娘が、買い与えた覚えのない「ちいかわ文房具」を持っていた――塾のママ友からの高額プレゼントに困惑

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係には、さまざまな暗黙のルールがあるらしい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、暗黙ルールを考察する。

 ちょっとしたプレゼントを贈り合うことは、人間関係を円滑にするために効果的だ。バレンタインやクリスマス、誕生日の際は、子ども同士でもプレゼントを渡すことはよくあり、実際にお金を出す保護者が、その“相場”に頭を悩ますことも多い。今回はプレゼント交換に負担を感じるというあるママのエピソードを取り上げる。

中学受験塾の友達からちいかわ文房具をもらっていた娘――恥ずかしい思いをしたワケ

 首都圏に暮らす美幸さん(仮名・39歳)は、4月から小学6年生になる女児のママ。娘が小5になったタイミングで、地元にある進学塾に入塾させた。

「娘の愛理(仮名・11歳)が通っている小学校は、クラスの3分の1くらいが中学受験をします。うちは中学受験を考えていなかったものの、愛理が都内にある私立の女子校に通いたいと言い出し、入塾を決意。周りが低学年から塾通いをしている中、小5でのスタートはかなり遅いほうですが、なんとか授業にはついていけているようです」

 愛理ちゃんは、駅前にある大手塾の系列塾に通っている。1学年60人ほどが、成績順で3クラスに振り分けられ、愛理ちゃんはこれまで、一番下か真ん中のクラスのどちらかに在籍してきたという。

「同じクラスに、別の小学校に通っている女の子のグループがあるんです。みんな小3、小4から通っていて、とても仲が良いそうで、愛理は途中から仲間に加わった形でした」

 そんなある日、愛理ちゃんが見たことのない「ちいかわ」の文房具を使っていることに気づいた美幸さん。

「娘の字で名前と学年も書いてあって……私は買った記憶がなかったので、『これどうしたの?』と聞いたところ、『塾の友達にもらった』って言うんです」

 愛理ちゃんの塾では、親しい間柄の女の子同士が、プレゼントを贈り合う文化があるそうだ。

「うちの小学校では、たとえバレンタインや誕生日だとしても、友達へのプレゼントを学校に持ってくるのはNG。でも、塾にはそういったルールがないため、プレゼント交換がよく行われているそうです。愛理に鉛筆やノートをくれた女の子は、ちいかわのキャラクターグッズを『おそろいで持ちたいから!』と言って、プレゼントしてくれたらしく……。お互いの家を行き来するような親しいお友達がいない愛理は、初めて同い年の子から贈り物をもらい、とても喜んでいました」

 美幸さんは塾のお迎えの時に、プレゼントをくれた女の子の母・里香さん(36歳・仮名)にお礼を伝えたという。

「里香さんは、『ささやかなものなので、気にしないでください』と言っていました。ただ、愛理によくよく話を聞いたところ、『お礼に使っていた鉛筆キャップをあげた』と……。まさか使い古しのものを渡しているとはつゆ知らず、恥ずかしかったですね」

 その後も、里香さん親子からの“ささやかなプレゼント”は続いた。

「私の迎えが遅れた際、里香さんが自分の娘以外のお友達にも自販機でジュースを買ってくれていたんです。1本120円とはいえ、4人で500円ほどになるじゃないですか。慌てて『払います』と代金を渡そうとしたのですが、断られてしまいました」

 美幸さんいわく、里香さんは「ただただ純粋に、プレゼントを贈るのが好きなタイプ」。しかし、それがあまりに続くと、「こちらは恐縮するばかり」とため息をつく。

「愛理の誕生日には、『Canバッチgood!』という缶バッチが製作できるおもちゃをもらいました。子どもが交換する誕生日プレゼントなんて、せいぜい500円前後と思っていたのに、調べてみたら4,000円もするので驚いてしまって……。里香さんは私に気を使ってか、『私も娘も、プレゼントを選ぶのが好きなの』と言っていましたが、正直『同額のお返しをしなければいけないのか』と気が重くなりました。愛理の友達関係にヒビが入りそうで、誕生日プレゼントを断わることもできませんし」

 ちなみに美幸さんは先日、里香さんからのある提案を受け、金銭感覚の違いを痛感したそうだ。

「まだ先の話ですが、『中学受験が終わったら、子どもだけでディズニーランドに行こう』と娘たちが盛り上がっているんです。里香さんにその話をしたら、今はディズニーランドのパークチケットだけでもかなり高額なのに、『おこづかいは3万円くらいかな』と言われ、衝撃を受けました。金銭感覚が違うママ友と付き合うには、どうすればよいのか……と、頭を悩ませてしまいます。子どもの誕生日プレゼントにしても、ディズニーランドのおこづかいにしても、ある程度みんなの意見を聞いて、予算を決めるのが、ママ友の暗黙のルールなんじゃないですか?」

 小学校高学年ともなると、子ども同士の付き合いでも、なにかとお金がかかるものだ。友達間でプレゼントを交換する場合、その出どころは親であるため、各家庭の金銭感覚の違いに頭を悩ますケースは珍しくないだろう。

 ただ、同じ小学校の子同士の場合は、そういった問題が露呈することは少ないと思う。同じ地域に住んでいること、また付き合いが長いことから、保護者同士がお互いの経済状況や家庭の方針をなんとなく把握しており、プレゼントの“相場”が共有されているものだ。

 むしろ、習い事で出会った友達間で、この問題に悩むママが多い気がする。特に進学塾や、発表会があるバレエ、ピアノなど、費用がかかる習い事では、経済的に余裕のある家庭の子も多く、高額なプレゼントを贈り合う文化が根付いているケースがあるのではないか。

 今回、美幸さんが語ったママ友の暗黙ルールだが、普段の会話の中で、美幸さん側から、子どものおこづかいやお年玉の金額などの話を振り、自身の金銭感覚をそれとなく伝えておいてもよかったのかもしれない。そうすることで、あまり高額なプレゼントは交換しない方針だとわかってもらえたのではないか。

 もしくは、帰宅後にプレゼントの値段をネットで検索した後、使う前にお礼の言葉とともに「気になって金額を調べたら高額だったけれど、もらって大丈夫か」と相手に確認する心遣いしてみてもよかったかもしれない。そして今回限りはと割り切り、誕生日などを待たず、もらった金額相応の物をすぐお返しし、やんわりと「我が家では子ども同士の誕生日プレゼント交換は、おこづかいの範囲で贈れるものにしている」というふうに伝えるのもいいと思う。

 やはり、お互いの金銭的負担や、お返しをどうすればよいのかと悩む手間を考えるならば、なるべくトラブルにならないように、子ども同士のプレゼント交換は少額で――それを暗黙のルールにできるような素地づくりが大切ではないだろうか。

中学受験組のストレスが招く「学級崩壊」の実態――小6母が明かす、いじめと担任の休職

 “親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子関係を、『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などの著書で知られ、長年中学受験を取材し続けてきた鳥居りんこ氏がつづる。

 今や首都圏では、5人に1人が挑むと言われる中学受験。学区によっては学年の8割が受験をするというところもある。

 このように“大盛況”である中学受験界なのだが、当然ながらメリットもあれば、デメリットもある。

 高額な塾代をはじめとする費用負担はもちろん、それ以上に親子共に精神的負担が大きいのが中学受験。子どもによっては抱えきれないストレスを感じてしまうことが、最大のデメリットかもしれない。

 中学受験の場合、難関校になればなるほど、小学校では習わない問題が出題されることがほとんど。つまり“受験対策”が必須となる。

 この“対策”の王道パターンは、小学4年生からの塾通いだ。学年が上がるごとに週の通塾回数は増えていき、6年では、平日はほぼ毎日塾の授業、土日も模試や振り返りテストなどに追われるようになる。小学校にいる以外の時間のほぼすべてを受験勉強に充てている子も多く、生活の中心が“受験勉強”になるのだ。しかも塾のクラス分けや模試などで、常に偏差値という名の序列が付いて回るとあって、子どもにとっては過酷な日々といえるだろう。

 もちろん、そんな受験生活を楽しむことができ、前向きに勉強に励む子もいるが、中には大きなストレスを感じ、“他者への迷惑行為”に走る子も存在する。

 小6の娘のクラスメイトに翻弄されたという貴子さん(仮名)は、ため息混じりに口を開いた。

「もうすぐ、卒業式なんですが、実は娘のクラスは6年になるや否や、学級崩壊状態に。担任の先生はメンタルに支障をきたして休職中、不登校の子も複数います。学級崩壊の主犯ともいえる子は、中学受験組だったMちゃんです」

 PTAの「卒業を祝う会」役員である貴子さんは、学校側から「できれば役員さんも、不登校のご家庭に卒業式へ参加するよう声掛けしてほしい」と頼まれているそうで、正直、負担に感じているという。

「みんな揃って卒業式に出られるのが理想ですが、一役員でしかない私にそういうことを振られても困りますよねえ。そもそも、不登校になっている子もMちゃんも中学受験組ですから、親に頼むなら、受験組のママたち同士でどうにかしてほしいですよ」

 貴子さんによると、娘さんのクラスは3分の1ほどの児童が中学受験塾に通っていたそう。6年生になると、その受験組の子たちの中で微妙な空気が流れ出したそうだ。

「クラスの様子がおかしくなっていったのは、Mちゃんが同じ塾に通うSちゃんに成績で負け出したかららしいです。最初、MちゃんがSちゃんを無視しだして、続けて同じグループの子も追随するように仕向け、Sちゃんを孤立化させたとか……」

 Sちゃんはその後、不登校になり、連鎖するかのように、受験組の女の子たちが次々と学校に来なくなっていったのだそうだ。

「その頃には、もはや授業が成立しないような状態でした。先生が、問題の説明しようとしても、Mちゃんが『知ってる!』『わかんないヤツはバカ』みたいなことを言い出し、授業を妨害するんだそうです。便乗してはやし立てる子も出る始末で、娘も『授業にならない』と嘆いていました」

 担任の先生はベテラン教師だというが、中学受験をする子たちへの“苦手意識”があるらしく、6年で担任を受け持った時点から、彼・彼女らを“迷惑な存在”という具合に扱っていたとのこと。その空気を敏感に感じ取ったMちゃんは、先生に反発。加えて、塾内の成績が上がらないというストレスが、Sちゃんへの“いじめ”や授業妨害という形で暴発してしまったようなのだ。

 さすがに親たちも、学級崩壊状態を心配し、緊急保護者会を開いたそうだが、その前日から担任が休職。肝心のMちゃんの親御さんは保護者会を欠席した。貴子さんいわく、「なんとも無意味な保護者会だった」という。

「Mちゃんは困った子ですが、同時にかわいそうな気もします。ご両親は仕事でお忙しいらしく、Mちゃんは幼い頃から、習い事と塾でスケジュールがパンパン、放課後の遊びの輪にも加われない子として有名だったからです。お母さんはよくいえば、教育熱心。悪くいえば、教育産業に子育てを外注。Mちゃんは、寂しかったんじゃないかなぁって思ってしまいます」

 そんな中、Mちゃんをはじめとした中学受験組はみな合格を果たし、新天地である中高一貫校に入学するらしい。

「それぞれのご家庭の判断だから、中学受験がいいとか悪いとかは言えないですが、Mちゃんたち中受組を見ていたら、我が家は『受験ナシ』にしてよかったと思っています。うちの子は小学校の6年間、目一杯遊んで、“子ども時間”を楽しんでいましたから(笑)。娘は、春から地元の中学に行きますが、仲の良い幼なじみたちとも一緒なので、心強いんじゃないかな。その代わり、高校受験がありますけど、ほとんど全員が受ける受験なので、皆と一緒に乗り越えられるはずって期待しています」

 貴子さんはそう言いながら、「卒業を祝う会」で出す紅白饅頭の発注数に頭を悩ませているようだった。

 中学受験の取材をしていると、中学受験組のストレスがいじめを誘発したり、学級崩壊を招いたりするケースを多く耳にする。

 中学受験は、子どもがストレスフルな状況に置かれやすいということは事実。ゆえに親は、より一層、注意深く、我が子の様子を観察していなければならないと思う。

 中学受験は親が主導する受験である。我が子の心身の健康を守ることができるのも、また親しかいないということを肝に銘じてほしいものだ。

中田敦彦がテレビを面白くすると思うワケ――「誇大妄想的な一面を隠し切れない」彼の魅力

私たちの心のどこかを刺激する有名人たちの発言――ライター・仁科友里がその“言葉”を深掘りします。

<今回の有名人>
「会社と揉めたところはデカいと思いますよ」オリエンタルラジオ・中田敦彦
『あちこちオードリー 「番組Pおすすめ回!」』(TVer)

 TVerの『あちこちオードリー 「番組Pおすすめ回!」』を見た。これはその名の通り、番組のプロデューサーが“推す”回で、2022年10月26日オンエア分の再放送である。ゲストはオリエンタルラジオ・中田敦彦だったが、テレビに出ている彼を久しぶりに見た気がする。

 中田の芸能人生は、起伏に富んでいる。2005年にデビューし、芸歴3年目でゴールデン冠番組を3本持つなど大ブレークしたオリエンタルラジオ。しかし、勢いは続かず、09年には冠番組がすべて終了してしまう。

 しかし、14年に結成したダンス&ボーカルグループ・RADIO FISHの楽曲 「PERFECT HUMAN」が16年に大ヒットし、『NHK紅白歌合戦』にも出場。さらに19年には自身のYouTubeチャンネルがスタートして人気を博す。その後、20年にはテレビから“卒業”することを宣言。同年中に所属事務所の吉本興業を退所し、家族とシンガポールに移住した。

 レギュラー番組や冠番組が多いほど“売れっ子”とされる風潮がある芸能界で、自らテレビを去った中田を「既存の価値観に縛られない、新しい人」だと見る人もいるだろう。しかし、同番組を見ると、案外古いタイプであることがわかる。

 中田はもともとテレビの世界を去るつもりはなく、MCを目指して一生懸命やってきたと言う。そのため、人気が急落したときは、韓国に行って手相の整形手術をするなど、体を張ることを厭わず、制作陣の言うことも全部聞いた。それもこれも「絶対に冠番組を取りたい、MCになりたい」という気持ちからだった。

 しかし、『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)で、中田がMCを務める特番『中田歴史塾』をやった際、結果を残せず。 「MCになりたくてしょうがない奴なのに、なれないんだ」と心が折れ、燃え尽きてしまったのだそう。もし特番で結果を残し、MCになれていたら、テレビの世界にいただろうとも振り返っていた。

 思うように行かない焦りから「会社と揉めたところはデカいと思いますよ」「揉めちゃいけない揉め方ってある」「これはテレビには戻れないな」と、テレビからの撤退は後ろ向きなものだったとも語っていた中田。こういう話を聞くと、彼の印象は“新しい人”ではなく、テレビに固執する古いタイプの人に思えてくる。

 また、中田いわく、YouTubeチャンネルも先見の明があって始めたわけではなく、「絶望のふちでギリやった」ことだそうだ。それが今や登録者数500万人超えの人気チャンネルになっているわけだから、やはり中田は“持っている”と言えるのだろうが、中田が独特の“もろさ”を持っていることにも気づかされる。

 同番組司会のオードリー・若林正恭に「たまに劣等感を口にするじゃない?」と指摘されると、中田はそれを認め、「東大に入って当たり前の高校から、ドロップアウトして慶應に入ってる」と、大学受験の“失敗”による劣等感を持っていると告白。若林が「そんな世界があるの?」と驚くと、中田は「あるんですよ。東大以外は大学じゃないって俺、言ってましたから」と説明した。

 例えば、東大に合格した人が、その誇らしさから「東大以外は大学じゃない」と言うならわかるが、中田はまだ受かっていないのに、受かった人のような物言いをしてしまっている。これはまさに彼の特徴ではないだろうか。

 中田はMCの話が来なかったことで心が折れ、その焦りから会社と揉めてしまったと言っていたが、MCになれなかったのは、中田の実力が及ばなかったとは言い切れない。オファーがあって成立する仕事は、タイミングも重要な要素なので、もうちょっと待っていたら、声がかかっていた可能性は否定できない。

 けれど、「まだ手にしていないものを、手にした気分で物を言う」 メンタリティの人の場合、「これだけできるのに」「どうしてオレにMCの話が来ないのか」とキレやすくなり、周囲と修復不可能な揉め事を起こしてしまうのではないだろうか。

 一般人がそんなことをしていたら「ちょっと落ち着こうか」と声をかけたいところだが、中田の場合、これが最大の魅力だと思うのだ。

 研究熱心で何でも小器用にこなし、その結果、すぐに天狗になるが、自己評価と現実が折り合わず、がっくりきて劣等感を募らす――売れていても謙虚に振る舞う芸能人が多い中、誇大妄想的な部分を隠さない中田がテレビにいたら、面白い気もする。加えて、先に指摘した新しいタイプの人に見せかけて、実は古いタイプの人というギャップも、視聴者に面白く映るのではないか。

 人の話を聞くのが好きではないようだから、MCには向かないかもしれないけれど、時々テレビに出てほしいと思うのは、私だけではないはずだ。

足のサイズが大きい女性におすすめ! 25cmの私に“シンデレラフィット”した逸品とは?

――2年で1,300万円以上溶かし、現在借金は●00万円の“買い物狂い”のライターが、苦しくも楽しい「散財」の日々を綴ります。

 ある日、千葉N子は自分の足を見て思いました。「私の足元、ダサくね?」と。というのも、今日のファッションは、ワンピースに黒のスパッツに白いスニーカー。うーん、この黒のスパッツと白いスニーカーが、どうもミスマッチな気がする……。よし、靴を買おう、黒い靴を!

 というわけで、黒い靴を探しに、地元のイオンに行きました。ところが、ないないない。サイズがなーい!! イオンでは、24.5cmまでの靴しか取り扱っていなかったんです。一応、メンズコーナーも覗いてみると、25cmの靴があったものの、やっぱりデザインがゴツいのよ。私はシュッとスマートな靴が欲しいのです。2万円だろうが、3万円だろうが、おしゃんな靴が欲しいんざんすっ!!

 私はちょっと考えた結果、街の靴屋に行ってみることにしました。そこには「大きい靴コーナー」があるのです……! 店に着き、きょろきょろと店内を見回し、「あら!?」という商品を見つけました……。これはとってもスマートなデザインで可愛い!! でも、横幅がそんなに広くないし、私の足は幅広だから靴擦れしそうだなあ。不安を抱えつつ25cmを試し履きしてみたところ……。

 わーお、シンデレラフィット~~~~! この靴、めちゃくちゃいいのでは……!? ほかにも良さげな合皮の靴があって、それは3,900円だったのですが、こちらは1万7,600円。買い物狂いの私が心の中で叫びます。

「迷ったら、高いほうを買うのよ!!!!」

 そう、そうなのよね、高いものを選んでおけば間違いないのよ。このポリシーのせいで、昔から痛い目を見てきたけど、私はこの買い方がやめられない……! だって、高いものっちゅーのは、「うちにはそれだけの価値があります」って胸を張ってるってことでしょ!? その自信満々なスタンスに、あたしゃ惚れ惚れするのよっ……!!

「こちらの1万7,600円の靴をいただきますわっ!」

 私は店員さんにそう宣言しました。靴擦れしたって、足から血がにじんだって履いてやるんだから! そう思っていたのですが……後日、実際に長時間履いてみたら、超超超履き心地がよくてビビりました。これは大勝利よ~~~~~!!!!!!!!!!

 しかし問題は、この靴が良すぎて、履き潰してしまわないかということ。これと同等の靴を見つけるのは大変なのではないかと不安になりました。ああん、あたしの悪い癖なの。いいものに出会うと、すぐにスペアが欲しくなるのよ。

 というわけで、ネットを大捜索した結果、丸井の公式通販サイト「マルイウェブチャンネル」で売られているのを発見し、即買いしました……! 

 ちなみに、私が購入したのは、「missy des missy(ミッシーデミッシー)」というブランドの「ショート丈 サイドゴアブーツ」。足が大きくてなかなか合うサイズがないという方は、ぜひチェックしてみてください。履き心地抜群で、靴擦れもしませんでしたよ~!

■今回の出費
ミッシーデミッシー「ショート丈 サイドゴアブーツ」×2足 3万5,200円

電子書籍『“買い物狂い”の散財日記~千葉N子のリアルな家計簿大公開~』発売中!

 2020年3月から連載中の人気コラム『“買い物狂い”の散財日記』が、ここでしか読めない書き下ろしエピソードを大量に収録して初の書籍化! 

 “買い物狂い”の千葉N子氏が、日々の散財ぶりはもちろん、フリマアプリの活用法や通販サイト利用時の注意点など、知っておけば必ず得をする買い物術から失敗話までを赤裸々に綴ります。さらに、“買い物狂い”のひと月の散財リストや1年の散財額も大公開! 物欲が刺激されること間違いなしの一冊です。

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「闇金王国」はどのように最期を迎えたか? 金に執着した社長の情けない姿

 こんにちは、元闇金事務員、自称「元闇金おばさん」のるり子です。今回は前回に引き続き、かつて私が働いていたの“闇金”の終焉についてお話していきたいと思います。

 警察の強制捜査の翌日、事務所に到着すると鍵が開いていたので恐る恐る中を覗くと、社長の奥さんが事務所内で待ち受けていました。お目にかかるのは、2年前の社員旅行以来で、あまり話したこともないため緊張します。

「おはようございます。今回は、ご迷惑をおかけして、ごめんなさいね」
「いえ、私は大丈夫です。奥様は、大丈夫ですか?」
「しっかりしないといけないときだから、なんとかね」

 奥様も眠れなかったのでしょう。憔悴しながらも、悟られぬよう気丈に振る舞う姿は痛々しく、どこか寂し気に見えました。昨日は、社長の自宅にも家宅捜索が入り、それが夕方遅くまでかかってしまったために、これから留置される警察署まで差し入れに行くそうです。しばらくは接見禁止が続く見込みですが、弁護士と一緒に行くため、なにかあれば聞いてもらえるとのことでした。

「お客さんからいただく金利の計算は、どうしましょうか? 法定金利内に収めないと、また事件にされちゃうかもしれませんよ」
「そうね。問題にならないように正しくやってください」
「不渡が出たらどうします? 私たちにできることは、なにもないんですけど」
「そこは聞いてくるわね。いろいろとご心労かけて、本当にごめんなさい」

 その結果、できないことは放置しておいて構わないと指示されましたが、まるで想定外のことが起こります。

社員の横領が発覚。顧客が次々と手のひら返し――疲弊したるり子を助けたのは?

 事件を起こした社員2人が担当する顧客の期日が到来し、再貸付の依頼をいただくと、月に3割もの利息を支払わせていたことが露見したのです。正規の貸付(といっても違法な金利ですが)であれば、100万円をひと月間借りた時の金利は6分で、金額でいうと6万円程度の話になります。

 ところが2人は、その5倍――月に30万もの金利を取っていました。つまりは一回の貸付で、1件あたり24万円も着服していたことになり、その悪質さは極まりないものといえるでしょう。2人の管理する債権は、合計で2000万円ほど。すべての顧客に設定金利を確認して回ると、ほとんどの客から月3割の利息を徴収しており、さらには一部の客と半使い(貸金を折半して使うこと)して踏み倒している事実も明らかとなって、その悪質さに愕然としました。

 お客さんは疑いすぎるほどなのに、身内は完全に信用してしまう。そんなところが社長らしいといえばそれまでですが、昔からの社員に退職された寂しさにつけ込まれた感も否めず、どこか残念な気がします。

 さらに悲しいかな、当社の立件報道を見て、態度を変えてくるお客さんも現れました。高利を支払ってきたことを理由に返済を拒む客や、過去の取り立てについて被害届を出すと脅してくる人が続出して、その対応に苦慮したのです。

「あんたらがウチにやったことが、いま事件になったら大変だろ? あの時の金、全部返せよ」
「これ以上請求するなら、ウチからも刑事告訴するよ」

 いままで丁寧な口調で電話をかけてきていた人が、突然に脅迫的な態度で接してくるので困惑しましたが、ウチの会社が人の不幸に付け込む仕事をしてきた結果で、何も言い返すことはできません。仕方なく、退職された佐藤さんに電話をかけて相談すると、以前と変わらず親身に話を聞いてくれました。本音を明かせば不安でたまらず、とてもつらい気持ちでいたので、話を聞いてほしかったのです。

「さっきニュースで見て、連絡を入れようと思っていました。いろいろと大変でしょう?」
「はい。いま愛子さんと2人きりなので、もうどうしたらいいかわからなくて」
「そうでしょうね。こちらの仕事もあるので、空いている時間だけになってしまいますけど、できるだけ協力しますよ」

 退社されてから不動産会社を興した佐藤さんは、ある程度、時間の自由が利くそうで、不法行為には関わらないことを条件に、社長が保釈されるまでの間に限って手伝ってくれることになりました。取り急ぎ、態度を急変させた客への対応について相談したところ、とにかく刑事告訴されないことを一番に考え、民事での和解を促すべきだと進言されます。

「費用もかかるし書類集めも大変だから、本気で訴えてくる客は、そんなにいないと思いますよ」

 結局、訴訟まで起こしてきたお客さんはなく、思いのほか簡単に事態を収束することができました。

「心配かけて悪かったな」

 逮捕から3週間ほど経過した後、600万円の保証金を支払って保釈された社長は、随分と痩せた状態で事務所に現れました。留置場における日々が思いのほか厳しく、精神的に参ってしまったらしく、毎日の食事も思うようにとれなかったそうです。保釈されたことを聞いて、事務所に駆けつけた佐藤さんから留守中の報告を受けた社長は、入出金状況の照合をした後に50万円の現金を用意するよう言いました。それを佐藤さんに手渡して、これからも手伝ってもらえるよう懇願すると、違法行為には携わらないことを条件に快諾されます。

 先に逮捕された2人は、前日に保釈されており、明朝に出社される予定だと聞きました。不正行為が発覚している件は、なにひとつ伝えていないそうで、修羅場になること必至の状況といえるでしょう。

「あいつら、ふざけやがって。本当に舐めているな」

 翌日、事件のきっかけを作った2人の社員は、約束の時間が過ぎても姿を現しませんでした。その代わりに弁護士から介入通知が届いて、退職の意思表示と合わせて、法廷における全面対決の意向が伝えられます。

 2人ともに、会社の指示で仕方なくやったと供述しており、完全に裏切られた形となりました。不当に受領していた金利も、そもそもの貸付契約が違法のため、返還を求めることすらできません。刑事裁判の成り行きも気になるところで、従業員の立場にいた2人に口裏を合わせられているため、社長一人が不利になる様相になってきました。はっきり言ってしまえば、いいようにやられてしまっており、今後の展開が不安になります。

 結局、その不安は的中することになり、件の2人は、すべてを社長の責任にして執行猶予付きの判決を勝ち取りました。主犯として扱われ、ただ一人だけ実刑判決となった社長には、懲役4年の判決が下されてしまいます。

 即日に控訴保釈され、実刑判決を免れるべく新旧の債務者に和解金を提示した社長は、積極的に和解書を集めて証拠申請する作戦で対抗しました。大いに反省して、これまでの不当利得分を返したのだから、刑務所行きだけは勘弁してくれという主張です。返金総額は、合計で2000万円ほど。

 お金に執着して、ひどい取り立てをしてきた人が、刑務所行きを恐れて返金する姿は情けなく、社長に対する気持ちは日を追うごとに薄れていきました。

「被告人を懲役3年に処する。ただし、その執行を5年間猶予する」

 控訴審で、念願の執行猶予判決を得た社長は、これを機に廃業することを決めました。もはや片手間でできるくらいの仕事しか残っておらず、これ以上続けてもリスクしかないと判断したそうです。これからは不動産の賃貸収入で細々とやっていくと、毒気の抜けた顔で話していましたが、それ以後のことはわかりません。

 愛子さんと私には、給料3カ月分の退職金が支給され、至極円満に退社することになりました。その後、都内の不動産業者に就職した私は、そこで出会ったふた回り年上でバツイチの役員と結婚して、現在は幸せに暮らしております。

※本記事は、事実を元に再構成しています
(著=るり子、監修=伊東ゆう)

瀬戸内寂聴先生に通ずる、YOUのニュー・サバサバスタイル

私たちの心のどこかを刺激する有名人たちの発言――ライター・仁科友里がその“言葉”を深掘りします。

<今回の有名人>
「自分が何かヒマになる」YOU
『上田と女が吠える夜』(2月22日、日本テレビ系)

 バラエティ番組に出演する芸能人は、場を盛り上げるエピソードトークを披露するのがお仕事と言っていいだろう。人とカブらない、面白いエピソードができたら、番組制作者にも視聴者にも強い印象を与えられる。しかし、今の時代は面白い話をするだけではダメで、違うワザも必要なのではないかと、2月22日放送の『上田と女が吠える夜』(日本テレビ系)を見て思った。

 今回のテーマは「悩み相談されがちな女が吠える夜」。悩み相談に乗ったのにモヤモヤしたことがあるか、一般の女性に尋ねると“こっちとこっち、どっちがいいと聞かれ、アドバイスしたのに、(相手が)違うほうを選んだ”とか“彼氏がクズで、絶対別れたほうがいいと自分でわかっていて相談してきているのに、結局別れない”といった答えが返ってきた。誰にとっても一度くらい経験のある話でつい笑ってしまうが、番組の出演者は、その上をいく面白い話を披露しなければならない。

 若槻千夏は、“指原莉乃に仕事の相談をされ、真面目に答えたところ、指原が携帯をいじりだし、覗いてみたらアプリで自分のほうれい線を消していた”と、双方のイメージダウンにならない程度に、ちょうどよく指原をイジッてみせた。ヒコロヒーは“オジサンと交際する女友達に「銀座の高い店連れて行かれて、イヤやってん」と相談され、自分は彼氏と鳥貴族に行っていると話すと「めっちゃいいやん」と言われた”と、相談に見せかけてマウントを取ってくる女の具体例を挙げ、スタジオを盛り上げた。

 これもまた、「こういう人いるよな」と笑えるが、エピソードトークがある一線を越えると、番組の雰囲気、もしくは、そこに出演している芸能人全員の印象までも変わってしまうような気がする。

 クリスタル・ケイはヒコロヒーのトークを受け、「相談と見せかけてマウントを取るのはジャパニーズカルチャー」「謙遜とマウンティングのミクスチャーな感じ」と分析し、具体例として「あたし、ちょっと太っちゃって」「いやいや、細いじゃん」という会話を挙げた。すると、料理家・和田明日香が、「相手が求めてる『いやいや痩せてるよ』は絶対言ってやらない」方針だと明かし、「国によってはそっちのほうがモテるよ」と返すと述べたのだ。同番組司会のくりぃむしちゅー・上田晋也は「意地悪いなー、あの人」と言っていたが、私もそう思った。

 友人の悩み相談に付き合ったのに、アドバイスを無視されたとか、マウンティングされたという話が面白いと感じられるのは、相談を受けるこちら側が、善意的な人間であることが大前提ではないだろうか。つまり、相手のためを思っての対応に、思いもよらない仕打ちが返ってきたからこそネタになるわけで、和田のような意地悪なエピソードトークでは、「悩み相談する振りをしてマウンティングするオンナも嫌だけど、ムキになってやり返す側も結構ひどい」と感じる人が出てきてしまうのだ。

 そうなると、出演者全員が、なんだか「性格の悪い女の集団」に見えてきて、番組もタレントもイメージダウンにつながる気がする。

 こんなふうにトークが行きすぎたとき、調整を図れるのがベテランの腕なのかもしれない。YOUが突然「だいぶ長く、別れる別れる詐欺をしていました」と独白を始めた。同番組の出演者は、悩み相談で迷惑をかけられた側というテイで集っているはずだが、YOUは自分が迷惑をかけた側だと“自首”したわけだ。

 YOUは「冗談じゃねーよ、もうやってらんねーよ」と彼氏のことを友達に愚痴りつつ、「全然別れない」のだそう。なぜ別れないのかというと「自分がなんか暇になる」から。つまり、そんな彼氏でもいないと寂しいとか、一人になるのが嫌というような消極的な理由で交際を続け、その一方で友達に、愚痴とも相談とも取れる内容の話をしていたということだろう。

 「人からの相談を受けたことで、こんな迷惑をかけられた」というエピソードが過熱すると、一種の断罪になってしまい、番組の雰囲気も出演陣の印象もキツくなるように感じる。しかし、悩み相談で迷惑をかけられた側のYOUが、「かつては、自分も人に迷惑をかけていた」と、“お互いさま”であると告白したことで、スタジオの空気が中和され、番組が見やすくなったように感じた。加えて、出演者個々のイメージダウンも回避されたといえる。

 かねてからサバサバした女の代表格とされてきたYOU。例えば、2015年放送の『ボクらの時代』(フジテレビ系)にゲスト出演した際には、友人の真木よう子を「暗いし、美人だし、おっぱい大きいし、すごい人見知りで面倒くせぇ女だと思ったけど、一皮むけると、すごくチャーミング」と、毒舌交じりに褒めるなど、女の友情にありがちとされる“ベタベタした関係性”に浸っていない自分をアピールしていたように思う。

 しかし、今の時代、こうしたサバサバはあまり肯定的に受け止められないだろう。タレントとして、時代に即したサバサバキャラにアップデートする必要があるわけだ。

 YOUはさらっとこの難所を乗り越えた。同番組でYOUは「みんなそうだと思うけど、まずみんなに言いたい、聞いてほしくて、友達にワーっと言って、それで解決していることのほうが多い」と、相談というのは答えを求めて行うものではなく、ストレス発散が目的であると受け止めているそうだ。なので、人の相談に乗った後、報告がなくても特に気にならないという。

 そういえば、人生相談の名手としても知られていた作家・瀬戸内寂聴先生(21年死去)は、“悩み相談は話を聞いて、一緒に泣いてあげるだけでいい”といった意味合いのことを話していた。

 瀬戸内先生とYOUは、恋多きオンナという共通点を持つが、奇しくも2人が同じような見解を持っているのは、「男女の仲、ひいては人の心というものは、理屈ではどうにもならない部分がある」との実感から、「相手の悩みに他人がどうこう言ってもしょうがない」という諦念を持っているからではないだろうか。

 そもそも、相談に乗るという行為は、なかなかの鬼門であるように思う。真剣に答えたつもりでも、相手が納得しなかったり、「傷ついた」と言われてしまえば失敗である。それに今時、「ああしろ、こうしろ」というアドバイスは多様性の時代にそぐわない気がするし、「アドバイスを聞き入れない」とか「その後の報告がない」と文句を言うと、こちら側がパワハラ気質の人物であるように見られてしまう。

 こう考えてみると、相談には乗るけれど、その後の報告は求めず、仮に相手がアドバイスを聞き入れないとしても、「私も昔はそうだった」と言えるYOUは、人生相談の名手になる素質を備えたタレントといえるのではないだろうか。

 少し前まで、YOUのサバサバキャラのポイントは、「サバサバしているけれど、オトコが途切れない」ことだったと私は思っている。「サバサバしたオンナはオトコにモテなさそう」というイメージを覆す彼女の姿が、テレビ映えする個性になっていたと感じるのだ。しかし、今はもうモテるオンナが憧れられる時代ではない。現在のYOUのスタンスなら、そのキャラを上書きする、ニュー・サバサバキャラを確立できる気がするのだ。

 他人に対して押し付けがましさがなく、それ故に年齢も性別も問わず、支持される――よく考えると、ニューサバサバって無責任なのでは? という気がしないでもないが、それはさておき、売れ続けているタレントの「自分を変化させる能力」には感服するばかりだ。

「推し」の奥様に初対面! 買い物狂いが狂喜乱舞した“神対応”とは?

――2年で1,300万円以上溶かし、現在借金は●00万円の“買い物狂い”のライターが、苦しくも楽しい「散財」の日々を綴ります。

 私のコラムを読み続けている人なら、私の“推し”を知っていることでしょう。そう、私が愛してやまないのは、ジュエリーブランド「kataoka(カタオカ)」さん! 好きすぎて、ジュエリーどころか、25万円のオブジェまで買ったっちゅーねん。それほどまでに、あたしゃkataokaの虜なんです。

 kataoka愛をもうちょっと語ってもいい? なんといっても、デザイナーの片岡義順さんのデザインが最高なのよ。楚々としていながら、何年たっても飽きのこないデザイン。私はその昔、kataokaさんのデザインをマネして、すんごいルース(裸石)でジュエリーを仕立てたら、めっちゃいいものができるんじゃないか? と思って、80万円くらい払いジュエリーを作ったことがあったんだけど、結果は微妙で、「kataokaさんじゃなきゃだめだ!」と思うに至ったの。そんなわけだから、私はkataokaを“聖地”と称し、東京旅行の際には推し活として聖地巡礼をしているんです。

 そんなある日のこと。Twitterで知り合ったSさんが、なななんと、片岡さんの奥様で、kataokaのマネジャーを務める亜紀子さんと知り合いだということが判明し、一緒にお店へ行き、対面を果たしたの! こ、この状態、おわかり!?!?!? 推しの奥さんに会えちゃったのよ~~~~~!!!!!!!!!! ああ、片岡さんって実在するんだ……みたいな感覚。ずっと写真で見てきた方が目の前にいるなんて、感激すぎるゥゥ~~~~~!!!!!!!!!!

 亜紀子さんは本当に丁寧で物腰柔らかな方で、私にぐいぐいジュエリーを勧めるどころか、こう言いました。

「せっかくですから、楽しんでいってくださいな~~」

 そして、展示会用に作られたという一点物のネックレス(推定600万円以上、いやもっとかな? 値段は怖くて聞けませんでした……)を試着させもらい、お店で「ぬおおお……」という指輪にも出会いました……(第288、289回参照)

 ああああ~~~~~kataokaさん、好きすぎる~~~~!!!! 私は鼻血を出しそうになりながら、亜紀子さんに「サインをください!」とお願いしました。すると、亜紀子さんは「えええ?」と迷われた後、「片岡もよくサインしておりますのよ」と言うではありませんか。

 どうしたら入手できるか尋ねると、亜紀子さんは「私のほうから言っておきますね」と神対応。はわわわわわ~~~~~! 家宝にするっきゃない~~~~~!!!!!!!!!!

 というわけで、岩手に帰ってきて、速攻で額縁をオーダー。え? なぜ額縁が必要なのかって? そりゃあんた、推しのサインを裸で置いておくわけにいかないじゃないっ!

 額縁のお値段は2万3,000円。ははは、やりすぎ感があるけど、まあいいわ。片岡さんのサインを収納するには、オーダーメイドの額縁でなければいけませんものっ!!

 オーダーしたのは「NOTEWORKS(ノートワークス)」というオリジナルハンドメイドショップ。額縁をはじめ、インテリア家具の制作や、内装工事も行素敵なお店です。気になった方は、ぜひネットで検索してみてくださいね。

 まるでとってつけたように買い物の話をしたけど、要は片岡さんのサインの自慢をしたかっただけなのよ、おっほっほ!

■今日の出費
「額縁」2万3,000円

電子書籍『“買い物狂い”の散財日記~千葉N子のリアルな家計簿大公開~』発売中!

 2020年3月から連載中の人気コラム『“買い物狂い”の散財日記』が、ここでしか読めない書き下ろしエピソードを大量に収録して初の書籍化! 

 “買い物狂い”の千葉N子氏が、日々の散財ぶりはもちろん、フリマアプリの活用法や通販サイト利用時の注意点など、知っておけば必ず得をする買い物術から失敗話までを赤裸々に綴ります。さらに、“買い物狂い”のひと月の散財リストや1年の散財額も大公開! 物欲が刺激されること間違いなしの一冊です。

発売元:サイゾー
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虐待された姉と「いない子」にされた妹――違う傷を背負いながらも親の介護をする2人

“「ヨロヨロ」と生き、「ドタリ」と倒れ、誰かの世話になって生き続ける”
――『百まで生きる覚悟』春日キスヨ(光文社)

 そんな「ヨロヨロ・ドタリ」期を迎えた老親と、家族はどう向き合っていくのか考えるシリーズ。

 幼い頃、虐待されながらも生き延びた黒沢美紀さん(仮名・45)。葛藤を抱き、フラッシュバックに襲われながらも、父・昇二さん(仮名・75)と母・良江さん(仮名・70)の住む地元に戻り、両親と向き合おうとしている。

「いない子」のように扱われていた妹の傷

 美紀さんの話を聞きながら、妹の理香さん(仮名・43)のことが気になった。昇二さんから評価されている理香さんはDVを受けなかったのか。

 美紀さんは、「妹は、私とはまったく違う心の傷を持っています」と明かす。

「私は両親の注目を集め、虐待の限りを尽くされましたが、妹はまったく逆で、両親の視界に入っておらず、まるで“いない子”のように扱われていました。高校入学とともに、平日の夜間も土日もバイトに明け暮れ、文字通り“家にいない子”になりました。妹は、中学卒業を前に、母から『お前は高校には行かせちゃらん。中学を卒業したら働いて、姉ちゃんに貢げ』と言われたそうで、それが大きな心の傷になっているようです。そのときに、父から『高校くらい行かせちゃる』と言われたのがうれしかったようで、父のことを『いつも私の味方でいてくれる』と慕っています。だから父は妹のことを自慢の娘、私のことをバカな娘と評価しているんです」

 同じように傷を持ちながら、姉妹の心はすれ違った。理香さんは、中学生になった頃から「姉ちゃんとしゃべっても面白くない」と美紀さんを無視するようになり、暴言も吐いた。

妹にとって姉は「両親の愛を奪い合う敵」

 その関係は大人になっても変わることはなかったが、理香さんは美紀さんを頼りにしてくることもあるようだ。夫は「理香さんは美紀にひどいことを言うが、ひどい人ではないと思うよ」と言う。

「妹はキツい性格で、私には特に当たりが強いんです。父からの性的虐待を打ち明けたときも、『いつまでも昔のことをうるさい!』と怒鳴られました」

 今でも、昇二さんから暴言を浴びせられて理香さんに愚痴を言うと、心ない言葉を投げつけられ、さらに傷つくことも多いという。

 あるとき、理香さんが「うちら姉妹が仲良さそうに見えるのは、姉ちゃんが何も言わないからや。優しいのと気が弱いのとは違う。腹立ったときは怒らなあかん」と言ってきた。美紀さんは「私は、私ら姉妹が仲が良いなんて思ったことはない」と、何かがブツっと切れてしまい、理香さんの連絡先はすべて消去してしまった。

 それでも、昇二さんが骨折したときは理香さんから連絡が来て、少し話をした。理香さんは実家から遠いところに住んでいるのでそう接点はないが、ひどい扱いを受けると距離を置きたくなる。

「それ以上に、妹は私に複雑な感情を持っているんだと思います。妹は両親から愛情を受けずに育って、父の『高校くらい行かせちゃる』という言葉だけが、親からかけられた愛情のある言葉だったのでしょう。その言葉だけを頼りに大きくなった妹が、『お父さんから性的虐待を受けた』という私の言葉で、父が決定的に悪者になる事実を突きつけられた。愛情を向けてくれた父の姿が壊れるのが怖くて、私に暴言を吐いてしまったのではないかと思います」

 またこんなこともあった。

 美紀さんが病院に連れて行ったことで、良江さんが元の人格を取り戻したとき、理香さんはそのことをかたくなに認めようとしなかった。「家が新しくなって、日が差すようになったからや。前の古い家は日が入ってこなかったから」と。美紀さんの力で良江さんが変わったことを受け止められなかったのだろうと思う。それでも良江さんが正気に戻ってからは、理香さんは休みのたびに車を飛ばして実家に帰ってくるという。

「両親に甘えたいのでしょう。そしてたぶん、妹は私にも甘えたいのだと思います。でも姉である私は、両親の愛を奪い合う敵のようにも映っているのでしょう。そんな気持ちが複雑に絡みあって、私に反発する。妹は、私が大学入学で家を出ていく朝、自分の部屋から出ず、見送りにも来ませんでしたが、布団の中で泣いていたのだそうです。妹の夫には、私のことを『優しいお姉ちゃんやったで』と言っていました。私の前では素直になれないけれど、本当は私のことを好きなのかもしれません」

 美紀さんは理香さんのことを、たった一人の妹だからかわいいとは思う。でも仲が良いのかどうかは、正直よくわからない。

続きは3月12日公開

PTA活動を欠席しまくるワーママと、負担大の専業主婦――仲良しのママ友関係に亀裂が入ったワケ

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係には、さまざまな暗黙のルールがあるらしい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、暗黙ルールを考察する。

 共働き夫婦が一般的となり、平日の日中を忙しく過ごす母親が増えた令和の時代。それでも、PTA活動はなくなることがないようだ。コロナ禍になり、これまで対面で行っていた会議がオンラインになるなど、徐々に保護者が活動しやすい仕組みができ上がりつつあるが、学校行事にボランティアスタッフとして駆り出される機会はいまだ多く、PTA活動を面倒だと感じる人は少なからずいるだろう。

 今回は、共働きで自分の時間がないというあるお母さんの「PTA活動をめぐる苦悩」を取り上げる。

夫が単身赴任、娘が中学受験――自分の時間がないワーママのPTA事情

 首都圏で訪問介護の仕事をしている介護士の美沙子さん(仮名・39歳)は、この春、小学6年生になる女児のママ。夫が単身赴任をしているため、平日はほぼワンオペで家事や娘の世話をしているという。

「建築業者の夫は、地方で単身赴任をしています。今の事業が終わるのが来年なので、それまでは戻ってこない予定です。一方、娘は今、中学受験に向けて勉強に励んでいる身。うちの地域は、都内ほどではないものの中学受験が盛んで、娘も周りの友達が塾通いをしているのを見て行きたがるようになり、小5に上がるタイミングで入塾しました」

 美沙子さんは、娘の週4回の塾通いに付き添うため、時短勤務をしているが、会社からは「もっと勤務時間を増やしてほしい」と言われているそうだ。

「うちは10人くらいの小規模事業所なので、1人休むだけでも仕事が回らなくなるんです。今は、結婚していないスタッフが遅い時間帯を担当し、長時間労働をしてくれているのですが、子どもがもう高学年なので、上司から『もっと働いてほしい』と言われています」

 そんな中、美沙子さんは今年度、PTAの文化委員を担当したという。

「実は私はこれまでPTAの役員も委員も経験がなかったんです。積極的にPTA活動をしているママがいたので、今回も逃げ切れるかなと思ったら、なんと在学中に一度も委員や役員をしていない人から選ぶことに。娘は中学受験をするつもりなので、保護者の負担が大きいと聞く学級委員は絶対に避けようと思い、人数が多い文化委員を希望しました」

 学校によって名称は違うが、文化委員は、主に学内で配られる広報誌を作ったり、ベルマークの集計を行ったりする。ママたちの間では「地味だけど大変」と言われている委員だ。

「確かに、『大変』という話は小耳に挟んだのですが、今はコロナ禍で行事が少なく、広報誌の発行回数も減ったそう。何より、大人数のグループで作業を行う文化委員なら、出席回数が少なくても大丈夫そうと思ったんです」

 こうして、文化委員の最初の集まりに参加した美沙子さん。そこでは、広報誌担当とベルマーク担当のグループ分けがあったそうだ。

「意外とベルマークを希望するママさんが多くて、じゃんけんになりました。みんな楽そうだと思ったんでしょうね。ただ話を聞いていると、結構、忙しい係であることがわかったんです。なんでも、前年度は新型コロナがはやっていたため、なかなか保護者が集まる機会を持てず、集計が終わっていないベルマークが何袋分もあるそう。定期的に集まってベルマークを集計し、集めたベルマークで交換する商品を選ぶなど、思っていたより活動に時間が取られるみたいでした」

 美沙子さんのママ友・有希奈さん(仮名・39歳)も文化委員のメンバーだったという。

「有希奈さんは2回目の文化委員で、周りからの推薦を受け、委員長を務めることになりました。彼女はPTA活動に慣れているし、専業主婦で時間にも余裕がある。しかも、子どもが中学受験をする予定もなかったので、適任だと感じたんです。私は有希奈さんと仲がいいのもあって、事前に『仕事と娘の受験で忙しいから、あまり活動に参加できない』と伝えていました」

 美沙子さんいわく、会社に無理を言って時短勤務にしてもらっている立場だけに、PTAの活動のために仕事を休むことには抵抗があったという。

「最初の顔合わせは土曜だったので、参加しました。でも活動自体は平日の昼間で、主に学校の授業が終わった午後3~6時。その時間、仕事を中抜けするのは無理なんですよ。それに娘の塾の送りもありますしね。委員活動の連絡は、基本的にLINEで行われているので、集まりがある日に『今日はいけません』と一通送り、参加を断っていました」

 PTA活動は任意であり、参加は義務ではない。そのため、必ず出席するママと、欠席が当たり前になっているママが出てきたという。

「ベルマーク集計の際、私同様、仕事を理由にして毎回のように参加を断るママもいました。そうすると、どうしても専業主婦のママさんが主体となって活動する形になっていったんです」

 そんな中、娘の運動会で、久しぶりに有希奈さんと顔を合わせたという美沙子さん。その時、ある“異変”を感じたそうだ。

「有希奈さんたちのママ友グループを発見したのですが、すごくよそよそしかったんです。こちらを見てあいさつはしてくれるものの、会話には加われない感じで……。以前はみんなと仲良く雑談できていたのに、おかしいなって思いました。あとで別のママ友に聞いたのですが、有希奈さんは、自分ばかりが委員の仕事を任されていることに不満を感じていたそう。私がずっと活動に参加していないことを、周りに愚痴っていたみたいなんですよね……」

 その後、有希奈さんから文化委員のグループチャットに、「夏休みの期間は、これまで参加していなかった人を中心に、ベルマークの集計を行うように」という連絡が来たという。

「まるで私たちワーママが、“さぼっている”みたいな言い方でした。確かに、有希奈さんほか専業主婦のママは、ワーママより学校に行って作業する機会は多かったですが、もともとPTAはやりたい人がやるものだと思うんです。私のように働いている人は、活動がどうしても難しい。PTAは時間に余裕のある専業主婦が主となって活動する……これって暗黙のルールなのではないでしょうか」

 PTA活動は具体的に月何回という決まりがないため、実際に活動を始めたら「思っていたよりも大変」と感じる人は大勢いるのではないだろうか。そんな中、稼働量の格差、不公平さをめぐって、PTA委員や役員から不満が出るケースは珍しくない。

 今回のように、ワーママより専業主婦のほうに負担がいきがちという話以外にも、例えば、「子どもが中学受験をする予定で、今後地域との関わりがなくなるから」という理由で、ほかの保護者の目も気にせず、PTA活動を途中でフェードアウトするママが現れた……という話を聞いたことがある。このようにPTA活動では、さまざまなケースの“不公平な出来事”が起こるものだ。

 その是正のために、委員活動にあまり参加していなかったワーママが、代わりに動いていた専業主婦のママから、一気に作業を振られるのもよくある話で、そうなると今度はワーママ側から不満が出てきてしまう。PTA活動業務で生じる格差は、なかなかに根深い問題といえるだろう。

 今回、美沙子さんは、「PTAは時間のある専業主婦が主となって活動する」を暗黙のルールと考えており、実際にそれが常態化しているPTAは少なくないように思う。しかし、有希奈さんら専業主婦の不満は当然だろう。加えて、美沙子さんは、親しいママが委員長だったため、参加しなくても許されると思い込んでいた節がある。その点も有希奈さんは納得できなかったのではないか。

 では、こういった不公平を解消するにはどうすればいいのだろう。ワーママが増えた今の時代、仕事を調整できるように、できるだけ事前に活動日を設定したり、専業主婦ばかりに作業を偏らせないため、シートで作業分担するなど、誰もが効率良く活動できる仕組みづくりが必要だと思う。それこそが委員長のやるべき仕事なのかもしれない。一方、任期は1年だけだからと割り切り、たとえ不満を覚えてもやりすごす――これも一つの手なのかもしれない。

 PTAが誕生した昭和の時代とは違い、今は共働き家庭が増えた。一方、少子化で1人の子どもにかける教育費が増え、複数の塾や習い事に通う子も多い分、防犯面でのリスクが高まっている今、「その付き添いで平日は忙しい」という専業主婦も少なくない。誰しも余裕がないことを前提に、PTA活動の体制を整える――それが暗黙のルールになってほしいと感じた。

中学受験、娘の不合格は「何もかも親のせい」――母が懺悔する“本命校前夜”の出来事とは?

 “親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子関係を、『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などの著書で知られ、長年中学受験を取材し続けてきた鳥居りんこ氏がつづる。

 2022年度の中学受験が終了した。

 今年度の1都3県の中学受験率は過去最高の22.9%を記録。推計6万7,500が受験に臨んだという(大手進学塾「栄光ゼミナール」調べ)。

 このように、中学受験は3年にわたるコロナ禍を物ともせず、過熱する一方。受験生が増えている分、競争も激しく、今では第1志望校に合格できる子は3人に1人とも言われている。今の中学受験には、多くの子たちが「不合格」という結果を目の当たりにしているというシビアな現実があるのだ。

 どの子にも、長い年月をかけて志望校合格に向けて頑張ってきたというヒストリーがあるだけに、「不合格」というレッテルを貼られるのは耐えがたいものだろう。特に中学受験は、精神的にも体力的にも未熟な年齢の子どもたちが受ける入試のため、同じ子たちが別日に受験したならば、合格者の半数は入れ替わってしまうと言われているほどセンシティブなものなのだ。

 今年、中学受験に挑んだ愛梨ちゃんの母親・佳代子さん(仮名)から、筆者の元にメールが届いたのは2月3日の午前中のことだった。

「何もかも、親がいけなかったんです……。愛梨が合格できなかったのも私たち親のせいです」

 佳代子さんの夫は猛烈サラリーマン。常に仕事を理由として「子育てには関わらない」というスタンスでいたそうだ。中学受験を決めたのも佳代子さん。それに関しても「やりたいなら、やれば?」という態度で、口出ししない代わりに、協力もしないという態度だったという。

「夫は、お金は惜しまず出してくれるので、それならそれでいいかって感じでした。でも、やっぱり、心のどこかで寂しい思いがあったんですよね」

 東京在住の愛梨ちゃんは、2月1日から入試がスタート。緊張しがちな性格が災いしたのか、本番では頭が真っ白になってしまい、押さえ校であった初日のA女子を落としてしまった。

「発表を見て、大泣きしている愛梨を私は必死で慰めていました。それなのに、帰宅した主人が私たちに『A女子なんて聞いたこともない(低偏差値の)学校に落ちたの?』と言ってきたんです。何なんですかね……いつもならば、聞かないふりでスルーできる言葉なんですが、その時はダメでした。翌日は本命校だったのに」

 A女子は確かに、高偏差値校とは言えないかもしれないが、品格のある伝統女子校。代々、A女子に子女を入学させるという家系もあることで有名だ。

「愛梨も私も必死に3年間、頑張ったんですよ。そりゃ、A女子は高偏差値ではないですけど、愛梨には合っていると思い、願書を出した学校だったんです。それを、中学受験について何も知らず、何もやってこなかった主人に全否定されたかと思うと……込み上げてくる怒りを抑えきれませんでした」

 翌2月2日は、本命校B学園の受験日ということもあり、愛梨ちゃんをどうにか寝かしつけたという佳代子さん。その深夜、夫とけんかになったそうだ。

「主人に『頑張っている愛梨にああいう言い方はないんじゃない?』と抗議しました。そしたら、『本当のことを言って何が悪い?』と言い返してきたので、それから大バトルです。最後は『もう離婚だ』までの言い合いになりました」

 翌朝、本命校B学園に向かったものの、道中、佳代子さんは元気がない様子の愛梨ちゃんが気になって仕方がなかったという。

「その時は、A女子の不合格が尾を引いているのかなって思っていたんです。なので『大丈夫! 大丈夫! 今日は違う学校!』って具合に励ましていたんですが、その日に出たB学園の合格発表にも、愛梨の番号はありませんでした。まさかの2連敗だったんです」

 その翌日の2月3日、愛梨ちゃんは中堅校C女子の入試に挑むことに。その道すがら、愛梨ちゃんは不安そうな表情で、佳代子さんにこう言ったそうだ。

「パパとママ、私のせいで離婚しちゃうの? 私がどこにも受からないほど、バカだから?」

 佳代子さんは「もう、涙をこらえるので精一杯でした」というが、愛梨ちゃんに「違うよ、違うよ、愛梨はバカじゃないよ! ママたち、別れないから安心して!」と必死の思いで伝えたとのこと。

「バカなのは私ですよね。よりによって、大事な本命校の受験前夜に夫婦げんかをするなんて。愛梨は寝たとばかり思っていたんですが、やっぱり不合格のショックから、寝つけていなかったようで、『そんな我が子に、さらなるショックを与える親がどこにいるのか』と思うと、情けなくて消えたくなりました」

 筆者が佳代子さんに励ましのメールを送ったところ、先日、愛梨ちゃんの受験の後日談が送られてきた。愛梨ちゃんの中学受験は、

2月1日 A女子 不合格
2月2日 B学園 不合格
2月3日 C女子 合格
2月4日 A女子 合格

と、2勝2敗という結果で終了したそうだ。

 佳代子さんは「A女子と、A女子よりも偏差値が高いC女子のどちらに行くべきか?」と迷ったという。

「主人が『(A女子に比べたら)C女子のほうが(偏差値が)マシなんだろ?』と言うんですよ。協力はしないくせに偏差値表だけはよく見てるんですよね……」

 しかし、A女子かC女子かを決めなければならなかった日の朝、朝食の席で、愛梨ちゃんが両親に向かってこう言ったそうだ。

「パパ、ママ、不本意な結果に終わってごめんなさい。パパは気に入らないかもしれないけど、私はA女子に行きたいの。A女子の人たちがみんな優しかったから。これから、私はA女子で頑張るから、離婚しないでほしい」

 佳代子さんいわく、「主人は愛梨の言葉に驚いてしまったよう」とのこと。

「慌てて『パパとママは仲良し』『愛梨はよく頑張った!』と言いながら、『パパもA女子がいいと思う!』って(笑)。自分勝手な発言で娘を傷つけてしまったことに、ようやく気がついたみたいでした。家族に嫌われたくないと思ったのか、私にも『申し訳なかった』と謝ってきましたね。ともあれ、私も親として、本当に未熟でした」

 それから、佳代子さんの夫はA女子の情報収集に励み、あっという間に「A女子ファン」となったそうだ。

「私たち夫婦は、お互いに腹を割って話し合うことを避けてきたような気がするんです。不満があっても、お互い言わずに溜め込んでいて、それが愛梨の不合格で、爆発したみたいな感じでした。愛梨の言葉で、私たちは本当に反省しました。これからは、愛梨がしてくれたように、家族みんな、いろんなことを言葉にして伝えていこうって決めたんです」

 2月1日からの1週間は、佳代子さんにとって怒涛の日々だったというが、やはり「人間万事塞翁が馬」なのかもしれない。

 佳代子さん一家は今、A女子の制服が届く日を心待ちにしているそうだ。