレ。少女、ギャン泣き。すぐに風呂場へ行かせると、少女の手に美しき一輪の花が握られていることに気づきました。母親は、ガチギレしてしまったことに胸を痛めます。

 少女がすんすんと泣きながら風呂場から上がると、食卓のテーブルには、一輪の花が飾られています。

「ありがとう」

 母親は少女を抱きしめましたとさ――。

 天理教の教えのひとつに、「家族を大切にする」というものがあるそうで、岸部一徳も、強く、そして優しく、家族の尊さを訴えていました。

天理教、潜入3日目ーー理想と現実のはざま

 ついに最終日を迎えた3日目の早朝。わたしはすくっと起き上がり、率先して、手慣れた手つきでおつとめができるようになりました。しかも「ほら、あんたもちゃんとやって」と、子どもに促せるまでに。

 黒い法被を羽織り、気持ちを整え、班のみんなに会いにゆくべく、砂利を踏み鳴らします。そう、もうなんか、「班のみんなに会う」という感覚になっていたんですよね。

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「あ! おはよう!」

 クラスに向かう途中で班の女性たちに会うと、自然と前日の話になります。

 わたしがはかなげな女性へ、

「わたしの友達も、姑と折り合いが悪い人、いるんだよね。その子も、勝手に趣味のものとかを捨てられるって言っていて」

 と言えば、

「そうなんだ。ほかにもそんな人がいるんだね。昨日、思いきって打ち明けてみて、よかった。だって、こんなふうに、みんなの意見が聞けたから」

 と、彼女がほっとした表情を見せます。

 なんだろう。このカタルシスは。わたしの存在が役に立ったこの満足感は。

天理教、22万人の信者が集う「おぢばがえり」に潜入

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 天理教の合宿潜入から、はや半年以上たった6月。夫側の家族グループLINEに、義母からメッセージがありました。

<今年の「こどもおぢばがえり」は7月末ですよ>

 夫の実家へ帰省するたびに聞いたことがあるこの単語、「こどもおぢばがえり」。以前、夫に聞くと、

「きぐるみのパレードやアトラクションがある、天理教本部で開催される子ども向けイベント。毎年、両親兄弟その子どもたちのほか、近所の子どもたちも誘って、天理市までマイクロバスで行く」

 と教えてくれました。その説明を自分なりに解釈すると、「子供向けの露天がたくさん出た、天理教の夏祭りってことなのかな?」と、駅前通りを交通規制して歩行者天国にするような、地元の夏祭りを想像していました。

「よし、今年こそ天理教のお祭りに行こう」

 

いざ天理教の「天理駅」へ

 ついに当日。関東に住むわたしたち家族は電車で、夫の実家のひとたちはマイクロバスで、天理駅前で待ち合わせ。電車が天理駅ホームにすべりこむと、ここからもう「こどもおぢばがえり」が始まっていることに気づきます。ホームに天理教のゆるキャラ(ピッキーとリボン)の旗が無数にはためいているのですから。

 さらに改札を出ると、それは顕著に。地方の新幹線停車駅に匹敵するほどどデカい天理駅の壁面に、ドーンと横断幕が張られているではありませんか。

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<ようこそ おぢばへ 近鉄> 天理教、知られざる「後継者合宿」と信者22万人が集う「おぢばがえり」に潜入してみた!の画像10

<ようこそおぢばへ こどもおぢばがえり JR西日本>

 驚くことに、鉄道会社のクレジット入り。これぞ宗教都市の貫禄。いよいよ市を挙げてのお祭……じゃなかった、イベントの様相を呈してきます。駅前で義家族らと落ち合うと、まずは天理教本部まで歩きます。メンバーは、夫の両親と兄弟の家族2組、そして、その兄弟の子どもの友達だという、近所の小学6年生10人。みな、お揃いの帽子をかぶっており、わたしたちの子どももかぶるよう促されました。周りを見るとみな同じように、帽子、Tシャツ、タオル、タスキ……などを揃え、グループごとに移動しているのがわかります。

天理教、異常なクオリティの「アトラクション」がある

<ジョイフルパーク>

 そうした看板が立てられた敷地には、滑り台やボールすくい、ボルダリング、ミニジェットコースターなどが設置されていますが、これ全部、手作りなのだそう。

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 スタッフは高校生〜大学生くらいのようで、遊ぶ子どもたちを手際よく誘導します。

「それぞれアトラクションごとに、“県”が運営しているんだよね。ここはどこだっけな」

 義兄が教えてくれます。彼も高校生の頃に、「自分の所属県が運営しているアトラクションを手伝ったことがある」そうです。

 決められた時間内での遊びが終了すると、待ちに待った昼食です。なんでも、「おぢば名物といえば、カレー!」と義母が沸き立つほど、とにかく昼食のカレーが子ども心をつかんで離さないそう。

天理教の集客力は、GLAY超え!?

 「おぢばがえり」の夜は、参加者やスタッフなど総勢何万人が本部参道(のような場所)で見物するパレードが行われるのです。パレード時間前に続々とひとが集まるその規模は、目視で明治神宮花火大会並みでしょうか。

 夜、いよいよパレード開始、の前に、おつとめの時間です。シーンと静まり返ったかと思うと、あの歌が低く響きます。あかりは灯篭の灯りだけ、といったほの暗さのなか、荘厳に響き渡る何万人もの天理教信者たちの神への祈りは、信者ではない近所の子どもたちの目にはどう映っているのでしょうか。

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 おつとめが終わると一転、

「パレードのはじまりでぇす!」

 と、司会者の景気の良い声がマイク越しに響くと、頭上でドッカンドッカンと花火が上がり、参加者のボルテージはマックスに。

 そうして参道(?)の入り口から続々とパレードがやってくるのですが、これまで想像していた「てきとうな着ぐるみがわらわら手を振ったり練り歩く」を根底から覆してきたのが、先頭を歩く天理教校学園高等学校のマーチングバンド。え、プロ!? プロなの!? 一糸乱れぬ行進と純度の高い演奏に、またしても鳥肌ゾクゾク。今すぐにでも自衛隊音楽隊に入隊できそうです。

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 彼らに、エレクトリカルカーや各県や地域で結成された鼓笛隊、チアリーダーが続き、

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1時間ほどでパレードは終了となります。

 すごいのが、これ、10日間毎日やっていること。

 

<「天理教のツマ、『宗教合宿』2泊3日潜入記」バックナンバー>

■(第1話)夫の実家は「天理教」!? 
■(第2話)「宗教都市」はディズニーランド!?
■(第3話)喜捨精神、奉仕の心、“宗教あるある”に翻弄された私
■(第4話)“天理教ド素人”の私が、たった2日で「仕上がった」!?

「四柱推命」のまがい物「子宮推命」のおかしさ――子宮委員長はる“信者”がデタラメ布教中

 誰にでも、心が弱ってしまう時はあります。救いを求める先が、信頼できる家族や友人ではないこともあるでしょう。「こうすれば幸せになる」と語りかける心理カウンセラー、スピリチュアリスト、霊能力者。彼らを見ていると、「私を救ってくれそう」「この人たちのようになれるかも」と、次第にそんな気持ちが膨らみ……ちょっと待って! それ、本当に信じて大丈夫? スピリチュアルウォッチャー・黒猫ドラネコが、無責任なことばかり言っている“教祖様”を、鋭い爪でひっかきます。

 「四柱推命」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。「占いの帝王」と言われる程よく当たると評判で、スピリチュアルの世界ではポピュラーな占いです。今回は、その“まがい物”である「子宮推命」を紹介します。……そう、怪しいスピリチュアル界隈の代表格とも言える、あの「子宮委員長はる」がまた登場します。

 「四柱推命」は古代中国を起源とし、中世以降に広く普及した歴史がありますが、「子宮推命」は假屋舞さんという女性が、最近考案したものです(この時点でもううさんくさいんですけど!?)。假屋さんご本人のブログは、2015年3月21日に最初の投稿がされており、「6年間、ガールズバー、キャバクラ、風俗で働き現在は雑貨屋の店長をしております」との自己紹介が。四柱推命との出会いは、「信頼している女性からの紹介だった」そうで、「元々占星術とかスピリチュアルなことが好きだった」「勢いで鑑定師を目指すことにした」とつづられています。その後、「相性鑑定の使い方」といったハウツー的な内容から、個人セッション(鑑定)の受け付けなどの更新が続き、すぐに「四柱推命鑑定士の舞」と名乗るようになります。

四柱推命と“子宮系女子”の出会い

 15年12月27日の更新では、「子宮委員長はるちゃんを鑑定」したとの記述が登場。同年9月に『子宮委員長はるの子宮委員会』(KADOKAWA)が出版され、「子宮委員長はる」の名前が売れ始めた頃です。假屋さんは同記事の中で、「四柱推命の鑑定書=子宮の声」とめちゃくちゃなことを言い始め、「四柱推命式子宮メソッドにしようかな」「もっと四柱推命を知ってほしいし、潜在意識や子宮の声との繋がりを追求していきたい」と、今後の展望を語っています。ちなみに、現在「八木さや」と名前を変えている子宮委員長は、18年末に長崎県壱岐市へ移住していますが、それまで住んでいた都内の自宅は、現在、假屋さんが住んでいるそう。2人が単なる「教祖と信者」「占い師と客」の関係ではないことが、このことからわかるでしょう。

 假屋さんのブログを読むに、「子宮推命」は彼女個人の思想や、研究に基づいて生まれたものではなく、子宮委員長が提唱した「子宮メソッド」の影響を強く受けているようです。「そんなもんがまかり通るのかよ!」と思いますが、16年4月15日に更新された假屋さんのブログには、「四柱推命の師匠」である鳥海伯萃氏に「子宮推命鑑定士でやっていく」ことを相談しに行き、その結果「子宮推命大絶賛、大賛成」されたと、喜びがつづられています。假屋さんはこれにより、「子宮推命」に“お墨付き”を得てしまったのです(おいおい師匠、なんてことしてくれたんだ……!)。

 晴れて正式に(?)誕生した「子宮推命」ですが、假屋さんはそのノウハウを詰め込んだ教材一式を販売しています。お値段、なんと30万円(税別)。もう一度言いますが、「子宮推命」は子宮委員長の影響を強く受けた1人の女性が始めた、えたいの知れない占いです。それを学ぶ教材に30万円の価値があるのかどうか、冷静になって考えればわかるはずです。値段にも頭を抱えますが、もっと衝撃的なポイントは、假屋さんがこの教材を使って、新たな“子宮推命士”をどんどん生み出そうとしていることです。

 最近更新された假屋さんのブログには、最後に必ずこの教材が宣伝されており、その中には「DVDを購入した方のみ、子宮推命講師と呼んでいます。講師の方々は鑑定だけでなくスクールを開講して子宮推命鑑定士を育てていくこともOKです」との記述があります。さらに、今年8月8日に更新された假屋さんのインスタグラムでは、「子宮推命講師の人たちには、知識が無くても自分が『こうだ!』と思う自由な発想と解釈の可能性を、私を通して見つけてもらえたらいいなあ」とコメント。要するに、教材を買って占いを学ぼうとしている人に、販売者自ら「適当に占っていいし、それを広めてもいいよ!」と告げているのです。

 同じ投稿の中で、假屋さんは「子宮推命」について、「占いの統計データという知識をあてにせず、私自身が今『こうだ!』と思うことを勝手に星の解釈にしている占いです」と、自ら“デタラメ占い”だとぶっちゃけています。「自由な発想と解釈」「私自身が今『こうだ!』と思うこと」は、もはや鑑定でもなんでもないように思えます。これが“占い”だと認められるなら、そもそも高額な教材を購入して、ノウハウを知る必要もないのでは?

 疑問ばかりが湧いてきますが、「子宮推命士」を名乗っている人は、ネット上にゴロゴロいます(假屋さんが運営する「子宮推命」のホームページから、「全国の子宮推命講師紹介」のページに飛んでみてください)。多くの人に浸透している(ように見せる)ことで、発案者自らデタラメを公言している占いに説得力が生まれ、「噓から出た実」状態にならないとも限りません。「四柱推命」を生業としている占い師の方や、真面目にスピリチュアルを探求している人は、「子宮推命」にもっと怒りを感じ、批判してもいいのではないでしょうか。

怪しいスピリチュアルに“特別な力”は必要ない

 最近の假屋さんの動向をウォッチしていると、現在「ハワイ留学」を満喫中とのこと。「往復ファーストクラス」「1カ月半で300万円の宿泊費」など、景気の良いワードが目に付きます。そんなタイミングで、“新商品”とも言うべき「御社(おやしろ)鑑定」なるものを販売開始。メールでの鑑定が5万円、対面だと60分15万円(ともに税別)だそうです。なるほど、そりゃ高級ホテルにも泊まれるわけだ。

 今年8月28日更新の假屋さんのブログによると、「御社鑑定」とは「会社の命式、開業届を出した日の命式と代表者の命式をビジネス視点で読み解いていく」ものだそう(編注:「命式」は四柱推命で使われる用語で、その人の性格や適性、運勢全体を判断する表のこと)。9月5日のブログでは、「会社や屋号」について、「ちゃんと意志を持った大きな生命体です。本当だよ」と明言。さらに、「運気が具現化された 会社や屋号という その存在はまるで 天と地を結ぶ龍」「会社や屋号は、どこまでも私を乗せて 大きく拡大繁栄のサポートをする 生き生きとした生命体です」と話が大きく膨らみ、あらぬ方向へ飛躍します(その龍、どっから出てきたの?)。

 何を言っているかよくわかりませんが、とにかく“子宮系女子”が好みそうな、スピリチュアルなワードが盛りだくさんなことはわかります。以前、子宮委員長はるが、“信者”へ開業を勧める「自分ビジネス講座」なるものを始めた、という話題を取り上げました。その際、「自分自神(じぶんじしん)」というワードを使っていることにも触れましたが、假屋さんもまた、「天と地を結ぶ龍」は「容易く自分自神には 近付けさせない」と説いています。こうしたことから、假屋さんは「自分ビジネス講座」に触発されて開業届を出した、子宮委員長はるの信者をターゲットにしているのでしょう。いろんな意味で、“うまい商売”です。

 今まで取り上げた“教祖様”と比較すれば、假屋さんはまだ広く世間に知られているとは言えないでしょう。しかし、彼女の登場で考えてほしいのは、ネット上にはびこる怪しいスピリチュアルや占いは、何の根拠も軸もない、“教祖様のオリジナル理論”から生まれたものばかりだということ。この業界は、特別なパワーや、未来を予知する能力は必要ありません。なぜなら、自分の嘘で人の心を操り、引き返せない所までお金を払わせても、罪悪感を一切感じない“動じない者”だけが勝つからです。

■黒猫ドラネコ
大分県生まれ、大阪を経て東京都内在住の36歳。職業、性別は非公表。身内が「子宮系女子」となって壊れた経験から、怪しいスピリチュアルや自己啓発セミナーなどの監視と注意喚起を開始。本当の趣味はスポーツ観戦、漫画・アニメ鑑賞。3食スイーツでもいい甘党。
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素人が“行ってはいけない”パワースポットまとめ――神社にまつわる“ちょっと怖い”話【関東・関西】

 神社をはじめとするパワースポットに出掛けるのは、願い事をかなえたいときか、パワーを授かりたいときだろう。しかし、なぜ神社はパワースポットとされているのだろうか。

 パワースポットの書籍などを手掛け、神社仏閣の知識も豊富なA氏によると、古来の聖地に建立している神社が多いこと、そして、そこで長年祭りが行われてきたからだ、という。人々が神に祈り、神を降臨させてきた歴史の積み重ねが、聖なる力の土台となっているようだ。しかし、「人々の思いが積み重なった場所」であるがゆえ、「知識のない素人が行くのは実は危険」なスポットもあるようだ。

危険なパワースポット1:天満宮、天神社(全国各地)

 受験生の多くが「天神さま」に合格祈願をするだろう。天神様は天満宮や天神社に祀られている場合が多く、学問の神様として知られている。その天神様である菅原道真公は、藤原氏でなければ出世できなかった時代、右大臣まで出世したとびっきりの秀才。しかし実は、初めから学問の神だったわけではなく、当初は祟り神として恐れられていたのである。

 道真公は藤原時平に妬まれ、大宰府に左遷された。その地で悲嘆の日々を送って亡くなると、京の都では怪しい事件が続いた。まず、疫病の流行。そして落雷で死者が続出し、その多くが道真公の左遷に関わっていた政敵だったため、「祟りである」と道真公を雷神(天神)として祀る場所が日本各地に建立されたのだ。

危険なパワースポット2:神田明神(東京)

 関東の祟り神では、なんといっても平将門公が有名だ。太平洋戦争の後、GHQが東京・大手町にある将門公の首塚を移動させようとしたところ、不審死が相次いだのは有名なエピソードだろう。そんな強いパワーを持つ将門公が祀られる神田明神は、真摯に祈ればご利益は抜群だが、怒りに触れると恐ろしい祟りがあるといわれている。

危険なパワースポット3:安井金比羅宮(京都)

 神社といえば縁結びを願いに参拝する人が多いだろうが、世の中には不本意ながら、付き合っている相手ときっぱり別れたいと願う人もいる。例えば会社の上司や先輩。気の合わない身近な先輩につらく当たられ、「転勤や部署替えで遠くへ行ってくれないかな」と願った経験はないだろうか。そんな場合は、縁切り神社にお参りすれば、願いが叶うという。こうした神社の中には、最近では観光地扱いをされている神社もある。黒い思いが渦巻いているとは知らずに、「パワースポットだから」「せっかくだから」と参拝するのは注意した方がいいだろう。

 昔、花街があった近辺には、縁切りの神社が鎮座することが多いようだ。特に有名なのは、京都は祇園のはずれにある安井金比羅宮だろう。この神社のご祭神は、祟り神としても知られる崇徳天皇。崇徳天皇は、江戸時代の怪談集『雨月物語』でも、天下に大乱を起こそうと企む怨霊として登場するほど、恐れられた神様だ。

 それだからか、縁切りの霊験あらたかな神社として、多くの参拝者を集めてきた。境内には、周囲に白い紙がびっしり貼りつけられた、穴の開いた石が鎮座しているが、これが「縁切り縁結び碑(いし)」。

危険なパワースポット4:円珠庵鎌八幡(大阪)

 大阪城の近く。通称「真田丸」があったとされる場所にあるのが、円珠庵鎌八幡。神社ではなく寺院だ。境内には大きなエノキ(榎)がそびえており、鎌八幡大菩薩を宿しているとして信仰されてきたという。真田幸村公が大阪冬の陣に出発する際、このエノキに鎌を打ち込んで戦勝を祈願したところ、見事に勝利を収めた。そこで幸村は、祠を新しく建立してお礼をしたと伝えられる。

 現在でも、境内には御神木のエノキが青々とした葉を茂らせ、鎌も打ち込まれている。この鎌の柄をよく見ると、絵馬のように文字が書き込まれているのに気づくだろう。

危険なパワースポット5:橋姫神社(京都)

 丑の刻参りは、藁人形に五寸釘を打ち込むことで憎い相手を呪い殺すもので、源氏と平家の戦いを描いた『源平盛衰記』に、その起源が書かれている。嫉妬に狂った女性が、「憎い恋敵をとり殺したい」と貴船神社に参ったところ、「鬼の姿になって、宇治川に浸かれ」と神託があった。

 そこで、髪の毛を五つに分けて角のように立て、顔と体を真っ赤に塗り、鉄輪(火鉢に置き、ヤカンなどを乗せる三本脚の台。五つの突起がある)を逆さにして頭にかぶり、その三本の脚の先に蝋燭を立てて、口には松明を咥えて宇治川に21日間浸かったところ、鬼となって、憎い相手を呪い殺すことができたという。この女性こそが、宇治の橋姫だ。

 その橋姫を祀るのが、宇治市にある橋姫神社。この神社も縁切り神社として名高く絵馬には「片思いの相手が恋人と別れますように」といった、怨念を感じずにはいられない願い事も散見される。

危険なパワースポット6:誉田八幡宮(大阪)生田神社(兵庫)ほか、3神社 

 戦場となった神社は数多くある。「神域で殺し合いをするの?」と、驚かれるかもしれないが、神社には整備された広い境内があるため、戦の際に陣営を敷くのにうってつけ。関東では、鎌倉近辺に多く、戦場だけではなく、源義経や護良親王ら、悲劇のヒーローの首が洗われたり、捨てられたりした神社もある。

◎誉田八幡宮(大阪):大阪夏の陣、「道明寺・誉田の戦い」の陣地となった。「誉田林古戦場跡」の石碑がある。
◎生田神社(兵庫):源平合戦では神社の森が戦場となっている。
◎安居神社(大阪):真田幸村最期の地。境内で敵に首をとられたともいう
◎白旗神社(神奈川):義経の首を洗った井戸
◎王子神社(神奈川):後醍醐天皇の皇子、護良親王の首が埋められた。

 悲劇のあった神社では、あまりうるさく騒がない方が良いだろう。

危険なパワースポット7:大阪府南部に存在するX神社

 関西は戦の舞台となった土地が数多くあり、大坂夏の陣・冬の陣では、豊臣と徳川の大軍が衝突した。死者の数は、ほかの戦とは比べものにならないだろう。それだけの死体が大阪には埋まっているのだ。そしてもちろん、同地の神社も同じだこと。

◎大阪府南部に存在するX神社:おびただしい数の死骸が出てきた

 南朝きっての戦上手といわれた楠木正成が深く信仰した神社。正成の子孫が代々宮司を務めるという由緒ある神社で、社殿背後にある山全体が境内地だが、その昔はもっと広かったらしい。しかし、時代とともに境内を縮小し、マンションが建てられることになった。その際、基礎工事の杭打ちをするため地面を掘り起こしたところ、おびただしいしゃれこうべが出てきたとか。

危険なパワースポット8:御霊神社(全国各地)

 平安時代の日本には「御霊(ごりょう)信仰」が根付いていた。「御霊」とは、怒りを抱いて亡くなった貴人。つまりは“祟り神”だ。日本人は、どんな悪人でも大切に祀れば恵みをもたらす神になると考えていたため、祟り神を祀る神社が各地にある。しかし、そもそもは怒りの魂が宿る地。何気なく参拝して、痛い目に遭うケースも……。

◎御霊神社(全国各地):崇徳天皇、早良親王、井上内親王を祀る

 日本史上最大の祟り神といえば、早良親王(崇道天皇)だろう。藤原氏と桓武天皇に陥れられて皇太子の座を奪われたため、怒りのあまり食事を拒否して餓死したという。彼の死後、藤原氏や皇族が相次いで病死したり、洪水が起きたり、平城京に疫病が流行したりなど、不穏な事件が続く。桓武天皇はこれを早良親王の祟りだと恐れ、平安京に遷都したとされる。

 そんな早良親王が祀られているのは、全国にある御霊神社だ。奈良や京都のほか、大阪や東京にもある。

ちなみに:はしご参拝に注意!

 日本人は、死者は全て神となると考えてきたため、武将を祀る神社も数多くある。例えば、豊臣秀吉、徳川家康、織田信長などがあるが、秀吉にとって家康は、愛してやまない息子を殺して天下を奪った、憎むべき存在だろう。こうした敵対関係にあった武将の神社を「はしご」するのは危険行為だという。

◎徳川家康を祀る東照宮(群馬、和歌山ほか)と豊臣秀吉を祀る豊国神社(愛知、大阪ほか)
◎織田信長を祀る建勲神社(山形、京都他)と明智光秀を祀る御霊神社(京都)

きな臭いパワースポット1:「女性の守り神」の神社、実は……

 「女性の守り神」として、女性の願い事ならなんでも叶えてくれると有名な神社は各地にある。多くの場合は女神が祀られており、さすがに女性の守り神と思わせられるのだが、ちょっと待ってほしい。なぜなら、女性の守護神社が鎮座する地域の歴史を調べてみると、そばに大きな花街があったことが多いからだ。

 花街といえば、遊女たちが客を引き、男たちが一夜の慰めを買う場所。売れっ子遊女は今でいう女優やアイドルのような存在で、茶屋の亭主にも丁重に扱われていたが、器量があまりパッとせず、才覚もない遊女たちは、ひどい扱いをされることもあったようだ。

きな臭いパワースポット2:金儲け主義のきな臭い神社

 テレビや雑誌で何度も紹介されるようなパワースポット神社の中にも、首をかしげてしまうようなものもあるようだ。

 人形供養の神社として有名で、バラエティ番組にもよく登場する神社が、供養するために預けられた人形を、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのアトラクションに貸し出した事件は記憶に新しい。この神社は、古くなった人形を有料で預かり、お焚き上げをして供養するという触れ込みだが、そうやって預かった人形を「生き人形の呪い」というお化け屋敷に有料レンタルしたのだ。

きな臭いパワースポット3:明治神宮(東京)、橿原神宮(奈良)、吉野神宮(奈良)ほか

 日本一初詣参拝客の多い神社といえば明治神宮だ。しかし、その歴史や祀られている神様を意識している人は、案外少ないのではないだろうか。明治神宮の祭神は明治天皇。つい100年ほど前まで存命だった天皇が神様として祀られているのだ。

 日本の神道は、人間は神の一部をもらって生まれてくるので、死ねばみな全て神に戻るという考え方だ。しかも、古来天皇は「現人神(あらひとがみ)」、つまり人間の姿をした神であると信じられていたのだから何も問題はない。しかし、この神社が建立された背景を見ると、少々きな臭いのだ。

子宮委員長はる、次に狙うは「市長」!? “狙われた”長崎県壱岐市の危ない今

 誰にでも、心が弱ってしまう時はあります。救いを求める先が、信頼できる家族や友人ではないこともあるでしょう。「こうすれば幸せになる」と語りかける心理カウンセラー、スピリチュアリスト、霊能力者。彼らを見ていると、「私を救ってくれそう」「この人たちのようになれるかも」と、次第にそんな気持ちが膨らみ……ちょっと待って! それ、本当に信じて大丈夫? スピリチュアルウォッチャー・黒猫ドラネコが、無責任なことばかり言っている“教祖様”を、鋭い爪でひっかきます。

 コラム連載が10回目を迎えた今回、タイミングを合わせるかのように「スピリチュアル観光大使」の問題に終止符が打たれました。8月20日、長崎県壱岐市は公式ホームページ上で、前田紗智氏(以下、happy)の同市観光大使の職を解嘱したことを発表したのです。

 happy はこのコラムでもおなじみのスピリチュアリストで、「引き寄せの法則」を取り入れた『“奇跡"は自分で起こせる! 3日後「引き寄せ」日記』(大和出版)といった著書を出したり、スピリチュアル・ブロガーとして活動したり、スピ好きな若い世代から支持を集めている人物。一昨年から『シンデレラ・プロジェクト』といった大規模イベントを主催し、「自分との結婚式」なる“謎の儀式”を行うなどしていました。そんな人物がなぜ市の観光大使を務めていたか、これまでの経緯を振り返ってみましょう。

壱岐市に“引き寄せ”られたhappy

 happyと壱岐市の関わりは、2016年夏頃から始まったよう。ちょうど、彼女の名前がスピ界隈にじわじわと広まり始めた頃です。壱岐市は九州北部の玄界灘にある島で、今年7月の時点で人口は約2万6,000人。この小さな島にhappyがやってきたきっかけが、16年10月27日に更新されたブログの中で明かされています(現在はブログごと削除)。

「8月に急に 『月の神様にお参りに行きなさい』と頭の中にメッセージが来て それでご縁が繋がった不思議な島」

「観光会社や不動産会社の社長さんや宮司さん、女将さん いろんな方と急速にご縁が繋がってますが 純粋な気持ちで動いてると そんな同じ想いの人たちばかりと引き合うので 仕事を超えて同じ志で、日本を良くして行きたいね 神様を近くに心で生きてた時代に戻して行きたいねと そんな話が出来ること自体が今幸せです 直感に従って動いてこの島にたどり着いて本当に良かった」(すべて原文ママ)

 このブログでは、happyが壱岐市内の「研修センター」を購入したことも公表。「土地買うとか初めてなもんでドキドキしましたよ」というコメントとともに、happyとスーツ姿の男性3人がかしこまった様子で写った写真が添えられています。

安倍昭恵夫人とhappy、そして「女将」の不可解な交流

 happyは壱岐市に滞在している間、決まって同じ旅館に宿泊していました。前述のブログでhappyが「島の名物女将とはもう家族のような仲です」とつづっているように、とにかくこの旅館の女将とウマが合ったよう。18年2月には、happyの大親友で吉本興業所属の脚本家・旺季志ずか氏が手掛けたミュージカルを壱岐市内で上演しているのですが、なんと安倍昭恵総理夫人が観劇に訪れています。その際、昭恵夫人はhappyがご贔屓にしている旅館の女将と交流したようで、訪問時の様子が女将のブログで明かされていました。

 その中で、「光栄な事に、ラインを交換してくださり、写真もみんなと写ってくださいましたよ~」との報告がありhappyや女将に囲まれながら、笑顔を浮かべる昭恵夫人の写真が、何枚も掲載されていました。さらに、女将のブログによると、「総理直々にお電話」があったらしく、「色々珍しい美味しいものをたくさん頂いたそうで、お世話になりました」と伝えられたとか。電話の内容について、どこまで真実なのかは知るすべもありませんが、本当だったら(いろいろと)すごい話です。

 昭恵夫人が壱岐市を訪れた翌月の18年3月、happyは同市の「観光大使」に任命されます。地元紙「壱岐新報」によると、任命は白川博一市長の判断だったとか。ファーストレディーを島に“引き寄せる”力に目が眩んでしまったのかもしれませんが、市民感情を考えれば、内幕については検証する必要があるでしょう。

 その後、18年10月に観光大使・happy主導による『縄文祭』が、壱岐市で開催されます。happyファンが約2,000人も一気に来島したかと思えば、会場となった公園の芝生を荒らし、深夜までどんちゃん騒ぎをしていたことで、騒音問題まで起こしたイベントです。市民の大ひんしゅくを買ったことは、以前もコラムで触れました。(該当記事リンク)

 この一件は、市議会や地元メディアで批判的に取り上げられており、そこから「観光大使」解嘱までは1年足らず。今年7月31日付で、happyは観光大使としての役割を終えました。その後、8月30日付の地元紙「壱岐新報」は、happyの解嘱を一面で取り上げ、「島外での公序良俗に反するイベント開催」が理由だったとしています。「島外」となると、『縄文祭』とは別のイベントということになりますから、おそらく市側はhappyの動向に、四六時中目を光らせていたのでしょう。

 壱岐市を引っかき回したhappyですが、『縄文祭』での問題についても、観光大使を降ろされたことについても、現時点では何もコメントを出していません。happyがこのままフェードアウトして、壱岐市と怪しいスピリチュアルの関係も断ち切れるかと思いきや、いま壱岐島には、元「子宮委員長」八木さやが住んでいるのです(どこにでも出てくるな、この人!?)。happyとのつながりもあって、昨年末に移住した八木さやは、最近「総理大臣になりたい」「まずは壱岐市長選に出る」と自身のブログで豪語しており、“信者”の心を躍らせています。

 八木さやはhappyから壱岐市内の「旧・研修センター」の施設を買い取り、今年8月31日に信者を集めてそこでイベントを開催しました。熱心な信者のSNSにアップされた打ち上げパーティーの動画を見ると、意気揚々とスピーチをするhappyの姿も。彼女は八木さやの市長選出馬にあたって「ウグイス嬢をやりたい」そうで、「終身雇用も何のその!」「老後も心配いらず!」などとシミュレーションをしていました。そして、信者と一緒に「八木市長」誕生の瞬間を想定し、“万歳三唱”まで……。前日に地元紙一面で観光大使の解嘱を大きく報じられ、「連絡が不通」「(解嘱通知の)返答はない」と書かれていたhappy本人が、市内で大はしゃぎしているのです。このメンタルの強さ、本当に驚きます。

「子宮委員長」に“狙われた”壱岐市のいま

 「元・子宮委員長が市長選に」。これを多くの人は「冗談」だと捉えていると思います。しかし、彼女は「移住支援ビジネス」展開のため、市内の不動産を買い漁っていることを公表しており、すでに動き始めているのです。移住者が増えること自体は、過疎化に悩む市にとって喜ばしいことかもしれません。しかし、『縄文祭』で痛い目を見たはずの行政サイドとして、高額スピ商材などの販売を生業としている八木さやや、彼女を追って移住してくるかもしれない“信者”たちを歓迎すべきかどうかは、一考しなければならないでしょう。

 これだけでなく、八木さやは壱岐市内の神社二社にそれぞれ1,000万円を“奉納”しており、「来年は3千万円目標です」と宣言しています。「神社密度No.1の壱岐島の 神社の全部を活性化したい」とブログでその理由をつづっていますが、金を積むことに市長選の地盤固めの意図がないと言い切れるのでしょうか。スピリチュアル色の強い高額商品販売や、「自分ビジネス講座」なる情報商材で稼いだ軍資金は潤沢。「当選するはずない」と笑っていられないかもしれません。

 八木さやはこの夏、市内で行われた花火大会の大口スポンサーにもなっており、着実に市との距離を縮めています。夜空に咲く大輪を楽しんだ市民のほとんどは、こういった現状を知らないはず。果たして壱岐市は、「スピリチュアル観光大使」の騒動を教訓に、「スピリチュアル市長」の誕生を阻止できるのか。今後も注視していきたいと思います。

■黒猫ドラネコ
 大分県生まれ、大阪を経て東京都内在住の36歳。職業、性別は非公表。身内が「子宮系女子」となって壊れた経験から、怪しいスピリチュアルや自己啓発セミナーなどの監視と注意喚起を開始。本当の趣味はスポーツ観戦、漫画・アニメ鑑賞。3食スイーツでもいい甘党。
Twitter/ブログ「黒猫ドラネコのブログ(仮)

心屋仁之助氏“公開カウンセリング”の異常性――「死んじゃえ!」「借金イエーイ!」と叫んで終了?

 誰にでも、心が弱ってしまう時はあります。救いを求める先が、信頼できる家族や友人ではないこともあるでしょう。「こうすれば幸せになる」と語りかける心理カウンセラー、スピリチュアリスト、霊能力者。彼らを見ていると、「私を救ってくれそう」「この人たちのようになれるかも」と、次第にそんな気持ちが膨らみ……ちょっと待って! それ、本当に信じて大丈夫? スピリチュアルウォッチャー・黒猫ドラネコが、無責任なことばかり言っている“教祖様”を、鋭い爪でひっかきます。

 芸能人や著名人御用達「Amebaブログ」の読者フォロー数20万人以上、プロフェッショナル部門ランキングで“常時1位”の人物をご存じですか? 子宮委員長はる、スピリチュアリストhappy、自称・卑弥呼の生まれ変わり天宮玲桜といった、怪しいスピリチュアル界隈ともつながりがある、心屋仁之助氏です。おなじみの“信者ビジネス”にハマる人は、高確率で「心屋カウンセリング」に心酔します。私が同氏を知ったのも、子宮委員長はるにハマった身内が、熱心に著書を読んでいたことからでした。それだけ、心屋氏の教えが怪しいスピリチュアル業界に浸透しているということです。

 小林麻耶さん、漫画家の浜田ブリトニーさんといった著名人のファンも多数いる心屋氏。そんな人が、虐待の連鎖に悩む相談者に「キミの娘さん 叩かれるために生まれてきたのよ」と自身のブログにつづった衝撃は忘れません。「流産は前世で自分が望んだ」とネットラジオで発信したのを知った時、私は自分のTwitterやブログで「こんなカウンセラーを信じていいのか」と、疑問を呈しました。その後、私と同じ疑問を持った人も声を上げ、炎上状態となったのですが、心屋氏はおそらく、それらの意見に対して「(自分を叩く人を)蹴散らして、ぶち殺してやる」と、ブログに絵文字付きで投稿。これにはさすがに恐怖を覚えました。

深刻な悩みを“イジって笑う”心屋仁之助氏

 そんな心屋氏について、このコラムの読者さんからご連絡をいただきました。「会員制カウンセリングの様子が怖い」という報告とともに、東京と京都で毎月行われている公開カウンセリング「Beトレ」の様子を収めたYouTubeのURLが貼られていました。調べたところ、心屋氏のホームページでは「心のおけいこの場。心理学の勉強会です」などと説明されており、いろいろなコースが設けられている様子。ちなみに、どれも年会費4~6万円の費用がかかるようです。

 3つ貼られていたURLのうち、1つ目は「子どもを死なせてしまった」という、50代女性による相談に、心屋氏が答える動画でした。長男が2歳の頃、生後2カ月の次男を亡くし、「そのことを引きずってあまり長男に愛情を注げなかったから、成人しても問題を起こすのだと考えてしまう」といった、かなり切実な内容です。これに対する心屋氏の結論は、「全部関係ない。次男が亡くなったことと(長男を)つなげるのはやめて」といったものでした。

 私がこの動画を見てまず気になったのは、会場の雰囲気。心屋氏はどこかのホールのステージ上を歩き回り、観客席から涙声で話す相談者に、「すべてはキミが悪いんだ」などと厳しい言葉をぶつけます。ホワイトボードに字を書きながら、相談者のネガティブ思考を笑い、「会場ザワザワしてるよ?」などとイジり、参加者たちを盛り上げているのです。相談者の深刻な悩みに対し、会場の雰囲気があまりにも陽気。そのギャップに強い違和感を覚えました。

 2つ目は、どこかの会議室に会場を移し、「お金にルーズな40代の弟が嫌。10年ほど同居しているが、そろそろ見捨てるべきか」といった悩みを持つ女性からの相談が取り上げられていました。心屋氏は、『解決!ナイナイアンサー』(日本テレビ系)に出演していた際も行っていた、お得意の“言わせるカウンセリング”で徐々にヒートアップ。心屋氏が先導する形で、「あんな奴、死んじゃえばいいのに!」「あのゴミのせいで!」「消えてしまえ!」と相談者に暴言を叫ばせ、「いい姉をやめたらいい。ストレートに嫌だと伝えて」と結論付けました。

 椅子に深く座って目を閉じ、相談者に暴言を反復させる心屋氏。満足げな表情に見えるのは、私だけではないはず。「あのゴミ」「消えてしまえ!」といった暴言は、本当に相談者本人の言葉なのか。「彼女はこう思っているはず」と、心屋氏が勝手に考えたセリフではないのか。ためらいながら号泣する相談者を見ると、そんな疑問が湧いてきます。

 最後の動画は、正直まったく意味不明。相談者は「どんどん遊んで」という心屋氏の教えに従い散財。その結果、「借金返済が苦しい」と訴えます。これに対する心屋氏の結論は、「どうもせんでいい」「悪いことだと思っているから、助けてもらえない」。そして、「借金イエーイ! 踏み倒すぞイエーイ!」と明るい調子で言わせて終了です(どういうことなの……?)。

 この無責任さ、「深く考えずやりたいことをどんどんやろう」といった奔放さが、子宮系女子やスピ稼業を目論む人たちにウケる理由かもしれませんが、私の目にはどれも“異常”に映りました。しかも、これらの動画に出てくる相談者は、「『Beトレ』に通ってるのに問題が解決しない」などと話し出すのです。心屋氏は一体、「Beトレ」で何を“おけいこ”しているのか、不思議でなりません。

 「Beトレ」の宣伝ページには、これらの無料動画が多数あり、いずれも観客からの悩み相談をもとに、心屋氏の考え方をオープンな場所で伝えるといった内容でした。時にはギターをかき鳴らしてオリジナルソングを披露し、“伝道者”のごとく立ち振る舞う心屋氏。こうしたカウンセリング方法は、心理学の分野において一般的に用いられるものなのでしょうか。「心理オフィスK」の代表であり、臨床心理士の北川清一郎先生にご協力いただき、「Beトレ」の動画について見解を伺いました。

――心屋氏が行っているような、不特定多数の人の前でカウンセリングを行う手法は一般的なのでしょうか。

北川清一郎氏(以下、北川氏) カウンセリングは基本的に、相談者のプライバシーや秘密が守られた状態で行われます。なぜならば、相談者が“本当のこと”を言えないからです。「秘密が守られる」という確約があるからこそ、本心を話すことができるのではないでしょうか。家族相談やグループ療法など、少人数で行う場合もありますが、それも参加者全員が秘密を守ることが絶対条件。よって、不特定多数の人がいる中でカウンセリングを行うことは、通常あり得ません。ましてや動画の公開なんて、もってのほかです。

 また、臨床心理士や公認心理師には、倫理と法律による“守秘義務”があります。これを守らないと、相談者が著しく傷つけられることになります。人に知られたくないことを知られることは、非常に苦痛を伴いますし、時には訴訟の対象となることも。人によっては「家族にも秘密にしたい」という場合もありますから、情報の開示には慎重になります。

――心屋氏や参加者が、相談者の悩みを笑っているような場面もありました。

北川氏 相談者と心屋氏・参加者の関係性の質にもよりますが、カウンセリング中に雰囲気を和ませるため、視点の切り替えを提示するために、“ジョーク”を用いることはあります。しかし、多用はしません。多くの場合、相談者は真剣な悩み事をお話しになりますから、こちらも真剣に聞くのは当然です。

 また、相談者の悩みを軽く扱うことによって、本人にとっては真剣な内容にもかかわらず、「大事にされていない」「バカにされている」といった感情を抱く可能性があります。そうした感情を持つと、悩みを話すことを躊躇し、問題解決に至らないリスクが伴います。

――正直なところ、この動画を見て「変だな」と思う人が大半だと思うのですが、心屋氏を頼る人が絶えないのは、なぜだとお考えになりますか。

北川氏 動画を見る限り、相談者は心屋さんが何を言っても鵜呑みにし、彼と話をしただけで救われたような気持ちになっているのかもしれません。広い意味では「催眠」と言っていいかと思います。一般的には、バラエティ番組で睡眠術をかけられた人が操り人形のようになる姿を想像するでしょうが、催眠はもっと広い概念で、専門的には「変性意識状態」と言い、意識の在り方が通常から外れてしまうことを言います。

 これは日常的に起こることで、例えば好きなことに熱中していると、多かれ少なかれ周りが見えなくなったり、付き合いたての時に恋人のすべてが好ましいものに見えてしまったりするのも、「変性意識状態」と言えます。要するに、視野が狭くなっている状態。こうしたことが、参加者の中で起こっているのでしょう。

 初期段階や軽い状態ならば、状況を変え、第三者と会話することで冷静になることはできるでしょう。しかし、長期間にわたって影響を受け続け、いわゆる「マインドコントロール」や「洗脳」に近い状態になると、容易に抜け出すことはできません。ここまで行くと、物理的に対象と接触することを禁止し、回復を目指した積極的な心理療法やカウンセリングなどを行う必要が出てくるかもしれませんね。

――「心理カウンセラー」を名乗る心屋氏は、多くの“認定講師”を抱え、さらに多数の支持者がいます。臨床心理士として、この状況をどう思われますか。

北川氏 通常のカウンセリングでは、相談者の“自立”を目標とし、カウンセラーなしで生きていけることを目指します。カウンセラーが相談者をずっと手元に置くことはありませんし、“認定講師”といった形で弟子をつくることもしません。学校と同じように、カウンセラーからの卒業を目指すものなのです。心屋さんに依存しないと生きていけないというのは、非常に危険な状態のように思います。

 「心理カウンセラー」は“職業名”なので、名乗ろうと思えば誰でも名乗ることができます。極端に言えば、まったく心理学やカウンセリングを学んでいない人でも、「心理カウンセラー」を標榜することができてしまうのです。一方で、「臨床心理士」や「公認心理師」は“資格名”であり、さまざまな訓練を経て、一定の資格試験をパスした人だけが名乗れます。つまり、能力が担保されているということです。「心理カウンセラー」を名乗る人は多いですが、実際にどういった資格を持ち、どういった訓練を受けてきたのか、きちんと判断する必要があると思います。

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 このように、心屋氏の言動は専門家も疑問視しています。明るい雰囲気を作って“問題が解決したような気分”になる「カウンセリング・ショー」をご自分の人生に取り入れるべきかどうかは、慎重に考えた方が良いでしょう。

■北川清一郎(きたがわ・せいいちろう)
「心理オフィスK」代表。関西大学、関西大学大学院で臨床心理学やカウンセリングを専攻。大学院を修了後、精神病院、心療内科クリニック、小中学校スクールカウンセラー、教育センター、児童相談所、企業内保健センター、開業カウンセリング機関、就労支援施設などを中心に、フリーランスで臨床活動やカウンセリングを行う。
「心理オフィスK」公式サイト

■黒猫ドラネコ
 1983年5月生まれ。性別、職業は非公表。大分県出身、学生時代から大阪で過ごし結婚を機に上京。穏やかで細かい性格。自分勝手な人が嫌い。趣味はスポーツ観戦、カフェ巡り、漫画・アニメ鑑賞など。甘党でお酒よりジュースを好む。ショートスリーパーにつき夜行性。
Twitter/ブログ「黒猫ドラネコのブログ(仮)

子宮委員長はる、引退後の今――「八木さや」改名後も“信者ビジネス”を続けている実態

 誰にでも、心が弱ってしまう時はあります。救いを求める先が、信頼できる家族や友人ではないこともあるでしょう。「こうすれば幸せになる」と語りかける心理カウンセラー、スピリチュアリスト、霊能力者。彼らを見ていると、「私を救ってくれそう」「この人たちのようになれるかも」と、次第にそんな気持ちが膨らみ……ちょっと待って! それ、本当に信じて大丈夫? スピリチュアルウォッチャー・黒猫ドラネコが、無責任なことばかり言っている“教祖様”を、鋭い爪でひっかきます。

 最近、熱くなってきましたね。いやいや、気温のことではありません。近年登場した“怪しいスピリチュアル”の代表格ともいえる「子宮委員長」のことです。現在は名前を「八木さや」に変えて新しい試みを行っており、列島を襲う猛暑に負けまいと、日々奮闘しているようです。

「抑圧感情が溜まると子宮筋腫になる」「旦那さんの出世や昇給は子宮(女性器)の力」という“子宮メソッド”を唱えていた子宮委員長は、昨年末で活動を停止。タレントの小林麻耶さんや、お笑い芸人のなだぎ武さんらが参加し、昨年4月に行われた『シンデレラ・プロジェクト』というイベントにて、盛大な“引退式”を決行しました。その後、彼女は長崎県壱岐市(壱岐島)に移住。名前を「八木さや」に変えて、家庭菜園やガーデニングについてつづるブログを始めた……ハズでした。

■子宮委員長、その“商魂”は健在なり

 最初は庭いじりや、(合法な)ハーブ栽培の様子などをアップしていましたが、徐々に雲行きが怪しくなります。今年2月、唐突に「美神レーベル」を立ち上げて化粧品のプロデュースを開始。「誰でも美肌になれる」美容クリームや、自身の心臓の音を収録したCD(ジブリ作品の音楽プロデューサーとのコラボとか。ホントかよ!?)まで販売を始めます。現在は、バッグや財布なども売り始め、子宮委員長時代の商魂がまったく隠しきれていない状態になっています。

 我々ウォッチャーから「どこが引退だ!」と総ツッコミが入る中、満を持して登場したのが、「自分ビジネス・オンライン講座」。「体に優しい働き方で、面白いお金の使い方で、老後まで使える働き方」が学べるというDVDと、YouTubeでオンライン配信されている動画のお値段は、なんと3万8,000円。かつて子宮委員長が唱えていた「子宮メソッド」の自己啓発DVDを出していた、「東京映像制作」という会社から販売されました。この「自分ビジネス」とは一体何なのか。販売元の説明をご紹介します。

「終身雇用が都市伝説になりかけているこの頃、『自分に永久就職』『自分に終身雇用』という概念を学び、自分の居場所を作ってみませんか? 自分ビジネスは自分を整えるセラピーです。特に、スピリチュアルな趣味をお持ちの方はお金と出会ってみませんか?」

「前半は、どこから開業届をもらえばいいのか、どこに提出すればいいのかから、確定申告の詳細や、経費の使い方まで、超初心者レベルから学べつつ、八木さやイズムを投入したので、とっても面白い内容となっています。後半はマーケティングノウハウを持ち、企業コンサルの経験もあり、また、自身も実績のあるビジネスのプロフェショナルを講師にお招きし、今まで言われてきたビジネスノウハウと八木さやビジネスの違いについて仰天対談します」

 簡単に言えば、八木さやが子宮委員長だった時代のスピリチュアル・ビジネスや、自己ブランディングについて正当化して、自慢げに語る動画です。彼女のSNSにアップされた販促用の情報を眺めると、「自分ビジネス」と神社との類似点を挙げたり、「自分自神(じぶんじしん)」といったスピリチュアルなワードが散見されます。「やっぱりな!」という印象しかありません。

■「それっぽい」情報を売っているだけという事実

 スピリチュアルな気持ちにさせるだけでなく、「開業届の書き方」「マーケティング」などの知識も学べるらしく、それらを解説するのは、八木さやのお友だち。ただ、信用していいのか不安にしかならないメンバーが揃っています。

 まず「開業届や経費」などの講話には、有竹志帆さんという方が登場。税理士事務所で働きつつ、個人でも会計講座などを開いており、「チャネリングセラピスト」を名乗っています(見事なオチ!)。今年1月に更新されたブログには、「わが家は小さい税理士事務所なので、税理士登録は、旦那さんだけで、申告書のサインは旦那さんがしております」とつづられているので、有竹さん本人は税理士の国家資格を持っていないようです。

 さらに、「特別講師」として出てくるのが、元コンサルタントのロンズー(瀧澤勉)さんという方。起業家養成セミナーの講師をしていた過去があり、かなり弁が立つ人のようですが、ブログの内容はほぼ意味不明。「自分ビジネス」について、ロンズーさんは8月1日の更新で「『自分ビジネス』の『ブログセラピー』によって、自分自“神”にアクセスすることで、完璧なメソッドとして、形となり、さらなる進化を続けている」と熱弁されておりますが、何を言っているのか、私にはさっぱりわかりません。

 信ぴょう性はともかく、一見プロっぽい有竹さんの専門知識、ロンズーさんのコンサルっぽい説得力に加え、子宮委員長が駆使してきた独自理論を大いに語るのが、「自分ビジネス講座」なのでしょう。このように、物事のノウハウやハウツーを売るものは、一般的に「情報商材」と呼ばれます。グーグルで調べてみると、「詐欺」「逮捕」とサジェストされるのですが、これがすべてを物語っていると言えるでしょう。

 今月1日付の「日本経済新聞(ネット版)」によれば、東京都がまとめた2018年度の消費生活相談概要で、「簡単に稼げるノウハウ」などと称して販売される「情報商材」に関する相談件数は、1,304件に上ったそう。14年度には260件だったため、4年間で5倍に急増していることになります。「3割近くがSNSをきっかけに消費者が購入してしまったケースで、この比率も年々上昇している」「相談者は40~50代と20代が多い」とも書かれていました。

■子宮委員長の“信者ビジネス”は続く

 八木さやのブログでは、8月1日の時点で「自分ビジネス講座」の参加者が7,800人を突破したと公表されていました。この数字が本当かどうかは知りようがありませんが、「自分ビジネスは自分を整えるセラピー」と、たとえ“儲け”という成果が出なくても逃げられるような曖昧な定義の付いた情報商材に、これだけの人数が集まっているとしたら驚きです。子宮委員長のマインドを学びたがる人たち、つまり、スピ界隈の一大勢力「子宮系女子」は、いまだ健在なのでしょう。

 確かに、パワーストーン販売、リーディング、ヒーラー等の“スピ稼業”で子宮委員長のように成功したい人たちにとって、本人から聞くビジネス論は、さぞありがたく心に響くはず。「自分ビジネス」の実態は、子宮委員長が名前を変えて新たに仕掛けた、「信者ビジネス」にほかならないのです。

 何から情報を得るのも、何を信じるのも自由。でも、 購入者に知識を授けるのは、 経営コンサルタントなどではなく、名前以外は何も変わらない“ 教祖様”です。「ビジネス」 と言われるとちょっぴり興味が湧くかもしれませんが、 私と一緒に生暖かい目で見守るぐらいにしておいた方が賢明ですよ。

■黒猫ドラネコ
 1983年5月生まれ。性別、職業は非公表。大分県出身、学生時代から大阪で過ごし結婚を機に上京。穏やかで細かい性格。自分勝手な人が嫌い。趣味はスポーツ観戦、カフェ巡り、漫画・アニメ鑑賞など。甘党でお酒よりジュースを好む。ショートスリーパーにつき夜行性。

Twitter/ブログ「黒猫ドラネコのブログ(仮)」