全国のオタクが心配中? 同人ショップ「とらのあな」の閉店が相次ぐ本当の理由

生活をもっと楽しく刺激的に。 オトナライフより】

マンガやアニメのファンが自身の作品愛をかたちにする同人グッズ。マンガ形式の同人誌や様々なアイテムが存在し、「コミックマーケット」のよう…

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『SSSS.GRIDMAN』同人誌の書店販売にストップ! だから、二次創作はグレーじゃなくてブラックなんだってば

 コミックマーケットを前に、二次創作の抱える根本的な問題が明らかになり、ひと騒動起きた。2018年の人気アニメ『SSSS.GRIDMAN』の同人誌に対して、公式サイドが書店委託を認めないことが明確になったのだ。

 このことが判明したのは12月25日の同人誌書店・メロンブックスの告知だ。

 メロンブックスは「版権元様より弊社での取り扱いを停止するよう、ご要望を頂きました」として『SSSS.GRIDMAN』の同人誌は取り扱わないことを告知した。同業のとらのあなのサイトも検索してみたが、27日時点で検索にヒットするのは説明文に「グリッドマン絵もあります」と書かれている同人誌が一点だけ。

 メロンブックスに限らず、同人誌書店は、取り扱わないよう足並みを揃えているようだ。

『SSSS.GRIDMAN』をめぐっては、すでに10月に抱き枕の販売を告知していた同人誌サークルが、権利者からの申し立てを受けて販売を中止。「ファンティア」「pixivFANBOX」にも同様の申し立てがあり、イラストが消滅し、騒動となっていた。

 こうした中、同作の製作委員会では二次創作のガイドラインを告知。ここでは「営利目的・商業目的での商品製作、頒布など、同人活動の範疇を超えていると判断したものは、販売差し止めなどの対応を行う場合があります」としている。

 いまや多くが「お目こぼし」を受けている中で安心感にあふれているが、二次創作はグレーではなくブラック。権利者から訴えられたら、まず勝ち目はない。

 とはいえ、なんとなく二次創作を通じてファンも増えるという印象があるために、多くの作品では「お目こぼし」をされてきた。とはいえ、同人誌即売会の会場だけでなく同人誌書店で頒布するとなれば、完全な商業活動。むしろ、そこまで大々的に人のふんどしで商売をして、怒られなかったほうが奇妙だったといえるだろう。

 現状『SSSS.GRIDMAN』に関しては、会場で頒布する同人誌にはストップがかかっていない。その点、製作委員会はむしろ譲歩しているといえる。

 この騒動は、同人誌における二次創作の立場を改めて知らしめることになりそうだ。
(文=是枝了以)

『SSSS.GRIDMAN』同人誌の書店販売にストップ! だから、二次創作はグレーじゃなくてブラックなんだってば

 コミックマーケットを前に、二次創作の抱える根本的な問題が明らかになり、ひと騒動起きた。2018年の人気アニメ『SSSS.GRIDMAN』の同人誌に対して、公式サイドが書店委託を認めないことが明確になったのだ。

 このことが判明したのは12月25日の同人誌書店・メロンブックスの告知だ。

 メロンブックスは「版権元様より弊社での取り扱いを停止するよう、ご要望を頂きました」として『SSSS.GRIDMAN』の同人誌は取り扱わないことを告知した。同業のとらのあなのサイトも検索してみたが、27日時点で検索にヒットするのは説明文に「グリッドマン絵もあります」と書かれている同人誌が一点だけ。

 メロンブックスに限らず、同人誌書店は、取り扱わないよう足並みを揃えているようだ。

『SSSS.GRIDMAN』をめぐっては、すでに10月に抱き枕の販売を告知していた同人誌サークルが、権利者からの申し立てを受けて販売を中止。「ファンティア」「pixivFANBOX」にも同様の申し立てがあり、イラストが消滅し、騒動となっていた。

 こうした中、同作の製作委員会では二次創作のガイドラインを告知。ここでは「営利目的・商業目的での商品製作、頒布など、同人活動の範疇を超えていると判断したものは、販売差し止めなどの対応を行う場合があります」としている。

 いまや多くが「お目こぼし」を受けている中で安心感にあふれているが、二次創作はグレーではなくブラック。権利者から訴えられたら、まず勝ち目はない。

 とはいえ、なんとなく二次創作を通じてファンも増えるという印象があるために、多くの作品では「お目こぼし」をされてきた。とはいえ、同人誌即売会の会場だけでなく同人誌書店で頒布するとなれば、完全な商業活動。むしろ、そこまで大々的に人のふんどしで商売をして、怒られなかったほうが奇妙だったといえるだろう。

 現状『SSSS.GRIDMAN』に関しては、会場で頒布する同人誌にはストップがかかっていない。その点、製作委員会はむしろ譲歩しているといえる。

 この騒動は、同人誌における二次創作の立場を改めて知らしめることになりそうだ。
(文=是枝了以)

オタク議員・荻野稔大田区議が辞職へ「一度、けじめをつけます」「もし、お許しいただけるならもう一度応援をいただきたい」

 年の瀬に、大変なニュースが飛び込んできた。コミケにサークル参加したり、コスプレを用いた町おこしなどで「オタク議員」として知られている東京都大田区の荻野稔大田区議会議員が、年末をもって議員辞職を決めたというのだ。

 さっそく本人を突撃した筆者に、荻野区議は「年末付けで、議員を辞職するための辞職願を区議会議長に提出済みです。年末年始を挟むため、正式には手続きも発表も年明けになってしまいますが……」と明かす。

 辞職のきっかけとなったのは、世間の注目を集めた10月の事件が原因だ。

 すでに報道されているように、荻野区議の銀行口座が振り込め詐欺に利用されていたことが発覚。しかも、口座を譲渡した容疑で任意聴取を受けるに至ったのである。

 記者会見での説明などによれば、荻野区議は親族や周囲からのたび重なる金の無心に悩み、ネットで見つけた金融業者に連絡。その業者から「キャッシュカードを送れば、口座に現金を入金して送り返す」と指示され、自身の持つ信用金庫のカードを郵送した。

 その後、この業者と連絡が取れなくなったことから、荻野区議はすぐに口座を停止した。だが、すでに口座は振り込め詐欺に利用され、大阪府堺市の女性が200万円をだまし取られる被害に遭ってしまったのだ。これ自体は、公人としてあまりにも脇が甘い行為。その件に触れたところ、荻野区議は改めて謝罪の言葉を口にした。

「本当に申し訳ございませんでした。記者会見でも述べましたが、自身の愚かさ、未熟さゆえの過ちです……」

 荻野区議は、記者会見で自らの無知が原因で口座の不正譲渡を行ってしまったことを謝罪。自身に直接の責任はないものの、被害者女性に直接、被害額200万円の全額を弁償している。

 被害者にも弁償をしたことで、すでに反省の意は示しているはずなのに、ここにきて辞職を決意した理由はなにか。荻野区議は語る。

「来年4月には大田区議会議員選挙があります。現状では、自身のけじめをつけているとはいえない。有権者の方から見ても、その後、どうなったのかわからない中途半端な状態に見えると思います。一度、議員辞職という形で責任を取り、その上で区民のみなさんに判断していただく必要があると考えました」

 荻野区議は、記者会見と謹慎を経て、今後とも区議会議員としての任期を全うしたいと語っていた。にもかかわらず、このタイミングで辞職を決めたことをどう考えているのか。そのことを問うと、荻野区議は言葉を詰まらせた。

「私自身、悩んだのですが……やはり、けじめを……」

 実のところ、いまだに所属する日本維新の会からは党員資格が停止されたまま。さらに、事件の捜査についても、いまだ書類送検にも至っていないことも、荻野区議にとっての枷になっている。

「このまま、歯にものが挟まった状態で、事件についても止まったままで、またみなさまの代表をやらせてくださいというのも、誠意がないと思います。何より、今のまま区議会にいても議員としての活動や情報発信が難しく、みなさまから期待された活動もできない。出席してお給料をもらうだけになってしまう。そういった状況でズルズル続けてしまうよりも……と考えて、辞職願を提出しました。責任を取り、信託をいただけるなら、もう一度挑戦させていただきたいと思っています」

 事件の発覚以来、荻野区議は苦悩の日々を送ってきた。これまでの支援者の中には、突然、音信不通になる者もいた。だが、一方で事務所を訪ねてくれる人も後を絶たなかった。

「地域の方々には暖かい言葉もかけていただきました。また、年上の方々からは人生のアドバイスも多くいただきました。今回の事件は、身の丈に合わないことをやっていた自分の不始末だと思っています。地元の方からの『あなたは生き急ぎすぎだ』という言葉は身に染みました」

 だが、事件によって信頼を失ったことは事実。さらに辞職してしまっては、次回の区議選は苦しいものになるのではないか……。

「どんな形であれ、選挙は優しいものではありません。ここまで追い込まれてしまったのだから、必死にやるしかないと思っています。言葉を尽くして、信頼を取り戻そうと思っています」

 幾度も反省の言葉を口にしながらも、再出発に駆ける意志を語った荻野区議。31日のコミックマーケットには、予定通りサークル参加する予定だという。
(文=昼間たかし)

 

豊洲市場開場から初の「コミックマーケット」へ……ゆりかもめの“混雑対策”は、大丈夫か?

 さあ、いよいよ冬コミである。

 今回、会場の配置変更など、さまざまな「前とは違う」が見られるコミックマーケット。そうした中で、初の事態として注目されるのは、新橋と臨海副都心を結ぶ「ゆりかもめ」をめぐる状況である。

 今回のコミケは、豊洲市場が開場して初めてのコミケ。関係者には東京都などから、コミケ開催に伴う混雑の案内も配布されている。市場関係者にとっても、電車の本数まで増えるコミケは驚きであり、注目すべき催しとなっている。

 豊洲市場は30日まで営業しており、コミケ参加者と重なって混雑することも必至。そのため臨時ダイヤの対策も強化されている。新橋発、豊洲発共に始発列車の繰り上げも行われているし、早朝の時間帯には増発もされているのである。

 市場とコミケ、二つの客で大混雑すること必至なゆりかもめ。やはり、車内は阿鼻叫喚になってしまうのだろうか。

「豊洲市場関係者が“コミックマーケットって、なんなんだ”と、列車が増発までされるイベントの大きさに驚くツイートをして話題になってたりしていますが、事情を熟知している、ゆりかもめ側の対策は十分。いつものコミケ程度の混雑に落ち着くんじゃないでしょうか。また、豊洲市場が開場してからは、新橋駅前発の都営バス<市01>も豊洲市場行きになっていますし。さほど混乱は起こらないのではないかと思っています」(交通事情に詳しい関係者)

 いずれにしても、混雑する車内は決して、コミケ参加者だけが利用するものではない。大きな紙袋の取り扱いなど、乗り合わせた人に迷惑をかけないマナーは忘れずに。
(文=コミケ取材班)

豊洲市場開場から初の「コミックマーケット」へ……ゆりかもめの“混雑対策”は、大丈夫か?

 さあ、いよいよ冬コミである。

 今回、会場の配置変更など、さまざまな「前とは違う」が見られるコミックマーケット。そうした中で、初の事態として注目されるのは、新橋と臨海副都心を結ぶ「ゆりかもめ」をめぐる状況である。

 今回のコミケは、豊洲市場が開場して初めてのコミケ。関係者には東京都などから、コミケ開催に伴う混雑の案内も配布されている。市場関係者にとっても、電車の本数まで増えるコミケは驚きであり、注目すべき催しとなっている。

 豊洲市場は30日まで営業しており、コミケ参加者と重なって混雑することも必至。そのため臨時ダイヤの対策も強化されている。新橋発、豊洲発共に始発列車の繰り上げも行われているし、早朝の時間帯には増発もされているのである。

 市場とコミケ、二つの客で大混雑すること必至なゆりかもめ。やはり、車内は阿鼻叫喚になってしまうのだろうか。

「豊洲市場関係者が“コミックマーケットって、なんなんだ”と、列車が増発までされるイベントの大きさに驚くツイートをして話題になってたりしていますが、事情を熟知している、ゆりかもめ側の対策は十分。いつものコミケ程度の混雑に落ち着くんじゃないでしょうか。また、豊洲市場が開場してからは、新橋駅前発の都営バス<市01>も豊洲市場行きになっていますし。さほど混乱は起こらないのではないかと思っています」(交通事情に詳しい関係者)

 いずれにしても、混雑する車内は決して、コミケ参加者だけが利用するものではない。大きな紙袋の取り扱いなど、乗り合わせた人に迷惑をかけないマナーは忘れずに。
(文=コミケ取材班)

大幅な配置変更で、知らなきゃ混乱必至! 平成最後の「コミケ」カタログと配置はじっくりと読め

 いよいよ平成最後のコミックマーケットが近づいてきた。SNSでは、ようやく脱稿した作者が、なんとか間に合ったと新刊の告知をしているし、ワクワク感もひとしおである。あとは、カタログチェックをして、当日を待つだけ……。

 だが、今回は特に念を入れたカタログチェックが重要なコミケになっている。それは、配置が大幅に変更されているからだ。

「今回は、心して参加しないといけないでしょう。まず、従来は東ホールに配置されていた『艦これ』や『アズレン』が西に移動。さらに、3日目の東が定番だった男性向けの一部も西になっています。これまでのコミケの経験で、大まかな配置が身体に染みこんでいますが、それを一度リセットしなきゃいけませんね」(常連参加者)

 とにかく、今回のコミケは、カタログと配置図にじっくりと目を通さねばならない事態になっている。近年、カタログを購入せずに、目当てのサークルの配置だけをメモして来場する人も多いが、それではたちまち迷子になってしまうだろう。それに、東西のホールを、どのタイミングで移動するかなども、きちんと行動予定に入れておきたいところだ。

 平成最後のコミケで行われる大規模な配置の移動。その理由は、オリンピック対応で4日間開催となる来年以降の布石だとされている。今回は、ジャンルの配置が移動したのみだが、来年以降は机の並べ方なども大幅に変わっていくというウワサも。

 じっくりとカタログを読み込んだ上で行動予定を立て、平成最後のコミケを悔いなく過ごしたいものだ。
(文=コミケ取材班)

コミケの「表現の自由」が問われるとき……初参加の「中核派」担当者が語る“宣伝扇動の新時代”

「あ、取材ですか。では、担当に確認を取って、折り返し連絡先を伝えますので、お待ち下さいね」

「え、いや……君ら革命党だよね?」

「そりゃそうですけど。取材ですしねえ」

 夏まで全学連の委員長だった齋藤郁真の言葉には、何度も取材を受けているだけとは思えないカジュアルさがあった。

 今月末に開催される同人誌即売会「コミックマーケット95」。「平成最後のコミケ」となる今回、開催まで数週間が迫り参加を予定している人々は、カタログやSNSなどで出展サークルをチェックして、祭りの当日に向けてそわそわとしている。

 SNSを通じて、出展サークルへの期待や不安の声が交わされる中に、ひときわ目立っているサークルがある。最終日になる開催3日目。「評論・情報」の枠でくくられるスペースに配置される初参加のサークル「みどるこあ」である。

 長方形で四角く囲うように並べられた出展サークルのスペースは、混雑する人の海に浮かぶ島に見立てられ「○○島」と、ジャンル名で呼ばれる。さまざまな色をした波に浮かぶ島の中で「評論島」はコミックマーケットの混沌さの極。そこには、マニアックな研究やコレクション、主義・主張を記した同人誌を頒布するサークルが並ぶ。もとより混沌としているのが平常の「評論島」で、初参加のサークルである「みどるこあ」が注目を集めるのには、理由がある。それは、このサークルが新左翼セクト・中核派のメンバーによるものだからである。

 中核派の若手メンバーによって運営される「前進チャンネル」が12月5日に公開した「重大ニュース」。その動画の中で彼らが冬のコミックマーケットにサークル「みどるこあ」として、参加することが発表された。

 すぐに、動画を視聴した人や、メンバーの関連するTwitterアカウントで、この話題が流れるようになった。翌日には、togetterにもまとめができた。

 初めての参加を興味深く考えている旨を記す言葉が並ぶ一方で、極めて否定的な反応も現れた。「公安にマークされている実体を持つ団体の出店を歓迎するなんて冗談じゃない」「公安から目をつけられてるようなところにスペース提供しないでくれよ」「いくら表現の自由があるとはいえ公安監視対象・反社会的勢力をコミケに入れちゃダメでしょ」。面白がるものから、コミケがなくなってしまうのではないかと心配するものまで、無数の言葉の洪水は、今も続いている。

 否定的な反応をぶつけられれば多少なりとも気が滅入ってしまうものだが、彼らには、そんな様子はまったくない。

「意外に好意的な印象が多いですねえ。そう、togetterのコメントなんかも面白く読んでいますよ」

 そう話すのは、今回コミックマーケットへの参加の音頭を取っているメンバーの吉田悠。2015年にテレビ東京系で放送された『ザ・ドキュメンタリー【追跡!ニッポンの過激派 “革命戦士”になったオレ】』での密着取材も話題になったことのある活動家だ。積極的にメディアの取材を受け入れる中核派の若手メンバーたちは、幾度も暴力革命の肯定を言葉にしている。その政治的スタンス。そして、過去の組織が行ってきた活動ゆえに「警察にマークされるテロ組織」であるとして、今回のような否定的な意見をぶつけられるのは、彼らにとっては日常である。むしろ「悪名は無名に勝る」が、彼らのいつものスタンスである。

 今回、吉田がコミケにサークル参加しようと思い立ったのは「もっと、新しいことをやってみたい」と思ったから。その下地になったのは昨年5月の開始以来「過激派がYouTuberになった」と、注目されている「前進チャンネル」の存在。そして、吉田自身が活動家としての人生よりも長い、コミケ参加歴を持っているからである。

「初参加は、高校2年生の時、07年夏コミの3日目。友達に誘われたんですけど、その友達も参加は初めて。だから2人で1時間も前にいけばいいなと思っていったら、お台場の方まで長い行列ができていて、入場できたのは午後になってから。圧倒されましたね。それで、友達について何冊か買っていたんですが、それだけじゃつまらないと思って、うろうろとしてみたんです。島中のほうで『ローゼンメイデン』のキャラクターのイラスト集を見つけて、とてもいいものを買ったとうれしくなりました。それが、直後に『初音ミク』で一躍ヒットしたKEIさんのイラスト集だったんです。それからもコミケに通いました。いくつかのサークルが島中から壁サークルになっていくのも見て、これが創作というものかと知りました。その場となっているコミケは、戦後もっとも大きい大衆運動だと思うんですよね。理念のもとに、タブーをつくらずに、参加者も含めて場をつくり、維持することを考えているんですから」

 コミケ参加を機に本格的になったオタクとしての生き方は、活動家となった今も変わらない。趣味を同じくする中核派のメンバーとコミケには一般参加する。それに、時間があれば一緒にアニメも観る。

「自分は懐古厨なので、あまり最新のアニメは観ないんですけど、今年一番の作品は仲間に強烈に勧められた『邪神ちゃんドロップキック』ですね」

 あくまで、今回のサークル参加は「宣伝煽動の新しい形」だと吉田は言うのだが、そうは思えない。自分だけが知っている面白いことを、人にも伝えてみたいというオタクの血が騒いだように見えるのだ。一般参加の回数を重ねれば「一度はサークル参加してみたい」と、大抵の参加者は考えるものだから。

 前述のように、過去の浅草橋駅焼き討ちであるとか、対立する革マル派との戦争(いわゆる内ゲバ)などを取り上げて、中核派がコミケへの参加をすることに否定的な意見を述べる人も多い。とはいえ、政治・宗教の分野で活動する<ガチ勢>が、コミケに参加することは、コミケの長い歴史の中には当たり前にあった。新左翼の「党派」でカテゴライズすると、確かに初だと思うが、かつてノンセクト系のサークル参加は幾度もあった。

 近年でも「反ヘイト」や「行動する保守」まで、コミケには左右を分別せずさまざまな主張をするサークルが参加している。余談であるが、筆者は「メディア規制三法」が問題になってた頃に、何人かの仲間と共に、この「言論/表現の自由」を侵害する法案に反対するビラまきを、国際展示場駅前でやったことがある。そのとき、誰が言い出したか、揃ってヘルメット・サングラス・タオルの3点セットで「武装」していた。

 しばらくビラまきをしていると警察官が10人余り急ぎ足でやってきたのである。その場は何事もなく収まったが、準備会にも通報されていたようなので、総本部に謝りにいったら、当時の米澤嘉博代表に爆笑されたのを覚えている。ま、それくらいにコミケというのは混沌とした場である。いや、それ以前に中核派とは政治思想がまったく異なる筆者が書くこんな文章を認めてるのが、すでに混沌としている。そして、その混沌は実に楽しいものだ。

 今回の中核派のサークル参加に対する、コミケ参加者の声からは、混沌すなわち「なんでもアリ」が思った以上に参加者の中で理解されていることが見えてくる。正直、もっと「テロ集団だ」とか自ら権力の走狗を買って出る人々。ようは普段は「エロ漫画けしからん、取り締まれ」と言っている人々に怒り「表現の自由」を主張するのに、自分の気に入らないものには普段の敵と同じになってしまう……そんな意見が出てくるものかと思ったのだが、思ったよりも少ない。

 まずは話題になっていることで参加する目的の一部を果たした吉田だが、当日の頒布物の準備も進めている。

「機関誌のほかに、過去の『前進(機関紙)』をデザインしたクリアファイル。それに、活動家のみんなで分担して執筆する記念コピー本を予定しています。コピー本ができるかどうか不安ですが……」

 ほかの出展サークルがそうであるように、開催が間近に迫り準備に忙しそうな吉田。最後に、批判的な意見の中にある「革マル派がブースに攻めてくるのではないか」というものを拾って尋ねてみた。

「来ないとは思いますけど……隣のブースに出展してくれるんなら、新刊の交換とかしたいな」

(取材・文=昼間たかし)

モラルも何もない……ダミーサークル殺到で『COMIC1☆13』評論ブースが悲惨な状況に

 島の半分近くが、ダミーサークル。参加者が次々とアップした写真のおかげで騒然とした、同人誌即売会『COMIC1☆13』。人気同人即売会に、いったい何が起こっているのか。

『COMIC1』は、2007年から、ほぼ年1回ペースでゴールデンウィーク中に開催されてきた同人誌即売会。同じく、ゴールデンウィークに開催される『SUPER COMIC CITY』が女性向け主体なのに対して『COMIC1』は男性向けが中心。冬コミと夏コミの間の男性向け同人誌の貴重な供給源となっている。

 今回の『COMIC1☆13』開催中から、参加者がネットで次々と拡散したのは、混雑する会場内とは裏腹の、一部スペースの惨状だ。

 なんと、評論・情報系同人サークルに割り当てられたスペースが、ほぼ無人の状況になっていたのである。

 そんな状況が発生したのには理由があり、出展予定で申し込みしたサークルの多くが、実態がなく、設置準備のために一般参加よりも早く入場できるサークルチケット目当ての「ダミーサークル」だったためだ。

 これを見て、多くの参加者からは驚きや憤りの声が上がっている。

「今回、急にSNSで注目を集めましたが、『COMIC1』では以前からチケット目当てのダミーサークルが多いんです。評論情報系が狙われるのは、サークルカットに絵を描く必要がないからですよ」(ある即売会関係者)

 なぜ『COMIC1』が狙われるかといえば、申し込み後に抽選がないからだという。初開催に比べると規模の大きくなった『COMIC1』だが、いまだ申し込めば必ず出展することができる。出展希望者が殺到するため抽選が行われるコミックマーケットとの違いはここだ。

「それでいて、男性向け同人誌の作家にはCOMIC1に合わせて新刊を発行する人も増えています。少々の出費があっても、欲しい本を必ず手に入れたいという欲望がモラルを駆逐してしまっているのでしょう……」(同)

 昨今、人気の出た同人誌はサークル側も再刊するなど、レアすぎて入手できないという事例は減っている。こんなことに労力を費やすよりも、後日、同人誌ショップで購入したほうが、よほどコストパフォーマンスもよいと思うのだが……。

 また、今回の『COMIC1』では、バイク置き場にヌードイラストがラッピングされた痛バイクを駐輪し、警備員らが駆けつけたことも話題に。

「このバイクも、以前からさまざまなイベントに出没しているんですよね……」(同)

 イベントへの熱量が上がると共に増える、どうしようもない人の出現は避けられないものか。
(文=特別取材班)

「雨が降ったら来ない」ニュータイプ参加者も増加!? 会場使用制限で、コミックマーケットに新たな懸念も

 雨が降ろうが槍が降ろうが、薄い本のためには、どんな苦労も厭わない……。そんなコミックマーケット参加者は、過去のものになろうとしているのか。

 万人の納得する解決案の出せないまま、時間だけが過ぎている東京五輪に伴う東京ビッグサイトの使用制限問題。その中で、どう運営されるのかさまざまな臆測が飛び交っているのが、同人誌即売会・コミックマーケットである。

 すでに2020年の夏は使用できないことが確定。その代替として、同年はゴールデンウィーク時期の変則開催が決まっているコミックマーケットだが、使用制限の影響は同年だけに限ったものではない。早くも来年の夏・冬のコミケでは、東展示棟が工事のために使用不可に。開催場所は、西展示棟と新たに建設される南展示棟。そして、青海の仮設展示棟となる。

 青海に建設される仮設展示棟は、東京ビッグサイトからは、ゆりかもめ・りんかい線ともに駅ひとつ分の距離。約2キロあまり離れている。その距離ゆえに実際に、運用した場合にどんな事態が起こるか、懸念する声が増えているのだ。

 ある程度経験を積んだ参加者ならば「どんな困難があっても参加するのがコミケ」「むしろ、困難は思い出」と考えるだろう。しかし、そうしたオールドタイプな参加者は、もう少数派になっているようだ。

「昨年の夏コミは悪天候に見舞われました。幸いにも台風の直撃は避けられたのですが、それだけで参加者が減ったんです」(コミケ関係者)

 昨年と一昨年の夏コミの来場者数は、次のようになっている。

■コミックマーケット90
・1日目 15万人
・2日目 17万人
・3日目 21万人

■コミックマーケット92
・1日目 16万人
・2日目 15万人
・3日目 19万人

 1日目は、企業ブースへの熱意を燃やす参加者のためか、むしろ増加しているのだが、2日目、3日目は2万人ほど参加者が減っている。

「最近は、雨が降るだけで来ない参加者が一定数で存在しています。そうした人々が使用制限で使い勝手も悪く規模も小さくなった時に来るのかどうか……」(前述関係者)

 通販や同人誌ショップ、ダウンロード販売など、同人誌を入手する方法は多様化している。あえてコミケに足を運ばなくても……という人々も、一定数いるのだろう。やはり、東京五輪は同人誌文化に悪影響を及ぼすのか。
(文=コミケ取材班)