『ジェリー・フィッシュ』に見たセックスの本質、少女らが首を絞め合う意味

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『ジェリー・フィッシュ』/新潮社

 思春期の頃は、女友達を“好き”という気持ちに、どう友情と愛情の境界線を引けばいいのか難しかった。例えば、親友がほかの女友達と仲良くしていると嫉妬心が沸いてしまったり、付き合っている男の子はいるけれど、親友との時間は彼氏との時間以上に大事に感じて、親友との約束ばかり優先してしまったり。

 感情のコントロールが未熟だった10代。雛倉さりえの『ジェリー・フィッシュ』(新潮社)は、そんな少女たちのピュアで残酷な恋心を瑞々しく描いている。

 高校の同級生の、夕紀と叶子。2人の関係が始まったのは、入学式のすぐ後の学年旅行で訪れた水族館だった。1人ぽつんとクラゲの水槽の前に佇んでいた夕紀。薄暗い空間の中で、彼女に声をかけたのが叶子だった。