『ABChanZOO』の「ラブホテル」テーマで味わった、A.B.C-Z5人それぞれの奥深さ

 今回ツッコませていただくのは、4月22日放送の『ABChanZOO』(テレビ東京)から「学校では絶対に教えない“義務じゃない教育”ラブホテル経済学」。

 そもそも「ラブホテル」というテーマがOKになるジャニーズグループは、A.B.C-Zを除くと、TOKIOと関ジャニ∞、ギリギリKis-My-Ft2くらいではないだろうか。とはいえ、塚田僚一、河合郁人、橋本良亮はともかく、心配なのは、「真面目でお上品」イメージの戸塚祥太と五関晃一だ。

 講師は、「これまで訪れたラブホテルは3000軒以上、宿泊は100泊以上」というラブホテル評論家の日向琴子氏。まず冒頭で切り込んだのは、やっぱり河合だ。

「3000軒? ちょっといいですか? 誰と?」。半分は取材、「半分はプライベートで」という返事にニヤニヤしたのは、河合と、驚いたことに後ろの席に座っていた五関だった。河合が続けて「そもそもラブホテルって儲かるものなんですかね?」と聞くと、五関もやっぱりニヤニヤ。

 また、「風営法」「旅館業法」のラブホテルの違いについて、風営法のほうは「SMルーム、回転ベッドなどHなモノを置いてOK」という説明をする際、先生がチラリと顔の向きを変えると、戸塚が言う。

「なんでSMルームの時、俺のこと見たんですか」

 ラブホテルの3大利用客は誰か、というクイズでは「普通のカップル」「不倫カップル」のほかにもうひとつ「男同士とか」と答える河合。ジャニーズが言うのは、ちょっとどうかと思うが、続けて真顔の戸塚が言う。「ご無沙汰のカップル」。さらに、「○○○○」というクイズの伏せ字を見た橋本が、「4文字ですよね? ※●△×(放送されず)」と真顔で言い、先生に「それ言って、大丈夫?」と聞かれてしまう(※正解は「大人の遊び(プロとの遊び)」)。

 そんな中、「ラブホテルの女子会プラン」にはさまざまなものがある、という話題で、それまであまり言葉を発していなかった塚田が言う。

「あれもいいかもしれないですね。ジャニーズのコンサートを見て、ラブホテル(に泊まる)。地方とかも行ったりするんで、宿泊が大変っていうのも聞いたりするので」

 その発言を、先生は「ファンのこともよくわかってる」と評価し、次のように言う。

「遠征先は必ず宿不足になるんですって。で、ラブホテルに泊まってカラオケもできます。予習復習をホテルでやってる女の子も実際います」

 お茶の間では「芸人」扱いされがちな塚ちゃんだが、実は意外と「常識人」であることが発覚してしまうのも、「『えびちゃんズー』あるある」のひとつである。

 

 そして、最も盛り上がったのが、「儲かりそうなラブホテルの名前を考える」コーナーだ。

・河合「ファーストタッチ」→評価:いいが、ダサい。
・塚田「サマーバケーション」→評価:儲からない。夏しか使えない。
・戸塚「ディカプリオ」→評価:なんかデカそう。いろんな権利が関わってきそうでダメ。
・五関「あそこ」→評価:もうあるから儲からない。

 名前が発表される度、河合が「アキャキャキャ」と馬のいななきのように高笑いしたり、周囲がニヤニヤしたりする中、しかし橋本だけは笑わず下を向いている。まるでカンニングでもしているような真剣な表情で。そこで掲げた回答は……。

ほっかいどう…じゃがボッキル
千葉…らっか性者
おきなわ…ラフ天

 実は、課題へあまりに深く没頭し、真剣かつ貪欲に多数の回答を考えていたために、他人の回答など耳に入ってこなかったのだった。呆れるほどの集中力である。

 ちなみに、先生がオススメするラブホテルの名前は、「インパクトがあること」「女子目線でオシャレ」ということで、実在のラブホ名として「ローズリップス」「やんちゃな子猫」「サンタのお家」が挙げられた。

 これを受け、河合が果物名を取り入れるのはどうかというと、先生は「あるね」と言い、実在のラブホ「バナナとドーナツ」を挙げた。「それ、完全に狙いにいってますね」(橋本)「贅沢な遠足のおやつですね」(河合)というコメントに続き、真剣な顔で考えていた戸塚が言う。

「バナナとドーナツとミルクだと、完璧ですよね?」

 戸塚の下ネタはかなり意外だったが、もっと意外だったのは、涙を拭きながら一番笑っていたのが五関だったこと。また、戸塚は料金設定をいきなりほぼ正解し、「さすがピンク(メンバーカラー)」と自分で言っていた。

 それぞれ、これまで知らなかった意外な面がたくさん発見された『ABChanZOO』。A.B.C-Zの奥の深さを毎回感じさせられる素晴らしい番組だと、あらためて思った。
(田幸和歌子)

『ジャニーズ大運動会2017』で感じた、ジャニーさんの気配と「名珍場面」

 今回ツッコませていただくのは、4月16日に開催された『ジャニーズ大運動会2017』名珍場面。

 J-RED軍監督をKAT-TUN・上田竜也が、J-WHITE軍監督をKAT-TUN・中丸雄一が務めていたため、「ここに亀梨がいれば……」という思いはあった。しかし、勝負に対してガチすぎる上田と、通常運転の気ままトークの中丸との対比は、大きな見どころだった。

 『大運動会』を取り上げたワイドショーなどでは、Sexy Zone・中島健人がフリースローを外して「セクシーソーリー」と言う場面や、Kis-My-Ft2玉森裕太&藤ヶ谷太輔のコメントなど、デビュー組ばかりが紹介されていたが、実際には多数のJr.が活躍した「ジャニーさんの私的遊び」感満載の運動会だった。

 まずJr.ユニットからデビュー組まで、オリジナル曲やデビュー曲を歌いながら登場するなか、「東京B少年」だけはメンバー一人ひとりの名前が紹介される。ジャニー社長の力の入れ方はハンパないし、彼らのフレッシュなキラキラ感もハンパない。「50mダッシュバトル」では、『炎の体育会TV』(TBS系)で「上田ジャニーズ陸上部」に属する管田琳寧と、J-RED軍監督・上田竜也が1位、2位に。同番組に出演する諸星翔希との、「ニヤニヤすんな」のお約束のやりとりも見られて、サービス満点だった。

 「野球バトル」は、J-REDが中山優馬、J-WHITEが東京B少年・那須雄登の先発でスタート。どちらも経験者らしい好投だったが、スタメンはデビュー組が多かったためか、特に白組では当たり損ねのフライを落下させたり、送球をことごとく後逸したりと、守備の弱さがどうにも目立った。解説のデーブ大久保も、必死に「着こなしがサマになってますね」などと、妙な褒め方をしていた。

 解説のトーンが変わったのは、Prince・岩橋玄樹の好守備から。また、J-WHITEの捕手・高橋優斗の安定したキャッチングや好打撃、途中から選手交代で中村海人、田中樹、末武幸紘(いずれもWHITE)、七五三掛龍也(RED)などが入ったことで、ちゃんとした野球になる。

 結局、活躍したのは野球経験者だらけだが、「ジャニーズ」ならではの珍事が多数あった。幼い頃から仕事をしている者も多いためか、野球経験の有無どころか、ルールがわからない者も多く、野次を飛ばしまくる中丸は「アンパイアに言ってください」と言われると「アンパイアって何ですか」。また、「振り逃げ」がわからなかったり、守備でも出塁時もずっとベースを踏み続けていたりする者もいた。

 代走で出たSexy Zone・松島聡などは、打者が打つまでベースを踏んでいて、デーブが投球に合わせて「ヨーイドン」と言った途端、急に走り出す有り様。それが面白かったため、その後はデーブがマイクでアドバイスする展開となり、会場は大いに盛り上がった。

 また、多数のデビュー組とJr.が集まる場だからこそ、あらためて発見したこともある。

 ひとつは、Kis-My-Ft2・北山宏光の、大きなリアクションを絶妙なタイミングでカメラに抜かせる「テレビタレント力」の高さ。バッターボックスにやる気満々で向かう際に代打を出され、大げさに怒ってみせるリアクションには、安定安心のバラエティ力が感じられた。また、「PKバトル」「フリースローバトル」で失敗し、口元に手をあててショゲるKis-My-Ft2・藤ヶ谷太輔の「乙女リアクション」に見る、繊細な女子力も良かった。

 もうひとつは、腰痛のためか競技に参加しなかったにもかかわらず、スクリーンへ映し出されるたびに「きゃ~~~~!」と大歓声を受ける、Hey!Say!JUMP・山田涼介の「スクリーン職人&スター力」。グループで披露した「ウィークエンダー」では、山田のパート「スウィートアンサー」で会場が揺れるほどの絶叫が起こり、『ジャニーズワールドの感謝祭』を思い出してしまった。

 山田はほかにも、投手・中山と打者・知念侑李の対決を茶化し、スクリーンにアップで映されて大歓声を浴びたり、ラストでは中山、知念と「NYC」で集まって「勇気100%」を踊って会場を沸かせたりしていた。JUMPではほかに、J-WHITE軍のキャプテン・薮宏太の、俊足・鈴木瞬映に「足は速いけど、しゃべりは遅いね」というツッコミをはじめとした、毒舌&自由すぎるトークが冴えていた。

 ジャニーズWESTと「お祭り」イベントは、相性が良いということもわかった。愛されキャラの濱田崇裕は終始笑いをとりつつ、場を盛り上げる。また、「運動音痴」で知られる中間淳太は、野球バトルの応援団で、韻を踏んだ妙な応援をして味方をズッコけさせたり、障害物ダッシュバトルでは運も味方した謎の実力(?)を発揮したりと、大活躍。ほかには、中山の歌のうまさ。ただでさえ音響の良くない東京ドームで、イヤモニをせずあれだけ踊って歌える実力は、素直にすごいと思う。

 また、「障害物ダッシュバトル」で多くの選手が苦戦する「Jr.探しゾーン」において、選手として出場したPrince・神宮寺勇太が中村嶺亜を引き、神宮寺×嶺亜の「セクバ」でゴールしたところも、会場中が湧いた。

 また、東京B少年、なかでも那須に対する歓声の大きさ。野球のときにも、投手の那須がアップで抜かれるたび、あちこちから「可愛い~♪」という声が上がったが、披露したNEWSの曲「BYAKUYA」のセリフ部分では、若い子から大きいお姉さま方まで含めた黄色い声の「ぎゃ~~~!」という大絶叫が響いていた。

 ちなみに、東京B少年の活躍や、「野球」以外にも、「ジャニーさん、ココに来てる感」をヒシヒシ感じる場面がいくつかあった。

 ひとつは、関西ジャニーズJr. ・大西流星と、ドラマ『母になる』に出演中(日本テレビ系)の道枝駿佑が「YOU、出ちゃいなよ」的に突然の参加したこと。また、「フリースローバトル」での「ジャニーズにも得意な人がたくさんいると思いますけど、例えば堂本剛君がすごく上手で」といった、A.B.C-Z・河合郁人の唐突なフリ。

 また、「一番盛り上げたで賞」になぜか知念が選出されたこと。実際、知念は中山との対決などで野次に怒るフリをし、ヒットを打つなど盛り上げていたし、頑張っていた。でも、やや唐突感があったために、会場ではざわめきが起こったが、「なんで?」と一番思ったのはおそらく知念本人だろう。

「これからも、世界中を盛り上げていきたいと思います!」と笑顔でめいっぱいおどけてみせていたが、その顔は心底困ってるように見えた。

 長丁場で名珍場面の多かった『ジャニーズ大運動会2017』。ジャニーさんのプライベートイベントにお邪魔させていただいたようだ、ありがたい機会だったのだと思う。
(田幸和歌子)

『ジャニーズJr.祭り』、開演80分遅れの惨事が生んだ“信じられない”演出の数々

 3月下旬に横浜アリーナで行われた『ジャニーズJr.祭り』の追加公演が、4月8~9日にさいたまスーパーアリーナで行われた。

 この追加公演は、スマホなどでデジタルチケットを表示して入場するシステムになっていたことから、「本人確認はあるのか」「QRコードが読み込まれず、入場できない場合もあるらしい」などと、さまざまなウワサが事前に飛び交い、不安視する声も多かった。

 ところが……。現実は、想像以上の大惨事となる。8日昼の公演において、デジタルチケットの不具合により、入場できない人が大量に出てしまうという事態が起こったのだ。Twitter上には「QRコードを読み込む機材のトラブル」「手書きのチケット配布」「席がない」などといった状況報告や、原因を推測する呟きなどが続出。入場できずに返金手続きとなったという声も上がり、「お金を返せばいいってもんじゃない」という怒りも噴出していた。わざわざこのために時間を作り、遠方から交通費をかけてやってきた人たちも多数いるのだから、当然のことである。

 一方で、無事入場できた人にとっても、これは忘れられない実に不思議なイベントとなった。

 午前11時開場、午後12時半開演予定のはずが、開演15分前でも会場はガラガラ。開演時間になってもやはり空席が目立ち、アナウンスで入場に関するトラブルと開演時間の遅れが告げられた。

 開演の遅れ自体はまださほど珍しくもないことだったが、開演から15分ほどたっても何も始まらず、そこでMr.KINGが「声」だけでまず登場。その場をつなぐために、まだメイクもしていないすっぴんのまま、ステージ裏から「ラジオ生放送」状態で必死におしゃべりを始めたのだった。

 そこから、Prince、SixTONESなど、各ユニットが順番に「声」だけ登場。一通り意気込みなどを語り、トークが一周した後に、さらに時間稼ぎのための各ユニットの告知が延々と行われた。全部「ステージ裏」からの声の出演である。

 そして、全ユニットのステージ裏トークが2周した後、開演予定時刻よりほぼ1時間遅れとなった午後1時24分の時点で、ようやく始まるかと思いきや、まさかの信じられない言葉が告げられる。

「今日はスペシャルラッキーデーということで! ここから17分、今日ここでしか見られない先輩方の映像を流します!」

  Jr.たちも皆、こんな大きなトラブルはおそらく未経験で、それでもなんとかファンを盛り上げようと必死で、可哀想ではある。

 しかし、過剰に盛り上げ、気を使ってくれるあまり、死ぬほど何度も「この間に皆さん、トイレに!」「お化粧直しを!」と口々に勧めてくる。平野紫耀などは「今のうちに、トイレで出してきてください」などと言わなくてもいいことを口走っていた。ここまで何度も言われると、トイレに行かないと申し訳ない気にもなってくる。

 そこから流れた映像は、Sexy Zone→堂本光一『Endless SHOCK』→KinKi Kids→NEWS→滝沢秀明→関ジャニ∞→亀梨和也『Dream Boys』→Sexy Zone→A.B.C‐Z→嵐→タッキー&翼→A.B.C‐Z→Hey!Say!JUMP『ジャニーズワールドの感謝祭』→滝沢歌舞伎という内容だ。まるでジャニーさんの自宅のリビングなどにある「私物」を提供してくれたのではないかと思うような映像の数々である。

 Sexy Zone、A.B.C‐Z、タッキーという「ジャニーさん物件」がヘビロテになるのは予想通り。しかし、こういう流れで光一はともかく、KinKiの2人を見るのは非常に新鮮だったし、今や「ジャニーさん物件」でなくなってしまった筆頭の嵐・JUMPが登場したときには、意外性も手伝ってか、会場が大きく湧いた。

 しかし、KAT‐TUNやSMAPは仕方ないとして、TOKIOやV6もお茶の間の人気タレントということで除外して、Kis‐My‐Ft2とジャニーズWESTの映像がないことはちょっとひっかかる。また、映像を見ながら、少年たちが輪になって海パン姿でビショビショに水浴びする姿にクスクス、ざわざわし、タッキーのバックにいるA.B.C‐Z・河合郁人のアップでどっと大笑いし、タッキーの浮き輪+海パン姿でクスクスし……という、ジャニオタならでは楽しみ方もあった。

 手前味噌で恐縮だが、これは1年に一度、サイゾーウーマンが阿佐ヶ谷ロフトで開催している「ジャニーさんの誕生日会」イベントの光景と非常に近い。笑いのポイントもやっぱり似ている。それをさいたまスーパーアリーナという大規模会場で行うという贅沢さ(?)は、Jr.たちが何度も強調していた「経験ない」ことだった。

 そして、映像が終わったのは午後1時42分。

 「ジャニーズの歴史を感じる」「楽しかった」などと一生懸命Jr.たちが盛り上げるものの、この時点であと100人のお客さんがまだ入場していないこと、今入場中で、あと5分くらいかかるということが告げられた。

 結局、無事に開演したのは、午後1時50分。予定より80分遅れである。波乱万丈のJr.祭りの追加公演初日。入場できなかった人はもちろん、入場できた人にとっても、おそらく後々までずっと語り継がれるであろう「ジャニーズ事務所らしい」惨事だった。
(田幸和歌子)

ジャニーズコンサートに慣れ親しんだ体で、ハロプロコンサートに初参戦して感じたこと

 ジャニーズのコンサートを見慣れた目に、ハロプロコンサートはどう映るのか。それを確認するため、3月18日、パシフィコ横浜 国立大ホールで開催された『モーニング娘。’17コンサートツアー春~THE INSPIRATION!~』、ツアー初日の夜公演に参戦してみた。

 会場の女性ファンは、結構多く3~4割ぐらいの印象。ジャニコンでの男性率はまず1割に満たないことを思うと、かなり多めだ。女性ファンの方が全体的に年齢層は低めか。胸に「10」とか「12」とか数字の書かれた色違いのカラーTシャツを着ているファンも多い。数字が「10期」や「12期」といった加入した時期を表し、Tシャツの色がメンバーカラーを表している模様。オレンジの10なら10期の工藤遥ファンだ。これはわかりやすい。

 今回は2階席で参戦。開演直前を告げるアナウンスとともに、会場のあちこちで、ファンがメンバーの名前を大声で叫んだり、ストレッチを始めたりする……ストレッチって!?

 OVERTUREとともに、ますます大きくなる歓声、そして客席を埋め尽くすペンライトの光。そう、ハロコンも、ペンライト文化である。ただし、ジャニーズのようなツアーごとに形状や色が異なるものではない。基本的には、現在のアイドルや声優のコンサートで定番の、色の変えられるブレード型のペンライトを持つ(ジャニーズも『サマーステーション』など一部公演で似たものを導入しているが)。基本的に贔屓のメンバーカラーを点灯する感じだが、現在のモーニング娘。’17は、計13人。ジャニーズ最多人数グループのHey!Say!JUMPよりさらに4人も多い。13色で揺れるペンライトが醸し出すカラフルな光景は、ちょっと幻想的でもある。

 一方で、ハロコンには、うちわ文化がない。メンバーの顔写真の印刷された公式うちわや、「バーンして」「じゃんけんして」などなど、ファンサを求めるうちわを掲げる、ジャニーズでおなじみの光景はそこにはない。

 そんなことを思いながら眺めていたら、1曲目、最新シングル「BRAND NEW MORNING」のイントロが。それとともに、段差のあるステージ上段に、スクッと立つ2人のメンバーのシルエット。逆光にうかぶシルエットがやたらカッコよく見える。新加入したばかりの13期メンバー、加賀楓と横山玲奈だ。続いて残り11人のメンバーも登場。

 真っ赤なスパンコールのド派手な衣装で、「新時代の幕開け!」と高らかに宣言し、歌い、踊る。現在のモーニング娘。’17の一番の武器は、大人数を生かしたフォーメーションダンス。キレのいい動きとギラピカの衣装で次々入れ替わるメンバーたち。2階席ということで、フォーメーションの動きを上から見られるのがまた楽しい。大型スクリーンにメンバーたちの姿が映し出されるが、フォーメーションの見せ場では、俯瞰のカメラからの映像が映し出される。これがまた、「おー」とか言っちゃいそうな感じで面白い。これは、ジャニーズにも導入してほしいところだ。

 近年のモーニング娘。は、いわゆるEDM系の曲が多く、激しいリズムに合わせて踊りまくるものが多い。感覚的にはJUMPやKis-My-Ft2に近いだろうか。群舞の迫力は、テレビよりもステージで見る方がより映えるようにも感じる。

 ここぞというところのソロパートで出てくる小田さくらの存在感。そして、リーダー・譜久村聖の安定感。モーニング娘。’17はダンスだけじゃなく、歌ウマメンバーだらけ、で声量もある。ジャニーズだと、誰かしら「アレ?」ってなったり面白ボイスだったりするメンバーが大抵いるのに。しかも、これだけ踊って生歌がブレないのもすごい。

 現在のハロプロアイドルは、研修生時代から歌とダンスをみっちり特訓し、いわば“ハローズJr.”として基礎を作り上げた状態でデビューする流れが多い。入所半年でいきなりデビューといった例はなかなかなさそうだ。そう思うと、次の原石は誰なのか、ジャニーズJr.を見るように研修生もチェックしたくなってくる。

 そして、ステージはすごいが、カッコよさの中にどこかトンチキな世界観があったりする。この“カッコいいトンチキ”は、他アイドルファンよりも、ジャニーズファンだからこそすぐなじめるのかもしれない。以前、ハロプロファンの女子大生に聞いた、「ジャニーズと兼任のファンも結構いるんですよ」という話が、よく理解できた。

 会場のファンも、踊りまくるメンバーに負けじと、ペンライトを手に、踊る、踊る。ジャニコンでも、振りマネしたりすることはあるが、ハロヲタは、かなり全力度が高い。全身で、全力。メンバーと同じフリを、踊る、踊る。男性ファンは汗だくだ。オペラグラスで熱心にステージを見る女性ファンもいるが、「メンバーを見てないの?」というぐらい男性は踊る。これにより、メンバーとの一体感が生まれるのだろうか。

 今回の席の周囲にはそんな“熱い系”ファンが多く、プロ野球観戦で外野席の私設応援団の中に混ざっているかのような、「なんだかわかんないけど楽しい」的な雰囲気がある。

 曲に合わせた「ウリャ」「オイ!」とかの掛け声も、ジャニコンにはあまりないお作法(ジャニは「キャー」とか「ギャー」とかの絶叫系だ)。掛け声に合わせて手を上げたりするそのテンポは、高速餅つきみたいだ。あと、メンバー同士でくっついたりするときの「キャー」も、ない。そこはあまり興味がわかない部分なのだろうか。「恋愛レボリューション21」や「モーニングコーヒー」など、ところどころ、往年の大ヒット曲も挟まれるが、最新のアレンジで最新のメンバーにアップデートされているところにも、新鮮な発見がある。なんとなく、原曲の“カッコいいカバー”バージョンを見ているみたいだ。

 モーニング娘。は、ジャニーズと違い、卒業と新加入を繰り返しながら歴史を紡いでいくグループだ。代々続く老舗ののれん、変わらぬ味・秘伝のタレ的なものを守りながらも、時代に合わせたメニューも出すような感じ。ジャニーズでは、そのスタイルはなかなか受け入れられにくいかもしれない。

 メンバー紹介曲でもある「女子かしまし物語」は、辻希美・加護亜依、道重さゆみなどがいた時代の曲だが、これも現メンバー版で歌われる。このとき、モニター3面ぶんに映像と文字情報が次々映し出され、ジャニーズだとメンバーが外周などに分散したり、大量のJr.が出てきたときなんかの「目が忙しくなる」状態にちょっと近い(ちなみに研修生はバックで踊っていない)。

 ジャニーズにあって、ここになかったものもある。ロック風のアップテンポ曲で客席をあおったりもあるが、手を振ったり投げチュー的な、いわゆる“ファンサ”はほぼしない。ひたすら見せる、見てもらう意識が感じられ、ストイックさがある。ファンサは握手会などでしているのだろうし。

 ジャニーズ名物のフライングもない。エンディングの「俺たちが~」「WE ARE~」的な掛け声も、ない。ジャニーズとハロプロ。似てるところ、違うところ、いろいろ感じながらの、あっという間の2時間。

 今度はちょっとぐらい踊ってみるか、1階席だと雰囲気はどうなのか、別のハロプログループのステージはどんな感じなのか。そんなことを思いながら、入口でもらったチラシのファンクラブ入会の案内をあらためて眺めてみた。
(太田サトル)

ジャニーズ好き目線で、ハロプロ番組『The Girls Live』や過去番組を見て気づいたこと

 「ジャニーズとハロプロを兼任しているオタクは結構いる」とか「ハロプロファンになぜかSexy Zoneが人気」といったことは、ときどき耳にする話。小学生くらいから事務所に入る子も多いため、成長を見守ることができる点、楽曲やステージにアメリカンテイストが取り入れられているなどの共通点が指摘されることもある。

 近年では、ジャニーズファンの間で、「『こぶしファクトリー』(※すでにハロプロに実在)というユニット名で9人のジャニーズJr.がデビューするらしい」というデマがTwitterで広まったこともあった。

 また、昨年、モーニング娘。’16の「泡沫サタデーナイト!」の曲に、Hey!Say!JUMPやジャニーズWESTをはじめとしたジャニーズ画像や映像があてはめられる、「コラボ祭り」がネット上で盛り上がったこともある。

 とはいえ、具体的に一体どこが似ているのか。ジャニオタ(Hey!Say!JUMPファン)目線で、℃-ute、モーニング娘。’17、アンジュルム、Juice=Juice、カントリー・ガールズ、こぶしファクトリー、つばきファクトリーらが出演する番組『The Girls Live』(テレビ東京、木曜深夜1時~)や、過去の動画などをチェックしてみた。

◎トンチキなタイトルや歌詞が似てる!
 6月末で芸能界を引退する「ももち」こと嗣永桃子のカントリー・ガールズ卒業のシングルは「Good Boy Bad Girl/ピーナッツバタージェリーラブ」のダブルA面。

 後者の曲は甘く可愛く心地よいメロディだが、タイトルの意味がまるでわからない。「恋しているととろけちゃう→ピーナッツバターとイチゴジャムみたい」ということのようが、やっぱりわからない(ちなみに、作詞には三浦徳子が参加)。ジャニー社長が名付けたJr.ユニット名「天才Genius」とか「宇宙Six」のようなネーミングセンスに近いものを感じる。

 また、モーニング娘。’17の新曲は「BRAND NEW MORNING」。何度も繰り返される「新時代の幕開け」や「新たなる大統領(トップ)に困惑の過渡期だ」など、大仰な言葉が並ぶのは、かつてのHey!Say!JUMPの曲のよう。アンジュルムの「上手く言えない」にも唐突に「大統領」が出てくる。

 つばきファクトリーのデビュー曲のカップリング「Just Try!」では、「知らぬが仏」などと古めかしい言葉を使ったかと思えば、「他人(ひと)のことが気になる 他人(ひと)のことは楽しい」と日常のチマチマしたことを歌った挙げ句、「人間とは如何なる者か」と、急に大きな話を始める。これは久しぶりのつんく作詞のようだが、唐突に大きな視点で語るのは、ジャニーズにも共通している。Hey!Say!JUMPの「ありがとう~世界のどこにいても~」では、ひたすらいろんな国の言葉で「ありがとう」と言っている中で、急に「So僕らはニンゲン 人生」「地球をつつみだす」と飛躍する。

 JUMPの「OVER」で「疲れてんだよOver」などと、かったるそうに言いつつ、「家族、担任 おざなりOver」と、とてつもなく幼稚な言葉をキメ顔+キレキレダンスで歌い上げるのもちょっと似ている。

◎「和風」を唐突に入れるのも似てる!
 例えば、モーニング娘。’15の「青春小僧が泣いている」では「いろんな奴がいる」「いろんな道がある」などと普通のことを言った直後に、唐突に「色は匂へど 散りぬるを 我が世誰ぞ 常ならむ」と歌う。しかも、和風の曲なのにギラギラ衣装。こぶしファクトリー の「ドスコイ!ケンキョにダイタン」に何度か出て来る「人生は諸行無常」 や、同じくこぶしの「急がば回れ」なども、和の世界が大好きなジャニーズと共通している。

◎フォーメーションダンスが似てる!
 ハロプロはパフォーマンス重視であるだけに、歌もダンスもスキルが高く、生歌率の高さはジャニーズの比ではない。

 しかし、ダンスは、AKB48系やEXILE系が基本的にその場で手足を動かすスタイルであるのに対し、「フォーメーションダンス」に力を入れている点が、ハロプロではモーニング娘。、ジャニーズではHey!Say!JUMPで共通している。

 “歌うま担当”の小田さくらが左右をかき分けながら、真ん中にズイッと出てきて歌うパートがあるが、JUMPならそこはさしずめ山田涼介か。強い目ヂカラとキレキレのダンスで「恨むな~か~れ~愛した~まえ~」(「BRAND NEW MORNING」)と歌いながら真ん中に進み出る山田の姿は容易に想像できるし、「しんじだいのまっくっあっけっ」(同)と9人が歌い、その周りをJr.のちびっ子たちが旗を振りながら踊る様子も浮かぶ。

◎不思議な演出が似てる!
 カントリー・ガールズの「Good Boy Bad Girl」で左右に分かれて向き合い、芝居のような掛け合いをするのは、ジャニーさんお気に入りのミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』のよう。途中、唐突に誰かがマイケル・ジャクソン風衣装+ムーンウォークで出てきても不思議ではない(※ジャニーズの1つの定番)。

 チェッカーズのカバー曲「涙のリクエスト」で若手・梁川奈々美が唐突にサックスを吹くのは、ちびっ子ジャニーズJr.が先輩のコンサートや舞台で、唐突に特技を披露するのにも似ている。

 さらに、番組『The Girls Live』内では、「アンジュルムが和太鼓とSPコラボ」として、画面を左右に二分割し、片方ではアンジュルムの曲に合わせて和太鼓を打つ最年少・笠原桃奈を、もう片方ではMVを流すという妙な演出を行っていた。普通なら実際にアンジュルムが歌い、踊る場所で和太鼓を打てば良いと思うのだが、MVに被せるという雑な感じは、ジャニーズのようだ。そもそも「和太鼓」はジャニーズ舞台にはほぼ必須である。

◎ファンの需要とズレてるところが似てる!
 『The Girls Live』では毎週、美術館に行ったり、オルゴールの歴史を聞きに行ったり、相田みつをの世界を学びに行ったりする。メンバーは非常に真剣だが、ファン的にはどこに需要があるのか。これは、JUMPがハイカロリーの物ばかりを食べたり、子どもの苦手の克服ばかりしている『リトルトーキョーライフ』(同)『いただきハイジャンプ』(フジテレビ系)などと似ている。

 また、つばきファクトリー・小野田紗栞が「フラッシュ暗算」(特技はそろばん)に挑戦したときも、楽屋(?)で一人静かに問題を解く姿を映すだけという、地味な扱い。気象予報士資格を持つ、Jr.ユニットのSnow Man・阿部亮平をきちんと生かすことができていないジャニーズと似ている。

 ジャニオタが見ると、見れば見るほど、知れば知るほど引き込まれるポイントの多いハロプロ。次はぜひ「現場」に乗り込みたい。
(田幸和歌子)

関西ジャニーズJr.・道枝駿佑が持つ、圧倒的な「次世代スター性」に寄せる大きな期待

 今回ツッコませていただくのは、4月にスタートする沢尻エリカ主演の連続ドラマ『母になる』(日本テレビ系)にメインキャストとして出演することが決まった、関西ジャニーズJr.の道枝駿佑。

 スポーツ紙でドラマ出演の発表があるや、すぐさまTwitterのトレンド1位に「道枝」が入る注目ぶりには、驚いた。

 しかし、実はこの名前がネット上を賑わすのは、この冬~春にかけて、すでに何度目かになる。

 最初は、毎年春に行なわれる大阪松竹座の舞台『関西ジャニーズJr.春のSHOW合戦』公演決定が発表されたとき。関西ジャニーズJr.の総出演に近い舞台にもかかわらず、出演者に道枝の名前がなかったことから、ファンの間で一時は「まさか退所では?」「まさか何かの発言で(社長の)怒りを買って、干されたのでは?」などと不安視されていた。

 Jr.総出演系の舞台出演者の中に、ピンポイントに名前がないだけで「退所では?」などとファンに不安視されるのは、東京・関西問わず恒例のこと。しかし、Twitterのトレンド入りするまでの騒動になるのは、道枝がすでに関西ジャニーズJr.の人気上位にあること、何より「次世代センター」として期待する声があるからだ。

 そんな中、一部では「ドラマなど大きな個人仕事が入ったのではないか」ともうわさされ、真相はわからないままに再び話題になったのが、3月1日放送の『ザ少年倶楽部』(BSプレミアム)。

 もともと関西ジャニーズJr.が同番組に出演するのは、出張版の『ザ少年倶楽部 in関西』のときくらいなのだが、A.B.C‐Zメドレーのときに道枝が東京Jr.たちに混ざって突然登場したということが、収録に参加した番組協力の人のつぶやきから発覚。たちまちTwitterで拡散された。

 さらに、番組が放送されると、「道枝くん、イケメンすぎ」「可愛すぎる」と話題に。実際、ちびっこJr.の中に混ざって登場、その名が紹介された際には、観客席がザワザワし、大きな歓声が沸いた。

 観客が色めき立つような、ざわめきと歓声。Twitterやネットの掲示板には「これがウワサに聞く道枝くんか」という書き込みがいくつも見られた。このネット時代に、可愛さ、かっこよさの評判が、関西からじわじわ轟いてくるワクワク感というのは、それだけですでに大きなスター性を感じる。

 さらに、「Jr.にQ」コーナーでは、司会のA.B.C-Z・河合郁人から「何しに来たの?」と強めにイジられ、「急に(呼ばれたの)?」「はい、急に」「出ちゃいなよって? ああ(笑)」といった苦笑気味の河合とA.B.C-Z・戸塚祥太、戸惑った様子の道枝のやりとりが見られた。

 おそらく河合と戸塚はこれまでも、Hey!Say!JUMPやSexy Zone、Jr.ではMr.KINGなど、急に人気者になったり、社長や事務所の推しになったりする子が、「急に呼ばれて出る」光景を嫌というほど見てきたのだろう。ある意味、「未来のスターの第一歩」に立ち会ってきた、生き証人でもある。

 だが、この時点におけるファンの声は、「道枝くん、東京Jr.になっちゃうの?」といった不安が多かった。

 すでに関西Jr.から東京Jr.になった、Mr.KINGの平野紫耀と永瀬廉の例があり、そうなると一緒に活動することの多い長尾謙杜、高橋恭平という、2014年入所の3人組が解体されてしまうのではないかという不安もあっただろう。

 余談だが、道枝と長尾、高橋の3人組は、まだ若いものの、組み合わせのバランスの良さにおいてはJr.の中でもトップクラスだと個人的に思う。

 色白美肌で、パッと目をひく華やかさのある「ザ・アイドル」道枝に、素朴で童顔の子犬系・長尾、おばかハンサムの高橋は、見た目のバランスも良いし、キャラも見事にバラバラだ。曲のイメージで誰をセンターにしても成立する印象もある。また、プロ意識の高い道枝と、可愛く見えて芯の強い長尾とが、しょっちゅうケンカしている(+おばかハンサムがヘラヘラ見ている)というのも、仲良しこよしグループだらけの近年のジャニーズにおいては稀で、グッとくる。

 そんな数々の期待と不安を背負って、発表された「真実」は、「退所」でもなく「上京」でもなく、「連続ドラマのメインキャスト」という、とびきり明るいニュースだった。

 これは、近年のジャニーズJr.では、NHKの朝ドラ『ごちそうさん』『あさが来た』に出演した西畑大吾以来の大抜擢だろう。また、このドラマを機に一般層から人気を得ることができれば、『人間失格~たとえば僕が死んだら』(TBS系)のKinKi Kids、『魔女の条件』(同)のタッキー&翼・滝沢秀明、多数のドラマで活躍していた山下智久、『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系)のKAT-TUN・亀梨和也と山下、『探偵学園Q』(同)のHey!Say!JUMP・山田涼介以来となる、“デビュー前ブレーク”の快挙になるのではないか。

 ちなみに、道枝がジャニーズ入りした理由は、山田へのあこがれから。色白美肌であることや、しゃかりきダンスなどから、道枝を「昔の山田みたい」と言うファンもいる。

 4月からの道枝のドラマ出演、これはもうワクワクしかない。
(田幸和歌子)

セクシー、勝利、ジャニーズ……3つの呪縛に囚われるSexy Zone・佐藤勝利の“らしさ”

 デビュー5周年を経てなお、「Sexy」の呪縛は続いているようだ。

 2月23日放送の『櫻井・有吉THE夜会』(TBS系)にゲスト出演したSexy Zone・佐藤勝利を見て、そんなことを思った。この日、勝利が困っていることとして、嵐・櫻井翔に相談した内容は、<セクシーを求められすぎて セクシー迷子です>というもの。

 雑誌の撮影やテレビ番組で、「Sexy ZoneなんだからSexyに」と、常にこれを求められて困っているそうだ。メンバーの中島健人なんかは、逆にこれを最大限活用して、なんでもセクシーの舞台に持ち込むという、もはや“セクシー芸人”のようなポジションを確立しつつあるが、勝利は迷子になっていたのか。

 もともと「マイケル・ジャクソンのセクシーさを」という思いを込めてつけられたグループ名がSexy Zoneだ。そのため勝利も、「これはグループの宿命だと思うんですけど」と納得する素振りは見せる。だが、Hey!Say!JUMPだって、いつも「ジャンプして」と求められなかっただろうし、キスマイも常に「キス顔」ではない。嵐もずっと「嵐を巻き起こす」必要はない。でもSexy Zoneは今もセクシーを求められ、そして少なくとも勝利は、セクシー迷子になっている。

 さらに、“勝利”という名前の呪縛もある。いわく、「勝利っていう名前で、しかもジャニーズなので、“持ってる”ところを求められるというか」。セクシーであると同時に、勝利もしなくちゃいけない。そういえば、何かにつけ「勝利を目指してがんばります!」的なことを言い続けているが、“勝利迷子”にもなっていたのか。

 セクシー、勝利、ジャニーズと、3つの呪縛にかけられた佐藤勝利。しかし、そこに真正面から取り組もうとする生真面目な姿勢こそが、“ザ・勝利”らしさでもあると思う。

 そんな生真面目さの一方で、ジャニーさんの“オキニ”ゆえの自由さも併せ持つのが勝利だ。その自由さが発揮されたのが、同番組で梅沢富美男と共にめぐった、うどんロケだった。

 「おいしいうどんが食べたい」という勝利の望み(うどんはジャニーさんも好物のようで、うどん関連のエピソードは多い)をかなえるため、うどん通だという大先輩・梅沢が名店を案内するという企画。おいしそうにうどんを食べる勝利であったが、途中、

「親子丼も食べていいですか?」

と、うどん以外の品もオーダー。これに梅沢は、

「親子丼だったら違う展開(別の名店を紹介)になった」「何もここまで来なくてもよかった」

とぼやくが、勝利はそんな梅沢の言葉に動じず、「おいしいです!」とうれしそうに親子丼を頬張る。

 大御所の先輩を前にして、この動じなさ。自分が食べたいものを食べる信念を貫く意思の強さ。そしてそもそも、勝利には、セクシー、勝利、ジャニーズのほかに「顔面国宝級」という、持ちネタ(?)もある。ぼやきながらも梅沢が優しくしてくれたのは、その国宝フェイスの力もあったはずだ。「親子丼食べたいなぁ」と国宝に言われたら、そりゃ梅沢も「食べなさい」となるだろう。

 さらに勝利には、『林先生が驚く初耳学!』(TBS系、2月26日放送)でも披露していた「陸上キャラ」もある。セクシーを探さなくても、キャラはよりどりみどりだ。少なくとも、セクシー成分は自発的にセクシー売りをしてくれている中島に全面的に任せておけばいいだろう。「僕はゾーンの担当なんで」とか、トンチキな言い訳でもしてみたらどうだろうか。今度は聞いた人の方が“ゾーン迷子”になりそうであるが。
(太田サトル)

古巣で盛大にドヤる永瀬廉と、“ジャニー度100%”の特濃ぶりがすごかった『まいジャニ』

 2月19日放送分『まいど!ジャーニィ~』(BSフジ)の濃厚さに、驚いた。

 前回に引き続き「ライバル」をテーマに、舞台『ジャニーズ・オールスターズ・アイランド』に密着するという内容で、ゲストはMr.KING、HiHi Jet(高橋優斗は不在)、さらに昨年11月下旬に結成されたばかりの東京B少年。

 いまジャニー社長が最も熱を上げていると思われる3つのJr.ユニットが勢揃いした状態は、まるで非常用持ち出し袋に入れた貴重品を一斉に広げて見せているようだ。人選があまりに「ジャニー度100%」なのだ。

「ライバルに負けないシーン」として紹介されたのは、ローラースケートやフライング、何より東京B少年たちが真っ赤な衣装+黒のハットで披露するマイケルジャクソンの「スリラー」だ。もうジャニー社長の趣味以外の何ものでもない。だが、この回は「ジャニー社長の世界」でありつつ、かつてのレギュラー・永瀬廉の世界でもあった。

 1人ずつ自分がライバルだと思う人を挙げていくトークでは、平野紫耀が「山下(智久)くん」、高橋海斗が「Prince」を挙げる中、次の順番の永瀬廉を、しっかり者で仲良しの西畑大吾が恒例のイジリでスルーする。

「待って、俺、聞いてないよ!」(永瀬)

 イジリに対し、待ってましたとばかりにはしゃぐ永瀬の“嬉ション”ぶりは、もはやこの番組の不定期コーナーのようになっているが、「はいはい、じゃあ、言うてええよ。パッと言って」と西畑がふると、

「(Sexy Zoneの)佐藤勝利くん」(永瀬)
「なるほど。はい」(西畑)

 あっさり流されても、さらにこう続ける。

「理由説明していい? 今回の舞台一緒にやってて、昨年まで(佐藤は『ジャニーズ・ワールド』の)座長やってたじゃないですか。俺も、いつかその立場まで行けるように頑張っていきたい。勝利さんを超えて、どんどん上にのぼっていきたいというのはあって」

 このコメントを聞いて、ドキッとした。「WiNK UP」3月号(ワニブックス)に何気なく書かれていた衝撃の内容と結びついてしまったからだ。「運命の相手」というテーマで永瀬が挙げた「運命の人」には、こうある。

「やっぱジャニーさんかな。昔はオレ、めっちゃブスだったのに、よく見つけてくれたなって。ジャニーさんはよく『カッコいいよ』って言ってくれるんだけど、ジャニーさんから言われると自信つくよね」

 サラリと言っているが、この言葉で思い出されるのは、佐藤がジャニー社長に言われたという「YOUは特別カッコいいよ」だ。

 歴代、ジャニー社長のスペオキもしくはお気に入りジャニーズたちは、佐藤が中山優馬を、大西流星が佐藤を挙げてきたように、尊敬する先輩としてジャニーさんのお気に入りの名前を挙げる流れがもともとある。

 お気に入りは社長に連れられ、一緒に先輩の舞台やコンサートを観る機会が多いために、影響を受けることもあるだろうが、ときには「YOUも〇〇みたいになれるよ!」などと言われることがあるのかもしれない。もしかして永瀬は「YOU、カッコいいよ! 勝利になっちゃいなよ!」と言われているんじゃないか、などという妄想も膨らんでしまう。

 おまけに、永瀬は先週、今週と『まいジャニ』において「永瀬廉の勝手に楽屋レポート」という個人コーナーまで持たせてもらっていた。まるで『ザ少年倶楽部』の「おまけby勝利」コーナーだ。

 さらに、高橋恭平が永瀬に似ているという話題では、「確かになんか言われるよね。(永瀬と高橋が)『似てるね』みたいな。髪の毛は触られたら嫌なんでしょ? その時期やろ? もう(俺は)大丈夫。その時期はとっくに過ぎてるから。(恭平も)そろそろ髪の毛染め出すよ」と、なぜか顎を突き出し、盛大にドヤッて見せる永瀬。

 トークが一通り終わった後には、わざわざ「待って」と制止し、「俺、大西さんの感想聞いてない」と、自分個人に関する感想を求めるなど、やりたい放題でもある。そうした子どもっぽさ、人見知りのくせに心を開いている相手には馴れ馴れしいところ、素直で無防備なところが、永瀬の大きな魅力ではある。

 だが、久しぶりに訪れてもいつでも温かく迎えてくれる『まいジャニ』というホームにおいて、安心しすぎてはしゃぐ永瀬は、もはやプチ王様状態にも見える。「KING」だから、合っているのか。

 それにしても、ジャニーズ事務所全体が弱体化するなか、まるで小さな独立国を作ろうとするかのように、ジャニー社長はいま、大好きなものだけをかき集め、その純度を高め続けているように思えてならない回だった。
(田幸和歌子)

『歌のゴールデンヒット』、50年の歴史を締める大トリがA.B.C-Zというありがたさと戸惑い

 今回ツッコませていただくのは、『歌のゴールデンヒット ~オリコン1位の50年間~』(TBS系、2月13日放送分)に見るジャニーズの歴史。

 まずオリコン史上初の「デビューシングル初登場1位」の記録を樹立した近藤真彦が出演。3曲披露すると聞いたときには、一瞬、反射的に「げっ!」と思ってしまったが、近藤のオリコン1位獲得曲は全部で16曲、そのうち2週以上にわたって1位を獲得したのは10曲だから、特別扱いというわけではないのだった。つい忘れがちだが、マッチはかつて本当に大人気だったことを思い出す。

 さらに、50年の歴史の中で週間1位を獲得した約1,500曲のうち、約4分の1の387曲を占めるのがジャニーズの楽曲だったということから、「ジャニーズヒットソング特集」が披露された。映像は新旧混ざっているものの、シブがき隊の「喝!」から始まり、少年隊「仮面舞踏会」、光GENJI「パラダイス銀河」、男闘呼組「DAYBREAK」、SMAP「世界に一つだけの花」、TOKIO「宙船」、V6「愛なんだ」、KinKi Kids「硝子の少年」、嵐「A・RA・SHI」、タッキー&翼「Venus」、修二と彰「青春アミーゴ」、NEWS「チャンカパーナ」、関ジャニ∞「無責任ヒーロー」、KAT‐TUN「Real Face」、Hey!Say!JUMP「Ultra Music Power」、Kis‐My‐Ft2「Thank youじゃん!」、Sexy Zone「Sexy Zone」、ジャニーズWEST「ええじゃないか」まで時系列に紹介されるサービス満点ぶり。

 全グループ「網羅」と言いたいところだが、A.B.C‐Zがいない。放送日の2月13日現在、彼らの「Reboot!!!」は1位だが、収録のタイミングには間に合わなかったのだろうか。ああ、切ない……。

 そして、VTR明けには感想を聞かれたマッチが、意外にも(?)先輩らしいコメントをする。

「みんな若くてパッと出てきてパッと人気が出たように思われがちなんですが、実はビデオ見てもらってもわかるように、先輩の後ろで踊ってて、その先輩のまた後ろで踊ってて、っていう、この繰り返しなんですよね」

 ちなみに、マッチはおそらくその「後ろで踊ってて」の時代がないわけだが。さらに、マッチとの歌番組での共演は30年ぶりくらいという薬丸裕英が、「(みんな歌った中で)歌わないって、おかしくない?」と堺正章に振られ、一旦は「3人じゃないと歌えないんで」と断ったものの、「元シブがき隊」として1人で「NAI・NAI16」を歌うハメになった。

 久しぶりにヤックンの「ジタバタするなよ!」のダンスを見られたのは収穫だったが、それよりも衝撃だったのは、出だしのパートが「知っている曲と違う!」ということ。

 実はヤックンは、この曲でセンターだったにもかかわらず、出だしは主旋律ではなく下ハモ担当だったということを、2017年にして初めて知る。さらに驚いたのは、時系列で紹介されているにもかかわらず、番組の半分くらいの段階でまだ1982年の曲を紹介していたこと。間にクイズやジャニーズのコーナーを挟んでいるとはいえ、どこまでいっても70~80年代の曲が続く印象は否めない。しかも、どれも全部歌える曲ばかり。

 時代の違いをあらためて感じたのは、「1位になれなかった大ヒット曲」コーナーだ。太田裕美「木綿のハンカチーフ」(ちなみに、当時、1位を獲得したのは子門真人「およげ!たいやきくん」)、山口百恵「プレイバックPart2」(1位はピンクレディー「サウスポー」)、サザンオールスターズ「いとしのエリー」(1位はジュディ。オング「魅せられて」)、松田聖子「青い珊瑚礁」(1位は長渕剛「順子」)、宇多田ヒカル「Automatic」(1位はSomething ELse「ラストチャンス」)が1位を取っていないなんて、知らなかった。

 どれも誰もが知っている名曲ばかりで、「昔はみんな知っているヒット曲がこんなにあったんだ……」と、いやにしんみりしてしまう。それに対して、2000年代に入ってからの流れの早いこと早いこと。ヒット曲がいかに生まれない時代かがよくわかるが、00年サザンオールスターズ「TSUNAMI」、MISIA「Everything」の後は、04年くず「全てが僕の力になる!」、08年GReeeeN「キセキ」、10年AKB48「ヘビーローテーション」、11年EXILE「Rising Sun」、14年三代目J Soul Brothers「R.Y.U.S.E.I.」までとびとびにきた。

 そして、なんとトリに登場したのが、「2月13日付最新1位獲得曲」のA.B.C‐Z「Reboot!!!」だったのだ。

 50年の歴史の最後を飾るのが、A.B.C‐Zって……。存在を忘れずいてくれ、グループを網羅してくれ、わざわざ「最新情報」としてラインナップに入れてくれた温かい配慮は、ありがたい。でも、さすがにちょっとどうなんだろうか。

この番組の録画を5年後、10年後に見直したとき、あらためて「A.B.C‐Zで締める50年のヒット曲の歴史」が、じわじわきそうな気がする。
(田幸和歌子)

TOKIO・城島茂が手にした、「国民のおじいちゃん」という無双のポジション

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 今回ツッコませていただくのは、日々「おじいちゃん」感を高めているTOKIOのリーダー・城島茂。

 最近、編集者や友人・知人とジャニーズ雑談をしている際、ふとひっかかることがある。それは、さまざまな人の口から聞かれる「リーダーくらいトシとってると~」「城島リーダーくらいおじいちゃんになれば~」という言葉だ。

 自分自身、「おじいちゃん」扱いしていることが多々あるが、ふと気づくと、城島リーダーは46歳。自分と3歳しか差がないし、場合によっては、「おじいちゃん」扱いしている人の方が、城島リーダーより年上のこともある。

 にもかかわらず、誰もが「おじいちゃん」と考える、もはや「国民のおじいちゃん」化している城島リーダー。実は全然枯れてないし、むしろ「肉食」タイプだといわれるくらいなのに、なぜなのか。もちろん一般人とアイドルとでは、「年齢」の持つ意味合いが異なるという点はある。スポーツ選手の「選手生命」が短いように、アイドルもまた、46歳というと、高齢になる。

 とはいえ、リーダーを大好きすぎて率先して「おじいちゃん」扱いしている松岡昌宏だって、40歳。同じくおじいちゃん扱いする山口達也にいたっては45歳と、1歳しか差がない。さらに、木村拓哉も中居正広も44歳。V6の最年長・坂本昌行も、45歳。誰も彼らを「おじいちゃん」扱いする人なんていないだろう。

 城島リーダーが突出した「おじいちゃん」力を手に入れた理由は、いくつかあると思う。1つは、日本農業新聞を読むなど、「農業」に本気で取り込んでいること。また、穏やかな物腰と、やはりルックス。いつも笑顔であることも加わって、深く刻まれるほうれい線の印象は大きいはず。

 とはいえ、そうした「ほうれい線」イメージすら、TOKIOメンバーや番組スタッフ、さらには自らが「老化」をネタにして、定着させていった感はある。例えば、『THE!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)の企画「城島茂改造計画」では、メンバー最年長の城島の老化防止のために、さまざまなエステや運動が行われてきた。2月5日放送分の「DASH島」企画でも、乾燥が気になる季節ということで、収穫したユリ根で作った片栗粉を用い、保湿効果のあるデンプンが豊富に含まれる「片栗粉パック」を作り、美顔エステに挑戦していたのだ。

 メンバーがリーダーの「老化」をイジり、それをリーダーが嬉々として受け入れるというやりとりは、番組内で幾度となく繰り返されてきた「定番」の流れである。『THE!鉄腕!DASH!!』が人気&長寿番組であるために「城島茂おじいちゃん」がパブリックイメージになった面は大きいだろう。

 だが、番組の中で育てられてきた「おじいちゃん」キャラも、もともと本人の持ち合わせた性質であることには間違いない。

 例えば、小中学時代など、周囲の子よりちょっと声変わりが早く、落ち着いたキャラの男子が、クラス内で「おっさん」と呼ばれていたなんてことはなかっただろうか。モノをこぼしたり、倒したりするおっちょこちょいの人が、友人たちから「も~、またこぼして。〇〇おじいちゃんは~」などとイジられることもよくある。

 だが、普通は一瞬の「おっさん」「おじいちゃん」イジリで終わるところ、ノリのいい子や、おおらかな性格の子など、人気者や愛されキャラの場合、怒るでも嫌がるでもなく(内心、最初はイヤかもしれないが)、周囲の遊びに付き合って、「おっさん」「おじいちゃん」を演じてくれることがある。

 すると、周りはうれしく、楽しくなってしまい、もっと「おっさん」「おじいちゃん」扱いする→最初のきっかけを思い出せなくなっても、「おっさん」「おじいちゃん」が仲間内で定着するというのは、結構あるパターンだ。

 言ってみれば、周囲を喜ばせようというサービス精神と包容力が作り出す「おじいちゃん」感。加えて、不思議と、「外見」には内面がにじみ出るもので、「絶対にオバちゃんと呼ばせない!」と加齢に抗って頑張る女性が、それなりに見た目の若さを維持していることが多いように、「おじいちゃん」を精神的に受け入れる人は、外見も「おじいちゃん」化していく。

 ちなみに、この「おじいちゃん」感は、個人の資質だけでなく、グループ内のポジションや関係性によって作られる部分もある。

 例えば、嵐では最年長・大野智と最年少の松本潤が、また充電中のKAT‐TUNでは、やはり最年長・中丸雄一と最年少・亀梨和也が「じいまご(爺孫)」として愛でられているように、他グループでも、「グループ内おじいちゃん」は少しずつ育っている。

 ともあれ、40代で実際に孫を持ち、おじいちゃんになる人はわずかにいるけれど、「おじいちゃん」キャラの有名人なんて、俳優やタレント・芸人・スポーツ選手などを広く見渡しても、そうそういない。

 40代にして早くも手に入れた、城島リーダーの「おじいちゃん」キャラ。それはアイドルだからこそ成し得た無双のポジションだ。
(田幸和歌子)