Snow Man・佐久間大介、“鳥ピエロ”のネットミームが彼に与えたモノ

 あなたは“鳥ピエロ”という存在を知っていますか? もしくは覚えていますか?

 “鳥ピエロ”――それは、某掲示板のスレッドでSnow Man・佐久間大介に命名された呼称だ。

 掲示板内で時折繰り広げられる、ジャニーズタレントのルックス議論。ルッキズムに傾きがちな話題ではあるものの、異様な盛り上がりを見せることから、ジャニーズタレントのルックスについて何かを言いたい人は、やはり多いのだろう。

 さまざまなジャニーズタレントの画像が貼られる中、当時まだジャニーズJr.だった佐久間の1枚の画像がスレッド住民に大きな衝撃を与えた。

 そこに貼られたのは、2016-17年のジャニーズJr.カレンダーの付録「Johnnys’Jr. DATA BOOK」などに使用されている佐久間の写真。

 高い鼻梁を「鳥のくちばしみたいだ」と捉える人、同時に、満面の笑顔なのに、見る者になぜか不安感を与える表情を「ピエロみたいだ」と感じる人が現れ、それに同意する人が相次いだ結果、鳥とピエロが合わさり、“鳥ピエロ”という呼称が誕生した。

 ある意味、あの写真は“奇跡の一枚”だったのだろう。秀逸すぎるネーミングの影響もあり、“鳥ピエロ”の写真と呼称は一部ネット上に浸透。時には省略されて“鳥ピ”呼びをされることもあった。その後、事あるごとに“鳥ピエロ”画像がネット上に貼られ、「すごい!」「待ってました!」という声が上がるなど、一部で熱く愛されるネットミームと化していったのだ。

 2019年8 月、Snow Manが翌年1月にCDデビューすることが決まったときも、「鳥ピエロのいるグループがデビュー!」と、やはり“鳥ピエロ”ありきで盛り上がる人たちも一部に見られ、根強い浸透度を窺い知ることができた。

「鳥ピさん、カッコいいじゃん」ダンス動画でネット民を驚かせた佐久間大介

 “鳥ピエロ”のすごいところは、佐久間の知名度を高めるだけでなく、彼のアイドルとしての評判を上げることにもつながった点だ。というのも、この画像で佐久間に興味を持ち、彼の動画を確認した人が少なくない。動いている佐久間――特にダンスパフォーマンスをする姿を見れば、彼の持つキレ、スピード感、大胆さと繊細さが同居する表現力を存分に堪能できるだろう。

 ダンススキルが高いSnow Manの中でも、佐久間が特に際立つ存在であることは、“鳥ピ”写真をきっかけに、興味本位で動画を見た人に驚かれる結果となり、ネット上では「鳥ピエロ、ダンスうまいんだな」「鳥ピさん、カッコいいじゃん」というような書き込みもみられるようになった。

第2の“鳥ピエロ”には会えないかもしれない

 デビュー後のSnow Manのブレークぶりについては、あえて記す必要はないだろう。もちろん“鳥ピ”さんこと佐久間に対しても、多くのファンが「カッコいい」「かわいい」と声を上げている。

 基本的に顔や表情のベースは変わっていないと思うが、デビュー以降、佐久間の写真がイジられることはなくなった気がする。知らないうちに“鳥ピエロ”がいた世界から「さっくんカワイイ(はぁと)」の世界に転生していたのだろうか。

 いや、実際、当時から彼はカッコよく、かわいくもあったはずだ。とにかくあの“鳥ピエロ”の写真のインパクトが強すぎた――それに尽きるのだろう。デビュー後には撮影の環境や写真のセレクトだって大きく変わるだけに、もう第2の“鳥ピエロ”には会えないかもしれない。

 奇跡の一枚。それがあったから、一部で熱狂的に愛され、さらにアイドルとしての人気にもつながったのは事実だ。ありがとう、鳥ピさん。鳥ピ、フォーエバー!

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Snow Manはなぜ売れた? ジャニーさんに「力を入れてもらえなかった」からこその飛躍

 いまジャニーズ事務所内でトップの人気を誇るといわれるSnow Man。今回は、彼らが売れた背景について迫ってみたいと思う。

Snow Man前史、一時は“終わりかけた”ミスノ時代

 そもそもSnow Manの始まりは、「Mis Snow Man」(以下、ミスノ)というジャニーズJr.ユニットだった。歴史的事実としてのみこれを知っているという、ここ1、2年の新規ファンも少なくないと思う。

 ミスノは2009年に結成され、舞台出演やJr.コンサート、そして先輩のバックなどで活躍。そのダンススキルやアクロバット能力が注目され、11年にはJr.でありながら、グループでの主演映画『HOT SNOW』が製作・公開された。しかし、当時のJr.界では決してメインを張るような存在ではなく、アイドル誌の読者投票企画などでも、メンバーが上位に食い込むようなことはなかったと記憶している。

 とはいえ、『滝沢革命』『滝沢歌舞伎』と、タッキーこと滝沢秀明氏の主演舞台に定期的に出演。さらにジャニーズの伝統舞台といえる『DREAM BOYS』『少年たち』にも参加するなど、いわゆる“舞台班”として着実に実績を重ねるうち、一部の熱狂的なファンがつき、その人気はどんどん“濃縮”されていった印象だ。

 そんな中、メンバーの真田佑馬と野澤祐樹の2人が、新ユニット「noon boyz」として、『森田一義アワー 笑っていいとも!』(フジテレビ系)の16代目いいとも青年隊に抜てきされる。

 当時、「ミスノは終わった……」と感じたファンも少なくなかったのではないだろうか。「ジャニーさん、売り出すのはその2人だけなの? ミスノはどうなっちゃうの?」と。

 そこで大きく関わってくるのが、タッキーだった。『滝沢歌舞伎2012』の公演中に、「noon boyz」の2人を除く6人(岩本照、深澤辰哉、渡辺翔太、阿部亮平、宮舘涼太、佐久間大介)が「Snow Man」として紹介される。名付け親もタッキーだったという(余談だが、ミスノの名付け親とメンバーセレクトはジャニーさん。「メンバーの頭文字を並べる」というお得意の命名法を元に思いついたそうだが、深澤の「F」を忘れるというキュートなおっちょこちょいエピソードがある。また「O」については結成当初メンバーだった小野寺一希から)。

 まさにタッキーに救われた格好のSnow Man。ファンは「ありがとうタッキー!」と感謝したものの、同時に、「ああ、もうジャニーさんはSnow Manに興味はないのか」「タッキーにSnow Manをあげちゃったのか」としんみりした気持ちになったのではないだろうか。

 しかし、だからこそファンの熱量はさらに高まっていく。 noon boyzが毎週月曜から金曜のお昼、テレビでウキウキウォッチングして知名度を上げる一方、Snow Manは技能集団として舞台班まっしぐら、メディアでの露出にはさほど恵まれていなかった。それにより、ファンの間には「私たちだけのSnow Man」という意識が芽生え、ますます人気が“濃縮”されていったのだ。

 Snow Manは舞台によく出るので、連日のように“会える”アイドルだったが、少数精鋭の熱量が高い濃いファンがこぞって足を運ぶうち、気づけばSnow Man出演の舞台チケットは取りにくいものとなった。ファンが“積む”額も、メディア展開の多いキラキラ系正統派Jr.よりはるかに高いのでは……という状況も生まれたのだ。

 その後、高いダンスパフォーマンススキルにより、タッキーだけでなくKis-My-Ft2やA.B.C-Zなどからも引っ張りだことなったSnow Man。そういった逸話もまた、「決してメインのキラキラJr.ではないけれど、確かな実力を持つプロ集団」という彼らの印象をより強化する一因になった。

 とはいえ、ジャニーズタレントであるからには、やっぱりCDデビューしたい、歌番組やバラエティ、ドラマ、映画にも出たいという思いは強かったはず。「私たちだけのSnow Man」に酔いしれるファンにも、そういう期待はもちろんあっただろう。

 しかし、なかなかCDデビューには至れず。ジャニーさんは彼らの実力こそ認めているものの、これまでのデビュー組と同じ売り方では、人気は得られないと感じていたのだろうか。

 こうしたジャニーさんからの“塩対応”が、メンバーの結束力を強め、彼らをずっと見守り続けたタッキーの思いに火をつけたのかもしれない。ファンと同じく、メンバーとタッキーの中でもデビューへの思いが“濃縮”され続けていった気がする。

 タッキーがタレント業を引退し、ジャニーズアイランド社長に就任してから、Snow Manは大きく動き出した。目黒蓮、向井康二、ラウールの3人が加入。メンバー増員には当初、反対を訴えるファンも多かった。新メンバーの3人は、切磋琢磨を続け、スキルを磨きまくってきた6人についていけるのか、グループとしてのレベルが下がってしまうのではないかと、ファンは不安を吐露していたものだ。

 それからほどなくして、Snow Manは9人体制で、SixTONESとともに2組同時デビューをすることが発表された。舞台『少年たち』をはじめ、共演する機会も多く、互いのメンバーの親交も深い2グループのガチンコ対決――King&Princeの前身「Mr.King vs Mr.Prince」においては、グループ名としてしか機能していなかった「VS」構造を、スノストが具現化した格好だ。

 しかし当初はメンバーそれぞれの認知度や知名度、レコード会社の力の入れようを見るに、はっきり言って、SixTONESのほうが格上という印象だった。 事実、SixTONESとSnow Manの両A面デビューシングルの売り上げの初動は、SixTONESメイン盤が僅差で上回った。

 ここで、もしかしたら、これまでずっとずっとひたすらに濃縮され続けてきたファンの熱量が一気に爆発したのかもしれない。「私たちだけのSnow Man」を「みんなのSnow Man」にしたい――その思いが結実したのか、のちにトータルセールスではSnow Manメイン盤が逆転している。

 以降のSnow Manの快進撃は、多くの人が知るところだろう。のちに「タキニ」という言葉が生まれてしまったほど、タッキーはSnow Manに情熱を注ぎ、メンバーはそれに応えるようにメディアを席巻した。タッキーもメンバーも、その濃縮し続けた思いを爆発させたのだろう。

 とはいえ、これほどまでにSnow Manの人気に火が付いた理由とは何なのか。彼らのパフォーマンスやルックスは、K-POPファンに響いたという話をよく聞くが、それは確かに“ある”気がする。

 コロナ禍の影響で、K-POPアーティストの来日公演がなくなり、渡韓もできなくなったK-POPファンに、「こんなグループが身近にいたんだ!」と驚きを持って受け入れられたSnow Man。これはつまり、ジャニーズの王道であるキラキラ王子様感全開ではない見せ方をすることで、生粋のジャニーズファン以外の人にも間口を広げられたということではないか。そして、YouTubeチャンネルで見せるそれぞれのキャラやメンバーの仲の良さが世間に浸透したことにより、その人気はさらに勢いを増したように思う。

 また、3人の新メンバーへの心配は杞憂に過ぎず、それどころか人気の起爆剤となった。ラウールは「パリ・コレ」に参加するなど、モデルとして頭角を現し、向井はバラエティにドラマ、雑誌連載と多方面でその器用さを発揮。そして目黒は俳優として大ブレークを果たした。それぞれが別のフィールドで、これまでとは違う方向からの新たな層のファンを獲得している。

 そして現在。「タキニ」批判なんてなんのその、売れているという事実により、さらなる人気を呼ぶ――そんな理想の流れに乗り、Snow ManはCD売り上げでミリオン突破を連発、ジャニーズのみならず、もはや日本で最も勢いのあるグループにまで成長した。

 ジャニーさんの力をほぼ借りずに、というかむしろ力を入れてもらえなかったことをバネにして跳んだSnow Man。彼らを跳ばせたのは、ほかでもない、古くからのファンの“濃縮”された熱量だろう。 まだまだ高みへと駆け上がっていく彼らの姿を、これからも見守り続けたい。

平野紫耀ら脱退直前――キンプリは「フードコート」のようなグループだと思うワケ

 さて、風薫る5月――平野紫耀、岸優太、神宮寺勇太がKing & Prince(以下、キンプリ)から脱退する日が、いよいよ近づいてきた。3人が抜けた後もグループは存続するわけだが、果たしてキンプリとは一体どんなグループなのか。今回、あらためて考えてみた。

キンプリ、CDデビューまでの道のり

 のちのSexy Zoneのメンバーらと同じラインで活躍し、その後Jr.の中心メンバー的なポジションに定着した岸と神宮寺。守ってあげたくなるようなセンシティブさを内包した野球少年という圧倒的な“ キャラ立ち”により、「Myojo」(集英社)の読者投票企画「Jr.大賞」の“恋人にしたいJr.”部門で2014年から5年連続1位を獲得した岩橋玄樹。

 一方、それぞれ関西ジャニーズJr.内のユニットKin Kan、なにわ皇子のメンバーとして『まいど!ジャーニィ〜』(BSフジ)にレギュラー出演し、そのルックスとキャラで「次世代注目Jr.」として人気を高めたのち、どことなく“スペシャル感”を漂わせながら東京へ拠点を移した平野紫耀と永瀬廉。 そしてダンスが抜群にうまいJr.として、突如現れた高橋海人。

 それぞれの場で、人気と注目を集めていた6人が、2015年春、シアタークリエの公演『ジャニーズ銀座2015』でメイン公演を務めることになり、ファンたちは「次のデビュー候補ユニットか!?」と一斉に色めき立った。

 その機運は、直後に発表されたイベント『テレビ朝日・六本木ヒルズ 夏祭りSUMMER STATION』の応援サポーターへの抜てき、6人に冠せられた「Mr.King vs Mr.Prince」という気合の入った 名前によって、さらに高まることに。当時はもう、完全にデビューへのレールが敷かれたとしか思えなかった。

 「Mr.King vs Mr.Prince」は、平野・永瀬・高橋からなる「Mr.King」と、岸・神宮寺・岩橋からなる「Mr.Prince」という3人ずつの2つのユニットを「VS」で相対させるという構成。2組が切磋琢磨しながら競っていくユニットというのは、いかにもジャニーさんらしい発想だ。そもそもの名前が「王様」と「王子」では、初めから対等ではないような気もするが。そんな格差付けもある意味ジャニーさんっぽい。

 しかし、ジャニーさんが気合を入れて作ったユニットに見える一方、サプライズ要素がないことも気になっていた。というのも、ジャニーさんはこういう場合、たいてい「ジャニーズ初の◯◯ユニット」「入所わずか数カ月のメンバーを抜てき」というようなサプライズを仕込むものなのだが……。

 「Mr.King vs Mr.Prince」には、なんというか、当時から“間違いない” メインディッシュが6皿並べられたような雰囲気が、少しだけあったのだ。

 その後、ほどなくして、この“VS”構造はどっかにいってしまい、「Mr.King」と「Prince」として、個別の活動が中心となっていく。のちにジャニーさんは、この6人でのCDデビューは考えていなかったと言われるようになったが、このあたりで「飽きた」――というと言葉は悪いけれど、この6人を 次期デビュー組としてプッシュする意欲も薄れていったような気がする。

 一方で、ジャニーさんの“スペオキ”であるSexy Zone・佐藤勝利とMr.Kingの3人でアメリカへ取材旅行に出かけることもあった。ジャニーさんの興味は当時、 「Mr.Kingだけでいいや」「勝利とMr.Kingで何かできないか」「勝利と平野の組み合わせはどうだろう」といった方向に移っていたのかもしれない。

 しかしその後、メンバーも語る通り、ジャニーさんに“この6人でデビューしたい”と直談判したことで、事態は急転。結果として、18年5月、ユニバーサルミュージックから大々的なCDデビューを飾ることになり、ファーストシングル「シンデレラガール」は、平野主演のドラマ『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』(TBS系)の主題歌に起用されて、大ヒットを記録した。

 これが、キンプリのデビューまでのざっくりとした道のりだが、先に述べたように、筆者の彼らのイメージは、ずっと“メインディッシュが6皿並べられたようなグループ”なのだ。 6人それぞれが、誰もが大好きな“鉄板メニュー”のようで、どのメンバーを推そうか……なんて 考えるうちに、キンプリって“フードコート”みたいなものなのかなという気がしてきた。

 ハンバーグにラーメン、カレー、オムライス、天丼、そば・うどん……個性豊かな人気店が一挙に揃うフードコート。お客さんはそれぞれ好きなお店のメニューを選び、同じ場所で一緒に食事を楽しむ。 キンプリ、そしてそのファンを想像すると、ますますフードコートのイメージに近い。

 しかしフードコートは、各店が一つになって何かに取り組んだり、コラボするということは、基本的にないのではないか。

 キンプリはデビューするにあたり、これまでの「VS」構造が解体され、 新たに「&」という記号が与えられた。これは、一つになるという意味合いが込められたものだが、“フードコート・キング・アンド・プリンス”は、結局1店ずつの「VS」スタイルという印象が強かった。彼らは年齢差もほぼなく、それぞれのキャラの強さもあってか、絶対的なまとめ役やバランサーが登場しにくかったという面があるように思うのだ。

キンプリがティアラから愛されてきたことは確か

 “王子様的正統派ジャニーズ”という事務所の看板的役割も大きかったキンプリ。その半面、「ジャニーズなのに」「ジャニーズらしからぬ」といった方向性で、世間から注目されることも多かった。そんな中、事務所から正統派を求められることに重圧を感じ、自分たちが思い描く活動と現実に乖離が生じたのかもしれない。

 メンバーは海外での活動を希望したものの、コロナ禍の影響などもあり、それもなかなか難しかった。そして去る者、残る者が生まれ、「King & Prince」という名前はこの先、永瀬と高橋の2人で背負っていくこととなった。

 「だから僕は言ったじゃない」――当初、6人でのデビューを想定していなかったというジャニーさんはそう言うかもしれない。もともと6店が出店していたフードコートは、1店が去り、3店が去り――5月23日以降、2店だけになってしまう。

 しかし、人気店が2店あれば、座席は埋まる。4店分の“設備”や“敷地”も使えるかもしれないし、うまくやっていけるだろう。そういう人気フードコートだっていくつもある。

 もし、「&」ではなく「VS」のままだったら、ジャニーさんがもっとデビューに意欲的だったら(その場合、この6人でなくなっていた可能性もあるが)――たらればばかり言ってもしかたないが、デビューから5年間、彼らが多くのティアラに夢を与え、愛されてきたことは確かだ。それは脱退が発表されてからの彼らのCD売り上げからも強く実感できる。

 フードコートのあった施設からいち早く独立した岩橋は、アメリカに拠点を移し、それなりに順調で見通しも明るい 。そして今後3人も、フードコートを飛び出して、岩橋のように独立したお店を出すのか、はたまた誰かと一緒に新たなお店やサービスを立ち上げるのか。それはまだわからないが、それぞれ人気店・行列店になることは確実だと思っている。

Hey! みんな元気かい? 錦戸亮、手越祐也、近藤真彦……元ジャニーズたちの2023年春

 近年多くの人気ジャニーズタレントが事務所を去った。退所後も順調に活動している人、辞めなきゃよかったのに状態の人、ほんとそれぞれだ。今回は、そんな元ジャニーズたちの今を追っていこうと思う。

 まずは元SMAPの退所メンバーについて。解散からもう6年半近くたち、時間こそかかったものの、今年1月には草なぎ剛主演ドラマ『罠の戦争』(フジテレビ系)が地上波プライム帯で放送され、好評を博したことも記憶に新しい(主題歌も香取慎吾とSEVENTEEN)。

 草なぎ、香取、そして稲垣吾郎の新しい地図メンバーについては、常にメディアで話題にのぼることも多く、中居正広に至っては、退所後も冠番組は継続。“いつもそこにいる”感は、体感的にジャニーズ時代とほぼ変わらないかもしれない。

 山P(山下智久)もまた、昨年のNHKドラマ『正直不動産』が評判を呼び、海外製作の配信映画やドラマも待機中。CM出演も多く、話題供給が尽きない。

 そして、滝沢秀明元副社長も、新たな事務所「TOBE」を設立し、オーディションの始動が発表されたばかり。その動向は逐一ニュースで報じられている。

 このように元ジャニーズたちの名前を挙げていると、「Hey! みんな元気かい?」と言いたくなってくる。

近藤真彦はレース界で大出世、手越祐也は埼玉テレビで冠番組開始

 そういえば、不倫騒動の末に退所した“マッチ”こと近藤真彦も3月上旬、『全日本スーパーフォーミュラ選手権』を運営する株式会社日本レースプロモーション(JRP)の取締役会長に就任というニュースを見た(前取締役会長は元F1レーサー・中嶋悟)。

 レース界のことにはまったく詳しくないけれど、おそらくすごいことなのだろうと、素直に驚いた。退所当初は、“ジャニーズの長男坊”はこれからどうなるんだろう……とうっすら気がかりではあったが、まさかレース界で偉くなっていたとは。歌手としても、今年1月からツアー『MasahikoとYoshio Live Tour 2023』を開催し(Yoshioとは、もちろんよっちゃんこと野村義男!)、意外にも順調そう。さらに、ダウンタウン・松本人志企画/プロデュースのAmazon Prime Video人気シリーズ『ドキュメンタル』シーズン12(今年5月26日から独占配信)にも参戦するそうで、期待が高まる。

 お茶の間レベルでの目立った活動があまり見えなかった元関ジャニ∞・錦戸亮はどうだろう。同じく辞めジャニである赤西仁とのユニット「N/A」は、20年9月にアルバムをリリースしたが、その後どうなった!? と思っていたところに、宮藤官九郎・大石静共同脚本のNetflixドラマ『離婚しようよ』(今年6月全世界配信スタート)への出演が発表された。さらに5月から放送の『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(NHK BSプレミアム)にも登場するとのこと。音楽活動より俳優業に活路を見いだした感もある。

 NEWSで錦戸と一時期同僚だった手越祐也はどうしているのか。退所直後に開設したYouTubeチャンネルが話題となり、数百万再生を記録する動画を連発していたが、最近は10万台に届かないものも目立つ。しかし、この4月から、ローカル局ではあるけれど、ゆるキャラ「ちぃたん」との冠番組『ちぃたん☆と手越祐也のホンキでいきます(仮)』(テレビ埼玉)がスタートし、Zepp羽田での2daysライブを皮切りに、全国ツアー『CHECKMATE』が開始となるなど、また活発化しだした感じだ。

 Hey! みんな元気そうだな……と感慨深くなる。

 元ジャニーズJr.の動向も追っておこう。7ORDERは、3rdアルバム『DUAL』が3月に発売され、4月からアリーナを含む全国ツアー開催など、順調に活動中。田島将吾もINIの人気メンバーとして活躍を続け、先日Travis Japanの松田元太&松倉海斗とのスリーショットが公開され、話題に。これまでなかなか実現しなかった現役と元ジャニーズの“共演”とあって、ファンたちに大きな驚きを与えた。これまで誰も越えられなかった“壁”を、ついに越えたかのような感動があった(そういう壁が実際に存在するのかどうかは知りませんが)。

 一方、お騒がせ系の辞めジャニといえば、元TOKIOの山口達也は、自身の経験を生かし、アルコール依存症や依存症全般に関する講演やセミナーを行う会社を設立。その名も「株式会社山口達也」……って、やっぱり「株式会社TOKIO」に寄せているのか? こうなると長瀬智也にも「株式会社長瀬智也」を設立してほしくなってくるが。

 そして、まさかのプロ雀士としての活動を開始した元KAT-TUN・田口淳之介は、タイ発のBLドラマで主演することが発表されるなど、斜め上の活動が気になるところ。ちなみに同じ元KAT-TUNの田中聖は、実刑判決からの保釈状態だ。

 元ジャニーズたちにも、いろんな「今」の姿がある2023年、春。

 この先、King&Princeから脱退&退所予定の3人も、退所した先輩を見てみると、それなりにやっていける、大丈夫な気がしてきた。

井ノ原快彦こそジャニーズの“顔”にふさわしい――トニセンコンサートに見た“やさしい世界”

 昨年10月末に退社したタッキーこと滝沢秀明氏(現TOBE社長)の後を受け、ジャニーズアイランドの社長に就任したのが、イノッチこと井ノ原快彦だ。突然の大抜てきに、世間は大きな衝撃を受けたが、筆者はなるほど、確かにイノッチこそジャニーズの“顔”にふさわしいと感じた。

「ジャニーさんの面倒をみる」井ノ原快彦はかつての誓いを果たしている?

 イノッチがジャニーズアイランドの社長にふさわしい理由を述べる前に、なぜ彼がこの大役を引き受けたのかについて考えてみたい。

 イノッチといえば、ジャニー喜多川元社長との間に、いくつもの“鉄板ネタ”がある。入所間もない頃、アイドル雑誌のグラビア撮影に参加したイノッチ少年。満面の笑みを浮かべた写真が掲載されるが、これを見たジャニーさん、その仕上がりに納得がいかなかったのか、

「誰が出ていいって言ったの!?」

と大激怒。次にお声がかかるまで、それなりの期間を要したという。

 ほかにも、イノッチが連れていた犬を、「カワイイねえ(はぁと)」と褒めたものの、「こんな不細工な飼い主に飼われてかわいそうにねぇ」と、屈託なく言ったこともあったそうだ。

 ルッキズムに厳しい今の時代でなくても、かなり問題アリな見た目イジリだが、ジャニーさんだからこそなのか、なぜか“許され”、イノッチ鉄板の面白ネタになっている。

 そんなイノッチは、ジャニーさんに嫌われていたのかといえば、そんなことはない。Jr.時代から仲が良く、しょっちゅうつるんでいたTOKIO・松岡昌宏の運動会に、ジャニーさんと一緒に駆け付け応援するなど、仲良しエピソードは豊富にある。あの見た目イジリも、2人の仲がいいからこそ、笑いのネタになった面もあるのだろう。

 そんなイノッチは、松岡と「俺たちで将来ジャニーさんの面倒みような」と誓い合ったこともあったという。そう、イノッチは、ジャニーさんが亡くなってしまった後ではあるものの、このときの誓いを、ジャニーズアイランドの社長になることで、いま果たしているのではないだろうか。

 きっとサプライズ好きなジャニーさんも、「まさかユーが社長になるなんてねぇ、面白いよ、ソレ!」と喜んでいそうな気もする(だけどやっぱり「不細工な社長だねぇ」というのかもしれないが)。

 それにしてもイノッチは、ジャニーズタレントとしては稀有な存在だ。NHK朝の情報番組『あさイチ』の司会を長きにわたり務め、現在は『出没!アド街ック天国』(テレビ東京系)の二代目宣伝部長(MC)を担当するなど、すっかり大物タレントに。一方、俳優業も好調で、主演するテレビ朝日系の刑事ドラマ『特捜9』シリーズは、4月からシーズン6が放送予定だ。人当たりのいいニコニコした笑顔が印象的なイノッチは、ジャニーズファンの枠を超え、お茶の間に愛される存在として、広く親しまれてきた印象が強い。

 とにかくコンプラが重視され、何かあればすぐ炎上するデリケートな今の時代。ジャニーズを取り巻く環境にも逆風吹く中、このイノッチの好感度――もっと言うと“いいひと”そうな感じは、ジャニーズの“顔”として適切だったのかもしれない。

 真面目な万年好青年というイメージが強く、かつタレント時代から長年Jr.と仕事をしてきたタッキーが“顔”だったことも、適切だったはずである。しかし、彼自身が個人的に大事にするタレントを重用しているのではないかと、ファンを疑心暗鬼にさせ、「タキニ」という言葉まで生んでしまった一面はスルーできない。

 もちろんジャニーさんだって、同じようにオキニに甘いところがあったのは有名な話だし、タッキーはそういう意味ではジャニーイズムをきっちり継承していたのかもしれないが、当たり前ではあるものの、タッキーはジャニーさんではない。

 その審美眼まで受け継いだわけではないし、オキニ贔屓疑惑でファンを紛糾させたのも、ジャニーさんのような“許されキャラ”ではないからだ (絶対にそんなことするわけないけれど、タッキーがJr.に「ユー、不細工だね、HAHAHA」なんて言っても、それは面白エピソードに昇華されないだろう)。

 そういった意味でも、これまでの活動で、Jr.たちとの接点があまりなかったイノッチは、彼らをフラットな視点で見ることができると思うのだ (「Jr.たちのことを知らないのに社長が務まるの?」という声ももちろんあると思いますが……)。

 イノッチが社長に向いていると思う理由はほかにもある。

 彼は言うまでもなく、21年11月に解散したV6の元メンバー、そして年長組である「20th Century(トニセン)」のメンバーだ。トニセンは、これも本人たちがよくネタにしているが、当初は年少組の「Coming Century(カミセン)」との格差が激しく、あらゆる場面で格下扱いされていた。

 V6解散後、そんなトニセンだけがグループとして存続するという変則的な“その後”をたどることになった。このトニセンを“残した”というところも、注目したいポイントだ。というのも、解散後、メンバー全員がソロ活動に移行せず、兄組だけではあるものの、グループとしての形を残したのは、これはもう、ファンのためというほかない気がするのだ。

 トニセンという箱を残し、V6解散後も楽曲を発表し、コンサートも開催してくれる。さらには、今年5月の退所を発表した三宅健に明るくエールを送り、すでに退所した森田剛の誕生日にはお祝いのメッセージを発信してくれる――こうしたトニセンの行動には、ファンへの思いやりが感じられ、そのメンバーであるイノッチこそまさに、 “みなさまに愛される”ジャニーズの“顔”にもってこいだと思うのだ。

 ちなみに、トニセンファンもまた、ギスギス度が低いというか、平和な印象がある。先日のコンサートの際にも、銀テープを多く取ったファンが、取れなかったファンのために「ご自由にお持ちください」というような状態で、置いていくという光景が見られた。こうした“やさしい世界”を生み出せるのもまた、トニセン、そしてイノッチの魅力だろう。

 中居正広やTOKIOはもういない。ヒガシ(東山紀之)やKinKi Kidsは王子様感が強く、Jr.にとっては近寄りがたいところがあるかもしれない。 そんな中、落ち着いた大人の男性の雰囲気を持ちつつ、 いい意味での普通さ、ちょうどいい庶民さを持つイノッチは、やはりジャニーズアイランドの社長になるべくしてなったのではないか。

「そんなこと、僕は最初からわかってたんだよ。50歳近くになったら、ユーがもっと愛されるようになるって。不細工だったユーも、いい顔になるよって。そうだ、今ならアイドル誌に出ていいよ! ユー、撮られちゃいなよ! 」

 天国からジャニーさんの声が聞こえたような気がした。

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7 MEN 侍・中村嶺亜が歩み続けた「不憫」の歴史――「Jr.大賞」第1位に思うこと

 7 MEN 侍・中村嶺亜の歴史とは、不憫の歴史である。

 ものすごく失礼で申し訳ないのだけれど、そんなことを思いながら、ずっと彼のことを見てきた。

 しかし今年、「Myojo」(集英社)恒例の読者投票企画「あなたが選ぶJr.大賞」で、「恋人にしたい」部門の第1位を獲得したのだ。

<第1位 7 MEN 侍 中村嶺亜>

という字ヅラだけで、胸が熱くなってしまった。

 昨年の同部門は、見事1位を獲得した松田元太以下、Travis Japanのメンバーが7人全員トップ10入りするという無双ぶりを見せ、その勢いのまま年内に世界デビュー。つまり今年は、上位を占めた7人がごっそり抜けた中での開催となり、どんなランキング変動がみられるかと思っていたが、なんと嶺亜が第1位! このとき感じた嶺亜の“報われた感”について、今回は書き記していきたい。

キンプリ候補から外されてしまった中村嶺亜の“不憫”

 嶺亜の入所は2009年。オーディション合格後すぐ、鳴り物入りで結成されたスノープリンス合唱団のメンバーに選出された(現HiHi Jetsの井上端稀らも選抜)。いわゆる正式デビュー扱いではないものの、同ユニットはCDをリリースし、出演映画が公開され、さらには企画枠ながら『NHK紅白歌合戦』にも出場している。

 冒頭で嶺亜のことを「不憫」と述べたが、スタートは不憫どころか超エリートだ。しかし、スノプリといえば、当時激推しされていた森本慎太郎(現SixTONES)ありきといって差し支えないユニットで、その実、“慎太郎と仲間たち”状態であったことは間違いない(映画の主演ももちろん慎太郎だった)。いきなりこのようなグループの一員になれただけでもすごいと捉えられるが、そこはかとない不憫さが漂う。

 そんなふうに、常に“なんとなく”いい場所に、“なんとなく”いたものの、だからこそ不憫さが際立っていたのが、この中村嶺亜なのだ。

 その後、Sexy Zoneが11年秋にデビューすると、そのバックとして、結構いいポジションについた嶺亜。2ndシングル「Lady ダイヤモンド」のMVで見せたてんとう虫の着ぐるみ姿のかわいさも話題を集め、一時期は岩橋玄樹、岸優太、神宮寺勇太あたりと一緒のラインで活躍していた。

 しかし、そこにやって来たのが、当時、関西Jr.の平野紫耀と永瀬廉。彼らと一緒に組まれたのが、「Sexy Boyz」と名付けられたユニットだった。一方、当時の嶺亜は高橋海人や現在は退所した角田侑晟ともパフォーマンスを披露することもあったのだが、そうこの顔ぶれ、のちのKing&Princeなのである。嶺亜は、いつの間にかキンプリ候補から外されてしまったわけで、なぜそうなったかはわからないが、これは不憫中の不憫といえるだろう。

 さらにその後、同じくスノプリで活動していた年下のJr.・橋本涼(現HiHi Jets)がソロ歌唱する際、なぜかバックを務めたこともあり、やはり不憫さを感じてしまった。

 嶺亜の「不憫」は、まだまだ続く。彼の特技はスケボーで、ステージやテレビ番組などで難易度の高い技を披露することもあった。しかし、ジャニー(喜多川)さんが大好きなだったのは、スケボーじゃなくて、そう、ローラースケート。光GENJI、Kis-My-Ft2、HiHi Jets、そしてGo!Go!kids……綿々と続くローラースケートジャニーズの歴史を振り返ると、スケボーは微妙に異端であり(SMAPの前身・スケートボーイズもいたにはいたが)、ジャニーさんのアンテナには引っかからなかったのかもしれない。

 そして18年、最年長メンバーとして嶺亜が軸となるユニット「7 MEN 侍」がついに結成される。中村嶺亜、逆転のターンが来るか!? と思ったものの、同ユニットのメインは、バンド活動だったのだ。

 もちろん、バンドはかっこいい。ジャニーズでは、過去に男闘呼組、TOKIOなど、バンドスタイルメインで大活躍したグループは存在する。特にTOKIOが事務所を独立した今、7 MEN 侍は貴重な存在なのだが、ダンス歌唱が中心というイメージの強いジャニーズ事務所内では、やっぱりちょっと異端であり、そんなところも不憫に感じてしまうのだ。

 さらに20年には、同グループの佐々木大光も出演した初主演舞台『SUPERHEROISM(スーパーヒーローイズム)』が開幕。しかし、新型コロナウイルスが猛威を振るう中、初回公演のみで以降が中止になるという、“コロナ不憫”にも見舞われてしまった(21年に再演、全公演完走)。

 このように、幾度となくスポットは当たってきたものの、どこかちょっと“持ってない”感がある嶺亜。しかし、さまざまな人気Jr.たちの栄枯盛衰が見える「Jr.大賞」の「恋人にしたい」部門で、10年連続トップ10入りするなど、ずっと人気が高いのも確か。単なる不憫萌えを発動する根強いオタクが一定数いるというだけでは、これほどの長期間、人気を維持することはできないはずだ。

 あざとかわいく、ちょっとフェミニンな雰囲気を持ちつつも、奥底に男っぽさ、芯の強さが垣間見える嶺亜。スケボーだけでなく、絵やギターも得意で、芸術系の大学を卒業している。そのアートセンスは『プレバト!!』(TBS系)でも評価されるほどのものだ。アピールポイントはむしろありすぎるくらいあり、知れば知るほど、気になって仕方なくなる沼力を持つ男――それが中村嶺亜なのだ。

 攻め続けて15年目、ついにつかんだ「第1位」という栄光。

 いままさに、NHK大河ドラマ『どうする家康』が放送中だが、「鳴くまで待った」嶺亜の時代がついにやって来るのか。はたまた、このままデビューに至らず「◯年連続1位!」という、喜んでいいんだか悪いんだか……な流れになってしまうのか。

 それもまた中村嶺亜的かもしれないが、その行方が今から楽しみでならない。

サイゾーウーマン ジャニーズ情報専用Twitterアカウント「J担しぃちゃん」オープン

『家政夫のミタゾノ』の“珍味感”を高める、TOKIO・松岡昌宏の存在感と可能性

 TOKIO・松岡昌宏が主演を務める連続ドラマ『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日系)の第5シリーズが、今夜最終回を迎える。同作は、2016年に第1シーズンがスタート。深夜の「金曜ナイトドラマ」枠ながら、世帯平均視聴率8%台(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を獲得することも珍しくない、大人気ドラマだ。

 松岡は、家政婦を派遣する「むすび家政婦紹介所」で、なぜか女装をして“家政夫”として働く謎多き人物・三田園薫(みたぞの・かおる)を好演。家事全般を華麗にこなす“スーパー家政夫”でありながら、派遣先の家庭で起こる問題を見抜き、“根深い汚れ”をスッキリ落としていくという、探偵のような役割も担っている。

 今でこそ大人気ドラマとなった『家政夫のミタゾノ』だが、シリーズスタート当初は、松岡の女装姿に衝撃を受ける声が続出。180cmを超える高身長であるうえに、“TOKIO・松岡昌宏”としては、ドラムを叩いたり、『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)で農作業をしたりする姿がおなじみだったため、ファンからも「違和感がすごい!」などと言われていた。

 そんな松岡について、サイゾーウーマンの人気連載「ジャニーズツッコミ道場」を担当していた田幸和歌子氏は、『家政夫のミタゾノ』が始まった当初の同連載にて、「初回を見たとき、思わず困惑し、探してしまった。主演の松岡がどこにいるかわからなかった」と驚きをつづっている。

 さらに、ミタゾノを演じる松岡が、ある芸人に見えてしまう理由について真剣に考察。女装によって、なぜか2人は「近づいてしまう」というのだが……。今夜の最終回に合わせて、同記事を再掲する。
(編集部)


“珍味ドラマ”×TOKIO・松岡昌宏の可能性を感じる、『家政婦のミタゾノ』における存在感

 今回ツッコませていただくのは、10月21日にスタートした金曜ナイトドラマ『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日系)に主演中のTOKIO・松岡昌宏。

 もともと『家政婦は見た!』(同)のパロディ『家政婦のミタ』(日本テレビ系)のさらにパロディという禁じ手であり、ダダすべりするか含み笑いを呼ぶか気になる作品ではあった。

 だが、まず初回を見たとき、思わず困惑し、探してしまった。主演の松岡がどこにいるかわからなかったからだ。そして、しばらくの間、自分がココリコ・田中直樹だと思って普通に見ていた人物が、主演の松岡だとわかったときは、結構本気で驚いた。

 あらためてTOKIOが登場している駅の中吊り広告を見たり、ほかのテレビ番組で松岡を見たりしてみるが、どこにもココリコ・田中はいない。まったく似ても似つかない。でも、ドラマ『ミタゾノ』の方は逆に、どこにも松岡が存在しない。こんなにも一致しない2人が、「女装」によって近づいてしまうのは、なぜなのか。

 1つには、田中がコントで女装したり、ヒッピーのようなロン毛姿をしたりするインパクトが「大柄な女装の松岡」と重なることもあるだろう。だが、田中が女装やヒッピー姿をする機会なんて、さほど多くない。

 もう1つには、平常時における松岡のルックスが、お弁当に入っているバランのような前髪のインパクトによって支えられていることもあるだろう。『ミタゾノ』をやる前は、あの髪形は個人的には『スラムダンク』(集英社)の仙道さんだと思っていたが、バラン部分をなくしてみると、意外に「松岡」感は一気に薄まる気がする。

 そしてもう1つ、松岡のアラフォーとは思えない肌艶や、キラキラの瞳のせいもあると思う。ツヤツヤピカピカの肌が女装のカツラとメガネで覆われ、あまり見えなくなり、瞳の輝きもメガネの奥に沈み、さらに演技によって鈍く怪しい光に変わっている。ココリコ・田中の大きく特徴的なアゴも、女装のカツラなどであまり見えないときは、こんな感じに薄まっていると思う。

 ちなみに、ココリコ・田中は役者としても非常に存在感があるが、松岡の存在感もまた、すごい。

 もともと180センチ超と、かなり長身だが、『ミタゾノ』のときには「女装」によって、普段よりなおさら大きく見えている。一目見て、浮きまくっている。そういえば、嵐・大野智の主演ドラマ『怪物くん』(同)のデモキン役も、やたらデカくて存在感がありすぎて、怖かった。

 『ミタゾノ』第2話では、素晴らしい身体能力を発揮していたが、疾走シーンの異常なスピード感や、塀を飛び越える瞬発力などは、明らかに普通の人間と違っていて、やっぱり浮きまくっている。思えば、『必殺仕事人』(テレビ朝日系)シリーズでも、その動きのキレは発揮されているわけだ。

 ドラマ経験は多数あるものの、ヒットした主演ドラマというと、『サイコメトラーEIJI』(日本テレビ系)くらいしかないかもしれない松岡昌宏。それでも松岡のこの存在感は、ドラマや映画などで生かせる場所がまだまだある気がする。

 ドラマ内に盛り込まれる「家事の裏技」が要るかどうかという声も一部にはあるが、その珍妙な調理具合も含めて、このドラマの珍味感を高めている。松岡の珍味ドラマの可能性を、もっともっと見たい。
(田幸和歌子)

※2016年11月1日初出の記事に追記、編集を加えています。

「何を演じてもキムタク」な演技は、木村拓哉のおもてなし!? 草なぎ剛とは真逆なあり方

 木村拓哉が主演を務める木曜ドラマ『未来への10カウント』(テレビ朝日系)が、いよいよ4月14日にスタートする。木村は、元アマチュアボクサーで高校のボクシング部コーチとなった主人公・桐沢祥吾を演じ、学生たちとぶつかりながらも、互いに成長していく青春群像劇になるようだ。

 共演者には、満島ひかりや安田顕といった実力派俳優のほか、King&Prince・高橋海人、山田杏奈、村上虹郎ら若手の注目株も登場。さらに、『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』や『緊急取調室』といった、高視聴率作品が放送されている枠とあって、『未来への10カウント』にも注目が集まっている。

 木村は同枠で『BG〜身辺警護人〜』(2018、20年)の主演を務めており、どちらも全話平均世帯視聴率15%台(ビデオリサーチ調べ、関東地区)とヒットを記録。一方で、木村の演技については、これまでネット上で「何を演じてもキムタク」などと揶揄されることも多い。

 しかし、サイゾーウーマンの人気連載「ジャニーズツッコミ道場」を担当していた田幸和歌子氏は、17年に木村主演ドラマ『A LIFE~愛しき人~』(TBS系)が放送されたタイミングで、そんな“「キムタク」感”をドラマで出すことは、“キムタク流おもてなし”だと考察。加えて、来年1月期にフジテレビ系月曜午後10時枠のドラマで主演を務める草なぎ剛は「自然体」で、木村とはタイプが違うと分析している。

 そこで、『未来への10カウント』スタートに合わせて、同記事を再掲。今回は、一体どんな“木村拓哉”が見られるのか期待しながら、ぜひ振り返ってみてほしい。
(編集部)


“キムタク流おもてなし”の演技、“そういう人”の草なぎ剛……真逆な主演のあり方

 ジャニーズドラマ、さらにはジャニーズ事務所全体が弱体化しているように見える昨今。

 背水の陣で登場したのが、「エース」木村拓哉主演の『A LIFE~愛しき人~』(TBS系)と、「個性派&実力派」の草なぎ剛が主演する『嘘の戦争』(フジテレビ系)だ。

 視聴率はどちらもそこそこ。しかし、数字よりも、出来栄えは十分に本気度を感じるものとなっている。脚本の良さや共演者の豪華さ、丁寧な作りは、近年の二番煎じや行き当たりばったりの他ジャニーズドラマとは比にならない。

 しかし、それが成立するのは、キムタクの放つスターオーラや、草なぎの演技力・不思議な説得力あってのものだ。両者のドラマにおけるあり方は、真逆と言ってもいいかもしれない。

 まずキムタクは、悪く言えば「何を演じてもキムタク」がやはり『A LIFE』においても健在である。ほかの医師があきらめ、あるいは面倒を避け、手を出そうとしない手術でも、それが目の前の患者にとって最良の方法なら、周囲の反対にあいながら挑もうとする。

 「キムタクならなんとかしてくれるだろう」と思わせる安心感は、これまで散々多数のドラマの中で演じてきた「キムタク」というパブリックイメージあってのものだ。実のところ、SMAP解散を経て、そのパブリックイメージこそが危うくなったいま、ドラマへの影響が不安視されたが、『A LIFE』ではまったく揺るぎない「キムタク」をきっちり演じている。

 特に「キムタク」感溢れていたのは、第2話。一度は手のしびれから仕事を続ける希望を絶たれ、自殺未遂してしまった和菓子職人・森本(平泉成)の病因を突き止めた沖田(キムタク)は、本人の合意を得て、周りの猛反対にあいつつも、手術を強行、成功させる。森本はうれしそうに、息子が作ったという和菓子を沖田に渡す。すると、本来は患者からお礼を受け取ってはいけないのもお構いなしに、目の前で箱を開け、豪快にむしゃむしゃと食べてみせるのだ。

 もし受け取ったとしても、部屋に持ち帰り、みんなでお茶菓子としていただくのが普通だが、キムタクはそんな普通なことはしない。わざわざ本人の前で、しかも、和菓子に似つかわしくない豪快な食べ方でパクついて見せるというのは、いかにもな“キムタク流おもてなし”に見える。

 『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)の「ビストロスマップ」でも、ゲストを迎えたトークなどでは、相手が喜ぶことをちょっとわざとらしいくらいにやってみせ、「キムタク」力を見せていた。ドラマでも、丁寧に作られた作品の細部に、きちんと「キムタク」という既存のキャラクターが生かされているのだ。

 一方、『嘘の戦争』の草なぎは、先ほど「演技派」と書いたが、正直なところ、本当に「演技派」なのかよくわからない。なぜなら、演技しているようにはまったく見えず、本当に「そういう人」に見えるからだ。

 大きな表現をせず、目の表情の変化や頬の筋肉の動きだけで、感情が伝わってくる。同じ“笑顔”をしていても、どこか遠くを見るような虚無の目が多い中、施設の子どもたちにじゃれつかれているときだけは、本当に笑っているように見える。

 実際の草なぎは、最も嘘をつけないタイプに見えるのに、ドラマの中では実に滑らかに舌が回る。こんなにも饒舌なのは、好きなモノの話をするときだけではないだろうか。演技になると、ナチュラルに饒舌にもなるし、姿勢も仕草も、別人のものになる。いわゆる「憑依系俳優」とも違っていて、役が乗り移るというよりも、草なぎ自身の中にある1つの顔がそのまま出てきているのではないか、と思うほどに自然体なのだ。

 ちなみに、最初、『嘘の戦争』でコンピュータに強い詐欺師見習いを演じるSexy Zone・菊池風磨の演技が、ちょっと邪魔に見えた。フードをかぶってタルそうにしゃべる様子には「なんちゃって赤西仁か」「隙あらば、すぐにかっこつけてくるな」などと思った。

 だが、いくら斜に構えてみても、草なぎ演じる主人公・一ノ瀬の放つ本当か嘘かわからない発言をすぐに信じ、動揺し、振り回され、一挙手一投足に目を白黒させる。これは、ドラマを見ている視聴者の「視点」、心の動きともリンクしている。そう思うと、カッコつけてみせることにも意味があるのだ。

 ともあれ、今クールのドラマを大きく牽引していると言っていい2つのジャニーズ主演ドラマ。久しぶりに数字や世間の評判を心配せず、純粋にのめりこめんで見られるジャニーズドラマの登場が、ちょっとうれしい。
(田幸和歌子)

※2017年1月31日初出の記事に追記、編集を加えています。

ネイサン・チェン、ジャニオタの心をくすぐる“萌え要素”とは? 演技だけではない魅力

 2月10日、北京オリンピックの「男子フィギュアスケート・フリー」が行われる。同8日の「ショートプログラム」の時点で、日本の鍵山優真選手が2位、宇野昌磨選手が3位、羽生結弦選手が8位という結果に。そして、世界最高記録となる113.97点をマークしてトップに立っているのが、アメリカのネイサン・チェン選手だ。

 世界選手権などでは金メダルを多数獲得しているものの、オリンピックでは個人のメダルを手にしていないネイサン選手。2018年の平昌オリンピックが初出場だったが、緊張からか失敗を連発し、5位という結果に終わっている。まさに今回の北京オリンピックは、そのリベンジを果たす舞台にふさわしいだろう。

 そんなネイサン選手はフィギュアスケートファンだけでなく、ジャニーズファンも「ハマらずにいられない」という。2019年にライター・南山ヒロミさんがサイゾーウーマンにつづっていたネイサン選手の「萌え要素」とは……? 演技だけではない魅力を伝えるべく、あらためて同記事を掲載する。
(編集部)


(初出:2019年4月17日)

 以前から、「ジャニーズ系美少年」と言われ、ジャニオタに人気のあるフィギュアスケートの宇野昌磨選手。その人気ぶりは、宇野選手の画像をTwitterのアイコンにするようなジャニオタが多数いることからもよくわかる。

 確かに、小柄で童顔、色白美肌、まあるい「美ほっぺ」、パッチリキラキラの目をした愛らしいルックスに加え、高い身体能力や、真面目で努力家、負けず嫌い、素直で正直で「天然」風味なところなどは、ジャニオタの好みど真ん中だろう。

 さらに、いま、一部のジャニオタの心をざわつかせているスターがいる。それは、アメリカの19歳、フィギュアスケート世界王者のネイサン・チェン選手だ。「このところ」といっても、2017~18年シーズンで「ISUグランプリファイナル」2連覇、17~19年で「全米フィギュアスケート選手権」3連覇、さらに今年3月に開催された「世界フィギュアスケート選手権」では、18年に続いて2連覇を果たすなど、その実力は以前からよく知られるところ。

 また、アメリカの名門・イェール大学で統計学を専攻し、将来は医大への進学を視野に入れ、スケートと学業を両立させていることも広く知られている。

 多種類の4回転ジャンプを跳ぶ技術の高さや、体操経験による体幹の強さ・ジャンプの軸のブレなさ、バレエ仕込みの足のつま先から指先まで美しい動き、細かく音を刻んで踊るリズム感の良さなどは、素人が語れる類いのものじゃない。

 しかし、ネイサンには知れば知るほどハマらずにいられない「沼」要素がてんこもりなのだ。

 胸筋・背筋のバランスの良さや均整の取れた体つきから、スラリとした長身に見えるが、実は166センチという小柄ぶりは、ジャニオタ的理想のジャストサイズ。パッチリキラキラの目でなく、涼し気な目と、スラッとした鼻筋は、ジャングルポケット・太田博久に似ているとも言われ、王道ジャニーズ系ではないが、嫌いな人のいない清潔感溢れる顔立ちではないだろうか。

 ちなみに、練習着説もささやかれるほどシンプルな衣装が多く(本人はテレビ番組で否定)、競技中にはよく衣装がめくれて腹チラするが、その筋肉のつき方はいやらしくなく、しなやかスベスベかつ知性的で、「マッチョ嫌い」が多いジャニオタ的にベストな美しさだ。

 しかも、小柄で19歳という若さからは想像がつかないほど、落ち着いた低音の美ボイスである。ジャニーズでは近年、デビュー組からJr.に至るまで、どういうわけかしゃがれ声や高い声のタイプが圧倒的に多いだけに、「低音イケボ」のレア感には一発で心を持っていかれてしまう。頭の回転が速すぎて聞き取れない早口の英語も、大きな特徴だが、宇野選手など、母国語が英語でない人と話すときには、ゆっくりしゃべってくれるという親切ぶりも良い。

 さらに、父親は広西医科大学を卒業した後、渡米して博士号を取得した医科学分野の研究員で医療技術企業等のオーナーだとか、母親は医療系通訳者だとか言われており、5人きょうだいの末っ子で3歳からスケートを始め、ピアノやギターも弾けるなどという経歴・属性も眩いばかり。

 さぞ裕福な家庭で育ったのかと思いきや、最初は姉のスケート靴をおさがりで使っており、成長によって靴の新調が必要になった際は買うお金がなく、将来有望なスケーターを支援するマイケル・ワイス財団から奨学金援助を受けて、靴を購入したというエピソードもある。ちなみに、今は大学の寮で6人部屋暮らし中。好感度が高すぎるにもほどがある。

 しかも、並外れた頭脳と身体能力に加え、福祉の心も強く、競技で来日した際には、移動の合間をぬって多忙な日程の中、国立成育医療研究センターの慰問なども行っている。

 こうくると、「あまりに完璧すぎて、ちょっとなぁ……」などと難癖つけたくなるのが、オタク心というもの。しかしながら、心憎いことに、世界王者で頭脳明晰なのに、どこかヌケているネイサン。大事な場面で上着のチャックがなかなか上げられなかったり、演技中に衣装がめくれあがりすぎて、手で必死に押さえながら高速の美しいスピンを見せたりと、ヌケどころも絶妙だ。

 性格もまた、非常に控えめでシャイで、エキシビション終了後などに各国の代表選手が集うときは、華やかな女子選手とではなく、野郎たちの中に紛れて目立たない場所にいることが多い。「世界フィギュアスケート国別対抗戦」のときなども、あまりに普通の佇まいであることから、一般学生が部活帰りに紛れ込んだくらいに見えることもある。

 宇野選手のキス・アンド・クライ(演技後に選手とコーチが得点発表を待つ場)のとき、自分がカメラに抜かれたシーンでは、「自分じゃなく、あっち(得点発表待ちの宇野選手)を映してあげて」と両手でジェスチャーしてみせ、その人格者ぶりがTwitterで大いに話題になった(過去にもこうした場面は何度か見られる)。

 また、国別対抗戦のときには、パリピ的な“陽キャラ”集団のアメリカのチームメイトたちに囲まれながら、合間に隅っこでPCを開いて勉強している姿が話題になった。まるで、有名進学校の運動部員が定期試験直前に部活の大会に参加しているような光景である。

 しかも、ジャニオタ的には考えられない、奇跡的な楽しみは、インスタグラムの投稿で動向をチェックできること。「39秒前には起きて、『いいね』してる!」などとリアルタイムに知ることができるだけでも、ソワソワが止まらない。にもかかわらず、ナルシストな面が皆無であるために、ファンが見たいのはご本人の姿だというのに、投稿するのは本人が一切写っていない大好物のラーメンやバスケ、ナイキのスニーカーなどばかり。ほとんど一般高校生の日常のようでもある。

 しかも、大きな大会で輝かしい成績をあげた直後に、小犬の動画に「いいね」をしていることなどを知ったときには、誰もが身悶えせずにいられないだろう。

 聡明で人格者で、アメリカ的な紳士さ、スマートさと、東洋人的奥ゆかしさ、遠慮深さ、シャイさと、ヌケ具合を併せ持つ王者、ネイサン・チェン。フィクションのキャラですら、これ以上に加えられるギャップ・萌え要素が見つけられない完璧ぶりなのだ。
(南山ヒロミ)

ジャニーズ事務所の特徴「兄弟Jr.」の切なさと魅力! “理想形”川崎皇輝・星輝と“王道”伊藤翔真・篤志

 ジャニー喜多川社長が亡くなって1年以上が経過し、ジャニーズ事務所はどんどん普通の芸能事務所化しつつある。そんな中でも、ほかの事務所にはあまりないジャニーズならではのユニークな特徴の一つに、「兄弟揃って入る」というパターンがある。

 古くは、光GENJIの内海光司とその兄、同じく兄と入った元SMAP・森且行、江端郁己・郁世という双子兄弟、同じく双子の堀越大輝・湧太や、さらにV6・三宅健と弟、KAT-TUN・亀梨和也と野球大会のみ参加した弟。ほかにも弟でいえば、Hey!Say!JUMP・中島裕翔、Kis-My-Ft2・藤ヶ谷太輔、元NEWS・森内貴寛(現「ONE OK ROCK」のボーカリスト・Taka)、元Ya-Ya-Yah・山下翔央などが、弟と共にジャニーズに入っていた。変わり種では、ジャニー喜多川氏がタイのムエタイ道場に飾られていた写真に目をつけ、直接スカウトしたSnowMan・向井康二とその兄もいる。

 母や姉、いとこのお姉さんなどが兄弟を同時に送り込むケースもある一方で、レッスンについてきて、あるいは写真を見てなどの理由で「YOUも入っちゃいなよ」的に兄弟が勧誘され、そのまま入ったというパターンも多々ある。

 しかし、少年たちにとって、入所からしばらくは習い事くらいの感覚で、「仕事」という意識が芽生えるのは、だいぶ先のこと。そのため、多くの習い事がそうであるように、兄弟のどちらかがうまくできたり、楽しいと感じたりする一方で、どちらかあるいは両方が嫌になったり、別のことに興味が出たり、受験シーズンを迎えたりで辞めていく。そして、辞めたほうが別の道で成功するケースも多々ある。林拓音、林蓮音のように、実力差は多少あるにしても、アクロバットの職人系として切磋琢磨している兄弟は幸せなケースだ。しかし、たいていはいずれにしろ兄弟で入所すると、一緒にレッスンに行き来できる便利さはあるが、気苦労もついて回るものだろう。

 その筆頭が、おそらくSixTONE・田中樹だ。兄はもちろん元KAT-TUNの田中聖で、かつてはグループ活動だけでなく、個人でもドラマに出演するなど華々しく活躍していた。そんな兄を持つ樹は、男5人兄弟の賑やかな家庭について語ることが多く、『ザ少年倶楽部』(BSプレミアム)の「Jr.にQ」コーナーでは、頻繁に田中家の定番「ツタンカー麺」(大量の焼きそば。バージョンがいくつかある)を紹介していた。

 しかし、兄・聖が度重なるルール違反行為で専属契約を解除され、後に大麻取締法違反容疑で逮捕されたのは誰もが知るところ。「ツタンカー麺」について無邪気に語っていた頃の映像を見ると、今でもかなり切なくなる。

 また、同じくSixTONESの森本慎太郎の兄といえば、元Hey!Say!JUMPの森本龍太郎だ。兄が先にデビューしたとはいえ、慎太郎もジャニーズ史上最年少ユニット「スノープリンス合唱団」のセンターとして、2009年に最年少CDデビュー。さらに、翌年のHey!Say!JUMPコンサート『Hey!Say! 2010 TEN JUMP』あたりの頃は、中山優馬と共に11~12人目のJUMPのように見せ場たっぷりで活躍していた。

 だが、兄がストーカー被害に遭い続けていたストレスもあってか、未成年喫煙が報じられ、無期限活動休止からの退所へ。それに伴い、かつては「ど真ん中王道キャラ」だった彼が、自ら脇にまわり、優しき“筋肉ゴリラ”キャラへとシフトしていく。

 また、Jr.ユニット「少年忍者」のヴァサイェガ渉にも、彼とよく似た美形の兄がいたが、退所。その後も芸能活動を続け、ジャニーズコンサート会場で自身の公演を宣伝するビラ配りなどもしていた。一方、ジャニーズに残った弟・渉はというと、かつては「Jr.にQ」でもお菓子のことばかり話す自由で無邪気な子だったが、歌やアクロバットなどを磨き、ハイスペックJr.として「少年忍者」のメインメンバーになっていく。

 兄の退所の理由がなんであれ、それを機に、ジャニーズに残る弟が突然、それまであった「子ども」の姿を卒業するのはちょっと切ない。しかし、その分、残った彼らは強い覚悟を持って活動しているように見えることが多く、胸が熱くなる。

 ところで、関西ジャニーズJr.にも有名な兄弟がいる。かねてより「室三兄弟」という名が西から轟いていた。しかし、関東人が関西ジャニーズJr.を見ることができる機会は、かつては年1回の『ザ少年倶楽部in大阪』と、12年10月から放送が始まった『まいど!ジャー二~』(BSフジ)程度で、それゆえ『まいジャニ』放送当初は、「なかなか個性的なルックス=室兄弟」といったイメージで、どこか心に引っかかっていた。しかし、そうしていつも心に残るのは長男でも三男でもなく、次男の龍太だったことが後に発覚。さらに、兄も弟も退所し、俳優など別の道を歩むことになったことを知るにつけ、「室三兄弟における『室的』要素のほとんどを次男が担っていて、その核だけがジャニーズに残るべくして残ったのか」と妙に感心した。

 そんな室との組み合わせ抜群なのが、V6・岡田准一を補佐する「ひらかたパーク」の“ちび園長”、関西ジャニーズJr.の伊藤翔真、篤志兄弟だ。どちらも王道系の可愛さだが、より幼い弟・篤志が「みんなの弟」キャラになりがちであることから、お兄さんは少々分が悪い面がある。そんなことも、ジャニーズ兄弟あるあるだろう。

 そんな中、これまでいなかったタイプの兄弟が、川崎皇輝・星輝兄弟ではないだろうか。兄・皇輝のほうは、NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』で三島弥彦役を演じた生田斗真に顔が似ていると言われるが、実は川崎家はその三島家の子孫であることがわかっている。

 ちびっこJr.たちの一軍にほぼ所属し、しっかり者で落ち着きもあり、「少年忍者」の絶対的MCかつリーダー的(というか、担任の先生的)存在でもある兄・皇輝。しかし、同じく「少年忍者」のメンバーでありつつ、兄組でもなければ年少組でもない、「ミドル忍者」と言われる弟・星輝のほうは、“デキる兄”にコンプレックスを抱くわけでもなく、目立とうと必死なわけでもなく、空気を読みつつ、おちゃらけている。それでいて、アクロバットや縄跳び(四重跳びまでできる)などをはじめ、高い身体能力を持ち、ジャニーズ動画サイト「Johnny's ISLAND TV」などでも豊かな発想力・企画力を発揮する一面もあるのだ。

 一方兄は、そんな弟の「頭の回転が速く発想も柔軟で、でも飽きっぽい」という長所と短所を知り尽くしており、温かく見守りながら口出しはせず、ときどき放り出すものの尻拭いはするという有能ぶりを見せている。これまで、ジャニーズの兄弟のどちらかが分の悪い思いをしていたと思うと、まさしく、ジャニーズ理想の兄弟である。しかも、兄弟二人の“自宅でのやりとり”が「ISLAND TV」によって見られるのは、つくづく良い時代が来たなあと思う。

 何かと気になるジャニーズ兄弟ウォッチは、今後も一つの課題として続けていきたいところだ。
(南山ヒロミ)