「駄目なところ」が人生を切り開く力になり得ることを教えてくれた『不機嫌な姫とブルックナー団』

<p> 『ピカソになりきった男』は、稀代の贋作画家としてフランスを騒がせた男が、自身の半生を振り返り語ったノンフィクションです。贋作といっても、単に有名な絵の複製をつくるのではなく、「作風をコピーして、その画家が描きそうな新作を生み出す」スタイルで、ピカソ、ルノワール、シャガール、藤田嗣治ら人気巨匠の贋作を約30年も生み続けた“天才”ギィ・リブ。彼の人生は、そのまま映画化されそうなほどドラマチックで、波乱に満ちています。</p> <p> 娼館を取り仕切る夫婦のもとに生まれ、青年期には路上生活を経験。犯罪者たちとつるみつつ、商業水彩画家として生計を立てていたギィは、当初は力試しのつもりで「巨匠が描きそうな新作」に取り組むことに。そしてその才能を見込んだ画商のもとで腕を上げ、鑑定家のみならず、時に作者本人も本物と認めてしまうほど“完璧な贋作”をつくりだすようになります。</p>

「駄目なところ」が人生を切り開く力になり得ることを教えてくれた『不機嫌な姫とブルックナー団』

<p> 『ピカソになりきった男』は、稀代の贋作画家としてフランスを騒がせた男が、自身の半生を振り返り語ったノンフィクションです。贋作といっても、単に有名な絵の複製をつくるのではなく、「作風をコピーして、その画家が描きそうな新作を生み出す」スタイルで、ピカソ、ルノワール、シャガール、藤田嗣治ら人気巨匠の贋作を約30年も生み続けた“天才”ギィ・リブ。彼の人生は、そのまま映画化されそうなほどドラマチックで、波乱に満ちています。</p> <p> 娼館を取り仕切る夫婦のもとに生まれ、青年期には路上生活を経験。犯罪者たちとつるみつつ、商業水彩画家として生計を立てていたギィは、当初は力試しのつもりで「巨匠が描きそうな新作」に取り組むことに。そしてその才能を見込んだ画商のもとで腕を上げ、鑑定家のみならず、時に作者本人も本物と認めてしまうほど“完璧な贋作”をつくりだすようになります。</p>

理性的に生きてきた中年男女が、恋愛の業に翻弄される姿を描いた『マチネの終わりに』

<p> 『マチネの終わりに』は、正統派の恋愛小説です。というと、「私の趣味ではない」と判断する方もいると思います。映画でもドラマでも「女性向けの正統派の恋愛モノ」とされる作品には、夢があふれすぎていて、かえって苦手意識を持っている女性は意外と多いのではないでしょうか。本作も、一見するとそんな作品に見えるかもしれませんが、「正統派の恋愛ものが苦手」という人にも手に取ってみてほしい1冊です。</p> <p> 若き天才ともてはやされつつも、スランプに陥り、焦りを感じているクラシックギタリストの蒔野聡史(38)と、海外通信社の記者として紛争地域を積極的に取材しつつ、近く結婚を控えていた小峰洋子(40)。パリの演奏会で出会った時から強く惹かれ合った2人は、一度は結ばれかけるものの、すれ違いが生じ、ついにその関係は途絶えてしまいますが――。</p>

「変容する自分」を楽しむ2冊! 性的に開眼した女の書簡集『マドモアゼルSの恋文』、“中年~お婆ちゃんの空白地帯”をつづる『わたしの容れ物』

<p>――書店にあまた並ぶ新刊の中から、サイゾーウーマン(サイ女)読者の本棚に入れたい書籍・コミックを紹介します!</p>

セレブ専業主婦&女子アナを苦しめる、“勝ち組”ゆえの特殊ルールの正体

<p> 今回取り上げる本は、人気海外ドラマ『ゴシップ・ガール』の舞台にもなった、マンハッタンの高級住宅街に住むセレブママたちを観察したノンフィクションと、元TBSアナウンサー小島慶子氏が著した、女子アナを主役にしたテレビ業界小説の2冊。セレブ専業主婦と女子アナ、どちらも“選ばれた勝ち組女性”と扱われがちな人たちの一端をのぞき見できる、興味深い作品だ。</p>

セレブ専業主婦&女子アナを苦しめる、“勝ち組”ゆえの特殊ルールの正体

<p> 今回取り上げる本は、人気海外ドラマ『ゴシップ・ガール』の舞台にもなった、マンハッタンの高級住宅街に住むセレブママたちを観察したノンフィクションと、元TBSアナウンサー小島慶子氏が著した、女子アナを主役にしたテレビ業界小説の2冊。セレブ専業主婦と女子アナ、どちらも“選ばれた勝ち組女性”と扱われがちな人たちの一端をのぞき見できる、興味深い作品だ。</p>

少年愛を描いた『風と木の詩』の裏にあった、竹宮惠子と萩尾望都の短くも濃い友愛

<p> 理想の少年像はネクタイかリボンか、半ズボンか長ズボンか。萌える関係性は「友情に毛が生えた程度」か、「愛情にちょっとだけ踏み込んでいる程度」か――。</p> <p> 1970年代、まだ世の中に“腐女子”や“BL(ボーイズラブ)”という言葉はない時代に、そんな会話で熱く盛り上がっていた女性たちがいた。</p> <p> 『少年の名はジルベール』は、高校生で漫画家デビューした竹宮惠子が、20歳で上京してからの約6年間を振り返った自伝。萩尾望都らと同居した日々や、多くの漫画家や編集者と出会い刺激を受け、いったんは編集者に反対されつつも、スランプを超えて代表作『風と木の詩』が「週刊少女コミック」に連載されるまでが描かれている。</p>

小説・映画・アートの「名作アレルギー」を解消してくれるのは、“はみ出た”知識と捉え方

<p> 名作と呼ばれる小説や映画、絵画。この世に数多ある作品に触れる時、芸術だから何かを読み取らなければ、と身構えてしまう人にこそ読んでほしい、“趣味の世界を気楽に広げるきっかけ”になる3冊を紹介したい。</p>

デビュー作と同じテーマである「大切な人の死」を、より生々しく力強く昇華させた若木未生『ゼロワン』

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『ゼロワン』(若木未生、徳間書店)

 小野不由美、前田珠子、桑原水菜、榎木洋子――1990年代、講談社X文庫ホワイトハートや集英社コバルト文庫といった少女小説では、異世界や超能力で少年少女が活躍するファンタジー作品が人気を確立していた。超能力を持つ若者たちを描いた『ハイスクール・オーラバスター』などでその流行を牽引していた作家・若木未生による、一般文芸書として初の単行本『ゼロワン』(徳間書店)が昨年12月に出版された。

 若木の作家デビューは1989年。ライトノベル作家として多くの人気ファンタジーシリーズを生み出している彼女だが、デビュー作となった『AGE』は、高校生・西野の視点から描かれる、超能力は一切登場しない青春小説だ。とある悲惨な過去を抱えながらも、優しく大人びた雰囲気を持つ、西野より1学年上の山崎。山崎に憧れる西野とその友人・高岡。都立高校の屋上を主な舞台に、両親も1人の弱い人間であることに気づいた時の戸惑いや不安、先輩の不慮の死を、時に衝突しながら乗り越えていく2人が伸びやかに描かれている。この『AGE』を起点とするバンド小説『グラスハート』も人気を博し、2009年のシリーズ完結時には直木賞作家・山本文緒がその魅力を語るなど、ライトノベル内にとどまらない反響を呼んだ。

重要なのは「血のつながり」じゃない。愛とエゴとコミュニケーションで成り立つ「家族」の醍醐味

<p> 『お母さん二人いてもいいかな!?』は、タイトルの通り、同性愛者である著者と妻の2人で、3人兄弟を育てる日々を描くコミックエッセイだ。</p> <p> シングルマザーだったパートナーと出会った経緯から、子どものためにカブトムシを捕りに行ったり、長男が照れながら2人の母親に彼女を紹介したりといった微笑ましいエピソード、子どもに「父の存在」をどう伝えるかなどシリアスな問題まで、笑いを交えつつも、子どもと誠実に向き合い、悩み苦しみながら答えを探る“婦妻(ふさい)+兄弟3人”の日々が描かれている。</p>