メルカリで電化製品を安くゲットする“賢い買い方”と“注意点”――新型の発売後が狙い目?

――2年で1,300万円以上溶かし、現在借金は●00万円の“買い物狂い”のライターが、苦しくも楽しい「散財」の日々を綴ります。

 きえええええ~~~~~い! 私は怒っている!! 怒っているぞお!!!! 誰だ、私の「AirPods Pro」(第1世代)の充電器を盗んだ奴は~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!

 事の発端は、先日、ステディと温泉に出かけたことでした。3時間の岩盤浴コースを楽しんだ私たちは、心も体もぽっかぽかになりました。岩盤浴中は暇なので、AirPodsをしてYouTube動画を視聴し、お風呂に入る際も本体は装着したまま、充電ケースのみをロッカーに入れたんですね? ここまでは覚えているんですが、そういえば、と思い立ったときにはなかったのです……。

 ステディは「スマホの『探す』機能で見つけられるのでは?」と言ってくれたのですが、それができるのは第2世代からなのよ。第1世代は、本体のみの位置情報はわかるものの、充電ケースの位置までは把握できないの。ああ、悲し~~~~~~~~~~(涙)。

 翌日、温泉に電話をかけ、充電ケースの落とし物がないかどうか問い合わせたのですが、「ありません」と言われてしまいました。そ、そんなあああああ。温泉でしか使ってないのに……。もしかすると、誰かに盗まれた可能性があるのでは? チクショウ、私の充電器を返せ!!!!

 そうムカつきながらも、充電ケースがないと本体が使えないので、泣く泣くメルカリを開き、出品されていないか検索してみると、あるわあるわ。中には、AirPodsの片耳分だけで売りに出している人も。あいやー、みんな紛失して、泣く泣く出品してるのねえ……。

 ちなみに、AirPods Pro第1世代の充電ケースは、1万2,000円前後でした。た、高い。まあ、本体が3万9,800円であることからすれば、妥当なのかもしれませんが……。ううう、私の充電ケースはどこいったんゴルア~~~~~~~~~~!!

 なお、メルカリにはさまざまな商品が売りに出されていて、「買って3年」というものもあれば、「新品」のものもありました。ちょうど第2世代が昨年9月に発売されたため、「買い替えのために出品しました」という人も多かった印象。“アップル製品信者”にとっては、新型を買うのがステータスという節もあるもんね。

 新型が出るタイミングで、旧型はAmazonや楽天などでも値下げされていたけど、メルカリにはそれ以上に安く出品されているし、中古品も豊富! 出品数が増えているときであれば相場も下がるし、こだわりがなければ、電化製品はタイミングを狙ってメルカリで旧型をゲットするっていうのも、賢い買い方かも!

 とはいえ、メルカリでの購入する際は気を付けなければいけないこともあります。それは、中国製の偽物が一定数混じっているから。前にも言いましたが、いくら安く出品しているとはいえ、取引実績のない「評価0」の人から購入することはおすすめしません。良識のあるユーザーかどうかわかりませんし、特に、商品説明がカタコトの日本語である場合は、悪質なユーザーが偽物や写真とは違う商品を送ってくる可能性が高くなるため要注意です。

 私はというと、片耳分のイヤホンと充電ケースを売っている良識的なユーザーに狙いを定め、6,000円で購入。万が一、イヤホンを落としても、片耳はスペアがあるから安心だわ。

■今回の出費
「AirPods Pro」第1世代(片耳分+充電ケース) 6,000円

 

電子書籍『“買い物狂い”の散財日記~千葉N子のリアルな家計簿大公開~』発売中!

 2020年3月から連載中の人気コラム『“買い物狂い”の散財日記』が、ここでしか読めない書き下ろしエピソードを大量に収録して初の書籍化! 

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統合失調症の虐待母を「おっとりした女性」に激変させた入院――自閉症と知的障害も発覚

“「ヨロヨロ」と生き、「ドタリ」と倒れ、誰かの世話になって生き続ける”
――『百まで生きる覚悟』春日キスヨ(光文社)

 そんな「ヨロヨロ・ドタリ」期を迎えた老親と、家族はどう向き合っていくのか考えるシリーズ。

 統合失調症を患っていた母・良江さん(仮名・70)を医療につなげようと、黒沢美紀さん(仮名・45)は奔走し、ついに入院して治療を受けさせることができた。30年近く未治療だったので、もう元には戻らないだろうと言われていたが、奇跡的に良江さんに合う薬が見つかった。

おっとりした女性に激変した虐待母

 ようやく良江さんを病院につなげ、入院させることができてホッとしたのもつかの間。父の昇二さん(仮名・75)は一人暮らしに堪えられなかったのか、良江さんを無理やり退院させてしまった。再び、美紀さんの元にも、怒鳴り散らす良江さんからの留守電が入るようになった。

「その留守電を主治医に聞いてもらって、母がちゃんと通院できているか、今後私に教えてほしいと頼みました」

 主治医は、留守電を聞いて驚いていたという。

「母は入院中、何の問題も起こしていなかったそうで、主治医は『症状がひどくないから家に帰りたかったのかと思っていた』と言っていました。私が、『前はもっとひどかった。ましになったから病院にも連れて行くことができたんです』と言うと、納得していましたね。私の夫は『美紀が今ここに生きていることが奇跡なんです』とも伝えていたんです」

 その後、良江さんは服薬を続けていくうちに、状態が安定してきた。「私は統合失調症っていう病気なんやて」と病識を持てるまでになったのだ。

「母は、おっとりとしたかわいい女性にガラリと変わりました。元の母はこんな人だったんだろうと思います。ただ、母には統合失調症だけでなく、自閉症や知的障害もあるとのことで、今後、介護が必要になる可能性は高いそうです」

 その話を聞いた夫は、驚くべき提案をした。「ここにいたら、お義母さんに何かあったときに対応ができない。美紀の故郷に帰ろう」と。

虐待の記憶の残る地元に戻った美紀さん

 そして、美紀さん夫婦は5年前、両親の住む地元に戻った。

 30年ぶりに戻ったとはいえ、虐待を受けて育った美紀さんの心の傷が癒えていたわけではもちろんない。昇二さんと会うとフラッシュバックを起こしてしまう。それでも「父のことは嫌いやけど、何かあったときには助けちゃる」と思えるまでになった。

 「何かあったとき」は、予想していたより早く訪れた。昨年12月、昇二さんが脳梗塞で倒れたのだ。良江さん一人では何もできない。美紀さんは良江さんに付き添い、昇二さんの病院や手続きに走り回った。

 昇二さんもリハビリを頑張った。右手足に重篤なマヒが残ったが、4点杖をついて移動できるところまで回復して家に帰ってきた。

 しかし、昇二さんは良江さんに感謝の言葉をかけるどころか、暴言を吐いた。

「理香(美紀さんの妹)はワシの言うことをすぐに理解して動いてくれるから賢い。それと比べて、美紀や良江はワシの言うことがわからんアホじゃ」

 電話でも怒鳴られ、美紀さんの心はさらに大きく傷ついた。

 そして先月、昇二さんは廊下で転倒し、大腿骨を折った。今も入院してリハビリ中だ。どこまで回復するかはわからない。歩行器で歩けるところまで頑張ろうと言われているという。

 しかし、美紀さんはもう昇二さんのために動くことはできないのではないかと思う。

続きは2月12日公開

デザイナーママの苦悩! ママ友から「ロゴ作成」依頼、見積書を出したら「お金取るの!?」と激怒された!

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係には、さまざまな暗黙のルールがあるらしい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、暗黙ルールを考察する。

 ワーママが増えている昨今、デザインやライティングなど、クリエイティブ系の仕事をしているママたちは少なくない。長引くコロナ禍、収入が減ったことを受け、オンライン講義などでこれらの専門技術を学び、副業をするようになった人もいるだろう。今回は、ママ友に自分の“仕事”を伝えてしまったために、無償で頼まれ事をされたというあるお母さんの苦悩を取り上げる。

息子のサッカークラブのママ友から「ロゴデザイン」を依頼されたデザイナー

 化粧品の通販サイトでデザイン業務を担当している早智子さん(仮名・39歳)は、小学3年生になる男児のママ。数年前までは、子ども服を扱うアパレルで接客の仕事をしていた。

「新型コロナウイルスの感染拡大のために、店舗の入っていた商業施設が休館したんです。その間、お給料が支払われなかったのもあり、転職を考えました。もともと、イラストが得意だったので、オンライン講座でグラフィックソフトの使い方を学び、自分の作品をネットで発表したら、結構反応があって……地方の飲食店のロゴ作成など手掛けるようになったんです」
 
 その後、早智子さんは現在の職場に転職し、パートタイマーとして働きながら、空いた時間にデザイナーやイラストレーターとしての副業を行い、軌道に乗せている。そんな中、早智子さんの仕事を聞きつけたママ友の梨花さん(仮名・37歳)から、ある頼みごとをされたという。

「梨花さんの息子は、うちの息子と同じ小学校に通っています。1年生の頃、同じサッカークラブに入会したので、彼女とは練習の付き添いで、毎週1回は顔を合わせる間柄なんです。そんな彼女にこの前、サッカークラブのロゴの作成を頼まれたのですが……」

 デザインやライティングを仕事にしているママは、小学校のPTA活動で、広報委員を勧められるケースが珍しくない。PTAの場合は任意で引き受けるか否かを決められるが、「お稽古事のママ友から直接お願いされると断りづらく面倒だ」と早智子さんは言う。

「サッカークラブには、梨花さんの息子のほうが先に通っていたんです。サッカーのルールから、コーチの人柄、クラブの決まり事、それからママたちの当番についてまで、いろいろと教えてもらいました。梨花さんの旦那さんも同じサッカークラブの出身とあって、彼女も思い入れが強かったんでしょうね。クラブ活動に熱心で、ロゴのリニューアルも彼女が率先して動いていたようです」

 平日のパートに加え、副業もあるため、「自分の時間がない」という早智子さんは、「これ以上、作業は増やしたくない」と思っていたそう。

「サッカークラブのママ友とは、練習中の待ち時間もずっと一緒なので、“雑談”は避けられません。それぞれの出身地や夫の話題が出る中、私が『平日はとにかく忙しい』と漏らすと、『どんな仕事をしているの?』と聞かれたんです。なので、今やっている仕事について簡単に話すと、『それなら、サッカークラブのロゴも手伝ってよ』と言われてしまい……『デザイン業はまだまだ勉強中』と伝えたんですけどね」
 

 その後、会うたびに梨花さんから「サッカークラブのロゴを新しくしたい」と相談されたという早智子さん。

「最初は、『忙しいので』と断っていたのですが、『子どものためじゃない』と言われて、しぶしぶいくつかロゴ案を作りました。そうしたら、ロゴを入れたチームTシャツを作ると言い出して、さらにデザインをするハメになったんです」

 早智子さんは、Tシャツのデザインについては見積書を出した。すると、梨花さんに激怒されたそうだ。

「『お金を取るなんて信じられない』と、会った時に文句を言われました。確かに、チームの会費は月に数千円程度で、コーチもサッカー経験者ですが、ほぼボランティアのような形でみてくれています。ずっとそうした体制で運営してきたので、梨花さんとしては、『デザイン代が発生するなんてあり得ない』と感じたんだと思います」

 早智子さんは、息子が楽しく通っているサッカークラブから退会するのは心苦しいだけに、今回はTシャツのデザインを無償で引き受けることにしたそう。しかし、この後、同じような話を振られるのはもう勘弁だという。

「梨花さんはすでに『デザインができるママがいる』と言って、サッカークラブ側に話を通してしまったみたいなんです。お金が欲しいというわけではないですが、プロとして仕事を受けている手前、今後もサッカークラブだけ無償と言うわけにはいかず、頭を悩ませています」

 そもそも「『デザインの仕事をやっている』と言わなければよかったです」と早智子さん。

「よくママ友付き合いでは『夫の仕事についてずけずけ聞いたりしない』が暗黙のルールって言いますよね? ママ同士も、普通の友達ってわけではないんだから、それぞれの仕事についてはあまり詮索しないことを暗黙のルール化してほしいものです」

 今回のように、「何かしらの技術を持っている人は、周りから頼まれ事をされやすい」のは、ママ友付き合いでもよく発生することだ。

 ワーママが増える昨今、「お互いの仕事についてはあまり詮索しない」というのが、すでにママ友間で暗黙のルール化しているコミュニティもあるが、一方で、世間話として、ママ友に自分の仕事について話すぐらいのことは普通というコミュニティも多いだろう。1人のママ友にしか仕事の話をしていなかったのに、いつの間にかほかのママ友にも伝わっていた、ということもよくある話だ。

 今回、早智子さんを悩ませる問題が発生した背景には、デザインをはじめ、イラストやライティングなどは、実際にやったことがない人からすると、「作業にどれくらいの時間と労力がかかるのかわからない」点が大きく関係していると感じた。梨花さんは「プロならば、簡単にできる」と考えていたようにも思う。

 ママの中には、趣味の延長でデザインやイラスト、動画撮影などを行い、プロ並みの腕前を誇る人もいる。腕試しのように、PTA業務に関するデザインや、子どもの習い事の撮影を無償で手伝う人もいるため、そういった人たちとプロである早智子さんとの違いがよくわかっていなかったのかもしれない。

 早智子さんが「無償での手伝いはしたくない」と考えているならば、仕事が忙しいと説明したうえで、「本業を休んだり、減らして作業しなければならない」ことを強調し、そのため「費用が発生する」と、最初に伝えるべきだった。それに、例えば、飲食業を営んでいるママが、サッカークラブに昼食の提供を頼まれた場合、材料費などがかかることは誰の目に見ても明らかだけに、無償にはならないはず。それと同じことだと説明するのもいいかもしれない。

 実際、ママ友間でのトラブルは、お金に関するものが多い。後から言い出しにくい話だからこそ、大事な部分は最初に伝えたほうがいいと思う。

 なお、今回の早智子さんのように、ママ友から無償作業を頼まれたデザイナーやライターからよく聞く困り事としては、例えば、「最初は良かれと思ってポスターのデザインをしたら、何度も修正依頼をされ大変だった」「キャッチコピー作成を手伝ったら、容易な作業だと思われたようで、その後、何度も頼まれるようになった」というものが挙げられる。

 これに関しても、最初に「修正は〇回まで」「今回は無償だが、次回からは費用が発生する」など条件を明確にしておくのが必要だ。たとえ無償でも、相手に「仕事として請け負います」というスタンスを見せておくことが大事ではないだろうか。

 学校や習い事などにおけるママ友間の無償作業は、いろいろな人の確認が何度も発生するので、思ったように進められない面がある。仕事のようなスムーズなやりとりができずイライラすることも少なくないようだ。人間関係にも支障が出かねないだけに、安請け合いしないほうが身のためと言えよう。

 「お互いの仕事についてはあまり詮索しない」はまだ、“ママ友の暗黙ルール”とは言い難い。それだけに、あくまで自衛のために、以上のことを心掛けておくといいのかもしれない。

中学受験「第1志望校の不合格」を我が子にどう伝えるか? 合否発表でパニックになった母は、塾に電話を……

 “親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子関係を、『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などの著書で知られ、長年中学受験を取材し続けてきた鳥居りんこ氏がつづる。

 いよいよ今年も「2月1日」がやって来る。東京・神奈川の中学受験生にとっては決戦の始まりの日だ。例年、この1週間、多くの受験生は午前・午後と入試を受け続けるという超ハードスケジュールをこなすことになる。同時に合否という“運命の分かれ道”が次々と判明していくとあって、過酷な日々となるのは間違いない。

 合否が発表されるのは試験当日の夜か翌日の午前中というケースが多い。その時間、我が子は入試の真っ最中ということもあり得る。結果次第で、スケジュールが大幅に変わることがあるので、親が先に確認して、試験終了後の子どもに伝える場面も少なくない。

 合格ならば、親子ともども満面の笑み。しかし中学受験は、第1志望校に合格できる子は「3人に1人」ともいわれている。残念な結果を親自ら我が子に伝えねばならないこともあるのだ。

 2月2日の午前9時、B中学近くのカフェで、麻衣子さん(仮名)はスマホの画面を見てフリーズしていたという。息子・歩夢君(仮名)の本命校A中学の入試結果を見たのである。

「ウソでしょ? 歩夢が不合格? あんなに頑張っていた歩夢が? なんで?」

 歩夢君は低学年の頃より塾に通い出し、A中学を目標に日々努力を重ねていたという。塾の先生たちが「歩夢ならA中学は間違いなし!」と太鼓判を押すほど、成績には問題がなく、麻衣子さんも合格を信じて疑っていなかったのだ。

 こらえきれずこぼれ落ちる涙とはまた別に、頭の中では「どうしよう……。歩夢に何て伝えよう……」という悩みが駆け巡っていたそうだ。

 その時刻、歩夢君はB中学の入試を受けていたが、A中学の結果次第で、その日の午後、C中学の入試を受けるか否かを決める手筈だった。

 歩夢君は昨日のA中入試、今日のB中入試と、すでに2日連続で受験している。精神的にも身体的にも疲れが出る頃合い。それなのに、不合格を告げられた足でC中学に向かわなければならない事態に陥ったというわけだ。

 麻衣子さんの計算では、2月2日にA中学合格で受験終了となるはずだった。B中学は、A中学よりも偏差値が高いために、どちらかといえばチャレンジ受験だったそう。そこで万が一を考えて、C中学にも出願していたそうだ。

「正直、想定外でした。2月1日のA中学は合格できるだろうとの予測だったんです。C中学には出願していましたが、受験することになるとは夢にも思っていなかったので、気が動転していました。どうしていいかわからず、その場で、塾に電話したんです。そしたら、室長先生が開口一番『お母さん、勝負はこれからです。歩夢はこの試練を必ず、乗り越えます。冷静になりましょう』と言ってくださって。なんか、その言葉で心が落ち着いたんです……」

 無事に入試後の歩夢君と落ち合えた麻衣子さんは、努めてあっけらかんと、こう言ったそうだ。

「歩夢、昨日のA中、ダメだったよ!」

 「マジかよ……」と言ったきり、黙り込んだ歩夢君。そのまま、2人横並びで駅までの道をゆっくりと歩き出したという。

「歩夢、泣いてもいいよ!」
「泣くかよ……」
「そっか、勝負はまだ終わってないもんね?」
「……」

 駅舎が見えてきた頃、麻衣子さんは歩夢君に、

「これからC中に(受験しに)行く? それとも帰って、明日のA中2回目入試の対策する?」

と話しかけたという。すると歩夢君はボソッと、

「(C中を)受けに行くしかねえだろ」

とつぶやき、親子はC中学に向かったそうだ。

 当日の夜発表で出されたC中学の結果は合格。翌日、歩夢君はA中学の2回目入試を受け、受験日程はそこで終了した。

 A中学から出てきた歩夢君は、麻衣子さんに晴れやかな顔で、

「今の俺にできることは全部(解答用紙に)ぶつけてきた。やるだけやったと思う」

と伝えたそうだ。

 A中学の2回目入試の結果は合格。歩夢君は見事、リベンジを果たしたのである。後日、麻衣子さんは歩夢君に、A中学を落ちた後、そのままC中学の午後入試に向かうと決めた理由を聞いてみたという。

 歩夢君は「室長の指令通りにしたまで。俺、あの人のことは信用してるから」と打ち明けてくれたそうだが、室長は受験直前、教え子たちにこんな教えを与えていたという。

「たとえ何が起ころうとも、自分が決めたスケジュールを粛々とこなすように。今、やるべきことをやれ。結局は、冷静な人間が勝利を手にする。以上」

 麻衣子さんは、当時のことを「子どものほうが冷静でした。不合格でパニックになったのは親である私のほう」と振り返る。

「A中に合格できたのはもちろんうれしいですが、なにより、歩夢はこんなにも成長したんだなぁ、私よりも大人かもしれない……って実感できたことに喜びを感じたんです。良い師に巡り会えたことも、中学受験したからこそですし、不合格は人を強くするってことも学びました。受験生活はつらいことも多かったんですが、今では、受験させてよかったなぁって思います」

 今年も、中学受験をめぐって、さまざまなドラマが展開されるだろう。3人に2人は第1志望校に落ちるという現実はあるにせよ、中学受験は子どもたちの人生にとって得難い体験を与えていると思う。

 合否はどうしたって気になるだろうが、どのような結果が出るにしても、この受験本番の1週間、子どもたちが大きく成長するのは間違いない。親御さんには、それを間近で見つめながら、最後までお子さんに温かく寄り添っていてほしいと願っている。

GG賞3冠!『イニシェリン島の精霊』はオジサン同士の泥沼離婚劇!?

これは「何のたとえ話」なのか?

 『スリー・ビルボード』で2017年の映画賞レースを総なめにしたマーティン・マクドナー監督が、またも小難しい映画を撮った。第80回ゴールデン・グローブ賞でミュージカル/コメディ部門の作品賞と男優賞、そして脚本賞の最多3冠に輝いた『イニシェリン島の精霊』である。

 舞台は100年前のアイルランド、ど田舎の…

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メルカリに出品した「90万円のジュエリー」に購入希望者が! 超高額アイテムが売れた意外なワケ

 

――2年で1,300万円以上溶かし、現在借金は●00万円の“買い物狂い”のライターが、苦しくも楽しい「散財」の日々を綴ります。

 最近、124万円の指輪を購入した私。結果、超超超超絶ピンチに陥ってしまったのよ! だって、よく考えてみて? 銀行に200万、楽天に170万、ZOZOカードに200万、そして、今度はPayPayカードで45万円の負債を負ってしまった……!

 しかもね、東京旅行やらステディの誕生日祝いやらで23万円もPayPayで使ってしまって、あたしは金欠なのよ~~~~~!!!!

 というわけで、断腸の思いで、手持ちのジュエリーを手放すことに決めました。一目ぼれして購入したブラックオパールのチェーンリング2点と、数年前100万円以上支払って購入した「AbHeri(アベリ)」さんのネックレスに、届いたばかりのプラチナバングル……。

 あああああ、かなぴ~~~~~!!!! でも、それでも124万のリングが欲しかったんだよおお~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!

 問題は、いくらで売るか。ブラックオパールのチェーンリングを一旦1つ45万円でメルカリに出品したのですが、すぐに後悔の念が襲ってきます。

「いいのN子、本当にいいの? このオパールのチェーンリングたちは、わざわざ東京まで実物を見に行って、『めっちゃ可愛い~~~~~!』って思い切って購入したものじゃない。大事な一点物を手放していいの……?」

 そう、そうなのよ。あまりにも……あまりにも手放すのが惜しい……。2点あるうち、どちらかが売れたら、その子のことを思い出すのがつらすぎて、もう1つもポーンと手放したくなる気がする。そこで50万円に変更して泣く泣く再出品しました。

 それでもなお気持ちは変わらず、出品を取りやめて、毎月死ぬ気で支払いをしていくしかないと思っていたその時、95万9,980円で出品していたネックレスのほうにコメントがつきました。

「90万円でお譲りしてもらえませんか?」

 ななななななに~~~~~~!?!?!?!?!? まさかこっちが売れるなんて思っていなかったわい! ぶっちゃけ、90万円以上するネックレスなんて売れないだろうと思っていたのです。すると、購入者さんはこう言いました。

「2018年にアベリの店舗で見たときに、踏ん切りがつかなくて買いませんでしたが、すごく可愛いと思っていました」

 なるほど! 実物を見ていたのか~~~~~!! 購入者さんいわく、当時は85万円だったそう。すでに廃盤になっているけど、私が購入したときは100万円以上したし、その後、ジュエリーが全体的に値上がりしたから、たぶん今購入しようと思ったら、150万円ほどになっていたかも……。

 90万円でも高いかなと思いましたが、今回のように、意外にも購入希望者が現れるケースもあるため、やはり、不用品はひとまずメルカリに出品してみることが大事! それに、ジュエリーは「欲しい!」と思った時に買っておくのが一番だなあと思いました。だって、廃盤になったり、値上がりしたり、欲しいものがいつでも手に入るとは限らないんだもの! まさに、「一期一会」と実感した出来事でした。

 

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124万円のリングをカードで購入! 利用限度額ギリギリの買い物狂いが使った“奥の手”【後編】

――2年で1,300万円以上溶かし、現在借金は●00万円の“買い物狂い”のライターが、苦しくも楽しい「散財」の日々を綴ります。

【前回のあらすじ】
 東京旅行中、愛するジュエリーショップ「kataoka(カタオカ)」に出向いた私は、「Diamond Cluster Ring-Supreme」というかわいいリングと運命の出会いを果たすも、そのお値段124万円! お金を貯めて出直すべく、その日は諦めることに……。

 だけどね、ステディが言ったのよ。「あと1泊しない?」と。あと1泊? ということは、また「kataoka」に行けるということ――もうこれは運命ではないのかね!? というわけで、再び行ってきましたよ。

 道中、ステディは何度も「やっぱり買わないって気にはならないんだね?」と聞いてきましたが、私の決意は固い! 私、手持ちのリングを売ってでもあの子が欲しいのよ……!!!!!!!!!!

 そう、私にはあるもくろみがありました。手持ちのリングを2~3個売れば、お金を作ることができるのです。だから、だから……っ!

 お店に着くと、先客が。どうやら指輪を注文しているようでした。同志がいる……はあ、うれしい……! そして担当のスタッフさんにリングを見せてもらった瞬間、心は決まりました。ええ、買う。買うわ。みっともない買い方しかできないけど、買う……!

 割引額を差し引いて、リングのお値段は120万800円。私が「100万と20万と800円に分けていただき、決済してもいいですか?」と尋ねると、スタッフさんは「はいっ!」と快く承諾してくれました。そう、リボ払いに追われている私は、どのクレジットカードも利用限度額がギリギリなのよね。だから、3枚のカードで支払いを分散させるという“奥の手”を使うに。あーっはっはっは! “リボ払い女王”とは私のことよっ!

 無事に支払いを済ませた私は、指輪を手に颯爽と外に出ました。あ~、「kataoka」のショップ袋を持って、外に出るって楽し~! 推し活楽し~~~~~!!!!!!!!!!

 そう、私にとって、「kataoka」は「推し」なの。ショップからメールが来ただけで、私の心はキュルンキュルンに高鳴り、スタッフさんと電話するだけで、ワッキュンワッキュンするわけ! それが、憧れの店舗で接客を受けてから買えるなんて、最高~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!

 そんなわけで、大満足な旅だったんだけど、問題も一つ。それは、売ってもいいリングが見当たらなかったこと……! そうなの、全部お気に入りすぎて……(涙)。うーんうーん、無理に売ったらまた反動で新しい子を迎えちゃいそうだしなあ。お金は稼げばなんとかなるんだし、馬車馬のように働くしかないわね……。

■今回の出費
kataoka「Diamond Cluster Ring-Supreme」120万800円

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悪質な「マイカゴ万引き」発生! めちゃくちゃな言い分の18歳常習犯に、冷たい手錠がかかった瞬間

 こんにちは、保安員の澄江です。

 昨今、商店を苦しめる万引きは後を絶たず、その手口も巧妙になっています。なかでもセルフレジや無人販売店舗による不正行為が激増しており、その防止対策は急務といえるでしょう。

 各商店は、レジ袋有料化に伴いエコバッグやマイカゴなどを持参されるよう啓発していますが、それを逆手に悪用する犯行も減ることはありません。このような運動が始まる前は、空のレジ袋やバッグを店内に持ち込む来店者は、私たちの中でわかりやすい不審者としてとらえられていました。

 レジ袋が有料化されて以降は、それが普通のこととなり、店内の防犯に携わる者たちを右往左往させています。さらにいえば、以前の教育では、店内における帽子やマスク、サングラスの着用も同様に不審者の発するサインと教えられてきました。それも花粉やコロナ、猛暑などの影響により着用が普通のこととなり、不審者を見極める難易度は年々増しているといえるでしょう。

 今回は、前々回、前回に引き続き、地方出張のお話をしたいと思います。最終日に捕まえた万引き常習者についてです。

連日万引き犯を捕捉するGメンに、なぜかプレッシャーをかける警察

 出張最終日は、正面入口にパトカーを横付けされ、警察官が店内を巡回する状況から勤務が始まりました。ここまでの2日間、逮捕事案が続き、忙しくさせてしまったことが影響しているのでしょう。

 犯罪を未然に防止するという名目で、店内外の警戒にあたるとあいさつをいただきましたが、まだ新人らしき真新しい制服を着た若い警察官から執拗に追尾されて仕事になりません。おそらくは20歳くらいでしょうか。顔だけ見れば高校生に見えるほど幼く、どこか頼りなげな警察官が、まるで気遣いのない形で私の後をついてくるのです。

「あの、仕事にならないんですけど、何時までついてくるんですか?」
「交代の時間(午後3時半)くらいまでいるよう指示されました」
「私の後をついてきても防犯にならないでしょう。違うところを回ってくださいよ」
「いえ、保安員さんが不審者を見つけたら、すぐに声かけするよう言われていますので、ご協力お願いします」

 どうにも話にならないので、警察官を無視して事務所に戻った私は、所轄警察署にクレームを入れるよう店長に進言しました。

「経費もムダになりますし、ずっとついてこられている私が犯罪者みたいで、すごく失礼な話だとも思うんですよ」
「確かにそうですね。ちょっと連絡してみます」

 その結果、私の後をついて回ることだけはやめてもらえましたが、正面口に配備されたパトカーはそのままで、童顔の警察官は出入口付近をウロウロと警戒するようになりました。

 警察の巡回効果もあってか、前半の勤務は不審者に遭遇することなく終了したので、食事休憩をいただいてから後半の勤務に入ります。

(やっと帰ったわね)

 休憩を終えて現場に戻ると、警察官の姿は消えており、パトカーも撤収していました。気兼ねなく巡回を再開して、業務終盤を迎えたところで、黒いスポーツキャップにサングラスをかけ、さらにダウンジャケットのフードをかぶった20歳くらいに見える若い男性が目に留まります。いかにも悪そうな風体はもちろんですが、その手はピンクのマイカゴが握られており、そこに違和感を覚えたのです。

(あんな格好の若い子が、マイカゴを持って買い物に来るなんて、珍しいわね。何を買いに来たのかしら)

 着ている黒のダウンジャケットには、大きなアルファベット文字が白抜きされており、それを目印に追尾すると、精肉売場に直行して和牛のこま切れ肉と切り落とし肉を3パックずつカゴに入れました。

 それから、いくつかのお菓子やドリンクを追加してキャンプ用品売場で足を止めた男性は、紙コップや紙プレート、割りばし、ガスボンベなどをカゴに入れると、家電コーナーに立ち寄ります。そこでスマホ用のケースやバッテリーを複数ずつカゴに入れ、フタをするような形で電動工具セットをカゴに載せた男性は、店内を大きく一周してからレジに寄ることなく店の外に出ていきました。

 動揺している様子は見せずに、風を切って堂々と歩いていますが、手にある商品の代金は支払っていません。外に出て数歩歩いたところで、カゴを持つ男の右腕を両手で抱え込んだ私は、前進を阻むべく腰を引きながら声をかけました。若い男性被疑者は、逃走する確率が高いので、そのつもりで声をかける必要があるのです。

「お店の者です。その商品、お金払わないとダメですよ」
「ああ、いま先輩が金持ってくるから、ちょっと待って」
「そんな言い訳は、通用しませんよ。話は聞きますから、とりあえず事務所まできてもらえますか」
「なんでだよ? 違うから、離せ!」

 身をよじって逃げようとするので、腕を抱きしめたまま腰を落として、その動きを封じます。

「悪いことしていないなら、逃げないで! 事務所に来て払ってもらえば、大丈夫だから」
「わかった、わかったから離せ!」
「逃げるから、それはダメ。事務所までは、このまま仲良くいきましょう」
「なんでだよ、ウゼえなあ」

 たまたま通りかかった店員さんの助けを得て、なだめながら事務所まで連れて行くと、事務作業をしていた店長が顔色を変えて言いました。

「あ! こいつ、昨日の……」
「え? お知り合いですか?」

 プリントを手に立ち上がった店長が、事務所の外に出るよう手招きするので、逃走されないよう出口を塞ぎながら小声で話をします。

「あいつ、昨日も来ていてさ。いまのと同じくらい持っていっているの。これから(顔認証)登録しようと思っていたところに連れて来られたから驚きましたよ」

 示されたプリントを見ると、商品を山盛りにしたピンクのマイカゴを手に、まったく同じ服装でレジ脇をすり抜ける男の姿が写っていました。売上検索の結果、レジにおける精算履歴も見当たらなかったというので、まるで言い訳のできない状況にあるといえるでしょう。あまりに悪質なため、すぐに警察を呼んだ店長は、通報を終えると男に詰め寄りました。

「お前、昨日も来て、やっていったよな?」
「来てねえよ。そんなに暇じゃねえし」
「これ、お前だろ? 上着に書いてある文字まで同じじゃないか」
「誰、これ? 全然、オレじゃねえし」

 昨日の写真を面前に提示されても、まるで動じない様子の男は、すべてを平然と否定して居直っています。今回の被害は、計25点、合計で1万4,000円ほど。買い取れるだけの金があるか尋ねると、カネは先輩が払うという主張を変えないので、少しだけ付き合ってみました。

「その先輩、ここに呼んでよ」
「こんなことになったから、いまLINEして帰らせた」
「はあ? 言っていること、めちゃくちゃじゃない? あなたは、買えるだけのお金持っているの?」
「先輩が払うって話だったから、持ってきてないよ」

 話がめちゃくちゃで付き合いきれずに、事務処理を進めるべく身分証明書の提示をお願いすると、何もないと一蹴されます。これ以上、話をしても仕方ないので、逃走を警戒しながら警察官の到着を待つことにしました。

 駆けつけた警察官による所持品検査の結果、財布から学生証が出てきたので見せてもらうと、通信制高校に籍を置く学生で年齢は18歳。住居として、ここから少し離れた町の住所が記載されていますが、そこには帰っていないそうで、いまは友達や先輩の家を転々としている状態だと話しています。

 家出中の特定少年による犯行とわかり、交番から来た男女の警察官のほか、少年課の刑事や近くを巡回していた自ら隊員まで事務所に駆け付けてきました。ここだけ見れば大事件の様相ですが、警察の人たちに取り囲まれて事情聴取を受ける男に反省の色はなく、先輩が金を払うことになっていたと荒唐無稽な言い訳を繰り返しています。

「お前、警察に捕まったことあるか?」
「ああ、あるよ」
「その時は、何をした? 万引きか?」
「ああ、あと空き家に入って寝ちゃって、捕まったこともある」

 犯歴照会の結果、そのほかの事実も判明したようで、男は逮捕されることになりました。

 直接の逮捕者である私も、警察署への同行を当然に求められます。少年課の刑事に手錠をかけられ、警察官に脇を固められて連行される男の姿を見ながら、顔を上気させた店長がつぶきました。

「18歳で手錠をはめられる人生なんて、ちょっと想像できないな」
「親や家族の問題も大きいでしょうから、若い子の逮捕はかわいそうですよね」
「かわいそう? そこまでは同情できないよ。しょせん泥棒だし」
「まあ、そうですけど……」

 逮捕手続きのため警察署に入ると、この度はお手柄でしたと、少年課の刑事さんから労われます。

「いえいえ、せっかく朝から防犯警戒していただいたのに、また忙しくさせてしまって申し訳ありません」
「そうだったんですか。今回のヤツは、地域の扱いじゃないから、気にしないで大丈夫ですよ」

 おそらくは少年課にとって、おいしい被疑者だったのでしょう。同じ警察署内の話であっても、1階(地域課)と3階(少年課、刑事課)の感覚は別のようで、妙に手厚く扱われて困惑した次第です。
(文=澄江、監修=伊東ゆう)

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フワちゃん、KARAを3時間待たせた“遅刻癖”こそ、仕事が途切れない理由である

私たちの心のどこかを刺激する有名人たちの発言――ライター・仁科友里がその“言葉”を深掘りします。

<今回の有名人>
「本当にすみませんでした」フワちゃん
『行列のできる相談所』(1月15日、日本テレビ系)

 フワちゃんが『行列のできる相談所』(日本テレビ系)のロケで渡韓する予定だったが、パスポートを忘れたために搭乗予定の飛行機に乗れず、アイドルユニット・KARAを3時間も待たせ、番組内で「本当にすみませんでした」と謝罪した――。こんなネットニュースを見て「また?」と思った人もいるだろう。

 フワちゃんといえば、遅刻癖がたびたび報じられてきた。ブレークを果たした2020年には、「週刊女性」(主婦と生活社)が「フワちゃん、多忙すぎて遅刻連発」と報じているし、21年放送の『有吉の夏休み2021』(フジテレビ系)でも集合時間に遅刻し、有吉弘行から「時間だけは守れって言ってるの。自由にやってもいいし、敬語使わなくてもいいから」と指摘されている。が、遅刻癖は直らず、22年の『有吉の夏休み2022』に出演した際も遅刻。理由はわからないが、どうしても遅刻してしまうのがフワちゃんなのだろう。

 日本では、時間に正確な人が多く、時間は守らなくていいという考えの人はかなりの少数派だと思う。フワちゃんの遅刻を報じるネットニュースには「遅刻する人は信用できない」とか「そういう人は仕事がなくなるだろう」とかいうコメントがつけられていたが、私はまったく逆のことを思った。

 フワちゃん、仕事途切れないわけだ。

 バラエティ番組に不可欠なのは、「問題を起こす人」なのではないか。その人が起こした問題をドタバタしながらみんなで解決するという流れを生むからだ。 その時に問題を起こす人と解決する人が激しく対立すると番組が盛り上がるし、最終的にわかり合えれば「みんないい人」と視聴者に思わせることができ、双方が得をする。

 ひと昔前、バラエティで「問題を起こす人」を演じるのは「オンナに嫌われるオンナ」だった。例えば、女医タレントのさきがけである西川史子は、芸能活動を始めて間もない頃、「ブスは生きている価値がない」と発言したことがあるが、こういうオンナ叩きをするオンナの問題発言をフックに 、周囲から反論させる形で番組を作ってきたわけだ。

 しかし、今はそもそも「ブスは生きている価値がない」という発言そのものが重大なセクハラ。 それが同性からであっても女性蔑視 とみなされて“一発退場”だろう。それに、テレビに出ている人は仕事として言い争っているわけだが、フェミニズムに関心が集まる昨今、「オンナによるオンナ叩き」が口火となって、女性同士が言い争うようなシーンを忌み嫌う人もいるかもしれない。

 加えて、テレビ業界全体が番組を作るにあたり、「人を傷つけない」「人に嫌な思いをさせない」 ことを意識していることもあって、オンナによるオンナ叩きはもちろん、広く「人を傷つけ、嫌な思いをさせる言動」で 問題を起こす人を周りが叩くという従来型のバラエティの“お約束”は、通用しなくなっているといえるだろう。

 けれど、「問題を起こす人」がいないと、番組が始まらないことも事実なのである。となると「問題は起こすが、人を傷つけず、嫌な思いをさせない人」が必要になってくる。そう考えた時、遅刻するフワちゃんは、この上なく適した人材ではないだろうか。

 テレビに出だした頃のフワちゃんは、大御所を前にしてもタメ口でいくキャラで売っていたが、これは他人に迷惑をかけたり、嫌な思いをさせかねない 。どういうことかというと、タメ口をきかれた大御所がちょっとでもムッとした顔をしたとする。大御所の反応は、「礼儀」をベースに考えるとおかしなことではないが、視聴者の中には「タメ口をきかれたくらいでムッとするなんて大人げない」「威張っている」と見る人もいるだろう。

 大御所がタメ口大歓迎のスタンスでないとフワちゃんの芸は成立しないわけで、これは相手にとって負担や迷惑をかけることにつながりかねず、長続きしない芸風なのだ。

 しかし、遅刻は違う。悪いのは明らかにフワちゃんだから、周囲も批判しやすいし、タメ口のように他人のイメージを下げる心配はない。もちろん、現場に迷惑をかけただろうが、「フワちゃんが遅刻した」こと自体がコンテンツとなり得るし、ネットニュースになる可能性も生じることを考えると、番組に貢献しているし、共演者にとってもプラスになる といえるのではないか。

 ネット民は叩く人を常に探しているから、このニュースに食いつき、その結果、フワちゃんは「注目を集める人」としての地位を固めることができるのだろう。私にとってフワちゃんは「ちょうどいい問題を起こす人」のように思えるのだ。

 常習的に遅刻する人はあまりいないので、 ほかのタレントと競合しないのもキャラとしていいのではないか。しかし、そうはいっても度が過ぎると、仕事にも悪影響を及ぼすことは想像に難くない。フワちゃんには、今後も「ちょうどよい遅刻」をしてほしいものだ。

リボ払い月額50万円の買い物狂い、124万円のリングに一目惚れ! 購入検討も冷静になれたワケ【前編】

――2年で1,300万円以上溶かし、現在借金は●00万円の“買い物狂い”のライターが、苦しくも楽しい「散財」の日々を綴ります。

 きえええええい! 東京に遊びに行った私は、自ら“聖地巡礼の旅”と称して、愛してやまないジュエリーショップ「kataoka(カタオカ)」や「AbHeri(アベリ)」を巡ったんだけど、欲しいものをまた見つけてしまったの。私が一目惚れしたのは、kataokaの「Diamond Cluster Ring-Supreme」というリングで、お値段はなんと124万円! ああ、クラクラするわ。

 クラクラするのは、このままだと買っちゃいそうだから。でもさあ、私、このリングを購入したときのカードの支払額を計算してみたの。そしたら、毎月固定費で35万円かかることが判明。どひゃーーーーー! すでに、支払額がとんでもない私。今ならなんとか払えているけど、クライアントが1個でも減れば、もう破産。そんな状況でギリギリの綱渡りをする気なのか、N子よ。

 ってなわけで、一旦冷静になろうと、友達数名に「この指輪がほしい! でも買ったら、リボ負債額650万円になる!!」と相談したところ、続々と返信が届きました。みんなは、当然のごとく「やめておきなさい」と言います。「リボ払いがまだ500万以上残ってるのに、正気の沙汰じゃない」と。ええ、確かに私もそう思ったわよ? でもね、理屈じゃないのよ。欲しいものがある、その瞬間、私はいてもたってもいられなくなってしまうのよー!

 でも、相談していいこともありました。それは、「忠告を無視してリングを買った女だと思われたくない」と自覚させてくれたこと。そう、N子は友達にあきれられたくないの。ただでさえ少ない友人をなくしたくないってわけ。だから少し冷静になれました。

 旅行中、友達と銀座でお茶をしたのですが、その人にも、「今はステイだよ」と言われ、銀座からkataokaのお店がある都立大学駅まで行きたくなる気持ちをなんとか抑えることに成功。そうよ、いいふうに考えよう。

 まず、124万円のリングを買ったら、その後ほかのジュエリーを購入できなくなって、kataokaさんとの接点が減ってしまう。お店に電話して、あーだこーだ言うこともなくなるわけ。だったら、1年間なり自分の中で猶予期間を設け、本当に欲しいものをじっくり吟味するのも良いと思うの。実際、お店の人も、「このリングは創業以来、ずっとある定番商品です」って言っていたし、今後購入できなくなるわけでもなさそうだから、1年資金を貯めてから購入すればいいのでは………と思ったのよね。

 そんなわけで、なんとか踏みとどまれそうな私。来月のリボ払いは50万円で済みそうよ。みんな………私を褒めてちょうだい…………泣。

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