田中みな実の「人付き合いない」発言――庶民からの共感が「危険」と感じるワケ

私たちの心のどこかを刺激する有名人たちの発言――ライター・仁科友里がその“言葉”を深掘りします。

<今回の有名人>
「ほぼ、人付き合いないですよ」田中みな実
『田中みな実 あったかタイム』(2月18日、TBSラジオ)

 最近、大御所の「庶民チャレンジ」動画をよく見かけるような気がする。例えば、歌手・ユーミンこと松任谷由実は、生まれて初めて回転寿司に行ったが、お茶の淹れ方がわからず、まごまごする動画を公式インスタグラムにアップしていた。Yahoo!ニュースがこれを取り上げており、コメント欄を見ると「ほっこりした」とおおむね好意的に受け止められていた。

 ほかにも、小林幸子がサイゼリヤに行ってみたり、黒柳徹子がH&Mで爆買いしたりと「庶民チャレンジ」はユーミンに留まらない。すでに大御所である彼女らがそんなことをしてまでウケを狙う必要など本当はないのかもしれないが、おそらく大御所だからこその俯瞰した視点から、一般人の気持ちの変化のようなものに気づいているのではないだろうか。

 ひと昔前、人気芸能人といえば、雲の上の存在で、庶民には想像もつかないような高級な服を着て、豪華な食事をしていると思われていた。庶民に手の届かない存在であることが、芸能人の人気を支えていたわけだが、もう今はそういう時代ではない。庶民と同じ感覚を持っているという点が人気を呼ぶポイントになったのだ。

 そのため、たとえ大物であっても、あえて一歩、庶民の側に入り込み、それを嫌みなく見せることで、「あの人はいい人だ」と好感を抱いてもらう必要がある――彼女たちは、それが芸能界を生き抜くコツだと気づいているのではないだろうか。

 庶民の側に一歩踏み込み、「私はあなたと同じ人間。一緒なんですよ」とアピールすることは、芸能人の戦術としてアリだろう。しかし、人気芸能人の庶民に寄り添うような発言を鵜呑みにしてしまうことは、危険なような気がするのだ。

 2月18日放送のTBSラジオ『田中みな実 あったかタイム』。出演者であるタレント・永野から「プライべートでイライラすることがあったら、それを抱えていくのか、排除するのか?」と聞かれた田中は「排除します」とキッパリ。「排除していった結果、人間関係がなくなりました。ほぼ人付き合いないですよ、私」「どんな会にも属してないし、だからどこからも呼ばれないし。楽ですよ」と答えた。

 いかにも“キラキラ”した交友関係を築いていそうな人気芸能人・田中に「人間関係がない」のは意外だったのか、この発言は多くの人に衝撃を与えたようだ。2月21日付「ハフポスト日本版」は、「『どんな会にも属してない』。田中みな実さんの人間関係への考え方が刺さる。『このマインドめっちゃ大事』と共感広がる」と、田中に好意的な記事を配信している。

 プライベートでまでイライラを抑え込んで人と付き合う必要はないし、人付き合いがないことが悪いとも言わない。ただ、ここで見過ごしてはいけないのは、田中のようなオファーがあって成立する芸能人と、いわゆる一般の会社員では、人間関係の築き方や関係性の内実が根本的に異なっているという点ではないだろうか。

 例えば、会社員の場合、一緒に働く人の顔ぶれが変わるのは、人事異動や転勤、あるいは自分が転職したとき程度で、基本はそんなに変わらない。プライベートで自分から積極的に交友を増やそうと思わない限り、人間関係はほぼ固定化されてしまうだろう。

 それに対し、田中のようにオファーがあって成立する人気商売の場合、一緒に仕事をする人の顔ぶれはどんどん変わり、人と知り合うチャンスは会社員より格段に多い。もちろんチャンスがあることと、親しくしたい人と出会えるかは別の話だが、「その気になれば」人付き合いには困らないわけだ。

 特に田中のような売れっ子と親しくなりたいとすり寄ってくる人は、たくさんいるだろう。それに、もし田中が本当に人間関係を持たなかったとしても、田中には身の回りの世話を焼いてくれるマネジャーがついているわけだから、ひとりぼっちになって孤立無援になることはまず考えにくい。

 けれど、一般人、特に一人暮らしの女性が田中を真似て、周りの人を「どんどん排除していく」ことをすると、本当に“独り”になってしまう可能性がある。南海トラフ地震や新型コロナ肺炎など、人間にはどうすることもできない自然界の脅威が迫る中、日ごろからゆるやかにでも誰かとつながっておかないと、いざという時に「誰にも頼れない」ということになりかねないのだ。

 阿佐ヶ谷姉妹は、女性の共感を得ているタレントとしてよく名前が挙がるコンビだが、その理由は、彼女たちのネタがウケているからといったこと以外に、2人が醸す雰囲気、あるいは「気の合う人がすぐ近くにいて、いざとなったら頼れる安心感がうらやましい」からというのもあるだろう。田中の「人付き合いないですよ」発言が世間から共感を呼ぶ一方、若い女性は、阿佐ヶ谷姉妹的な距離感の人間関係のあり方を参考にするのも手だと思うのだ。

 話を田中に戻そう。そもそも他人にイライラするのは、単にその人と相性が悪いこともあるが、自分の思考が「ああするべき」「そんなのムダ」と支配的もしくは批判的なときにも起きやすい。田中の意見に共感する人は、実はそういった思考に陥っている可能性があるだけに、周りの人間を排除する前に、まずは自分を振り返ってみるのも大事だろう。

 そして、田中自身にも、ぜひ自分を振り返ってほしい……なんて思わない。女子アナから始まり、女性誌の表紙を飾るまでビッグになっても、なーんかイライラしている。それが彼女のタレントとしての個性であり、最大の魅力だと思うから。

 一般人よりはるかに恵まれているのに、まるで一般のように悩む。それが田中の最強の武器かもしれない。

楽天市場で「4.6」の高評価マフラーに“落とし穴”! 購入を踏みとどまった口コミとは?

――2年で1,300万円以上溶かし、現在借金は●00万円の“買い物狂い”のライターが、苦しくも楽しい「散財」の日々を綴ります。

 前回、「イオンモール盛岡」での爆買いの様子をお届けしましたが、そもそも、私がステディと買い物に出かけたのは、以前、黒いコートを買ったことにより、「黒いマフラーが欲しいんだ、コノヤロウ!」という気持ちが沸き上がったから。というのも、手持ちのマフラーは、緑色と青。そのほかにベージュとヒョウ柄の派手なオレンジ色のストールを持っているけど、黒いコートに合わないんじゃい!

 そんなわけで、私はまず、「イオンモール盛岡南」を訪れたんです。なにせ、ここには、「La Cour Carre(ラクールキャレ)」という、私が大好きなお店があるんだもの。

 早速、黒いマフラーはあるかなあ……? と探してみると、「これ、可愛い!」というマフラーに出会いました。色味は黒というより紫色に近い雰囲気で、フロント部分がファーになっているデザイン。店員さんに黒がないか聞いてみると、「もう売り切れてしまいました」とのこと。ぐ、ぐぬぬぬぬ……。

 すると、店員さんは「黒でしたら、こういうものがございます」と言って、別の形のマフラーを見せてくれました。こちらは黒で、全体がファーでもこもこ。マグネットで留めるタイプになっています。

 うーん、マグネットってちゃんと留まるものなの? 風とかでひゅーっと飛ばされたりしない? 不安がる私に、店員さんはマフラーを巻いてくれたのですが、自分でやるとどうもうまくいかないし、なんか微妙……。私的には最初に見た紫色のマフラーが気になっていたので、さんざん悩んだ結果、何も購入せず、店を出ました。

 そして別の店をまわっていたステディと合流し、「決めきれなかった」と報告したところ、心優しいステディは「もう一度戻る?」と聞いてくれたものの、私はネット通販で可愛いマフラーを探すことに。

 そうよ、この世の中、ネットで売ってないものなんてないんだから! そう思いつつその場で捜索を開始すると、案の定、楽天市場に「これは……!」というアイテムを発見。

 「sagafurs(サガファー)」というブランドの「フォックス ファーマフラー」という商品で、お値段5,500円。総合評価が「4.6」と高いし、今なら10%割引クーポンもついてる! ということで飛びついたんです。

 しかし、レビューをずらずらと見ていくと、そこにはなにやら不穏なコメントもありました。

「他サイトの同店舗でネイビーを購入し、毛艶も毛量も良かったので、スーパーセールでブラックを注文。正直フェイクファーかと思うくらい艶がなくバサバサしていて、犬の換毛期のような細かい毛と毛並みの短さでした。個体差があるとはいえ、家族も『(ネイビーと)全然違うね』と評価していました」

 えっ、個体差があるの? この口コミを見て意外な落とし穴があると知った私は、購入を踏みとどまり、そっと画面を閉じました。するとステディが「次、どこ行く?」と聞いてきたため、私は「イオンモール盛岡に行きたい!」と即答。あそこなら、可愛い黒いマフラーがあるかもしれない……!!

 結論から言うと、イオンモール盛岡には、黒いストールはあったものの、ファーマフラーはありませんでした。なので私は「もう一度、イオンモール盛岡南に行きたい!」とステディに懇願。

 そして、ラクールキャレに舞い戻り、ステディに購入を迷った2つのマフラーを見せました。すると、「黒のマフラー可愛いよ」と、まさかの即答。ファッ!? ステディに「いい」と言われると、これがいいような気がしてきちゃう……。

 ってなわけで、ステディのアドバイスを受けて、ものの1分ほどで私はレジへ。やっぱり、愛する人の威力は絶大だわ!

■今回の出費
「ファーのマフラー」 1万780円

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体重76キロの私のお洋服事情! イオンモールで8万円分を爆買い、その内訳は?

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 冬だ! セールだ!! 買い物だ!!!! っちゅーことで、盛岡まで行ってきました。太り始めてからというもの、肥大化に歯止めが効かず、現在の体重76キロ。もうね、普通の服屋で入る服を探すのがめちゃんこ大変。

 まずは「イオンモール盛岡南」へ行きましたが、気に入ったものがあまりなかったので、今度は「イオンモール盛岡」まで足を伸ばし、ショッピングセンターをはしご。館内に入ってすぐの「MEDOC(メドック)」というお店で、早速可愛い服を発見!

 それはだぼっとしたシャツで、マネキンさんはセーターを上に着ていました。ウーン、こりゃなかなか可愛いわい。ゆったりしたシルエットだから、デブな私でも安心だわ。とりあえずどちらもキープして、店内をふらふら見て回っていると、さらに可愛い服を見つけました。 

 胴の部分は太いのですが、腕の部分がシュッと細くなっていて、細見えしそうなニットトップスで、一緒にセールになっていたグレーのスカートも含め、こなれ感があっていい感じ! さらに、カーキのスカート2本に目を惹かれた私は、大量の服を抱え、試着室にGO。

 シャツは後ろが長くなっていて、彼シャツを着ているような雰囲気。これは買いだわ! ただ、一緒に合わせてあったセーターは、ダボダボ感が強すぎて私が着るとなんか微妙。でも、次に見つけたニットは、もうドンピシャで、めちゃくちゃ可愛い! グレーのスカートはぴっちぴちだけど、ニット素材だし、まあ、なんとかなるでしょう。

 そして最後はカーキのスカート。1着は入らなかったものの、もう1着はなんとか着ることに成功。うーん、これもなかなか可愛いわ。でも、私、カーキ色のパンツは持っているからなあ。そう、ちょうどいまはいている……そう思って、自分のはいていたパンツを取り上げると、げげげ~!?!?!? 股ずれでボロボロになってる~~~!!!!!! (泣) そ、そうなのよ。私、太ってからパンツをほとんどはかない理由がコレ。股ずれですぐにパンツが傷んでしまうから。

 すっごく気に入っていたし、2万5,000円くらい出して買ったものだけど、これはおさらばするしかあるまい……。私は意を決して試着室を出ると、店員さんにこう言いました。

「このスカート、はいて帰ります!」

 さようなら、カーキのパンツ。キミのこと、大好きだったよ……。出会いあれば別れアリ。そんなわけで、カーキのパンツとはお別れし、カーキのスカートとグレーのスカート、だぼだぼシャツ、それに腕が細いニットを色違いで3着買いました。てへへ……。どの色も可愛くて、どうしても選べなかったの。

 そんなわけで、会計はえーっと、は、8万円……? イオンでこんなに爆買いするとは思わなかった……。「迷ったら買う」の買い物狂いのモットーがあだになった感は否めないわ。トホホ。

■今回の出費
メドックのシャツ、ニット3点、グレーとカーキのスカート 計8万円

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高校中退の万引き少年の母「あんたに、なにがわかるのよ!」――Gメンに絶叫したワケ

 こんにちは、保安員の澄江です。

 毎年12月になると、決まって万引き被害は増加し、忙しい日々を過ごすことになります。被疑者の背景を聞けば、どこか寂しい話が多く、印象に残る人も多いです。昨年末には、高校を中退してから、日雇い仕事で生計を立てる作業着姿の少年を捕まえました。

 懐に隠す手口で盗んだものは、クリームパンとファンタグレープの2点で、合計200円ほどの被害です。

「ちょっと、のどが渇いちゃったから」

 身分を証明できるものは持っておらず、まだ16歳だという少年の所持金は30円ほどしかなく、商品を買い取ることもできません。すでに店長が警察を呼んでしまっているため、誰かに身柄を引き受けてもらわないと、いつまでも解放されない事態になること必至の状況といえるでしょう。そのことを伝えると、突然に語り始めたので、真摯に耳を傾けました。

「親と仲悪くて、高校も勝手に退学届を出されてやめさせられたんだ。だから頼んでも、迎えになんて来てくれないよ」
「ひどい話だけど、親が勝手に退学届けを出すなんてこと、あるかしら。で、いまは、ひとり暮らしなの?」
「ううん、おばあちゃんち」

 少年の顔は幼く、職人さんが好む黒い作業着の上下に身を包んでいるもののまったく似合っておらず、キッザニアで遊ぶ子どものように見えました。

「おばあちゃんは、迎えに来られるかしら」
「まだ仕事だから、家にいないよ」
「じゃあ、待つしかないわね」
「そんなの退屈だな。つまんないよ」

 まるで反省していないらしく、足を放り出してパイプ椅子に座る少年の態度は横柄で、悪いことをする自分がかっこいいと思っているように感じます。

 駅前交番から男女2人の警察官が現場に臨場すると、どこかうれしそうに微笑んだ少年に男性警察官が言いました。

「お、見たくないのに、よく見る顔だ。お前、名前なんだっけ?」
「〇×だよ。知っているくせに、聞かないでくれよ」
「また万引きしたんだって? 今日は、何を盗った?」
「このパンとコーラだよ。のどが渇いちゃってさ。パンは、ついでに盗ったんだ」

 少年事案に微罪処分はなく、被害届が出されれば簡易送致されることになります。まるで親戚のように話す2人に、上役である女性の巡査部長が割って入ると、私情を挟まぬお役所モードで事務処理を進めていきました。

 身分を確認できるものは持っていないものの、直近に扱い歴があったため、警察官の手帳に残されていた人定事項を基に話が進められます。軽微な被害の少年事案であることから、まずは被害弁償をさせたいようで、ここに保護者を呼びつけることになりました。

「いつもLINEだから、電話番号はわかんないよ」
「じゃあ、LINEでいいから、私の目の前でお母さんにかけて」

 嫌な顔を見せつつも、逆らうことなく連絡を取り始めた少年は、気まずいのか、お母さんが出ると同時に自分のスマホを女性警察官に手渡します。

「説明くらい、自分でしなさいよ」
「めんどくさいから、そっちでやって」

 やむなくスマホを受け取り、電話口に出た女性警察官が、丁寧な口調で状況を説明しました。10分ほどで迎えに来られるというので、それまでの間に実況見分を済ませることになり、売場で盗んだ商品を指差す少年の写真が撮影されます。

 周囲の客から見れば、万引きして捕まったと容易に想像できる状況で、毎度のことながら人目に晒される被疑者のプライバシーが心配でなりません。事実を突き合わせるため同行してくれというので、その様子を遠巻きに見守っていると、写真撮影のためパン売場でクリームパンを指差していた少年が急に顔を伏せました。

「ほら、写真撮るから、顔あげて」
「…………」

 女性警察官の指示を聞かず、うつむいたままでいるので近づいてみると、顔を真っ赤にした少年が言いました。

「どうしたの?」
「知り合いがいるから、ちょっと待って」
「どの人よ?」
「あの子たち、中学の同級生なんだ。こんなことってある?」

 目で合図するので確認すると、制服姿の女子高生2人組が、興味津々といった様子でこちらの状況を見つめていました。多感な時期でもあるし、少しかわいそうに思って女性警察官に知らせるも、すぐに終わるからと構うことなく無理に写真を撮り続けます。

 それ以降、明らかに不貞腐れてしまった少年は、ろくに返事もしなくなりました。険悪な雰囲気の中で、実況見分を終えて事務所に戻ると、まもなくして少年の母親を名乗る女性が被害品の支払いに現れます。おそらくは、夜の仕事をされている方なのでしょう。乳房が目立つ服装と派手なネイルが印象的な40歳くらいの女性です。

「あんた、また万引きしたんだって?」
「うん。のどが渇いちゃったんだけど、カネがなかったから仕方ないだろ」
「はあ? あんた、いい加減にしなさいよ。もうガキじゃないんだから、今回は自分で責任取ってこい」

 一喝された少年は、ただニヤニヤと悪い笑みを浮かべるばかりで、まるで反省のない態度を取り続けています。その様子に怒った母親が、努めて冷静に女性警察官に言いました。

「お店に迷惑がかかるから、代金のお支払いはしますけど、こいつは置いて帰ります。留置場でも刑務所でも、どこでもいいから放り込んでやってください」
「まあまあ、落ち着いてください。警察署で、ちゃんと言って聞かせますから」

 怒りに震える母親を宥め、被害品の精算をさせた女性警察官が、足を放り投げて座る少年を一喝しました。

「君ね、そんな態度でいたら、本当に逮捕しなきゃならなくなるよ。まずは、お母さんに謝りなさい」
「はいはい、ごめんなさい。もうしません」

 これが精一杯だったのでしょう。頭を下げることなく、口先だけで謝った少年は、まもなく警察署に連れて行かれました。逮捕者である私も調書作成のために同行を求められ、少年の母親と同じ車に乗って警察署に向かいます。

 あまり関わりたくないのが本音ですが、その車中で母親から話しかけられたので、やむなく対応します。

「ご迷惑おかけして、すみません」
「いえいえ。難しい年頃だから、お母さんも心配ですよね」
「前にも何度か同じことをしていて、高校もやめさせられているんですよ。それから家に寄りつかなくなって、おばあちゃんのところで寝泊まりさせてもらっているんですけど、あまり仕事にも行ってないみたいで。どうやったら、やめてくれますかね?」
「お母さんが見捨てたらダメだと思います。もしかしたら、本当は学校に行きたいんじゃないですかね? さっき、実況見分しているところを中学の同級生に見られたって、すごく悲しそうにしていて、かわいそうでしたよ」

 すると、突然に泣き始めた母親が、私の腕をつかんで言いました。

「あんたに、なにがわかるのよ! あんたに、なにがわかるのよ! うあーん」

 余計なことを言ってしまったようで、ひどく気まずい思いをしましたが、まもなく警察署に到着して救われました。

 その晩、調べを終えて少年課を出ていく2人の背中を見送った私は、子どもを産むことなく終盤を迎えた自分の人生について振り返った次第です。
(文=澄江、監修=伊東ゆう)

BE:FIRST肉感が血湧き肉踊りヘンザップがハイファイブな新曲「Boom Boom Back」

 BESTYの皆様よ、我々は、試されている。

……様な気がしてきませんかねこんな挑戦的な新曲のドロップを突きつけられてしまっては。

 気怠げなミディアムテンポのリズムループに絡むギターのミュートフレーズ、遠くに鳴るのはレコードのスクラッチ音か。そしてブルージーでもあり、ある意味では西部劇なんかも思わせる口笛が鳴り、というイントロからしてこれまた随分と大胆に舵を切っ…

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『あちこちオードリー』小籔千豊は丸くなった? 時代に即した“説教芸”のあり方

私たちの心のどこかを刺激する有名人たちの発言――ライター・仁科友里がその“言葉”を深掘りします。

<今回の有名人>
「男前じゃないのにモテたくてしゃーないヤツ」小籔千豊

 仕事としてテレビをずっと見続けていると、売れた芸能人の底力のようなものを感じることがよくある。自分の持ち味が時代に合わなくなったとしても、見せ方を変えることができれば、生き延びていける。その成功例の筆頭は有吉弘行だと思うが、小籔千豊もうまく“モデルチェンジ”しているなと、2月8日放送『あちこちオードリー』(テレビ東京系)を見て思った。

 小籔といえば、番組で自分の爪痕を残すために必死で、周りが見えていないグラビアアイドルを厳しく叱る姿の印象が強い。よく使う表現は「しょーもない」「あいつ、イキってる」。ほかにも、「親孝行しろ」「子どもが結婚式のときにどんなあいさつをするかで子育ての成否が決まる」「ハロウィンをやるくらいなら花まつり(お釈迦さまの誕生日)を祝え」といった持論を展開するのも特徴的だ。

 こういった小籔の言動から判断するに、彼は保守的な価値観の持ち主と見ていいだろう。小籔が出演していた『ざっくりハイタッチ!』(同)で、共演者のフットボールアワー・後藤輝基には「思想が強い」とツッコまれていたが、この“偏り”、そこから生まれる説教こそが、小籔の魅力の一つといえる。

 ただ、これもれっきとした個性ではあるものの、あらゆるハラスメントに「NO」が突き付けられる今の時代において、小籔の芸風は少々分が悪い。なぜなら、小籔の説教が若者に対するパワハラと捉えられかねないからだ。ただ、それを捨て去ると、小籔の魅力は減ってしまう。さて、彼はどうするか――。

 しかし、そんな心配はまったく不要だった。小籔は「個性を生かしながらも、時代に即した見せ方」をとっくに確立していたようだ。端的にいうと、若い人の話をしっかり聞き、時に説教する場面でも相手を責めすぎず、「これは、自分の考えを押し付けているわけではなく、あなたのため、全体のために言っている」というスタンスを明らかにすることで、世間から反感を買わない芸風を成立させていた。

 この日の『あちこちオードリー』のゲストは、劇団ダウ90000主宰の蓮見翔と小籔の2人。小籔の立ち居振る舞いは、やはり過去のそれとは変化しているように感じた。

 例えば、小籔はかなり年下である売れっ子の蓮見に対し、先輩風を吹かせることもなく、むやみにツッコむこともなく、体をきちんと蓮見側に向けて、真剣に話を聞いていた。その昔、小籔は吉本の後輩や若い人の話を聞く時、下を向いたままのことが珍しくなかった(おそらく気心が知れているからだろうが)と記憶しているから、過去と今では雲泥の差といえるのではないか。

 また、下の世代にキツいことを言う際、その“理由”を明らかにした点も、ただ言いっぱなしにしていた過去に比べ、変わったなと思った。

 小籔は、吉本新喜劇の座長になってすぐに、大勢の前で「『私、俺、出番ないやん』と思ったり、『あの役はホンマやったら俺の役ちゃうか、あいつばかり何で使ってるんですか』と思う奴いたら、全然言うてこい。この役やったら、負けへんていうのがあったら、全然言うてこい。絶対1回か2回使う」と“売り込み”を歓迎したという。しかし、「その代わり、それでスベったら一生使わん」と達成すべき壁を明示したところ、小籔いわく「誰も(不平不満を)言うてこなくなった」そうだ。

 昭和のスポコン的な話だけに、時代錯誤と受け取られかねないが、小籔は続けて「野球選手かて、そういうことやん。二軍でずっと振ってて一軍に呼ばれて、打ったらスタメンになるけど、大事なところで三振したらそれは……。一緒やから」と、プロの世界ならではの構造を説明して、「(だから若い世代は)甘えてんねん」とお説教で締めた。

 いきなり「最近の若者は甘えてる、やる気がない」などと突き放さず、若手の将来を見据えながら、なぜそう感じるのかを丁寧に説明を重ねた上で、キツいことを言う――それが今の小籔スタイルなのではないか。

 一方で、小籔はキツいことを言うばかりではない。

 蓮見は今、仕事のオファーがたくさん来ているにもかかわらず、劇団員がイマイチ努力しないと嘆くが、小籔は「モチベーション、人間全員が揃うことなんてない」「全員が蓮見さんと同じモチベーションで能力あったら、めちゃくちゃケンカしてる」と、やる気がない人がいるからこそ、劇団の平和が保たれ、蓮見のやりたい仕事ができていると分析しつつ、下の立場である劇団員をかばった。これもまた小籔の新たな一面のようにも思った。

 そんな小籔はこの話に続けて、人にはいろいろなタイプがいて、モチベーションも異なると説明し、具体例として「能力ないのにモチベーションが高いヤツ」「努力しないのに売れたくてしゃーないヤツ」「男前じゃないのにモテたくてしゃーないヤツ、一番タチ悪い」と毒舌を披露した。

 3つ目の「男前じゃないのにモテたくてしゃーないヤツ」は、劇団とは直接関係ない気もするし、男前じゃなくてもモテたいと思うのは悪いことではないが、誰かをかばった上での毒舌なら、キツすぎないため、世間から好意的に受け入れられるのではないか。また、「うまい」と思ったのは、吉本新喜劇には女性の劇団員もいるが、「美人じゃないのに」と切り出さなかったことだ。

 小籔といえばかつて、今では女性蔑視と批判されかねないような発言をよくしていた。例えば、「いい年こいた美魔女をチヤホヤする国に未来はない」。その理由の一つとして「白髪染めも我慢して、自分磨きのお金を子どもの塾代にしているおばはんもおるわけです。そのおばはんも賛美する逆側の意見もないと」と挙げていたのだ。

 なんとなく正論のような気もするが、美魔女が美を保つための費用をどうねん出するかは、人それぞれ。自分で稼いだお金をつぎ込む人もいれば、夫からもらったお小遣いを使う人もいるだろう。本人もしくは家族が同意しているなら、人のカネの使い方を他人がとやかく言う権利はない。

 おそらく、かつて小籔の中には「貧しいけれど、文句も言わずに耐え忍ぶ女性が美しい」という「女性=忍従」的な価値観があったのだろう。しかし、今の時代にこの発言をしたら、小籔のイメージは下がる。それを見越してか、小藪は女性についての主張をあまりしなくなったように思う。今回の毒舌でも、女性を例に持ってこないあたり、小籔は「わかっている」のだと感じた。

 見え方、見せ方を少し変えると、全体の印象までも変わってくる。他人からの評価に納得していない人は、自分から見て「昔より丸くなった芸能人」を参考にしてみるといいのかもしれない。

8,000円超のジュエリーポーチを購入したら……メルカリで「500円のそっくり商品」が大量出品中のナゾ

――2年で1,300万円以上溶かし、現在借金は●00万円の“買い物狂い”のライターが、苦しくも楽しい「散財」の日々を綴ります。

 このコラムを読み、心配してTwitterに連絡をくださった方もいましたが、ガン治療中のステディはひとまず手術を終えました。応援してくださった皆様、あらためて、本当にありがとうございました!

 さて、Mちゃんという遠方に住む友達からお見舞い金をいただいた私。なにかお返しにいいものを……と考えていた矢先、彼女の誕生日が近いことを知りました。こ、これだ……! Mちゃんの誕生日をしっかりお祝いしよう!!

 最初に考えたのは、「名入れ商品」。自分の名前が刻印されていたら、特別感があっていいと思わない? ジュエリーが好きなMちゃんに似合う、可愛いリップクリームでもどうかしら? 口紅だと色の好みがあるから難しいけど、リップクリームならそこまで使う人を選ばないと思い探していると、「JILL STUART(ジル・スチュアート)」の「リップグロウ セラムバーム」(税込3,080円)という商品が目に飛び込んできました。これだ! パッケージもめちゃんこ可愛いやんけ!!

 問題は刻印の色。私はすぐにMちゃんに「赤、黄色、オレンジ、ピンクならどの色が好き?」とLINEをしました。しかし、刻印の色は注文時期によって変わり、今の時期はピンクと白以外選べないことが判明。「ごめん、白とピンクしかなかった……」とメッセージすると、「なんのことか1ミリもわからなくて、笑ってしまった(笑)」とメッセージが来ました。ははは、そうだよね……。

 刻印の色はどちらかを選んでもらうことにして、とりあえず、ジル・スチュアートで決定か……と思ったのですが、刻印料やラッピング代などで総額が3,800円ほどしかいかなくて、うむむ……? と思いました。

 日頃からお世話になっているMちゃんに、3,000円台のプレゼントはちょっと安すぎる気がする。もうちょっといいものないかなあ……。私が使っているものでジュエリーに関係する便利グッズはなにか考えていると、「ARTISAN&ARTIST(アルティザン&アーティスト)」のジュエリーポーチを思い出しました。そうそう、このポーチっていいんだよねえ~。容量たっぷりだし、なにより可愛いし!

 まあ、でもMちゃんなら、可愛いジュエリーポーチ、持っているかなあ? ダメ元で、「ジュエリポーチ持ってる?」と聞くと、「持ってるけど、あんま可愛くない(笑)。ボックス型のもあるけど、少し厚みがありすぎて持ち運びに不便だから、薄型のがあったらいいな~と思ってる」とのこと。これだッ! 

 そこで、アルティザン&アーティストの公式サイトを見ていると、税込み8,360円の薄型のジュエリーポーチを発見! 「大きめサイズのジュエリーポーチ Valiant Rouge 2WP-LI736」というアイテムで、リップ柄がプリントされていてとっても可愛いの!

 予算的にちょっと躊躇しましたが、「私がもらったらうれしい」という基準で、このポーチに決めました。Mちゃん、喜んでくれるといいなあ……。ところで、このポーチが可愛かったので私も欲しくなり、フリマアプリのメルカリやラクマに出品されていないか捜索してみることに。

 すると、そっくりなポーチがごろごろ出てきました。しかも、1,000円とか、500円とかめちゃんこ安いの! どうやら、美容雑誌「&ROSY」(宝島社)で定期的に付録として登場しているらしいんです。うううむ……。リップクリームが並んでいるパッケージも、私が買ったものと同じ。そりゃあ中身や材質は違うだろうけど、なんか悔しい~!(涙)。ジュエリーやコスメ好きにおすすめしたい、便利なポーチが安く出品されているので、気になった方は、ぜひフリマアプリで検索してみてください!

■今回の出費
アルティザン&アーティスト「大きめサイズのジュエリーポーチ Valiant Rouge 2WP-LI736」8,360円

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メルカリだけでなくAmazonにも「まつ毛美容液の偽物が出回ってる」アイリストが警鐘

――2年で1,300万円以上溶かし、現在借金は●00万円の“買い物狂い”のライターが、苦しくも楽しい「散財」の日々を綴ります。

 ええ~~~~~!? 私が使っていたまつ毛美容液、偽物だったのォ~~~~~~~~~~!?!?!?!?!? 以前、このコラムで紹介したまつ毛美容液「エマーキット」を1カ月使っていたのですが、ぜーんぜんまつ毛が伸びなかったのです。過去に使用した際は、毛がぐいんぐいん伸びたものでした。それなのに、1カ月たっても効果を感じません。

 今回エマーキットを買ったのはメルカリだったけど、も、もしや……偽物だった!?  製造元である「水橋保寿堂製薬」の公式サイトには、箱にシリアルナンバーやQRコードが印字された「真贋承認シール」が貼られているのが正規品の見分け方だと書いてありました。だから一応、パッケージにQRコードがついているかどうかを出品者に確認した上で、定価6,050円のところを5,500円と、結構お高めの価格で仕方なしに購入したのに……。

 そういえば、QRコードをスマホのカメラで読み込んだら、中国語のサイトが出てきたんですよねえ……。でも、エマーキットはもともとアメリカ発の美容液。今、日本で買えるものは、水橋保寿堂製薬が日本人の肌に合うように改良したものだそうなので、同じように中国でも改良版が売られているのかな? とのんきに思っていたのですが、まさか……。

 この一件ですっかり自信をなくしてしまった私ですが、さらに追い打ちをかける出来事が。まつ毛パーマをするためにサロンに行ったところ、アイリストさんに「まつ毛が弱ってるから、美容液を使ったほうがいいですよ」と言われたんです。ガガガガ―ン! 1カ月エマ―キットを使っていたのに、そんなことを言われるなんて、やっぱあれは偽物だったのお~~~!? 

 藁にもすがる思いで、「まつ毛美容液は取り扱っていないんですか?」と聞いてみると、アイリストさんは奥から、「ラッシュアディクト」という商品を出してきて、「これ……ちょっと高いんですけど、効果は抜群です」と一言。

 ほうほうほう!? 値段を聞くと、「1万1,000円」とのこと。確かにおたけぇ~~~~~!! でも、お店で購入したものなら、偽物ってことはないし安心。ただ、お店で購入する場合、まったく割引がないんじゃないの? ネットでもっと安く売ってるところがあるかも!

 そこで、「ちょっと見てみます」と言いながら、私はAmazonを開きました。えーっと、ラッシュアディクトは……定価通り1万1,000円。レビューを見ると、「すごく伸びた」と書いてあります。でも、「☆4」なのはなぜ? 気になったので「☆1」の評価を確認してみると、以下のことが書かれていました。

「今回安かったためこちらで購入しましたが、以前買った商品とロットナンバー部分の印字が違いました。筆の長さ、太さも大きく、毛先が少し乱れており、沢山の液が着いてしまうため、目に混入しました。(中略)1週間経過したところで抜け毛が目立ってきたので、我慢の限界が来て『正規品、シリアルナンバーの称号方法を紹介』している他店にてラッシュアディクトを購入しました。毛先も上質で、シリアルナンバー印字部分も以前と同じ物でした」

「返品も出来ませんし、製品保証番号も切り取られ箱にも入っておりませんでした。レビューで高評価つけられていたものもあり購入を決めましたが間違いなく偽物です。お気をつけ下さい」

「通っているまつ毛エクステで普段購入してるが、買い忘れたため、こちらで購入。しばらくしてサロンのスタッフに『美容液なくなってます? 今日買われます?』と聞かれ『普段の使ってますよ』と伝えると、『新しく生えてきてるまつ毛が細いから効いてないですよ』と。慌ててサロンで購入しました。1カ月後にまつ毛は復活。サロンと同価格でしたが粗品。最悪」

 えええええ!?!?!?!?!? Amazonにすら偽物があるのかーい! やっぱりサロンで売られているもの以外はあまり信用できないのかも。低評価レビューを見ていた私に、アイリストさんが申し訳なさそうに言いました。

「最近、偽物が多く出回っているのでお気を付けください……」

 まつ毛のプロであるアイリストさんも警鐘を鳴らすくらいですから、私は安心安全のサロンで購入することに。肌に直接使うものなので、粗悪品だったら大変ですし、皆さんもお気を付けください……。

 

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性虐待された父親を「許すのも、許さないのもつらい」——傷を背負いながら介護をする女性

“「ヨロヨロ」と生き、「ドタリ」と倒れ、誰かの世話になって生き続ける”
――『百まで生きる覚悟』春日キスヨ(光文社)

 そんな「ヨロヨロ・ドタリ」期を迎えた老親と、家族はどう向き合っていくのか考えるシリーズ。

 両親から虐待され、実家を離れていた黒沢美紀さん(仮名・45)は30年ぶりに地元に戻った。「何かあったら助けちゃる」と思っていたが、脳梗塞で倒れた父・昇二さん(仮名・75)からは、感謝の言葉どころか暴言を吐かれた。再び転倒し入院している昇二さんのために動く自信がなくなっている。

「お父さんに戻ってきてほしい」と願う母

「もう、私は父のために動くことはできないかもしれません。今も『母のために』と言い聞かせて動いています。今日も母に付き添って父の面会に行ってきましたが、両親は久しぶりに会ってうれしいのか、笑顔で言葉を交わしていました」

 昇二さんは老いて暴力をふるわなくなったが、母の良江さん(仮名・70)には聞くに堪えない暴言を吐く。それなのに、良江さんは病気に振り回されていたときの記憶があいまいになっているのか、昇二さんに暴力をふるわれていたことをあまり覚えていないようだ。

「それに、母は驚くくらい“スルースキル”を持っていて、父の暴言をスーッと聞き流しているんです。私なら父のような夫のそばにいるのは、絶対に無理だと思うのですが」

 昇二さんが入院して、一人暮らしになった良江さんを心配していたが、特に問題なく生活しているという。美紀さんや妹の理香さん(仮名・43)が、「お父さんのいない自由を知ったら、お母さんはお父さんともう一緒に住みたくなくなるんじゃないの」と心配していたが、良江さんは「お父さんには帰ってきてほしいわぁ」と答えたという。

親を許すのも、許さないのもつらい

 それにしても、だ。なぜ、そこまでされた昇二さんを「助けちゃる」と思えたのか――。美紀さんは「親を憎むことの罪悪感が、自分の中にずっとあったんだと気づいた」という。

「どんなにひどい父でも、私はこの人の娘だから。父がことあるごとに妹と私を比べ、アホ呼ばわりしたり、怒鳴りつけたりして、自分のことを受け入れてくれないさびしさもあったのだと思います」

 夫は、「縁を切っていい。それだけのことをされているのだから」と言ってくれた。でも、昇二さんを憎むのもつらいし、しんどいのだ。

「許すのもつらい。でも許さないのもつらいんです」

 人を憎むと自分のことが嫌いになるし、エネルギーを割くことになる。憎んでもむなしいだけ。憎むのが嫌になったから、昇二さんのことを「嫌いやけど、何かあったときには助けちゃろう」になったのかもしれない、と洞察する。

 「本当は、父のことをどう思っているのか」――美紀さんは自問する。父は、自分のした性虐待で、自分がどれだけの苦しみを負ったのかも知らないだろうし、自殺を図ったことも知らない。言ったとしても、父が謝罪するとは思えないし、それでさらに傷つけられるだろう。母は子どもたちのことを愛したかったのに、病気のために愛することができなかった。でも、父は人から愛されたことも、人を愛したこともなかったのだろう……。

 いまだにフラッシュバックを起こしそうになる自分を、父の前に差し出すのは違うんじゃないかとも思える。自分のことは守らないといけないとも思う。夫は、「最大の復讐は幸せになること」と言ってくれた。

 昇二さんの退院はそう先ではない。良江さん一人ではどうにもならないから、美紀さんが助けてあげるしかない。良江さんには会いたい。でも昇二さんには会えない。

「なぜ自分に与えられたのはこの人だったんだろう。なぜ自分がこんなに重い十字架を、この人のために背負わなければならなかったのか――」

 これから先、昇二さんや良江さんが、そして美紀さんの気持ちがどうなるかはわからない。昇二さんが亡くなったとき、どんな気持ちになるのか。亡くなった後も、きっと葛藤は続くだろう。

続きは2月26日公開

ママ友ランチ会トラブル! 2歳児が生クリームを口に……自然派ママに非難された話

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係には、さまざまな暗黙のルールがあるらしい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、暗黙ルールを考察する。

  「食育」という言葉が一般化して久しいが、ママにとっては、特に初めての育児の場合、子どもに何を食べさせればいいのか迷うケースがほとんどだろう。離乳食ひとつとっても、完全手作りにこだわるママもいれば、レトルト食品で済ませるママもいる。

 周りから見たら大差がないように見える家庭の食卓にも、ママたちそれぞれの葛藤が渦巻いているものだ。今回は、そんな「子どもが食べるもの」をきっかけに、ママ友間にちょっとしたトラブルが発生し、頭を悩ませているというお母さんの話を取り上げる。

キッズカフェに2歳児の食べ物を持ち込む“自然派”のママ友

 都下で2歳になる男児を育てている薫さん(仮名・36歳)は、週2回程度のパートをしながら、プレ幼稚園に息子を預けている。

「息子が通っているのは、教育方針に惹かれて遠方からの通園も多い人気園。家庭訪問や、平日の親子参加行事もあるので、ママさんは専業主婦がメインですね。私はどうしてもこの園に通わせたかったので、2歳のプレから息子を預けることに。そうすると、持ち上がりでそのまま園の年少クラスに入れますからね。実際、そういうご家庭が多いんですよ」

 2歳クラスは午前だけで終わることも多いため、近所のファミレスでママたちとランチをすることもあるという。そのメンバーの一人が愛理さん(仮名・38歳)。彼女は、薫さんと同じ2歳の男児と小1になる女児を育児中だ。

「ファミレスでランチをする時には、小学生の子どもがいる愛理さんが、“先輩ママ”として、みんなの育児に関する悩みや心配事を聞いてくれるんです。愛理さんの娘さんは保育園に通っていたそうですが、当時、愛理さんは仕事が忙しく、あまり面倒を見られなかったため、息子さんが生まれたのを機に退職。今は専業主婦で、息子さんを幼稚園に通わせていると言っていました」

 愛理さんの息子・K君は、アトピー体質のため、食べ物には相当、気を使っているそうだ。

「愛理さんは料理を作るのが好きで、マヨネーズなども手作りにこだわっていました。うちの園の給食は、園で栽培している野菜を使っていて、それが『選んだ決め手』とも言っていましたね。もともと愛理さんは、都心に住んでいたものの、上の子が小学校に入学するタイミングで、自然が多い都下に引っ越してきたそうなので、自然派の育児に熱心なママさんという印象はずっとありました」

 そんな愛理さんは、子連れでファミレスやキッズカフェに行くとき、K君が食べるものを持ち込んでいたという。

「愛理さんの息子は、食物アレルギーではないのですが、なるべく化学調味料や添加物が入っていない料理を食べさせたいみたい。まれにお店のメニューから注文する時も、2歳のK君に離乳食のおかゆを選んでいました」

 そんなある日、薫さんと愛理さんは、ママ友の家で行われる持ち寄りの子連れランチ会に参加。薫さんは、愛理さんが食育にこだわっていることを知っていたが、2人を招いたママは、愛理さんとはあまり交流がなかったという。

「家に招待をしてくれた早苗さん(仮名・35歳)は、息子が通っていた親子水泳教室で一緒だったママさん。早苗さんは2歳になる息子を、私たちが通っている園に入れたいと思っていたそうで、『幼稚園の雰囲気を教えてほしい』と、ランチ会を企画したんです」

 薫さんはこのランチ会を楽しみにしていたというが、スタート時から冷ややかな空気が漂ってしまった。

「早苗さんが用意したジュースを、『家では子どもに、甘い飲み物を与えていない』と断ったんです。その時、早苗さんに、愛理さんが子どもの食べるものにこだわりがあることをそれとなく伝えればよかったのですが……ママ同士の会話が盛り上がる中、ちょっとしたトラブルが起きてしまって」

 それは、愛理さんの娘が遊びに飽きてぐずりだした際に起こったという。

「気を利かせた早苗さんは、『おやつ食べる?』と言って、用意していたシュークリームをお姉ちゃんに出していました。おなかが空いていたのか、勢いよくシュークリームをほおばるお姉ちゃんを見て、K君も一緒に生クリームをペロっと舐めてしまったんです」

 その様子を見た愛理さんは、慌ててK君からシュークリームを取り上げた。「『2歳で生クリームなんてまだ早いのに』と怒りながら、K君の口元を拭いていました」と語る薫さん。しかし、愛理さんの怒りは収まらなかったそうだ。

「帰り道、愛理さんから『私が子どもの食べ物に気を付けているというのを、早苗さんに伝えておいてほしかった』と非難されました。『だいたい2歳児に甘いものを与えないのは、当たり前じゃない』と、早苗さんにも怒りの矛先を向けていたんです。でも、それは家庭によって違うはず。実際、うちは甘いものも結構食べさせちゃっていますし、早苗さんが悪いわけではない。愛理さんは『2歳児のいる会に甘いものを用意するほうがおかしい』みたいな口ぶりでしたけど、そういう暗黙のルールはないと思うんです……」

 乳幼児に何を食べさせるのか、頭を悩ませているママは多い。食物アレルギーがある場合は当然だが、初めての育児では慎重になってしまうものだ。しかし一方で、特に気にしていないというママもおり、子どもが口にするものをめぐっては、人によって考え方がまったく異なるといえるだろう。

 特に生クリームやチョコレートといった甘いものは、小学校に入学するまで控える家庭もあれば、1歳の誕生日から解禁という家庭もある。育児書ではよく、「1歳から少量ずつ与え始めてもよい」というアドバイスが載っているが、「なぜそうなのか」という明確な指針がないので、ママも振り回されやすいのだろう。

 今回のケースの場合、家に招いた側の早苗さんは、薫さん、愛理さん親子をもてなそうと思って、ジュースやシュークリームを用意していた。最初に「おやつに甘いものを出そうと思っているけれど、食べられるか」という一言があればよかったが、愛理さんと特に親しいわけではない早苗さんは、確認ができなかったのだろう。

 ママ友付き合いが長いと、おやつや飲み物に何を出せばよいのか、それとなく暗黙のルールが出来上がるものだが、初めての訪問の場合、それはやはり難しい。愛理さんがキッズカフェに食べ物を持ち込むほど、K君の食べるものに神経を使っていたのを知っていたならば、やはり薫さんが早苗さんにその旨を伝えるべきだったと思う。

 今回、薫さんが話してくれたエピソードは、ママ友間でよく起こるトラブル。ファミレスのように個別でメニューを頼むような場面は別にして、ママ友宅での集まりや公園でのピクニックなどでは、子どもの年齢や、食べられないもの、与えていないものを事前に確認する――これは面倒であってもママ友付き合いにおいては重要だ。乳幼児以外でも、小学校低学年ならば、「子どもに炭酸飲料を飲ませているか否か」など、トラブルになりそうな火種はいくつもある。

 愛理さんは「2歳児のいる会に甘いものは用意しない」が暗黙のルールだというが、それは、薫さんが言うように家庭ごとで方針が違うので、ややズレた考え方のように思う。ただ、子どものおやつや飲み物について、相互で確認し合うのは、ママ友間の付き合いを円滑にするための暗黙のルールといえよう。