なぜ転生させた!? 三国志武将が女子高生に転生するマンガ『劉備徳子は静かに暮らしたい』

 近年、異世界転生マンガの台頭が目覚ましいですね。異世界転生マンガブームは「小説家になろう」などの小説投稿サイトがきっかけといわれていますが、個人的な印象では『転生したらスライムだった件』がヒットしたあたりから、その傾向が加速しだしたんじゃないかなと思っています。

 昔から主人公が異世界に転生するマンガ設定は珍しくなかったものの、最近は出オチ狙い、ギャップ狙いの転生マンガも多くなってきています。以前紹介した『どるから』(参照記事1)なんか、K-1プロデューサーのおっさんを女子高生に転生させるマンガですから、必然性など皆無。「ビジネス転生マンガ」の極致ともいえますが、無理やり設定な転生マンガ、大好物です!!

 というわけで今回ご紹介するオススメ転生マンガは、『劉備徳子は静かに暮らしたい』(https://www.hakusensha.co.jp/ryubi/)。なんと三国志でおなじみの有名武将、劉備・曹操・孫権がとってもかわいらしい女子高生に転生してしまうという、三国志を深く知っていれば知っているほど、そのギャップに悶絶してしまう作品となっています。

 三国志(三国志演義)を詳しくない方向けに超ざっくりとご説明しておきますと、今から1800年前くらいの乱れまくりの中国で、劉備・曹操・孫権の三武将がそれぞれ「蜀」「魏」「呉」という3つの国を統治したというお話。一番人気の武将、劉備には関羽・張飛という水戸黄門でいう助さん格さんみたいな取り巻きと、孔明というスーパー天才軍師がいましたとさ……って、これだけだとあんまりなんで、もう少し詳しく知りたい方は、以前当コラムで書いた「サクッとわかる『三国志』入門講座」(参照記事2)も読んでみてくださいね。

「三国志」の基本が頭に入ったところで、本作の主人公で、かつて蜀を統治した劉備玄徳の転生後の姿をご覧いただきましょう。

 まあかわいらしい!

 このゴミ出しをしている女子が、劉備玄徳あらため劉備徳子です。

 ちなみに劉備の両腕として活躍する関羽と張飛も、ちゃんと劉備と同じ高校に転生して劉備をサポートします。このあたりの設定は、まさに三国志と同じです。

 ただし、だいぶスッキリしたイケメンになってますが……。たいていの高校ではひげヅラは禁止なので、仕方ありませんね。

 三国志演義の有名なシーンといえば「桃園の誓い」。劉備と関羽と張飛が義兄弟の契りを交わし、「俺たち死ぬときも3人一緒だぜ!」と誓う感動的なシーンですが、転生したって義兄弟であることは変わりません。同じシーンが、ちゃんとありました。

 そう、これが有名な「園芸同好会結成」のシーンです。って、こっちは別に有名じゃないか。

 ちなみに劉備徳子はやはり元武将だけあって、ところどころ言葉遣いがおっさんくさいです。

 ところで、ライバルの曹操、孫権たちはどうしてるんでしょうか?

 こちらが転生後の曹操こと、曹司操(そうじ・みさお)。偶然にも劉備徳子の同級生で、三国高校の生徒会長を務める才女です。生徒会長やってるなんて、さすが三国の覇者ですね。まあ、だいぶスケールは小さくなりましたけど……。そして、ちゃんと側近には、隻眼の武将・夏侯惇こと夏侯惇(かこう・あつし)がついています。眼帯は、ものもらいによるものらしいです。とにかく、美少女君主とイケメン側近のセットが、このマンガのお約束なのです。

 孫権もちゃんと美少女ですので、ご安心ください! 転生後の名前は孫市権(まごいち・はかり)です。名前にだいぶ無理がある!!

 こんな感じで、三国の群雄たちが学園内でバッチバチに戦うマンガです。バチバチッと何を戦うかといいますと、部活動の予算で揉めたり、運動会の騎馬戦で揉めたり、学園祭の出し物で揉めたりと、まさに乱世を象徴するようなストーリーとなっています(すいません、乱世はさすがに言いすぎでした……)。

 夏祭りの射的の景品「荊州ウエハース」を奪い合うといった一幕もありました。歴史上では数万、数十万人が犠牲になったわけですが、ウエハースだったら奪い合っても殺伐としないのでいいですよね。

 あと、美男美女がそろった学園モノということで、当然ながらラブコメ的展開が期待されるわけですが、設定が設定なので……

「彼女ではありません! 兄者です…!」

 デート中に女子のことを「兄者」っていうラブコメって、あんまり見たことないですよね。

 三国志中の重要人物「諸葛亮孔明」も、転生後は諸葛亮(もろくず・りょう)という名前で出てきますよ! 「孔明の罠」と呼ばれる、火あぶり、水攻めなんでもありの計略で敵国の武将たちを震え上がらせた孔明ですが……

 転生後は、敵国の武将をラブラブカップルにして骨抜きにしてしまうという恐るべき「恋の計略」を使いこなします。軍師というか、キューピッド的存在です。

 そんなわけで、いまだかつてないスケール(ダウン)の異世界転生マンガ『劉備徳子は静かに暮らしたい』をご紹介しました。気になる方は、白泉社のWEBサイト(https://www.hakusensha.co.jp/ryubi/)か「マンガPark」アプリ(https://manga-park.com/title/6239)で試し読みできますよ!

(文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん <http://ablackleaf.com/>)

なぜ転生させた!? 三国志武将が女子高生に転生するマンガ『劉備徳子は静かに暮らしたい』

 近年、異世界転生マンガの台頭が目覚ましいですね。異世界転生マンガブームは「小説家になろう」などの小説投稿サイトがきっかけといわれていますが、個人的な印象では『転生したらスライムだった件』がヒットしたあたりから、その傾向が加速しだしたんじゃないかなと思っています。

 昔から主人公が異世界に転生するマンガ設定は珍しくなかったものの、最近は出オチ狙い、ギャップ狙いの転生マンガも多くなってきています。以前紹介した『どるから』(参照記事1)なんか、K-1プロデューサーのおっさんを女子高生に転生させるマンガですから、必然性など皆無。「ビジネス転生マンガ」の極致ともいえますが、無理やり設定な転生マンガ、大好物です!!

 というわけで今回ご紹介するオススメ転生マンガは、『劉備徳子は静かに暮らしたい』(https://www.hakusensha.co.jp/ryubi/)。なんと三国志でおなじみの有名武将、劉備・曹操・孫権がとってもかわいらしい女子高生に転生してしまうという、三国志を深く知っていれば知っているほど、そのギャップに悶絶してしまう作品となっています。

 三国志(三国志演義)を詳しくない方向けに超ざっくりとご説明しておきますと、今から1800年前くらいの乱れまくりの中国で、劉備・曹操・孫権の三武将がそれぞれ「蜀」「魏」「呉」という3つの国を統治したというお話。一番人気の武将、劉備には関羽・張飛という水戸黄門でいう助さん格さんみたいな取り巻きと、孔明というスーパー天才軍師がいましたとさ……って、これだけだとあんまりなんで、もう少し詳しく知りたい方は、以前当コラムで書いた「サクッとわかる『三国志』入門講座」(参照記事2)も読んでみてくださいね。

「三国志」の基本が頭に入ったところで、本作の主人公で、かつて蜀を統治した劉備玄徳の転生後の姿をご覧いただきましょう。

 まあかわいらしい!

 このゴミ出しをしている女子が、劉備玄徳あらため劉備徳子です。

 ちなみに劉備の両腕として活躍する関羽と張飛も、ちゃんと劉備と同じ高校に転生して劉備をサポートします。このあたりの設定は、まさに三国志と同じです。

 ただし、だいぶスッキリしたイケメンになってますが……。たいていの高校ではひげヅラは禁止なので、仕方ありませんね。

 三国志演義の有名なシーンといえば「桃園の誓い」。劉備と関羽と張飛が義兄弟の契りを交わし、「俺たち死ぬときも3人一緒だぜ!」と誓う感動的なシーンですが、転生したって義兄弟であることは変わりません。同じシーンが、ちゃんとありました。

 そう、これが有名な「園芸同好会結成」のシーンです。って、こっちは別に有名じゃないか。

 ちなみに劉備徳子はやはり元武将だけあって、ところどころ言葉遣いがおっさんくさいです。

 ところで、ライバルの曹操、孫権たちはどうしてるんでしょうか?

 こちらが転生後の曹操こと、曹司操(そうじ・みさお)。偶然にも劉備徳子の同級生で、三国高校の生徒会長を務める才女です。生徒会長やってるなんて、さすが三国の覇者ですね。まあ、だいぶスケールは小さくなりましたけど……。そして、ちゃんと側近には、隻眼の武将・夏侯惇こと夏侯惇(かこう・あつし)がついています。眼帯は、ものもらいによるものらしいです。とにかく、美少女君主とイケメン側近のセットが、このマンガのお約束なのです。

 孫権もちゃんと美少女ですので、ご安心ください! 転生後の名前は孫市権(まごいち・はかり)です。名前にだいぶ無理がある!!

 こんな感じで、三国の群雄たちが学園内でバッチバチに戦うマンガです。バチバチッと何を戦うかといいますと、部活動の予算で揉めたり、運動会の騎馬戦で揉めたり、学園祭の出し物で揉めたりと、まさに乱世を象徴するようなストーリーとなっています(すいません、乱世はさすがに言いすぎでした……)。

 夏祭りの射的の景品「荊州ウエハース」を奪い合うといった一幕もありました。歴史上では数万、数十万人が犠牲になったわけですが、ウエハースだったら奪い合っても殺伐としないのでいいですよね。

 あと、美男美女がそろった学園モノということで、当然ながらラブコメ的展開が期待されるわけですが、設定が設定なので……

「彼女ではありません! 兄者です…!」

 デート中に女子のことを「兄者」っていうラブコメって、あんまり見たことないですよね。

 三国志中の重要人物「諸葛亮孔明」も、転生後は諸葛亮(もろくず・りょう)という名前で出てきますよ! 「孔明の罠」と呼ばれる、火あぶり、水攻めなんでもありの計略で敵国の武将たちを震え上がらせた孔明ですが……

 転生後は、敵国の武将をラブラブカップルにして骨抜きにしてしまうという恐るべき「恋の計略」を使いこなします。軍師というか、キューピッド的存在です。

 そんなわけで、いまだかつてないスケール(ダウン)の異世界転生マンガ『劉備徳子は静かに暮らしたい』をご紹介しました。気になる方は、白泉社のWEBサイト(https://www.hakusensha.co.jp/ryubi/)か「マンガPark」アプリ(https://manga-park.com/title/6239)で試し読みできますよ!

(文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん <http://ablackleaf.com/>)

『ダンベル何キロ持てる?』の真逆を行くダイエットマンガ『超時空減量ブタ&ゴリラ』

 「デブじゃない、ぽっちゃりなだけ」

 僕たち私たちは、今までそうやって自分を励ましながら、そして真実から目をそらしながら人生を過ごしてきた。だけれどある日、その閾値を超えてしまうことがある。それは、親しい友人に「お前はデブだ」とはっきり指摘された時だったり、鏡に映った自分が想像を超えた巨大なシルエットだった時……。そして、その瞬間は予告もなく突然やってくる。「デブの自覚」「絶望」……。

 今回ご紹介するマンガは、そんな絶望からの脱却を試みる子羊たちにうってつけのダイエットマンガ『超時空減量ブタ&ゴリラ』です。現在講談社のアプリ「マガポケ」で絶賛連載中のなのですが、タイトルがいきなりトチ狂ってますよね!

 今夏、『ダンベル何キロ持てる?』という筋トレマンガがアニメ化され話題となりましたが、この作品の影響で、アニメファンのジム入会者が殺到しているのだとか。それ以前にもダイエットや筋トレをテーマにしたマンガはいくつもあったのですが、なぜ『ダンベル何キロ持てる?』だけが爆発的に人気になったのか? それは女子高生たちが惜しみなく繰り出すエロ……もとい、お色気にあるといえるでしょう。「エクササイズ」×「お色気」……そこに今までにないニッチ市場があったのです。

『超時空減量ブタ&ゴリラ』は、どうしてもジャンル的に『ダンベル何キロ持てる?』のフォロワーであるかのようなイメージを持たれがちですが、方向性が明確に違います。

 

タイトルが時空を超えちゃってるのももちろんなのですが、なんといっても、お色気指数がゼロ! なんならマイナスといってもいいかもしれないレベル。そして何よりも、紹介されているトレーニング法がことごとくローコスト! ほとんど自宅で完結できてしまう、お財布に優しいマンガなのです。ジムに通ってトレーニング器具を使うことが前提の『ダンベル何キロ持てる?』とは、似ているようでぜんっぜん別物といえるでしょう。

「デブブン★」という豪快な擬音とともに登場する本作品のヒロイン・円高ドル美。アイドルグループ「スラリ★」のセンターを務める17歳。もともとは身長157cm・体重50kgでしたが、大好きなドーナツを好きなだけ食べまくり、現在は70kgまで激太りしています。

 円高ドル美って、びっくりするほどヒロインのネーミングが雑ですね!

 こんな感じで動画のコメントでも煽られまくり。まあ、確かにこの体形で「スラリ★」はないわ。そして、ついに見かねたプロダクションの社長がドル美にクビを宣告、しかも次期センター候補として後輩の本願寺光輪(ピカリン)の指名付きという、ドル美にとって絶体絶命の状況です。

 まあ、擬音が「デブブン★」なので誰もが納得の結論ですが……。ドル美は、卒業公演までの2カ月の間に20kg痩せればクビは撤回、という約束をなんとか取り付けます。

 見てください、この熱さがみなぎる決意と色気のなさ。そして、20kg痩せるためにドル美が始めた過酷なダイエット法とは……‼?

 世にも魅力的な激ヤセダイエットグッズ&食品たち!! そう、ドル美の性根は完全に腐っていたのです。その結果はもちろん……全然痩せません。ていうか、「寝るだけでやせる枕」ってなんだよ! 便利すぎるだろ!!

 数々のダイエット法に失敗するドル美、もしかしたら自分は水を飲んだだけで太ってしまう特異体質なのかも……と勝手に絶望し、ビルから飛び降り自殺を図ります。

 そんなドル美を自殺から救ったのが、謎の男「ゴリラ」です。自称・元WBA1位のボディビルダーでダイエットのプロでもあるゴリラが、ドル美の専属トレーナーになるのです。

 このゴリラ、とにかく名ゼリフだらけの男です。挫折しそうなダイエッターたちを奮い立たせる熱きダイエット名言の数々がこのマンガの面白さといえます。

「決意以外はなんにもいらねえ!!!」

 ダイエットのために筋トレしようとしても、面倒臭さが先に立って、無意識にいろんな言い訳をしがちですよね。「運動経験がない」「道具がない」「覚えられない」ナイナイ尽くしですが、ゴリラは「決意以外はなんにもいらねえ!!!」と一喝。そんなこと言われちゃったら、グウの音も出ないです。

「なんでもいいから走り出せ、勝負は走り出す前だ!」

 ダイエットの必須種目、有酸素運動……つまりランニング。これもまたハードルが高いです。面倒くさいの極致。しかし、いざ走り出すとハマってしまう人も結構いますよね。だからこそ、走り出す前の決意こそがすべてなのです。

 ほかにも挫折の温床となりやすいランニングですが、ゴリラが次々と繰り出すあの手この手のダイエット語録で、折れそうなハートに先回りしてきます。

「走りに行くと思うな、遊びに行くと思え」

「走り疲れたら帰りにタクシー使っちまえ」

「三日坊主は脳のバグ」

 その中でもすごいのが……

「ジャージで暮らせ」っていうやつ。

 これぞまさに、思いついたらすぐに運動できる臨戦態勢。「走りに行く服がない」なんて言い訳すらできませんね。ジャージって、そんなにすごい効能があったんだ……。

「ジムは天国じゃねェ!!」

 ジムに行けばモチベーションが上がって運動するのに……なんて言い訳するやつには、このセリフが待っています。そう、人によってはジムに行くのは逆効果。ジムなんか行かなくっても、ダイエットはできるのです。このセリフこそまさに『ダンベル~』に対するゴリラからのアンサーソングといえるでしょう(ソングじゃないけど)。

 ゴリラが提唱するダイエットは、とにかくお金がかからず、自宅でできるものばかり。器具を買う金がないからダイエットができない……も、言い訳にならないのです。

 器具を使うタイプのトレーニングでも、そのへんに転がっている棒を使うだけのやつとか、とにかく徹底してます。

 雨の日は外に走りに行けない……そんな日の有酸素運動は「シャドーボクシング」。自分で「シッ」とか言いながらやるとカッコいいぞ! なんてことまで懇切丁寧にアドバイスされていて逆に恥ずかしい!!

 シャドーボクシングをするときは、アニソンを流すとテンションも上がるし、きっちり3分で終わるのでタイマー代わりにもなるなど、ナイスなアドバイスもついてます。シャドーボクシング、いいじゃないか!!

 運動だけでなく、食事制限の領域もガッツリアドバイスしてくれます。それも身近なコンビニを利用したものがメイン。お手軽すぎる……どこまで等身大なんだ!!

 最終的には「コンビニは調教できる!!」なんてパワーワードまで出てきちゃって。読んでると、ダッシュでコンビニにサラダチキンを買いに行きたくなるレベルです。

 果たしてドル美は20kg痩せられるのか? そして、自分はコンビニを調教できるのか? いろいろと気になってしまう作品です。現在単行本になるかどうか微妙な瀬戸際らしいのですが、お色気を排除したこのストロングスタイルを、ぜひとも応援したい。単行本が無事に出ることを祈ってます!

(文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん <http://ablackleaf.com/>)

●『超時空減量ブタ&ゴリラ

 

まるで読書版『魁!!男塾』!? 『どくヤン! 』読書✕ヤンキーの画期的なコラボ! 

 もしも読書好きのヤンキーがいたら……いやいや、そんなことあるはずがない。本来ヤンキーと書物は相いれないものであり、本を読むヤンキーがいたらそれはヤンキーではなく、普通の学生なのだ――そんな偏見の目で見ていた時期が私にもありました。しかし、マンガの世界は時として、そんな先入観をいともたやすく崩壊させてしまう。そう、読書するヤンキーは確かに存在したのだ!!(ドギャーン)

 なぜか往年の水曜スペシャル『川口浩探検隊』風の出だしになってしまいましたが、今回は読書とヤンキーをカップリングさせたらとんでもないことになってしまったマンガ『どくヤン!』をご紹介します。

 本作は現在、「Dモーニング」で隔週連載中。講談社の6誌共同WEBサイト「コミックDAYS」でも読むことができます。

『どくヤン!』とは?

『どくヤン!』の舞台は、他校のヤンキーが恐れおののく筋金入りのヤンキーの巣窟「毘武輪凰(ビブリオ)高校」。ここは、あるひとつのルールさえ守れば、どんな不良生徒でも通うことができ、しかも学費は無料という魅力的な高校なのです。そのルールとは……

 

「読書」をすることなのです。つまり、ビブ高のヤンキーたちは皆、ヤンキーのくせに読書を愛するという、突然変異ヤンキー……これがすなわち『どくヤン!』なのです。

 すべてにおいて「読書」が優先されるビブ高ですから、その教育方針は相当変わっています。ある意味『魁!!男塾』(宮下あきら/ジャンプ・コミックス)よりも狂っています 。

 教育理念は「読書上等!」。なんでケンカ腰やねん。

 なんと、時間割はすべて読書! ……もはや時間割が存在する意味すらわからない。ビブ高がいかに尋常じゃないか、その片鱗がわかってもらえるかと思います。

 なんだかんだいっても筋金入りのヤンキー高ですので、校内には ヤンキーがやりがちな行動様式がはびこっています。

 ヤンキーが自分より弱い者に対して金を要求する行為といえば……そう「カツアゲ」ですよね。ただし、ビブ高のカツアゲは少々特殊です。

 金欠ならぬ「本欠」のヤンキーたちが「本」をカツアゲします。これが「ブッカツ」(ブックカツアゲ)です。自分の読んでいる本を奪われ、「てめーはフリーペーパーでも読んでな!」とケリを入れられる。いろんな意味で不条理です。

 そしてヤンキー的行為の代名詞といえばこれ!「アンパン」。袋に入れたシンナーを吸ってラリっちゃうやつ。今の若者には信じられないかもしれませんが、昭和の時代には「アンパン」やりすぎて前歯が溶けてなくなるヤンキーがたくさんいたんですよ!! そんなヤンキーの伝統芸能たる「アンパン」も、ビブ高流はちょっと違います。

 シンナーの代わりに、袋に入れた本の紙やインクの匂いを嗅ぐ……その名も、アンパンならぬ「本パン」。常習性があるため校則で禁止されている危険行為です……っていうか、本のインクって常習性あるんだ!! しかも、ビジュアル的にはこっちのがやべーよ。

 そこら中の壁にスプレーとかで落書きしちゃうのも、ヤンキーにありがちな習性ですよね。「喧嘩上等」とか「夜露死苦」とか。ビブ高にも当然あるにはあるんですが……

 自分の好きな作家名を壁にスプレーしちゃう。確かに「団鬼六」とか、すげー強そうだけども……。

 ビブ高のヤンキーたちにも派閥があります。当然ながら派閥同士によるケンカが毎日のように繰り広げられているわけですが、その派閥とは……

 主に好きな本のジャンルによって分けられています。SF小説ヤンキー、歴史小説ヤンキー、探偵小説ヤンキー、官能小説ヤンキー……

 レシピ本ヤンキー、ジュブナイルヤンキー、恐怖小説ヤンキーなんてものまでいます! バラエティに富みすぎてるだろ! あと個人的に、官能小説ヤンキーとレシピ本ヤンキーは、なんか認めたくない気がする 。

 数あるヤンキーの中でも私小説ヤンキーの獅翔雪太(ししょう・せつた)は、弱い者いじめが嫌いな正義感のある男です。私小説をこよなく愛す、人一倍傷つきやすいが、受けた苦痛は100倍にして返す男。あれ、もしかして……?

 うん、一瞬マトモな生徒なのかと思いましたが、やっぱりヤバイやつでした。

 ちなみに先ほどご紹介したレシピ本ヤンキーは、敵に襲われると、栗原はるみ本から潜在的凶暴性を引き出して闘います。

 ビブ高の生徒はヤンキーとはいえ、授業で読書ばかりしているので、文章を体で覚えてしまっているわけです。たとえば夏目漱石の『こころ』ぐらいなら、余裕で全員暗唱できます。

 いやいや、これってすごくないですか? もしかしたらビブ高の生徒たちって、実はメチャクチャ頭がいいんじゃないでしょうか……? しかし、そんなビブ高生たちが最も恐れる課題は、「ドッカン」と呼ばれる読書感想文でした。

 月1回の提出ができないと即退学となってしまうという厳しい課題なのですが、読書好きな上に、漱石が暗唱できるぐらいだから、そんなに恐れる必要なんかないのでは……?

 ところがどっこい! ビブ高の生徒たちは、本は読めても字が書けないという致命的な弱点があったのでした!! そこは頑張って書けるようにしておけよ……。

 そんな感じで毎回、読書をテーマにバイオレンスの限りが尽くされる読書版『魁!!男塾』ともいえる作品なのですが、ちゃんとラストでテーマになったお勧め書籍が紹介される構成になっています。なんだかんだいっても、やっぱり読書マンガなんですよね!

 ……まあ、ちょっと書籍のチョイスが独特すぎるのが難点ですが。とにかく、読書とヤンキーの画期的すぎるマンガ『どくヤン!』。このムチャすぎるコンセプトで、果たしてどこまでいけるのか? 今後の展開が見逃せません。

(文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん <http://ablackleaf.com/>)

●Dモーニング http://d.morningmanga.jp/

●コミックDAYS https://comic-days.com/episode/10834108156683883577

まるで読書版『魁!!男塾』!? 『どくヤン! 』読書✕ヤンキーの画期的なコラボ! 

 もしも読書好きのヤンキーがいたら……いやいや、そんなことあるはずがない。本来ヤンキーと書物は相いれないものであり、本を読むヤンキーがいたらそれはヤンキーではなく、普通の学生なのだ――そんな偏見の目で見ていた時期が私にもありました。しかし、マンガの世界は時として、そんな先入観をいともたやすく崩壊させてしまう。そう、読書するヤンキーは確かに存在したのだ!!(ドギャーン)

 なぜか往年の水曜スペシャル『川口浩探検隊』風の出だしになってしまいましたが、今回は読書とヤンキーをカップリングさせたらとんでもないことになってしまったマンガ『どくヤン!』をご紹介します。

 本作は現在、「Dモーニング」で隔週連載中。講談社の6誌共同WEBサイト「コミックDAYS」でも読むことができます。

『どくヤン!』とは?

『どくヤン!』の舞台は、他校のヤンキーが恐れおののく筋金入りのヤンキーの巣窟「毘武輪凰(ビブリオ)高校」。ここは、あるひとつのルールさえ守れば、どんな不良生徒でも通うことができ、しかも学費は無料という魅力的な高校なのです。そのルールとは……

 

「読書」をすることなのです。つまり、ビブ高のヤンキーたちは皆、ヤンキーのくせに読書を愛するという、突然変異ヤンキー……これがすなわち『どくヤン!』なのです。

 すべてにおいて「読書」が優先されるビブ高ですから、その教育方針は相当変わっています。ある意味『魁!!男塾』(宮下あきら/ジャンプ・コミックス)よりも狂っています 。

 教育理念は「読書上等!」。なんでケンカ腰やねん。

 なんと、時間割はすべて読書! ……もはや時間割が存在する意味すらわからない。ビブ高がいかに尋常じゃないか、その片鱗がわかってもらえるかと思います。

 なんだかんだいっても筋金入りのヤンキー高ですので、校内には ヤンキーがやりがちな行動様式がはびこっています。

 ヤンキーが自分より弱い者に対して金を要求する行為といえば……そう「カツアゲ」ですよね。ただし、ビブ高のカツアゲは少々特殊です。

 金欠ならぬ「本欠」のヤンキーたちが「本」をカツアゲします。これが「ブッカツ」(ブックカツアゲ)です。自分の読んでいる本を奪われ、「てめーはフリーペーパーでも読んでな!」とケリを入れられる。いろんな意味で不条理です。

 そしてヤンキー的行為の代名詞といえばこれ!「アンパン」。袋に入れたシンナーを吸ってラリっちゃうやつ。今の若者には信じられないかもしれませんが、昭和の時代には「アンパン」やりすぎて前歯が溶けてなくなるヤンキーがたくさんいたんですよ!! そんなヤンキーの伝統芸能たる「アンパン」も、ビブ高流はちょっと違います。

 シンナーの代わりに、袋に入れた本の紙やインクの匂いを嗅ぐ……その名も、アンパンならぬ「本パン」。常習性があるため校則で禁止されている危険行為です……っていうか、本のインクって常習性あるんだ!! しかも、ビジュアル的にはこっちのがやべーよ。

 そこら中の壁にスプレーとかで落書きしちゃうのも、ヤンキーにありがちな習性ですよね。「喧嘩上等」とか「夜露死苦」とか。ビブ高にも当然あるにはあるんですが……

 自分の好きな作家名を壁にスプレーしちゃう。確かに「団鬼六」とか、すげー強そうだけども……。

 ビブ高のヤンキーたちにも派閥があります。当然ながら派閥同士によるケンカが毎日のように繰り広げられているわけですが、その派閥とは……

 主に好きな本のジャンルによって分けられています。SF小説ヤンキー、歴史小説ヤンキー、探偵小説ヤンキー、官能小説ヤンキー……

 レシピ本ヤンキー、ジュブナイルヤンキー、恐怖小説ヤンキーなんてものまでいます! バラエティに富みすぎてるだろ! あと個人的に、官能小説ヤンキーとレシピ本ヤンキーは、なんか認めたくない気がする 。

 数あるヤンキーの中でも私小説ヤンキーの獅翔雪太(ししょう・せつた)は、弱い者いじめが嫌いな正義感のある男です。私小説をこよなく愛す、人一倍傷つきやすいが、受けた苦痛は100倍にして返す男。あれ、もしかして……?

 うん、一瞬マトモな生徒なのかと思いましたが、やっぱりヤバイやつでした。

 ちなみに先ほどご紹介したレシピ本ヤンキーは、敵に襲われると、栗原はるみ本から潜在的凶暴性を引き出して闘います。

 ビブ高の生徒はヤンキーとはいえ、授業で読書ばかりしているので、文章を体で覚えてしまっているわけです。たとえば夏目漱石の『こころ』ぐらいなら、余裕で全員暗唱できます。

 いやいや、これってすごくないですか? もしかしたらビブ高の生徒たちって、実はメチャクチャ頭がいいんじゃないでしょうか……? しかし、そんなビブ高生たちが最も恐れる課題は、「ドッカン」と呼ばれる読書感想文でした。

 月1回の提出ができないと即退学となってしまうという厳しい課題なのですが、読書好きな上に、漱石が暗唱できるぐらいだから、そんなに恐れる必要なんかないのでは……?

 ところがどっこい! ビブ高の生徒たちは、本は読めても字が書けないという致命的な弱点があったのでした!! そこは頑張って書けるようにしておけよ……。

 そんな感じで毎回、読書をテーマにバイオレンスの限りが尽くされる読書版『魁!!男塾』ともいえる作品なのですが、ちゃんとラストでテーマになったお勧め書籍が紹介される構成になっています。なんだかんだいっても、やっぱり読書マンガなんですよね!

 ……まあ、ちょっと書籍のチョイスが独特すぎるのが難点ですが。とにかく、読書とヤンキーの画期的すぎるマンガ『どくヤン!』。このムチャすぎるコンセプトで、果たしてどこまでいけるのか? 今後の展開が見逃せません。

(文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん <http://ablackleaf.com/>)

●Dモーニング http://d.morningmanga.jp/

●コミックDAYS https://comic-days.com/episode/10834108156683883577

『埼玉の女子高生ってどう思いますか?』貧乳問題、十万石まんじゅう、しまむら……JKが地元をイジり倒す!

 原作マンガも映画も大ヒットした『翔んで埼玉』、皆さんはご覧になりましたでしょうか?(参照記事) あの作品のおかげで、埼玉県は事実上「イジってもいい県」第1位の座を獲得。次点となる群馬県や茨城県を大きく引き離し、その地位を不動のものにしたといえます。全然うれしくない地位かもしれませんが……。

 今回ご紹介するのは、埼玉に住む女子高生が地元埼玉をイジり倒し、それでいてあふれる埼玉愛も感じることができるという、一風変わったマンガ『埼玉の女子高生ってどう思いますか?』。まるで鋭利な刃物のように埼玉をディスる『翔んで埼玉』とは180度違ったほのぼの感、安心感のある埼玉イジりが堪能できます。

『埼玉の女子高生ってどう思いますか?』は渡邉ポポ先生による作品で、「コミックバンチ」で読むことができます。埼玉県行田市の仲良しJKトリオが、ゆるーいノリで埼玉に生まれ育った自分たちの境遇を嘆いたり、呪ったり、喜んだり、誇ったり……そして、東京に対する圧倒的な劣等感を抱いたりする作品です。

 メインとなる3人のJKはこんな感じです。

【白鳥小鳩】埼玉県行田市生まれ、貧乳でイモっぽいルックスの自分を嘆く、ややネガティブな性格。本人は気がついていないだけで、周りからは結構かわいいと思われている。東京に対する劣等感がスゴい。

【姫宮アグリ】埼玉県行田市生まれの小鳩の幼なじみ。同じく貧乳。実家が埼玉の由緒ある神社のため、巫女姿になったりもする。性格はサバサバしていて男っぽく、ポジティブ。いつも小鳩をフォローしてくれる友達思い。

【東上みなと】東京都港区赤坂出身で巨乳。埼玉に転校してきてまだ1カ月だが、埼玉になじもうとして一生懸命なJK。随所で都会っぽさが垣間見えるため「東京風吹かせてる」などと小鳩やアグリにイジられがち。

 本作の第1話目は、かなりの衝撃テーマ「埼玉貧乳問題」です。埼玉県といえば、いろいろな名産や観光地がある中で、最初に紹介するものが「貧乳」とはこれいかに。

 冒頭から、自分のルックスのイモっぽさと胸の貧しさを嘆く小鳩。そして、それらはすべて自分が埼玉県民だからではないかというのです。

 いやいや、それはいくらなんでも埼玉をディスりすぎだろ……と思うわけですが、実はまったく根拠のない話でもないのです。それがすなわち「埼玉貧乳問題」。

「埼玉貧乳問題」とは、全都道府県の胸のサイズを測定して平均のサイズを算出したところ、全国で埼玉県のみが平均Aカップだった――という、誰が得するのかよくわからない調査結果です。埼玉県は彩の国であり、貧乳の国でもあったのですね。

 小鳩とアグリはお互いに、埼玉女子として、貧乳でイモっぽいことを受け入れ、励まし合うのですが、そこに東上みなと(巨乳)が現れたため、変な空気に。しかし、東上はまだ東京から埼玉に来て1カ月だからルール破りの巨乳なのもしょうがない、という結論になります。

 そういう他愛のないJKの会話が延々続くマンガなのです。

 第2話目は、埼玉が誇る銘菓「十万石まんじゅう」が紹介されます。初めての十万石体験にルンルン気分の東上に対して、「学校帰りに十万石行くぐらいで…あんなにテンション上げられるかな?」と疑問を呈する小鳩。

 ここでも、地元の銘菓に対してネガティブなスタンスですね。

 十万石まんじゅうを目の前にして、ハイテンションな東上。まんじゅうを見て「かわいい!」って、なかなか出てこないセリフですよね。そう、十万石まんじゅうは都会出身のギャルにとってはかわいいのです! もしかしたら、タピオカの次は十万石が来るかも(来ません)。

 ちなみに、埼玉県民にとっては十万石まんじゅうの「うまい、うますぎる……」のテレビCMはなじみ深いものですが、実は埼玉ローカルのCMであることを知って驚愕する小鳩。ペヤングソースやきそばのCMが全国区だと思っていたら関東限定だったとか、タケモトピアノのCMが関西限定だったとか……ローカルCMあるあるですね。

 最近は東京でもよく見かけるようになった「ファッションセンターしまむら」ですが、実は埼玉が発祥なんです。第3話は、小鳩と中学生の妹・小鞠(こまり)が、しまむらでショッピングする話です。

 なんと、ラフォーレ原宿で売っているおしゃれスカートと似ているデザインの服が、しまむらなら3分の1の安心価格で手に入るのです。全埼玉女子の強い味方、それがしまむら。

 なんかちょっとバカにしているような気がしないでもないのですが、きっと気のせいですよね!!

「大宮!? これが!? 東京じゃなくて!?」

 行田のJK、小鳩にとっては、大宮は東京も同然の大都会。大宮のスケールのデカさに、いちいち圧倒されてしまうのです。そんなにスゴかったのか……大宮。

 そして、その大宮でスタバと並ぶおしゃれグルメスポット、クリスピー・クリーム・ドーナツに初チャレンジする小鳩たちですが……

 トングで選べない、ポンデがない……なんとかグレーズドとか注文するのが恥ずかしいということで注文できず、すっかり萎縮してしまいます。いや、ミスドに慣らされすぎだろ!

 そのほかにも、さきたま古墳群が「めざせ世界遺産!」(世界遺産だとは言ってない)だったり……

 スタバに行けないかわりに、「わたぼく」コーヒーミルクで妥協感のあるカフェタイムを過ごしたり……

 JKが他愛のない会話をしながら、軽く埼玉をディスって笑いを誘いつつ、気がついたら埼玉ならではの魅力をきっちり紹介しているという、実に見事な構成となっています。

 なんといっても、舞台が行田市というのが絶妙。ふつう埼玉といえば、大宮とか浦和とか所沢とかの都市をイメージしがちですが、そこまで知名度はなく、ほどほどに田舎っぽいけど生活に不便がない程度には栄えている、なんともいえないポジションなのが行田市。それがまた実にいい味出してます。

 そんな行田市には、名前と見た目のギャップがスゴいB級グルメ「ゼリーフライ」がありますし、お隣の鴻巣市にはピラミッドみたいなひな壇のインパクトがスゴい「びっくりひな祭り」とか、東松山市名物・豚肉の「やきとり」など、まだまだ紹介されてないツッコミどころのあるネタが存在しているので、今後の登場が期待されます。しみじみ、やっぱり埼玉っていいところかも、そんなふうに思わせてくれる作品です。

(文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん <http://ablackleaf.com/>)

●『埼玉の女子高生ってどう思いますか?』

http://www.comicbunch.com/manga/thu/saitama/

『埼玉の女子高生ってどう思いますか?』貧乳問題、十万石まんじゅう、しまむら……JKが地元をイジり倒す!

 原作マンガも映画も大ヒットした『翔んで埼玉』、皆さんはご覧になりましたでしょうか?(参照記事) あの作品のおかげで、埼玉県は事実上「イジってもいい県」第1位の座を獲得。次点となる群馬県や茨城県を大きく引き離し、その地位を不動のものにしたといえます。全然うれしくない地位かもしれませんが……。

 今回ご紹介するのは、埼玉に住む女子高生が地元埼玉をイジり倒し、それでいてあふれる埼玉愛も感じることができるという、一風変わったマンガ『埼玉の女子高生ってどう思いますか?』。まるで鋭利な刃物のように埼玉をディスる『翔んで埼玉』とは180度違ったほのぼの感、安心感のある埼玉イジりが堪能できます。

『埼玉の女子高生ってどう思いますか?』は渡邉ポポ先生による作品で、「コミックバンチ」で読むことができます。埼玉県行田市の仲良しJKトリオが、ゆるーいノリで埼玉に生まれ育った自分たちの境遇を嘆いたり、呪ったり、喜んだり、誇ったり……そして、東京に対する圧倒的な劣等感を抱いたりする作品です。

 メインとなる3人のJKはこんな感じです。

【白鳥小鳩】埼玉県行田市生まれ、貧乳でイモっぽいルックスの自分を嘆く、ややネガティブな性格。本人は気がついていないだけで、周りからは結構かわいいと思われている。東京に対する劣等感がスゴい。

【姫宮アグリ】埼玉県行田市生まれの小鳩の幼なじみ。同じく貧乳。実家が埼玉の由緒ある神社のため、巫女姿になったりもする。性格はサバサバしていて男っぽく、ポジティブ。いつも小鳩をフォローしてくれる友達思い。

【東上みなと】東京都港区赤坂出身で巨乳。埼玉に転校してきてまだ1カ月だが、埼玉になじもうとして一生懸命なJK。随所で都会っぽさが垣間見えるため「東京風吹かせてる」などと小鳩やアグリにイジられがち。

 本作の第1話目は、かなりの衝撃テーマ「埼玉貧乳問題」です。埼玉県といえば、いろいろな名産や観光地がある中で、最初に紹介するものが「貧乳」とはこれいかに。

 冒頭から、自分のルックスのイモっぽさと胸の貧しさを嘆く小鳩。そして、それらはすべて自分が埼玉県民だからではないかというのです。

 いやいや、それはいくらなんでも埼玉をディスりすぎだろ……と思うわけですが、実はまったく根拠のない話でもないのです。それがすなわち「埼玉貧乳問題」。

「埼玉貧乳問題」とは、全都道府県の胸のサイズを測定して平均のサイズを算出したところ、全国で埼玉県のみが平均Aカップだった――という、誰が得するのかよくわからない調査結果です。埼玉県は彩の国であり、貧乳の国でもあったのですね。

 小鳩とアグリはお互いに、埼玉女子として、貧乳でイモっぽいことを受け入れ、励まし合うのですが、そこに東上みなと(巨乳)が現れたため、変な空気に。しかし、東上はまだ東京から埼玉に来て1カ月だからルール破りの巨乳なのもしょうがない、という結論になります。

 そういう他愛のないJKの会話が延々続くマンガなのです。

 第2話目は、埼玉が誇る銘菓「十万石まんじゅう」が紹介されます。初めての十万石体験にルンルン気分の東上に対して、「学校帰りに十万石行くぐらいで…あんなにテンション上げられるかな?」と疑問を呈する小鳩。

 ここでも、地元の銘菓に対してネガティブなスタンスですね。

 十万石まんじゅうを目の前にして、ハイテンションな東上。まんじゅうを見て「かわいい!」って、なかなか出てこないセリフですよね。そう、十万石まんじゅうは都会出身のギャルにとってはかわいいのです! もしかしたら、タピオカの次は十万石が来るかも(来ません)。

 ちなみに、埼玉県民にとっては十万石まんじゅうの「うまい、うますぎる……」のテレビCMはなじみ深いものですが、実は埼玉ローカルのCMであることを知って驚愕する小鳩。ペヤングソースやきそばのCMが全国区だと思っていたら関東限定だったとか、タケモトピアノのCMが関西限定だったとか……ローカルCMあるあるですね。

 最近は東京でもよく見かけるようになった「ファッションセンターしまむら」ですが、実は埼玉が発祥なんです。第3話は、小鳩と中学生の妹・小鞠(こまり)が、しまむらでショッピングする話です。

 なんと、ラフォーレ原宿で売っているおしゃれスカートと似ているデザインの服が、しまむらなら3分の1の安心価格で手に入るのです。全埼玉女子の強い味方、それがしまむら。

 なんかちょっとバカにしているような気がしないでもないのですが、きっと気のせいですよね!!

「大宮!? これが!? 東京じゃなくて!?」

 行田のJK、小鳩にとっては、大宮は東京も同然の大都会。大宮のスケールのデカさに、いちいち圧倒されてしまうのです。そんなにスゴかったのか……大宮。

 そして、その大宮でスタバと並ぶおしゃれグルメスポット、クリスピー・クリーム・ドーナツに初チャレンジする小鳩たちですが……

 トングで選べない、ポンデがない……なんとかグレーズドとか注文するのが恥ずかしいということで注文できず、すっかり萎縮してしまいます。いや、ミスドに慣らされすぎだろ!

 そのほかにも、さきたま古墳群が「めざせ世界遺産!」(世界遺産だとは言ってない)だったり……

 スタバに行けないかわりに、「わたぼく」コーヒーミルクで妥協感のあるカフェタイムを過ごしたり……

 JKが他愛のない会話をしながら、軽く埼玉をディスって笑いを誘いつつ、気がついたら埼玉ならではの魅力をきっちり紹介しているという、実に見事な構成となっています。

 なんといっても、舞台が行田市というのが絶妙。ふつう埼玉といえば、大宮とか浦和とか所沢とかの都市をイメージしがちですが、そこまで知名度はなく、ほどほどに田舎っぽいけど生活に不便がない程度には栄えている、なんともいえないポジションなのが行田市。それがまた実にいい味出してます。

 そんな行田市には、名前と見た目のギャップがスゴいB級グルメ「ゼリーフライ」がありますし、お隣の鴻巣市にはピラミッドみたいなひな壇のインパクトがスゴい「びっくりひな祭り」とか、東松山市名物・豚肉の「やきとり」など、まだまだ紹介されてないツッコミどころのあるネタが存在しているので、今後の登場が期待されます。しみじみ、やっぱり埼玉っていいところかも、そんなふうに思わせてくれる作品です。

(文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん <http://ablackleaf.com/>)

●『埼玉の女子高生ってどう思いますか?』

http://www.comicbunch.com/manga/thu/saitama/

『埼玉の女子高生ってどう思いますか?』貧乳問題、十万石まんじゅう、しまむら……JKが地元をイジり倒す!

 原作マンガも映画も大ヒットした『翔んで埼玉』、皆さんはご覧になりましたでしょうか?(参照記事) あの作品のおかげで、埼玉県は事実上「イジってもいい県」第1位の座を獲得。次点となる群馬県や茨城県を大きく引き離し、その地位を不動のものにしたといえます。全然うれしくない地位かもしれませんが……。

 今回ご紹介するのは、埼玉に住む女子高生が地元埼玉をイジり倒し、それでいてあふれる埼玉愛も感じることができるという、一風変わったマンガ『埼玉の女子高生ってどう思いますか?』。まるで鋭利な刃物のように埼玉をディスる『翔んで埼玉』とは180度違ったほのぼの感、安心感のある埼玉イジりが堪能できます。

『埼玉の女子高生ってどう思いますか?』は渡邉ポポ先生による作品で、「コミックバンチ」で読むことができます。埼玉県行田市の仲良しJKトリオが、ゆるーいノリで埼玉に生まれ育った自分たちの境遇を嘆いたり、呪ったり、喜んだり、誇ったり……そして、東京に対する圧倒的な劣等感を抱いたりする作品です。

 メインとなる3人のJKはこんな感じです。

【白鳥小鳩】埼玉県行田市生まれ、貧乳でイモっぽいルックスの自分を嘆く、ややネガティブな性格。本人は気がついていないだけで、周りからは結構かわいいと思われている。東京に対する劣等感がスゴい。

【姫宮アグリ】埼玉県行田市生まれの小鳩の幼なじみ。同じく貧乳。実家が埼玉の由緒ある神社のため、巫女姿になったりもする。性格はサバサバしていて男っぽく、ポジティブ。いつも小鳩をフォローしてくれる友達思い。

【東上みなと】東京都港区赤坂出身で巨乳。埼玉に転校してきてまだ1カ月だが、埼玉になじもうとして一生懸命なJK。随所で都会っぽさが垣間見えるため「東京風吹かせてる」などと小鳩やアグリにイジられがち。

 本作の第1話目は、かなりの衝撃テーマ「埼玉貧乳問題」です。埼玉県といえば、いろいろな名産や観光地がある中で、最初に紹介するものが「貧乳」とはこれいかに。

 冒頭から、自分のルックスのイモっぽさと胸の貧しさを嘆く小鳩。そして、それらはすべて自分が埼玉県民だからではないかというのです。

 いやいや、それはいくらなんでも埼玉をディスりすぎだろ……と思うわけですが、実はまったく根拠のない話でもないのです。それがすなわち「埼玉貧乳問題」。

「埼玉貧乳問題」とは、全都道府県の胸のサイズを測定して平均のサイズを算出したところ、全国で埼玉県のみが平均Aカップだった――という、誰が得するのかよくわからない調査結果です。埼玉県は彩の国であり、貧乳の国でもあったのですね。

 小鳩とアグリはお互いに、埼玉女子として、貧乳でイモっぽいことを受け入れ、励まし合うのですが、そこに東上みなと(巨乳)が現れたため、変な空気に。しかし、東上はまだ東京から埼玉に来て1カ月だからルール破りの巨乳なのもしょうがない、という結論になります。

 そういう他愛のないJKの会話が延々続くマンガなのです。

 第2話目は、埼玉が誇る銘菓「十万石まんじゅう」が紹介されます。初めての十万石体験にルンルン気分の東上に対して、「学校帰りに十万石行くぐらいで…あんなにテンション上げられるかな?」と疑問を呈する小鳩。

 ここでも、地元の銘菓に対してネガティブなスタンスですね。

 十万石まんじゅうを目の前にして、ハイテンションな東上。まんじゅうを見て「かわいい!」って、なかなか出てこないセリフですよね。そう、十万石まんじゅうは都会出身のギャルにとってはかわいいのです! もしかしたら、タピオカの次は十万石が来るかも(来ません)。

 ちなみに、埼玉県民にとっては十万石まんじゅうの「うまい、うますぎる……」のテレビCMはなじみ深いものですが、実は埼玉ローカルのCMであることを知って驚愕する小鳩。ペヤングソースやきそばのCMが全国区だと思っていたら関東限定だったとか、タケモトピアノのCMが関西限定だったとか……ローカルCMあるあるですね。

 最近は東京でもよく見かけるようになった「ファッションセンターしまむら」ですが、実は埼玉が発祥なんです。第3話は、小鳩と中学生の妹・小鞠(こまり)が、しまむらでショッピングする話です。

 なんと、ラフォーレ原宿で売っているおしゃれスカートと似ているデザインの服が、しまむらなら3分の1の安心価格で手に入るのです。全埼玉女子の強い味方、それがしまむら。

 なんかちょっとバカにしているような気がしないでもないのですが、きっと気のせいですよね!!

「大宮!? これが!? 東京じゃなくて!?」

 行田のJK、小鳩にとっては、大宮は東京も同然の大都会。大宮のスケールのデカさに、いちいち圧倒されてしまうのです。そんなにスゴかったのか……大宮。

 そして、その大宮でスタバと並ぶおしゃれグルメスポット、クリスピー・クリーム・ドーナツに初チャレンジする小鳩たちですが……

 トングで選べない、ポンデがない……なんとかグレーズドとか注文するのが恥ずかしいということで注文できず、すっかり萎縮してしまいます。いや、ミスドに慣らされすぎだろ!

 そのほかにも、さきたま古墳群が「めざせ世界遺産!」(世界遺産だとは言ってない)だったり……

 スタバに行けないかわりに、「わたぼく」コーヒーミルクで妥協感のあるカフェタイムを過ごしたり……

 JKが他愛のない会話をしながら、軽く埼玉をディスって笑いを誘いつつ、気がついたら埼玉ならではの魅力をきっちり紹介しているという、実に見事な構成となっています。

 なんといっても、舞台が行田市というのが絶妙。ふつう埼玉といえば、大宮とか浦和とか所沢とかの都市をイメージしがちですが、そこまで知名度はなく、ほどほどに田舎っぽいけど生活に不便がない程度には栄えている、なんともいえないポジションなのが行田市。それがまた実にいい味出してます。

 そんな行田市には、名前と見た目のギャップがスゴいB級グルメ「ゼリーフライ」がありますし、お隣の鴻巣市にはピラミッドみたいなひな壇のインパクトがスゴい「びっくりひな祭り」とか、東松山市名物・豚肉の「やきとり」など、まだまだ紹介されてないツッコミどころのあるネタが存在しているので、今後の登場が期待されます。しみじみ、やっぱり埼玉っていいところかも、そんなふうに思わせてくれる作品です。

(文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん <http://ablackleaf.com/>)

●『埼玉の女子高生ってどう思いますか?』

http://www.comicbunch.com/manga/thu/saitama/

世界が認めた「こんまりメソッド」をサクッと学ぶ『マンガで読む 人生がときめく片づけの魔法』

 先日、片づけコンサルタントの「こんまり」こと近藤麻理恵さんが世界中でブレーク中だというネットニュースが流れてきて驚かされました。2016年ごろ、すでにこんまりさんの著書は全米ベストセラーとなっていましたが、今回はなんとNetflixのリアリティー番組『KonMari~人生がときめく片づけの魔法~』が社会現象を巻き起こすほどヒットしているのだとか。

 こんまりさんの決めフレーズである「ときめき」を英訳した「SPARK JOY」が流行語になったり、片づけを表す動詞として「Kondo-ing」とか「Konmari」などと言われているという話まで聞きます。まるで「ググる」みたいな使われ方ですね。テニスの大坂なおみ選手、そしてこんまりさん、アメリカンドリームを体現する日本人女性が次々と登場する、すごい時代になったもんです。

 で、これだけ話題になると、片づけできない男子日本代表のような存在の僕でも、気になってくるじゃないですか。世界がときめく「こんまりメソッド」ってやつが。実はそんな僕らにまさしくピッタリな『マンガで読む 人生がときめく片づけの魔法』(サンマーク出版)という本があるんです!

 本書はマンガというだけあって、ストーリー仕立てになっており、めちゃくちゃ読みやすいです。

 主人公は29歳の独身OL・鈴木千秋。仕事ができるキャリアウーマンで、彼氏なしだけど、惚れっぽい性格で元カレは多数。ただし、とにかく片づけられない女子で、すさまじい汚部屋に住んでいるんです。

 ある日、隣の部屋に住んでいるイケメン(カフェ店員)が訪問してきた際、汚部屋を目撃されてしまい「ありえない……」と、ドン引きされる始末。しかも、訪問理由が「ベランダに放置されているゴミが臭うので、片づけてほしい」と注意するためだったというのですから、これはかなりやばいレベルの汚女子ですね。

 イケメンにドン引きされ、さすがに危機感を感じた千秋嬢が「片づけ」をネットで検索して出てきたのが、片づけコンサルタントの近藤麻理恵さんだったのです。

 というわけで、千秋嬢がこんまりさんに片づけレッスンを受け、部屋が超キレイになっていき、ついでに人生も上向きになるというサクセスストーリーなのですが、やっぱり気になるのは作中で描かれている片づけの魔法「こんまりメソッド」ですよね。全米を驚愕させた「こんまりメソッド」のすごさを、少し紹介してみたいと思います。

■こんまりメソッドは「リバウンドゼロ!」

 こんまりさんのレッスンを受けると、片づけの方法だけでなく意識改革までされるので、一度きれいになった部屋はリバウンドせず、きれいなままを維持できるのです! マジか! 自分、ダイエットでは何回もリバウンドしてるんですが、大丈夫なんですかね?

 

■新しい収納グッズを買っても片づけは解決しない

 こんまりさんは、物を増やすことにとても厳しいお方です。片づけのために新しい収納グッズを買おうとすると、怒られてしまいます。家に備わっている収納を最大限に活用し、シンプルさを追求すべし!

 

■捨てるものは家中から1カ所に集める

 こんまりさんによれば、一番捨てやすいのが「洋服」ということで、まずは家中すべての「洋服」を1カ所に集めることから始まります。自分がどれだけ無駄にモノを持っていたかを実感するために、1カ所に集めるのが有効なんだそうです。

 

■基準は「ときめく」かどうか

 こんまりさんの決めフレーズといえば、なんといっても「ときめき」です。それにしても今どき「ときめき」なんて、なかなか言いませんよね。『ときめきトゥナイト』とか『ときめきメモリアル』ぐらいでしか使われているのを見たことがないです。このちょっと少女マンガチックな概念を片づけに導入してしまう、という大胆さが、こんまりさんのすごさなのかもしれません。

 とにかく、洋服を一つ一つ触ってみて、ときめくかどうかで捨てるかどうかを決めるのです。もちろん、ときめかない服は部屋着に降格……などという発想はモノが減らせないのでNG。

「断言します! 外出着から降格させた部屋着は……十中八九着ません!」

だそうです。確かに、そうかもしれん……。

 また、いらない物を捨てる時にそれを抱きしめて「今までありがとう」とお礼を言いながら捨てるというのもユニークなところ。要所要所でこういうスピリチュアルなアクションを取り入れてるあたりに、海外ウケのよさの秘密がありそうです。

 

■洋服はハンガーにかけるより、たたむと威力が4倍に

 そのほか、こんまりメソッドで有名なのが、シャツやスカート、ズボンなどを小さな正方形に折りたたんで、しかもそれを直立させてコンパクトに収納するところ。Netflixではアメリカ人がこれを見て、「ワオ!」とか言ってびっくりしてました。

 ところで、みなさんはハンガーなどにかける収納と、たたむ収納、どちらをしていますか? シワになりにくい「かける収納」の方を選ぶ人が多いのではないでしょうか?

 ここでも、こんまりさんの持論が炸裂。

「それはたたむことの本当の威力を知らないのです!」

「正しくたためば、かける収納の2倍から4倍!」

 とにかく、洋服をたたむことについて熱く語ります。それにしても「たたむことの本当の威力」って、すごいパワーワードですよね。

■本は表紙を触って「ときめき」で選ぶ

 次の捨てるテーマは「本」。本も選ぶ基準は「ときめき」です。本の場合は、一冊一冊読み始めると捨てられなくなるので、ページをめくらずに表紙を触っただけで判断します。なんという大胆な割り切りでしょうか。

 さらに原則、「未読の本はすべて捨てる」というポリシーも画期的。いつか読むつもりで放っておかれている未読の本を読む「いつか」は永遠に来ない、本当に縁がある本であれば、再び自分の前にやってくる――というのが、こんまりメソッドなのです。確かに一理あるかもしれませんが、これは積ん読マンたちへの死刑宣告に等しいですね。

 

■思い出品は一番難易度が高い

 こんまりさんによれば「思い出品」は一番難易度が高いため、洋服や本などが捨て終わり、一番「ときめき感度」が上がっている時に手を付けるのがよいとのこと。

 特に写真、ぬいぐるみなどで「目」がこちらに向いていて視線を感じさせるようなものは捨てるのに躊躇してしまいがちなので、その場合は布で覆ったり、透けない紙袋に入れたりすると捨てやすいとか。供養するような気持ちで粗塩を振ってみてもよい、なんてアドバイスも。除霊か! これまた外国人ウケしそうなスピリチュアルなメソッドですよね。

 結局、本書の主人公、千秋嬢も部屋がキレイになって、仕事もうまくいって人生上向き。隣のイケメンともいい雰囲気になり、新しい恋へ発展……みたいな感じのハッピーエンド。まさしく片づけは人生を変えてしまうのです。

 ちなみに、Netflixの『KonMari~人生がときめく片づけの魔法~』もチェックしたところ、依頼人のアメリカ人が「ワオ!」とか言ったり、夫婦ゲンカが始まったり、号泣したり、こんまりさんのメイクが日本にいる時より濃くなっていたりと、過剰なまでの演出がされていて面白いのですが、肝心の片づけ方は全然マスターできませんでした。どう考えてもマンガ版のほうが実践的でわかりやすいので、すぐにでも「SPARK JOY」してみたい人には、この『マンガで読む 人生がときめく片づけの魔法』がおすすめです。

(文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん <http://ablackleaf.com/>)

◆「ザオリク的マンガ読み」過去記事はこちらから

世界が認めた「こんまりメソッド」をサクッと学ぶ『マンガで読む 人生がときめく片づけの魔法』

 先日、片づけコンサルタントの「こんまり」こと近藤麻理恵さんが世界中でブレーク中だというネットニュースが流れてきて驚かされました。2016年ごろ、すでにこんまりさんの著書は全米ベストセラーとなっていましたが、今回はなんとNetflixのリアリティー番組『KonMari~人生がときめく片づけの魔法~』が社会現象を巻き起こすほどヒットしているのだとか。

 こんまりさんの決めフレーズである「ときめき」を英訳した「SPARK JOY」が流行語になったり、片づけを表す動詞として「Kondo-ing」とか「Konmari」などと言われているという話まで聞きます。まるで「ググる」みたいな使われ方ですね。テニスの大坂なおみ選手、そしてこんまりさん、アメリカンドリームを体現する日本人女性が次々と登場する、すごい時代になったもんです。

 で、これだけ話題になると、片づけできない男子日本代表のような存在の僕でも、気になってくるじゃないですか。世界がときめく「こんまりメソッド」ってやつが。実はそんな僕らにまさしくピッタリな『マンガで読む 人生がときめく片づけの魔法』(サンマーク出版)という本があるんです!

 本書はマンガというだけあって、ストーリー仕立てになっており、めちゃくちゃ読みやすいです。

 主人公は29歳の独身OL・鈴木千秋。仕事ができるキャリアウーマンで、彼氏なしだけど、惚れっぽい性格で元カレは多数。ただし、とにかく片づけられない女子で、すさまじい汚部屋に住んでいるんです。

 ある日、隣の部屋に住んでいるイケメン(カフェ店員)が訪問してきた際、汚部屋を目撃されてしまい「ありえない……」と、ドン引きされる始末。しかも、訪問理由が「ベランダに放置されているゴミが臭うので、片づけてほしい」と注意するためだったというのですから、これはかなりやばいレベルの汚女子ですね。

 イケメンにドン引きされ、さすがに危機感を感じた千秋嬢が「片づけ」をネットで検索して出てきたのが、片づけコンサルタントの近藤麻理恵さんだったのです。

 というわけで、千秋嬢がこんまりさんに片づけレッスンを受け、部屋が超キレイになっていき、ついでに人生も上向きになるというサクセスストーリーなのですが、やっぱり気になるのは作中で描かれている片づけの魔法「こんまりメソッド」ですよね。全米を驚愕させた「こんまりメソッド」のすごさを、少し紹介してみたいと思います。

■こんまりメソッドは「リバウンドゼロ!」

 こんまりさんのレッスンを受けると、片づけの方法だけでなく意識改革までされるので、一度きれいになった部屋はリバウンドせず、きれいなままを維持できるのです! マジか! 自分、ダイエットでは何回もリバウンドしてるんですが、大丈夫なんですかね?

 

■新しい収納グッズを買っても片づけは解決しない

 こんまりさんは、物を増やすことにとても厳しいお方です。片づけのために新しい収納グッズを買おうとすると、怒られてしまいます。家に備わっている収納を最大限に活用し、シンプルさを追求すべし!

 

■捨てるものは家中から1カ所に集める

 こんまりさんによれば、一番捨てやすいのが「洋服」ということで、まずは家中すべての「洋服」を1カ所に集めることから始まります。自分がどれだけ無駄にモノを持っていたかを実感するために、1カ所に集めるのが有効なんだそうです。

 

■基準は「ときめく」かどうか

 こんまりさんの決めフレーズといえば、なんといっても「ときめき」です。それにしても今どき「ときめき」なんて、なかなか言いませんよね。『ときめきトゥナイト』とか『ときめきメモリアル』ぐらいでしか使われているのを見たことがないです。このちょっと少女マンガチックな概念を片づけに導入してしまう、という大胆さが、こんまりさんのすごさなのかもしれません。

 とにかく、洋服を一つ一つ触ってみて、ときめくかどうかで捨てるかどうかを決めるのです。もちろん、ときめかない服は部屋着に降格……などという発想はモノが減らせないのでNG。

「断言します! 外出着から降格させた部屋着は……十中八九着ません!」

だそうです。確かに、そうかもしれん……。

 また、いらない物を捨てる時にそれを抱きしめて「今までありがとう」とお礼を言いながら捨てるというのもユニークなところ。要所要所でこういうスピリチュアルなアクションを取り入れてるあたりに、海外ウケのよさの秘密がありそうです。

 

■洋服はハンガーにかけるより、たたむと威力が4倍に

 そのほか、こんまりメソッドで有名なのが、シャツやスカート、ズボンなどを小さな正方形に折りたたんで、しかもそれを直立させてコンパクトに収納するところ。Netflixではアメリカ人がこれを見て、「ワオ!」とか言ってびっくりしてました。

 ところで、みなさんはハンガーなどにかける収納と、たたむ収納、どちらをしていますか? シワになりにくい「かける収納」の方を選ぶ人が多いのではないでしょうか?

 ここでも、こんまりさんの持論が炸裂。

「それはたたむことの本当の威力を知らないのです!」

「正しくたためば、かける収納の2倍から4倍!」

 とにかく、洋服をたたむことについて熱く語ります。それにしても「たたむことの本当の威力」って、すごいパワーワードですよね。

■本は表紙を触って「ときめき」で選ぶ

 次の捨てるテーマは「本」。本も選ぶ基準は「ときめき」です。本の場合は、一冊一冊読み始めると捨てられなくなるので、ページをめくらずに表紙を触っただけで判断します。なんという大胆な割り切りでしょうか。

 さらに原則、「未読の本はすべて捨てる」というポリシーも画期的。いつか読むつもりで放っておかれている未読の本を読む「いつか」は永遠に来ない、本当に縁がある本であれば、再び自分の前にやってくる――というのが、こんまりメソッドなのです。確かに一理あるかもしれませんが、これは積ん読マンたちへの死刑宣告に等しいですね。

 

■思い出品は一番難易度が高い

 こんまりさんによれば「思い出品」は一番難易度が高いため、洋服や本などが捨て終わり、一番「ときめき感度」が上がっている時に手を付けるのがよいとのこと。

 特に写真、ぬいぐるみなどで「目」がこちらに向いていて視線を感じさせるようなものは捨てるのに躊躇してしまいがちなので、その場合は布で覆ったり、透けない紙袋に入れたりすると捨てやすいとか。供養するような気持ちで粗塩を振ってみてもよい、なんてアドバイスも。除霊か! これまた外国人ウケしそうなスピリチュアルなメソッドですよね。

 結局、本書の主人公、千秋嬢も部屋がキレイになって、仕事もうまくいって人生上向き。隣のイケメンともいい雰囲気になり、新しい恋へ発展……みたいな感じのハッピーエンド。まさしく片づけは人生を変えてしまうのです。

 ちなみに、Netflixの『KonMari~人生がときめく片づけの魔法~』もチェックしたところ、依頼人のアメリカ人が「ワオ!」とか言ったり、夫婦ゲンカが始まったり、号泣したり、こんまりさんのメイクが日本にいる時より濃くなっていたりと、過剰なまでの演出がされていて面白いのですが、肝心の片づけ方は全然マスターできませんでした。どう考えてもマンガ版のほうが実践的でわかりやすいので、すぐにでも「SPARK JOY」してみたい人には、この『マンガで読む 人生がときめく片づけの魔法』がおすすめです。

(文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん <http://ablackleaf.com/>)

◆「ザオリク的マンガ読み」過去記事はこちらから