タグホイヤーから青島ビールまで…リーグ優勝賞金は驚愕の70億円! Jリーグも完敗の中国サッカー

――欧州や南米から有名選手を、あり得ない金額で“爆買い”することで有名となった中国サッカー・スーパーリーグ。今や、資金力や観客数ではJリーグを凌駕するほどになっている。ただし、あまりの状態に中国政府もやんわり規制に入っている状態のようだ。このまま、中国サッカーバブルは終焉してしまうのか?

「中国の人々にとって、金額は問題ではない」

 中国・スーパーリーグの取材を始めた際、広州恒大淘宝足球倶楽部(以下、広州恒大)のイ・ジャンス元監督(元韓国人選手)が語った言葉だ。当初、イ元監督の言葉にはピンとこなかったが、取材を続けるほど、その意味するところが身に染みてきた。

 近年、広州恒大はアジアサッカー連盟・チャンピオンズリーグ(AFC)で2度優勝している。そのため、中国スーパーリーグのレベルの高まりを疑う人は徐々に減ってきている。そんな実力もさることながら、驚くべきは中国スーパーリーグの市場規模だ。すでにアジアの域を脱し、英プレミアリーグ、スペインリーグ、独ブンデスリーガ、伊セリエA、仏リーグアンなどといった、世界トップリーグのそれを脅かそうとしている。単純に中継権の規模だけをみても全世界で6位。前述した欧州のリーグを除けば、中国スーパーリーグより中継権が高いリーグは世界にない。

 中国のスポーツメディア『體奧動力』は2015年9月、中国スーパーリーグと5年間の中継権契約を結んだ。合計金額は80億元(約1252億7722万円)である。體奧動力が1年間で支給する中継権料(約250億円)は、DAZNがJリーグに支給する中継権料(約210億円)よりも多い。一方、韓国Kリーグの中継料は1年間で60億ウォン(約5億5910万円)ほどだ。仮に21年から中国スーパーリーグの中継権を得たい企業は、さらに高い金額を支払うことになろう。なお中国の中継料は、各球団の投資が増加すると共に一気に上昇した。2013シーズンにはわずか1000万元(約1億6000万円)に過ぎなかった。

 中国最大の生命保険会社であり金融機関でもある平安グループは、中国スーパーリーグのネーミングスポンサーを担い続けている。17年に再延長契約を結んだ際には、5年間で総額1億4500万ドル(約15億6128万円)を支払うとした。世界的なスポーツ用品メーカーであるナイキは、19年6月から29年までの10年間、用品スポンサー契約を結び、現金のみで毎年約18億円を支給することにしている。実際に、支給される製品や現物を金額換算して合わせると、その約3倍となる見通しだ。スポンサーは、平安グループやナイキだけではない。DHL、Shell、TAG Heuer、青島ビールなど、世界的な企業が中国スーパーリーグのスポンサーに名乗りをあげている。
 スポンサーシップの規模が膨らむ中、中国サッカー協会と中国スーパーリーグが掲げた優勝賞金も破格となっている。19シーズンの優勝チームには、4億5000万元(約70億4684万円)が支給される。なお、Jリーグで優勝すると優勝賞金と分配金を合わせ約21億5000万円が支給される。韓国・Kリーグ優勝賞金は日本円にすると約5000万円である。欧州サッカー連盟(UEFA)チャンピオンズリーグ優勝賞金が25億円程度であることを考えると、中国スーパーリーグの優勝賞金がどれだけ大きいか伺い知れよう。なお欧州サッカー連盟(UEFA)チャンピオンズリーグは、ラウンドを通過するたびに賞金を受け取るため、優勝すれば合計100億円程度をもらうことになるのだが。いずれにせよ、中国大陸を制覇した恩恵がとびきり大きいという事実は揺るがない。

 このように企業が中国スーパーリーグを後援する理由は何か。それは単に中国の経済規模が大きいからというだけではない。サッカー人気そのものにも着目しているのだ。中国スーパーリーグの平均観衆数は24107人(18シーズン)だ。これは、独ブンデスリーガ(44421人)、英国プレミアリーグ(37906人)、メキシコ・リーガMX(27832人)、スペインリーグ・プリメーラディビジョン(27143人)、伊セリエA(24784人)に次いで6位。すでに米メジャーリーグサッカー、仏リーグアンを上回っている。Jリーグは18883人(1部)であり、Kリーグは6505人に過ぎない。中国スーパーリーグの人気は今この瞬間にも高まっている。企業はそのような成長するリーグそのものに投資したいと思っている訳だ。

 中国スーパーリーグを見ているとたびたび驚く。世界的な選手や監督があまりにも多く活躍しているからだ(下段コラム参照)。16年に、長春亜泰と山東魯能の試合を取材した際には、世界的な選手や監督に直接遭遇したこともある。韓国人であるイ・ジャンス監督を取材するためロッカールーム前で待機していると、欧州のおじさんにすれ違いざまに目であいさつされた。よく見ると、ドイツの有名選手・指導者のフェリックス・マガト(当時、山東魯能の監督)ではないか! 続いて身体が大きな選手がひとりロッカールームに入っていった。元イタリア代表のグラツィアーノ・ペッレである。韓国人のチェ・ヨンス氏が江蘇蘇寧で監督を務めていた頃には、ラミレス・サントス・ド・ナシメント(英プレミア・チェルシー出身)に直接インタビューすることもできた。

 選手を引き抜くため、各チームは多額の契約金をばらまいている。有名選手の“爆買い”だ。中でも最も大きな話題となったのは、16年12月、上海上港がチェルシーでプレーしていたブラジル代表出身のMF・オスカル・ドス・サントス・エンボアバ・ジュニオールを、6000万ポンド(約88億円)で引き抜いた事例だろう。チェルシーにとっても、過去最高の移籍金収入だった。ちなみに、Kリーグの最高移籍金記録もすべて中国スーパーリーグの球団が作った。全北現代でプレイしていたキム・ギフィが上海申花に行く際には約7億円が支払われている。2019シーズンも同じような金額で選手が移籍しており、これらは欧州の球団が支払う移籍金よりもはるかに高い水準だ。

 中国で活躍する世界レベルの選手たちの年俸の総額は、実際のところベールに包まれている。誰も彼らがもらっている正確な金額を知らない。欧州でプレイするトップクラスの選手たちの週給は5000万円程度となるが、それと似たようなレベル、もしくは高い金額をもらっているとの予測があるだけだ。というのも、欧州よりも少ない年俸で知名度や格が低いとされる中国でプレイする理由がないからだ。なお中国リーグは年俸だけでなく、“手当”も破格だ。同国で活躍した韓国人選手のひとりは、「手当のことは親友にも明かしたことがない」と話す。これは勝利給のようなもので、重要な試合で勝利すると、手当が詰め込まれたキャリーバッグを引いて家に行くという話も事実に近いという。筆者が確認した最大の手当額は、一試合900万円だった。

 冒頭に書いた「中国の人々にとって、金額は問題ではない」という命題は現在、世界中のサッカー関係者だけでなくファンまで感じ取っている。欧州や日本、韓国のサッカー界は「中国スーパーリーグは最も非効率的なリーグ」と非難するが、中国側はその非効率をあまり気にしていない。金額は問題ではないからだ。

 ただし、中国内では多額の金額を支払って選手を獲得しようという動きが制限されつつもある。中国サッカー協会は、オスカルの移籍騒動をきっかけに、移籍収支(=移籍金収入-移籍金支出)が赤字となる球団が一定水準以上の移籍金を使った際、“その100%を「サッカー発展基金」として支払うべし”という規定を設けた。また、最高移籍金や最高年俸などを制限する制度も協議されている。

 中国サッカー協会が移籍金と年俸を制限しようとしている理由は、「金満体質的な獲得競争が激化するから」ではない。それは、球団とスポンサーが巨額の金額を取り交わす際に、そのお金を横領する可能性を当局側が疑っているからだ。中国の関係者は、「欧州のマスコミに出てくる選手の年俸をそのまま信じてはならない。選手が高い年俸をもらっているのは事実だが、実際はそれほど大きな金額ではない」と証言する。習近平主席の就任後、中国は以前とは異なり、規制が非常に厳しくなっている。いくら大企業の会長といえども、会社の資金を勝手に使うことができない。そんな中、中国の複数の関係者は、巨額の移籍金や年俸を支給するようにみせかけて、その一部を横領している可能性があると指摘している。

 ただ、中国スーパーリーグの“非効率的なお金の宴”は、今後少なくとも5年は続く可能性が大きい。すでに、中国国内選手たちの年俸や移籍金も高騰しおり、すぐに「正常」に戻すには時間がかかる。中国は1年のうちに自国選手であってもチームに5人しか連れて来ることができないルールがあるため、中国人選手の移籍金も非常に高くならざるを得ないという背景がある。同国のサッカーカルチャーや業界は非常に活性化しているが、選手を育てる速度がそれに対応できていないのが現状だ。結果的に、良い選手、中でも若い選手たちの“身代”はとても高価になるしかない。そのような需要と供給の不均衡が解決しない限り、「異常」は解決されないはずだ。

 さらに中国は、サッカー協会という枠組みを超え、政府レベルでスポーツ産業を振興しようという計画を持ち合わせている。中国の産業振興は、日本や韓国など資本主義国家とは異なり国のテコ入れがすさまじい。中国政府は2050年までにスポーツ産業の規模を大幅にはぐくむよう公式な計画を発表しているが、その中でサッカーが占める産業規模の割合は実に60%を超える。人知れず“それなりの計画”を“それなりの方法”で推し進めているのだ。

 そのような文脈では、中国スーパーリーグはお金の力で引き続き発展する可能性がある。リーグの発展は、サッカーのレベルと大きく関連しない。タイ、インドネシア、ベトナムのようにサッカーのレベルが比較的低い国でもプロリーグの人気は高い。そして今、中国市場は全世界の資本が集まる場所となった。しかも、中国市場は非常に成功しにくいところでもある。中国人が好きなサッカーを通じて、自社のイメージを変えようとする試みは一朝一夕では叶わない。企業は多額の金額を市場に投じるしかないのだ。

 そういう意味で、ナイキ、DHL、TAG Heuerのような多国籍企業も手をこまねいているわけではない。彼らは中国スーパーリーグと引き続き縁を保ち続けている。中国スーパーリーグはそれ自体、活用度が非常に高く、現在では、欧州でも中国スーパーリーグの中継を難なく見ることができる。また、全世界で中国人脈、また中国社会との関係を維持している“華僑”へのアプローチ手段にもなる。彼らは中国に関連したコンテンツを熱狂的に消費している。サッカーもそんな主要なコンテンツのひとつとなった。

 中国スーパーリーグという存在はとても不可思議だ。外部から見ると“異常”な部分が多い。取材をしてみても、理解できないことが多いのだ。それでも、我々が想像もできない方法で成長を遂げてきたのも事実である。今では、中国政府も注目するビッグコンテンツ。中国スーパーリーグがどんな道を歩んでいくか予想することは難しいが、ひとつだけ明らかなのは、どんな形であれ、今後も成長を続けていく、ということだ。


リュ・チョン(Chung Ryu)

サッカー専門誌「スポータルコリア」、英国雑誌「フォーフォーツー」のエディターを経て、2013年よりサッカー専門メディア「フットボリスタ」の取材チーム長として活躍。2017年からは中国および中国サッカーに関する記事を韓国最大ニュースポータル「NAVER」に寄稿。サッカー・旅行に関する書籍を多数執筆。

世界のタレントが中国に!

 中国スーパーリーグでは、数多くの世界的プレイヤーが活躍している。例えば、ブラジルの有名選手であるフッキことジヴァニウド・ヴィエイラ・ジ・ソウザや、オスカル・ドス・サントス・エンボアバ・ジュニオールが所属するのは上海上港だ。

 パウリーニョことジョゼ・パウロ・ベセーラ・マシエル・ジュニオール、タリスカことアンデルソン・ソウザ・コンセイソンは広州恒大に所属。広州は香港の北西部に位置する中国第三の都市である。テクノロジー都市・深センや観光地・マカオにも近く、広東料理が味わえる地域だ。サッカー観戦だけでなく、現代中国の動向や文化を知る上では欠かせない土地である。

 同じくブラジル代表のレナト・アウグストは、北京国安に所属している。一方、アレックス・テイシェイラ、本文に登場するラミレス、エデル・チタディン・マルティンス、元伊代表のガブリエル・パレッタは江蘇蘇寧に所属。現地に行けばそのプレイを直接拝むことができるかもしれない。江蘇省には東洋のベニスと冠される「山塘街」もある。中国にサッカーを見にいくならオススメの地域のひとつだ。

 また伊代表のグラツィアーノ・ペッレ、ベルギー現役代表のマルアン・フェライニは山東魯能に所属している。山東省はビールで有名な青島が人気の観光スポットとなっている。それ以外にも中国スーパーリーグでは、独代表だったザンドロ・ヴァーグナー(天津泰達)、ムサ・デンベレ(広州富力)、ヤニック・フェレイラ・カラスコ(大連一方)も中国大陸を闊歩している。アルゼンチン代表のエセキエル・ラベッシとハビエル・マスチェラーノは河北華夏幸福で大活躍だ。天津、河北、大連は、ともに北京から近い。少し長めの休暇を取れるのであれば、各選手を観戦しながら周遊することもできるかもしれない。

 なお、フッキ(2016年)やオスカル(2017年)が中国リーグに移籍した際、メディアからは「金を稼いですぐに去るだろう」という予測がすう勢だった。しかし、彼らは3年以上も上海上港に在籍している。パウリーニョは広州恒大でプレイした後、FCバルセロナに移籍。再び広州に戻ってきている。

 監督の面々も豪華だ。バロンドールを受賞したファビオ・カンナヴァーロ監督は広州恒大を率いており、独出身の戦術家ロジャー・シュミットは、北京国安を指揮している。韓国代表が望んでいたスペインの名匠キケ・サンチェス・フローレスは、上海申花の監督を務めているし、故ヨハン・クライフの息子であるジョルディ・クライフは重慶当代力帆の指揮を任されている。韓国代表監督だったウリ・シュティーリケは、今や天津泰達の監督だ。中国旅行を楽しみながら世界レベルのサッカーを楽しめる。サッカーファンにとって、そんなぜいたくな時代が訪れている。(サイゾー8月号『中韓(禁)エンタメ大全』より)

ラグビー日本代表の快進撃に、サッカー関係者が戦々恐々!?「紳士すぎて困る!」

 ラグビーW杯で日本代表の快進撃が続いている。初戦でロシアから順当に勝利を奪うと、2戦目では世界ランキング1位(当時)のアイルランドに19-12で勝利するという、世界が驚く番狂わせを起こす。このアイルランドのスクラム、パワーに屈しなかったことは選手たちの自信となったのだろう。続く3戦目のサモア戦は、まさに横綱相撲で、スピードとフィジカルで圧勝した。

 2015年の前回大会がグループ戦術の力で耐え切った試合運びだったとすれば、今回は個の力と個人戦術の上積みにより、さらにレベルアップしたグループ戦術で相手を攻略しているといえる。それを証明するかのような試合になったのが、引き分け以上で史上初の決勝トーナメント進出となるスコットランド戦だ。

 スコットランドの特徴を分析し、中央で屈強なフォワード陣がアタックを連続し、空いたスペースをスピードのある選手たちが突破していく。日本の特徴であるスタミナを駆使した連動した攻撃で相手のスタミナを奪い、敏捷性でトライを奪う。戦術を遂行する個の力が際立った試合だった。

 充実した試合内容に、視聴率も呼応していく。開幕戦となったロシア戦は18.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だった視聴率も、アイルランドに勝利したことで一般層に火がつき、サモア戦では32.8%に。そして、スコットランド戦では驚異の平均39.2%、最高53.7%をたたき出した。

 そんなラグビー日本代表が見せる快進撃に不安な顔を見せるのは、Jリーグ関係者たちだ。

「ラグビーとサッカーは兄弟関係にあるので個人的には好きなのですが、今回のラグビーW杯は素晴らしすぎて困ります。たとえば、海外のラグビーの試合では、サッカー同様、エキサイトしすぎた選手が乱闘を起こすようなシーンもあるのですが、今回のW杯では皆無。むしろ、審判の言うことをしっかりと守り、大げさに痛がって審判をだますような行為もありません。さらには、試合後はノーサイドが徹底していて、相手をたたえ合っている。本当に見ていてすがすがしい。

 一方のJリーグでは、選手は審判にかみつくし、ちょっとした接触でも大げさに痛がります。試合後はそれぞれのサポーターからブーイングの嵐。ヨーロッパではラグビーは紳士のスポーツで、サッカーは労働者階級のスポーツといわれてきましたが、今の日本でのラグビーとJリーグがそんな関係に見えてしまって……。無スポーツ派層は、Jリーグよりラグビーに魅力を感じる人が多いのでは?」(Jリーグ関係者)

 先日行われたカタールW杯アジア2次予選のタジキスタン戦でも、堂安律が相手のファウルをアピールするため、1分近く倒れていた。その堂安だが、何もなかったように90分間プレーを続けている。ラグビーでは、脳振とうを起こしながらもプレーし、審判がドクターを呼んで確認させているのに、なんと軟弱なアピールかと思ってしまう。

 また、とあるサッカーライターはJリーグの試合を「あからさまにファウルをしながら、あれほど執拗に抗議できるなんて。ストレスのすべてを審判にぶつける、あんなものを勝利への執念と呼ぶのなら、なおさら胸クソ悪い」とバッサリ切り捨てる。

 昨今、旧態依然のゴール裏サポーターたちの振る舞い(参照記事)が問題視されているが、そもそもでJリーグの選手たち自体が変わらないと、Jリーグに未来はないのかもしれない。

(文=TV Jorunal編集部)

森保ジャパン、モンゴルに圧勝できてタジキスタンに苦戦した理由とは?

 ついに、森保一監督率いるサッカー日本代表が爆発した。

 ウルグアイなど強豪国相手にはいいサッカーを見せ、対等な戦いで世界を驚かせた森保ジャパンだが、ベトナムなど格下相手にも同等の戦いで際どい試合をしてしまう。それはまるで鐘のようで、相手チームが強く突けば大きな音が出るのだが、相手チームが弱いと音色も小さくなる。ゆえに、アジアの大会では退屈な試合が続いてしまっていた。

 そんな森保ジャパンが、FIFAワールドカップ2022カタール大会アジア2次予選で圧倒的なサッカーを見せた。モンゴル相手に6-0という大勝以上に、シュート数の32-0というのが圧勝を物語っている。大迫勇也の代わりにワントップに入った永井謙佑が、縦へのスピードという自身の持ち味で早いタイミングでのボックスへの進入というバリエーションを作れば、堂安律に代わって右ウイングに入った伊東純也も縦への動きで攻撃に幅を作った。連動した攻撃に加え、セットプレーにおけるトリックプレーも豊富なパターンを成功させ、スタンダードな戦術や交代に疑問の声が上がっていた森保監督の真価を見せる試合となった。

 そして、内容の伴った試合をすれば視聴者もついてくる。モンゴル戦は10.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だった視聴率も、次戦となったタジキスタン戦では13.5%まで伸びた。

 だが、そのタジキスタン戦では散々な結果となってしまった。前半の見せ場といえばセットプレーのみ。そのセットプレーも鮮やかなトリックプレーというよりは、フィジカルをごり押しした結果論的な内容だった。本来であれば、ダイレクトを使いながらボールを回し、サイドチェンジを使って相手をずらし、作ったギャップに連動して攻略すべきだった。

 しかし、いつもの各駅停車のパス回しに逆戻りし、試合は一進一退の展開に。後半に入ってから、中央で釣り出すようなパス回しをしながら、外、ダイレクトを交えたプレーで南野拓実の2得点、浅野拓磨のダメ押し点で3-0と勝利したが、決して観客をエキサイトさせるような内容ではなかった。なぜ、このような試合になってしまったのか? サッカー関係者に話を訊いた。

「やはりワントップ問題が大きいですね。モンゴル戦は日本が良かったというより、相手が弱すぎたため、ワントップ問題は浮き彫りにならなかった。ただ、FIFAランク183位のモンゴルならまだしも、115位のタジキスタンになると、ワントップ問題が再燃してしまうということです。タジキスタン戦の鎌田大地は、キープ力を生かそうという頑張りは見えましたが、前半にはボールを奪われ、あわや失点かというミスをしてしまった。大迫のような存在感がなく、鎌田に呼応するように、ワントップとの連携が得意な堂安も消えていました。大迫の代わりとなるワントップを見つけるか、別の戦術を用意しないと、どこかで痛い目を見るかもしれません」

 先日、話を訊いた元日本代表選手も「選手交代をうまく使って、大迫の代わりとなる選手を見つけてほしい」と嘆いていた(参照記事)が、その課題はいまだにクリアされていないようだ。

(文=TV journal編集部)

森保ジャパン、モンゴルに圧勝できてタジキスタンに苦戦した理由とは?

 ついに、森保一監督率いるサッカー日本代表が爆発した。

 ウルグアイなど強豪国相手にはいいサッカーを見せ、対等な戦いで世界を驚かせた森保ジャパンだが、ベトナムなど格下相手にも同等の戦いで際どい試合をしてしまう。それはまるで鐘のようで、相手チームが強く突けば大きな音が出るのだが、相手チームが弱いと音色も小さくなる。ゆえに、アジアの大会では退屈な試合が続いてしまっていた。

 そんな森保ジャパンが、FIFAワールドカップ2022カタール大会アジア2次予選で圧倒的なサッカーを見せた。モンゴル相手に6-0という大勝以上に、シュート数の32-0というのが圧勝を物語っている。大迫勇也の代わりにワントップに入った永井謙佑が、縦へのスピードという自身の持ち味で早いタイミングでのボックスへの進入というバリエーションを作れば、堂安律に代わって右ウイングに入った伊東純也も縦への動きで攻撃に幅を作った。連動した攻撃に加え、セットプレーにおけるトリックプレーも豊富なパターンを成功させ、スタンダードな戦術や交代に疑問の声が上がっていた森保監督の真価を見せる試合となった。

 そして、内容の伴った試合をすれば視聴者もついてくる。モンゴル戦は10.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だった視聴率も、次戦となったタジキスタン戦では13.5%まで伸びた。

 だが、そのタジキスタン戦では散々な結果となってしまった。前半の見せ場といえばセットプレーのみ。そのセットプレーも鮮やかなトリックプレーというよりは、フィジカルをごり押しした結果論的な内容だった。本来であれば、ダイレクトを使いながらボールを回し、サイドチェンジを使って相手をずらし、作ったギャップに連動して攻略すべきだった。

 しかし、いつもの各駅停車のパス回しに逆戻りし、試合は一進一退の展開に。後半に入ってから、中央で釣り出すようなパス回しをしながら、外、ダイレクトを交えたプレーで南野拓実の2得点、浅野拓磨のダメ押し点で3-0と勝利したが、決して観客をエキサイトさせるような内容ではなかった。なぜ、このような試合になってしまったのか? サッカー関係者に話を訊いた。

「やはりワントップ問題が大きいですね。モンゴル戦は日本が良かったというより、相手が弱すぎたため、ワントップ問題は浮き彫りにならなかった。ただ、FIFAランク183位のモンゴルならまだしも、115位のタジキスタンになると、ワントップ問題が再燃してしまうということです。タジキスタン戦の鎌田大地は、キープ力を生かそうという頑張りは見えましたが、前半にはボールを奪われ、あわや失点かというミスをしてしまった。大迫のような存在感がなく、鎌田に呼応するように、ワントップとの連携が得意な堂安も消えていました。大迫の代わりとなるワントップを見つけるか、別の戦術を用意しないと、どこかで痛い目を見るかもしれません」

 先日、話を訊いた元日本代表選手も「選手交代をうまく使って、大迫の代わりとなる選手を見つけてほしい」と嘆いていた(参照記事)が、その課題はいまだにクリアされていないようだ。

(文=TV journal編集部)

Jリーグ「VAR導入」も、サポーターからは不満噴出!?

 Jリーグは24日、来季のJ1リーグ戦などでVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー/ビデオ判定)を導入することを発表した。

 VARはFIFAワールドカップ2018ロシア大会の全試合で導入されて以降、各国のリーグ戦でも次々と採用されており、村井満Jリーグチェアマンも「FIFAを中心としてワールドカップなどで(VARが)導入されている潮流があり、世界と戦う上で、この流れを視野に入れる必要がありました」と会見で語っている。

 さらには、「多くのファン、サポーターの方から導入への声があったのも事実」と付け加えてもいたが、日本のサポーターがVARについて理解できているかについては微妙だと、サッカーライターは指摘する。

「VARは、決して判定をパーフェクトにするわけではありません。あくまでも、9割の人々が誤審だと思う判定で、かつ翌日の新聞の見出しになるような明白な誤審にしか介入しないことになっています。というのも、VARがサッカーに入ってきたばかりの時は、審判側が完璧な判定を目指しすぎて、試合が止まってばかりいた。これでは、サッカー独特のシームレスな展開が阻害されてしまう。そこを維持するために、国際サッカー評議会は、前述のような条件を満たす場合にのみ介入することを今夏に再徹底しました」

 つまり、今季のJ1の試合でいえば、鹿島アントラーズ×清水エスパルス戦やサンフレッチェ広島×横浜F・ マリノス戦、浦和レッズ×湘南ベルマーレ戦の幻のゴール、川崎フロンターレ×ベガルタ仙台戦や横浜F・ マリノス×浦和レッズ戦のオフサイドなど 、「ゴールラインを割ったか割っていないか」「オフサイドかどうか」などの事実には介入する。それ以外については、今後もピッチ上の審判団がジャッジしていく。

 そんなVARをイングランドプレミアリーグなどは順調に運用しているが、日本ではサポーターから不満の声が上がるのではないかと、前出のライターは指摘する。

「サッカーはグレーなスポーツです。フィジカルコンタクトが起きても、不用意でなければファウルにならない。でも、この“不用意”かどうかは主審の主観になります。野球のアウトかセーフか、ストライクかボールかは観客にも白黒つけやすいですが、サッカーはそうではない。にもかかわらず、選手が倒れて審判がファウルを取らないと、日本のサポーターは判定に不満を示します。そういった背景から考えると、おそらく多くのコンタクトシーンでサポーターはVARを要求するでしょう。判定に対するモヤモヤを解決するためのVARが、日本においては逆に『なんでVARを使わないんだ!?』というストレスを生みそうな気がします」

 日本のサポーターは、サッカーの醍醐味である流れを失ってでも 、自分の愛するチームにはすべて正しい判定をしてほしいのだろう。ある意味では、グレーありきのサッカーを見ながらも、白黒つけられる野球的な要素を求めている。日本でVARが浸透するのには時間がかかりそうだ。

(文=TV Journal編集部)

チャント動画で話題のセレ女がSNS全削除! 彼女を追いつめた、一部サポーターのアナクロ思考

 セレッソ大阪のブルーノ・メンデスのチャント(応援歌)をバズらせたセレ女(セレッソ女性サポーター)が、自身のSNSアカウントをすべて削除してしまった。

 理由は定かではないが、100万回以上も再生された動画をアップした際にも、一部のコアサポーターからは批判的なコメントが集まっていた(参照記事)。その声はやむことがなく、彼女が有名になればなるほど、SNSには誹謗中傷コメントが増えていった。おそらく、この炎上に嫌気が差してアカウントを削除したのだろう。

 いちサポーターとして日常的にアップしていた動画が話題となり、そこで大炎上が起きれば、タレントとして有名になるという強い心でもない限り、続けていけないのは容易に想像がつく。「炎上しないようにすればいい」としたり顔で指摘する人もいるだろうが、思わぬところから火がつくこともある。だからこそ、多くの人はSNSに鍵をかけることでリスクを回避しているのだろうし、彼女にとってはアカウント削除が防御手段だったのだろう。

 発信力を持っていた彼女がアカウントを削除したことについて、Jリーグ関係者たちは頭を抱える。

「Jリーグ観戦者平均は40歳を超えています。その中で、彼女の出現は希望となりました。若いかわいらしい女性たちによる“インスタ映え”という、今までのJリーグにはなかった、若者に響く新たな観戦の楽しみ方が発信されたわけです。これがきっかけとなり、ほかにもこれまでの概念にはない新しいモノが生まれるかもしれない。もちろん、それはあくまでも入り口であり、今度は我々が彼らを固定客にするような努力が必要です。ですが、せっかくの入り口が閉ざされてしまったのは残念です」(Jリーグ関係者)

 村井満氏がチェアマンに就任してから、Jリーグは新たな試みをスタートさせている。以前はネットに懐疑的だったJリーグ事務局も古臭い価値観を捨て去り、積極的にSNSなどで情報を発信している。また、クラブ側は独自にネットメディアの取材を受けるなど、なんとかマーケットを拡大しようと努力をしている。

 それなのに、なぜ一部のコアサポーターは、彼女のような存在を批判するのだろうか? サッカーライターに聞いた。

「サポーターたちは歴代のJリーグ幹部たちに対し、手厳しい言葉を浴びせてきました。たとえば、時代と逆行した過密スケジュールの上に成り立つ2ステージ制の導入などです。そんな元Jリーグ幹部たちと、彼女を攻撃したサポーターの思考は同じなんです。スカパー一択でJリーグを大安売りしていたJリーグ元幹部たちと、ゴール裏はこうあるべきだという一部のコアサポーター。どちらにも新しい発想がない。興味があるのは、自分たちの居場所を守ること。発展性を求めていないから、停滞し、どんどん先鋭化してしまっている。一部のサポーターたちは、自分たちがJリーグ発展の弊害となっていることを理解すべきでしょう」

 だが、その一部のサポーターたちが事態を理解するのは難しそうだ。彼女がSNSを削除した後、Twitterでは「やっと葬りさることができた。皆の努力の賜物です。次は〇〇というアカウントを!」といった趣旨のツイートが出回り、新たな攻撃対象を探している。

 そんな彼らにも、選手の声は届くはず。新たな被害者を出さないためにも、日本プロサッカー選手会になんらかのアクションを起こしてほしいものだ。

(文=TV Journal編集部)

元日本代表MFが森保ジャパンを辛口批評「選手交代がヘタすぎる!」

 2022 FIFAワールドカップカタール大会を目指す戦いが始まった。日本を含めた34チームはアジア1次予選を免除され、2次予選からの登場。とはいえ、現在の日本の実力からすれば、2次予選もウォーミングアップのようなものだ。

 実際、10日に行われた2次予選初戦のミャンマー戦も2-0と数字上は僅差での勝利だったものの、内容はシュートを30本も浴びせる日本の圧勝だった。

 そんな森保一監督率いる日本代表を、元日本代表選手はどのように見ているのか? テレビでコメンテーターとしても活躍する元MFに、オフレコで話を聞いた。

「選手交代が気になりますよね。タイミングが遅いのはもちろんだし、同じ特徴を持った選手同士を代えるというスタンダードな交代しかしない。今の代表には、原口元気のようなウィングバックもできる選手がいるのだから、3-5-2に切り替えることもできるでしょう。さらに言うと、チームの肝は大迫勇也だけど、その代わりが誰もいない。大迫の代わりを探すためにも、交代枠をもっと有意義に使ってほしい」

 温和な雰囲気とは違い、口から出てきたのは、意外にも手厳しい意見だった。振り返れば、ブラジルW杯の際のアルベルト・ザッケローニ元監督も、選手交代で後手に回ることが多かった。それは、ロシアW杯ベルギー戦での西野朗前監督も同様だ。

 一方で、東京五輪に関しては、期待の声が上がった。

「これまでの五輪は、日本サッカー協会側の意向もあって、勝ちに行くチームを作れていなかった。監督の考えるベストメンバーだけではなく、日本サッカー協会側の選手選考も汲まないといけないから。『このオーバーエージじゃ勝てねぇよ』ってボヤいている監督もいましたもん(笑)。でも、今回は地元開催ということで、本気でメダルを獲りに行くでしょう。おそらく、3人のオーバーエージ枠も森保監督の意向が通る。そういった意味では、今までの五輪以上に環境がいい。東京五輪はかなり期待できると思いますよ」

 ただし、ここでも「予選トーナメントは、選手交代がポイントになる」とのことだ。つまり、森保ジャパンの東京五輪、カタールW杯での躍進は、選手交代にかかっている。これが元日本代表MFの本音だった。

(文=TV Journal編集部)

J1湘南パワハラ疑惑、リークしたのは親会社RIZAPだった!? 騒動が沈静化した裏事情

 Yahoo!トップニュースを席巻していた、湘南ベルマーレ曺貴裁監督(50)による選手やスタッフへのパワハラ疑惑(参照記事)が沈静化しつつある。

 一時期は「8月中に曺監督が辞任する」という報道まで出ていたが、現在は過熱気味だったスポーツ紙も「Jリーグの調査待ち」というスタンスに切り替わっている。なぜ、急にトーンダウンしたのだろうか?

 サッカー関係者に聞くと「そもそも、パワハラは“疑惑”であり、報道が出ること自体がおかしい」とメディアへの不信感を口にする。さらに、そこにはキナくさいウワサもあるというのだ。

「今回のパワハラ報道ですが、湘南のオーナーであるRIZAP側からのリークという見方が強まっています。というのも、RIZAPは、湘南を楽天のヴィッセル神戸やメルカリの鹿島アントラーズのような規模のクラブにしたいと考えている節があります。そのためには、外国籍選手や日本代表クラスの選手の獲得が必須。ですが、曺監督のサッカーは、まず『走り続けること』が要求されます。たとえば、神戸のイニエスタや鹿島のブラジル人アタッカーたちが湘南に加入したとしても、曺監督のサッカーには合わない。RIZAPが考える補強リストに、曺監督の若手を鍛え上げるサッカーはトゥーマッチなんです。湘南を優勝争いに絡んでくるチームにするためにも方向転換させたいという思惑があり、パワハラ疑惑をリークしたのでは? と関係者の間ではウワサになっています」(同)

 だが、この問題が泥沼化する可能性はなさそうだ。というのも、Jリーグクラブが選手を獲得できるのは8月31日までとなっており、以降は補強することはできない。つまり、どんなにRIZAPがビッグネームを補強できたとしても、8月31日を過ぎてしまうと、今シーズンはJリーグの試合に出場できない。

 逆に言うと、報道が落ち着いたのは、曺監督の進退が膠着化したこともあり、RIZAP側も8月31日までのビッグネーム補強をあきらめ、リークをやめたからというわけだ。

 曺監督だからこそファンを獲得でき、J1でも戦えていると考える湘南経営陣。一方で、選手を補強し、監督を交代することで、もうワンランク上のステージを目指せると考えている親会社RIZAP。今回の報道の裏には、そんな両者の溝がありそうだ。

(文=TV Journal編集部)

J1湘南のパワハラだけじゃない! ブラジル人監督はモラハラ……Jリーグにはびこる、ハラスメント行為

 今月12日、Jリーグに激震が走った。近年のJリーグに旋風を巻き起こしている湘南ベルマーレの曺貴裁監督(50)が、選手やスタッフにパワーハラスメントを行っていた疑いがあると一部スポーツ紙に報じられたのである。

 曺監督は、債務超過が1億円もあった湘南の指揮を2012年から執り、就任初年度にJ2からJ1にチームを導いた。まさにクラブの救世主といえる。

 だが、J1に昇格したこともあり、選手たちが引き抜きに遭うと、わずか1年でJ2に戻ることに。それでも、クラブやサポーターは曺監督を支持し、J2降格にもかかわらず、続投となる。その後もJ1とJ2を行き来するエスカレータークラブではあるが、J1での資金力豊富なクラブにもひるまず走り抜くスタイルにファンは増え、今ではライザップが支援するクラブにまでなった。

 だが、パワハラがあったとなれば話は別である。湘南はJリーグによるクラブ幹部、スタッフ、選手に対するヒアリング調査に全面的に協力し、調査終了まで曺監督は指揮を自粛することもリリースした。現在もスポーツ紙やネットメディアが後追い記事を出しているが、実際にパワハラはあったのだろうか? サッカーライターに訊いた。

「現在の報道と過去の練習風景から推察すると、チーム全体に対して高圧的なパワハラがあったわけではなく、特定の個人に対してのものだったのではないか思われます。たとえば、獲得した選手のメンタルが弱く、走り切れない選手だったりした時に、必要以上に強い言葉を浴びせてしまう。膝に違和感を覚えた選手の訴えを許さず、そのまま練習させて、ケガをさせてしまったというのは最たるエピソードだと思います。あれが、主力として活躍している選手なら、スポーツドクターにケガの程度を確認させたでしょう」

 では、曺監督のようなパワハラ行為というのは、サッカー界では普通のことなのだろうか?

「ブラジル人監督には、モラハラが結構多いですよ(笑)。今の解説陣やコーチ陣は声を大にして言いたいのではないでしょうか? たとえば、全員が練習中に談笑していたとしても、その中の一選手だけをやり玉に挙げたりします。クラブでも影響力ある選手を、理由なく、急に干したりするんです。とある選手は『あの監督が来るなら移籍する』と発言したことがありましたが、その裏にはモラハラ行為があったからなんです」(同)

 どうやらサッカー界にはハラスメント行為が皆無ではないようだ。現在、選手からは曺監督をかばうようなコメントが多く出ているが、パワハラに対して肯定的なニュアンスが多いことが、それを物語っている気すらしてしまう。曺監督は辞意を固めたらしいが、辞めたら収束という問題ではない。大事なのは、どのようにパワハラ行為をなくしていくかではないだろうか。

(文=TV Journal編集部)

J1湘南のパワハラだけじゃない! ブラジル人監督はモラハラ……Jリーグにはびこる、ハラスメント行為

 今月12日、Jリーグに激震が走った。近年のJリーグに旋風を巻き起こしている湘南ベルマーレの曺貴裁監督(50)が、選手やスタッフにパワーハラスメントを行っていた疑いがあると一部スポーツ紙に報じられたのである。

 曺監督は、債務超過が1億円もあった湘南の指揮を2012年から執り、就任初年度にJ2からJ1にチームを導いた。まさにクラブの救世主といえる。

 だが、J1に昇格したこともあり、選手たちが引き抜きに遭うと、わずか1年でJ2に戻ることに。それでも、クラブやサポーターは曺監督を支持し、J2降格にもかかわらず、続投となる。その後もJ1とJ2を行き来するエスカレータークラブではあるが、J1での資金力豊富なクラブにもひるまず走り抜くスタイルにファンは増え、今ではライザップが支援するクラブにまでなった。

 だが、パワハラがあったとなれば話は別である。湘南はJリーグによるクラブ幹部、スタッフ、選手に対するヒアリング調査に全面的に協力し、調査終了まで曺監督は指揮を自粛することもリリースした。現在もスポーツ紙やネットメディアが後追い記事を出しているが、実際にパワハラはあったのだろうか? サッカーライターに訊いた。

「現在の報道と過去の練習風景から推察すると、チーム全体に対して高圧的なパワハラがあったわけではなく、特定の個人に対してのものだったのではないか思われます。たとえば、獲得した選手のメンタルが弱く、走り切れない選手だったりした時に、必要以上に強い言葉を浴びせてしまう。膝に違和感を覚えた選手の訴えを許さず、そのまま練習させて、ケガをさせてしまったというのは最たるエピソードだと思います。あれが、主力として活躍している選手なら、スポーツドクターにケガの程度を確認させたでしょう」

 では、曺監督のようなパワハラ行為というのは、サッカー界では普通のことなのだろうか?

「ブラジル人監督には、モラハラが結構多いですよ(笑)。今の解説陣やコーチ陣は声を大にして言いたいのではないでしょうか? たとえば、全員が練習中に談笑していたとしても、その中の一選手だけをやり玉に挙げたりします。クラブでも影響力ある選手を、理由なく、急に干したりするんです。とある選手は『あの監督が来るなら移籍する』と発言したことがありましたが、その裏にはモラハラ行為があったからなんです」(同)

 どうやらサッカー界にはハラスメント行為が皆無ではないようだ。現在、選手からは曺監督をかばうようなコメントが多く出ているが、パワハラに対して肯定的なニュアンスが多いことが、それを物語っている気すらしてしまう。曺監督は辞意を固めたらしいが、辞めたら収束という問題ではない。大事なのは、どのようにパワハラ行為をなくしていくかではないだろうか。

(文=TV Journal編集部)