ダウンタウン松本「スベる」だけじゃない−芸人の言葉はなぜ一般に浸透したのか?

 少し前の話になってしまうが、日本テレビ系で放送された『ダウンタウンVSZ世代 ヤバイ昭和あり?なし?』という番組内で、「松本人志がルーツの言葉」というコーナーがあった。

 これは今では一般的に使われている言葉だが、実はダウンタウン松本人志さんが広めたという言葉を集めて紹介するというもの。紹介された言葉は「空気を読む」「ドン引き」「スベる」「ネタの引き出し」「イラっとする」「ネ…

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男性が恐れるべきフェミニズム映画『ドント・ウォーリー・ダーリン』の魅力

 2022年11月11日より『ドント・ウォーリー・ダーリン』が劇場公開されている。

 初めに断言しておくと、本作は「何も予備知識を入れずに劇場に足を運ぶのがいちばん良い」。もちろん、公式サイトのあらすじや、予告編で示される情報は知って観ても問題ないのだが、…

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近藤真彦と中森明菜、元カップルがそれぞれ再始動! いま振り返る2人の“いわくつき”共演映画

 エンタメ批評界の「ひとり隙間産業」佃野デボラが、誰も見向きもしないけれど、見捨てられない“味”なコンテンツ、略して「味コン」をプレゼンする不定期連載(※このコラムはネタバレを含みます。そして、「別にネタバレしてもいいっすよね?」という作品しか紹介しません)。

【今回の「味コン」!!】
マッチ&明菜のダブル主演、史上最高のトンデモアイドル映画『愛・旅立ち』に見る「昭和のおおらかさ」

 昨年、不倫騒動の末にジャニーズ事務所を退所して以来、鳴りを潜めていた“マッチ”こと近藤真彦が、去る10月5日に放送された『1周回って知らない話 3時間SP!』(日本テレビ系)で久しぶりにテレビに出演した。

「デビュー以来ずっとマッチの大ファン」と語る高嶋ちさ子の姉・未知子さんのためにサプライズ登場したのだが、ノルマ感たっぷりの「善人しぐさ」をキメて、最後には12月に行われる自らのディナーショーの告知をしっかりやって帰っていく、マッチの商魂たくましさに感嘆した。さすが、たいした貢献もしていないのに長年「ジャニーズ事務所の長男坊」と呼ばれてニコニコしていた強心臓の持ち主である。

 そして奇遇にも、かつてマッチと恋仲にあった中森明菜も今年になって動きを見せている。8月にTwitterの公式アカウントを立ち上げ、新たな個人事務所を設立したことを報告したのだ。しかし、46万超のフォロワーを擁しながら(22年11月10日現在)、最初の1ツイートを限りに更新されていない。事務所公式サイトもトップページが作られただけで、何の情報も発信されないままだ。

この“儚さ”こそが明菜の魅力ともいえるのだが、“再始動宣言”以降まったく動かない彼女の活動状況に「おい大丈夫か?」「また何か揉めてるのか?」と、余計なお世話ながらつい心配になってしまう。

 そんな元恋人同士の“再始動”を祝して……かどうかはわからないが、マッチと明菜がダブル主演を務めた映画『愛・旅立ち』(1985年)が、11月15日と26日、CS東映チャンネルにて放送される。記念すべき連載第1回目では、「アイドル映画のトンデモ大賞」といって間違いない、この“味映画”を紹介させていただきたい。

「いのちいっぱい恋をします。」

 明菜の「消え入りそうな小声」でモノマネ再生してみたい、儚さたっぷりのキャッチコピーが躍る本作。先天性の心臓の病気から余命いくばくもないユキ(中森明菜)が、運命の相手・誠(近藤真彦)と出会い、愛と命を燃やす物語……と、あらすじだけ見れば、ありがちなアイドル映画に過ぎない。

 しかしこの作品がワン&オンリーたるゆえんは、そこに「超能力」「大霊界」「宇宙」「耳なし芳一」という、製作陣のおじさんたちが思いつく限りのトンデモ題材を乱暴に投げ入れた「闇鍋映画」であるところだ。
 
 この映画が誕生した経緯をまとめると次の通り。企画が立ち上がった当初は『太陽を盗んだ男』(79)などで知られる長谷川和彦氏が監督・脚本を担当し、明菜の単独主演で話が進んでいたという。しかし、映画初出演にして初主演という重責に耐えかねた明菜が「1人じゃ不安」「マッチとダブル主演にしてほしい」と、小声ながら頑として動かずに要望を貫き、マッチ・明菜のダブル主演と相成った。

 さらに、当時の双方の所属事務所であるジャニーズ事務所と研音の意向により長谷川氏が降板。代わりに、マッチ主演の『ハイティーン・ブギ』(82)でメガホンを握った舛田利雄氏が監督に、『仁義なき戦い』シリーズなどで知られる笠原和夫氏が脚本に抜てきされた。

 しかし、監督の舛田氏が当時感化されていた丹波哲郎の“大霊界”的世界観や、宇宙、超常現象、耳なし芳一など、「俺ちゃん、こんなのやりたい」という要素をすべてぶち込んだ結果、脚本の笠原氏が「こんなもん、まとめきれるかーッ!」と匙を投げ、最終的に舛田氏が監督・脚本を兼任して完成に至ったのだ。

 そんないわくつきの“問題作”である『愛・旅立ち』だが、こうした製作経緯の「ガチャガチャっぷり」が如実に映像に出ており、どのシーンを見ても「いや、会議室でおっさんたちが盛り上がったか知らんけど」という感想を禁じ得ない。

 そのうえ、おそらく舛田監督の肝煎りで実現した丹波の出演により、彼のフィールドワークである“大霊界”方面の横槍や注文が多分に入ったことは想像に難くない。丹波演じるホームレスの奈良が、誠の窮地を救ったことから行動を共にし、自らの臨死体験や「霊との交信」について語るシーンは、完全に「丹波哲郎のミニ大霊界コーナー」と化している。

 明菜のわがまま、各事務所の意向、監督の趣味、監督の仲良しおじさんの横槍、そして、主演女優から直々に指名された割に、突き抜けた「棒」であるマッチの演技(人呼んで「マッチ棒」)。「トンチキ映画」ができ上がるための要因が幾重にも重なり、映画史に燦然と輝く「香ばしい作品」に仕上がっているのだ。

 では、ストーリーを具体的に見て行こう。親友を交通事故で亡くし、自らは九死に一生を得た(そして奇跡的に無傷だった)誠と、余命わずかと知らされ、孤独な入院生活を送るユキ。2人が正式に出会うのは、全編127分中、折り返し地点を過ぎてからなのだが、出会うより先に2人は“魂の対話”を重ね、互いの存在を感じ合っている(なんのこっちゃ)。ユキが心臓発作を起こすと彼女の魂が火の玉に乗り、誠の臨死体験のフラッシュバックに“アクセス”する、といった具合だ。

 前半で描かれるユキの闘病生活。これがまた破天荒を極めている。身寄りがないうえに不治の病を抱えるユキの淋しさに同情した看護師たちが、彼女に子犬をプレゼントする。病室に犬。訓練されたファシリティドッグでもないのに、衛生上、社会通念上あり得ないが、こんな序盤でいちいち立ち止まっていてはツッコミ持久力がもたない。これが『相席食堂』(朝日放送)なら、千鳥の「ちょっと待てぃ!」ボタンの連打で、VTRが一切進まないことだろう。

 ユキは怪談『耳なし芳一』がバイブルという、19歳にしては渋すぎる趣味の持ち主だ。同じ病室になった老婆・しげ(北林谷栄)は、「それはどんな話なのか」とユキに訊ねる。『耳なし芳一』を知らないお年寄りというのも珍しいが、オタクが推しについて語るとき特有の、立て板に水のごとき口調であらすじを説くユキの姿が熱い。そしてユキによる『耳なし芳一』の解説を聞きながら、しげは絶命する(なんで!?)。

 ユキの「芳一フリーク」が嵩じて、ついに彼女の目の前に芳一が現れるシーンは、前半の大きなカタルシスといえる。芳一の姿はユキにしか見えない。どことなくHey! Say! JUMPの八乙女光に似た子役が口に綿を含み、目にカラコンを入れ、ゾンビ風メイクを施され、耳を隠しているはずなのにときどき出ちゃったりして、体当たりで芳一を演じている。この芳一に、非常に中毒性があり、年に一度ぐらいはこの映画を見直してもいいか、という気分になる。そして、実際なぜか年一ぐらいの頻度で『愛・旅立ち』はどこかしらで放送されている。

 芳一と、彼の霊力で元気を取り戻したユキは病院を抜け出し、原宿へ。芳一が霊視を用いてユキの逆ナンを手伝ったり、空を飛んだり、動物園で虎に怯えて縮小したりする、84年(撮影時)の「最新特撮技術」を駆使したシーンにも、頬が緩む。また、ユキと誠に訪れる「臨死体験」の中、現れては消えていく「人生に関わった人々」の走馬灯が、自動車教習所の教習映像のようでジワる。

 後半に入りユキが誠と出会い、恋に落ちると同時に芳一が消えることから、芳一は孤独なユキの深層心理が作り出したイマジナリーフレンドと見て間違いないだろう。芳一の耳がなくなったり出たりして造形が雑なのは、繊細に見えて、意外なところで大雑把そうなユキの鷹揚さの現れ、ということにしておこう。

 運命の出会いを経て、愛を深めていく誠とユキだったが、ツーリングに出かけた先でユキが発作を起こし、やがて心肺停止になってしまう。医師による死亡確認が行われたのにもかかわらず、誠はユキの遺体を連れ出し、大学病院の敷地内にある「動物実験治療室」に飛び込む。鶏やヤギや猫が見守る中、なぜか上半身裸になって心臓マッサージをし、単にキスを楽しんでいるようにしか見えない“チュッチュ人工呼吸”を施して蘇生を試みる。

 本作のクライマックスといえるこのシーンの、「殺すんなら俺を殺せー!!」という誠の叫び声は、当時テレビCMにも使用された。これを見て「いったいどんなドラマティックな展開が」と、胸を弾ませ映画館に走った当時のマッチファンは、このトンチキ展開に何を思っただろうか。「黒柳さーん!!」と何ら変わらないトーンの誠の「棒叫び」に自然界が反応したのか、なぜか大地震が起こり、時空がねじれたんだかなんだか知らないが、ユキは生き返る。

 ……と、ここまでさんざんネタバレしておいてなんですが、ここから先の結末は、見てのお楽しみ。ただ、大きな肩透かしと膝カックンが待っていることだけは保証する。そして、こんなに酔狂な作品に大真面目に取り組んでいた明菜と、八乙女似の子役の奮闘は称えておきたい。この秋、かかるトンチキ映画が許容された、昭和という大らかな時代に思いを馳せてみるのもいいかもしれない。

【作品情報】
『愛・旅立ち』(1985年公開)
2022年11月15日(火)21:30~24:00
2022年11月26日(土)22:00~24:30
CS東映チャンネルにて放送

監督:舛田利雄 脚本:笠原和夫、舛田利雄
配給:東宝
出演:近藤真彦、中森明菜、丹波哲郎、勝野洋、萩尾みどり、レオナルド熊、北林谷栄、吉行和子、コロッケほか
東映チャンネル・番組紹介(https://www.toeich.jp/program/1TT000004080/202211)

SHINOMIYA【オジンオズボーン篠宮 】終わることがわかっているからこその赤裸々な笑い

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がん闘病中の夫への“ご褒美”に、藤崎デパートで「蝶ネクタイ」検討もまさかの反応! 買い物狂い、プレゼントに頭を悩ませるの巻

――2年で1,300万円以上溶かし、現在借金は●00万円の“買い物狂い”のライターが、苦しくも楽しい「散財」の日々を綴ります。

 がんを患ってしまったステディ。告知を受けてから検査が進んでおり、ある日、東北大学病院に行くと、医師から「バイオプシーをしましょう」と言われました。バイオプシーとは、体の組織をとって、その部位がガンに侵されているのかを調べる検査。ちょっと切開して、“金属の棒”をぐっさりと刺すのだそうです。

 検査を受けたステディいわく、その金属の棒はドライバーくらいの太さがあったとか……。耳を切開されるときは麻酔が効いているためそこまで感覚はなかったらしいんですが、棒を差す際、先生が体重をかけてくるのがすごく怖かったそう。ブツン! って音がしたんだって。おー怖っ。

 私は廊下で待っていたのですが、「もう1回刺したいんですが、いけますか?」と言う先生に対し、「できれば……やりたくないです」と答えるステディの声が聞こえてきました。

 検査終了後、ステディは憔悴しきった顔で、「恐ろしい体験だった……」と一言。過酷な検査を乗り越えたステディを労わるべく、「なにかおいしいものを食べて帰ろう」と提案し、2人で仙台の街をぶらぶらすることに。

 とはいえ、私はお金がまったくないので、藤崎デパートに行っても、「へぇ~、アンサンブル4万円かあ、へぇ~」とまるで興味が湧かず、いつもは行かない紳士服売り場へとステディと共に足を踏み入れました。スーツコーナーなどをぷらぷら見ていると、ステディが「俺、蝶ネクタイ欲しいんだよね~」と言い始めます。はて、蝶ネクタイ……?

「この体に蝶ネクタイって、似合うと思うんだよね。かわいく見えるでしょ?」

 ああ、確かに。蝶ネクタイって可愛いかも。そこで、スーツショップで「蝶ネクタイはありますか?」と店員さんに聞くと、ネクタイコーナーへと案内されました。へ~! けっこういっぱい種類がある!!

 価格も、私的には1万8,000円くらいするのかなーと思っていましたが、5,500円ほどとお手頃。こ、これは……! 「いつもありがとう★」「検査お疲れ様」っちゅーて、ご褒美としてプレゼントしたら、すごくいいのではないのかね!?

 私はそわそわしながらも「どれがいい?」とステディに聞きました。すると、「このストライプの可愛いよね。あと、こっちの千鳥格子柄も可愛い」と迷い始めます。だから、どっちかにして~~~~~!

 しかしその後、ステディは「ここにこういうものがあるってわかってたら、それでいいよ」と言いながら、蝶ネクタイ売り場から遠ざかっていきます。あ、あれ……? そんなに欲しいものじゃなかったのか……?

 私はその後もステディと一緒に行動していたので、蝶ネクタイを買いに行く暇がなく、結局買えずじまい……。楽天やAmazonでも調べてみたのですが、夫は「かわいいねえ」と言うだけで、本当に欲しいわけではなさそう。

 ウーン、プレゼントって難しいわあ。大人になっちゃうと、本当に欲しいものは自分が買っちゃうし、お手頃な値段で喜ばれるものをあげるって難しいよね……。クリスマスも近づいてきた今、プレゼントを検討しはじめる人も多いのでは? 読者のみなさん、悩めるN子になにかアドバイスをください!

電子書籍『“買い物狂い”の散財日記~千葉N子のリアルな家計簿大公開~』発売中!

 2020年3月から連載中の人気コラム『“買い物狂い”の散財日記』が、ここでしか読めない書き下ろしエピソードを大量に収録して初の書籍化! 

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『silent』『エルピス』『PICU』…一番の期待作は? 秋ドラマ序盤ランキング

 恒例の民放連ドラの序盤ランキング。秋ドラマも、10月5日スタートの『親愛なる僕へ殺意をこめて』から10月24日スタートの『エルピス—希望、あるいは災い—』まで、開始時期に3週間近くブランクがあったため、取り上げるタイミングに迷ったが、『エルピス』がようやく第3話まで進んだこともあり、今期ドラマを振り返りたい(『霊媒探偵・城塚翡翠』は最終話手前となってしまったが……)。

 今回…

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5GAP、キングオブコント決勝進出してないのに、珍しい方法で売れた芸人

 今年も「キングオブコント2022」が無事終わり、ビスケットブラザーズが優勝しました。

 ただ、関東世帯視聴率が9.7%と2桁を切ってしまったのが少し残念ですが、審査員長の松本人志さんが歴代最高得点の98点をビスケットブラザーズに予選と最終決戦の2度にわたってつけるなど、ネタレベルの高さはあったと思います。

 キングオブコントの出場芸人からすれば、優勝以外のひとつ…

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KATE、AUBE、ラブ・ライナー……Amazon評価「星4」以上のコスメの実力は? 結婚写真の撮影に使ってみた

――2年で1,300万円以上溶かし、現在借金は●00万円の“買い物狂い”のライターが、苦しくも楽しい「散財」の日々を綴ります。

 ステディががんの告知を受けたとき、医師から「手術で顔面神経を根こそぎ取るかもしれません」と言われたそうです。 神経を取るということは、顔の半分が麻痺したまま、動かなくなってしまうということ。口がへの字に曲がってしまい、片目も閉じづらくなるんだそうです。

 ステディは「そんなもんで長生きできるなら、全然大丈夫~」っとあっけらかんと笑っていたのですが、やっぱり思うところがあったのでしょう。

 検査結果が出る日、「結婚写真を撮ろうよ!」と誘ってくれました。 結婚写真……。 「いつか撮ろうね」とは言っていたものの、私はぶくぶく太って75キロになっちゃったし、「デブの姿で写真なんて撮りたくないやい」と思って、そのままになっていました。

 でももう、「いつか」なんて言っていられないかもしれない――そう思った私は、「うん、撮りにいこう!」と返事をしました。 さて、写真を撮る前にできるだけの準備をせねば……!!

 私はまず、まつげパーマの予約をして、Amazonでコスメを大人買いすることに。なんでデパコスを買いに行かず、Amazonで通販するかというと、「レビュー評価順」にアイテムを検索できるから! 「星4」以上のアイテムなら、いいものに違いないでしょ?

 そんなわけで、今回は星の数とレビューコメントを見て気になった、以下のアイブロウとアイライナーを購入!(アイシャドウは手持ちのものを使いました)

KATE(ケイト) 「眉マスカラ 3Dアイブロウカラー BR-1」

【星】4.4
【メーカー生産終了品】1,980円

ソフィーナAUBE(オーブ)「見たまま塗るだけアイブロウコンパクトBR812」

【星4.7】
5,133円

ラブ・ライナー「リキッド アイライナー(ダークブラウン)」

【星4.3】
1,980円

 どれもこれも良さそうで、期待が高まるゥ!! しかも、私はプライム会員のため「お急ぎ便」の送料が無料。翌日には注文した商品が届きました!

 早速使ってみたのですが、アイブロウはしっかり発色してくれるし、見たまま塗ればいいからメイクがめちゃ楽だし、眉マスカラも塗りやすかったです! そして、アイライナーも細いラインがきれいに書けてグッド!! みなさんにも「これいいよ!」と胸を張っておすすめできるレベルの商品でした。

 決戦の日に向け、まつげパーマもしたし気合十分! よっしゃあ、デブだけどデブなりに可愛くなれたはずと思い、フォトスタジオへ突撃!!

 鏡に映る顔も、うんうん、なかなかイイ感じ! しかし、いざ、ウェディングドレスに着替えた時です。 私の首筋にたら~っと汗が流れました。 わ、わ、わ、脇毛剃ってな~い! そう、あんなに入念に準備していたはずなのに、体毛を剃り忘れていたのです。いやあ~~~~~~~~~~ん!!!!!!!!!!

 結局、脇を締めて、なんとか写真撮影は成功しましたが、内心、冷や汗たらたら。 みんな、いい? ウェディングドレスを着るときは、脇毛は剃りなさいよっ!?(当たり前)

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30代で経験した両親の看取り――「楽しかった」と介護を振り返る娘の“原動力”とは?

“「ヨロヨロ」と生き、「ドタリ」と倒れ、誰かの世話になって生き続ける”
――『百まで生きる覚悟』春日キスヨ(光文社)

 そんな「ヨロヨロ・ドタリ」期を迎えた老親と、家族はどう向き合っていくのか考えるシリーズ。

 母の晃子さん(仮名)の死後、有料老人ホームに入居している高次脳機能障害の父、博之さん(仮名・69)が問題行動を起こすようになった。食事も摂れず、ホームでは手に負えなくなったため、精神科病院に2カ月入院した。このまま寝たきりになってしまうのではないかと危惧していた中村万里江さん(仮名・36)だったが、予想に反して博之さんは驚くほど回復していた。

面会できない父のためテディベアにメッセージを吹き込んだ

 ところが、喜んだのもつかの間。再びホームで生活するようになると、博之さんの状態は入院前より一層悪くなっていった。

「少しは反応がありましたが、食事も全介助になり、ほぼ寝たきりになってしまいました。父がかかりつけの病院に通院するときだけ会えましたが、座っているのもつらそうで、待ち時間もソファで横になっていました。気になったのは、爪が伸びていること。待ち時間に売店で爪切りを買い、切ってあげていましたが、ホームが父のことを見てくれていないんだと悲しくなりました」

 心配ではあったが、コロナ禍のためホームでの面会もままならない。中村さんはテディベアに自分の声を吹き込んで、博之さんに聞かせてもらうことにした。「おはよう! 起きて。ごはんモリモリ食べて!」と。

「いろんな問題が起きては、どんな対処方法があるか考えることは楽しかったです。介護って、クリエイティブだなと思いました」

 30代の中村さんの周りで、親の介護をしている友人はほぼいなかった。つらさを吐き出すこともできない中、こうして前向きに受け止める原動力となったのは、自助グループの存在だった。

 中村さんは、晃子さんの死の悲しみや博之さんの介護のつらさを吐き出す場を探して、いくつかの自助グループに参加していた。グリーフケア(※1)、高次脳機能障害の家族会、若年性認知症の親を持つ子どもの会だ。

「ピアサポート(※2)では、気持ちがずいぶん楽になりました。グリーフケアのグループでは、何年も親の死で苦しんでいる人がいて、母を亡くして数カ月の自分はまだ新米だなと思いましたね。若年性認知症の親を持つ子どもの会には、私くらいの世代の子どもの会がほかになかったので参加したのですが、共感することがたくさんあったんです。高次脳機能障害の家族会は当事者の奥さんが多かった。家族ならではのちょっと毒のある会話が許されていて、笑うことでスッキリできました。おすすめの病院や相談先も教えてもらいましたよ」

(※1)グリーフ=悲嘆、深い悲しみ。身近な人との死別を経験した人の心の状態を理解して、回復をサポートする取り組みのこと。
(※2)同じような立場や境遇、課題に直面する人がお互いに支え合うこと。

 試行錯誤を繰り返していた中村さんだったが、博之さんの介護のフェーズは一気に進んだ。精神科病院から退院して5カ月たった頃だ。

 ホームから博之さんの肝臓の数値が悪いという連絡が来たのだ。「がんなど重篤な病気が考えられるが、博之さんの体力や認知状態からすると、検査や手術は難しいだろう」と伝えられた。このとき9月。年末まで命がもつかわからないほど重篤な状態だという。博之さんが問題行動を繰り返したのは、体調が悪かったのが原因だったのかもしれない、と符号が合った気がした。

 さらに数日後、ホームから「博之さんの腫瘍マーカーが上昇している。呼吸も浅い」と連絡が来た。すでに看取り期であることを示唆されたのだ。

 中村さんは、晃子さんの看取りから1年もたたないうちに、博之さんにも死期が近づいていることに衝撃を受けながらも、行動は冷静だった。ホームには緩和ケアをお願いするとともに、晃子さんの最期のように、ホーム近くのホテルに滞在して博之さんのもとに通うことにした。

 幸い、博之さんは痛みを訴えることもなく、簡単な会話もできた。中村さんは、博之さんの友人たちに連絡して、会いたいという人とビデオ通話をセットしたり、「つらくて顔を見られない」という友人から送られてきた昔の写真を博之さんに見せたりした。

「困惑したのは、父のこの状態がどれくらい続くのかということ。3つ並行してやっていた仕事のうち2つは休めたものの、1つは休めなかったので、ホームのある市から都内まで通っていました。母の看取りは1~2週間でしたが、休ませてもらうにしてもどれくらい休むことになるのか、判断に迷いました」

 先の見えないトンネルは、10日後には出口が見えた。中村さんが仕事先からホームに向かっていると、「危ない」との連絡が来た。

「ホームに着いて、私が寝るためのベッドをつくってもらっている間に、父は息を引き取りました。母は最期までずっとついていられたのに、父は私がほんのちょっと席を外している間に……。でも友人から人は亡くなるときを自分で選んでいると言われて、ああそういうことなんだと気持ちが楽になりました」

 中村さんは、晃子さんの葬儀から1年もたたないうちに、博之さんの葬儀を行うことになった。

――続きは11月20日公開

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