今や日常生活において、かかせないツールとなっているコミュニケーションアプリ「LINE」。かつては子どもの送迎時に、ママたちが立ち話をしているような光景が見かけられたが、時間に追われ忙しく過ごす共働き世帯が増えた今、ママたちのコミュニケーションの場は、LINEのグループチャットになっているという。そんな、ママたちの「グループチャット」から浮き彫りになった、彼女たちの悩みや、苦悩、気になる話題を覗いてみる。
感染拡大が続く新型コロナウィルス。ついに緊急事態宣言が発令され、外出自粛など日常生活にも変化がもたらされた。育児中のママたちにとっては、二転三転する政府からの情報や、学校の再開などをめぐって気が休まらない状況だという。そんな中、ママたちの間では信ぴょう性が不確かな情報に、翻弄される人もいるようだ。
「食料備蓄していますか?」ママ友からの「警告LINE」に困惑
4歳になる娘を育児中の志穂さん(仮名)は、同じ園に通っている仲の良いママ友とのグループチャットに参加しているというが、あるママからのメッセージが重いと感じているそうだ。
「そこでは新型コロナウィルスの影響で、臨時休園している幼稚園の登園日や、保護者会の日程などの情報交換していました。どのママもみんな不安だったので、『グループチャットがあってよかったね』という話題で盛り上がっていたんですが、あるママは、感染予防策をみんなに共有したがるんです」
今、ネットやSNS上ではあらゆる感染予防策などが提示されている。しかし、なかには信ぴょう性に欠けるものもあるので、「むやみに共有するのはよくないと思うんです」と志穂さんは語る。
「そのママさんは、常に除菌ジェルを持ち歩いていたり、新型コロナウィルスがはやりだした頃から、間引き登園をしたりと、感染しない努力をしていました。しかし、同じ園には子どもにマスクを着用させていないママや、部屋に入室の際に手を洗わなかったり、消毒スプレーを使わないママもいたため、『アルコール消毒をしないと菌は死滅しない』と、グループチャットでも注意換気をしてきたんです」
新型コロナウィルスへの不安から、さまざまな情報を周知しようとするママは珍しくないという。加えて、志穂さんのママ友は、メッセージの語気が強いため、「困惑してしまう」そうだ。
「幼稚園の休園が続いて、不安だったのもあると思うのですが、緊急事態宣言が出される前くらいから、だんだんと『食料備蓄していますか?』『アルコールスプレーはもう手に入らないので、今のうちに亜次亜塩素水を買っておかなきゃダメ』というような情報を次々と送ってくるようになったんです。ネットなどで見た情報や、知り合いの医療従事者から聞いた情報を送ってくれているようでした。みんな小さな子どもがいるので、心配してくれているのはわかるのですが、『このままでは呼吸器が足りなくなって、医療破壊が起きそう』というような、不安を煽るメッセージもあり、返信に困っています……」
新型コロナウィルス感染症の発症数がまだ少ない県に住んでいる優佳さん(仮名)。4月から、小学校に入学する息子がいるため、ここ最近は、入学式や休校情報などの情報交換をすべく、同じ学校のママ友とのグループチャットに張り付いていたという。
「うちの県は、まだ発症数は少ないですが、近隣の市で少しずつ出てきたようなので不安が消えません……。感染者が出るたびに、学校の対応が変わるので、グループチャットでの情報交換が欠かせませんでした」
公立学校の入学式や始業式、休校に関しては、地域によって対応が異なるため、地元に根付いた情報が大事だという。
「先日、小3の子どもを持つママが、学校からのメールをグループチャットで共有してくれたので助かりました。本来なら、新1年生の児童を持つママたちにも、なんらかの形でスムーズに情報が伝わるようにすべきでは……と感じましたね。でも、もう今の段階になると、基本的には、自分から学校のホームページなどをこまめにチェックして、情報を得るしかなくなっています。例えば、あるママが親切心で、保護者会などの情報を教えてくれても、実際はすでに中止が決定していたり……そういうことが起こっているんです。グループチャットだと、すぐに情報が共有できるのですが、それがいつのものなのか、正しいのかどうか、その見極めがだんだん難しくなっています」
現状、子どもを登校させることに不安が残るという優佳さんは、「ママ友たちと『たとえ休校措置がとられていなくても、自主的に休ませようか』と話したりしています。正直うちの県にも緊急事態宣言を発令してほしいと思ってしまいますね……」
まだまだ終わりが見えないウイルスの脅威。ママたちは、グループチャットでお互いの不安や心配事を共有しながら、この未曾有の事態に立ち向かっているようだ。
