離婚後すぐ、結婚相談所で再婚を決めた47歳女性の理由「息子に連鎖させたくなかった」と語るワケ

 人生、何度でも、いくつになっても、やり直しができる。間違えても大丈夫、もう一度、立ち上がって生きていこう!――そんなメッセージを込めてお送りする連載「2回目だからこそのしあわせ〜わたしたちの再婚物語」では、失敗を糧にして「結婚」に再チャレンジし、幸せを手にしつつある人たちの物語を紹介していく。

離婚後すぐに結婚相談所に入会

 第1回は、47歳で離婚後、すぐに結婚相談所に入会し、3カ月で成婚退会(婚約)し、お見合いから6カ月後に再婚した千原良枝さん(50歳)に話を聞いた。

 待ち合わせ場所のカフェに現れた良枝さんは、柔らかなロングヘアで楚々としたたたずまいの女性だ。少女っぽいかわいらしさがあり、21歳の息子がいるようには見えない。

 離婚は、かなりのエネルギーを消耗する。20年ほども連れ添った仲なら、なおさらだ。「もう結婚なんてこりごり」となってもおかしくない状況で、しかも、当時18歳の息子がいた。それなのに、離婚後すぐに婚活を始めたのはなぜ?

「息子には、幸せな家庭から巣立ってほしいと思ったんです」

 最初の結婚が壊れた理由は、元夫が転職でストレスを抱えるようになり、家庭の状態が悪くなってしまったことだ。

 次第に息子が精神的に不安定に、良枝さんもストレスから重度の喘息になってしまい、精神的にも身体的にもつらい状況が長く続いた。そのような状況で、良枝さんの人生を変えたのは息子のこの一言だった。

 「ママの病気は僕のせい?」。息子に二度とそんなことを言わせてはいけないと思い、まずは心因性だとわかっていた喘息を克服するために独学で心理学を学び始めた。

 さまざまな本を読んだりカウンセリングを受けたり、講座に参加したりしながら、心理学について学びを深めていく中で、なぜ夫婦関係がうまくいかないのかを解き明かしていった。そして、離婚に至った原因のひとつに、自分の育った家庭環境からくる男性への不信感や自己肯定感の低さが大きく影響していること。また、夫婦関係の良くない環境で育った子どもは両親からパートナーシップを学ぶことができないと気づいた。それを息子に連鎖させたくなかった。

「息子には私が苦労する姿を見せてしまっていたので、このままでは、母親を守ることが自分の役目と感じて自分の人生を送れなくなってしまうかもしれないと思いました。それで、私がパートナーをつくって幸せになることで、息子も心配せず、自分の好きなことをやって自由に巣立ってほしいと思ったんです」

 「再婚という明確な目的をもっているなら、パーティや合コンなどでなく、きちんとした相談所に入会したほうがいいよ。安くはない入会金を払っているぶん、遊び目的の人は混ざっていないはずだから」――そう知人に勧められ、素直な良枝さんは「なるほど」と納得。すぐに、とある結婚相談所の門を叩いた。

「私って、悩む前に直感で動くタイプなんですよ」

 女らしい雰囲気の良枝さんは、第一印象ではおとなしく見られがちだが、実は活発な行動派なのである。

 相談所は、写真やプロフィールなど個人のデータが登録されたファイルを見て、気に入ったり気に入られたりした相手とのお見合いをセッティングしてもらうシステム。良枝さんは、まずはお見合いを申し込んできてくれた人の中から、何人かと会ってみることにした。

「自分の感覚で選んでしまうと、今までの男性選びの癖が出て、また同じ失敗の繰り返しになってしまうから、できるだけカウンセラーさんの経験値から私に合いそうな人を選んでもらいました」

話し合いができなかった元夫

 良枝さんがキュンとくるのは、「俺についてこい」タイプの男性。でも、そういう人は、見た目と違って実は芯の強い良枝さんとは、実はあまり相性がよくない。元夫が、そうだった。

 若い頃、バイト先の先輩として知り合ったとき、リーダーシップのある彼に惹かれた。実際に生活を共にしてみると、その長所は良枝さんにとっての障害となった。また、そのリーダーシップは本来の自分の弱さを隠すためのものだったということにも気がついた。

「夫婦で解決すべき課題があっても、話し合いができず、一方的に力で押さえつけようとするところがありました。でも、心理学を学び、心のケアを続けるうちに、自分のなかに生まれ育った家庭で刷り込まれた固定概念やネガティブな思考の癖が元夫を傷つけていたことにも気づきました。自分は被害者でもあり加害者でもあったこと。そして、お互いに子どもの頃に親から傷つけられた被害者でもあったことにも気がつきました。自分が犯してしまった罪も認めたうえで、でも、話し合いのできない元夫との未来に自分の幸せはないと思ったのです」

 カウンセラーのアドバイスを受けながら、10人ほどとお見合いをしてみた。いろんな人がいた。年齢も5歳下から10歳上まで。初婚だったり再婚だったり、プロフィールもいろいろ。結婚相談所だからこそ、ふだんの生活の中では出会わないタイプの人にも短期間でたくさん出会える。

 今の夫は5歳年上で、バツイチ。最初の結婚では、生まれて数カ月の子どもを連れて元妻が実家に帰ってしまい、そのまま離婚したという経緯がある。元妻は外国人だったので、日本で子育てをする自信がないとのことだった。3カ月に1度は会いに行っていたが、元妻が再婚してからは子どもの幸せを考えて会っていない。

 良枝さんも初めてのお見合いでは、「誠実な人だな」「精神的に自立している人だな」と思ったが、それほどピンとこなかった。いわゆる男らしさを前面に出してくるのではなく、料理が趣味だというこまやかさがある人。良枝さんが一目ぼれをするタイプではなかった。それが、2回、3回とデートを重ねるうちに、だんだんお互いのことが見えてきた。

「私が再婚相手に求めるものは、とにかく『話し合い』のできる人。そして、夫は息子も含めて『家族』になることを希望してくれた。『自分が今までもらってきたバトンを次の世代につなげたい』そんな思いも話してくれて、未来に可能性を感じました」

 良枝さんは「後からトラブルになるのはいやだから」と、交際を始めて1カ月もたたないうちに、新生活を見据えた話し合いを持ちかけた。前の結婚のこと。家族のこと。お金のこと。互いに全部さらけ出し、気になることはクリアにしてから、一緒になることを考えようという提案に、夫は誠実に応えてくれた。

「ああ、話し合いのできる人だな、と」

 面倒なこと、楽しくない話題にも、きちんと向き合ってくれたことがうれしかった。この人となら、人生を共に歩いて行ける。気持ちを確かめ合い、結婚相談所はお見合いからほんの1カ月半で成婚退会、出会いからほんの6カ月で婚姻届を提出した。

コロナ禍のおかげで、家族らしくなった

 それでも、結婚したての頃は、大変だった。互いに決して若くない年齢だから、それぞれ生活のペースややり方が出来上がってしまっている。折り合いをつけるのが難しく、小さなけんかは絶えなかった。カウンセラーやセラピストを目指しながら10年かけて心のケアをしてきたはずなのに、まだ自分のなかにあるやり残しにも気がついた。

「ときには感情的になってしまうこともありました。最初の1年目は、何度か離婚を考えたことも(笑)」

 一緒に暮らし始めた息子は、入ったばかりの大学生活に夢中で、友達の家に泊まることも多く、あまり家にいなかった。それでもお互いに気を使いながらも歩み寄る努力をしてくれていたが、コロナ禍で大きく関係性が変わった。リモートで家にいることが増え、3人が常に顔を合わせる生活になったのだ。

「夫は料理が得意なので、食事の支度は夫に負担がかかることが多くなって、家庭のなかの雰囲気が悪くなっていきました。それを察知した私は、3人での家族会議を持ちかけたんです」

 この話し合いにも、夫は素直に応じてくれた。結果、お昼はそれぞれが自分の分を用意することに。息子は、良い機会だから料理の勉強をしたいけど、親の分まで作るのはプレッシャーだから自分の分だけ作りたい、と。

「家族みんなが本音で自分の気持ちを出し合い、話し合いができたことが本当にうれしかった。コロナ禍のおかげで、息子を含めた私たち3人、家族らしくなりましたね」

 先日、3回目の結婚記念日を迎えた。3年の間に少しずつ信頼関係が積み重なって、最近ではあまりけんかもない。休日には、サイクリングをしたり、高額ではないけれど、一流のお料理やサービスを提供してくれるお店を夫が探してくれて飲みに行ったり。これには一流のものに触れることで、それを良枝さんが自分の仕事にも生かせるようにという夫の思いも込められている。良枝さんがかつて望んでやまなかった、互いを思いやり、小さな楽しみを共有する、幸せな結婚生活が実現している。

 再婚当初、良枝さんは販売職に就いていたが、いずれ家族や夫婦問題を扱うカウンセラーになりたいという夢を持っていた。それが、さまざまな人の話を聞くうちに、「心と体はつながっている。ボディケアも自分のカウンセリングの引き出しのひとつにしたい」という思いが生まれ、昨年からリラクゼーションセラピストとして働き始めた。

 体をほぐし、心をほぐすことで、ねじれて固まった家族や人間関係をほぐしたい。さらには自ら結婚相談所も開設。離婚を経験した人が本当の幸せを手に入れるお手伝いをしていきたいと思っている。

「私がやりたいことを夫も理解し、応援してくれています。支えてくれている夫がいるから、私も冒険できるんです」

 話し合いができる人は、相手を尊重できる人だ。“話し合いができる”というその一点を重視して決めた再婚は、良枝さんにとって大正解だった。

(上條まゆみ)

「串カツ田中」より「俺の串カツ黒田」に行け!? パクリメニューで光るモンテローザらしさ、破格の食べ飲み放題

 酒飲みになにかと嘲笑されているモンテローザの素敵なところを、勝手に探求していく当連載。今回は本場大阪の味「俺の串かつ黒田」で泥酔してきました。(取材した店舗は、モンテローザ系列の炭火焼鳥めでた家とコラボしている店舗でしたが、串かつ黒田のメニューのみを紹介します)

モンテローザ12軒目:俺の串かつ黒田

 「俺の串かつ黒田」は、もちろん人気チェーン「大阪名物伝統の味 串カツ田中」のパクリです。また、店名に「俺の」とついているあたりは、俺の株式会社が経営する「俺のフレンチ」のパクリでしょうか。

 黒田の串かつは田中と比較すると、串かつ(豚)が田中は150円(税込)のところ、黒田は120円(税抜)。また、野菜串が田中は100円(税込)で黒田では90円(税抜)……と、一見お得に感じますが、税込みで見ると黒田は99円と差がなくなってしまいます。

 しかし、黒田の串かつの具は全体的に小ぶり。れんこん串なんて、メニューの写真では円状なのに、実際は半円型とかなりケチくさい……。とはいえ、揚げたてで提供される串かつは、具が多少小さくても味そのものに大きな不満はありませんでした。

 串かつ以外では、大阪の名物料理がいくつか揃っていて、こちらも田中より黒田が安い。人気のかすうどんは田中では710円(税込、以下同)のところ、黒田は649円。肉吸いは、田中が540円に対して、黒田は473円。大阪河内名物のさいぼし(馬肉のくんせい)も田中が650円に対して、黒田は528円です。まあ、田中の肉吸いには豆腐が入っているのに黒田には入っていない、などケチ臭さは拭えないのですが……。

 いか焼(429円)も、いかの量が少なく小麦の割合が多いと感じましたが、いかにも大阪の粉ものらしいジャンクな味で、酒のアテにはぴったりでした。

 個人的に黒田で支持したいと感じた1品は、卵入りポテトサラダ(385円)です。田中のポテトサラダは490円と高め設定のわりに、じゃがいも、ゆで卵などが固形で出てきて、客が自らすりつぶすスタイル。なぜお金を払って、芋つぶしの手間を担わなければならないのか……。泥酔時にめんどくささしかありません。一方、黒田のポテトサラダは田中より安価で、最初からつぶしてある完成形。「そこは田中をパクらなかったんだ」と見直しました。

 また、お通し(275円)のキャベツは食べ放題。お通しカットなどはできないので、せめてお代わりを忘れずに……。

 アルコール類は、キリン一番搾り中ジョッキ429円、角ハイボール385円、ホッピーセット429円、カクテル407円、と田中よりも数十円安い設定。さらに、田中にはスパークリングロゼワインしか置いていないボトルもいくつか用意されています。鏡月のボトル(720ml)が1,078円で、複数で飲む場合は、はじめからボトルを入れたほうが確実にお得です。

 そして、見逃してはならないのは、黒田にあって田中にはないオリジナル串かつ食べ放題コースです。

 黒田の食べ放題コースはいくつかに分かれており、最安値はAコース90分。串かつ13種類と、おつまみ5種類が食べ放題1,078円で、120分1,617円、150分2,156円と時間ごとに価格が変わっていきます。

 また、Aコースでは食べられない高価な牛串やえび、ほたてなども食べ放題になるBコースは90分1,408円〜。これら全てのコースにプラス千円でアルコール飲み放題がつけられます。

 1人から利用できるのもありがたく、90分ひたすら食べ飲み放題して2,178円は破格ではないでしょうか?

 田中でも店舗によっては串の食べ放題が90分1,640円で実施されているのですが、平日18時までの来店で、1日30名限定、などと条件付き。黒田のほうが俄然ハードルが低く安いです。

 串カツ田中のパクリでありながら、モンテローザらしい投げやり感のある食べ飲み放題を実施している串かつ黒田。細かく比較すれば田中のほうが味のクオリティは高いと思いますが、そもそも大阪の粉もの自体がジャンクな食べ物。鮮度や職人の腕に左右される寿司や割烹などと違い、大きな差が出にくいのではないでしょうか。

 さらに、大衆酒場を意識した田中は、椅子がパイプだったりと長時間滞在だと疲れるのですが、黒田の椅子はクッション性があり、店内もゆったりしています。

 田中をやめて黒田に行け! とは言いませんがモンテローザだからと過剰に敬遠しなくてもいいかな……と。

俺の串カツ黒田:総評

味 ★★☆☆☆
品数 ★★☆☆☆
雰囲気 ★★☆☆☆
コスパ ★★★☆☆
また行きたい度 ★★☆☆☆

インスタグラムは物欲を掻き立てる“通販カタログ”!? 買い物狂い、1枚の画像がきっかけで総額120万円超えの大散財!

 


――2年で1,300万円以上溶かし、現在借金は●00万円の“買い物狂い”のライターが、苦しくも楽しい「散財」の日々を綴ります。

 年に1度、花火のように打ちあがる「指輪が欲しくてたまらない病」。その発作の原因はわかっています。「AbHeri(アベリ)」さんのスペシャル優待のためです。

 私の大好きなジュエリーブランド・アベリでは、買い物をした額によって優待を受けることができます。私は年間100万円以上使うヘビーユーザーなので、1年間15%オフで購入できます。その期限が切れそうなときに決まって、「せっかくだからなにか買い物したいー! フンガー!!」となるっちゅーわけ! とはいえ、色石のリングは時期によってラインナップが違います。やっぱここはバチンと、オーダーで買おうかね。私はインスタグラムを開き、「アベリ リング」で検索をかけてみることにしました。

 説明しよう! インスタグラムとは、おされな女どもが自分の戦利品をアップし、「どうでしょう。これ羨ましいでしょう?」と見せつけるSNSのことだ! アベリさんの色石リングも「世界に1つだけ。1点ものを購入しました♪」なんてコメントを添えながら写真が投稿されておる。しかし、私のように「金」という暴力ですべてを解決する女は、その写真をスクショし、アベリさんのところに持っていくのだ! たいていのものは作ってもらえるのであーる! つまり! 私にとってインスタグラムは物欲を掻き立てられる、巨大な通販カタログのようなものなのだ! HAHAHAHAHAHA!!!!!!!!!!

 さて、「#アベリ」で検索したリングを見ていると、可愛らしいピンクサファイアのリングが目に飛び込んできました。へーへー、可愛いやん。私はすぐにスクショし、アベリさんに見せました。すると、アベリさんは数日で石の候補を持ってきてくれました。しかし、「写真よりも小ぶりな石にはなります」とのこと。

 ぐぬぬ……それじゃインスタ女よりもあたいのリングが負けちゃうじゃないのよ……! それじゃ“アベリマウント”が取れないじゃないの! 私はピンクサファイアの大きな石を買ってきてスペシャルオーダーで作ってもらおうかと考え直し、楽天でピンクサファイアのルースを探すことに。結果、良い石は30万円くらいだということがわかりました。それってーと、加工賃を合わせると60~70万円くらいするってこと? ぐへえ。けっこうかかるわねえ。

 私はもう一度、インスタに舞い戻りました。考えてみたら、「なにがなんでもピンクサファイアのリングが欲しい」と思ったわけじゃなかったわ、と負け惜しみのようなことを思いながら、つらつらーっと見ていた時、ふいに「そういや、アベリさんの公式アカウントもあるのかなあ」と思いました。アベリのファン、大ファンと公言しておきながら、今までSNSはノーチェックだった私。というのも、公式サイトはちょくちょく検索していたので、そこに掲載されているものとSNSで紹介されているものは同じだと思っていたのです。ところが……。

 アベリさんのインスタを覗いた瞬間、私の体に電撃が走りました。見たこともない、ものっすごい可愛いチェーンリングが目に飛び込んできたのです。ななななななななんじゃこらあああああああああああ!!!!!

 それは1点ものだというトリコロールカラーの「トルマリンチェーンリング」。ピンクとグリーンと白の3色の石が美しく、その大きさは7カラットオーバーでキランキラン。もうすんごく、目が飛び出そうなくらいに可愛いのです!!

 私はろくに値段も見ずに、この写真が掲載された日付を確認しました。するとなんと1日前……! それならギリまだ売れてないぞ……! その瞬間から目はギンギン。やばい薬を静脈に注射したジャンキーのごとく、私は興奮状態に陥りました。時刻は深夜2時でしたが、翌日のアベリさんの営業時間に絶対に起きていなくてはいけないという使命感からまったく眠れなくなりました。

 それにしても、アベリさん……、公式サイトの写真が全然更新されないと思っていたら、私の知らん間にインスタで息をしとったのね……! 情報弱者のワイ、完全に出遅れました。眠れぬ夜中、インスタを遡っていると、ほかにも可愛いリングを見つけました。それは、「モルガナイトチェーンリング」。こちらは8.72カラット。パッと開いたお花みたいなカットがされていてすんごくキレイ。はあ……なんて素敵なの……。

 トルマリンリングの投稿にはめちゃくちゃ「いいね」がついていましたし、コメントも多数入っていました。しかも、こんな珍しいチェーンリング、アベリさん歴の長い私でも見たことない。ということは完全な1点もの。こりゃあ手に入らないかもしれないなあ……。もしダメだったら、こっちのモルガナイトのチェーンリングを買うか……。そんなことを思いながら、写真を何度も見ているうちに夜が明けました。

 さあ、決戦だ!!!!!!

 私はアベリさんの営業時間になった瞬間、猛然と電話をかけました。トルマリンリングは銀座店で扱っているとのことで確認してもらうと、「まだ店頭にあります!」とのこと。その瞬間「買います!!!」と私は叫びました。もはや体中の血流はどくどくと流れ、正常な判断さえもできなくなったワタクシ。血迷ったのか、こうも叫びました。「モルガナイトのリングもください!!!」

 こうして、トルマリンチェーンリング(税込み61万6,000円)とモルガナイトチェーンリング(税込み66万円)を手に入れることに。15%オフの優待がつくとはいえ、ゆうに100万円越え!! それにしてもあたい、「15%オフだわい!」とか言って買い物しているけど、リボ払いで支払ったらあっちゅー間に利子でチャラになるわよねえ……? あたしってほんと馬鹿なの……?

■今回の出費
アベリ「トルマリンチェーンリング」61万6,000円
アベリ「モルガナイトチェーンリング」66万円    計 127万6,000円

インスタグラムは物欲を掻き立てる“通販カタログ”!? 買い物狂い、1枚の画像がきっかけで総額120万円超えの大散財!

 


――2年で1,300万円以上溶かし、現在借金は●00万円の“買い物狂い”のライターが、苦しくも楽しい「散財」の日々を綴ります。

 年に1度、花火のように打ちあがる「指輪が欲しくてたまらない病」。その発作の原因はわかっています。「AbHeri(アベリ)」さんのスペシャル優待のためです。

 私の大好きなジュエリーブランド・アベリでは、買い物をした額によって優待を受けることができます。私は年間100万円以上使うヘビーユーザーなので、1年間15%オフで購入できます。その期限が切れそうなときに決まって、「せっかくだからなにか買い物したいー! フンガー!!」となるっちゅーわけ! とはいえ、色石のリングは時期によってラインナップが違います。やっぱここはバチンと、オーダーで買おうかね。私はインスタグラムを開き、「アベリ リング」で検索をかけてみることにしました。

 説明しよう! インスタグラムとは、おされな女どもが自分の戦利品をアップし、「どうでしょう。これ羨ましいでしょう?」と見せつけるSNSのことだ! アベリさんの色石リングも「世界に1つだけ。1点ものを購入しました♪」なんてコメントを添えながら写真が投稿されておる。しかし、私のように「金」という暴力ですべてを解決する女は、その写真をスクショし、アベリさんのところに持っていくのだ! たいていのものは作ってもらえるのであーる! つまり! 私にとってインスタグラムは物欲を掻き立てられる、巨大な通販カタログのようなものなのだ! HAHAHAHAHAHA!!!!!!!!!!

 さて、「#アベリ」で検索したリングを見ていると、可愛らしいピンクサファイアのリングが目に飛び込んできました。へーへー、可愛いやん。私はすぐにスクショし、アベリさんに見せました。すると、アベリさんは数日で石の候補を持ってきてくれました。しかし、「写真よりも小ぶりな石にはなります」とのこと。

 ぐぬぬ……それじゃインスタ女よりもあたいのリングが負けちゃうじゃないのよ……! それじゃ“アベリマウント”が取れないじゃないの! 私はピンクサファイアの大きな石を買ってきてスペシャルオーダーで作ってもらおうかと考え直し、楽天でピンクサファイアのルースを探すことに。結果、良い石は30万円くらいだということがわかりました。それってーと、加工賃を合わせると60~70万円くらいするってこと? ぐへえ。けっこうかかるわねえ。

 私はもう一度、インスタに舞い戻りました。考えてみたら、「なにがなんでもピンクサファイアのリングが欲しい」と思ったわけじゃなかったわ、と負け惜しみのようなことを思いながら、つらつらーっと見ていた時、ふいに「そういや、アベリさんの公式アカウントもあるのかなあ」と思いました。アベリのファン、大ファンと公言しておきながら、今までSNSはノーチェックだった私。というのも、公式サイトはちょくちょく検索していたので、そこに掲載されているものとSNSで紹介されているものは同じだと思っていたのです。ところが……。

 アベリさんのインスタを覗いた瞬間、私の体に電撃が走りました。見たこともない、ものっすごい可愛いチェーンリングが目に飛び込んできたのです。ななななななななんじゃこらあああああああああああ!!!!!

 それは1点ものだというトリコロールカラーの「トルマリンチェーンリング」。ピンクとグリーンと白の3色の石が美しく、その大きさは7カラットオーバーでキランキラン。もうすんごく、目が飛び出そうなくらいに可愛いのです!!

 私はろくに値段も見ずに、この写真が掲載された日付を確認しました。するとなんと1日前……! それならギリまだ売れてないぞ……! その瞬間から目はギンギン。やばい薬を静脈に注射したジャンキーのごとく、私は興奮状態に陥りました。時刻は深夜2時でしたが、翌日のアベリさんの営業時間に絶対に起きていなくてはいけないという使命感からまったく眠れなくなりました。

 それにしても、アベリさん……、公式サイトの写真が全然更新されないと思っていたら、私の知らん間にインスタで息をしとったのね……! 情報弱者のワイ、完全に出遅れました。眠れぬ夜中、インスタを遡っていると、ほかにも可愛いリングを見つけました。それは、「モルガナイトチェーンリング」。こちらは8.72カラット。パッと開いたお花みたいなカットがされていてすんごくキレイ。はあ……なんて素敵なの……。

 トルマリンリングの投稿にはめちゃくちゃ「いいね」がついていましたし、コメントも多数入っていました。しかも、こんな珍しいチェーンリング、アベリさん歴の長い私でも見たことない。ということは完全な1点もの。こりゃあ手に入らないかもしれないなあ……。もしダメだったら、こっちのモルガナイトのチェーンリングを買うか……。そんなことを思いながら、写真を何度も見ているうちに夜が明けました。

 さあ、決戦だ!!!!!!

 私はアベリさんの営業時間になった瞬間、猛然と電話をかけました。トルマリンリングは銀座店で扱っているとのことで確認してもらうと、「まだ店頭にあります!」とのこと。その瞬間「買います!!!」と私は叫びました。もはや体中の血流はどくどくと流れ、正常な判断さえもできなくなったワタクシ。血迷ったのか、こうも叫びました。「モルガナイトのリングもください!!!」

 こうして、トルマリンチェーンリング(税込み61万6,000円)とモルガナイトチェーンリング(税込み66万円)を手に入れることに。15%オフの優待がつくとはいえ、ゆうに100万円越え!! それにしてもあたい、「15%オフだわい!」とか言って買い物しているけど、リボ払いで支払ったらあっちゅー間に利子でチャラになるわよねえ……? あたしってほんと馬鹿なの……?

■今回の出費
アベリ「トルマリンチェーンリング」61万6,000円
アベリ「モルガナイトチェーンリング」66万円    計 127万6,000円

スピリチュアル系アイドル「バイ柴49」500万円集めたクラファンに疑問……嵐、ももクロのスタッフも協力、“参加費100万円”の行方は

 ネット上には、無責任な理論で集客しては人を食い物にするような、スピリチュアリスト、霊能者、民間資格カウンセラーなどがあふれています。彼らを信じ込んでしまえば、価値観や金銭感覚をゆがめられるのはあっという間。友人や家族を失ってからでは、もう遅い! 「スピリチュアルウォッチャー」黒猫ドラネコが、現代社会にのさばる怪しい“教祖様”を眼光鋭く分析します。

 2月9日付の「琉球新報」に、3人の女性が取り上げられました。「何歳だってアイドル♪ 平均年齢42歳『バイ柴49』に沖縄から3人 MV(ミュージックビデオ)撮影へ『楽しみたい』」というタイトルで紹介された彼女たちは、「昨年5月、世界各国在住の女性起業家ら49人で結成」したアイドルグループ「バイ柴49」のメンバー。沖縄県を中心に発行されている同紙で、地元出身者がこのグループに入ったと報じられたわけです。Yahoo!ニュースや、LINE NEWSにも配信転載され、多くの人の目に触れたことでしょう。 
 
 「49(しきゅう)」と聞けば、当コラム読者の皆様はお気付きのことと思いますが、実はこのグループ、メンバー全員が「子宮系女子」です。「子宮系スピリチュアル」として話題になった子宮委員長・八木さやが販売した、スピリチュアル系情報商材「自分ビジネス講座」の受講生たちが、アイドル活動をしているんです。メンバーの中には、「霊視セッション」「股こりケア」といったスピビジネスを、ブログやSNSを通して展開している人もチラホラ。そんな“信者”な方々と知ってか知らずか、メディアが肯定的に情報を広めてしまったのは、大変な事態だと思います。 
 
 なお、琉球新報には“前科”があります。2019年5月、不登校を推奨する自称少年革命家でYouTuberの「ゆたぼん」をいち早く取り上げたのが、同紙でした。なんだかいろいろ勘ぐってしまいますが、単に取材が甘いだけなのか、話題作りのために突き抜けた人々にも寛容なのか……。どちらにしても、もう少し慎重になっていただきたいものです。 

西野亮廣主催のイベント参加、『紅白』出場を狙っていた?

 バイ柴49のプロデューサーは、雅子スチュワートという人物。米国在住で、自身も子宮委員長の大ファンのようです。一昨年末、「八木紗弥佳(八木さや)総理大臣訪米準備会」というイベントを主催した後、八木さや本人を自宅のあるサンディエゴに招待していた雅子氏。そこで「自分ビジネス世界会議」を行い、盛大にもてなしていました。そんな雅子氏、本人のブログによれば、肩書は「マリッジ・ファミリーセラピスト」で「コスミックコーチ」とのこと。自己紹介文は「地球のアセンションに向けて人類のアセンションの為にも波動を上げていきましょう」と結ばれています。……はい、もう“察した”かと思います。 
 
 雅子氏のブログをさかのぼっていくと、昨年春ごろに「参加費2万3,000円」でバイ柴49のメンバー募集をしていることが確認できます。まずは、キングコング・西野亮廣さん主催のイベント「天才万博」への出演をもくろんでいたこともわかり、『NHK紅白歌合戦』に出たいという野望もつづられていました。また、メンバーも参加するZOOM会議を有料で公開し、バイ柴49のオリジナルTシャツなどをオンライン販売していたようです。 
 
 プロデュース側に近い人物として、「ロンズーさん」こと瀧澤勉氏の名前も頻繁に出てきます。瀧澤氏は元コンサルタント、起業家養成セミナー講師でもあった男性で、八木さやの「自分ビジネス講座」の運営にも関わっていました(現在は、八木さやからこの講座を譲り受け、販売を任されていることもわかっています)。

 こうしてひもといていくと、子宮委員長・八木さやから信頼の厚い雅子氏と瀧澤氏が、参加費を取りつつ子宮委員長のファンを集め、「何歳だってアイドル」という斬新なコンセプトを掲げつつ、グループ結成の軌跡などを見せながら、アイドルビジネスを仕掛けた、という構図が見えてくるのではないでしょうか。 
 
 バイ柴49はアイドルグループとはいえ、今のところ、CDを発売するなどの商業展開はしていませんが、琉球新報が伝えていた通り、MV撮影は行っています。その資金をクラウドファンディングで集めており、募集サイトには「子育てをしながら、仕事をしながら、いつか、アイドルになりたかったという少女の頃の夢を実現していこうとしている熟女のアイドルグループ」「たった1回のステージを体験して解散するという前提で立ち上げました」などと、グループの紹介が書かれています。このように「夢」をかなえ、それに刹那的な意味付けがあるあたり、アイドル好きやスピ好きな人のツボをおさえているな、と感心してしまいます。
 

  「夢を諦めない平均年齢42歳のアイドルグループ!超一流映像制作チームがMV制作!」と銘打ったクラファンは今年1月25日から始まり、19日間で500万円以上の調達に成功。内訳を見ると、50万円の「プレミアムコース」を選択した方が7人もいるようです。

 ちなみに、50万円出資者へのリターンは「ただ楽しんでいるだけで奇跡の連続!そんな雅子スチュワート流!ビジネス・プロジェクト成功の秘訣を、雅子本人が支援者様お一人お一人にお伝えしていきます」とのこと。「10時間 (1回2時間、計5回)ご提供!」と書かれているので、雅子氏は計70時間のコンサルをやることになりますね。ありがたや、ありがたや……じゃなくて、ここである疑問が湧いてきます。 
 
 メンバー49人分の参加費や、ZOOM会議、グッズ販売で得たお金は、一体どこへいったのでしょう? 単純に計算して、参加費だけで100万円以上集まっているのですが、それでもクラファンを行い、「たった1回のステージを体験して解散する」グループのために、500万円も資金を集める必要があったのでしょうか? 

 しかし、バイ柴49の「ゴキゲン氣分」MV撮影スタッフを見ると、大金を集めた理由もわかる気がします。制作陣には、サントリーやパナソニックなど、大企業の広告に携わった映像制作会社社長の中島康雄氏、嵐やももいろクローバーZなどのMVを手掛けた映像ディレクター・福居英晃氏の名前もあり、一度きりの道楽とは思えない豪華さ。さぞ、素晴らしい作品ができたことでしょう(YouTubeで公開されていますので、ご興味ある方は、ぜひその目で確かめてみてください)。
 
 ここまで大ごとになってしまうと、やはり懸念があります。メンバーの多くは、スピリチュアルビジネスで大きく稼ぎ、「第二の子宮委員長」を目指しているといっても過言ではない人々。映像のプロまで巻き込み、メディアにも取り上げられた今回の活動で自信を得て、「私たちみたいに、夢はかなうのよ!」とかのたまいながら、各々が妙なスピリチュアルセッションなどを行えば、何も知らない人たちが“餌食”になってしまうかもしれません。 
 
 私も最初は「信者さんのゴキゲンなお遊び」と思って生ぬるく見守っていましたが、ここまで話が大きくなると、バイ柴49やそれを取り巻く人たちを調子に乗らせないかと不安です。何歳になっても夢を持つのはいいことですが、本当に、一度きりの活動で終わることを祈っています。

「元夫には再婚してほしい」子どもを連れ去られ、共同親権運動を行うシングルマザーが今思うこと

『子どもを連れて、逃げました。』(晶文社)で、子どもを連れて夫と別れたシングルマザーの声を集めた西牟田靖が、子どもと会えなくなってしまった母親の声を聞くシリーズ「わが子から引き離された母たち」。

 おなかを痛めて産んだわが子と生き別れになる――という目に遭った女性たちがいる。離婚後、親権を得る女性が9割となった現代においてもだ。離婚件数が多くなり、むしろ増えているのかもしれない。わずかな再会のとき、母親たちは何を思うのか? そもそもなぜ別れたのか? わが子と再会できているのか? 何を望みにして生きているのか?

第2回 田中由実さん(仮名・37)の話(後編)

▼前編はこちら▼

絶対に親権を取れると思っていたが……

――2018年末に、彼が岐阜の実家に帰省した後はどのように過ごしていましたか?

 冬休みだけの帰省だったので、彼は年明けに社宅に戻ってきました。帰ってきたときには特に変わった様子もなく、クールダウンできたようでした。私は私で離婚届の不受理届(本人の知らない間に虚偽の届出が受理され内容にするための書類)を提出していました。その後の家族がどうなるかも含めて、様子を見ながら過ごしていました。

 しかし、年が明けて1週間後、不意に彼から「離婚届を出した」というメールが入りました。ところが、そのときはまだメールには提出日が書かれておらず、メールよりも私の不受理届のほうが先だと思い、余裕の心境でした。実は、彼は帰省時に、私の不受理届よりも早く離婚届を提出していたんです。

 1月中旬すぎに岐阜県某市から「出された離婚届に不明な点があるので連絡をください」と電話があったときも、記載に不備があるのだから受理はされないだろうと思っていました。

――でも、結果的には、1月末に離婚届の受理が判明したのですね。その後はどうですか?

 親権者移行審判を起こしたのですが、当初は絶対に親権を取れると思っていました。その頃、子どもの育児はほぼ私がメインでした。子どもに食物アレルギーがあるので、病院の付き添いもアレルギーの種類も知らない彼が育てるのは危険だという点と、育児実績をきちんと判定してもらえていると期待していました。

 その後、彼とは「ちょっと今後のことを話しましょう」という期間がありました。彼は義父ともども子どもの前でも「親権がないんだから、家を出ていけ」「親権がないなら子どものことに関わるな」と何度も言っていましたが、私は気にしませんでした。

――係争しながらの同居は、気持ちが休まらなかったのでは?

 明るい雰囲気が作れていました。食卓は一緒に囲んでいて、たとえ彼と話さなくても、それなりにうまくいっていたんですよ。連絡事項はメール、彼は私の作ったご飯を食べなくなったぐらい。当時は、いろいろできたんです。というのも、子どもがやっぱり元気だから。お出かけもおのおのがそれぞれ連れていっていたので、特に不便は感じませんでした。

――途中で何か変化はありましたか?

 親権者ではないということで、4月以降、私は小学校・保育園に入れなくなりました。「親権者以外の母親を立ち入らせるな」というような要望を彼が園に出してしまったからです。その一件によって、ママ友や子どもたちといったコミュニティの中の80%ぐらいとの縁がなくなってしまいました。あれには打ちのめされました。

――彼が子どもを連れて出て行く前触れはあったのですか?

ありません。「同居前提に裁判を進める」という話でしたし、アレルギーのある長女の食事は、私が作っていましたし。だから出ていく状況ではなかったんです。とはいえ、離婚した私が社宅に居座るのは確かに問題。なので彼には「会社には私から話しておくから」と話をしていました。それにもかかわらず、彼が子どもを連れて出て行ってしまった……。

――子どもたちが連れ去られたのはいつですか?

 夏休みの前です。金曜日だったので、朝、普通に子どもたちと「行ってらっしゃい」と別れて。前日も一緒にお風呂に入って普通に過ごし、変わった様子はありませんでした。裁判でも「同居前提で進める」とのことだったので、安心していました。

 ところがです。夜7時半過ぎて、家に帰ったら子どもがいない。ただ、すぐにはわからなかった。というのも、相手は家の中から、自分の荷物だけを持っていったんですね。午後8時を過ぎても帰ってこなかったときに「あ、これはいよいよマズいわ」と思って、保育園などの関係者に電話しました。連れ去られたという事実に思いが至って、さすがに愕然としました。その日は全然眠れませんでした。

――連れ去られた後、どのように過ごされたのですか?

 「電車に飛び込めたら楽だよなぁ。でもそうしたら、きっと子どもがいつか泣くなぁ」「元夫は葬式で自分のしたことの罪深さに殊勝な悲しいふりをしながら、内心ほくそ笑むのだろうなぁ」などと、茫然自失のなか、気がつくと、仕事中でもいつでも涙が流れる状態で、日常を過ごしていました。週末はもちろん、空いた時間があると、子どもたちを探しに行きました。

 そして連れ去られて10日ぐらい後に、偶然道端で会ったんです。ずっと私に会えずに、いきなり引っ越しをさせられた子どもは、その場で「やっぱりママがいい」って抱きついてきて。当時6歳と4歳の子どもが、泣きながら再会を喜びました。

 でも、それもつかの間で、父親はそれを許さず「ママにはすぐ会えるから!」と言い張り、抱きついた子どもたちを無理やり引き離し、子どもたちを連れて走って逃げていきました。その後、彼の弁護士から「お母さんに会うと子どもたちが不安定になるので、今は会えません」との通告を受け、断絶の状態に入りました。

――それ以降、それぞれどこに住んでいたんですか?

 先ほどの弁護士より「社宅の契約を解約する」という書面が来ており、私も子どもたちの通う保育園から歩いて1分のマンションに引っ越しました。子どもと住める十分な広さの住居で──というのも、子どもたちといつでも一緒に住めるようにしておきたかったからです。

 また、本当に偶然ですが、別居後1カ月ほどしてから、実は私の引っ越し先と、子どもたちの住む家が目と鼻の先だったってことがわかったんですよ。私は集合住宅の上の階で、彼と子どもたちは道一本挟んだ向かい側の1階。あまりの偶然に、びっくりしました。

 そんな感じだったので、私は相手を刺激せぬよう、ベランダから子どもたちの様子を見ることができました。子どもたちがマンションの入り口近くまで入ってこようとする様子はありました。すると気がついた彼がやってきて、また子どもたちを両脇に抱えて、走って帰っていきましたけどね。

――連れ去り後の生活は?

 こんなに家が目の前でも、私と子どもは、彼と彼の弁護士の意向により、「月1回3時間 自宅外」という条件でしか会えませんでした。

 一方、元夫のことについては、情報がブロックされているので、はっきりしたことはわかりません。それでも、離婚して以降は残業もせずに定時に帰ったりしていますから、彼は彼なりに真面目に子育てしているようです。まるで私に代わって思い通りの子育てをして、自分自身が理想の母親になりたかったのかな、と。私を排除した家族で、彼は母親から与えられなかったことを、子どもを育てることで補おうとしているのではないかと思っています。

 私は、そんな彼の態度にイラつくんです。私の代わりにキャリアを託した彼が、私から正社員というポジション、家庭や生活、さらに子どもまで奪っているのに、時短勤務制度を利用したりしてるんですよ。あなたはどこまで人から夢と希望を奪えば気が済むんだろうと、思っています。

――その後、係争は?

 19年12月に、親権者移行の審判が終わりました。子どものアレルギーや監護権の判断では、同居前提で調査官調査や審判をすると裁判官とも共有していたにもかかわらず、彼が引っ越しを強行したので監護の継続性では彼が勝り、私は親権を取り戻せませんでした。

 その後、彼と子どもたちが、歩いて10分ほど先にある元の社宅に戻ってしまいました。道路向かいの近距離別居だったのが、どうも嫌だったようです。当時のことは、子どもたちも覚えていて「パパが無理やり、いつも引っ越しをする」と言っていました。

――コロナ禍の中、交流はどうしていたんですか?

 コロナ禍に入った直後は、やはり無期限面会停止に入りました。 会えなくてつらかったですし、それ以上に心配でした。それで私、この状況を利用した提案をいくつかしました。というのも私、衛生管理者と栄養系の資格を持っていまして、コロナ対策に関してもある程度の知識を持っているんです。

 なので、手指や物に付着したり、空気中を漂ったりしているウイルス。それらについての安全対策が可能な限りできてしまうのです。例えばこんな感じで。「〇〇市は緊急事態宣言時には、スーパーに2人以上で来ないでくださいって言ってますよね。とすると、あなたは子どもを連れて買い物にも行けないはず。だから緊急事態宣言中は、私が食事を提供します。その間、あなたは子どもに目を配ってあげてください。もちろん、ウイルス衛生管理対策は万全に取ります」と。それが認められ、タッパーに詰めた料理を、その後、週に2回、持って行ってもいいいってことになりました。

――プロだけに説得力がありますね。

 そして、社宅までご飯を届けに行ったところ、子どもたちが玄関前で泣いてたんですよ。そこで私、「大丈夫?」って言うと、子どもは約1カ月ぶりに会えた私に喜び、また抱きついてきました。

 その時点で、私自身の人との接触がほぼありませんでした。それにコロナの罹患症状も見られませんでした。そうした状況を説明し、「ある程度は安全である」ということを納得してもらいました。その接触後から2週間たてば潜伏期間が終わるので、自分が陰性だと確認できますよね。なので「その時期に会いましょう」っていう話をしました。「コロナの期間だから、感染の恐れがある外で会えませんよね。だったら私の自宅にしませんか?」って言って。

――月の面会時間が3時間から5時間半に増えたそうですが、それはなぜですか?

 コロナ禍だということで、Skypeでのオンライン通話を始めさせたんです。すると子どもたちが喜んで、「ママと電話を切りたくない」と、スカイプの時間が4時間、5時間と長くなったんです。そこで彼に話して、「オンラインですら、これだけ長く交流できるんだから、実際に会って交流する時間ってオンラインより短くなるはずがない。長くなって当然じゃないですか」と言って延ばしました。

――すごい頭脳プレーですね。

 その後、タッパーに入れた食事を持って行くと、3人で玄関先で出迎えてくれるぐらい関係が良くなって、一緒に4人で散歩したりできるようになりました。このまま共同養育ができるのかなと期待するほどでした。弁護士事務所が休みのゴールデンウイーク中は相手方の弁護士を介さず、ある程度スムーズに連絡が取れたのです。

 ところが、5月の連休が明けたら、彼の態度が豹変してしまいました。「ご飯の差し入れはいらない」とか、「緊急事態宣言が終わったから自宅面会はなし、時間も通常の3時間とする」など。連休明けに、弁護士がいろいろアドバイスした結果そうなったんでしょう。

――ガッカリですね。

 でも、20年5月25日に緊急事態宣言が解除されたときに、私、腹をくくったんです。親権者変更の裁判中は「裁判中だから会わせない」。コロナになれば「コロナだから会わせない」。実際に緊急事態宣言が解除されても「会わせない」。親権者になれば、子どもの気持ちにかかわらず、会わせない理由なんてなんでもでっち上げられるのです。なら、自分で子どもたちと縁をつなごうと考えました。

――具体的には、どんなふうに?

 私の自宅は、前述のように、保育園徒歩1分です。なので、子どもたちの朝夕の送迎時など、可能な限り、保育園の外で子どもに会いに行くようにしました。子どもたちが通りがかったところで、「お疲れさまと」と声をかけて、ハグしてチューして、「じゃあ、また明日ね」って。当時、私の弁護士には止められたけど、でも保育園前は私の生活圏内であり、駅へ向かう道の途中ですから。

――ストーカー規制法の対象に該当するということで、接見禁止を命じられたりしなかったんですか?

 私は先に警察に行って、そこで「連れ去りはしない」という相談をした履歴を残し、保育園の園長先生とも、この行動が問題ないか、事前に確認のやりとりをしています。私は女性だし、母親だから、保護命令をやりにくいのはあるのかもしれませんが。

――それ以外の実際の面会交流の際には、どういうふうに過ごしているんですか?

 それは、ひたすら楽しくですよ。私の家にはルーフバルコニーがあるので、子どもたちが家に来たときは、夏だったらプールに水をためて水遊びをさせたりしたいです。まだやっていませんが、雪が降ったら雪だるまを作ったりしたいです。あとは、最近実際に行った面会交流内容は、ハロウィンや七五三の写真撮影やお宮参りといった、彼がやりそうにないもの。外での行事は、時間がタイトで大変ですけどね。

――元旦那に対して、今ははこうしてほしいとか、今までの経緯について彼に対して思うことはありますか?

 好きだった人とか一緒に生活しようと思った人に、なんでここまで嫌われて、人格を傷つけられなきゃならないのかって思います。復縁したいとか、一切思わない。彼のことは正直軽蔑するけれども、親として、共同養育は一緒にしたいです。彼がされてきたように、母親という存在を子どもから消すことは子どもの利益にならないからです。

 毎週末、タッパーに詰めた料理を持って行ったりして共同養育の下地はもうあるので、「子どものために一緒にやりましょうよ」「子どもたちに母親が必要なんだよ」って言っています。だけど、私がどんなに言っても、彼には響かないんですよ。彼自身の生い立ちを否定されてしまうことになるから、言われたくないでしょう。

――彼は、由実さんのことを、子どもたちにどう伝えているんでしょうね?

 娘に、この間言われたんです。「Y(娘の名)は何も決められない。パパが決めるから」って言われてるって。それを聞いて私、直感したんです。子どもたちは空気を読んで、自分で意見を言うことをしなくなっていると。おそらく「家の中ではママの話はしない」「ママの家には泊まれない」と言われているんでしょう。息子は「家の中では、ママへの手紙は書けない」と言っていました。かつて、彼が義父に強いられたように、母親の話題は禁句なのだと思います。

――彼が押し黙ることで、子どもたちに「それは言っちゃいけないことなんだ。考えちゃいけないことなんだ」って思わせる。そうした周りを従わせるやり方で子育てをしていると。

 そうなんです。義父から彼に対して行われた子育てが、子どもたちに対して繰り返されている。それがすごく嫌。だから私は子どもたちと頻繁に会うことで、わだかまった子どもの気持ちをリセットしなきゃって思ってて。「2人のことはパパもママも愛している。大人だって間違えちゃうんだよ」と子どもたちに伝えています。母親のことは考えていいんだよって。

――今やっていることは?

 彼との係争に関しては、調停で共同養育の提案をしています。と同時に、相手方の弁護士については偽証が多発しており、弁護士会に向けた懲戒請求もかけています。また、このような問題をめぐる社会活動も行っています。私のような母親当事者のフォローや、離婚、親権といった一般的にはなじみがない事柄に関する知識の周知や、システムを変えるための市政や法改正の活動を行っています。この活動を通して私自身新聞に載ったこともあり、子どもたちにも「ママは新聞に載ったんだね! 今度テレビにも出てよ!」と期待されています。

――今後のことは、どのように考えていますか? 

 子どもは、私が毎日会いに来ると信じているし、私もその期待に応えている。今の家庭裁判所が認めている一般的な月1回2時間の面会では、親子関係は構築できない。子どもたちが喜ぶ一番の愛情の伝え方は、単純な接触回数と愛情表現に勝るものはないです。だから今後も可能な限り会って、子どもに愛情を伝え、関係を維持していきたいです。

――ご自身は、再婚しようなどと思われたりはしないですか?

 ここまで傷つくと、さすがにそういう気持ちはまったく起きません。まずは子どもの幸せ。そして、その後、自分自身が安定しないと。彼は、どちらかというと再婚してくれたらうれしいです。もっと彼が自分の狭い世界だけではなく、いろんな方と話して、視点を広げてほしい。私が相手ではできなかったので、もっと彼にも幸せになってほしい。でも、育児が大変で、再婚するための時間が取れないのであれば、「私が共同養育で、その時間を作りましょう」と思っているぐらいです(笑)。
(西牟田靖)

ジャニーズ事務所を巣立つTOKIO、“顔”で見る運勢ランキング発表! 第1位は「退所後、間違いなく成功する」!?

 いい運勢も悪い運勢も、すべては「顔」に表れている!? 顔立ちや表情から性格、気質、才能を見抜く「観相学」を用いた占いを行う岡井浄幸氏に、今ノリにノッている芸能人の運勢を徹底鑑定してもらいました!

ジャニーズを巣立つTOKIO、“今後の運勢”を徹底鑑定!

 3月31日をもって、現メンバー4人全員がジャニーズ事務所を離れるTOKIO。完全に退所する長瀬智也は、芸能界を引退して裏方へ転身、城島茂、国分太一、松岡昌宏は、タレント業と並行しながらジャニーズグループ関連会社「株式会社TOKIO」を運営していくそうです。まさに今、“門出”を迎えた彼らですが、今後の運勢はどうなるのでしょうか? 

 今回は、岡井先生に「ジャニーズ退所後に活躍しそうなTOKIOメンバー」をランキング形式で発表してもらいました!

第1位:長瀬智也

 長瀬さんの特徴は、鋭い目の輝きと、広く光り輝く額です。非常に個性が強く、頭脳明晰な方で、企画力や発想力がスバ抜けていますね。万能型で何事にも全力を尽くし、成果を上げられる方で、いかなる困難にも立ち向かう、“成功者の目”をしています。

 また、眉を見ると、今がまさに転機の時だと思われます。特に今後は、どの方向性に向かっても、運気は大きく広がっていくはず。今まで、自分の気持ちを抑えてきた場面も多々あったかと思いますが、ご自身の思うままに進んでいっても、成果を上げることでしょう。長瀬さんは人望や人徳があり、非常に情の深い優しい方なので、多くの人から慕われます。退所後は、周囲の協力を得て、間違いなく成功する姿が見えたため、第1位としました。

第2位:城島茂

 城島さんは、名実ともに“リーダーの顔”をしていますね。上下左右に広がる額からは、今までの苦労を前向きに、いい方向へと変えてきたことがよくわかりますし、自分や家族、仲間のみならず、多くのファンの方たちを大切にし、尽くす精神性が見えてきます。

 眉からは、協調性や対応力の素晴らしさがわかり、今後にも期待できるのですが、「ジャニーズ事務所のTOKIO」としての活動が自身のピークで、新しい環境が不安だと感じているように映ります。しかし、城島さんの愛情の深さや心の広さ、スタミナや持久力は今後ますます増強していくと思われるので、ご本人の「気」の入れ方次第で運勢は変わるはず。仲間からも慕われ、人格の高い方なので、いかようにも素晴らしい結果を出せるのではないかと、期待が膨らみます。

第3位:松岡昌宏

 松岡さんの特徴は、口角の上がった大きな口にあります。彼の口から出る主張力は非常に素晴らしく、多くの人を幸せな気持ちにすることで、自分も意欲を燃やす“お人好し”なところも魅力。さらに、上下左右に広く前に張り出した大きな額からは、感性の鋭い直観力に優れた方で、誰よりもエネルギッシュに行動できる一面が見えます。

 その半面、頑固で負けず嫌い、勝ち気でわがままな性格でもあるよう。とはいえ、誰にでも“情”を注ぐことができ、自分が愛されたいと思うよりも、とにかく自分から愛情を注ぐ、楽天的で温かい愛情の持ち主だといえます。

 新しい環境での再出発に際しては、健康面が若干気になりますね。あまり頑張りすぎてしまうと、スタミナや持久力を使い過ぎる傾向にありますので、これからはもっと“省エネ”でよいでしょう。ゆったりとした生き方に切り替えて、自分らしく活躍できるよう願っております。

第4位:国分太一

 太く肉づきのいい鼻が特徴の国分さん。若い頃は紆余曲折があったかもしれませんが、これからの人生は太く長く安定していくように見えます。物事を知的にとらえたり、論理的に組み立てたりすることは苦手なタイプで、感性を優先させ、直感力でスケールの大きなことを考える傾向があります。さらに、「中心人物でありたい」と願う野心家で、常に夢を追いかけているのですが、眉からは「ジャニーズ事務所のTOKIO」として活動した期間が一番充実していて、今は気持ちが一区切りついていることもわかります。

 新しい環境で再出発する際には、前髪を上げて額を出すことで、ご自身の意志や思いが人に伝わり、環境を変えてくれるはず。「気」の力でもっとマインドを強くすれば、今後の人生も豊かになり、将来の活躍が見えてくると思います。

TOKIO、新しい道に進むタイミングは“今”だった!

 今回、TOKIOメンバーの鑑定を行ったところ、「やはり今が区切りだったのかも」と感じました。それは、みなさんの眉に現れていたことです。眉の長さを見ると、寿命や人生の浮き沈みなどがわかるのですが、ちょうど4人それぞれ、現在の年齢を指すあたりに切れ目があったり、毛が薄くなっているんです。そのため、今は4人とも転機が訪れていて、次のステージに進んでいくタイミングなのだと感じます。私自身、鑑定していて不思議な気持ちになりました。

 今後、さらに明るい道が待っていると感じるのか、まだ将来の見通しがついていないのか、そういった心境は、みなさんの額から見えてきます。中でも、長瀬さんは一番希望を持っていそうですね。心の迷いもなく、新しい道をしっかりと見据えていることがわかりました。今後のご活躍がとても楽しみです。

岡井浄幸(おかい・じょうこう)
共立女子大学家政学部食物学科卒業後、明治乳業中央研究所、財団法人国際科学振興財団などを経て、2006年より「嘉祥流観相学会」導主である藤木相元氏に師事し、修行開始。07年には、高野山真言宗にて得度。現在、一般社団法人「嘉祥流観相学会」代表理事・大導師として、観相学、姓名学、開運脳メイクのアドバイス、およびアドバイザーを養成中。企業などでの講演、テレビ、ラジオ等にゲスト出演等を行う。

家の購入で夫とけんかして離婚の危機! 義父の叱責やワンオペ育児で疲弊した妻の苦しみ

 『子どもを連れて、逃げました。』(晶文社)で、子どもを連れて夫と別れたシングルマザーの声を集めた西牟田靖が、子どもと会えなくなってしまった母親の声を聞くシリーズ「わが子から引き離された母たち」。

 おなかを痛めて産んだわが子と生き別れになる――という目に遭った女性たちがいる。離婚後、親権を得る女性が9割となった現代においてもだ。離婚件数が多くなり、むしろ増えているのかもしれない。わずかな再会のとき、母親たちは何を思うのか? そもそもなぜ別れたのか? わが子と再会できているのか? 何を望みにして生きているのか?

第2回 田中由実さん(仮名・37)の話(前編)

 子どもプログラミング教室の外の廊下には、お迎えの父母が10人ほど。その中に30代らしき小柄な女性がいた。兄妹とおぼしき幼い子どもが女性に抱きつく。当日はバレンタインデーで、女性はチョコレート菓子のキットを取り出して「2人で作ってみてね」と仲良く兄妹に語りかけている。数分後、女性のすぐそばに背を向けていた男性が兄妹を連れて立ち去った。子どもたちに悲壮感はない。ものの5分という、つかの間の面会だった。

「子どもとの関係はすごく良好です。なぜ元夫が子どもと母親が会うことを制限したがるのかがわからない。普段は離れて暮らしているからこそ、会えるたびに愛情と子どもたちへの必要な言葉はすべて伝えています」

 8歳長男と6歳長女の母親である田中由実さんは話す。これだけ仲の良い母子が一緒に暮らせなくなったのはなぜなのか? 家族との関係は、なぜこのようになってしまったのか?

キャリアより家族を持つことを選択

――結婚までは、どのように?

 都会出身の証券マンだった父と田舎で育った母のもと、地方で育ちました。私が長女で弟が2人います。

 大学の専攻は物理のシステム工学。正社員の開発者として就職したかったのですが、氷河期世代の頃でかなわず、大学卒業後、非正規や派遣として働いていました。20代後半で大学に行き直し、修士課程を修めたのですが、それでも待遇は変わらないまま。一般的な企業に新入社員として入る以外は、この分野で正社員になることって至難の業なんです。プロジェクトごとの参画や任期付き、非常勤など下積みのキャリアを重ねながら過ごしていました。

 それでも30代前半のとき潮目が変わりました。それまでのような非正規や派遣ではなく、「正社員の開発者として働いてみないか」とお誘いを受けたんです。それまでずっと夢見てきたポジションだったので、すごくうれしかった。

――もちろん、お受けになられたんですよね?

 そのお誘い、悩み抜いた末にお断りしたんですよ。というのも、その頃、とある男性と2年間付き合っていて、結婚しようかという話が出ていたんです。彼は同じ会社に新卒から勤める正社員の研究者。彼の実家は岐阜県で長男。親を大切にするいい人という印象。気持ちも合うし、年齢的にも子どもも欲しかった。さらに彼は私が正社員の開発者として就職するなら結婚はしないと言い切っており、私は人生の大きな選択を迫られた。そこでかなえたかったキャリアは彼に託すことにして、キャリアと夢の実現よりも、家族を持つことを選びました。

――そして、岐阜にいる彼の親に挨拶に行ったわけですね。

 そうです。するとね、彼のところにはお母さんがいなくて。というのも、彼が生まれてから半年ぐらいで、母親が家から追い出されたそう。嫁入りしてきた彼の母親と父(つまり私の義父)の、折り合いが悪かったんです。彼は母親の顔を知らないまま、父親とその両親にかわいがられて育ったようです。

――過去に彼が母親に会いに行こうと思ったことはなかったんですか?

 その点は私も気になって昔聞いたのですが、幼稚園の頃に母親のことを聞いたら、父親も祖父母も怖い顔をして押し黙ってしまったと。それで彼は幼心に、家の中で母親のことは話しちゃいけない話題なんだなと悟った。それ以降、彼は家族に母親のことは一切聞かなかったそうで、顔はおろか名前すら知らなかったそう。そんな事情なので、これまで一度も会ったことはないそうです。

――結婚式は、どんな感じでしたか?

 義父は地域柄なのか、「結婚式は盛大にやらないかん。村の威厳がかかっとる」という感じで一歩も引かない。それで私が「簡単に親戚だけで式をやればいいと思います」と希望を伝えたら、怒り心頭、たちまち私は怒鳴られました。挙げ句の果てには、私に無断で式場を仮予約しちゃって、2012年2月、結婚式の日を迎えました。

――当日は無事に式が行われたのでしょうか?

 義父の思うがままにされてしまったことがつらかった。さらには式の後、私が思うように動かないので、車の中で義父に30分近く叱責され、泣かされてしまいました。しかもね、彼(元夫)はそのとき、押し黙ってなんのフォローもしなかったんですよ。私、そのことがトラウマになってしまいました。「そのうち実家に帰りたい」って彼は言っていたんですが、「この親子の関係は変わらない。彼の言うように、岐阜の実家には帰れない」って強く思いました。

――結婚後の生活は?

 正社員にならないかと誘われた会社を辞め、転職して仕事を続けつつ、2人で社宅に住み始めました。そして、その年の12月、長男を出産しました。当時は幸せでした。子どもは生まれるととてもかわいく、人生でこんな宝物が生まれたことが奇跡だと思いました。生まれる前は職場への申し訳なさもあり、職場復帰を早くしようと思った。しかし、実際に保育園に入れる時には、子どもと離れ難かった。保活も激戦区だったために、冬生まれで早めに入れざるを得ず、長男は生後わずか4カ月後の4月から保育園に預けていました。

――寝かしつけとか、出産直後の時期の育児はどうだったのですか?

 家庭内のルールは妻の私がほぼすべて決めていて、子どもたちの面倒を見るのは100%私でした。というのも、彼は優柔不断で物事を決めきれない性格。「なんでも決めていいよ」と普段から言っていたので、信頼して子どものことも任せてもらえていると思っていました。

 一方、彼は育児を素直に手伝ってくれていました。朝の保育園までの送りは彼が担当していましたし、頼めば洗濯とか買い物、オムツ替えといった家事・育児もやってくれました。ただし寝かしつけに関しては、ほぼすべて私でしたね。というのも、彼は子どもが嫌がるくらいいびきがうるさく、すぐにコロッと寝てしまう。もしものときを考えると、私がやるしかありませんでした。

――2歳下に女の子が生まれた後はどうでしたか?

 2歳差の女の子もすごくかわいく、お兄ちゃんも妹をかわいがっていました。将来、親に何があっても、兄妹で仲良く助け合っていってほしかったので、家族が増えたことは本当にうれしかったです。

 しかし、彼(元夫)との関係は悪化していきました。というのも、社宅は狭いし、ペットの犬もおり、狭い家の中で生活が回らなくなる。遠方の実家のフォローもない中、ほぼワンオペで2人の子どもを見て、日中仕事、夜間も授乳や子どものケア。彼は、言えば動くけれど、言わないと何もしない。

 そのうち、彼に何かを言うことさえ疲れてきてしまって、彼には会話もあまり求めなくなった。さらに、夜間は彼のいびきから逃れられない――という状況の中、彼に対するストレスが増していきました。今考えると、その頃、産後うつの傾向があったけれど、私は日中病院に行く時間もない、授乳中だから薬も飲めない。とりあえず、夜だけはゆっくりと静かに寝たい、休ませて……というのは毎日思って、彼にも伝えていました。

――打開策はあったんですか?

 ずっと家を買いたいと思っていまして。彼のいびきの問題も、寝室を別の階に分ければいいんじゃないか、と考えていました。あと長男も小学生となり、持ち家で落ち着いて過ごしたいと思い始めたことも購入の理由です。私自身、家族と実家で過ごした思い出はとても貴重でしたし、就職してからはプロジェクトごとに勤務地を転々としていたので、その反動から、同じ家という安定した環境で、家族みんなが思い出を積み重ねながら生きていきたいって思っていたんです。周りでも同様の家族が多かったので、普通のことだと思っていました。

――「実家に帰りたい」と言っていた彼を、説き伏せることはできた?

 ずっと折り合わず、話は平行線をたどりました。「実家に帰りたい」ということ以外に彼は「お金が足りない」と言っていて。「だったら私が稼ぐよ」って言って、同じ業界の職場へと転職をして、仕事を頑張った結果、数年かけて頭金に十分な貯蓄ができたんです。少なくとも、そこでお金の問題をクリアしたんです。「嫌だったら、家、売ればいいんだよ」と、彼には言っていました。それに彼自身、ファイナンシャルプランナーに複数回相談して「資金計画も全く問題ない」というお墨付きをもらって、お金の不安を解消していました。彼も納得した上で、家の購入へと進んでいったんです。そうして、何軒か家の内覧に行って、ローンの計画を固めて、18年のクリスマス前、予約に至りました。

――最高のクリスマスプレゼントですね。クリスマスパーティは、さぞ盛り上がったのでは?

 それがね、ケーキ作りがきっかけで、最悪のクリスマスパーティとなってしまいました。「生クリーム作りをお願いね。砂糖は〇〇グラムだから」と分量を伝えたのに、出来上がりが散々だったんです。それで私、「なんでこんなに味が薄いのよ。全然甘さが足りないじゃない。なんでここまで分量を丁寧に話しても、できないの? もういいや、家を買ってくれれば、あなたには何も期待しない」って、彼に言ってしまいました。

 すると彼は、私に対して怒りを爆発させたんです。「謝れ。さもなくば家は買わない」と。彼は本当は岐阜の実家に帰りたいのに、私が半ば強引に家を買おうとしている。また、買えない理由もないから強固に反対もできない。だけどそれに従うことって、彼の中で人生を犠牲にすることを意味していたと思うんですよ。そこで、その言葉に対して彼から「謝れ」と言われました。でも、私は謝れなかった。私だって、自分のキャリアを諦めたり、義父の行動にも我慢したりしてきた。家を買いたいという私の夢くらい、一緒にかなえてほしかった。少しは「子どもを産む」「稼ぐ」以外の私の人生にも協力してほしかった。

 その後、彼は、自分を否定された言葉に怒って、クリスマスの夜に家を飛び出していきました。私も子どもの面倒を見ながら、「彼がなぜ理解してくれないのか」「もう離婚かもな」と思って茫然としていました。

――なんで彼は事前に反論しなかったんでしょう?

 普段から、私の威圧的な話し方や反論も怖かったようです。また、自分の感情のコントロールや話し合いができる人だったら、向き合って話して折り合いをつけることができたでしょう。人の気持ちが少しでもわかれば、それまでの義父とのことだってフォローしてもらえたでしょう。

 でも、私も人のことは言えないですが、彼はコミュニケーションが苦手で母親についてを聞けなかったように、嫌なことには押し黙れば問題を回避できると思っている。彼の父親がそうだったように。子どもがいなかった時は、私もそれなりに彼を気遣っていたので彼との関係は成立していたけれど、産後私は子どもと私自身の生活でいっぱいになってしまって、彼への配慮をやめました。

 子どもが1~4歳までは忙しくて彼へのケアが十分でなかったとしても、その後、何年かかけて彼と家族の情が育っていけばよいと思っていた。そこにも根本的な齟齬があって、彼の無意識の中で、私は彼のことを理解しない敵のような存在となり、自分を守ってくれる義父への訴求心が高まったのだと思います。

――それで、ひとまず離婚危機は回避したんですか?

 その後、結局彼は「家を買わない」と言い張り、購入をキャンセルしました。当時、私はそのことにも怒り心頭でした。それまでの住居に住み続けることが難しいから数年かけて準備してきたのに、持ち家で暮らすという私の夢が彼によってすべて否定されたことがショックで、「このままじゃ、彼は私の気持ちをわかってくれない。私が離婚を考えるぐらい悩んでいることをわかってもらいたい」という一心から、離婚届を渡してしまったんです。

 私は本当に子育てをちゃんとしてたし、仕事も頑張っていた。そういったところをちゃんと見ていてくれたら、彼がワンオペで、私のように2人の子どもを育てるのは現実的に難しいことがわかるだろうし、たとえ一時的な気の迷いだったとしても、ちゃんと家の購入を含めて向き合って、もう一度考え直してくれるんじゃないかなって、淡い期待をしていたんです。

 また、お互いにクールダウンの必要があると思い、年末だったこともあり、お互いの実家に帰って気持ちが落ち着くまで別々に過ごしたほうがいいと考えていました。離婚届に関しては、渡してしまって以降も実際に提出されることはないと思っていました。というのは、彼の帰省中は私からの連絡は拒否され、両家の両親含めて「夫婦できちんと話し合う問題」「離婚はやめてほしい」と言われていたからです。

(後編につづく)

(西牟田靖)

買い物狂い、ファッション誌「マリソル」の読者モニターに! 誌面で紹介された「エルメス」の高級リップは「さすが」の実力


――2年で1,300万円以上溶かし、現在借金は●00万円の“買い物狂い”のライターが、苦しくも楽しい「散財」の日々を綴ります。

 フフフ……ふははは……あーっはっはっはっは!!!!!! 諸君。私はやった。ついにやったのだ!! 何をやったかっつーと、私の愛読誌「マリソル」(集英社)の読者モニターに受かったのです! 今後1年間、あたいの元には毎月発売日よりも前に雑誌が届くってわけ! ふおおお、「マリソル」様のためにあたしゃ有益な感想を一生懸命書くわよ~~~!!!!

 思い返せば、「マリソル」との歴史は2年ほど。美女組(読者モデル)に憧れつつ、35歳になったら絶対にモニターに応募するんだ! とこの時をずっと夢見ていたのです。67キロの女が美女組にはなれないってことはわかってる。あたいはマリソル様にどんな形であれ、関われればいいの! それくらい好きなのッ!!

 読者モニターという仕事は、雑誌を隅々まで読み、「良かった企画」「いまいちだった企画」の感想を出すというもの。私は早速雑誌を読みながら、良かった企画にぺたぺたと付箋を貼っていきました。その時です。ふいに私は、“エビちゃん”ことモデル・蛯原友里さんのとある写真に目を奪われました。そのエビちゃんが、なんとも色っぽい唇の色をしていたのです。口紅……。そういえば、あたい、口紅なんて1本しかもっていないわ……?

 雑誌を見ているとおしゃれ賢者たちは皆、服装に合わせて口紅の色も変えているけど、口紅ってそーゆうもんなのか? 服に合わせて口紅を変えてこそ、おしゃれ真打になれるってわけ? 私はぺらぺらとページをめくり、モデルさんたちの口紅に注目して読みました。なるほどねえ、みんな微妙に色が違うわ。口紅が全体のコーデにぴりりと一味を投入するスパイスのような役目を果たすわけね。

 ふうむ。よかろう。買ってあげましょう。なんたってあたいは「マリソル」の読者モニター。「どのページも最高によかったですう!」なんて書くなんざ、ズブの素人のやること。本物のモニターっつうのはねえ、「○○ページのエビちゃんの口紅が美しすぎて速攻ゲットしちゃいました☆ この青みがかった深い色合いに脱帽です!」とか書くもんなのよ。実際に購入した、というところがミソ。そんな素敵な感想が寄せられたら、このページに携わったメイクアップアーティストが泣いちゃうかもしれないわ?

 私は鼻息荒く、口紅の紹介ページを読みました。えーと、エルメスの口紅……お値段7,920円……? ブッ!! 口紅1本8,000円だあ!? いくら高い口紅でも5,000円程度なのに、さすが高級ブランド・エルメス。どこまでも強気な価格設定です。ていうか、エルメスでコスメが売られていることすら知らんかったよ。みんな知ってた?

 調べてみると、エルメスでビューティラインが発売になったのは、2020年3月とのこと。銀座のポップアップ店には行列が並び、口紅を購入するのも困難なほど大人気だったそうです。レビューもチェックしてみたのですが、非常に良い評価ばかりで「さすがエルメス」という言葉が並びます。そういわれちゃうと欲しくなっちゃうじゃないのよ……。「その口紅どこの?」「エルメスよ?」ってさらりと言ってみたい気もするし、洋服を買ったと思えば、8,000円なんて安いほうよね? 「マリソル」のモニターになれた記念にこの口紅、買うわ!

 そして数日後、自宅に雑誌に載っていた口紅が到着しました。早速、塗ってみると、バッキバキに色が乗ってびっくり。こりゃあ……あたしの知っている口紅とは全然違うわ……? 今まで塗っていた口紅が「絵の具の色」ならエルメスは「ペンキの色」。とんでもない高発色で目の覚めるような色味なのです。「青みがかっている」と説明文に書いてあったので若干心配していましたが、変なバブリーピンクではなく、大人のピンクって感じ。深い色味でこれはもう、さすがエルメスって感じだわあ……。今回の賭けは当たりね、うん。

 しかし、賭けが当たると、さらに勝負してみたくなるのが私・バカN子なのです。私はYouTubeでエルメスの口紅レビューをじっくり観察し、計4本もの口紅を追加購入したのでした。嗚呼、結局エルメスの口紅に4万円近くも使っちまったわ……? すべて気に入った色ならいいけどさ……まったく色の確認をせずに買う値段じゃないわよねえ……。この事実も「マリソル」さんの読者アンケートに書こうかと思いましたが、やめておきました。「マリソル」さんの中の人にまで私の散財癖を知られるのは嫌だったのです。あたいはあくまでも、「雑誌で素敵なものを見かけたら買っちゃう、セレブママ」という位置づけでいたいのよお!(35歳独身・借金400万)

■今回の出費 「ルージュ エルメス ルージュ ア レーヴル」7,920円×5本=3万9,600円

「体操着の下に肌着禁止」問題を、ママ友と解決した話。LINEで情報共有、担任の先生に直訴するまで

今や日常生活において、かかせないツールとなっているコミュニケーションアプリ「LINE」。かつては子どもの送迎時に、ママたちが立ち話をしているような光景が見かけられたが、時間に追われ忙しく過ごす共働き世帯が増えた今、ママたちのコミュニケーションの場は、LINEのグループチャットになっているという。そんな、ママたちの「グループチャット」から浮き彫りになった、彼女たちの悩みや、苦悩、気になる話題を覗いてみる。

 学生時代、「これって何のためのルール?」と疑問を抱きつつも、教師の言うことにただ従っていた……そんな経験を持つ人は多いのではないだろうか。最近では、こうした無意味な校則が徐々に減りつつあるが、例外もあるようだ。

 学校内でのルールは、表に出づらい側面がある。特に低学年の児童は、違和感を覚えても、親にうまく話せないことのほうが多いからだ。しかしある時、意味不明な学校のルールを知ってしまったママたちは、一体どのように対応しているのだろうか。

小学校の雰囲気は、入ってみるまでわからない

 清掃会社でスタッフとして働いている薫さん(仮名)は、小1になる娘を都内にある小学校に通わせている。もともとは児童数が少ない地域だったため、何校かの合併で誕生した比較的新しい小学校だ。

「近隣には、ファミリー向けタイプのマンションが建設され、ここ最近は、同区内にある小学校よりも、クラス数が1クラス分多いそうです。校舎も広いし、学童クラブも近くにあるので、ワーママに人気で、学区外からの入学を希望する人もいたと聞きます。でも入ってみるまで、学校の雰囲気って、わからないものなんですよね……」

 確かに小学校は、入園体験ができる幼稚園や、1日保育ができる保育園などと比べると、入学前の児童が参加できる行事などは少ない。

「そのため、上の子がいるママへの情報収集が必須。特に『学童がない場合でも、児童は校庭で夕方まで遊べる』とか『PTAは点数制』とか、ワーママとしては押さえておきたい学校情報が、グループチャットを飛び交っていました」
 
 しかし、いざ学校生活が始まると、入学前にはわからなかった学校のルールに驚かされたという。それは、娘のある行動から発覚したそうだ。

「娘は、体育がある時は、短めの袖が付いた半袖のアンダーシャツを着たがらないんです。直接トレーナーやパーカーを着るのも衛生的によくないと思って、ある時『どうして着たくないの?』と聞いてみました。すると、体育の時には、直接肌の上に体操着を着るため、半袖のアンダーシャツを着ていると、すばやく脱げず、着替えに手こずるというんです。同じ教室内で着替えている、男子の目を気にしているようでした」

 先日、テレビのワイドショーなどで取り上げられ、話題となった、子どもの体操着の肌着問題。「体操着の下に肌着を着てはいけない」という、とある小学校の独自ルールに抗議の声が上がったのだが、同じような学校がほかにもあるというのだから驚きだ。

「結局、体育がある時は、脱ぎやすいキャミソールを着せるようにしました。入学前に、保護者を集めた説明会が開かれたのですが、学校生活で必要なものの説明が主で、ママ友とグループチャットで『クレヨンやおはじきに全部名前を書くなんて大変だよね』と盛り上がっていたものです。でも『体操着の下に肌着を着ない』なんて話は、説明会で一切出なかったですよ。あとあと娘に聞いたところ、体育の時は、なんと冬でも半袖半ズボンらしくて、それにもびっくりしました。むしろこうした話を教えてほしかったですね」

 そう語る薫さん。居ても立っても居られず、担任の先生に体操着の肌着問題のことを聞こうとしたが、昨年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、公開授業や運動会も中止となり、ほとんど学校に行く機会はなかったとのこと。

「もっと学校に行く機会があればよかったんですが、結局、数カ月聞けずじまい。ママ友にも、いちいち言うほどのことではないかもと悩みましたね。それに、今は少しでも学校側に文句を言うと、モンペ扱いされる可能性があるので、言いづらかったんです」

 そんな薫さんだが、昨年の秋に開かれた個人面談で、ようやく担任の先生に「なぜ体操服の下に、肌着を着てはいけないのか」と聞いてみたという。

「まず、本当にそういうルールがあるのか、事実確認をしました。そしたら、『あります』と……。肝心の理由については、『汗で肌着が濡れて、風邪をひくから』という一言で片づけられてしまいました。正直、直接体操着を着るよりも、アンダーシャツやキャミソールを着たほうが、汗を吸い取ってくれるのではないかと思ったのですが、強くは言えませんでしたね……」

 コロナ禍の影響で、ママ同士が顔を合わせる機会が減っていた中、このモヤモヤを誰にも伝えられずにいたそうだ。

「直接、学校生活に関わることではなかったので、わざわざグループチャットで聞くのはためらってしまったんですよね。でもちょうど学期末に、保護者会が開かれました。そこでママ友に会えたので、体操着の下に肌着を着ていないこと、全員同じ教室内で着替えていること、真冬でも体育は半袖半ズボンなことを話したんです。肌着を着ていないことに関しては、ママたちも把握していない人が多かったみたいでした」

 その矢先に、テレビのワイドショーで、同じく体操着の肌着問題が取り上げられることに。これをきっかけに、ママたちが子どもに体育の時の様子を確かめるようになったという。

「私の抱いていたモヤモヤに、ほかのママも共感してくれたと感じ、『あぁ私はモンペではなかった』とホッとしました。また、ママ友から“新情報”のメッセージが届くことも。実は以前、配布物に、『冬は体育の時間にジャージの着用を認めている』と書いてあったそうなんです。しかし実際には着ている子がいなかったため、なんとなく子どもたちの間で『半袖半ズボン』のルールができあがってしまったようですね。確かに、そういう雰囲気の中では、小さい子どもが自分から『ジャージを着たい』とは言えないかもしれません」

 その後、薫さんは仲の良いママたちとグループチャットで相談し、連絡帳を通して、個人面談の時間を作ってほしいと直訴した。そこで体操着の肌着問題や、ジャージの着用などについて相談したという。

「自分一人だったら、ずっと何もできずにいたと思います。ママたちと疑問を共有できたことで、モンペのようなクレーマーにならず、『相談』という形で、学校に疑問点を伝えらえたんじゃないかなって。学校側も、今後は個別対応を検討し、個人的に着用を認める方向で調整しているそうです。また着替えについても、小3になると教室内にカーテンの仕切りがあって、男女分かれて着替えをすると言われました」

 薫さんは、ママたちと悩みを共有することで、冷静になれたという。働くママが増えている昨今。なかなかママ友同士が集まって語らう時間を捻出するのは難しいが、グループチャットを駆使してコミュニケーションを取ることで、学校生活の悩みもうまく解消しているようだ。