ママ友LINEで愚痴の嵐! 小学校の“旗振り当番”に不満、「連絡手段は家電」でトラブル勃発!?

今や日常生活において、かかせないツールとなっているコミュニケーションアプリ「LINE」。かつては子どもの送迎時に、ママたちが立ち話をしているような光景が見かけられたが、時間に追われ忙しく過ごす共働き世帯が増えた今、ママたちのコミュニケーションの場は、LINEのグループチャットになっているという。そんな、ママたちの「グループチャット」から浮き彫りになった、彼女たちの悩みや、苦悩、気になる話題を覗いてみる。

  子どもを持つことで、それまで知らなかった世界に触れ、戸惑うことは珍しくない。特に子どもが小学校に入ると、PTA活動など、親としての仕事が増え、また、「欠席や遅刻の連絡を知らせるためには、同じ小学校に通う生徒に連絡帳を持って行ってもらう」など、独特のルールに振り回されるケースも多い。今回は、小学生ママたちの戸惑いの声を集めた。

雨の日の旗振り係は憂鬱!? ママ友と愚痴も

 恵さん(仮名)は、今年小学校に入学したばかりの7歳の女児を育児している。昨年、増税前にマンション購入し、それまで馴染みのなかった土地に住み始めた。

「もともと住んでいた地域からは結構離れていたのですが、通勤なども考慮して引っ越しました。住宅街で治安は良いものの、その分、地域活動も盛んで、娘が小学校に入学してから、保護者たちによるパトロール隊という無償の活動があるのを知りました」

 小学生の登下校時、保護者が通学路内の交通量が多いポイントに旗を持って立ち、子どもたちを誘導する当番があるのだという。地域によっては、「旗振り係」「旗振り当番」などと呼ばれているものだ。

「ある日、娘が大きな封筒を持って帰ってきたので、中身を確認したら『旗振り当番』を知らせる書類でした。同じクラスのママ友とやっているLINEグループで、すぐさま『これって、毎朝旗を持って立っているママのことだよね? 』と確認しましたよ。てっきり希望者がやっていると思っていたので、まさか全員が行う必要があるとは思いませんでした」

 恵さんは「もらった書類には、もうすでに担当する日も割り振ってあり、細かなルールも書いてありました。今年はコロナ禍の影響で、説明会などがないまま、既存の役員間で担当が決められてしまったのですが、来年の春頃までの当番がすでに決まっていて、突然のことに憂鬱な気持ちになりましたね」と漏らす。

 地域差はあるだろうが、一般的に小学校では、PTAの役員、委員の業務以外にも、旗振りや、校庭開放日に遊具を準備する係、プール開放日に監視を行う係、夏祭り協力係と、保護者の仕事は多岐にわたる。

「小学校の保護者活動はPTAだけだと思っていたので、想像以上にいろいろな手伝いをしなければいけないことがわかり、驚きました。しかも、うちの小学校のPTA活動はポイント制で、卒業までにポイント稼ぐ必要があるんです。各業務を行うことにより、決められたポイントが付与されていくのですが、旗振り当番は換算されないことも発覚。それでも、『断る』という選択肢はないため、ママ友とのグループチャットで『雨の日に旗振りになったらすごい罰ゲームだよね(笑)』と愚痴り合いました」

 旗振り当番は、住んでいる地域班ごとに担当区分が分けられ、1年間に3〜4回ほど回ってくるそう。そして先日、恵さんは実際に旗振り当番デビューを果たしたという。

「旗振りの集合時間が、子どもの登校時間より少し早かったんです。夫も同じくらいの時間に出勤するため、子どもだけで留守番させて、自分で鍵を締め、登校させなければならず、心配が募りました。そこで、ママ友とのグループチャットで相談したら、あるママが『恵さんの子も一緒に小学校まで連れて行ってあげる』と言って、迎えに来てくれることに。当番の日までは憂鬱でしたが、子どもたちが挨拶をしてくれるのがうれしく、地域活動に参加できてよかったって思いましたね」

 このように、旗振り当番などの活動には、ママ友同士の協力が必要なケースもあるといえる。

 文江さん(仮名)は、小2になる男児と、3歳の女児を育児しながら、銀行の窓口業務の仕事をしている。夫も同業者のため、旗振り当番の日は、文江さんが仕事を半休しなければならないと肩を落とす。

「仕事や下の子がいるという理由での免除はできないそうです。日程もすでに決まっていて、旗などの用具は前の日に当番の人から渡されるので、そのやりとりも必要で……。はっきり言って気が重いです。連絡先に書いてあった旗振り係のリーダーに、直接『難しいです』と伝えたのですが、『みんなやっていることだから』『できないのなら、ほかの人に頼んで代わってもらってください』と一点張り。仲が良いママ友は別の班なので代わってもらえず、自分がやるしかないみたいです……」

 ママ友とのグループチャットで、当番についての話題が上がった時に、立場によるって温度差を感じたという。

「上の子がいるママが『旗振り当番は、年に数回しかないから、PTA役員をやるよりずっと楽』って言うんです。でも、うちは下の子を保育園に早く預けて、それから当番に行かねばならないし、負担が大きいんです。今年はないですが、夏休み期間のプール当番や、校庭開放当番など、数カ月に1回は何かしら学校の手伝いをしている感じですよね」

 仲良しのママ友と作った少人数のグループチャットでも、よく当番の話題が出るという。

「旗振り当番の時、次の人への用具の受け渡しがうまくいかなかったっていう話題が出たんです。あらかじめ同じ地域班メンバーの電話番号リストができているのですが、なかには家電を載せている人もいて、不在のため連絡が取れなかったんだとか。いろいろと細かなトラブルが起きがちなんですよ」

 そんな文江さんだが、「小学校にまつわる保護者の無償活動の全てが嫌なわけではない」と語る。

「旗振り当番や校庭開放当番をすると、普段は関わることがないほかの学年の子どもたちとも触れ合え、また学校生活の雰囲気を感じられるので、楽しい部分もあります。ただ、日程など、こちらの融通が利かないことも多いし、順番によっては、ほとんど面識のない人に突然、連絡しなければならないんです。LINEやSNSの機能などを使って、もっと自由に日付や代わりにできる人を探せるようになればいいのにって、ママ友とよく話しています。学校の業務に関するシステムって遅れてるんですよね」

 学校生活における保護者の負担は減らないどころか、少子化のため負担が増えているようにも見える。ママ友同士が、LINEやSNSなどで交流を深めるる一方、主な保護者の活動は、いまだ電話や書類でやりとりを行うケースも多い。保護者たちの活動がもう少しスムーズになると、ママたちの負担も減るのではないかと思う。

ママ友LINEで愚痴の嵐! 小学校の“旗振り当番”に不満、「連絡手段は家電」でトラブル勃発!?

今や日常生活において、かかせないツールとなっているコミュニケーションアプリ「LINE」。かつては子どもの送迎時に、ママたちが立ち話をしているような光景が見かけられたが、時間に追われ忙しく過ごす共働き世帯が増えた今、ママたちのコミュニケーションの場は、LINEのグループチャットになっているという。そんな、ママたちの「グループチャット」から浮き彫りになった、彼女たちの悩みや、苦悩、気になる話題を覗いてみる。

  子どもを持つことで、それまで知らなかった世界に触れ、戸惑うことは珍しくない。特に子どもが小学校に入ると、PTA活動など、親としての仕事が増え、また、「欠席や遅刻の連絡を知らせるためには、同じ小学校に通う生徒に連絡帳を持って行ってもらう」など、独特のルールに振り回されるケースも多い。今回は、小学生ママたちの戸惑いの声を集めた。

雨の日の旗振り係は憂鬱!? ママ友と愚痴も

 恵さん(仮名)は、今年小学校に入学したばかりの7歳の女児を育児している。昨年、増税前にマンション購入し、それまで馴染みのなかった土地に住み始めた。

「もともと住んでいた地域からは結構離れていたのですが、通勤なども考慮して引っ越しました。住宅街で治安は良いものの、その分、地域活動も盛んで、娘が小学校に入学してから、保護者たちによるパトロール隊という無償の活動があるのを知りました」

 小学生の登下校時、保護者が通学路内の交通量が多いポイントに旗を持って立ち、子どもたちを誘導する当番があるのだという。地域によっては、「旗振り係」「旗振り当番」などと呼ばれているものだ。

「ある日、娘が大きな封筒を持って帰ってきたので、中身を確認したら『旗振り当番』を知らせる書類でした。同じクラスのママ友とやっているLINEグループで、すぐさま『これって、毎朝旗を持って立っているママのことだよね? 』と確認しましたよ。てっきり希望者がやっていると思っていたので、まさか全員が行う必要があるとは思いませんでした」

 恵さんは「もらった書類には、もうすでに担当する日も割り振ってあり、細かなルールも書いてありました。今年はコロナ禍の影響で、説明会などがないまま、既存の役員間で担当が決められてしまったのですが、来年の春頃までの当番がすでに決まっていて、突然のことに憂鬱な気持ちになりましたね」と漏らす。

 地域差はあるだろうが、一般的に小学校では、PTAの役員、委員の業務以外にも、旗振りや、校庭開放日に遊具を準備する係、プール開放日に監視を行う係、夏祭り協力係と、保護者の仕事は多岐にわたる。

「小学校の保護者活動はPTAだけだと思っていたので、想像以上にいろいろな手伝いをしなければいけないことがわかり、驚きました。しかも、うちの小学校のPTA活動はポイント制で、卒業までにポイント稼ぐ必要があるんです。各業務を行うことにより、決められたポイントが付与されていくのですが、旗振り当番は換算されないことも発覚。それでも、『断る』という選択肢はないため、ママ友とのグループチャットで『雨の日に旗振りになったらすごい罰ゲームだよね(笑)』と愚痴り合いました」

 旗振り当番は、住んでいる地域班ごとに担当区分が分けられ、1年間に3〜4回ほど回ってくるそう。そして先日、恵さんは実際に旗振り当番デビューを果たしたという。

「旗振りの集合時間が、子どもの登校時間より少し早かったんです。夫も同じくらいの時間に出勤するため、子どもだけで留守番させて、自分で鍵を締め、登校させなければならず、心配が募りました。そこで、ママ友とのグループチャットで相談したら、あるママが『恵さんの子も一緒に小学校まで連れて行ってあげる』と言って、迎えに来てくれることに。当番の日までは憂鬱でしたが、子どもたちが挨拶をしてくれるのがうれしく、地域活動に参加できてよかったって思いましたね」

 このように、旗振り当番などの活動には、ママ友同士の協力が必要なケースもあるといえる。

 文江さん(仮名)は、小2になる男児と、3歳の女児を育児しながら、銀行の窓口業務の仕事をしている。夫も同業者のため、旗振り当番の日は、文江さんが仕事を半休しなければならないと肩を落とす。

「仕事や下の子がいるという理由での免除はできないそうです。日程もすでに決まっていて、旗などの用具は前の日に当番の人から渡されるので、そのやりとりも必要で……。はっきり言って気が重いです。連絡先に書いてあった旗振り係のリーダーに、直接『難しいです』と伝えたのですが、『みんなやっていることだから』『できないのなら、ほかの人に頼んで代わってもらってください』と一点張り。仲が良いママ友は別の班なので代わってもらえず、自分がやるしかないみたいです……」

 ママ友とのグループチャットで、当番についての話題が上がった時に、立場によるって温度差を感じたという。

「上の子がいるママが『旗振り当番は、年に数回しかないから、PTA役員をやるよりずっと楽』って言うんです。でも、うちは下の子を保育園に早く預けて、それから当番に行かねばならないし、負担が大きいんです。今年はないですが、夏休み期間のプール当番や、校庭開放当番など、数カ月に1回は何かしら学校の手伝いをしている感じですよね」

 仲良しのママ友と作った少人数のグループチャットでも、よく当番の話題が出るという。

「旗振り当番の時、次の人への用具の受け渡しがうまくいかなかったっていう話題が出たんです。あらかじめ同じ地域班メンバーの電話番号リストができているのですが、なかには家電を載せている人もいて、不在のため連絡が取れなかったんだとか。いろいろと細かなトラブルが起きがちなんですよ」

 そんな文江さんだが、「小学校にまつわる保護者の無償活動の全てが嫌なわけではない」と語る。

「旗振り当番や校庭開放当番をすると、普段は関わることがないほかの学年の子どもたちとも触れ合え、また学校生活の雰囲気を感じられるので、楽しい部分もあります。ただ、日程など、こちらの融通が利かないことも多いし、順番によっては、ほとんど面識のない人に突然、連絡しなければならないんです。LINEやSNSの機能などを使って、もっと自由に日付や代わりにできる人を探せるようになればいいのにって、ママ友とよく話しています。学校の業務に関するシステムって遅れてるんですよね」

 学校生活における保護者の負担は減らないどころか、少子化のため負担が増えているようにも見える。ママ友同士が、LINEやSNSなどで交流を深めるる一方、主な保護者の活動は、いまだ電話や書類でやりとりを行うケースも多い。保護者たちの活動がもう少しスムーズになると、ママたちの負担も減るのではないかと思う。

ZOZOTOWNで「完売」したコラボアイテムが、5万の“プレミアム価格”で即売れ!? タイミングが難しいメルカリの“需要と供給”問題

――2年で1,300万円以上溶かし、現在借金は●00万円の“買い物狂い”のライターが、苦しくも楽しい「散財」の日々を綴ります。

 そろそろ夏だから、素敵なワンピースが一着欲しいわ~。フリマアプリでワンピースを見ていると、上品なワンピースを発見。どれどれ、なんていうブランドかね? と商品ページを開いてみると、「ニットワンピース 大草直子さん」と書かれていました。大草直子さん? モデルさんの名前……? いや、そんなモデル聞いたことないなあ。まさか持ち主の名前か……!?

 とりあえずそのワンピースに「いいね」を押し、次なるワンピース候補探しの旅へ。何着か見ていたところ、今度は「エレンディーク大草直子コラボ2wayワンピース」というものに出会いました。んんん……!? また大草直子さん!? ちみは一体、何者なんだね!?

 妙に気になり、「大草直子」さんが何者なのかググってみると、「コンセプトディレクター大草直子が着こなしのアイデアや日々の思いを綴ります」というHPを見つけました。コンセプトディレクターってなんだ? よくわからないけど、「大草直子 コラボ」で検索すると、洋服たちがいっぱい出てきます。私が好きなブランド「マルティニーク」「ガリャルダガランテ」「SLOANE」ともコラボしてる! す、すごい人だ!

 どうやら、大草さんはとても人気のスタイリストさんで、コラボする洋服は皆、飛ぶように売れているのだそう。ほうほう、そんな人のワンピースを2度もチェックしちゃう私ってさてはお目が高いんじゃないのー!?

 そんなわけですっかり大草さんへの興味が高まり、「ZOZOTOWN」で最新のコラボワンピースを探すことに。両A面ウエストギャザーロングドレスのブラウンのワンピースを見た瞬間、ビビビビビッと脳天に稲妻が走りました。可愛い!! こんなワンピースで街を歩きたい!

 ただ、問題も一つありました。私がビビビッときたのは、18枚中1枚の写真のみ……。その1枚は、ワンピースが平置きされたもの。ほかの17枚の写真は違う色のワンピースをモデルが着用したものなのですが、それにはそこまでビビッとこなかったのです。うーん、うーん。

 とりあえず、一旦保留……とその日は調査終了。頭がカッカしている時に買い物すると後悔することも多いからね。しかし、翌日、もう一度件のワンピースを見に行ったときです。私は思わず「ギャーーー!」と叫びました。ああ、まさかまさか。ワンピースが完売していたのです!!

 くあーーーッ!!!! やられたーーーッ!! 在庫多数と書いてある間は、「へー」と眺めるだけで買おうとしないくせに、「残り1点」や「完売」の文字を見た瞬間、「めちゃくちゃ欲しい!!」と思ってしまうマイ脳みそ……嗚呼、なんて浅はかな女なの。

 こうなると、私は暴走モードに突入します。「大草直子 両A面ウエストギャザーロングドレス ブラウン」で検索をかけまくりました。すると、フリマアプリに件の商品を発見。もう「SOLD OUT」になっていましたが、なんと4万9,000円で即売れしていました。定価が4万3,000円なので、プレミア価格と言えるでしょう。コメントには「大草さんのインスタで見かけて一目ぼれし、購入しましたが、着こなせませんでした。シルクのような滑らかな生地で歩くとゆらゆら揺れてめちゃくちゃ素敵です」と書かれています。ふおーーーーーっ。そう言われるとますます欲しくなるわいッ!!!!

 今度は大草さんのインスタグラムへひとっとび。そこには、ワンピースをゆらゆらさせながら歩く大草さんが映っていました。ど、動画!! すごいかっこいい!! こんなワンピース着てハワイ(行ったことないけど……)のビーチを歩きたいんじゃあ! うおおおお、欲しーーーッ!!!! 4万9,000円でも売れてなかったら買ってたよー!! ちくしょーーー!!

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 フリマアプリというと、使ったものを安く売るものだとばかり思っていましたが、希少なものをプレミア価格で売っても需要があるんだなあと再認識しましたね。特に、インスタの動画や、キレイに映っている写真があると、その商品を知らなかった人にも「欲しい!」と思わせる力があるなあと思いました。プロモーションの勝利ってやつ?

 この動画を見せられたら、6万ってふっかけても、もしかしたら買う人がいるんじゃないかなぁ、なんて思ったり。私は5万3,000円までなら血を吐きながら買っていたかもしれません。ええ、良いカモですよ……。

ネットワークビジネスの仲間を断ち切れない母――「怒りが湧く。自宅に来るのが怖い」介護する娘の心労

“「ヨロヨロ」と生き、「ドタリ」と倒れ、誰かの世話になって生き続ける”
――『百まで生きる覚悟』春日キスヨ(光文社)

 そんな「ヨロヨロ・ドタリ」期を迎えた老親と、家族はどう向き合っていくのか考えるシリーズ。

 中村万里江さん(仮名・35)の父博之さん(仮名)は2016年、64歳のときにクモ膜下出血で高次脳機能障害を発症。母の晃子さん(仮名・当時64)と協力して介護をしていた。ところが2019年、晃子さんにステージ4のがんが見つかる。晃子さんの闘病のため、博之さんは有料老人ホームで暮らすことになった。

 今年に入って、主治医から「終末期に入っている」と告げられた晃子さんと博之さんの今後の金銭管理のことを考え、資産を調べていた中村さんは、晃子さんの通帳から多額のお金がネットワークビジネス運営会社に振り込まれているのを見つける。しかも、同じ会社が関係する瞑想グループにも入り、その仲間が精神的な支えとなっていたのだ。次々と襲う家族の問題に冷静に対処してきた中村さんも、さすがに大きなショックを受ける。

(前回はこちら:「母がネットワークビジネスにハマっていた」がん終末期に明らかになった、“常軌を逸した”投資金額

ネットワークビジネスをやめさせなければ

 晃子さんへの憤りも大きかったが、そのネットワークビジネス運営会社や瞑想グループの仲間への不信感が募った。中村さんは、その会社についてだけでなく、晃子さんが保管していたあらゆる書類を調べるとともに、消費生活センターや行政にネットワークビジネスをやめさせる方法を相談するなど、手を尽くした。

「書類を調べると、私の名前を使って商品を購入したり、父の名前でエージェント契約をしたりしていたことが判明しました。また健康食品や美容商品の売り上げを上げるために、自分でもたくさん購入して莫大な在庫を抱えていることもわかりました。でも、母の行動を頭ごなしに否定したら、もう私には何も話してくれなくなるでしょう。それでは事態はさらに悪くなるだけ。本人がやめたいと思わない限り、私がやめさせることはできないんです」

 ともかく、「これ以上大金を使うことはやめさせないといけない」と中村さんは強い危機感を持った。幸か不幸か、これについては、体調が悪化した晃子さんが、キャッシュカードを中村さんに預けてくれたことで食い止めることができそうだった。

 もうひとつの問題は、しょっちゅう晃子さんのもとにやってくる“仲間”だ。

「花を持ってきてくれたりして、外面は優しいんですよ。母はすっかり心を許しています。どんな会話をしているのか調べようと思って、仲間との話をかげで聞いてみたりもしました。どんな状況かはわかりませんでしたが、母のタブレットを借りて、何かの証拠を隠滅しようとしていたんです。また、振り込んでいるのは何の代金か母に聞いたら、『私にはわからないから、Aさんに聞いて』と言うので、その仲間Aさんに確認したところ、『私にもわからないので、ほかの人に聞いておきますね』と言ってはぐらかされました。あとで母のスマホを見ると、『娘さんの意見を聞くのはいいけど、最終的に決めるのはあなたよ』などとメッセージを送って、私の言うことを聞かないようにクギを刺していたんです。とにかく、この仲間が元凶。怒りが湧きましたが、母を否定してしまうとダメだし……」

 しかし、中村さんは悩みながらも冷静だった。正面から、晃子さんときちんと話すという方法を取ったのだ。

「『いつか来る日のために、家族がケンカしないように準備をしよう』と母に遺言書を書くことをすすめました。そして、正直に『通帳を調べたら、大金がネットワークビジネスの会社に振り込まれていたのを発見した』、『法律的なことも調べて、家族といえどもほかの人の名前で契約するのは母の過失になる』と伝えました。そしてその会社にこれまで母がいくら使ったのか、どれだけの利益を出したのか、表をつくって数字として示したんです』

 正攻法で来た中村さんに、晃子さんは怒ることも、拒否することもなかった。逆に、「今はそのビジネスをやりたくない」と打ち明けたという。

「おそらく母もネットワークビジネスに疲れていたんだと思います。それで、母には月にいくら使うか決めて、収支をノートに記入することを提案しました。そして定期購入も、これまでの契約も解約することにして、退会届を取り寄せることにしたんです」

 しかし、ネットワークビジネスが晃子さんの心に入り込んだ根は深かった。退会届が届いて、いざ記入する段階になると晃子さんは退会を渋ったのだ。

「その会社は、ネットワークビジネスと瞑想グループがあって、母はビジネスはやめるけれど、瞑想グループは自分の支えになっているから、やめたくないと言うんです。それが足抜けをさせないための手でもあるわけですから、会社の思うツボです。『仲間と会えばまたビジネスをやることになるんだよ』と言っても、『それは別だ』と聞く耳を持ちません。結局、瞑想グループの方はやめることができませんでした」

 晃子さんのキャッシュカードを中村さんが管理しているのがせめてもの救いではあるが、仲間がやってくるのが怖いと中村さんはいう。

「母が退院して自宅に戻ると、すぐにまた仲間がやってくるのは間違いありません。コロナで緊急事態宣言が出ていても来るんですよ。出納帳をつけていますが、使っていいと決めた金額が、月の半ばで『もうなくなった』とか言うし。私が一つひとつ確認してはいますが……」

 中村さんの心労は続く。

――続きは8月2日公開

 

【呪われたホラー映画7選】出演者殺害、予期せぬ事故……『エクソシスト』『ポルターガイスト』他

 あの手この手を使って人々を怖がらせるホラー映画。悪魔・宗教をモチーフにした作品や、実話を基にした作品の撮影現場では、不思議な現象や超常現象が起きることがあるという。「宣伝のための作り話」と鼻で笑う者もいるが、関係者が恐ろしい目に遭ったり、不幸に見舞われたり、悲劇的な死を遂げたり、偶然の一致とは思えないようなケースも少なくないのだ。今回は、その中でも「呪われている」と語り継がれるホラー映画をご紹介しよう。

『ローズマリーの赤ちゃん』(1968)

 悪魔崇拝者たちに狙われた女性の恐怖を描いたサイコホラー。脚本・監督を手掛けたロマン・ポランスキーがアカデミー賞脚色賞を受賞した出世作なのだが、多くの関係者に不幸が訪れた作品としても知られている。

 テーマ曲を手掛けたポーランド人ジャズミュージシャンで、作曲家のクシシュトフ・コメダが不慮の事故で頭を強打し、昏睡状態となり、公開の翌年に37歳で死亡。

 主演のミア・ファローは本作撮影中に、当時夫だったフランク・シナトラから別れを迫られ、離婚。公開後、プロデューサーのウィリアム・キャッスルは、腎臓病 による激痛に見舞われ

 病院に担ぎ込まれたが、その時「ローズマリー、お願いだからナイフを置いてくれ!」と叫んだと伝えられている。ウィリアムはその後、満足に仕事ができなくなり、77年に心臓発作で死亡した。

 ポランスキー監督自身は同じく77年に、俳優ジャック・ニコルソン邸で、当時13歳の子役を強姦した容疑で逮捕された。その後、司法取引で法定強姦の有罪判決を受けたものの、無罪を主張し、保釈中に海外へ逃亡。欧州を拠点に活動を続けたが、「#MeToo」運動が巻き起こったこともあり、18年に映画芸術科学アカデミーから除名され、ハリウッドから永久追放された。

 この映画には、「サタン教会の開祖アントン・ラヴェイがコンサルタントとして製作に関わった」「アントンが毛むくじゃらの悪魔のかぶりものを着て出演した」というウワサがあるが、これは事実ではない。しかし、アントンのもとで働いていたスーザン・アトキンスという女性が、カルト指導者チャールズ・マンソンの信者となり、映画公開翌年の7月、ポランスキー監督の妻で女優のシャロン・テートらを殺害。この悪縁を、「作品が呪われているから」と受け止めている人は多い。

 「悪魔が封印されており、開けた者はその悪魔に取り憑かれる」とユダヤ人の間で言い伝えられている“ディビュークの箱”をめぐるホラー映画。04年にオークションサイト「eBay」に出品されたディビュークの箱の落札者や、その後の所有者の身に次々と不可解な出来事が起きたという実話に基づいた、ホラー映画である。

 劇中、ガレージセールでディビュークの箱を手に入れた少女の父親役を演じたジェフリー・ディーン・モーガン。彼は米業界紙「Hollywood Reporter」のインタビューで、自分は疑り深い人間で「不用意に箱のそばに行かず、むちゃはしなかった」と前置きした上で、「撮影現場では妙なことばかりが起きていた。こんな経験初めてだった」と回想した――。

「重要なシーンを撮影する時に、大きな電球が破裂するといったことが何度もあった」
「撮影は防音スタジオで行われたのだけど、誰もドアを開けていないし、ファンも回していないのに、急に冷たい風が吹くことがあった。これも撮影している最中に起きた、説明がつかない不可解な出来事だった」
「極め付きは小道具。再撮影するかもしれないからと、倉庫に保管していたんだ。そしたら、撮影終了から数日後、倉庫は全焼。すべて焼失してしまった。捜査の結果、放火でも漏電による火災でもなかったんだ」

などとこわばった表情で明かしたジェフリーの告白により、「呪われた映画だ」と恐れられるようになった。

『エクソシスト』(1973)

 少女に憑依した悪魔と、悪魔払いをする神父との壮絶な戦いを描いた、ホラー映画の金字塔。本作が呪われた作品と呼ばれるようになったのは、イタリア・ローマでのプレミア上映の会場となった映画館の正面にある教会に雷が落ち、十字架が地面に倒れたことがきっかけ。

 少女に窓から突き落とされて死んだ映画監督バーク・デニングズ役を演じたジャック・マッゴーランが、撮影後に患ったインフルエンザをこじらせ、映画公開前に54歳で死んだことも、本作が恐れられるようになった一因だ。

 少女の母親役を演じたエレン・バースティンによると、映画に関わりを持つ9人が『エクソシスト』のせいで亡くなったと考えられるとのこと。そのエレン自身、寝室の端から端まで飛ばされるシーンで着用していたハーネスが故障し、脊髄を痛める大ケガを負った。エレンはあまりの激痛に悲鳴を上げ、その叫び声はそのまま使われた。

 撮影が行われた家は、撮影中に原因不明の火事に見舞われ、少女の寝室以外のセットがすべて焼失。この火災で撮影は6週間中止となった。

 1891年に建てられたコネチカット州の呪われたホテル「ヤンキー・ペドラー・イン」を舞台としたホラー映画。老朽化と業績悪化のため閉館が決まったホテルで、閉館までの間の管理を任された従業員2人の恐怖体験を描いた作品である。

 タイ・ウェスト監督は、「自分は懐疑的な人間なんだけど、撮影中にドアが勝手に閉まったり、何もしていないのにテレビがついたり消えたり。何度新しいものに取り替えても、自分の部屋の電球が切れてしまうという不可解な現象が起きたのは事実だ」と証言。

 「撮影期間中、クルー全員が毎晩夢を見たことも奇妙だった」とも語っており、主演女優サラ・パクストンも「撮影の間、毎晩真夜中に、誰かに見られている感覚がして目が覚めた」と語っていた。

 メインで撮影を行った部屋は、ドリーショット(移動しながら撮影をすること)ができるからという理由で選んだ大きな部屋だったのだが、実はその部屋は「ヤンキー・ペドラー・イン」同様に「幽霊の目撃情報が最も多い」「その昔、結婚式当日に新郎に捨てられた花嫁が首吊り自殺した」スイートルームだったという。

『オーメン』(1976)

 アメリカ人外交官が養子として引き取った、「死産した我が子と同じ6月6日午前6時に誕生した孤児」は実は悪魔の子だったというストーリーで、公開当時から現在に至るまで世界中に熱烈なファンを持つ同作。

 主人公の外交官を演じたのは俳優グレゴリー・ペック。彼の息子が撮影開始の数カ月前に拳銃自殺したことから、『オーメン』の呪いは撮影前から始まっていたと伝説になっている。

 75年9月にグレゴリーが乗った飛行機が雷に打たれ、その数週間後に製作総指揮者のメイス・ニューフェルドが乗った飛行機も同様に雷に打たれた。プロデューサーのハーヴェイ・バーンハードも、ローマの街で雷に打たれそうになったと伝えられている。

 また、撮影中にリチャード・ドナー監督が滞在していたホテルが、IRA(アイルランドの武装組織)に爆破されたり、グレゴリーが搭乗しようとしていた飛行機が墜落して乗員乗客全員が死亡するなど、関係者は命の危険を何度も感じたとのこと。

 実際に亡くなった人もいる。特殊効果監督のジョン・リチャードソンが交通事故に巻き込まれたのだが、同乗していたアシスタントのリズ・モーアが死亡。事故現場付近には「(オランダの都市)オンメンまで66.6キロ」という交通標識があり、「偶然とは考えられない」と関係者を震撼させた。

 実在する超常現象研究家エド&ロレイン・ウォーレン夫妻が遭遇した事件を 基にした、映画『死霊館』シリーズ第1作(13)に登場した“呪われた人形”アナベル。本作は、その誕生秘話を描いた作品。悪霊や悪魔に乗り移られるアナベル人形は世界中を震え上がらせ、シリーズ最恐作品とも称される。

 アナベル人形のモデルとなった本物の「呪われた人形」だが、夫妻が所有するウォーレン・オカルト博物館に、映画と同様、箱に入れられ、封印された状態で保管されている。箱には「触るな」と警告文が貼られており、無視して触った男性が帰宅途中にバイク事故で死亡するなど、呪いは今でも続いているよう。ウォーレン夫妻だけでなく、博物館関係者みなが人形と目を合わせないように心がけるなど、人形を恐れている。

 そんな人形を描いた本作、撮影中に少なくとも2回、不可解な現象が起きたと、関係者たちは証言している。

 そのうちのひとつは、ジョン・R・レオネッティ監督による証言。「撮影準備していた時。撮影するアパートのリビングにあるホコリをかぶった欄間窓に、3本の指で引っかいたような 痕が残っていたんだ。偶然にも作品に登場する悪魔は、鋭い爪を持つ3本指という設定だったんだよ。満月にその 痕が照らされて、思わず写真を撮ったくらい気味が悪かった」という“悪魔のサイン”。

 2つ目の不可解な現象について語ったのは、プロデューサーのピーター・サフラン。「フルメイクした悪魔を撮影する初日、ビルの管理人を演じていた役者の頭の上に、天井照明が落ちてきたんだ。台本でも、管理人が落ちてきた天井照明により死ぬという設定だったから、その場に居合わせた人たちはみなゾッとしたよ」と説明。これも“悪魔のいたずら”だと話題になった。

『ポルターガイスト』(1982)

 丘の上の新興住宅街に越してきた一家が、邪悪な霊による怪現象にパニックになるという、巨匠スティーヴン・スピルバーグ製作・脚本のホラー映画。代表作となる『E.T.』と同じ年に公開されたが、こちらの方は呪いがかかっていると恐れられた。

 一家の長女ダナ役を演じたドミニク・ダンは、撮影後に別れを告げた恋人に逆上され、首を絞められて、22歳の若さでこの世を去った。

 86年に公開された続編『ポルターガイスト2』でケイン牧師を演じたジュリアン・ベックは、83年に発症した胃がんで公開前に死去。祈祷師テイラーを演じたウィル・サンプソンは、肺と心臓の移植手術後に腎不全に陥り、公開翌年に53歳で死去。

 『ポルターガイスト』で悪魔に狙われる末娘キャロル・アン役を演じたヘザー・オルークは、シリーズ3作品に出演したたが、『ポルターガイスト3/少女の霊に捧ぐ』の撮影中に足がむくみ、クローン病だと診断される。治療を受けながら撮影を行っていたが、公開前に急死した。まだ12歳だった。

 『ポルターガイスト』では、一家の長男ロビーの部屋に「(映画公開から6年後の)1988年度スーパーボウル」のポスターが貼ってあったが、ヘザーはこのスーパーボウルが開催された翌日、開催地サンディエゴの病院で息を引き取ったため、「予告されていた死だった」とささやかれた。

「手持ち2万」「カード破産」で諦めた6万円のジャケットが忘れられず……4カ月後に運命の再会も、美化された記憶にガッカリしたワケ

――2年で1,300万円以上溶かし、現在借金は●00万円の“買い物狂い”のライターが、苦しくも楽しい「散財」の日々を綴ります。

 過去の「恋」は美化されるといいますが、「服」の記憶も美化されませんか? 気に入ったけど、お値段を見て諦めた洋服。その場では諦めるものの、後日、インターネットで検索しまくり、その服が「SOLD OUT」になるまで執拗に追いかける変態。それが私です。

 たいていは買わないまま諦めるのですが、どうしても欲しかったものがありました。それは「プレシャスマイルド」というブランドのデニムジャケット。ジャケットの前開きの部分が両面ファスナーになっており、そのデザインがめちゃくちゃカッコいいのです。また、ターコイズっぽい絶妙な色味も、多くのデニムジャケットにはない雰囲気でした。

 初めてこのジャケットと出会ったのは1月の末。仙台・三越へ母の買い物に付き合って、ふら~っと入った店舗で見つけました。「初めて入った店で買う気なし」「手持ちは2万円くらい」「もちろんカード破産者」という最悪のコンディションだったため、ジャケットを見た瞬間、気に入ったものの買う気はまったくありませんでした(ジャケットは6万3,000円也)。お店の人に「試着してみてください」と言われましたが「いえ、大丈夫です!」と断り、その場を後にしたくらいです。

 しかし、それからというもの、何かあるたびにそのジャケットのことを思い出しました。「プレシャスマイルド」というブランドも知らなかったので、三越のフロアガイドから「あのへんの店だったよな?」と推測し、店を特定。そして、ジャケットを売っているオンラインストアにたどり着いたのは3月のこと。しかし、そのときにはもう、そのジャケットは売り切れていました。

 欲しいものが売り切れていると、さらに欲しくなりませんか? 私は「ラスト1点」とか「1点物」とか「売り切れ」のものにめちゃくちゃ反応する女です。もし、デニムジャケットを検索したとき、「在庫多数」と書いてあったら買わないくせに、「完売」と書いてあると、入荷待ちのボタンを押したくなる女なのです。

 私は「あああ、欲しかった……欲しかったあ……」と机をこぶしで叩き、1月に買わなかったことをめちゃくちゃ後悔しました。

 それから時は流れ……5月末。婚活用のフェミニンスカートが欲しくなった私は、仙台へと出かけました。三越を訪れたそのとき、元カレの顔が不意にチラりと頭をよぎるように、あのジャケットの記憶がよみがえりました。店舗を訪れてみたものの、もうラインナップはすっかりと変わっていました。そりゃそうだよね……4カ月もたっているし、オンラインストアでももう完売しちゃっているもの……。

 なんだか急に懐かしくなり、帰りのバスの中で「プレシャスマイルド デニムジャケット」を検索してみました。もう売っていないことはわかり切っていたのですが、どんなジャケットだったか見てみたかったのです。そのときでした。

「売ってる!!!」

 私は目を見開きました。なんと、三越のオンラインストアで記憶の中のジャケットが売っていたのです! しかもラスト1点!! 普段なら、試着もしたことのない6万3,000円のジャケットなど、絶対に買いませんが、その瞬間はもう昔好きだった人に20年越しに偶然出会えたような気分。

「これは運命だ、これを逃したらもう二度と会えない!!」

 考えるより先に、体がポチっていました。これから極貧生活になろうとも、あたしゃこのジャケットを着て、泥水すすって生きていくよ!!

 その後、オンラインストアからすぐに入金確認のメールが届き、私は心の底から満足しました。は~、よかった、よかった、と胸をなでおろしました。ところが……。

 それから数日が経過。待てど暮らせど、発送されません。もしや、在庫がなかった?「ごめんなさい、やっぱりありません」って言われるの? いまさらそんなことありえたりする?? オンラインストアといえば、注文から遅くとも3日くらいあれば発送されるものだと思っていたので、毎日ハラハラしながら待ちました。

 それから7日後、やっと商品発送の連絡が来ました。もうメンタルはボロボロ……。寝ても覚めてもジャケットのことで頭がいっぱいだったの。はやく実物をおがませてェ!! 

 翌日、ヤマト運輸の配達のお兄ちゃんが来るのをひたすら待ち、荷物を受け取ると飛ぶように階段をかけ上がって全身鏡の前に立ちました。うはあ、キレイ! カッコイイ! ターコイズの色味がステキ! ジッパーもカッコイイ! 夢で見た通りの姿だわ! これを着たら私のオシャレレベルが急上昇よ~~~~!!

「ギャッ!!!!  きっつ!!!!!!」

 千年の夢、覚めたり……。記憶の中でジャストフィットだったジャケットは、実際に着たところ、ぱっつんぱっつんのきっつきつでした……泣。嗚呼……。記憶の中で美化されまくった元彼に出会ったら、すげー太ってたみたいな衝撃……。いや、すげー太ってたのは私のほうか……。

3万円が一瞬で水の泡に……婚活アプリでモテ期到来も、せっかくのデート服が「ボロ雑巾」と化す!?

――2年で1,300万円以上溶かし、現在借金は●00万円の“買い物狂い”のライターが、苦しくも楽しい「散財」の日々を綴ります。

 諸君、私はヤバい女だ。アラフォー、バツイチ、借金アリ、そのうえ持病の薬を毎日飲んでいる。どうだ。肩書だけで「ヤべえ女」だと震えあがるだろう。しかし、そんなヤバい私にも幸せになりたいという欲があるのです。愛する人を見つけて、幸せな結婚がしたいの!

 そんなわけで、去年から婚活アプリに登録し、せっせと婚活にいそしんでいた私なのですが、なんと3月に入り、急にモテ期が到来しました。思うに、新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛で暇になった男性たちが増えたからだと思いますが、モテ期はモテ期!! ここぞとばかりに私は男性たちと連絡を取り合い、「緊急事態宣言が明けたらデートしましょう!」と約束したのです。

 さて、緊急事態宣言が無事終わり、男性たちから「来月あたり、会ってみませんか?」と連絡が来るようになりました。私はすぐさまOKし、何を着ようかタンスの中をひっくり返したのですが……。

「…………」

 ない……デートっぽい服がなにもない。カッコイイ系の服装が好きでパンツ派の私には、甘い服がまるでなかったのです!! デートといえば、スカートかワンピースですよね? ロゴTにサルエルパンツじゃカジュアルすぎますよね? ジャケットにテーパードパンツもデートというより会議用っぽいですよね? スカートだ。スカートを買わねばならない、今すぐに。

 というわけで、すぐに友人を買い物に誘うことに。その友人も私のすすめで婚活アプリを始めていたので、「おされなデート服」を求めてアラフォー女子2人は仙台へと出かけました。今回狙っているスカートのテーマはズバリ、「清楚」! ユニクロのブラキャミとパンツ1枚で鼻をほじっている姿を一切想像させない、清楚で可憐なイメージの服をゲットしなければ。

 あちこち見た結果、気になったのは、グレースコンチネンタルのベージュのスカートでした。白に近いロングスカートで光沢があってキラキラしているのです。キラキラもの好きの私にはたまらないスカートでした。しかし、ネックなのはお値段……。

 グレースコンチネンタルのそのスカートは、2万8,000円もしやがるのです。一目惚れした柄物のスカートになら払う気になるけれど、無地の白スカートに3万円弱は痛い。なんだか同じようなスカートでもっと安いものがありそうだし。友だちも「こういうスカートなら、ほかにもいっぱいあると思うよ」と言うので、一旦、保留にし、店を後にしました。

 ところが、シンプルなスカートほど、その細部の違いに目がいくものです。同じようなスカートはいっぱいあるのですが、どれもグレースコンチネンタルのスカートには及ばず……。「そうだ、フリマアプリならグレースコンチネンタルのスカートが出品されているかもしれない」と思い立ち、私は喫茶店でフリマアプリを開きました。

 おお、出てる、出てるぞ! 去年のもので、値段は1万2,900円也。「ワッシャー加工が施された表情豊かなプリーツスカート」だそう。同じブランドのものだし、これでもいいかなあ……。

 しかし、似ているといってもやっぱり写真の雰囲気は微妙に違います。名前も、私が欲しいのは「サテンギャザーフレアスカート」で、去年のものは「ワッシャープリーツスカート」。ワッシャーってなんだ? シワ加工……? うーん、シワ加工はいらないかなあ。テーマは清楚でフェミニンな女の子だし。

 というわけで散々悩んだ末に、私はある結論に至りました。婚活はもはや、「大きな仕事と同じなのではないか」と。

 仕事では大きなプロジェクトのプレゼンには気合が入るもの。よれよれのシャツなんかでは望めない! そう、未来の旦那様になるかもしれない人のファーストインプレッションを最高にするためにも、私は妥協のない、最高の服を買わなくてはならないのだ!! やっぱり、私。2万8,000円のスカートを買いますッ!!

 翌日。早速私は自分の部屋でファッションショーを開催しました。フェミニンなブラウスに合わせたり、Tシャツに合わせたり……。うん、やっぱり白のスカートはぐっとフェミニンな印象になるわね! 高かったけど買ってよかった~~!! 鏡の前で踊っていると、ふいに階下から母が私の名前を呼びました。「ねえ、N子。買い物行ってきて~~!!」

 今日はスーパーの特売の日。牛乳が安いからひとっ走り行ってこいとのこと。新しいスカートを穿いて気分の良かった私は、「オッケー、オッケー!」とそのままの姿で出かけることに。今日は天気もいいし、自転車でサーッといって来よ♪ ルンルン♪ しかし、最高の気分で自転車を軽快に漕ぎはじめた、その5分後のことです。

 ググギャギャギャギャ!!!!!!!!

 激しくスカートが下に引っ張られ、私はパンツ丸出しで自転車を止めることになるのです。一体、何が起こったんだ!? 自転車を見ると、スカートが車輪に巻き込まれ、見るも無残な姿に……。半泣きで車輪を巻き戻し、スカートを救出するも、布は切れているし、黒い油汚れだらけ……。NOOOOOOOOOO!!!!!!!!!!

 2万8,000円が……。あたいの2万8,000円が……。一瞬でズタボロ雑巾みたいになってしまった……うう……。皆さんも、自転車でロングスカートに乗る際はお気を付けください……。ああ、清楚な女性に変身したはずが、一瞬でパンツ丸出しおばさんになっちゃったよおおおお!!

「母がネットワークビジネスにハマっていた」がん終末期に明らかになった、“常軌を逸した”投資金額

“「ヨロヨロ」と生き、「ドタリ」と倒れ、誰かの世話になって生き続ける”
――『百まで生きる覚悟』春日キスヨ(光文社)

 そんな「ヨロヨロ・ドタリ」期を迎えた老親と、家族はどう向き合っていくのか考えるシリーズ。30代で両親を介護する中村万里江さん(仮名・35)の話を続けよう。

 中村さんの父、博之さん(仮名)は2016年、64歳のときにクモ膜下出血で高次脳機能障害を発症し、母の晃子さん(仮名・当時64)と一緒に介護をしていた。引きこもっていたことのある兄(43)は、関西で生活保護を受けながら暮らしている。事故で軽い高次脳機能障害を負ったものの、一人暮らしができるくらいに回復してホッとしたのもつかの間、2019年、晃子さんにステージ4のがんが見つかる。

 晃子さんが胃のバイパス手術をするため、博之さんをショートステイに預けたが、施設からは厄介者扱いをされ、博之さんが安心して暮らせる有料老人ホームを探して移ることになった。

前回:「お母さんに告知しますか?」がんステージ4の母、要介護4の父

母も私も一人暮らしを続ける

 博之さんの居場所は見つかった。晃子さんもいったん退院して、訪問看護と訪問介護を利用しながら自宅で生活することになった。ただ抗がん剤治療を始めたが、晃子さんの状態が悪くなり、中止せざるを得なかった。

「一人暮らしになった母が自宅のお風呂場で転んで、脱臼骨折して病院に運ばれたこともあります。私が実家に戻ることも考えましたが、自分の精神状態を健康に保つためには、一人になれる空間は絶対に欠かせない。それで私も母も一人暮らしという形を続けています」

 ホームにいる博之さんは時折「家に帰りたい」病を起こして、ホームを抜け出そうとする。「帰りたい!」と思ったら、ひたすら何十回も叫び続けるのだという。

「失語症とはいえ、何か言いたいことがあると、その単語は出てくるようです。こちらが理解できるレベルではありませんが。ちなみに、こちらが言うことをどれくらい理解できているかもわかりません。『メガネを取って』と言って、足が出たりしますから(笑)」

がん終末期に入った母。通帳を見ると……

 そんな小さな事件はあるものの、中村さん家族の状況はいったん落ち着いたと思われた。が、今年3月に晃子さんの体調が悪化した。

「食べ物を吐いてしまうようになり、病院に行ったところ、がんが大きくなって食べ物が通る道をふさいでいることがわかり、詰まった食べ物を取り出す処置をしてもらいました。固形物がとれなくなったので栄養剤を出してもらうことになり、その際主治医から『終末期です』と告げられました」

 終末期――とはいえ、主治医から「免疫療法があるので、やってみませんか」と提案された晃子さんは、免疫療法を受ける決断をする。今は、2週間に1回点滴を受けているところだ。

 中村さんの話を聞く限りでは、晃子さんは悲観することも、取り乱すこともなく、淡々と病気や治療に向き合っているように思える。自分が終末期を宣告されたら、晃子さんのように強く、前向きにいられるだろうか? 中村さんの話を聞きながら自問した。晃子さんの強さはどこからきているのだろうか。そんな問いに対して、中村さんは晃子さんをこう分析する。

「母は以前から『人間、いつ死ぬかもしれない』と言っていました。もともと病気になる前から、気功とか、見えないものへの興味が強かったんです。母は教員だったんですが、退職後に気功などで健康維持をする勉強をして、人に教えるようにもなっていました」

 それが、“常軌を逸して”いたことが判明したのは、晃子さんが終末期と宣告されたこの3月のこと。

「入院していた母から、たびたび『健康食品を持ってきて』と言われるのが気にはなっていました。ちょうど同じころ、両親の今後のことを考えて、家族信託など両親の金銭管理について調べていました。そういうことに詳しい知り合いから、『母の資産がわかるデータを集めて』と言われて通帳を調べたところ、父が倒れる前から多額のお金を健康食品の販売会社に入金していたことがわかったんです。それと並行して、『夢に向かってがんばろう』的な瞑想グループにも入っていて、同じ会社が関わっていたことがわかりました。

 母はその仲間と毎日連絡を取っていて、皮肉なことにそれが母のポジティブさの原動力となっていたんです。もともと化粧水とか美顔器などのネットワークビジネス的なことをやっていたのは知っていたんですが、単に母が自分で利用するレベルだと思っていたので、口出しはしていませんでした。それが、父が倒れて、自分もがんになって、投資する金額がどんどん増えていったようでした。母は教員をやっていたので、結構な額の貯金もあったんですが、そのほとんどをその会社につぎ込んでいたんです」

 さすがの中村さんも、ショックが大きかった。

――続きは7月26日公開

 

「ユニクロ参入で布マスクバブル崩壊」「人気アパレルでセクハラ辞任」2020年上半期ファッションニュースベスト3

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、3月から全国の百貨店やファッションビルが軒並み時短営業・休業となり、店舗売り上げが大激減……そんな危機的状況に陥っている現在のファッション業界。今年上半期には、コロナ禍関連以外にもさまざまなファッションニュースが報じられたが、今回はファッションライター・南充浩氏に、特に印象深かったトピックをベスト3形式で紹介してもらった。

第1位:不買運動も勃発! ストライプ社創業社長がセクハラ問題で辞任

 「アース・ミュージック・アンド・エコロジー」などのブランドを展開するストライプインターナショナルの創業社長・石川康晴氏が、複数の女性社員にセクハラを行っていたと、3月上旬に「朝日新聞」ほかで報道されました。以前には、前身会社で過労死疑惑もありましたが、その後は福利厚生の充実に努めるとともに、石川氏の打ち出すエシカルなビジョンが社会的には評価されていたので、驚かれた人も多かったのではないかと思います。

 しかし、衣料品業界においては、以前から石川氏のセクハラ問題は、割合に広く知られていましたから、個人的には「ついに」としか感じませんでした。石川氏本人は「疑惑」を否定していましたが、報道に対して法的措置を取るわけでもなく、突然社長を辞任。この直後に、新型コロナによる非常事態宣言が発令されたので、世間的にはやや忘れ去られた感がありますが、一部女性の間では不買運動が起こり、それがボディブローのようにジワジワと同社の経営に効いてきていると言われています。

 同社は過去に二度、株式公開を延期しています。これはつまり、公開できないそれ相応の理由があるということで、その判断基準は業績の良し悪しだけではないのです。もう少し噛み砕いて言うと、株式公開は、その企業の公的要素が強まるということなので、違法行為はもちろん、倫理や道徳にもとることがある場合、公開はできなくなります。そう考えると、株式公開が二度も延期というのは、「ちょっとおかしい」と言わねばなりません。ちなみに、2回目の延期理由は「新規事業が軌道に乗るまで」「中国事業が軌道に乗るまで」というものでしたが、本当の理由の一つはこのセクハラ問題だったのではないかと、個人的に見ています。

 老舗アパレルのレナウンが5月中旬、ついに経営破綻し、民事再生法の適用を申請しました。2013年に、経営難から中国のアパレル企業・山東如意科技集団の子会社になりましたが、ずっと業績は回復せず。昨年末には、山東如意の香港子会社から、売掛金53億円が回収できないという事態に陥っていたため、コロナ禍の影響がなくても、早晩、レナウンは破綻したと言えます。

 特徴的なのは、親会社の山東如意も経営が行き詰っており、資金繰りがかなり悪化していることです。その理由は、ダボハゼ的に、レナウンをはじめとする国内外のブランドやアパレル企業を買いまくっていたから。この点は、昨今、大赤字に転落したライザップと非常に似ています。しかし、もともとは紡績などの繊維製造業からスタートした山東如意に、ブランドを運営する力はありませんでした。レナウンを買収した直後は、同社の持っている「シンプルライフ」というブランドを中国で直営店化しようとしましたが、結局売れないままに撤退しました。

 またレナウンの構造的な問題として、所有しているブランドの知名度が低すぎたことと、顧客層が60代半ば以上の高齢層に偏っていたことも致命的でした。新しいスポンサーが決まらなければ、レナウンは会社清算ということになりますが、今のところ、新規スポンサー探しは難航。個人的には、ブランドごとに切り売りされることになると予想します。

 新型コロナの感染拡大によって、マスクの需要が2月下旬頃から急増。また、これまでマスクの生産はほとんど中国まかせだったのですが、同国で新型コロナのオーバーショートが起こると、輸入がストップしてしまいました。この2つの要因によって、深刻なマスク不足となり、それまで50枚で700円前後だったマスクが、3月のピーク時には4,000円くらいにまで値上がりしたのです。

 そこで、相次いで国内外のアパレルブランドがマスクの製造販売に参入しました。その理由は「マスク不足を解消するという社会貢献のため」「衣料品が売れない中、会社を存続するため」の2つです。

 しかし、4月に入って、興和やシャープ、アイリスオーヤマといった大手企業が月産数千万枚単位でマスクを供給し始めると、あっという間にマスク不足は解消。値崩れを起こし、5月末にはほぼ元の価格に戻ってしまいました。大手企業がマスクの生産に乗り出すことは早くから発表されていましたから、近いうちにこのような事態になることはわかりきっていました。にもかかわらず、参入する企業があまりにも多いことに驚いたものです。それほどにひっ迫した状況だったのでしょうか。

 6月19日には、ついに国民的ブランドとも言えるユニクロが「エアリズムマスク」の販売を開始。3枚990円という低価格で、発売後数時間で完売してしまうほどに注目を集めました。また無印良品も6月上旬に2枚990円の布マスクを発売しています。よほどデザインや色・柄にコダワリがなければ、布マスクが欲しい人は、ユニクロか無印良品で十分でしょう。そういう意味では「布マスクバブルははじけた」と言えます。継続して布マスクの販売を続けるブランドは「社会貢献」のことだけを考えるべきでしょう。
(南充浩)

「ユニクロ参入で布マスクバブル崩壊」「人気アパレルでセクハラ辞任」2020年上半期ファッションニュースベスト3

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、3月から全国の百貨店やファッションビルが軒並み時短営業・休業となり、店舗売り上げが大激減……そんな危機的状況に陥っている現在のファッション業界。今年上半期には、コロナ禍関連以外にもさまざまなファッションニュースが報じられたが、今回はファッションライター・南充浩氏に、特に印象深かったトピックをベスト3形式で紹介してもらった。

第1位:不買運動も勃発! ストライプ社創業社長がセクハラ問題で辞任

 「アース・ミュージック・アンド・エコロジー」などのブランドを展開するストライプインターナショナルの創業社長・石川康晴氏が、複数の女性社員にセクハラを行っていたと、3月上旬に「朝日新聞」ほかで報道されました。以前には、前身会社で過労死疑惑もありましたが、その後は福利厚生の充実に努めるとともに、石川氏の打ち出すエシカルなビジョンが社会的には評価されていたので、驚かれた人も多かったのではないかと思います。

 しかし、衣料品業界においては、以前から石川氏のセクハラ問題は、割合に広く知られていましたから、個人的には「ついに」としか感じませんでした。石川氏本人は「疑惑」を否定していましたが、報道に対して法的措置を取るわけでもなく、突然社長を辞任。この直後に、新型コロナによる非常事態宣言が発令されたので、世間的にはやや忘れ去られた感がありますが、一部女性の間では不買運動が起こり、それがボディブローのようにジワジワと同社の経営に効いてきていると言われています。

 同社は過去に二度、株式公開を延期しています。これはつまり、公開できないそれ相応の理由があるということで、その判断基準は業績の良し悪しだけではないのです。もう少し噛み砕いて言うと、株式公開は、その企業の公的要素が強まるということなので、違法行為はもちろん、倫理や道徳にもとることがある場合、公開はできなくなります。そう考えると、株式公開が二度も延期というのは、「ちょっとおかしい」と言わねばなりません。ちなみに、2回目の延期理由は「新規事業が軌道に乗るまで」「中国事業が軌道に乗るまで」というものでしたが、本当の理由の一つはこのセクハラ問題だったのではないかと、個人的に見ています。

 老舗アパレルのレナウンが5月中旬、ついに経営破綻し、民事再生法の適用を申請しました。2013年に、経営難から中国のアパレル企業・山東如意科技集団の子会社になりましたが、ずっと業績は回復せず。昨年末には、山東如意の香港子会社から、売掛金53億円が回収できないという事態に陥っていたため、コロナ禍の影響がなくても、早晩、レナウンは破綻したと言えます。

 特徴的なのは、親会社の山東如意も経営が行き詰っており、資金繰りがかなり悪化していることです。その理由は、ダボハゼ的に、レナウンをはじめとする国内外のブランドやアパレル企業を買いまくっていたから。この点は、昨今、大赤字に転落したライザップと非常に似ています。しかし、もともとは紡績などの繊維製造業からスタートした山東如意に、ブランドを運営する力はありませんでした。レナウンを買収した直後は、同社の持っている「シンプルライフ」というブランドを中国で直営店化しようとしましたが、結局売れないままに撤退しました。

 またレナウンの構造的な問題として、所有しているブランドの知名度が低すぎたことと、顧客層が60代半ば以上の高齢層に偏っていたことも致命的でした。新しいスポンサーが決まらなければ、レナウンは会社清算ということになりますが、今のところ、新規スポンサー探しは難航。個人的には、ブランドごとに切り売りされることになると予想します。

 新型コロナの感染拡大によって、マスクの需要が2月下旬頃から急増。また、これまでマスクの生産はほとんど中国まかせだったのですが、同国で新型コロナのオーバーショートが起こると、輸入がストップしてしまいました。この2つの要因によって、深刻なマスク不足となり、それまで50枚で700円前後だったマスクが、3月のピーク時には4,000円くらいにまで値上がりしたのです。

 そこで、相次いで国内外のアパレルブランドがマスクの製造販売に参入しました。その理由は「マスク不足を解消するという社会貢献のため」「衣料品が売れない中、会社を存続するため」の2つです。

 しかし、4月に入って、興和やシャープ、アイリスオーヤマといった大手企業が月産数千万枚単位でマスクを供給し始めると、あっという間にマスク不足は解消。値崩れを起こし、5月末にはほぼ元の価格に戻ってしまいました。大手企業がマスクの生産に乗り出すことは早くから発表されていましたから、近いうちにこのような事態になることはわかりきっていました。にもかかわらず、参入する企業があまりにも多いことに驚いたものです。それほどにひっ迫した状況だったのでしょうか。

 6月19日には、ついに国民的ブランドとも言えるユニクロが「エアリズムマスク」の販売を開始。3枚990円という低価格で、発売後数時間で完売してしまうほどに注目を集めました。また無印良品も6月上旬に2枚990円の布マスクを発売しています。よほどデザインや色・柄にコダワリがなければ、布マスクが欲しい人は、ユニクロか無印良品で十分でしょう。そういう意味では「布マスクバブルははじけた」と言えます。継続して布マスクの販売を続けるブランドは「社会貢献」のことだけを考えるべきでしょう。
(南充浩)