ジャニーズを楽しめずハマれなくなった……“事務所担”を苛む「SMAPロス」の空虚感

 香取慎吾、草なぎ剛、稲垣吾郎の3人が9月8日にジャニーズ事務所を退社。新たな一歩を踏み出した。

 退社当日を迎えるまで、いや、今もやっぱりSMAPがなくなってしまったという実感が、どうしても湧かない。実際、ファンの中にはまだあきらめていない人たち、2020年の東京オリンピック・パラリンピックで再集結するのではないか、などといった希望を持ち続けている人も大勢いる。ジャニーズ事務所への復讐の炎を、心に燃やし続ける人だっている。

 一方、世間の反応は、「週刊文春」(文藝春秋)の第一報以降、長期にわたって報道されてきたジャニーズ派閥問題、後継者争いの話題に飽きてしまった人や疲れてしまった人、「ブラック企業」という印象を持った人、何事もなかったかのように忘れかけている人などさまざまだ。

 バラエティでの活路を切り拓いたこと、月9をはじめ、多数のドラマで女性たちを魅了し、「アイドル」という枠を超越したSMAP。だが、その功績を語るといった気分には、まだなれない。一連の報道で、BGMに「世界に一つだけの花」「ライオンハート」「BEST FRIEND」が使われすぎたことで、本来は非常に良い曲にもかかわらず、自分の中ではいずれも暗く重い気持ちになる、つらい曲になってしまった。

 SMAPメンバーたちの個人仕事を見たり、耳にしたりするたび、実はあまり変わっていないことを感じ、ホッとする面もある。

 だが、もともとSMAPオンリーファンではなく、SMAPを含めたジャニーズ事務所全体の「箱推し」、言ってみれば「事務所担」の自分などは、SMAP騒動以降なんだか空っぽな状態になってしまっている。

 一部のSMAPオンリーファンのように希望を持ち続けることもできず、もちろん何事もなかったかのようにもできない。その影響を強く感じるのが、このところ、ジャニーズの番組全般を楽しめなくなってしまっていることだ。

 ジャニーズのバラエティ番組が、どれもなんとなくマンネリに思えてしまって笑えないし、ドラマもなかなかハマれない。かつて階段からあふれるほど大勢のジャニーズJr.が『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演した際などは、その勢いに興奮しワクワクしたものだが、最近はメインメンバーの顔ぶれが少しずつ変わっていても、「また太鼓とローラースケートとバトンか」などと既視感ばかり覚えてしまう。

 また、かつては『ジャニーズカウントダウン』だけで見られる特別感があった、デビュー組によるコラボ「ジャニーズシャッフルメドレー」なども、今は音楽特番で必ずと言っていいほど披露されるようになり、新鮮味がなくなってしまった。しかも、かつては「ダンス特化ユニット」「歌うまユニット」など、それなりのテーマ性が感じられ、スペシャル感を覚えていたのに、最近では「どのユニットが良いかなー。どこも統一感がなくて、意外性もなくて、似たり寄ったりだな」などと感じてしまう。

 もちろん、こうしたジャニーズシャッフルユニットの類にSMAPはもともと加わっていない。そこにはマネジメントなどの諸事情があったわけだが、それでも他グループと横並びにならないSMAPの特別感にファンはあこがれを抱いた。

 また、そんな「孤高」の存在に見えたSMAPが、東日本大震災復興支援プロジェクト「Marching J」に参加し、他グループを牽引していったときには、心底頼もしさを感じ、勇気づけられる気持ちになったものだ。だが、思えばここから、事務所の派閥争いなど、不穏な空気が流れ始めていたのかもしれない。

 目の前のことが楽しめず、振り返ってしまってばかりの今の状態を言葉にするなら、それは「SMAPロス」なのだろう。自分のような「事務所推し」ですら、拭い去れない空虚感に苛まれていることを考えると、SMAPロスの大きさはどれほどのものだろうか。

ここからはさまざまな人々の「SMAPロス」を取材していきたいと思う。
(田幸和歌子)

 

ジャニーズを楽しめずハマれなくなった……“事務所担”を苛む「SMAPロス」の空虚感

 香取慎吾、草なぎ剛、稲垣吾郎の3人が9月8日にジャニーズ事務所を退社。新たな一歩を踏み出した。

 退社当日を迎えるまで、いや、今もやっぱりSMAPがなくなってしまったという実感が、どうしても湧かない。実際、ファンの中にはまだあきらめていない人たち、2020年の東京オリンピック・パラリンピックで再集結するのではないか、などといった希望を持ち続けている人も大勢いる。ジャニーズ事務所への復讐の炎を、心に燃やし続ける人だっている。

 一方、世間の反応は、「週刊文春」(文藝春秋)の第一報以降、長期にわたって報道されてきたジャニーズ派閥問題、後継者争いの話題に飽きてしまった人や疲れてしまった人、「ブラック企業」という印象を持った人、何事もなかったかのように忘れかけている人などさまざまだ。

 バラエティでの活路を切り拓いたこと、月9をはじめ、多数のドラマで女性たちを魅了し、「アイドル」という枠を超越したSMAP。だが、その功績を語るといった気分には、まだなれない。一連の報道で、BGMに「世界に一つだけの花」「ライオンハート」「BEST FRIEND」が使われすぎたことで、本来は非常に良い曲にもかかわらず、自分の中ではいずれも暗く重い気持ちになる、つらい曲になってしまった。

 SMAPメンバーたちの個人仕事を見たり、耳にしたりするたび、実はあまり変わっていないことを感じ、ホッとする面もある。

 だが、もともとSMAPオンリーファンではなく、SMAPを含めたジャニーズ事務所全体の「箱推し」、言ってみれば「事務所担」の自分などは、SMAP騒動以降なんだか空っぽな状態になってしまっている。

 一部のSMAPオンリーファンのように希望を持ち続けることもできず、もちろん何事もなかったかのようにもできない。その影響を強く感じるのが、このところ、ジャニーズの番組全般を楽しめなくなってしまっていることだ。

 ジャニーズのバラエティ番組が、どれもなんとなくマンネリに思えてしまって笑えないし、ドラマもなかなかハマれない。かつて階段からあふれるほど大勢のジャニーズJr.が『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演した際などは、その勢いに興奮しワクワクしたものだが、最近はメインメンバーの顔ぶれが少しずつ変わっていても、「また太鼓とローラースケートとバトンか」などと既視感ばかり覚えてしまう。

 また、かつては『ジャニーズカウントダウン』だけで見られる特別感があった、デビュー組によるコラボ「ジャニーズシャッフルメドレー」なども、今は音楽特番で必ずと言っていいほど披露されるようになり、新鮮味がなくなってしまった。しかも、かつては「ダンス特化ユニット」「歌うまユニット」など、それなりのテーマ性が感じられ、スペシャル感を覚えていたのに、最近では「どのユニットが良いかなー。どこも統一感がなくて、意外性もなくて、似たり寄ったりだな」などと感じてしまう。

 もちろん、こうしたジャニーズシャッフルユニットの類にSMAPはもともと加わっていない。そこにはマネジメントなどの諸事情があったわけだが、それでも他グループと横並びにならないSMAPの特別感にファンはあこがれを抱いた。

 また、そんな「孤高」の存在に見えたSMAPが、東日本大震災復興支援プロジェクト「Marching J」に参加し、他グループを牽引していったときには、心底頼もしさを感じ、勇気づけられる気持ちになったものだ。だが、思えばここから、事務所の派閥争いなど、不穏な空気が流れ始めていたのかもしれない。

 目の前のことが楽しめず、振り返ってしまってばかりの今の状態を言葉にするなら、それは「SMAPロス」なのだろう。自分のような「事務所推し」ですら、拭い去れない空虚感に苛まれていることを考えると、SMAPロスの大きさはどれほどのものだろうか。

ここからはさまざまな人々の「SMAPロス」を取材していきたいと思う。
(田幸和歌子)

 

ジャニーさんの東京オリンピックへの情熱で気づいた、Jr.が「デビューできない」理由

 

 8月25日放送の『ミュージックステーション 2時間SP』(テレビ朝日系)に出演した、ジャニーズJr.のMr.KING with HiHi B少年。

 ユニットを構成する3組は、テレ朝・六本木ヒルズの夏のイベント『SUMMER STATION』の応援サポーターを務め、新曲「スペースジャーニー」を披露した。この時期に『Mステ』で放送される、Mr.KINGを中心としたパフォーマンスは、もはや恒例となった感じがする。もしかしたら、「とっくにデビューしてる」とすら思っている視聴者も、それなりにいるのではないか。

 この日、『Mステ』放送前には、Mr.KING、SixTONESらが、東京・銀座の観世能楽堂で行われたイベントに登場し、それぞれが銀座で上演する舞台の合同会見を行った。この会見で、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けて、日本のエンターテインメントの中心である銀座で世界をおもてなししたい、というジャニーさんの思いが明らかになり、Mr.KINGの平野紫耀も、「2020年にショーでお出迎えしたい」と語った。

 「相変わらず、ジャニーさんはオリンピック好きだな」「ジャニーズJr.の各ユニットもそれぞれ好調だな」と思いながら、13年に大々的に発表された、大型ジャニーズJr.ユニット、「Twenty・Twenty」構想を思い出した。20人ずつの2組で構成される大型グループで、ネーミングはもちろん東京五輪の開催年「2020年」から。メンバーを入れ替えたりしながら、20年の東京五輪を盛り上げていくユニットだ。

 現在も活躍する宮近海斗、松田元太、松倉海斗、村木亮太、本高克樹らがユニットの候補生として紹介されたり、同年の暮れからは、グループの名前を冠した舞台『JOHNNYS 2020 WORLD』も上演された。そのぐらい熱が入っていたものの、時間がたつとともに、その名を聞くことが少なくなり、現在のような複数の有力ユニットがしのぎを削る状況へ変わっていった。いつの間にか「あれどうなった?」状態になるのは、「ジャニーズあるある」ともいえる。

 しかし、Jr.たちが舞台やテレビ、コンサートといったそれぞれの場所で活躍し、時には大集合してど派手なパフォーマンスを見せる現況や、そして今回の、オリンピックに向けた発言などから、もしかして、「Twenty・Twenty構想は消滅してなくて、今の状況こそがTwenty・Twentyそのものだったり?」という気がしてきた。

 少し前に一部で話題になった、「今後(当面)Jr.からのデビューはない」というウワサも、現状がすでにTwenty・Twentyとしての活動だとすれば、発表当初に言われていた、「2020年のデビューを目指して」というプランも、間違ってはいない。実は、「なかなかデビューできない」のではなく、Twenty・Twentyの名のもとに、それぞれの場所でJr.が活動していると、考えていいような気もしてきた。

 <Twenty・Twenty内ユニット、Mr.KINGの平野紫耀><Twenty・Twenty内ユニット、SixTONESのジェシー><Twenty・Twenty内ユニット、PRINCEの岩橋玄樹>という感じで、通常は「Twenty・Twenty」が省略されているのかもしれない。もちろん、Twenty・Twenty内での組み換えは、20年までに何度も行われる。CDのメジャーデビューがなくても、もはやデビュー組のような活動をしているユニットもあるが、デビュー扱いにならないのは「Twenty・Twenty」の所属だから。

 そう思うと、ジャニーさんは、まったくブレてないのかもしれない。

 「Twenty・Twenty」という名前を聞く機会はめっきり減ったが、この先もますますオリンピックを意識した活動が強化されていきそうな予感がある。お気に入りのフレーズは何度も使いたがるジャニーさんだけに、ファンがすっかり忘れた頃、

「40人ユニット、Twenty・Twentyついにデビュー!」

 という一手、ある気がしてきた。
(太田サトル)

『Mステ』『少クラ』に舞台……メジャーな“世間”から離れるジャニーさんに思うこと

 「いま最もデビューに近いユニット」――Mr.KINGについて、この紹介を聞くのは、かれこれ何年目になるだろうか。

 テレビ朝日系の番組をはじめ、最近頻繁に放送されるジャニーズJr.の出演番組やコーナーでは、このフレーズもお決まりのように発せられている。さらに、彼らが『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演するのも、もう何度目なのだろうか。それどころか、「Mr.KING with HiHi B少年」という組み合わせすら、「これで何回目?」と、つい思ってしまう。

 本来はジャニーズJr.が『Mステ』に出るというのは、異例のこと。かつては「これから来るぞ」感があって、ワクワクしたものだ。しかし、最近はCM前に「この後すぐ!」を連呼し、番組終盤まで引っ張っていくバラエティ番組の手法を見ている、じれったい気分になる。あまりに何度も「Jr.大勢でワラワラ出演」するために、世間は「誰がデビューしていて、誰がデビューしていないか、さっぱりわからない」状態になっているだろう。

 8月25日放送の『ミュージックステーション 2時間SP』でも、本当はワクワクしたいのに、少しずつアレンジを変えて、エンドレスに繰り返される再放送を見るような気分になってしまった。

 それどころか、「夏うたランキング2017&天才キッズコラボ」企画を眺めながら「ブレイクダンス小学生集団の中に、1人すんごい可愛い子、いなかった?」とか「あれ? 新体操の方にも可愛い子いた?」などと、関係ないところで無意識のうちに、可愛い子を物色してしまう。気づいたら、自分自身の中で「ジャニーさん」自家発電状態。挙げ句、「どうせジャニーさんもMステを見ているはずだから、もしかして『YOUきちゃいなよ』とか言われて、そのうちジャニーズJr.にいたりして?」などという妄想まで膨らむ。

 「ジャニーズJr.がいま再び黄金期」などとマスコミがあおり続けて久しいが、露出を増やし、熟成に熟成を重ねた結果、新鮮味は確実に薄れてしまっている。Jr.の子たちが悪いわけではない。しかし、どうしても感じざるを得ないのは、ジャニーさんがますます張り切っているらしいことと、ジャニーさんが自由に遊べる場所が、どんどん狭まっているということだ。おそらくお金のかかる大掛かりな仕事は、お姉さんや姪に取り上げられてしまっているのだろう。

 ジャニーさんが威力を発揮する場所の筆頭は、『Mステ』をはじめとした、テレ朝の番組。同局のイベント連動で、視聴率を気にしなくていい土曜夕方の『KINGステーション』などは、やたらと裸が多いし、いつの間にか『ザ少年倶楽部』(BSプレミアム)などを擁するNHKよりも、自由に遊ばせてもらえる場になっている。

 もう1つは、お得意の「写真集」。いまは自然消滅になっているNYCや、Mr.KINGなど、ほとんどジャニーさんの個人的趣味としか思えない写真集が作られている。そこには、代理店などの大掛かりな仕掛けや、巨額の資本力が必要ないから、手軽にできるという利点があるのだろう。しかも、個人的趣味といっても、そこはさすが、ファンの規模が他事務所とは格段に違うジャニーズ。それなりの売り上げが見込めてしまう。

 ところで、8月25日に発表されたばかりの、東宝と松竹による合同イベント『ショービズ ☆(スターズ)in 銀座』において、東宝と松竹がジャニーズ事務所の協力を得て連携するというニュース。実際にすごいことではあるのだが、ファンが考える未来とは別の場所に向かっていっている。

 『フルハウス』シリーズ最新作『フラーハウス』へのSexy Zone・マリウス葉の出演も、非常にすごいことで、本人のキャラクターなどが認められてのことではあるだろうが、やっぱり唐突だ。

 いわゆるお茶の間のメジャーな場所から離れ、一般知名度、認知度とは別の場所に、自分だけの楽しい世界をどんどん作っていっているジャニーさん。そう思えば、12年以降、ジャニーさんが力を入れているものは『ジャニーズ・ワールド』『ジャニーズ2020ワールド』『ジャニーズ・フューチャー・ワールド』『ジャニーズ YOU&ME アイランド』など。もはや止まらない、自分だけの小さな世界と小さな島づくり。世間からの乖離が、今さらながらにちょっと心配だ。
(田幸和歌子)

『Mステ』『少クラ』に舞台……メジャーな“世間”から離れるジャニーさんに思うこと

 「いま最もデビューに近いユニット」――Mr.KINGについて、この紹介を聞くのは、かれこれ何年目になるだろうか。

 テレビ朝日系の番組をはじめ、最近頻繁に放送されるジャニーズJr.の出演番組やコーナーでは、このフレーズもお決まりのように発せられている。さらに、彼らが『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演するのも、もう何度目なのだろうか。それどころか、「Mr.KING with HiHi B少年」という組み合わせすら、「これで何回目?」と、つい思ってしまう。

 本来はジャニーズJr.が『Mステ』に出るというのは、異例のこと。かつては「これから来るぞ」感があって、ワクワクしたものだ。しかし、最近はCM前に「この後すぐ!」を連呼し、番組終盤まで引っ張っていくバラエティ番組の手法を見ている、じれったい気分になる。あまりに何度も「Jr.大勢でワラワラ出演」するために、世間は「誰がデビューしていて、誰がデビューしていないか、さっぱりわからない」状態になっているだろう。

 8月25日放送の『ミュージックステーション 2時間SP』でも、本当はワクワクしたいのに、少しずつアレンジを変えて、エンドレスに繰り返される再放送を見るような気分になってしまった。

 それどころか、「夏うたランキング2017&天才キッズコラボ」企画を眺めながら「ブレイクダンス小学生集団の中に、1人すんごい可愛い子、いなかった?」とか「あれ? 新体操の方にも可愛い子いた?」などと、関係ないところで無意識のうちに、可愛い子を物色してしまう。気づいたら、自分自身の中で「ジャニーさん」自家発電状態。挙げ句、「どうせジャニーさんもMステを見ているはずだから、もしかして『YOUきちゃいなよ』とか言われて、そのうちジャニーズJr.にいたりして?」などという妄想まで膨らむ。

 「ジャニーズJr.がいま再び黄金期」などとマスコミがあおり続けて久しいが、露出を増やし、熟成に熟成を重ねた結果、新鮮味は確実に薄れてしまっている。Jr.の子たちが悪いわけではない。しかし、どうしても感じざるを得ないのは、ジャニーさんがますます張り切っているらしいことと、ジャニーさんが自由に遊べる場所が、どんどん狭まっているということだ。おそらくお金のかかる大掛かりな仕事は、お姉さんや姪に取り上げられてしまっているのだろう。

 ジャニーさんが威力を発揮する場所の筆頭は、『Mステ』をはじめとした、テレ朝の番組。同局のイベント連動で、視聴率を気にしなくていい土曜夕方の『KINGステーション』などは、やたらと裸が多いし、いつの間にか『ザ少年倶楽部』(BSプレミアム)などを擁するNHKよりも、自由に遊ばせてもらえる場になっている。

 もう1つは、お得意の「写真集」。いまは自然消滅になっているNYCや、Mr.KINGなど、ほとんどジャニーさんの個人的趣味としか思えない写真集が作られている。そこには、代理店などの大掛かりな仕掛けや、巨額の資本力が必要ないから、手軽にできるという利点があるのだろう。しかも、個人的趣味といっても、そこはさすが、ファンの規模が他事務所とは格段に違うジャニーズ。それなりの売り上げが見込めてしまう。

 ところで、8月25日に発表されたばかりの、東宝と松竹による合同イベント『ショービズ ☆(スターズ)in 銀座』において、東宝と松竹がジャニーズ事務所の協力を得て連携するというニュース。実際にすごいことではあるのだが、ファンが考える未来とは別の場所に向かっていっている。

 『フルハウス』シリーズ最新作『フラーハウス』へのSexy Zone・マリウス葉の出演も、非常にすごいことで、本人のキャラクターなどが認められてのことではあるだろうが、やっぱり唐突だ。

 いわゆるお茶の間のメジャーな場所から離れ、一般知名度、認知度とは別の場所に、自分だけの楽しい世界をどんどん作っていっているジャニーさん。そう思えば、12年以降、ジャニーさんが力を入れているものは『ジャニーズ・ワールド』『ジャニーズ2020ワールド』『ジャニーズ・フューチャー・ワールド』『ジャニーズ YOU&ME アイランド』など。もはや止まらない、自分だけの小さな世界と小さな島づくり。世間からの乖離が、今さらながらにちょっと心配だ。
(田幸和歌子)

“中居的”ポジションにTOKIO・国分が就任? 『ビビット』ジャニーズJr.企画の既視感

 7月26日、27日に放送された『ビビット』(TBS系)では、夏休み特別企画として、2日間にわたってジャニーズ特集が組まれた。

 初日は、<必見 ジャニーズレッスン場を大公開>ということで、新しくできたレッスン場にTOKIO・国分太一が潜入し、レッスンに励むジャニーズJr.たちの様子を取材した。2日目は、<アラフォージャニーズ座談会>と称し、同じTOKIOの城島茂、山口達也、V6の坂本昌幸、長野博を迎え、かつて光GENJIのバックなどを務め、「平家派」という名でも活躍した同世代ジャニが集結した(井ノ原快彦は、裏番組のNHK『あさイチ』と丸かぶりのため不在)。

 初日放送で、太一は「Jr.の子の名前が1人もわからないという状況でございます」と話し、新しいレッスン場も初めて行くという。エレベーター前に設置された「ムーディーなブクブク」(ライトアップされた水槽)に興味を示しながら、全3フロアあり、ローラースケートや楽器の練習ができる部屋もあるというレッスン場にいよいよ潜入。出迎えたのは、Jr.とダンスの先生として有名なサンチェだ。

東京B少年、HiHi JET、Mr.KINGら注目の若手が揃っているあたり、地上波の情報番組でお披露目する「ショーケース」的な意味合いもあるロケなのだろう。ベテランのSnow ManやTravis Japanのメンバーもいた。Jr.のレッスン費は無料というトークでは、「ということは、僕が朝『ビビット』やってるお金がそちらに行って……」と、太一が“いやらしさ”を発揮し「みんな僕に感謝するということも大事だからね」と、「ありがとうございます」を強要。また、「踊っちゃう?」とサンチェに促された太一は、久しぶりに若手Jr.をバックにダンスしたりもしていた。

Jr.内のグループ・ユニットに所属していない、いわゆる「無所(属)」のJr.にも太一はインタビューすることになり、瀧陽次朗(12歳)、福島北斗(18歳)、今村隼人(18歳)、そして2006年入所だが「あきらめずにがんばる苦労人Jr.」的なポジションとして、渡辺大輝(22)に話を聞いていた。

 大先輩が頑張るJr.を訪問して、いじったり、わちゃわちゃしたりするパターン。これって、今までは中居正広が担当することが多かった気がする。滝沢秀明以下の世代だと、コンサートや舞台でJr.と共演する機会も多そうだから、「知らない世界を探訪」する感じを出すのは難しいだろう。SMAP解散で、そういったポジションにも微妙な変化があったんだろうか。

 そういえば、TOKIOのレギュラー番組『TOKIOカケル』(フジテレビ系)では、今年に入ってから、「ジャニーズ年表」を作るコーナーが続いている。ゲスト出演した後輩ジャニに入所時期を聞いて、年表を作りあげていっているわけだが、こうして先輩後輩の関係を“交通整理”して、視聴者へ時間をかけながら印象付けているのかもしれない。今後は、その関係を踏まえた上での笑いや、先輩後輩いじりも増えていきそうだ。

 ところで、このロケでJr.あこがれの先輩アンケートで、「太一くん」と答えたJr.はゼロだった模様。ある意味で定番の「おいしい」流れだが、これもまた、中居的かも。
(太田サトル)

山下智久、絶好調の月9『コード・ブルー』で考える「アイドルとしての正解」

 今クールの連続ドラマにおいてトップを走る『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命- THE THIRD SEASON』(フジテレビ系)。

 初回視聴率16.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、第2話は15.6%と、いまのドラマ界、それも低迷しているフジテレビ、それも「月9」において、この数字は快挙と言う他ない。

 人気ドラマの続編であるだけでなく、無難に数字が見込める医療モノであること、人気シリーズ『救命病棟24時』(同)に通じる救命モノであることから、そこそこの数字は見込めると思われた。さらに、過去2シーズンに比べ、これまで「CM好感度アイドル女優」だった新垣結衣が、『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)のブレークによって、一気に女優としての格を上げたことも、数字を引き上げる1つの要因になっていると思う。

 しかし正直、山Pこと山下智久演じる藍沢先生が救命に戻る状況を作るためとはいえ、フェローの頼りなさを描く現場シーンが長すぎて、テンポが悪い印象はどうにも否めなかった。おまけに、山Pが脱いで胸筋を披露するシーンや、カッコよくヘリコプターまで走るシーンのアップなどは、ドラマというよりほとんどPVのようである。しかも、クールな野心家という役柄ということもあり、山Pのセリフがいつも以上にことごとく低音でモゴモゴしていて、聞き取りづらい。

 しかし、だからこそ、あらためて痛感せざるを得ないのが、山Pの“アイドル的強さ”である。

 放送中、Twitterには、ひたすらに「山Pカッコいい」の声があふれる。ほとんどもう、そればかりと言っていい。「感動した!」という声にも、セットのように「山Pカッコよかった」が、ほとんどついてくる。これって相当すごいことだと思う。

 ちなみに、これまでの山P単独主演ドラマの平均視聴率を見てみると、

・2006年『クロサギ』(TBS系)平均15.7%
・07年『プロポーズ大作戦』(フジテレビ系)平均17.4%
・08年『プロポーズ大作戦スペシャル』(同)18.4%
・08年『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命』(同)が平均15.9%
・09年『コード・ブルー 新春スペシャル』(同)23.1%
・09年『ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~』(同)平均14.4%
・10年『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命2nd season』(同)平均16.6%
・12年『最高の人生の終り方~エンディングプランナー~』(TBS系)平均11.0%
・13年『SUMMER NUDE』(同)平均12.7%
・15年『アルジャーノンに花束を』(TBS系)平均8.6%
・15年『5→9~私に恋したイケメンすぎるお坊さん~』(フジテレビ系)平均11.7%

となり、『アルジャーノン』を除くと、軒並み上々の数値を記録している。

 その間、山Pの演技そのものは、「硬」=『コード・ブルー』や『クロサギ』などの低音ボソボソ系と、「難」=『ボク、運命の人です。』(日本テレビ系、17年)『野ブタ。をプロデュース』(同、05年)『アルジャーノン』などのクセ強い系に大きく二分していて、何ら変わりはない。セリフの聞き取りにくさも変わらない。

 にもかかわらず、「山Pだったら見たい」と思う人が、常に多数いる。ドラマの視聴率が悪くとも、別に主演俳優のせいではないが、「初回視聴率が良い」ことには確実に主演俳優の人気や注目度が影響している。

 SMAP以降、アイドルにもトーク力やバラエティ能力が求められるようになり、KinKi Kids以降は、それに加えて歌唱力や演技力が求められるようになり、アイドル観はどんどん変化してきた。

 その一方で、スキルを磨けば磨くほど、小さくまとまってしまったり、世間の需要から離れてしまったりするケースも、アイドルには、ままある。その点、演技力や歌唱力、トーク力などを磨くわけでなく、ひたすらに「顔とスタイル」に特化し極めてきた山P。

 でも「顔とスタイル」、これこそがアイドルにとって最強のスキルなのかもしれない。デビュー前に抜群のビジュアルですでに人気者になり、今なお「カッコイイ」言われ続ける山P。これはこれで、楽じゃない。

 山Pの世間的需要を見るたびに、アイドルとしての正解を考えさせられるのだ。
(田幸和歌子)

山下智久、絶好調の月9『コード・ブルー』で考える「アイドルとしての正解」

 今クールの連続ドラマにおいてトップを走る『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命- THE THIRD SEASON』(フジテレビ系)。

 初回視聴率16.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、第2話は15.6%と、いまのドラマ界、それも低迷しているフジテレビ、それも「月9」において、この数字は快挙と言う他ない。

 人気ドラマの続編であるだけでなく、無難に数字が見込める医療モノであること、人気シリーズ『救命病棟24時』(同)に通じる救命モノであることから、そこそこの数字は見込めると思われた。さらに、過去2シーズンに比べ、これまで「CM好感度アイドル女優」だった新垣結衣が、『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)のブレークによって、一気に女優としての格を上げたことも、数字を引き上げる1つの要因になっていると思う。

 しかし正直、山Pこと山下智久演じる藍沢先生が救命に戻る状況を作るためとはいえ、フェローの頼りなさを描く現場シーンが長すぎて、テンポが悪い印象はどうにも否めなかった。おまけに、山Pが脱いで胸筋を披露するシーンや、カッコよくヘリコプターまで走るシーンのアップなどは、ドラマというよりほとんどPVのようである。しかも、クールな野心家という役柄ということもあり、山Pのセリフがいつも以上にことごとく低音でモゴモゴしていて、聞き取りづらい。

 しかし、だからこそ、あらためて痛感せざるを得ないのが、山Pの“アイドル的強さ”である。

 放送中、Twitterには、ひたすらに「山Pカッコいい」の声があふれる。ほとんどもう、そればかりと言っていい。「感動した!」という声にも、セットのように「山Pカッコよかった」が、ほとんどついてくる。これって相当すごいことだと思う。

 ちなみに、これまでの山P単独主演ドラマの平均視聴率を見てみると、

・2006年『クロサギ』(TBS系)平均15.7%
・07年『プロポーズ大作戦』(フジテレビ系)平均17.4%
・08年『プロポーズ大作戦スペシャル』(同)18.4%
・08年『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命』(同)が平均15.9%
・09年『コード・ブルー 新春スペシャル』(同)23.1%
・09年『ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~』(同)平均14.4%
・10年『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命2nd season』(同)平均16.6%
・12年『最高の人生の終り方~エンディングプランナー~』(TBS系)平均11.0%
・13年『SUMMER NUDE』(同)平均12.7%
・15年『アルジャーノンに花束を』(TBS系)平均8.6%
・15年『5→9~私に恋したイケメンすぎるお坊さん~』(フジテレビ系)平均11.7%

となり、『アルジャーノン』を除くと、軒並み上々の数値を記録している。

 その間、山Pの演技そのものは、「硬」=『コード・ブルー』や『クロサギ』などの低音ボソボソ系と、「難」=『ボク、運命の人です。』(日本テレビ系、17年)『野ブタ。をプロデュース』(同、05年)『アルジャーノン』などのクセ強い系に大きく二分していて、何ら変わりはない。セリフの聞き取りにくさも変わらない。

 にもかかわらず、「山Pだったら見たい」と思う人が、常に多数いる。ドラマの視聴率が悪くとも、別に主演俳優のせいではないが、「初回視聴率が良い」ことには確実に主演俳優の人気や注目度が影響している。

 SMAP以降、アイドルにもトーク力やバラエティ能力が求められるようになり、KinKi Kids以降は、それに加えて歌唱力や演技力が求められるようになり、アイドル観はどんどん変化してきた。

 その一方で、スキルを磨けば磨くほど、小さくまとまってしまったり、世間の需要から離れてしまったりするケースも、アイドルには、ままある。その点、演技力や歌唱力、トーク力などを磨くわけでなく、ひたすらに「顔とスタイル」に特化し極めてきた山P。

 でも「顔とスタイル」、これこそがアイドルにとって最強のスキルなのかもしれない。デビュー前に抜群のビジュアルですでに人気者になり、今なお「カッコイイ」言われ続ける山P。これはこれで、楽じゃない。

 山Pの世間的需要を見るたびに、アイドルとしての正解を考えさせられるのだ。
(田幸和歌子)

『鋼錬』パリツアーに両耳ピアス&メガネ姿で現れたJUMP・山田涼介に伝えたいこと

 今回ツッコませていただくのは、7月29日放送分『王様のブランチ』(TBS系)に登場したHey!Say!JUMP・山田涼介。

 この日は、「山田涼介 鋼の錬金術師 独占取材inフランス」と題し、12月1日に公開を控えたファンタジー・アクション超大作『鋼の錬金術師』のパリ弾丸ツアーの密着取材が紹介されていた。ヨーロッパにも原作ファンが非常に多いことから、主演の山田らがイベントの舞台挨拶に登壇した途端、「キャア~~!」という黄色い声援が飛び交い、当人たちもビックリした様子だった。

 ちなみに、弾丸ツアーでロサンゼルスを訪れた際には、前髪をあげ、赤い革ジャンに黒いパンツと、ハードな雰囲気だったのに対し、パリでは前髪をおろし、ブルー+黒のジャケットと、上品な雰囲気に変えていた山田。現地に合わせた細かな気配りが、“スター・山田”らしいところなのだが、その一方で、気になることもあった。

 『ブランチ』のインタビューに現れた山田は、外国少年のような風貌を際立たせる丸メガネと、さらに両耳ピアス姿。「原作が大好きだったので正直僕でいいのかなっていう不安やプレッシャーは強かったです。でもそれと同時に、うれしさもあったので、僕以外に譲りたくないなって強く思った」と熱く語る、その内容は良い。メガネも似合っている。しかし、「なぜ突然メガネ?」とも思うし、それ以上に、目立つ大きな両耳ピアスは……。案の定ネット上では「カッコイイ」「美しい顔」という声の一方、「メガネ」と「ピアス」がバッシングされていた。

 その賛否両論も、山田の出演作にはつきものではあるが、やっぱりもったいない気がする。

 思えば、月9『カインとアベル』(フジテレビ系)主演でも、役作りのための茶髪だったにもかかわらず、事情を知らない人たちからは「茶髪サラリーマン、ありえない」と盛大に叩かれた。しかし、後に、冷酷で性悪に豹変する演技力から、世間の声は賛辞に変わっていった。

 映画『暗殺教室』でも、キャスト発表時には原作ファンから盛大に叩かれたものの、公開後は「意外にハマっていた」と好意的な声が上がった。また、『金田一少年の事件簿N(neo)』(日本テレビ系)でも、当初は「初代(KinKi Kids・堂本剛)以外認めない」と豪語していた層が、山田版を見た後、演技力や原作のイメージとの近さから、今ではネット上で「金田一と金田四(四代目金田一少年、つまり山田のこと)は好き」などと評価を変えている。

 山田については、「演技を、作品を見てもらえれば、評価が変わる」というのは、これまで幾度も繰り返してきたことだ。だが、逆にいうと、どう考えてもバッシングされそうな両耳ピアスを、なぜあえてする必要があるのだろうか。せっかく良い演技をしていても、「両耳ピアスのエドなんて見たくない」と言われてしまったら、大きな損ではないだろうか。

 常に熱狂的なファンを抱える山田の魅力の1つに、曲や作品によって、あるいは見るたびに、表情や印象を大きく変えてくることがあると思う。髪色や髪形もよく変わるし、言うこともコロコロ変わる。その変貌を把握したと思うと、もう変わっている。ここぞという気合の入ったときには、なぜかオールバックにしたり、涙ぼくろを書いたり、ダンスもいつもより大きめになったりする。

 こうした「変化」は、山田のファンサービスの一環でもあり、天然の気まぐれでもあるのだろうが、そうした一面や「過剰な盛りつけ」は、あくまで「アイドルファン」、オタク的素養の人にとっては“ご馳走”であっても、一般層には受け入れてもらえないことがある。

 演技が達者でも、歌がうまくなっても、入り口の部分で抵抗感を持たれると、作品に踏み込んでもらえない危険性は高い。ファンを沸かせることについては天才的なセンスがある山田。しかし、超大作『鋼の錬金術師』でワールドツアーをするような今だからこそ、そろそろ「自分のファンのため」だけでなく、もっとワールドワイドに視野を広げてみてもよい頃ではないだろうか。
(田幸和歌子)

『鋼錬』パリツアーに両耳ピアス&メガネ姿で現れたJUMP・山田涼介に伝えたいこと

 今回ツッコませていただくのは、7月29日放送分『王様のブランチ』(TBS系)に登場したHey!Say!JUMP・山田涼介。

 この日は、「山田涼介 鋼の錬金術師 独占取材inフランス」と題し、12月1日に公開を控えたファンタジー・アクション超大作『鋼の錬金術師』のパリ弾丸ツアーの密着取材が紹介されていた。ヨーロッパにも原作ファンが非常に多いことから、主演の山田らがイベントの舞台挨拶に登壇した途端、「キャア~~!」という黄色い声援が飛び交い、当人たちもビックリした様子だった。

 ちなみに、弾丸ツアーでロサンゼルスを訪れた際には、前髪をあげ、赤い革ジャンに黒いパンツと、ハードな雰囲気だったのに対し、パリでは前髪をおろし、ブルー+黒のジャケットと、上品な雰囲気に変えていた山田。現地に合わせた細かな気配りが、“スター・山田”らしいところなのだが、その一方で、気になることもあった。

 『ブランチ』のインタビューに現れた山田は、外国少年のような風貌を際立たせる丸メガネと、さらに両耳ピアス姿。「原作が大好きだったので正直僕でいいのかなっていう不安やプレッシャーは強かったです。でもそれと同時に、うれしさもあったので、僕以外に譲りたくないなって強く思った」と熱く語る、その内容は良い。メガネも似合っている。しかし、「なぜ突然メガネ?」とも思うし、それ以上に、目立つ大きな両耳ピアスは……。案の定ネット上では「カッコイイ」「美しい顔」という声の一方、「メガネ」と「ピアス」がバッシングされていた。

 その賛否両論も、山田の出演作にはつきものではあるが、やっぱりもったいない気がする。

 思えば、月9『カインとアベル』(フジテレビ系)主演でも、役作りのための茶髪だったにもかかわらず、事情を知らない人たちからは「茶髪サラリーマン、ありえない」と盛大に叩かれた。しかし、後に、冷酷で性悪に豹変する演技力から、世間の声は賛辞に変わっていった。

 映画『暗殺教室』でも、キャスト発表時には原作ファンから盛大に叩かれたものの、公開後は「意外にハマっていた」と好意的な声が上がった。また、『金田一少年の事件簿N(neo)』(日本テレビ系)でも、当初は「初代(KinKi Kids・堂本剛)以外認めない」と豪語していた層が、山田版を見た後、演技力や原作のイメージとの近さから、今ではネット上で「金田一と金田四(四代目金田一少年、つまり山田のこと)は好き」などと評価を変えている。

 山田については、「演技を、作品を見てもらえれば、評価が変わる」というのは、これまで幾度も繰り返してきたことだ。だが、逆にいうと、どう考えてもバッシングされそうな両耳ピアスを、なぜあえてする必要があるのだろうか。せっかく良い演技をしていても、「両耳ピアスのエドなんて見たくない」と言われてしまったら、大きな損ではないだろうか。

 常に熱狂的なファンを抱える山田の魅力の1つに、曲や作品によって、あるいは見るたびに、表情や印象を大きく変えてくることがあると思う。髪色や髪形もよく変わるし、言うこともコロコロ変わる。その変貌を把握したと思うと、もう変わっている。ここぞという気合の入ったときには、なぜかオールバックにしたり、涙ぼくろを書いたり、ダンスもいつもより大きめになったりする。

 こうした「変化」は、山田のファンサービスの一環でもあり、天然の気まぐれでもあるのだろうが、そうした一面や「過剰な盛りつけ」は、あくまで「アイドルファン」、オタク的素養の人にとっては“ご馳走”であっても、一般層には受け入れてもらえないことがある。

 演技が達者でも、歌がうまくなっても、入り口の部分で抵抗感を持たれると、作品に踏み込んでもらえない危険性は高い。ファンを沸かせることについては天才的なセンスがある山田。しかし、超大作『鋼の錬金術師』でワールドツアーをするような今だからこそ、そろそろ「自分のファンのため」だけでなく、もっとワールドワイドに視野を広げてみてもよい頃ではないだろうか。
(田幸和歌子)