「5万人がアクセス」「ゆめに出てくるラーメン」赤羽に出現した「二郎」は昭和感がスゴイ!

 赤羽に「二郎」を名乗るラーメン屋がある。

 少し前からSNSで、そんな話題が交わされている。念のため記しておくが、三田に本店のある「ラーメン二郎」ではない。あくまで「二郎ラーメン」である。

 最近は、大人の週末系な人に荒らされている感もあるが、それでも赤羽は都内屈指のディープスポット。埼玉との県境に位置し、さらに足立区からも人が流れ込み、常に雑多な雰囲気に満ちあふれている。駅前にヤクルトの立ち売りがいるのも赤羽くらい。パッとそれを見ただけで、この街が只者じゃないことはわかる。駅前にある喫茶店の名前も「友路有(トゥモロー)」だしね。

 というわけで、やってきた赤羽。目指す店は、なぜかSNSなどでも正確な場所が書いてない。赤羽在住の知人に場所は聞いていたので、このあたりかと思い商店街を。と、堂々と看板が立っていた。天下の往来に、おそらくは無許可で看板を出しても、特に文句を言われている様子もないのは、さすがに赤羽。そして、看板に記された文字。

「大人気店 ネットユーチューブで5万人アクセスの店」

【校正待ち】「5万人がアクセス」「ゆめに出てくるラーメン」赤羽に出現した「二郎」は昭和感がスゴイ!の画像2

 なんとSNSでは「パチモン」であるとか、ネタにされているのに、それを宣伝に使っているとは、なんと剛胆な店だ。まさに、昭和の夜店のごときインチキさが、より郷愁と楽しさを誘う。

 そしてたどり着いた店は、事前情報で知っていた通り完全にスナック。中に一歩入っても、スナックである。入口には「待ち時間」とか書いているが、昼時とはいえ、さほど混雑しているわけではない。

 そんな店内に流れるのは、常に演歌。店内は、これまた演歌歌手のポスターが貼られた昭和の雰囲気なのだが、おおよそラーメン屋とは思えない。

 そして、価格もまた昭和。一応、ラーメンのメニューはいくつかあるのだが、基本はサービスラーメン490円なり。これで、大盛りも無料である。

【校正待ち】「5万人がアクセス」「ゆめに出てくるラーメン」赤羽に出現した「二郎」は昭和感がスゴイ!の画像3 【校正待ち】「5万人がアクセス」「ゆめに出てくるラーメン」赤羽に出現した「二郎」は昭和感がスゴイ!の画像4

 一応は、二郎系のラーメン屋。念のため「大盛りはどれくらいの量なのか」と聞けば「そんなに、多くないです」というので、安心して大盛りを。

 しかし謎なのは調理法である。店内は完全にスナック。カウンターの中で、調理は行われているが、スナックのカウンターにしつらえられた調理場で、どうやってつくっているのか……?

 いろいろ気になって「あの、ここはラーメン屋なのですか、スナックが本業なのですか?」と尋ねると「両方やってます」という。

 なるほど、メニューは営業時間が11時から中休みなしで21時半までと記されているが、途中からは完全に両輪になるのか。

 こうして、運ばれたきたラーメンは、二郎系なのかどうかも謎の新しいスタイル。もやしやスープは二郎風。しかし、肉は薄切りの豚肉を焼いたような。

【校正待ち】「5万人がアクセス」「ゆめに出てくるラーメン」赤羽に出現した「二郎」は昭和感がスゴイ!の画像5

 匂いは、完全に二郎のそれ。果たして、その味は……美味い。いや、美味いのである。むしろ、適度なスープの加減が、いよいよ二郎のラーメンはキツくなった中年の胃袋にはちょうどよい。試しにオーダーしてみた、トッピングの生卵を加えると、さらに絶品。これで490円。回転もさほどよいわけではなさそうなのに、果たして元が取れているのか、なんか、こんな価格で頂いて申し訳ないという気持ちまで……。

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 赤羽というディープゾーンだからこそ成立しえたというべき奇妙なラーメン屋。果たして、日が暮れてからのスナックの時間帯には、みんな飲みながらラーメンをすすっているのだろうか。メニューに記された「ゆめに出てくるラーメン」の文字はホントだと思った。
(文=昼間たかし)

活火山のようにソースの海から突き出たパスタの正体とは!?

 暑い毎日、いかがお過ごしでしょうか。

 こう暑いと、肝試しでもして、背筋に冷気を感じてみるのもいいかなと思ってしまう日々ではないでしょうか。

 先人の中には、「暑い日には熱いものを食え」と言う人もいますが、そんなセリフは、まだまだ余裕のある人が言う言葉ではないでしょうか。

 そんな余裕綽々な人にオススメな画像がコレだ。

 おわかりいただけただろうか?

 鉄皿で泡立つソースは、火山から流出した溶岩と完全に一致している。

 こうするとよくわかるが、鉄皿の溶岩の海から天に向かって突き出た山は、今まさに噴火中のハワイのキラウエア火山ではないか。

 見るものを震え上がらせるこの恐ろしい料理を見て、「なんだ、ただのパスタじゃないか」と思った方もいるに違いない。しかし、もう一度よく見ていただきたい。

 はたして、ミートソースやナポリタンのパスタに、これほど大量のソースをかけるだろうか?

 はたして何ソースなのか? 撮影者は、ソースの中を探ってみることにした。すると、こんなに大きな肉の塊が発見されたのだ。紛れもなく牛の肉である。溶岩が噴出し、逃げ遅れた牛を巻き込んだものと思われる。しかして、そのソースとは!?

 このパスタ料理、実は、カレースパゲティーでした!

 モッチモチの食感のパスタと、深いコクのカレーソースがめちゃマッチング! 活火山のような山盛りの盛り付けとともに同店の名物料理となっているのです。

 山盛りパスタを食べながら、他の人がどんな料理を注文しているのかチラ見していたら、やはりパスタを注文する客は多く、そして、カレースパゲティーだけでなく、ミートソースも同じ様に活火山系なのでした。

 ちなみにこれは以前訪れた時、終了していたカレーパスタの替わりに食べたグラタン。

 まったく普通に美味しかったです……。

 看板が小さく、なかなか見つけられないこともあるので要注意ですが、このお店です。ランチタイムは混雑必至。

 カレースパゲティー、うもうございました。

大井町 ハピネス「カレースパゲティー」900円

SNS映え  ☆☆☆
味     ☆☆☆
珍級度   ☆☆

(写真・文=よしよし)

活火山のようにソースの海から突き出たパスタの正体とは!?

 暑い毎日、いかがお過ごしでしょうか。

 こう暑いと、肝試しでもして、背筋に冷気を感じてみるのもいいかなと思ってしまう日々ではないでしょうか。

 先人の中には、「暑い日には熱いものを食え」と言う人もいますが、そんなセリフは、まだまだ余裕のある人が言う言葉ではないでしょうか。

 そんな余裕綽々な人にオススメな画像がコレだ。

 おわかりいただけただろうか?

 鉄皿で泡立つソースは、火山から流出した溶岩と完全に一致している。

 こうするとよくわかるが、鉄皿の溶岩の海から天に向かって突き出た山は、今まさに噴火中のハワイのキラウエア火山ではないか。

 見るものを震え上がらせるこの恐ろしい料理を見て、「なんだ、ただのパスタじゃないか」と思った方もいるに違いない。しかし、もう一度よく見ていただきたい。

 はたして、ミートソースやナポリタンのパスタに、これほど大量のソースをかけるだろうか?

 はたして何ソースなのか? 撮影者は、ソースの中を探ってみることにした。すると、こんなに大きな肉の塊が発見されたのだ。紛れもなく牛の肉である。溶岩が噴出し、逃げ遅れた牛を巻き込んだものと思われる。しかして、そのソースとは!?

 このパスタ料理、実は、カレースパゲティーでした!

 モッチモチの食感のパスタと、深いコクのカレーソースがめちゃマッチング! 活火山のような山盛りの盛り付けとともに同店の名物料理となっているのです。

 山盛りパスタを食べながら、他の人がどんな料理を注文しているのかチラ見していたら、やはりパスタを注文する客は多く、そして、カレースパゲティーだけでなく、ミートソースも同じ様に活火山系なのでした。

 ちなみにこれは以前訪れた時、終了していたカレーパスタの替わりに食べたグラタン。

 まったく普通に美味しかったです……。

 看板が小さく、なかなか見つけられないこともあるので要注意ですが、このお店です。ランチタイムは混雑必至。

 カレースパゲティー、うもうございました。

大井町 ハピネス「カレースパゲティー」900円

SNS映え  ☆☆☆
味     ☆☆☆
珍級度   ☆☆

(写真・文=よしよし)

「うな次郞」では足りない……絶滅寸前、高すぎるうなぎに代用品続々! でも、本当に美味いのはどれだ?

 今年は土用の丑の日が2回。その1回目である7月20日。スーパーの店頭にも、多くのうなぎの蒲焼きが並んだ。

 年中行事に熱心な人は減少しているように見える。冬至の日に、必ずカボチャを食べなくては、と焦る人も今ではそう多くない。

 でも、土用の丑の日だけは別格だったはず。その流れにも変化が訪れている。

 土用の丑の日にスーパーに並んだうなぎの蒲焼き。中国産で1,000円強。国産だと2,000円を超える。プラス、うなぎのタレである。

 食材一つの価格としては、かなりの値段。これならば、専門店で食べたほうがよい。新香で酒を飲みながら待つというガチの専門店でなくてもよい。スーパーで買い求めてレンチンしたうなぎをごはんに盛り付けるよりも、4,000~5,000円出して専門店で食べると、値段は倍だが美味さは十倍は違う。

 そのほうが得だと消費者が気づき始めたわけではないが、今年は明らかに土用の丑の日が盛り上がりに欠けた。理由は、多くのメディアが報じている「うなぎの絶滅危機」である。うなぎの多くは養殖物だが、純粋な養殖ではない。野生から捕獲したシラスウナギ(稚魚)を、養殖する仕組みだ。そのシラスウナギの漁獲量の激減によって、うなぎの絶滅危機がにわかに現実味を帯びているのだ。

 もちろん、完全養殖に向けて日夜研究が続いているが、まだ成功には至っていない。いずれにせよ、今後もうなぎの価格の高騰は避けられないだろう。

 そこで注目を集めているのが、うなぎの代用品だ。

 まず、よく見かけるのが、うなぎ以外の食材を用いたものだ。さんまのほか、最近ではなまずの蒲焼きなんてものも見かけるようになった。今回、スーパーを見てみると「うなぎ屋が作ったさんまの蒲焼き」という、なかなか強気なネーミングの商品も。さっそく食してみたが……やっぱりさんまだ。

 関東・甲信越の大学生協では「土用のたれめし」。すなわち、うなぎのタレだけをまむしたごはんが話題を呼んだ。これは、買うまでもなく学生時代に食べたことのある人も多いはず。確かに、さんまのたれだけで、ごはんは進む。進むけど……完全な敗北感がある。

 そんな中、うなぎ代用品の本命とされているのが、カニカマで有名な新潟の一正蒲鉾が製造している「うな次郎」。製造元からもわかるように、要はカニカマのうなぎの蒲焼きバージョンのようなもの。

 これ、外見は完全にうなぎを再現していると話題になっている。皮のようなものもついているし、見ているだけならうなぎで通用しそう。ただ、やっぱり食感は完全に違う。山椒をぶっかけると、なんとなくうなぎ感は感じるが、あくまで、うなぎとは別の食べ物。ネットでは、その美味さを称讃する声も多いが、その期待値で食べるとかなりの残念感も否めない。とりわけ、付属の蒲焼きのタレが妙に濃いので、これも好き嫌いは分かれそうだ。

 つまり、うなぎの食感や味を、代用品で再現するのは、ほぼ不可能。ならば、最良の方法はうなぎと同レベルでうまい、かつ、より近似している食材を見つけることだ。

 そこで、本命として推したいのは、あなごである。見た目が似ているからであろうか、スーパーでも、あなごの蒲焼きは見かけるようになってきた。でも、本気で美味いのは焼くよりも煮るである。

 自宅で作る煮あなごの美味さは、スーパーのうなぎの蒲焼きが100だとすると、80くらい。「これは、これで美味い」と確実に感じることができるはずだ。

 でも「それでも、代用品じゃダメだ。うなぎを食べたいのだ」という人は、どうすればいいか。

 もはや、自分で釣るしかない。都内であれば、江戸川が知られているが、日本各地の川では、天然うなぎが釣れる。

 本当に食べたいというなら、そこまで努力したなら、いっそう美味く感じるだろう。
(文=昼間たかし)

長野県民なら誰もが知ってる、もう一つの食卓……「みんなのテンホウ」は胃袋の桃源郷だった!

「テンホウ」を、ご存じだろうか。

 長野県民なら、誰もが知っている馴染みの味。でも、長野県民以外に知られることは少ない。なぜなら、現在の店舗数は32店舗。そのすべてが、長野県内にしかないからだ。

 長野県では、老若男女を問わず愛され続けるローカルチェーン。いったい、なぜ「テンホウ」は、長野県の人たちに愛されるチェーンとして、定着するに至ったのか。

 以前から知りたかった謎が、このたびようやく明らかになった。地元有志などによって開催されている公開講座「諏訪力講座」が「テンホウに見る諏訪力」と題し、テンホウ・フーズ代表取締役社長の大石壮太郎氏を招いて、講座を開催することになったのだ。

「テンホウ」の歴史や「謎」を知る、またとない機会。筆者はさっそく、諏訪へと向かった。

 まず、改めて驚いたのは「テンホウ」の人気。

 講座の前に、まずは店にも行かねばと訪れたのは、現状の最古の店舗である諏訪市の城南店(もともとの2号店)。その日は日曜日とはいえ、まだ昼前にもかかわらず、すでに駐車場は満車だったのである。

 少し待ってから入店するが、客はひっきりなしにやってくる。一人客やカップル、家族連れ……。掛け値なしに、老若男女がやってくるのである。

 そして、初めて来た人なら驚くのは、メニューと値段である。餃子は280円。醤油ラーメン390円。ソースカツ丼670円。中華料理主体のチェーンかと思いきや、さば串カツもある。さらに、一部の店舗ではアップルパイまであるという。

 いったい、豊富なメニューと値段の安さは、どうして生まれたのか……。

「諏訪力講座」で、まず大石氏は「テンホウ」の歴史から語り始めた。

 大石氏の祖父母が「テンホウ」の源流である「天宝 鶴の湯 餃子菜館」を始めたのは1956年のことだ。

 その名前の通り、もともと祖父母は戦前、諏訪に移り住み、上諏訪の温泉街で「天宝 鶴の湯」という名前の旅館を営んでいた。

 今でも上諏訪には多くの温泉宿があるが、戦前は現在とは異なり、もっと内陸部に温泉街が広がっていた。その中にあった「天宝 鶴の湯」も大いに繁盛していた。

 ところが戦後になると、温泉街は諏訪湖畔へと移っていき、もともとの温泉街にも陰りが見えてくる。

 そんな時であった。大石氏の祖母である百代(ももよ)おばあちゃんは、たまたま東京に出かけたその時に、偶然、歌舞伎町にあった「餃子会館」という店で食べた餃子で閃いたのだ。

「この作り方を教えてほしい」

 そう店の人に頼んでみたが、おいそれと教えてもらえるはずがない。何度も店に通った百代おばあちゃんは、ついに無給で3カ月あまり店で働いたのだという。

 その時、百代おばあちゃんは、すでに50歳を過ぎていた。まだ戦後間もない時期だから、かなりの高齢である。そこまでの情熱のおかげか、味を伝授された百代おばあちゃんは諏訪に戻り、旅館の一角で餃子を売り始めたのである。

 それは次第に評判になり、広まっていった。

 その後を継いだ、大石氏の父である孝三郎氏は1973年に店舗を株式会社化。まだ2店舗しかない時点でセントラルキッチンを建設したのである。まだ、日本におけるファミリーレストランの先駆けである「すかいらーく」が登場して間もない時代(1号店は1970年)。孝三郎氏は、幾度も東京に出かけては「すかいらーく」を訪れていたという。ファミリーレストランという新しい業態は、必ず成長する。そのことを孝三郎氏は確かに見抜いていたのである。

 と、このままなら一企業の成功物語である。

 でも「テンホウ」は、そうではなかったからこそ、長野県民に愛される味となった。

 その後「テンホウ」は、さまざまなことに挑戦した。一時は多店舗展開を考えて、長野県外に出店したこともある。ラーメンチェーンのFCに参加したり、スパゲッティや持ち帰り弁当、コロッケなどに挑戦したこともある。

 実際「このシステムであれば1,000店舗はいける」といわれて、心の動いた時代もあるというが、そうはしなかった。

 なぜなら、そうしてしまえば、どうしても手薄になる部分ができてしまうからだ。

「テンホウ」の店舗の大きな特徴は、オープンキッチンになっていること。お客は、自分たちの料理が出来上がるのを、今か今かと見ながら待つことができる。拡大によって必然的にやってくるサービスの低下よりも、世代を超えて通ってくれる人々へ情熱を注ぐことをテンホウは選んだのだ。

 だからといって、決して保守的になっているのではない。中華料理に限らないメニューが次々と投入されていくのは、その現れ。社員からも発案があれば、次々と採用して新メニューを試しているのだという。

 なぜ、これが中華料理屋にあるのかと思ってしまうアップルパイは、今も時々厨房に立つ孝三郎氏が「今は、これだ!」と発案したものだそう(ほかを食べ過ぎたので注文するタイミングを逸したが、人気メニューだそう)。

 そんな地元に愛される店となった秘訣の一つとして大石氏が語ったのは「あまり美味しくしすぎない」ということ。極上の美味しい料理であれば、一度食べたら満足しきってしまう。それよりも「今日はご飯をつくるのが面倒だから、テンホウに行こう」という感覚で利用してもらえる家庭の食卓の延長が、大石氏の考える理想形だ。

 世代を超えて一つの完成形へ到達し、さらに進化を続けている「みんなのテンホウ」。

 長野県を訪れる機会があれば、ぜひ、その味と客席の満足そうな表情を見てほしい。
(文=昼間たかし)

夏季限定! ハンバーガーみたいなカツカレーみたいな『冷たいエスニックタンタンまぜ麺』

 久しぶりに池袋北口へ仕事で向かうと、いつも駐めていたパーキングがドンキになっているではないか! そして、そのすぐ近くで見つけたのが、この看板だった。

夏季限定!ハンバーガーみたいなカツカレーみたいな『冷たいエスニックタンタンまぜ麺』の画像2

 

「なになに、『冷やし印度タンタン』? なんじゃそら!?」

 その数日前、渋谷で冷やしカレーカツ丼(記事参照)を食べたばかりで、“冷やしカレー”の意外な旨さを知ってしまった筆者の舌は、容赦なくおねだり汁(よだれ)を口内にほとばしらせてくるのでした。

 お昼時から外れているせいか、店内に先客は一人だけ。躊躇する間もなく自販機にコインを挿入していました。

 初めて入った店なのに、狭い店内からは、なぜか「元インドカレー屋?」というエスニックな雰囲気が伝わってくる。先客の美人のお姉さんも、よく見たらアジア系のお顔立ち。ちょっと楽しそうな店ではないですか。

 そして、10分ほどで着丼したのはコレ!

 看板の写真とほぼ同じ見た目の、正直、ラーメンだかカレーだか、なんだかよくわからない丼。

 まず、てっぺんに乗っかってるオレンジ色の薄いおせんべみたいなのは何やろ? と、パリッとひと口。

「ふ~ん、わからん……」

 なので別皿によけておき、続いて、「多分麺のはずだけど、どんなかな~」と、丼の底を探ってみると……、

 結構歯ごたえありそうな感じのコワモテの麺が顔を覗かせてくれるのでした。

 冷やし麺というと、それだけでかなり硬めという印象ですが、筆者は某博多ラーメンのチェーン店で替え玉をした際、硬めの麺のおかげで翌日腹痛を起こしたことがあり、ちと不安ではありました。

 さらにさらに、丼の中をよく見ると、丼の黄色に紛れているけど、同系色の旨そうなものが!

 紛れもなく豚肉です。薄手のトンカツというよりは、排骨の雰囲気で、エスニックな雰囲気に一役買っています。

 さて、いよいよ実食だが、はたしてどうやって食えばいいものか。汁なしのラーメンなので、ここはまぜ麺のようにまぜまぜしてズルズルっと。

 が、しかし……。

「ん? 味濃くね?」

 丼の底の方にカレースープというかタレが溜まっていて、その部分を食べると、香辛料のスパイシーな味と香りが強く出てくる。これは、まぜ麺定番の、「混ぜれば混ぜるほど美味しくなる」という言葉を信じて、よ~くまぜて食べる方が味が均一になって美味しく食べられそう。

 そしてさらには、最初に別皿に取り分けておいた、あのおせんべいをパリパリっと砕いてトッピング~!

 実はこのおせんべい、後から調べたら、インドやパキスタンで食されている「パーパド」と呼ばれるもので、付け合わせやデザートとして供されるものらしい。なので、食べ方としては正解だったようだ。

 そしてもうひとつ。このお店、元は「カレーは飲み物。揚」というカレー店で、最初に筆者が感じたエスニックな空気は、気のせいではなかったようだ。

 そしてこの「冷やし印度タンタン」は、夏季限定商品。いつまで提供されるのかは、誰にもわからない……。

 

池袋 カレーつけ麺。ちゃんぽん麺。壬生「冷やし印度タンタン」990円

SNS映え  ☆☆
不思議度  ☆☆☆
珍級度   ☆☆☆

(写真・文=よしよし)

プロレスファン必見! 全日一筋40年・渕正信の“グルメ番組”を君は見たか?

 俳優の松重豊が1人で食事を楽しむドキュメンタリータッチのドラマ『孤独のグルメ』シリーズ(テレビ東京系)の成功以来、“おっさんが食事をするだけのグルメ番組”がジワジワと増えつつある中、BS-TBSが、全日本プロレスの渕正信をグルメ番組のレポーターに抜擢。プロレスファンも唸る人選と、渕の朴訥なレポートぶりが話題となっている。

 渕が出演しているのは、BS-TBSでこれまで不定期で数回放送された『渕正信の幸せ昭和食堂』という番組。その内容は、街中に静かに佇みながら懐かしの味を守り続け、地元住民に愛される食堂を渕が訪ね、その味に舌鼓を打ちつつ、味の秘密や店主の横顔に迫るもの。30年来のプロレスファンだというテレビ情報誌記者が語る。

「仕事柄、テレビ欄はくまなくチェックしますが、『渕正信』と書いてあるのを見て、我が目を疑いました。かつてはプロレスラーがバラエティ番組に出ることは稀でしたが、近年、真壁刀義、獣神サンダー・ライガーらはバラエティ番組の常連ですし、天龍源一郎、長州力、蝶野正洋などもしばしばバラエティで見かけます。だから、レスラーが冠番組を持つことは驚きません。しかし渕となれば話が別です。確かに渕はレスラー歴が40年以上あり、『全日本プロレス』という看板を守ってきた名選手ですが、そもそもリングでもメインを張るレスラーではありませんし、華があるタイプでもない職人タイプの選手です。しかし実際に番組を見ると、オーラこそまったくないものの、朴訥そのもののレポートぶりに好感を持ちました」

 こういった感想を抱いたのは記者だけでなく、Twitterには、

「渕さんの幸せ昭和食堂ほっこりと見てるー 鰻とビールいいなぁ…」
「レスラーなのに渕の人柄が前面に出た良い番組」
「“渕正信の幸せ昭和食堂”は世界の車窓からみたいに平日の帯番組でやるべき」

 といった声が寄せられている。しかしこういった渋すぎる人選は、どのようにして生まれたのか? テレビ制作関係者が語る。

「ある時期まで、旅・グルメ番組といえば、一昔前に売れた俳優や歌手と、お笑いタレントやグラビアアイドルを組み合わせるのが定番でしたが、それに風穴を開けたのが、BS-TBSの『吉田類の酒場放浪記』です。『酒場放浪記』は、知名度ゼロの“ただのおっさん”酒場ライター・吉田類が、居酒屋で飲む様子をそのまま流す番組ですが、放送はまもなく15年目に入り、DVDも10巻発売される大人気番組となっています。さらに、太川陽介と蛭子能収の『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』の成功も、関係者に衝撃を与えました。旅番組やグルメ番組には、ある程度の固定ファンがいますから、それを取り込めれば良しというのが従来の番組作りでしたが、太川&蛭子のバス旅は最高で15%以上視聴率を取り、DVDにもなりました。それ以来、『誰でもいいんだ』という感覚が生まれたのは事実です。渕の場合も、レスラーと昭和食堂というギャップが良い上、体格の良いレスラーがモリモリと食事をたいらげるのは、絵面としても映えます。長州や藤波がバラエティやCMに出る時代ですから、渕が当たっても不思議ではないですよ」

 近年のプロレス界は、棚橋弘至やオカダカズチカら、ルックスの良い選手が女性ファンの人気を集めているが、“THE・昭和レスラー”渕のブレークもあるかもしれない。

今年も来たぞ、この季節が! ♪冷やしかつ丼~始めましたぁ~

 毎年6月になるとやってくるもの。それは、梅雨空と冷麺の季節。ラーメン屋の軒先に、「冷し中華始めました~」なんて暖簾が揺れてるのを見ると、やがて訪れる圧力のある“夏”を感じてしまうんですなぁ。

 そして、今年もやってきたのが、この冷めたい珍級グルメなのでした。

 どど~ん! 冷やしかつ丼。

「ええ~っ、冷たいかつ丼なんて、うまいわけないですや~ん!」

 しかも、カレー味です。

 冷たいかつ丼も冷たいカレーライスも、旧式日本人にとっては未知の味だが、この味を知ったら、もはや新ニッポン人と称して構わない。

 そう、初体験の味なのだ!!

 山形の郷土食として有名な冷やしラーメンのように、だし汁には氷が浮かんでいる。そこに半身を浸かっているのは、サックサクに揚げられたロースカツである。

 それを背後で見守るのは、トマトにオクラ、ナス、かぼちゃという、チーム夏野菜。見た目も、「トンカツなのに涼しそう!」と思わずにはいられない佇まいではないか!

 冷たいトンカツとはいかなる? と、つまみあげてひと口頬張ってみると……

“サクッ、サックサじゅわぁ~~……”

 今まで冷水浴していたとは思えないサックサクの衣の食感と、まだ温かい豚肉から湧き出る豚油の風味と柔らかさが、口の中に広がってくるのだ。

「マァジで? なんでこんなにサックサク?」

 カレー味のだし汁を吸っているにもかかわらず、不思議な食感に驚くに違いない。

 そして、肝心のだし汁はというと、カレー風味ではあるが、もちろんカレーライスのような油はなく、スパイシーな和風だしという感じだ。

 だが、けっこう辛い!

 どんぶりの底に沈んだ米と一緒にだし汁をレンゲにすくってすすり上げると、鼻から香辛料の風味が抜けていく。さらさらの冷たい米を食べながら感じた既視感は、宮崎の冷汁だった。

 なるほど、冷たいだし飯文化は、すでに日本にあったのだ。しかし、2口、3口と食べ進めると、次第に舌がシビレてきた。冷たさではなく辛さだ。

「ヒー、辛~い!」

 その時のためにスタンバッテいるのがチーム夏野菜の面々。煮びたしのナスは意外に大きくて、甘辛い汁がたっぷり。オクラも歯ごたえバツグンだった。

 食後に予想外の辛さにシビレきった舌を癒すのは、ビールよりデザートがベター。コーヒーゼリーのほろ苦さとバニラアイスの甘さが一段と際立つ瞬間だ。

 ちなみに、カレー味でないノーマル冷やしかつ丼はこれ。共に、トンカツは、ロース、ヒレ、特上ヒレがある。トンカツは、食感と暖かさがなくならないうちに食すのがオススメだ。

 天井からいくつもぶら下がるまあるい照明が、大きな風鈴に思える季節。夏はもうすぐ。冷やしかつ丼は9月末までだ。

渋谷 かつ吉「冷やしカレーかつ丼」1,600円

SNS映え  ☆☆☆
味     ☆☆☆
珍級度   ☆☆☆

(写真・文=よしよし)

うどんの概念覆す薄くて平べったくてつるつるシコシコ!! なっからうんめぇ桐生名物のアノうどん

ヒトの本能が拒否する奇々怪界なご当地グルメ

 先日、ローカル線の取材で群馬県に行って来たんですが、その時、桐生でヤツに出会ってしまいました。

 メニューに写真は載っていたんですが、普段見慣れているアレとはあまりにもかけ離れた姿だったので、脳みそが自動的に「調理中のアレ」と判断したようで、注文した時は全く違和感を感じていなかったんです。

 ほら、ヒトが見たこともない異星人を初めて見た時、具体的に例えられるものが見当たらず、脳みそが勝手に「なかったこと」にしてしまうというアレと同じです。

 スマホに見入っていた筆者が、「お待たせしました~」という店員さんの声で頭を上げた時、目に飛び込んで来たのは、乳白色でブヨブヨに波打った得体の知れない物体。一瞬、「ウワッ、脳みそ!?」と思ってしまったのでした(笑)。

 そう、メニューに載っていた写真は、調理途中ではなく完成品のコレだったってことです。まぁ、当たり前っちゃあ当たり前だわな。

 ひととおり驚いた後、落ち着いたところで、箸でつまんでうどんを持ち上げてみると……結構重い。

 うどんとつけ汁が別になっているのも、筆者の予想を大きく外れていた点だ。てっきり、丼に入って来るものと思っていたのだ。

 麺にこれだけのボリュームがあるのなら、つけ汁もそれなりに濃厚でないと物足りないだろう。上空からつけ汁の丼を見下ろすと、もやしとワカメの隣には、分厚いチャーシューみたいな豚肉が鎮座しているではないか。こってり好きには最高のアイテムに違いない。

 黒い丼に黒いつけ汁、その中に白くてペラッペラのうどんをくぐらせ、一息にすすりあげると……

「ズベラゴッソ!」

 上品にたふたふとたゆたうひもかわうどんは、下品で大きな音を立てて口の中に吸い込まれて行くのでした!

 食感はまさにつるつるシコシコ!! 薄くて滑らかな麺が濃い目の醤油ベースのつけ汁を纏って、口の中いっぱいに侵入して来る。

 薄いが幅があるので、素早く咀嚼しないと、口の中で幕になって窒息しそうだ。すすりあげてはうどんをたぐり、たぐってはすすりあげる……。

 たまに肉やもやしでインターバルをとりながら、すすり&たぐりを繰り返す。が、ペラッペラの薄皮みたいなうどんは、すすってもたぐっても、なかなか最後の一枚が見えてこないのだ!

 ということで、すみません、ひもかわうどん、何枚あったのか数えてませんでした…。最後の2枚を残して超まんぷく。親切そうな店主に残してしまったことを謝って店を後にし、後半の取材に向かうのでした。

 ひもかわうどん、超うもうございました。

桐生 第二宮島庵 境野支店「肉汁ひもかわうどん」950円

SNS映え  ☆☆☆!
味     ☆☆☆
珍級度   ☆☆☆

(写真・文=よしよし)

いつまでも食べられると思うな! 地方の「知る人ぞ知る名物」が、どんどん食べられなくなっている……

 最近、地方の名物が消えまくっててヤバい。

 JR松山駅の名物駅弁だった「醤油めし」がなくなることになり、惜しむ声が広がっている。製造していた鈴木弁当店が、売上の低迷から店を閉じたためだ。

 松山駅の「醤油めし」は、醤油味の炊き込みご飯をメインに据えた、素朴な逸品。鉄道旅を愛好する人の間では、一度は食べてみたいといわれる駅弁であった。

 新聞などの報道によれば、同店は大手コンビニチェーンとの取引解消後、同業者やコンビニとの競争が激しく、売り上げを低下させていたという。鉄道利用者が買い求める駅弁だけでは、事業が成り立たなくなっていたということだ。

 近年、市場構造の変化による事業の低迷や事業者の高齢化など、さまざまな理由で地方の「名物」が、どんどんと姿を消している。

 昨年9月には、広島県呉市にあるアイスもなかの「巴屋」が市内に3店舗あった店舗を閉鎖。直営店は消滅し、市内2店舗の委託先を除きスーパーなどでの販売だけになった。

「巴屋のアイスもなか」は、呉の人々にとっては夏ならずとも食べたくなる、定番のおやつ。店頭で注文すると、その場でもなかの中にアイスを詰めるスタイルのため「シャリシャリの出来たてが美味しい」と評判。とりわけ、呉駅構内の店舗は、常に繁盛していたが、実際には店舗の営業は年々厳しくなっていたという。

 完全消滅ではないものの、店舗の消滅にその味を知る人のショックは、癒えることはない。

「これまでも、一部のスーパーやネット通販で買うことができました。でも……でも、店でおばちゃんに詰めてもらうのとは、全然味が違うんですよ」(呉市出身者の声)

 流行っているというのに、先行きが不安な店もある。昨年末、和歌山県を訪れた時に地元の人から聞いたのは「てつめん餅」の存続への不安だ。

「てつめん餅」というのは和歌山県の太地町にある亀八屋がつくっている。白とよもぎの二種類の皮で餡を包んだ餅である。この餅は、その味を愛する人たちには「幻の餅」として名高い。というのも、その独特の食感が維持されるのは、作ったその日限り。翌日になると、まったく美味しくなくなってしまう。

 その日持ちの短さ。かつ、売っているのが大阪からは3時間以上、東京からだと、空路を駆使してどんなに急いでも5時間近くかかってしまう、ご当地だけという幻のもの。だが、地元の人によると店主の高齢化で、いつまで店があるのか心配する人もいるという(と、いう話を聞いたのは新宮でだったので、店に寄ってみようと思ったがスケジュールの都合で断念。それくらい遠い……)。

 2017年暮れには、昭和の駄菓子として知られた「梅ジャム」を製造する梅の花本舗が廃業。少しさかのぼれば高知県香南市にあったエチオピア饅頭も、製造していた近森大正堂が閉店しており、もう食べられない。

 現在、社会構造の変化や高齢化によって、多くの地場企業が事業を継承できずに、休廃業に追い込まれているという。今後も消えていく味は、多い。それらを、せめて「どうやったら、つくることができるのか」記録だけでも、残してほしいものだ。
(文=昼間たかし)