“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士が映画『暁に祈れ』にガックリ「それより俺のYouTubeを見ろ!」

“キング・オブ・アウトロー”こと瓜田純士(39)が森羅万象を批評する不定期連載。今回のテーマは、覚せい剤中毒になりタイの刑務所に投獄された後、ムエタイでのし上がることに成功したイギリス人ボクサーの自伝を映画化した『暁に祈れ』だ。自身もタイでの逮捕経験や覚せい剤での服役経験のほか、格闘技で更生した経験も持つ瓜田は、境遇が丸かぶりとも言えるこの映画を見て、何を思うのか? タイでの苦い思い出話も交えつつ感想を語ってもらった。

『暁に祈れ』は、世界的ベストセラーとなったビリー・ムーアの自伝小説を原作にした映画だ。イギリス人ボクサーのビリーは、タイで麻薬中毒になり、逮捕されてしまう。収監されたチェンマイの刑務所は、殺人、レイプ、汚職が横行する地獄のような場所だった。死と背中合わせの毎日を過ごすビリーだったが、所内でムエタイに出会うことによって、生きる希望を見出していく――。

 かつて刑務所として使われていた場所をロケ地に選び、服役経験のある素人を囚人役として起用するなどリアリティーにこだわったこの作品は、カンヌ国際映画祭ミッドナイト・スクリーニング部門で上映され、大きな反響を呼んだという。

 そうした前評判を聞いていた瓜田は、「これは絶対に見ておきたい! 主人公の境遇が、俺と近い気がするから」と言って意気揚々と映画館へ入っていったが、果たして満足できたのだろうか? 以下は、上映終了後のインタビューである。

 * * *

――いかがでしたか?

瓜田純士(以下、純士) うーん、あんまりかな……。目新しいことや予想外の展開が何もなかった感じ。ビリーの行動も想定内でした。ムショで体を鍛えて試合を迎えて……ってのも、俺でも当然そうするだろうと思ったし、シャブで捕まったのも自分に近いし、おまけにビリーのムエタイパンツまで俺の試合着に似てた(笑)。境遇が近いから共感できるかと思いきや、そうじゃなく、そりゃそうだろうよ、と思うことばかりで刺激不足でした。ビリーよりも、「ムショで3人殺した」と言ってた脇役の囚人に興味が湧いた。いっそのこと、あいつを主役にしたほうがよかったんじゃないでしょうか(笑)。

――格闘技の練習シーンで燃えませんでしたか?

純士 いや、そんなに。まったくの素人は騙せても、ちょっと格闘技をかじってる奴だったら、映画の中のビリーはそんなに過酷な練習をしてないことがわかるんで。

――ストーリー展開はいかがでしたか?

純士 どん底からのサクセスストーリーのつもりなんだろうけど、きっかけはただのブーシャ(覚せい剤)だろ(笑)。ムショの中でまで薬物を求めてるし、いちいち短気を起こすし、世話になったレディーボーイに嫉妬をするし……。金払いも悪いんだから、リンチされて当然だろ。おまけにラストで「ビリーは今も薬物と戦っている」って、まだやめてないのかよ! っていう(笑)。奴はすべてが未熟で中途半端なんですよ。

――実話ベースだから、そこらへんは正直に描いたのかも。

純士 ドキュメントとして見れば面白かったけど、せいぜい『世界まる見え!テレビ特捜部』(日本テレビ系)あたりで見るもんでしょう。1時間でよかったかな。2時間の映画にするほどのもんじゃない。この程度の話で簡単に映画になっちゃったら、ますます本人が調子に乗りますよ。俺はデビュー作の『ドブネズミのバラード』が売れたことで調子に乗って、全然更生しなかったですから(笑)。10年経ってようやく更生しましたけどね。

――一緒に映画をご覧になった奥様の感想はいかがでしょう?

瓜田麗子(以下、麗子) ウチは大満足でした! 主人公と純士の境遇が近いんで、感情移入しやすかった。ビリーが格闘技を頑張ってる姿を見てウルウルきました。純士は今ケガをして格闘技のジムに通えてへんから、映画を見て練習したいと思ったやろ? そう考えると余計に泣けてきた。短髪で色白やし、アウェイで頑張って這い上がっていく姿も純士とかぶって、グッときたわ。

純士 俺に惚れてるから感動しただけだろ(笑)。ただ、俺もいろいろと思い出しました。そもそも俺が本格的に筋トレや格闘技を始めた動機のひとつは、海外で捕まったときを想定してのことなんですよ。黄色人種でガリガリの体だと、海外のムショで裸になったときにナメられる。そうならないよう、体を嫌え始めた。だから、ビリーがムエタイに目覚めた心理は理解できました。ただ、ビリーと俺は似てるようで、実は決定的な違いがあるんですよ。その違いに萎えました。

――その違いとは?

純士 まず、金払い。俺は10年ほど前にタイでパクられたんですが、留置所の売店でタバコを買うとき、自分の分だけじゃなく、店員の分も買い与えていたんですよ。それが礼儀だし、チップ代わりだと思ってた。ところがビリーは金も払わずタバコを何度も店員にねだったりして、セコかったじゃないですか。

麗子 それはお金がなかったからや。

純士 まあ、それもそうか。俺は入国時にパクられたから、金を持ってたもんな。ただ、ビリーは結局、赤落ち(懲役・禁固の判決が確定)して、ムショに行くじゃないですか。ムショに入った人間は、2つのタイプに大別されます。悪魔に魂を売ってひたすら堕ちていくタイプと、聖書を読みながら更生を図るタイプ。実は前者のほうが、ラクなんですよ。映画の序盤から中盤にかけてのビリーはまさに前者で、誘惑に負けて、ラクなほうラクなほうに逃げてばかりいたじゃないですか。それが男として嫌だった。ダセえなこいつ、と。

――瓜田さんは、そうじゃなかったんですか?

純士 かつてはビリータイプだったんですが、今は昔の自分が大嫌いになって、すっかり性格が変わってしまってるんです。だから、ムエタイに目覚めるまでの自堕落なビリーを好きになれず、作品にもノレなかった。最初からすべての誘惑を断ち切って、ブレずにひたすらリングを目指す話だったら、今の俺でもノレたんでしょうけど。

麗子 あの人(映画の中の囚人)たちって、いろんな理由があって、底辺の底辺の底辺におるんでしょう。上流階級、中流階級、いろんな人がおると思うけど、どこの階級で生きるかは、やっぱ自分次第やなと強く思ったわ。最底辺から中流や上流にいくことも、生き方次第では可能やと思った。逆に、上流の人でも下の下のふるまいをしてたら最底辺に転落する。結局そういうことやねんな。

純士 下獄してからビリーはしばらく、動物のように生きちゃってた。「薬物が欲しい」「タバコが欲しい」なんて言わず、誇り高く生きてたら、同じ境遇でもワンランク上の扱いになってたはずなのに。

麗子 ちょっとした今の快楽だけを追ってると、あとで「あれ? 知らんうちに最悪なことになってしまってる。え、なんで?」という結果になりかねないから、やっぱ酒や麻薬はやらんほうがええな。一度しかない人生やのに、そんな風に時間を過ごすのはもったいない。

純士 ちょっと可哀想なのは、ビリーって単細胞なんだよね。もっと賢かったら、俺のようになれたのに。ヘヘヘ。

――タトゥー愛好家の瓜田さんから見て、この映画に出てくる囚人たちのタトゥーはどうでしたか?

純士 特に驚きはなかったです。タイには何度も行ってるし、パクられたときも、保釈中に1ヶ月ほどバンコクにいて、多くのタイの元囚人とかと関わったから、あの手のタトゥーは見慣れてるんですよ。ビリーが入れた虎の模様もたくさん見ました。あれ、向こうのお守りというか験担ぎみたいな模様らしいですね。ついでに言うと、ワイクルー(ムエタイの競技前に行われる舞踊)も毎朝のように見てたんで、特に新鮮味はなかったというか、タイでの生活を思い出してウンザリしました。

――瓜田さんは、なぜタイで捕まったのでしょう?

純士 入国審査のときに止められたのに、暴れて強行突破しようとしたらパクられました。パスポートも没収されて、この映画にも出てきたようにトラックの荷台に乗せられて、留置所にぶち込まれたんです。最初は相部屋でした。

――映画のビリーみたく、同部屋のタイ人からいじめられませんでしたか?

純士 すぐに1人部屋に移されたから大丈夫でした。これは海外でパクられたときの鉄則で、フィリピンでも使った手なんですが、俺は捕まると、狂人のフリをするんです。そうすると1人部屋に移してもらえる。でも、気持ちは全然休まらなかったですよ。「7年は食らう」とのウワサを耳にしたりして、焦りました。いろんな人の助けもあって、留置所はすぐに出ることができましたが。

――よかったじゃないですか。

純士 いや、そこからも辛かったですよ。裁判を待つ間、出国が許されず、『ドブネズミのバラード』の印税を握りしめて1ヶ月ほど、あちこちのホテルを転々としたんですが、慣れない異国だし判決も不安だから、体調を崩して熱でうなされる日々が続きました。その間ずっとホテルの庭から、ピー・ムアイ(ムエタイの音楽)が流れてきて……。この映画でもピー・ムアイが延々と流れてたから、当時の苦しい思い出が蘇ってきて苦痛でした。

麗子 映画見ながらそんなこと思ってんの、純士だけやと思うで(笑)。あの独特の音楽が、異国で捕まった不安感を煽って、よかったやん。

純士 音楽はさておき、意志の弱い欧米人が吠えてるだけって感じで、映画としてイマイチだったかな。捕まるまでのシャバでの様子や、親との関係とかがもっと描かれてれば、ビリーに感情移入できたと思うんだけど……。

――でも映画の評判は上々のようで、今日も満席でしたね。

麗子 お客さんの9割ぐらいが男の人やったな。隣のおっちゃんが、2時間ずっと鼻ほじってて、おまけに息も臭かったんやけど、それを無視できるほどの内容の濃さやったわ。ところで劇中、新入りの囚人がレイプされるシーンがあったやん。あれ、純士が犯される立場やったら、どうする?

純士 あの段階だったら、迷わずケツを差し出すね。

麗子 えええっ!?

純士 下手に抵抗して、殺されるほうが嫌だ。ケツ掘られたって命に関わらないから、いくらでもどうぞ、って感じかな。俺はとにかく生き伸びたいと考えるタイプだから。

――タイ人の受刑囚たちの迫力はどうでしたか?

純士 今さらあんな刺青だらけのたるんだ体をたくさん用意したところで、たいして驚かないですよ。今はYouTubeやテレビの『クレイジージャーニー』などで、世界のいろんな裏情報が出回ってるから、ああいう環境の映像に新鮮味がない。映画って、想像の域を超えるから面白いんであって。ちょいちょい瓶を割って脅かしたりもしてたけど、ああいうハッタリも怖くなかったですね。

――そうですか。

純士 カンヌで話題になったと聞いてたから楽しみにしてたんだけど、おまえの半生なんてどうでもいいよ、と思っちゃった。出来事がどれも普通に思えちゃって。格闘技を題材にした映画は好きだけど、俺の魂には火がつかなかったですね。

――褒めるべき点はありましたか?

純士 さっき「ドキュメントとして見れば面白かった」と言いましたけど、それって実は、最高の褒め言葉でもあるんです。まったく映画っぽくなく、リアルだなと思えたし、彼が役者だとも思えなかった。ビリー本人という感覚で終始見れたのはよかったかな。

麗子 あれ、本人ちゃうの?

純士 (呆れ顔で)……ビリーを演じてるんだよ、役者(ジョー・コール)が。

麗子 本人がやってると思ってたわ!

純士 そんだけ役者がすごいんだろうね。あとは、タトゥーまみれの房長みたいなのが、いいことを言ってましたね。「俺たちは人間なんだ。動物じゃない。話し合いができる」と。あれは「確かに」と思いました。

――この映画から得た教訓はありますか?

純士 郷に入っては郷に従え、ってことでしょうか。ムショに入ったらジタバタせず、「いかに賢くふるまって、いかに最短で出るか」だけを考えるべき。とはいえ、真面目に生きてれば無関係な世界なんですけどね(笑)。すべてはあいつの行いが悪い。自分がちゃんとしてれば、あんなところにぶち込まれることはないわけですから。

麗子 シラフ最高! それがこの映画から得た教訓ですね。

純士 あ、最後に、この作品をカンヌで褒め称えた連中にこう言いたいです。「YouTubeで『瓜田純士プロファイリング』を見ろ! もっとすごい役者がいるぞ!」と。俺のことなんですけどね(笑)。
(取材・文=岡林敬太)

『暁に祈れ』瓜田夫婦の採点(100点満点)
純士 50点
麗子 80点

※瓜田純士のYouTube好評配信中!(瓜田純士プロファイリング)
https://www.youtube.com/channel/UCv27YAy0FZ-4wwisy5zPmeg

※「“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士、かく語りき」の記事一覧
https://www.cyzo.com/cat8/outlaw_charisma/

“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士が『ボヘミアン・ラプソディ』を大絶賛!「過去最高!」と評したワケは……

 11月24日はフレディ・マーキュリーの命日。というわけで、今月の「“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士、かく語りき」は、伝説のバンド・クイーンのボーカリスト、フレディ・マーキュリーの生涯を描いた映画『ボヘミアン・ラプソディ』を題材にお届けしよう。「ロックは好きだし、母親のあだ名はクイーンだし、新宿二丁目のクインという和食屋にも行ったことがあるけど、バンドのクイーンはほとんど聴かずに育ってきた」という38歳の瓜田は、果たしてこの作品を見て何を感じるのか?

 映画『ボヘミアン・ラプソディ』は、1991年に45歳の若さで逝去したフレディ・マーキュリーの伝記ドラマだ。英国では『ラ・ラ・ランド』の累計興行収入を上回り、日本でも今月9日の公開以降、2週連続で興収1位を獲得するなど世界中で大ヒットしている。

 取材当日も場内は満員。客層は中年以上の男女が中心だったが、20代風の若い観客も多く見受けられた。

 1979年に新宿で生まれ、青春時代はBOØWYやガンズ・アンド・ローゼズなどを聴いて育ち、自身もバンド活動をしていたことがある瓜田だが、クイーンにはほとんど関心がないようだった。

 先月、映画館のロビーで予告編をチラリと見た際には、「これ、つまんなそうだな。俺、クイーンってあまり好きじゃないんですよ」とつぶやいていた。今回この映画を見ることに決まったのも、実は二択の消去法だった。

 編集部から「今月の映画評は『ボヘミアン・ラプソディ』か、『映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』。このいずれかでお願いします」と言われ、瓜田が渋々前者を選んだに過ぎない。

「クイーンってあまり好きじゃない」という発言の真意は後ほど詳しく聞くとして、まずは奥様と共に映画をじっくり見てもらうことにした。

 以下は、鑑賞後の瓜田夫婦の感想である。

 * * *

――いかがでしたか?

瓜田純士(以下、純士) 過去最高! 日刊サイゾーの連載で見た映画15作品の中で、ぶっちぎりの1位! DVD出たら買うわ!

瓜田麗子(以下、麗子) うん、これは絶対買わなアカンやつや。

純士 まずフレディ・マーキュリーという人物のカリスマ性に圧倒されたし、それを演じたあの役者(ラミ・マレック)のエネルギーにも圧倒されっ放しで、あっという間の2時間でした。夫婦ともども、ほとんどクイーンに触れてこなかったこれまでの人生を恥じてるところです。

――この作品にも出てくる20世紀最大のチャリティーコンサート「ライヴエイド」のとき、瓜田さんは何歳でしたか?

純士 5~6歳でしょうか。だから、そんなイベントがあったこと自体をこの映画を見て初めて知った。ついでに言うと、フレディがエイズで死んだことも今日初めて知りました。

麗子 本物の「ライヴエイド」は、ワイドショーかなんかで映像を見た記憶があるような、ないような。勉強不足ですいません。

――クイーンというバンドのことは、どの程度ご存知だったのでしょう?

純士 海外の有名なモンスターバンドで、フレディ・マーキュリーっていう変なゲイがボーカルで……ぐらいの認識ですかね。正直なところ、あまりいい印象は抱いてなかったんですよ。というのも、俺が中2ぐらいのときに楽器とかを教えてくれた不良の先輩が、こう言ったんです。「クイーンはロックっぽい雰囲気だけど、所詮はエリートの集まりなんだぜ」と。以来、クイーンは格好悪いみたいな印象が刷り込まれちゃって、好んで聴こうとは思わなかったんですよ。

麗子 エンドロールに出たヒゲのおっちゃん(実物のフレディ・マーキュリー)の顔は知っとったし、ゲイやということもうっすら知っとったけど、その人がクイーンのフレディ・マーキュリーやいうことは今日初めて知りました。

――曲はどの程度知っていましたか?

純士 表題曲の「ボヘミアン・ラプソディ」は、街角で流れる有線とか、『glee』っていう海外ドラマとかで聴いたことがあります。あとは「ウィ・アー・ザ・チャンピオン」とか「ウィ・ウィル・ロック・ユー」あたりのメジャーな数曲を、CMや格闘技イベントで聴いた程度でしょうか。

麗子 ブリトニー・スピアーズとビヨンセが共演してるペプシのCMで流れてた「ズンズン、チャン、ズンズン、チャン」って曲(ウィ・ウィル・ロック・ユー)が好きなんやけど、それもクイーンの曲やったんや~、ということを今日知りました。

純士 という程度の認識のわれわれ夫婦でも、泣くほど感動したんだから、この映画とクイーンというバンドは本当にすごいですね。ミュージシャンの伝記映画ってことでいうと、こないだ『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』っていう作品のDVDを買って。男から女に性転換したカリスマロックシンガーの物語に夫婦して引き込まれたんだけど、そのとき薄々気付いたんですよ。「世の中にはいろんな映画があるけど、バンドの伝記映画みたいなのが実は一番面白いんじゃないか」と。それが今日、確信に変わりました。

――なぜでしょう?

純士 要するに王道なんですよ。バンド誕生の秘話があって、カリスマ性のあるメンバーがひとりいて。で、売れてくると変な奴が近づいてきたり、裏切り者が現れたり、契約の話でトラブったりしつつ、随所随所で誰もが知ってるヒット曲が流れたりして。やがてドラッグに溺れて、家庭がグチャグチャになって、メンバーに寿命が訪れて、死んだ後に殿堂入りする、みたいなパターンが多い。ミュージシャンのそういう話って、ドキュメントにせよ実話ベースのドラマにせよ、面白いんですよ。紆余曲折がハンパないし、そこに名曲の力も加わるから。

――そのほかミュージシャンの映画は、どんなのを見ましたか?

純士 ドキュメントも含まれるけど、『ジャニス:リトル・ガール・ブルー』とか『レッド・ツェッペリン狂熱のライヴ』とか『Ray』とか、結構見てるんです。どれも面白かったけど、『ボヘミアン・ラプソディ』がダントツでした。

――その理由は?

純士 たとえば『Ray』でレイ・チャールズを演じた役者もすごかったんだけど、それは器用なだけで、やっぱレイ・チャールズじゃないんですよ。でも今日の彼(ラミ・マレック)は、フレディそのものにしか見えなかったから、なんの違和感もなく物語に没入できたのがまず一つ。

――フレディもさることながら、ギターもドラムもベースも、よく似ていましたよね。

純士 あんなクリソツ、どうやって探してきたんだろう。特にフレディは顔だけじゃなく、演技力と熱気でそう見させてしまうっていうか。インド系の厳格な家が嫌で、名前を変えて彼女を家に呼んで……っていう序盤から、彼のコンプレックスと希望が入り混じったような表情に釘付けになっちゃって。あの出っ歯は入れ歯だと思うんだけど、俺自身も入れ歯を入れてるってこともあって、そこからスターになっていく展開にめちゃくちゃ感情移入できました。

麗子 他のメンバーの心情もよう伝わってくる作りやったな。

純士 あと、これはカリスマにつきものの話で、俺もカリスマだからわかるんだけど(笑)、どこか孤独で、それを放っておけない女性が現れて、っていうあたりも自分に置き換えて共感できました。マイケル・ジャクソンの『THIS IS IT』もよかったけど、ここまで鳥肌は立たなかったもんなぁ。たぶん、あの役者がフレディを演じたからよかったんだろうな。あの子、すごいわ。

――ライヴのシーンはいかがでしたか?

純士 メンバーと共にバックヤードからステージに向かうあのパターン、よくあるっちゃあるんだけど、そこに至るまでの熱気とか緊張がビンビンに伝わってきました。まさにフレディの横にいる気分。CGを使ってるのか全部エキストラなのか知らないけど、空撮も交えた客席の盛り上がり方も圧倒的で、映画館にいるこっちまで興奮した。もちろん、すべては「楽曲のよさ」あっての興奮だけど。曲の生誕にまつわる裏話も知ることができたし、字幕で歌詞の意味を知って泣けるシーンも多々あったわ。

麗子 ウチも1曲目から込み上げてくるもんがあって、途中からは震えながら泣いてたわ。映画としてもテンポがめっちゃよくて、それでいて内容も濃いから、最後まで飽きへんかった。映画って、2時間のうち必ず飽きるとこがあるねんけど、今回なかったってことは、これは1曲のミュージックビデオみたいなもんで、フレディの生涯は音楽やねん。しかも彼にとって音楽は仕事やなく、命やねんな。

純士 映画『アマデウス』にちょっと近いかも、とも思った。モーツァルトの破天荒な生涯が描かれてるんけど、流れる音楽は天才そのもの。それを見てる感じでした。あと、これは監督の意図じゃなく、実際のライヴがそうだったのかもしれないけど、最後、持ち時間20分のトリに表題曲がくるかと思いきや、そこを裏切る曲順だったじゃないですか。しかも、例のオペラのフレーズを切ったあたりが、オシャレだなと。大トリで表題曲がかかって例のオペラも全部やっちゃったら、予想通りで面白くなかったと思います。

――今のところベタ褒めですが、不満点は?

純士 不満ってわけじゃないけど、一箇所だけ「ここは美化したかな」と感じたのは、元嫁のメアリーが夢を見て、クスリでヨレてるフレディの元を訪れる場面。あれ、実際は来てないんじゃないでしょうか。再婚して子どもまでできてたら、さすがに元旦那のところには行かないんじゃないか。あれは脚色じゃないかな、と感じました。まあでも、そのシーンがあったおかげで、フレディの孤独さがより一層浮き彫りになったし、裏切り者と縁を切って仲間の元へ戻るシーンにつながるわけだから、脚色だとしてもアリなんですけどね。

麗子 ウチはあのシーン、自己投影しながら見てたわ。実は今朝、夫婦喧嘩をしたんですよ。そやからウチは、タクシーに乗ってメアリーが去って行くシーンを見ながら、「純士が『こうなりたくない』と思って心を改めてくれればいいのに」と思いました。

純士 全体的に文句のつけようがない作品でしたが、メアリーに対してだけは文句を言いたい。窓辺の電気をつけて乾杯するっていう約束事のとき、気のないそぶりを見せやがって。気持ちはわからないでもないけど、せめてもっと近くにいてあげろよ! フレディが可哀想だろ! と思いました。

麗子 あれはしゃあないで。紀州のドンファンの嫁みたいな性格やったら、たとえ気持ちがなくても、お金で割り切って仮面夫婦を続けることもできたんやろうけど、メアリーは心が綺麗やから、そういう関係を望まへんかってんやろ。そこがウチ的にはよかったわ。

純士 フレディは一途だったんだね。あれだけの大スターだったら、もっと色恋があるはずなのに。

麗子 いやいやいや、じゃあ、なんでエイズになるん?(笑) 映画では描いてへん部分もあるんやって!

純士 あの時代、どういうセクシャリティーの主張の仕方があったのかわかんないけど、あんなヒゲ同士でくっつくもんなんですか? あれが当時の合図だったんですか? あのフレディにケツを触られたお手伝いの男、いい味出してましたけどね。「今度触ったらブン殴るぞ」とか言っときながら、最後ちゃっかりステージ脇に行くまでの仲になってるという(笑)。「お前誰だよ」みたいな。

麗子 ニヤニヤしとったもんな。どっかの演歌歌手みたいな顔して。

純士 フレディがエイズであることをメンバーにカミングアウトするタイミングもよかったし、あと、フレディのお父さんもよかったな。息子のことを、ひそかに応援してる感じが。しかし、ああいう家庭に育った子が、あれだけの世界的スターになっちゃうんだから、本当にすごい話だよね。

麗子 アメリカンドリームやな。

純士 まあ、イギリスなんだけどさ。

麗子 イギリスかーい!(笑)

――では、そろそろまとめのコメントをお願いします。

純士 メンバーも家族も、元嫁もその恋人も、裏切り者もレコード会社のお偉いさんも、エイズをカミングアウトする前から「大丈夫なのか?」とフレディの一挙手一投足を見守ってる感じで終わった2時間でした。そこに真意が詰まってるというか、本当はそれだけ愛されてたのに自分から孤独になっていったんでしょうね。だから最後、受け入れられてよかったですよ。ドラマーあたりが怒って「お前とはやれない」とならなくてよかった。いやぁ、やっぱ、バンドの映画は面白い!

――日本でBOØWYの映画とかを作ったら、どうなるでしょうね?

純士 邦画のバンドものだと最近、『キセキ-あの日のソビト-』っていうのをDVDで見たんですよ。GReeeeNの「キセキ」の誕生までの実話を元にした物語なんですけど、イマイチでした。なんでこんなに違うのか? それはきっと、売れ方のレベル違うからじゃないかと思います。スーパースターの暮らしぶりや、見えてる景色が日本と海外とでは全然違うから、作品のスケールも違ってきちゃうのかな、と。

――なるほど。

純士 GReeeeNはさておき、クイーンを聴いてこなかったことはマジで恥じてます。今日から大ファンになりました。

麗子 ウチもや! フレディが生きてる間にクイーンをちゃんと聴かへんかったとは、なんて薄っぺらい人生を歩んできたんやと反省してます。

純士 こんな世界的なロックスターを知らずに、俺はアマチュアバンドでステージに立ったとき、観客に向かって「お前らロック好きか? ロックが好きならこの曲知ってるだろ? 行くぜ!」とかほざきながら、手垢のつきまくった邦楽のカバーを演ってたんですよ。「てめえが一番ロックを知らねえんじゃねえのか? てめえが知ってるのはヤーさんの世界だけだろ!」と、観客は心の中で突っ込んでたかもしれませんね(笑)。
(取材・文=岡林敬太/撮影=おひよ)

『ボヘミアン・ラプソディ』瓜田夫婦の採点(100点満点)
純士 100点
麗子 100点

※今回から採点機能が加わりました。過去回の採点も記事一覧からご覧になれます。

※「“キングオブアウトロー”瓜田純士、かく語りき」の記事一覧
http://www.cyzo.com/cat8/outlaw_charisma/

※瓜田純士のYouTube好評配信中!(瓜田純士プロファイリング)
https://www.youtube.com/channel/UCv27YAy0FZ-4wwisy5zPmeg

“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士の過激すぎる夫婦喧嘩が映画『焼肉ドラゴン』で解決しちゃった!?

“キング・オブ・アウトロー”こと瓜田純士(38)が、愛妻と共に映画の感想を語り合う不定期連載。今回の作品は、高度経済成長期の在日コリアン一家の生活を描いた『焼肉ドラゴン』(鄭義信監督)だ。最近、夫婦喧嘩が絶えない瓜田家。この映画を見たことによって、東京出身の夫と、大阪出身の妻の価値観の相違が改めて浮き彫りになったらしく、またしても口論が始まった。瓜田夫妻、大丈夫か……?

 瓜田夫妻は先月末から不定期で、「ふわっち」というアプリで動画の生配信を行っている。時事ネタ、健康ネタ、アウトローネタなどをコンビでざっくばらんに語り合っているのだが、この番組進行を巡って、夫婦喧嘩が絶えないのだという。

 映画館に現れた瓜田純士は、開口一番、「たかがふわっちで離婚危機ですよ」とぼやいた。

「配信中に、ひよっけ(妻の愛称)がちょいちょい粋がるもんだから、それを制したところ、夫婦喧嘩に発展しまして……。こっちはテンションがダダ下がりになったんですけど、ひよっけは続きを配信したいと言って、ひとりでめちゃくちゃハシャいでるから、『俺はやる気ねえよ。バカじゃん』ぐらいの態度を取ってたんですよ。そしたら『なんでやねん!』とひよっけがガチギレしまして。『知らねえよデブ!』と言い返したら、『もう離婚や!』と言われてしまいました」

 夫婦の会話はそこで途切れ、家の中は重苦しい沈黙に包まれたという。

「そんなさなかに緊急地震速報が飛び込んできて、部屋の電気が落ちたから、謝るなら今だ! と思って後ろから抱きしめて、『ひよっけ、さっきはごめんな』と言ったら、『何しとんねん!』と払いのけられた。その後もしばらく無言状態が続いたので、こうなったらあのセリフで揺さぶりをかけるしかないと思って、台湾版『花より男子』の御曹司を真似して『おいひよっけ、俺といても辛いだけだろうから、もうラクにしてやる』みたいなことを言ったら、『うん、ありがとう』とあっさり返されたから、参りましたよ」

 それが昨夜の出来事だとか。まだギクシャクした空気を抱えたまま、ふたりは映画館にやって来たのだ。

「面白い映画を見て、うまいメシでも食えば、きっと仲直りできるんじゃないかと思ってます。なぁ、ひよっけ?」

 奥様はプイッと横を向いた。

 以下は、映画鑑賞後のインタビューである。

 * * *

――いかがでしたか?

瓜田純士(以下、純士) よかったですね。こんなに感動するんだったらティッシュを持ってくればよかったですよ。

瓜田麗子(以下、麗子) 映画を見てる最中、昨日の夫婦喧嘩のことが何度も脳裏をよぎったし、なんでウチらが喧嘩になったのかもわかったわ。ま、それはのちほど。

――映画の序盤から、おふたりがヒソヒソ話をしながらクスクス笑っていたから、「あ、夫婦喧嘩は収まったんだな」と安心しました。

純士 あれは出だしから、ひよっけのいつものド勘違いが始まったから、笑ってただけですよ。まずあのアボジ(父/キム・サンホ)のことを「さすが、ほっしゃん。やばい演技するで」とか言い出した。俺が何度否定しても、前半はずっと、アボジのことをほっしゃんだと思ってたみたいで。さらには、あの焼肉屋の中で酔っ払って大泉洋にやたらと絡む奴がいたじゃないですか。あれを、「山田孝之や」って言い張るんですよ(笑)。

麗子 あれ、ホンマに山田孝之ちゃうの?

純士 ……って、何度も言うもんだから、「全然ちげーよ!」っていう面白さがあって。俺は俺で、あのクラブの支配人(大谷亮平)のことを、しばらくトータス松本だと思ってたんですよ(笑)。そういうふたりの間違いから軽く入れたから、夫婦間のギクシャクは序盤でほぐれました。でも、映画に入り込むのには時間がかかりましたね。

――それはなぜでしょう?

純士 どういうタイプの映画なのか、予備知識ゼロで来たもんだから、しばらく戸惑ったんですよ。たとえば、大泉洋と亀の子だわし(ハン・ドンギュ)が、真木よう子を巡って喧嘩になるシーン。あれ、最後にオチがあるからよかったけど、オチに至るまでの“間”が長かったじゃないですか。だから途中までは、戦後の暗い話に男女のドロドロを織り交ぜた重苦しい映画なのかよ、こりゃ参ったな、と思って見てました。

麗子 そうか?(納得いかない表情)

純士 単に間の悪いドロドロのメロドラマだったらどうしよう……と。途中からは、「あ、これは涙あり、笑いありの作品なんだな」とわかって安心して見れたけど、趣旨をつかむまでに時間がかかりました。

麗子 西の人って、普段でもボケとツッコミを絶対するんですよ。どんなシリアスな場面でも。その色がちゃんと出てたと思ったけどな。

純士 間って、引っ張れば引っ張るほど、笑いが大きくなるというのはわかる。でも、そのタメが俺には長すぎて。リヤカーのクダリも、間が長いと感じた。ま、そうは言っても、笑えたし、感動はしましたけどね。

麗子 大阪っぽさを出すために、喜怒哀楽をほどよいバランスで盛り込みたかったんやと思うで。あとは絶対忘れちゃいけない、ボケ、ツッコミ、オチも。

純士 仮に大阪っぽさの演出だとしても、井筒(和幸)監督だったらもっとテンポよく、わかりやすく描いたんじゃないかな。

麗子 コッテギだか、トッポギだかの人?

――『パッチギ!』です。

麗子 あ、そうやったか(笑)。

純士 『焼肉ドラゴン』で一番わかりやすかったのは、クラブの乱闘シーンでした。大御所シンガー(根岸季衣)が嫉妬して喧嘩になる。あれは迷わず笑えました。でもそのほかは全体的に、男女のガチっぽいギクシャクした関係性の描写が多かったから、ストンと笑いに落ちにくかったんですよ。

麗子 おじゅん(夫の愛称)は東の人間やからや。ひよっけは、吉本新喜劇を見てる感覚ですんなり笑えたで。

純士 言われてみれば以前、嫁に新喜劇を見せられたとき、ちょっとあの間に馴染めなかったなぁ。

麗子 最後までよぉ見ぃひんかったもんな。

純士 俺は、ひょうきん族とかドリフで育ってるから。ドリフだと、クシャミしてからタライが落ちるまでが早いんですよ。でもこの作品の間は、もっと引っ張るんです。そのスピード感がなぁ……。

麗子 たぶん西と東は、間合いが全然違うんやろうな。ウチはたけしの何が面白いのかわからない。けど、さんまは面白い。なんでか言うたら……

純士 出ました、ひよっけの「ウチはこう思ってる節」! これが「ふわっちクオリティー」です(笑)。

麗子 フンッ!

純士 ひよっけ~、大好きだよ~(取り繕うように甘ったるい声で)

麗子 嫌い! 大嫌いや!

――あれ? まだ仲直りしていなかったんですか?

麗子 ウチは今回の映画を見て、おじゅんとなんで喧嘩になるのかがわかったんですよ。西はこの映画の大泉洋みたいなアカンタレな大人の男がぎょうさんいてるから、ウチみたいな気の強いチャキチャキした女はすごいチヤホヤされるし、重宝される。西はカカア天下なんですよ。でもこっち来てビックリしたんは、東京は男が女にやたら偉そうにしてること。特にこの人(純士)は男の人としてすごいチヤホヤされて、女の人を踏みつけて生きてきた人でしょ? そのカルチャーギャップが、ウチらの夫婦喧嘩の原因やねん。

純士 俺がこの映画を見て感じたのは、大泉洋がカッとなるタイミングが、俺と同じだってこと。で、井上真央がふてくされて奥の座敷に引っ込むタイミングが、ひよっけと一緒だってことだね。あと、アボジとオモニ(母/イ・ジョンウン)の関係性も、瓜田夫妻に似てるな、とも思った。アボジは苦労してるし、みんなの幸せを考えないといけない立場だから、登校拒否のいじめられっ子である息子(大江晋平)に留年しろと言った。一方、オモニは息子のことしか見えてないから感情的になって、それに反対した。それが俺とひよっけの関係にソックリでした。よくひよっけが、俺の苦労も知らずに、「そこはこう言ってほしいねん」と、いっときの感情で噛みついてくるんですよ。でも俺は全体が見えてるから、「そこでその言葉を言ったらオシマイじゃん」と、グッと堪える選択をすることが多いんですよ。

麗子 ウチは「なんてKYな女なんだ!」と、おじゅんからよく怒られるんですけど、この映画に出てくる井上真央みたいに、思ったことはなんでもバンバン言ってしまう性格なんですよ。でもこっちの人って、本音と建前があるやんか?

純士 ひよっけは「本音と建前」と思ってるけど、そうじゃなくて、「子どもと大人」なんですよ。空気を読むんですよ、大人って。

麗子 ………。

純士 孫悟空って「お腹すいた、お腹すいた」って簡単に言うでしょ。「でもここでそれを言っちゃダメだよ、悟空くん」っていう俺の態度を、ひよっけは「建前」だと言う。「悟空のままでええねん」となるんですよ。それでよく喧嘩になるんです。

麗子 そんなに周りに気を使わんでもええやんか。

純士 いや、ここでは大人の態度を取らないとまずい、という場面だってあるでしょ。

――双方の長所を認め合いつつ、歩み寄るのが一番なのでは?

麗子 そやねん。実際、ちょっとずつやけど、歩み寄ってはいますよ。おじゅんも西寄り感を出してくれようとしてるし、ウチもいろいろ我慢してるし。

純士 大阪人と東京人、まだお互いの出身地に対するプライドがあるから、ぶつかることも多いけど、あと2、3年もすれば完璧なニコイチになってますよ。

――そうなることを祈ります。

純士 で、映画の話に戻るけど、笑いだけじゃなく、重いテーマも入ってて、しっかり“泣かせ”があったのはさすがでした。それと結局、何があっても最後は家族なんだな、という点に感動した。喧嘩しようが浮気しようが、何かにつけて家族がちゃんと集まるじゃないですか。あれが微笑ましかったし、羨ましかったですね。

麗子 よぉ描いてはるなぁと感心したのは、実際、関西って若くして死ぬ子が多いんですよ。家庭環境が複雑だったりヤンチャな子も多い環境やから、ウチの周りでも自殺とか交通事故で死ぬ子が多かった。映画では自殺の背景とかも描いてはったから、監督はきっと、西を伝えたかったんやろうな。

純士 いや、全然違う。

麗子 ひよっけはそう思ったの! おじゅんはおじゅんでええやん! ひよっけにはひよっけの感想があんねん!

純士 西や東はあまり関係ないと思う。これはきっと、当時の在日韓国人のありきたりな一般家庭の話なんですよ。高度経済成長期の日本には、そこでしか生きられない在日韓国人がたくさんいたんだよってことを、『サザエさん』や『男はつらいよ』を見て育った現代の日本人に見てもらいたかったんじゃないかな。で、作品の肝は、アボジの言ってた言葉でしょ。「たとえ昨日がどんなでも、明日はきっといい日になる」「逃げても何の解決にもならない。ここで生きていくしかない」。俺はおじいちゃんからずっとそう言われて育ってきたから、アボジの言葉には本当に共感できたし、最後はやっぱり家族の絆が大事なんだということであるなら、腹を割って話せるひよっけを嫁にして本当によかったと思いましたよ。

麗子 ホンマにそう思うてる?

純士 思ってる、思ってる。最後のアボジとオモニのシーンを見て、「女はゴマンといるけど、やっぱひよっけじゃなきゃダメなんだ」と俺も思ったから。

――笑いの間が合わなかったこと以外の不満点は?

純士 お役所の人が立ち退きを要求しに来る場面が、もう3、4回あってもよかったかも。で、全員が冷徹な役人ってわけじゃなく、中には情が移ってしまう役人もひとりぐらいいて、家族と一緒に飲んだりするシーンでもあったほうが、人情味が出ただろうし、解体されたときの切なさもより一層出たんじゃないかと。あと、個人的にちょっと不満だったのは、飛行機の音がうるさすぎた点と、真木よう子の芝居が重すぎた点ですね。真木は『孤狼の血』のときはあの重さがハマったけど、今回は足を引きずってるワケありの長女ってだけで重いんだから、もっとラフに芝居してほしかった。終始深刻な顔だったし、ドスのきいた声でガチトーンで来るもんだから、超シリアスな物語なんだと思って序盤は構えちゃったよ。ヤカンのシーンは笑ったけどさ。

麗子 西の人は重いこともあえて重さを表現せず、結構さらっと言ったりするから、あの演技は確かにちょっと重かった。あと、ケガした足をわざわざ人前で洗うのは、なんかわざとらしくていやらしいねん(笑)。でも、その真木よう子が、日本語をしゃべれない初対面の人を身内のパーティーに招き入れるシーンは好きやで。顔を合わせたら誰とでもすぐ仲良くなるあの感じは、西っぽいと思ったわ。

――大阪出身の奥様から見て、役者陣の関西弁はいかがだったでしょう? ちなみに大泉洋は北海道、真木よう子は千葉、井上真央は神奈川、桜庭ななみは鹿児島出身です。

麗子 85点ですね。みんなものすごく頑張ってましたが、感極まると、イントネーションがおかしくなったり、「アカン」が「ダメ」になったり、ところどころ不自然やったかな。でも演技は全体的にめっちゃよかったです。井上真央なんて、幼少期の自分を見てるようで、ホンマにうまかったです。

純士 大泉洋もよかったよね。イケメンじゃないし、強くもないけど、強がってみせて、結局トホホな感じになるっていう、あのサジ加減が絶妙で。

麗子 大泉は、人間味があって親近感湧くよな。

純士 恋敵とやりあうシーンでも、あれがたとえば江口洋介だったら相手を一喝して終わっちゃうんだろうけど、大泉だと「なんだこの野郎!」と相手からやり返されちゃうから面白い。

麗子 おもろい顔してるしな。あと、アボジとオモニもよかったな。新大久保あたりに住んでる素人さんちゃいます? って感じ。ドキュメンタリーかと思ったわ。

純士 そう思わせるってことが、役者として一番すごい。

――ところで、在日韓国人に対する差別やいじめは、おふたりの身近にありましたか?

麗子 親の世代から、なかったと思います。たまに「あの子は在日だ」とかいう噂が立つこともあったけど、個人的にはどうでもいい問題だったので、確かめもせず一緒に遊んでましたよ。

純士 自分がガキの頃の新宿には、すでに当たり前に韓国人が街や学校にいたので、差別はなかったし、韓国人と聞くと「金持ちなのかな」と思う程度で、いじめの対象にもならなかったですね。でも、近所の韓国学校とはよく喧嘩をしましたよ。自分がいた中学の先輩が弱かったせいで、「日本人はたいしたことない」とナメられてた感があります。韓国学校の生徒にいじめられて「ママに言いつけるぞ」と言って逃げ帰った日本人もいたらしいから(笑)。

――結論として、この映画を見てよかったですか?

純士 『万引き家族』のようなズッシリくる感じはなかったけど、娯楽作品として十分に楽しめました。

麗子 見てよかったというか、おじゅんに見せれてよかったです。ウチは最近、ふわっちの配信中や日常生活の中で関西色を出しすぎて、おじゅんによく怒られてたので、この映画を見せることによって「ひよっけは実は100分の1も関西色を出してへんのやで。普段からめっちゃ我を抑えて頑張ってるんやで」ということを夫に伝えられてよかったです。

純士 ひよっけには悪いけど、俺はこの映画を見ても、その言葉を聞いても、そこについてはなんも伝わってこないよ。

麗子 はぁっ!?

純士 大阪ではカカア天下でハシャいでこれたのかもしれないけど、東京だったら通用しないですから。ありえないですよ。

麗子 東京に通用せんでも、おじゅんに通用すればええやんか。

純士 そんなの大阪でやってろ、って話ですよ。「大阪ではもっとイキってたんや。そういう自分を捨てて来たんや」という思いが強いせいで、最近ちょいちょい地を出そう、地を出そうとするから面倒くさいんですよ。

麗子 出てまうねん。楽しくなったら。

純士 それが鼻につく。

麗子 それってひどない? 人格否定や! 昔のひよっけは、もっと元気で、もっとしゃべって、もっと笑ってってしとってん。それを完全に押し殺したら、仮面夫婦になってまうやろ? そんなんやったら離婚したほうがマシや!

純士 (しばし沈黙したのち)……まあ、冷静になって考えてみると、どんなにキャンキャン粋がったところで、所詮はひよっけひとりじゃないですか。大阪から出てきて俺に人生を捧げてくれてる。彼女にとって東京はアウェイですよ。そういう立場の人が粋がったところで、たかが知れてるし、俺にはそれを包み込む器量さえもないのかよ、と思うと、ちょっと自分が情けなくもなるかな。

麗子 そうやで。もっと泳がしたってよ。1回こっきりの人生なんやから。

純士 俺は、常識人になりすぎちゃうところがあるんですよ。もっとくだけていいような場面でも、「他の人に迷惑をかけるから」みたいなところが。

麗子 あんねん、堅苦しいところが。

純士 その生真面目なところが、ひよっけ本来のノリからすると、「大人ぶってる」ということになるんでしょう。

麗子 そうそう、すぐに大人ぶりよんねん。

――純士さんはこう見えて、紳士的なところがありますからね。

純士 顔にタトゥーがあるからこそ、余計にそういうところで気をつけようと思うんですよ。

――奥様は、標準的な関西娘なのでしょうか? それとも?

麗子 ちょっと上品なほうです(急に澄まし顔になる)。

純士 あのですね、彼女は下品の見本市みたいなところがあるんですよ(笑)。

麗子 ひどーい!

純士 ウソウソウソ(笑)。そういやこないだ、ひよっけが道端でなんか食べたいと言い出したから、俺は通行人に迷惑がかかるから人のいないところで食えって注意したら、喧嘩になったんですよ。そこでひよっけが言い放った言葉が、すごいですよ。「道はものを食べるためにあるんやで!」だって(笑)。あれはさすがにウケましたね。

麗子 ええ言葉やないの(笑)。

純士 自分の嫁の好きなところは、ハングリーさですね。スーパーに行って両手で抱えきれないほどの荷物になっても、「袋は4円もかかるからもらわんで!」とか言うんですよ。まあ、恥も外聞もないんだけど、家計を守るという意味では最良のパートナーなのかもしれない。そんな彼女には「ホテルのロビーでは騒いじゃダメだよ」なんていう俺の紳士的なアドバイスは、馬の耳に念仏なんですよ。

麗子 なんでそんな眠たいこと言うてんねん、思うわ。眠たいわ~、ホンマ。

純士 眠たきゃ道で寝ればいい、みたいなノリなんですよ、ウチの嫁は(笑)。

麗子 人生、毎日を全力で楽しまないと。いつ死ぬかわからんねんで。ウチひとりぐらい粋がらせてみぃや。押さえつけたら可哀想やろ。生きてんねん、ひよっけも。

純士 まあ、それもそうだな……って、『焼肉ドラゴン』とは全然関係ない話になっちゃいましたね(笑)。

 * * *

「離婚」という言葉が飛び出したときはヒヤッとしたが、瓜田夫妻はその晩、ふわっちで仲良くカラオケ配信をしていた。「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」とは、まさにこのことだろう。
(取材・文=岡林敬太/撮影=おひよ)

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少年期は「万引き」どころじゃなかった“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士に映画『万引き家族』を見せたら……?

“キング・オブ・アウトロー”こと瓜田純士(38)が森羅万象を批評する不定期連載。今回の議題は、第71回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールに輝いた是枝裕和監督の『万引き家族』だ。少年期は万引きよりも悪いことを山ほどしてきたが、近年は家族の絆と社会的規範をことさら重んじる瓜田。果たしてこの映画にどんな反応を見せるのか?

 新宿の映画館のロビーに妻同伴で現れた瓜田が、いきり立っている。どうやら夫婦ゲンカの真っ最中のようだ。

「このバカ女が! てめえが男だったら蹴り飛ばしているところだぞ!」

 何があったのかを尋ねてみると……。

「チャリでここまで来る最中、俺は新宿育ちだから安全かつ最短のルートを知っているって言ってんのに、嫁が見当違いな道をズンズン先に行っちゃうんですよ。ちょっと待て! と言っても止まってくれないから頭に来て」

 妻も負けていない。記者を盾にしながら、涙目になってこう反撃する。

「純士が鈍臭いねん! この運動音痴のバカ旦那を、私の代わりにシバいたってください!」

 万引き家族ならぬドン引き家族と化した瓜田夫妻をどうにかこうにかなだめつつ、急いで劇場内へ送り込む。私語厳禁の場内で2時間ほど映画の世界に没頭させれば、きっと両者の怒りも収まるだろうという期待を込めて……。

 以下は、上映終了後のインタビューである。

 * * *

――いかがでしたか?

瓜田純士(以下、純士) いやぁ、衝撃的でした。このところ、いろんな映画を褒めてばかりいたから、今回はけなしてやろうと思ったんですけど、文句のつけようがないわ。すごい映画でした。

瓜田麗子(以下、麗子) 一言でまとめると、「アカン!」。最高の意味でもアカンかったし、やっていることのデタラメさもアカンかったし、切なすぎるという意味でもアカンかった。もっと早い段階で軌道修正して、もっといい環境におったら……アカン! 思い出したらまた泣けてきた(と言ってハンカチで目頭を拭う)。

純士 この映画の家族は、共依存で成り立っているんですよ。貧困という問題も絡んで、ものすごくいびつな共依存になっていた。結果、法を犯さざるを得ない部分もあったけど、見えない絆みたいなものに依存しつつ、家族が成り立っていたじゃないですか。そこが刺さりました。他人事じゃないな、と。

――他人事じゃない?

純士 はい。瓜田家に置き換えてもわかることなんで。ウチも、他の家とは明らかに違うんですよ。でも、他の家がどうであれ、ウチらが共有している暗黙のルールみたいなものがあって。この映画の家族と瓜田家の違いは、法を犯しているか、いないか、だけ。一歩間違えたらウチだってこうなってもおかしくないと思っているから、他人事じゃないんですよ。もし俺が法を犯すようなことがあったとしても、ウチらは普通に夫婦のままでいると思う。そういう絶対的な揺るぎない絆が、リリー(・フランキー)さんと安藤サクラの間にもあったから共感できたし、泣けました。

――なるほど。

純士 リリーさんは、貧困が生んだ、一つの大黒柱。やっていることはセコイんだけど、絶対の大黒柱なんですよ。それに気に入られたくて一人前になろうとする子どもたちが、気の毒なんだけどいじらしくて、たまらなかったですね。

麗子 リリーの生い立ちまでは描かれていなかったけど、彼もきっとネグレクトで育ったんやろうな。だから不器用で、浅はかで。

純士 リリーさんの「万引き以外に教えられることがない」みたいなセリフが強烈だったね。工事現場でもろくすっぽ役に立たないポンコツだけど、本当はいろんなことを子どもに教えてあげたいという父性を持っている。でも、学がないから、それをできないというね。ド底辺エレジーだわ、これは。

麗子 そんなリリーやけども、家族との間に絆はあんねんな。

純士 それってすごく重要なこと。血が繋がっていても心が繋がっていない家族って、世の中にいっぱいいるじゃないですか。帰るべき家に帰ることが不幸の始まりだったりするという。

麗子 つい先日、目黒で女児虐待死事件があったばかりやろ。それと映画がダブってもうて、涙が止まらへんかったわ。

純士 ネタバレになるからストーリーについてはあまり触れられないけど、まあとにかく衝撃的な作品でした。

――役者陣の演技はいかがだったでしょう?

麗子 「きれい」とか「格好いい」で一切売っていない点がよかったわ。

純士 軍人の格好をしているのに髪型をセットしているような映画が多い中、今回は「100裸」で来た。そこがすごい。

麗子 安藤は実際、すっぴんの体当たり演技やったんちゃう? エッチのときだけやろ、化粧をしていたんは。

純士 あの濡れ場は最高だったなぁ。「どうしたんだ、化粧なんかして」とリリーさんが言って、目の前の女房を抱きたいんだけど、照れ臭いからそうめんを食っている。セリフはあまりないんだけど、両者の思いが手に取るようにわかる、すごい間合いだったね。

麗子 安藤は、泣いたらめっさきれいやし。

純士 リリーさんの演技も、神がかっていたよね。

麗子 リリーは、あの痩せ方がええねん。こんなオッサン、下町におるおる、思ったわ。

純士 なで肩で、髪の毛が薄くて、釣具の上州屋で買ったような服を着て(笑)。あの貧相な見た目で、「寒ぃ。雪降りそうだな」と言われたら、こっちまで寒くなるという。肩の力が抜けた素のべらんめえ口調とか、ヤバくなったらへどもど言い訳しながらすぐ逃げようとするところとかも、生まれながらの小悪党って感じで最高だったわ。

麗子 子役の2人も、よかったな。

純士 お兄ちゃんに認められたくて、妹がちっちゃい手で不器用に頑張っていたり、そんな妹をかばうためにお兄ちゃんが体を張ってオトリになったりして、どっちも健気だったよね。お兄ちゃんが、父ちゃんの愛情を何度も確かめる場面も切なかったわ。

――女優陣はいかがでしたか?

純士 樹木希林の達観した感じも、松岡茉優の影ある感じも超よかったですよ。「今日なんかいいことあったの?」「その彼はイケメンなの?」「おしゃべりな男はダメよねぇ」なんて厨房にいる女どもが楽しげに語り合っている脇で、リリーさんがバレバレの手品を子どもたちに教えているシーンなんかは、どの家庭にもある幸福な一瞬って感じで微笑ましかったけど、こんな生活いつまでも続けられるわけないだろと思うと悲しくもなったね。

――そのほか、好きなシーンは?

純士 みんなでドタバタしながら子どもの水着を万引きするシーンですね。俺、十代の頃、団地とかの養生をしに行くバイトをしていて、いろんな世帯を玄関越しに覗く機会があったんですよ。「この狭さで、この人数。いったいどうやって暮らしているんだ?」と思うような家庭が結構あったんだけど、そんときの光景を思い出しました。わちゃわちゃしていて貧乏臭いんだけど、どこか楽しげな東京イーストサイドの光景。

麗子 貧乏メシも、うまそうやったな。

純士 そうそう。カレーうどんにコロッケをのっけて食うと、めちゃめちゃ美味しいんだよ。

麗子 純士は、富士そばでいつもそうしているもんな。やっぱ幸せってお金ちゃうな。愛やねん。

純士 でも世間はそういう家族のことをああ見るんだ、というのも見せたかったんだと思うよ。監督は。

麗子 こんな家族、もしニュースで見たら引くもんなぁ。

純士 でもあの人たちが笑顔で暮らしていたのはまぎれもない事実だという。いやぁ、考えさせられる映画でした。

――不満点は?

純士 強いて言うなら、一点だけ。これは好みの問題だろうけど、いくらなんでもあの唐突な終わり方はないかな、と思いました。断ち切りたいけど断ち切れず、バスの窓を開けてしまって「父ちゃん!」と叫んでしまう。俺だったらそこでオシマイにしたかな。

麗子 議論や想像の余地を残すために、あえてああいう終わり方にしたんやと思うで。ああだこうだ、見終わったあとに話せるやん。

純士 話はもう終わりでいいでしょう。それよりも早く家に帰りたい。最近、セブン(瓜田家の飼い猫)が反抗期だから、もうちょっと厳しめの教育をしなくちゃいけないのかなと思い始めていたんだけど、この映画を見て考えを改めました。帰ったら、セブンを思い切り抱きしめてやろうと思います。

 * * *

 口論しながら現れたときはどうなることかと思ったが、自転車で仲良く並走しながら家路につく瓜田夫婦を見送り、ホッと一安心したのだった。
(取材・文=岡林敬太、撮影=おひよ)

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“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士&妻と“元リアル極妻”瓜田母は、映画『虎狼の血』をどう見たのか?

“キング・オブ・アウトロー”こと作家の瓜田純士(38)が、森羅万象を批評する不定期連載。今回のテーマは、瓜田が「原作は未読だけど公開初日に見たい!」と熱望した東映映画『孤狼の血』(原作:柚月裕子、監督:白石和彌)だ。“警察小説×仁義なき戦い”と評される同名原作を映画化した本作。果たして、極道上がりで深作ファンでもある瓜田の御眼鏡にかなうのか?

 かつては“リアル極妻”だった瓜田の母と、エログロバイオレンスが苦手な瓜田の妻も劇場に招き、三者の感想を聞いてみた。

『孤狼の血』の公式サイトによると、「昭和63年。暴力団対策法成立直前の広島の架空都市・呉原を舞台に、刑事、やくざ、そして女が、それぞれの正義と矜持を胸に、生き残りを賭けて戦う生き様を描いた映画」とある。

 公開初日の土曜日ということもあってか、場内はほぼ満員。客層は20~40代風のおとなしそうな人が中心で、男女比は半々といったところか。若い単独女性や、高齢の単独男性の姿もちらほら。コワモテの客は、瓜田1人だけのように見えた。

 以下は、映画終了後に近所のとんかつ屋で行ったインタビューである。

 * * *

――いかがでしたでしょう?

瓜田純士(以下、純士) いやぁ、めちゃくちゃ良かったです。感動しました。

母・恭子(以下、恭子) 最初から最後まで、最高だったよね!

妻・麗子(以下、麗子) 『アウトレイジ 最終章』の2億倍良かったわ~(参照記事はこちら)。

――おやおや、奥様まで。みなさん、何がどう良かったのでしょう?

純士 まず、みんなのケジメのつけ方が、きっちりと描かれてたのが良かったです。東映の本気と、それに応えてやろうという役者陣の本気を見たという感じですね。あの時代(昭和63年当時)の広島って、本当にああいうマル暴がいただろうし、やくざも本当にあんな感じだったと思うんですよ。で、今この時代にこういう映画をやるとなったときの、引き受けた役者たちの「一癖も二癖もある感じに悪く演じてやろう」という本気度に圧倒されました。きっとみんな役者をやってる以上、東映の任侠映画を見て育ってきただろうし、ファンだったと思うんですよ。だからこそ、下手な芝居はできないところですが、そこをきっちりやり切ったのがすごいな、と。

恭子 私は岩に波がザバ~ンとぶつかって「東映」ってマークが出てきたところから、「うわ、昔のまんまだ!」って感じで一気に引き込まれちゃったわ。でも出てる役者は今の役者だから、懐かしくも新鮮な面白さがあったわね。

純士 終盤の太鼓の迫力と、その音に合わせたケジメの付け方も、さすが東映といった感じ。盛り上げ方を知ってるな、と。

麗子 役者もみんな光ってたな。

純士 うん。主役の刑事から脇役のチンピラに至るまで、キャスティングがピカイチだった。中でも刑事を演じた役所広司と松坂桃李が、とびきり良かったね。真相を知ったときの松坂の演技なんて、もう……。

恭子 純士、泣いてるのかと思ったわ。

純士 結構、泣いちゃったよ。

麗子 ウチも何度も泣きそうになったけど、化粧が崩れるのがイヤやから必死でこらえたわ。

純士 松坂が、あるアイテムを探り当てたときの感情表現とか、めちゃくちゃ上手かったじゃない。真面目一徹の新人刑事が、だんだんディープな世界に引き込まれていく。あれが他の役者だと、例えば東出昌大とかだと嘘臭くなっちゃった可能性がある。あの松坂の絶妙な正義感が良かった。

恭子 良かったよね~。私、松坂桃李って役者としてあまり好きじゃなかったのよ。だけど今回、そのすごさを思い知らされちゃった。あんなにいい男だとは知らなかったわ。役所さんもすごかった。宝くじの宣伝してる場合じゃないわよ(笑)。

麗子 ウチは、真木よう子がたまらんかったわ。あれは、実生活で酸いも甘いも噛み分けた彼女にしかできへん役ちゃうかな。

純士 真木は、喫茶店での暗い顔、あの本当に腹を決めてる表情とかが本当に良かったし、終盤にも大きな見せ場があったよね。終始、貫禄がすごかった。

麗子 貫禄はあるけど、細くて美しいという。

恭子 あの顔と体型って、本当に私の理想なのよっ!

麗子 おっぱい、めっさデカいしな。

純士 役者の力もすごかったけど、今回、この作品を最初から最後まで冷めることなく楽しめたのは、「時代設定の上手さ」もデカいと思う。俺もこないだ現代物のノワールを書いたんだけど、主人公の刑事の設定をどこまで過激にしていいのかとか、ここまで書いたら不自然なんじゃないかとか、いろいろ考えすぎた結果、思い切り安パイを取っちゃって、あんまり悪くない刑事にしちゃったんですよ。なんでかというと、時代的に「ウソだろ!」「そんなの今どきありえない!」と突っ込まれちゃうから。でも今回の原作者が上手いと思ったのは、「あの時代だから許される」という設定にしたこと。「これは昭和の話です」という一文を入れるだけで、許されちゃう。俺もその手法を取れば良かったな、と思いましたもん。

恭子 田舎だから特にね。

純士 そうそう。広島だからより一層、刑事とやくざの癒着もあっただろうし、タマも普通に飛んでただろうし。パチンコ屋でパチンコが出なくてパチンコ台を弾いたっていうもん、当時のやくざは。そういう時代性を感じさせる細かいディテールの描き方も良かったですね。

――それは例えば?

純士 やたらとハイライトを吸ったり、ゴテゴテのジッポを使ったり。悪い刑事って格好いいな、と思えちゃうじゃないですか。実際にいたら迷惑ですけど(笑)。あのカチコミに行ったやくざ(中村倫也)が、行く前に景気付けに一発ポン(覚せい剤)を打つとかのディテールも良かった。シラフじゃあんなもん務まらないから。そいつがウワーとか掛け声かけて行くもんだから、そんなことしたら直前にバレて取り押さえられちゃうだろと思ったけど、その見てるほうが不安になる頼りなさってのが、リアルな鉄砲玉っぽくて良かったです。

恭子 あのヒットマンのキチ●イっぽい顔つきを見て、私は昔の純士を思い出したわよ(笑)。開襟シャツ着て目もトンじゃって。うわ、純士の再来だ! 悪夢再び! って。

純士 ヒットマンが走る前に一発ヅケようが、右翼(ピエール瀧)の嫁が家で猟銃をブッ放そうが、そんなの微罪。当時のデコ(警察)は、本線の殺しとは関係ないから引っ張りもしないっていう感じも良かった。揉み消しだったり、潰しだったり、なんでもまかり通る時代だっただろうから。

麗子 薬剤師の女の子(阿部純子)の下着や靴下も、いかにも昭和って感じで懐かしかった。あの子、初めて見る女優やけど、印象深かったな。

――元やくざの瓜田さんから見て、不良描写や暴力描写は、いかがだったでしょう?

純士 親分衆の貫禄も、若い衆の緊張感も、リアルでした。中でも、石橋蓮司。あいつが一番やくざでしたね。

麗子 磯野波平な。波平も良かったわ。

純士 石橋がホステスにセクハラするシーンとか、病院でクチャクチャうなぎを食ってるシーンとか、めちゃくちゃ本職っぽかったですよ。ものすごく下品で、卑猥で、汚れた感じで、いやらしく笑って……ってのが不良の鉄則ですから。実際のやくざはああいうのばっかりで、逆に江口洋介みたいなスマートなのは1人もいませんから。

麗子 江口は『るろうに剣心』のまんまやったわ。

恭子 何それ?

麗子 こないだ、江口が出てる『るろうに剣心』をDVDで見たんですよ。そんときと何も変わってへん印象やった。

純士 江口はケジメを取りに行くシーンは最高に格好良かったけど、いかんせん顔と体型がきれいすぎるというのはあるな。そういやなんで、一之瀬(江口の役)は、モリタカとも呼ばれてたんだろう? 稼業名と本名、ってことなのかな。やくざは江口のことを「男前の一之瀬」と呼んでたけど、ガミさん(役所広司)とかは「モリタカ」と呼んでたから、「それ、奥さんの名前だろ」と思ったんですよ(笑)。

恭子 あ、森高千里か!(笑)

純士 「男前」ってキーワードでどうにかわかったけど、あれ、事前にパンフレットを読んでない人は混乱するでしょうね(編注:江口が演じた役のフルネームが「一之瀬守孝」だと後に判明)。

恭子 私は竹野内豊が物足りなかったわ。いい男で本当に大好きな役者なんだけど、目立たなかったのが悲しい。なんだかしょぼい役だったし、出番も少なかったから。

純士 あれはあれで良かったよ。派手でタチの悪いやくざの実在感があった。リアルさってことでいうと、田舎やくざが外国にかぶれてフィリピンのことを「フィリペン」って発音したりするのも本物っぽかったし、面白かったね。

恭子 商店街の「◯◯ギンザ」とかって看板も、東京に憧れてる地方都市の感じが出てて面白いなぁ、と思って見てたわ。ただ全体的に、昭和63年というよりも、それより10年前の昭和53年っぽい背景だな、と感じたのは、私だけかしら? 昭和63年といえばちょうどバブル絶頂期だけど、その頃は黒電話じゃなくてプッシュホンを使ってた記憶があるから。

純士 それは、東京と広島の違いもあるのかもしれないね。俺は、タバコやジュースの自販機とか、缶ビールのプルタブの形状とかも、懐かしいな、そういやこんなのあったな、って楽しんで見れたし、広島弁も違和感なかった。NHKの朝ドラなんかの昭和はいかにもセットって感じだけど、この映画では各アイテムが町並みにしっかり溶け込んでて、興をそがれることはなかったね。

恭子 NHKの朝ドラで思い出したけど、滝藤賢一! 今あの人『半分、青い。』で松雪泰子とほのぼのした夫婦役をやってるんだけど、『孤狼の血』では目つきから声まで、まるで別人だから驚いたわ。役者ってやっぱ、すごいよねぇ。

麗子 あの人、西川きよしの長男ちゃう?

恭子 違う、違う(笑)。目だけで判断しちゃダメよ。


純士 暴力描写のリアルさってことでいえば、刑事が手荒い取り調べの前に腕時計を外したでしょ。なんであんなこと、知ってるんだろう? って感心しました。ああいう細かい描写がリアルだと物語の説得力が増しますよね。きっと一個一個、細かく研究したんだと思うよ。

――ところで奥様はさきほど、「『アウトレイジ 最終章』の2億倍良かった」とおっしゃっていましたが、何がどう違ったのでしょう?

麗子 『アウトレイジ』は男の人の作った映画やからか、「戦う、死ぬ、終わる」だけやった気がするんですよ。エロビで言うと「入れる、出す、終わる」みたいな。でも『孤狼の血』は原作が女の人やろ? 女の人ってデートの前段階を楽しむ生き物やないですか。ダイエットして、エステして、服買って、ああだこうだとその前をすごい楽しむ。『孤狼の血』はエロビで言うと、入れるまでの前戯がめちゃめちゃ長くて濃厚で、こっち目線あり、あっち目線あり、あ、こう来たか、という斜め上からの攻めが何度もあったから、気持ち良かったし、終わったあとの余韻も心地良かったんですよ。

恭子 アッハッハッ!

――エログロが苦手な奥様が、この作品を受け入れたことが驚きでした。

麗子 確かに暴力描写やグロいシーンも結構あったけど、事件解決に向けて純粋な気持ちでボコってはるシーンが多かったし、変態的なグロやなく、敵討ちのための必然的なグロが大半やったから、全然OK。この映画はきっと、原作が女性やから、ウチでも楽しめたんやと思うわ。

純士 『極道の妻たち』は、原作が女だけど映画は駄作だったじゃん。

恭子 “極妻”は確かにやりすぎというか、嘘くさい感じがあったわよね。

純士 北野武の『アウトレイジ』はきっと、男にだけウケりゃいいぐらいに思って最初から作ってる。『孤狼の血』は『仁義なき戦い』にインスパイアされて作ってる。それに尽きるよ。男女の性差は関係ない。『仁義なき戦い』、見た?

麗子 見てへん。

純士 そのタッチなんだよ。舞台は広島だし、テロップも入るし、独特のナレーションも入る。原作はどうだか知らないけど、映画に関しては『仁義なき戦い』に思い切りインスパイアされてる奴らが、脚本を書いてるんだよ。

麗子 そんなん、知らん!

純士 こっちは物書きだから。

麗子 ウチは一般女子やから。しかも女子力高め女子やから(笑)。

恭子 アッハッハッ!(手を叩きながら大笑い)

純士 (呆れ顔で)ウチの嫁は、いつも鼻高々に思い切り的外れなことを延々としゃべるんですよ。

麗子 いいねん、いいねん。それが女子力高め女子の可愛らしい感想や。ウチは訂正せえへんで!

恭子 クックックッ(笑)。そのぐらいに思ってないと、世の中生きていけないよね。

純士 まあとにかく、いい映画だったよ。粗を探す気にならない。今日が、公開初日じゃん。今日の来場者数や反応次第で、上映館の数が増えたり、次回作の話が来たりっていう勝負の日だと思うんだけど、ただの一観客であるこっちが、「なんとかこの映画が世に広まってくれないかな」って目で見てたもん。

麗子 今まで見たやくざ映画の中で一番面白かったわ。「入れる、出す、終わる」ちゃうかったもんな。

純士 ここ、ご飯を食べるところだから。

麗子 前戯が濃厚やったし。

純士 ここ、ご飯を食べるところだから。

麗子 調子乗っちゃって~♪

恭子 こいつ、ウザい!(笑)

純士 忘れちゃいけないのは、『孤狼の血』は任侠映画っぽいけど、主人公が警察だってこと。警察の世界にも任侠があるじゃん。暴力団に対抗するための。だから、これをやくざ映画とは思いたくない。伏線もしっかり回収されるし、ちゃんとミステリーにもなってるから、ジャンル的には「警察VS 極道のハードボイルド」なんだと思います。両者のむき出しの狂気や、それぞれの落とし前の付け方、そして喰うか喰われるのかの迫力と色気がすごかった。その作品の屋台骨を最初から最後まで支えたのは、なんと言っても役所広司だね。

――役所広司って、女性から見て男前なんでしょうか?

麗子 色気がありますよね。

恭子 あ、そう? 私は全然いい男とは思わないけど、役に入り込んだときのオーラが別格。だから役者って本当にすごいなって思ったわ。

麗子 今回ちょい役で出てた中村獅童もそうやけど、やっぱ舞台やってはる人は、存在感の示し方がハンパないな。

純士 役所はくどいおじさんだけど、そのくどさがいい。真木よう子の店で飲んでる最中、子どもから「暑苦しい」と言われたときの反応も、「プライベートでもきっとこういう顔するんだろうな」と思って見てました。あと今回、役所で印象に残ったのは、「俺は綱渡りをしている。歩かないと落ちて死ぬるから歩き続けるしかないんだ」みたいなセリフ。もう戻れないってことですから。あのセリフはシビれたなぁ。

――三者ともに大絶賛といったところですが、不満点はありますか?

麗子 ないな。イントロの養豚場のシーンから小洒落たエンドロールまで、飽きることなく見れたし、泣けたし、最高でした。

恭子 私はさっきも言ったけど竹野内豊が目立たなかったことと、黒石(高大=かつて瓜田純士と共に格闘技大会の『THE OUTSIDER』に出ていたこともある役者)が、すぐに死んじゃう役だったのが悲しかった。黒石は本当にいい男なんだから、もっといい役で出させてください! って思ったわ。

純士 黒石はまだ役者として下積み中だから。あの唐沢寿明だって若い頃は、何十回も死体役をやったって言うじゃない。黒石も5年後、10年後には、もっといい役をもらえるようになるはずだよ。というか今回の役は決して、悪い役とは思わない。役名もあったし、前半でまず印象を与えて、中盤でまたちらっと出て、後半またそのシーンが出るっていうのは、他の名もなきエキストラとは扱いが全然違うでしょ。

――純士さんは、本作への不満点は?

純士 強いて言うなら、ガミさん(役所)と親友の貫目が釣り合ってなかったような気がします。親友がもうちょい大物、それこそ江口の組の親分(伊吹吾郎)あたりだとバランスが取れたし、ガミさんが威張ってる意味もわかったんだけど。

恭子 え、本当? 人間味があっていいな、と思ったけど。

純士 あとは、松坂がやりすぎたかな、ってこと。

恭子 え、本当? もっとやれ! と思ったけど。

麗子 ウチもや!

恭子 どうしても、松坂側を応援してる自分がいるんだよね。

純士 そこが上手く描けてたよね。これが不良目線だとここまで心は動かなかったと思う。刑事目線で見てるってことは、見る側は正義だってこと。だから気持ちのいい映画でしたよ。

麗子 うん、気分ええな。 

恭子 やっぱ映画って、見終わったあとに考えさせられるよりも、最後はスッキリするほうがいいよね。

純士 さあ、さんざんしゃべったから、食べましょうか!

恭子&麗子 いただきまーす!

 * * *

 養豚場でのエグいシーンが印象的でもある映画だったが、そのあと瓜田一家はおそらく無自覚のまま、「とんかつ定食」をおいしそうにたいらげていた。それだけ後味の悪さがなく、爽快さの残る映画と言うことができるだろう。(取材・文=岡林敬太/撮影=おひよ)

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『瓜田純士に勝ったら10万円』衝撃の結末──! “キングオブアウトロー”のいちばん長い日

『瓜田純士に勝ったら10万円』というサイゾー協賛の格闘技イベントが4月28日、「THE OUTSIDER 実験リーグ」(主催:リングス、会場:新宿フェイス)内で開催された。4人の選手がキックルールでトーナメントを行い、勝ち上がった1人がファイナルで瓜田と戦うスペシャル企画。10年ぶりのアウトサイダー復帰を勝利で飾りたい瓜田と、10万円を手に入れたい挑戦者の激しいバトルが繰り広げられた。怒号と悲鳴、歓喜と落胆、混乱と酒乱が渦巻いた当日の模様をレポートしよう。

 午前10時30分、本日のメインイベンターである瓜田純士(38)が会場前に到着したため、さっそくインタビューを試みた。減量のためか少々ほっそりした印象はあるものの、表情は穏やかで、口も滑らかだ。

――今の気分はいかがでしょう?

瓜田純士(以下、瓜田) 一切緊張してないです。練習の裏付けがありますから。以前は格闘技の試合前は、テンパって酒を飲んじゃって、結果的に“瓜田純士メンバー”みたいになってたんですよ(笑)。でも今回は自信があるから、テンパることはない。新宿開催というのも大きいですね。地元ですから、気分的にラクです。前日も寝れたし、計量も余裕。ちょっと体重を落としすぎちゃって、今、1.5キロアンダーです。さっさと計量を終わらせて、何か食べたいですね。

――技術面での仕上がりはどうですか?

瓜田 対戦するかもしれない奴の中にサウスポーがいるってことを一昨日に知って、ちょっと泡食ったけど、今回はガードの技術も覚えたし、足も使えるようになったから、相手は俺に(打撃を)当てられないと思います。逆に、俺の前蹴りが相手の体を貫通して、臓物がドバーッと飛び散る瞬間をお見せできるかもしれません。

 会場入りした瓜田が計量に向かっている間に、トーナメントに出場する4人のチャレンジャーにもインタビューを行った。

●菊嶋海人(20歳・東京)

――『瓜田純士に勝ったら10万円』への参加動機を教えてください。

菊嶋海人(以下、菊嶋) 自分は2年前にアウトサイダーで初勝利して以来、格闘技から離れてたんですけど、そろそろやりたいなと思い始めたときに、(瓜田の対戦相手募集の)リツイートが拡散されてたんですよ。それを見て、応募しようと決意しました。

――瓜田さんの印象は?

菊嶋 瓜田さんの試合動画を見たことがあるんですけど、自分の戦い方と似てると思いました。たぶん瓜田さんも寝技とかが嫌いだと思うんですよ。自分も寝技とかは嫌いで、真っ向からぶつかっていく試合が好きなんで、きっとやりあったらいい試合になるだろうと思います。

――年齢差がかなりありますが。

菊嶋 年齢は関係ないっすよ。気持ちなんで。

――勝った場合の賞金10万円の使い道は?

菊嶋 なんも考えてないですね。自分、賞金が欲しいというより、瓜田さんと試合するのが楽しみなだけなんで。

 

●ストロングゼロおじさん(31歳・東京)

――参加動機を教えてください。

ストロングゼロおじさん(以下、ストロングゼロ) 最近、仕事が上手くいかなくて、酒ばっか飲んでてつまんねえなと思ってたところ、たまたま日刊サイゾーを読んでたら、今回のチャレンジ企画の募集記事が目に入ったんですよ。瓜田純士さんのことは前から知ってました。いろいろと熱い人じゃないですか。その人と試合をしたら自分にも熱さが伝わるかな、酒ばっか飲んでるよりもそっちのほうが有意義かな、と思って応募しました。

――ストロングゼロ(サントリーの缶酎ハイ)がお好きなんですか?

ストロングゼロ はい。1日3本は飲んでます。「本当につまんねえなぁ」と思いながら、会社帰りに飲むことが多いですね。

――格闘技経験は?

ストロングゼロ 学生時代に2、3年だけキックボクシングをやってました。そのときに試合もちょこちょこと。あとは会社帰りにダイエット目的でキックを、週に2、3回やる程度ですね。

――対戦が来まったあと、ブログとTwitterを消しましたよね。

ストロングゼロ 煽られたら嫌だな、と思いまして。僕、ビビリなんですよ。決まってから、出るのをやめようかな、思ったこともありました。インフルエンザにかかったと言ってやめようかな、でもリングスの上の人が怖い人だったらヤバいなぁとビビって、正直あんまり練習できなかった。出ようと腹を括ったのは1週間前ぐらいですが、75キロから急に落としたので、減量に失敗して……。ただ、瓜田さんと戦ってみたいという思いがあったので、来ました。

――今の気分は?

ストロングゼロ さっさと計量を終えて水を飲みたいし、早く試合を終えて酒を飲みたいです。酒を2週間も断ってますから。

●山口勇(33歳・群馬)

――参加動機を教えてください。

山口勇(以下、山口) 当初参加予定だった選手が欠場になったらしく、リングスさんから1週間前ぐらいに電話が来て、「出てくれないか?」と頼まれたんですよ。だから動機は特にない、というのが正直なところです(笑)。

――急なオファーで大変でしたね。

山口 試合があるときは73から74キロがベスト体重なんですけど、そもそも試合する予定がなかったので、オファーの段階で61キロぐらいまで落ちちゃってまして。今回の規定体重は65〜70キロ。「計量のときに65キロないとダメ」と言われたので、この1週間、無理やり食って増やしました(笑)。

――本日は最大で3試合行うことになりますが、大丈夫ですか?

山口 ワンデイトーナメントは初めての経験ですけど、まあ大丈夫じゃないでしょうか。

――山口さんはアウトサイダーでの戦績が6勝5敗1分で、ベストバウト賞の受賞歴もあるなど、格闘経験が豊富です。瓜田戦に対する意気込みをお聞かせください。

山口 俺が余裕でブッ倒して、「格闘技はそんなに甘くないよ」ということを教えてやりたいと思います。

――ところで山口さんの体には、立派な和彫りが入っていますが、過去はそちらの世界にいらしたんですか?

山口 ご想像にお任せします(笑)。今はなんでもない普通のおじさんですよ。

 

●QUMON(37歳・京都)

――どういう経緯で、今回の企画を知りましたか?

QUMON 格闘技仲間と飲んでる最中、Twitterかなんかで知って、ノリで応募しただけですわ。ゴッドハンド奥井くんとか鷹亜希くんが「行っとけよ〜」言うから、「ほな、やっとこか〜。どついとくか〜」てなノリですわ。

――応募書類を拝見したら、「東の不良を殴ってみたい」と書いてありました。

QUMON ブン殴りたいね。ほんで目立ちたい。瓜田を殴ったら目立つでしょ?

――瓜田さんのことを、よくご存知で?

QUMON ニュースとかでね。有名っちゃ有名ですやん? 男らしいイメージあるさかい。アウトサイダーにも出てはった気がするし。試合の映像はなんも見てへんけど。

――QUMONさんの格闘技歴は?

QUMON ダイエットの一環で始めて、2年半程度。今日の試合で10試合目ですわ。本来はグラップラーで、タックルで上とってパウンドしたりキメたりが好き。優越感に浸れるやん? キックルールは今回が初めてやけど、ボコボコにブン殴って、一生消えへん傷痕を残してやりたい。そういうの、めっちゃ楽しいやん。

――QUMONさんは、元アウトローなのでしょうか?

QUMON ただの、ちょけ野郎ですわ。京都でちょけて友達増やして、「あははは〜!」言うてるだけの男ですわ。10万ゲットしたら、地元でパーティーさせてもらいますわ。「ひゃっは〜!」言うてね。

 と、ご機嫌だったQUMONだが、その1時間後には、こう怒鳴り散らしながら会場内を練り歩いていた。

「ストロングゼロおじさんが、バックレたってホンマか!? なんや、あのボケッ! しばいたろか!」

 記者が運営に確認したところ、「ストロングゼロおじさんはバックレたわけではなく、体重が1.5キロオーバーで失格になった」とのこと。しかし、これを聞いて、QUMONの怒りがさらに増幅。

「1.5キロぐらい、今からでも絞れるやろ! ストロングゼロおじさん、どこにおんねん!」

 ストロングゼロおじさんが失格となった場合、トーナメントの逆ブロックの菊嶋が不戦勝となるため、QUMONが怒るのも無理からぬところだが、「ストロングゼロおじさん」という単語が随所で飛び交うため、どこか滑稽さも漂う騒動となった。

 一方、その頃、選手控え室では、これから対戦するかもしれない瓜田と山口が同部屋で鉢合わせになるハプニングが発生。「おまえがサウスポーの奴か?」と瓜田が山口に話しかけ、一瞬、緊張が走ったが、「頼むから今日はオーソドックススタイル(右構え)で戦ってくれよ」と瓜田が冗談交じりの注文を出し、山口が苦笑しながら「できるだけそうします」と切り返すと、場の空気が和んだ。

 ここに長居すると戦闘意欲が削がれると判断したのだろうか。以後、瓜田陣営は控え室にはほとんど立ち寄らなくなり、廊下やエレベーター前などでウォーミングアップを開始。

 練習の合間を縫って、瓜田のセコンド2名にも話を聞いた。いずれも瓜田が9カ月前から所属する「リバーサルジム東京スタンドアウト」のインストラクターで、パンクラスなどで活躍中のプロファイターである。

●セコンド・瀧澤謙太(23歳)

――瓜田さんが入門したときの印象は?

瀧澤謙太(以下、瀧澤) おっかなそうな人が来たな、と。でも僕はアウトサイダーで瓜田さんを見てましたし、瓜田さんもAbemaTVの格闘家ドキュメンタリー『ONE DAY』で僕を見たことがあったらしく、お互い顔を知ってる状態で初対面の挨拶をしました。お話しした印象としては、見た目はいかついけど、すごく礼儀正しい人だなと思いました。

――この9カ月間で、瓜田さんはどの程度成長したのでしょうか?

瀧澤 最初は戦い方がケンカファイトだったけど、今は技術もついてきて、格闘家になりつつありますね。特に右の蹴りが上手くなりました。

――試合に向け、どのようなトレーニングを積み重ねてきたのでしょう?

瀧澤 入門してからしばらくはマススパー(打撃を当てない軽いスパーリング)が中心だったんですけど、最近は試合に向けて、雑でもいいから殴り合いのペースを高めるというか、もともと得意だったケンカファイトに磨きをかける方向で技術を上げてきた感じです。

――瓜田さんは38歳ですが、体力面はどうでしょう?

瀧澤 体力はめっちゃありますし、根性もありますね。僕の練習は結構キツいんですけど、絶対に毎週、来ますから。

 

●セコンド・猿飛流(さとる・28歳)

――どこのジムに行っても門前払いされていた瓜田さんが、「リバーサルジム東京スタンドアウト」に入門できたのは、猿飛流さんの口利きがあったからだと伺いました。

猿飛流 僕、ドン・キホーテの新宿店で働いてるんですが、1年ぐらい前に、瓜田さんがお客さんとして来たんですよ。「あ、瓜田さんだ」と思ってお声がけしたのがきっかけで交流が始まりまして。瓜田さんが「ジムに入りたい」と言うので、ジムの代表に相談してみたら快諾してくれて、ウチに所属してもらうことになりました。

――入門してからの9カ月間で、瓜田さんは何が大きく変わりましたか?

猿飛流 打撃のキレが全然違いますね。最初は手打ちだったけど、今はコンビネーションも打てるし、特に蹴りが上手くなりました。あと、リーチがあるので、きれいな伸びのあるパンチも打てるようになった。瀧澤も僕も、スパーで一瞬もらっちゃうことがあるぐらいです。だから今日の試合が楽しみですね。

――ズバリ、本日の勝算は?

猿飛流 毎日のように頑張ってきたし、プロともスパーできるレベルになったので、期待できると思います。あとは、相手のレベルにもよりますね。

 というわけで、敵のレベルを探るべく、瓜田陣営はトーナメントの視察に向かったのだが、先述の事情により、第1試合は菊嶋海人のみがリングに上がった。

【瓜田純士に勝ったら10万円予選・第1試合】

◯ 菊嶋海人 VS ストロングゼロおじさん ×
ストロングゼロが計量オーバーで失格。菊嶋が準決勝に進出。

 大会のオープニングマッチでもある予選の第1試合が不戦勝となり、会場からは苦笑とため息が漏れた。勝ち名乗りを受けた菊嶋も複雑な表情。

【瓜田純士に勝ったら10万円予選・第2試合】

◯ 山口勇 VS QUMON ×
1ラウンド43秒、KO勝利。山口が準決勝に進出。

 予選の第2試合は開始早々、激しい打撃の応酬。QUMONが山口をロープ際に追い込む場面もあった。だが、そこから持ち直した山口のパンチの連打を食らったQUMONが、前のめりに倒れて試合終了。

 この試合結果を受け、瓜田陣営はさっそく山口の戦力分析を開始した。

 瀧澤が「間がないし、組み立てもなかった。冷静に戦えば勝てる相手」と分析すれば、猿飛流は「蹴りはさほど怖くない。パンチも大振りだが、ストレートの勢いが結構あるので要注意」などと瓜田に助言した。

 

【瓜田純士に勝ったら10万円準決勝】

◯ 山口勇 VS 菊嶋海人 ×
1ラウンド33秒、KO勝ち。山口が瓜田への挑戦権を獲得。

 準決勝も開始早々から、ほぼノーガードのどつき合いとなった。菊嶋の圧力に一度は押されかけた山口だったが、途中から体勢を持ち直してパンチを当て続け、あっという間のKO勝利。

 この結果を受け、瓜田はこう語った。

「アユムジェット2代目みたいな風貌のQUMONはヒラメ筋がすごいし、なんとなくやりづらい相手だと思ってたんですよ。あと、背格好の近い相手とはあまり練習できなかったから、菊嶋も嫌だと思ってた。だから山口に決まってラッキーかも。2日前に山口がサウスポーだということを知り、以来、ずっとサウスポーのことばっかり考えてて、『ソイツと当たることになるんじゃないか』という予感がしてたから、心の準備はできてるんですよ」

 

【瓜田純士に勝ったら10万円決勝】

 

 午後4時10分。いよいよ瓜田純士の出番である。ジムの先輩から「やることは全部やった。あとは勝つだけ」と背中を押された瓜田は、「勝たなかったら何も手に入らない」と自分に言い聞かせるようにつぶやいてから、フードをかぶって花道へ。入場曲はTHE STREET BEATSの「十代の衝動」だ。

 試合開始直前、山口とリング上で向き合った瓜田は、ゴリゴリと額を押し付けながら超至近距離でガンを飛ばす。山口も負けじと前傾姿勢になるが、レフェリーが割って入って、両者コーナーへ。

 ゴングと同時にリング中央に飛び出した両者。まずは山口が右ミドルで牽制したのち、伸びのある左ストレートを瓜田の顔面にクリーンヒットさせる。この日3試合目となる山口は、連勝で勢いづいているのか、疲れを感じさせない猛ラッシュで追い込みにかかるが、瓜田はフットワークを使って、リング中央にいったん逃れる。

 ローキックを織り交ぜつつ、フックとアッパーをブン回して追撃する山口。再びロープ際に追い込まれた瓜田は、足を止めて打ち合いに応じる。瓜田の右ストレートがクリーンヒットし、客席が沸く場面も。

 だが、圧力に勝る山口の左ストレート、左アッパー、左ローが立て続けにヒット。瓜田はファイティングポーズを崩さないが、ローキックを食らい続けたダメージで足が止まり、左ストレートで大きく吹っ飛び、コーナーに追い詰められる。瓜田は右ストレート、右前蹴りなどで反撃するも、ガス欠であとが続かない。

 そして開始2分、パンチの連打を浴びた瓜田が防戦一方になったところで、一度目のスタンディングダウンを取られる。再開後も山口の猛攻は止まらず、コーナーで膝蹴りの連打が決まったところでレフェリーがストップ。試合終了となった。

 

◯ 山口勇 VS 瓜田純士 ×
1ラウンド2分35秒、山口勇のTKO勝ち。

 

 試合終了のゴングが鳴り響く中、コーナーにしゃがみ込み、茫然自失の瓜田。運営にコメントを促されたが、「惨めになるだけだから」と断り、退場した。

 なお、ここでもう一つの“退場劇”も勃発していた。優勝した山口への賞金授与が行われていたリングに、1人のスーツ姿の男性が乱入を試み、セキュリティーに引きずり降ろされ、会場外へとつまみ出されたのだ。よく見るとその男性は、泥酔状態のストロングゼロおじさんだった。

 ストロングゼロおじさんが密かに観戦していたと思われる座席の下には、ストロングゼロの空き缶がいくつも転がっていた。彼の強さは未知数のままだが、ストロングゼロはそこそこ強いお酒であることが証明された一幕だった。

 控え室に戻った瓜田は、「あの相手、体力もあったし、気合いも入ってましたね」と完敗を認めつつ、悔しさをにじませた。

「試合と練習とでは、全然違うっすね。何度か『いける』と思った瞬間もあったけど、ローが効いたのか足が重くて、どんどん動けなくなっちゃって……。ごめんなさい、と方々に謝りたい。勝たなきゃ意味ないっすよ」

 

 そして大会終了後、瓜田は大会主催者の前田日明(59)の元へ挨拶に行った。

前田 相手はブンブンに振り回してたね。

瓜田 結構面食らっちゃって。ディフェンスも練習してたつもりなんですけど……。

前田 でもちゃんとガードして余分なパンチをもらわなかったし、何年ぶりかってことを考えたら二重丸だよ。ただね、ミットとかサンドバッグの打ち込みの練習量が足りなかったね。反撃しても、手打ちのパンチだと威力がないじゃない。

瓜田 手足が鉛みたいに重くなっちゃって……。いやぁ、格好悪い。

前田 思ってたよりも、ちゃんと試合になってたよ。習い事はね、悔しい思いをしたほうが強くなるんだよ。よかったよ。こんなところでチャッチャッと勝ってさ、調子に乗っても格好悪いだけじゃん? 体だって前と比べるとちゃんとできてるしさ。まだまだいけるよ。

瓜田 もっと本気で取り組もうと思います。

前田 昔、徳川家康は、三方原で武田軍に敗退してさ、馬上でクソを漏らしながら帰ってきたあとに何をしたかというと、絵師を呼んで、自分の一番惨めな姿を絵に描いてくれって頼んだんだよ。彼は終生、ここぞってときにその絵を見て、悔しさを思い出した。今日の試合は、そういう試合だよ。お前にとって。まだ生まれ変われるよ。そのためにはこれからの1日1日が大切になってくる。頑張れよ。期待してるよ。

瓜田 頑張ります。機会をいただいて、ありがとうございました。

 前田にパンパンと背中を叩かれ、激励された瓜田。「俺はこのままじゃ終わりません。必ず強くなって帰ってきます」と言い残し、会場を去った。“路上なら瓜田”改め“リングなら瓜田”となるべく、元アウトローの挑戦は続く――。

(取材・文=岡林敬太/撮影=尾藤能暢)

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瓜田純士、渋谷の路上で『THE OUTSIDER』参戦への思いを激白「それは運命(さだめ)──」

 28日に東京・新宿FACEで開催される格闘技大会『THE OUTSIDER』に参戦する“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士。10年ぶりとなるリング復帰への思いを、渋谷の路上で激白する動画が公開された。

 瓜田いわく「路上なら瓜田」ということわざがあると語る通り、やはり、この漢には路上が似合う。自らを「レジェンドから生まれたLEGEND」と定義し、猥雑な渋谷の路地裏を「ディズニーランド」と呼ぶ顔面刺青男。

 動画中盤では、“クロアチアのヴァトレニ”の異名を取るエディ・シカティック選手を相手にデモンストレーションを披露。圧倒的な力量差を見せつけてノックアウトして見せた。

「なぜ闘うのか」

 その問いに、迷わず「運命(さだめ)」と応じた瓜田。1週間後、歌舞伎町のド真ん中で、新たな伝説が幕を開ける──。

【数量限定、おトクな「瓜田応援チケット」を販売!】

瓜田純士が出場する『THE OUTSIDER 実験リーグ』を盛り上げるべく、日刊サイゾーでは、お得な「瓜田応援チケット」を発売中。以下の方法でチケットを購入すれば、瓜田純士のサイン入りの「THE OUTSIDER特製Tシャツ」(定価4,500円)が漏れなく無料特典として付いてくる。コイツを会場で身にまとい、瓜田に熱い声援を送ろう!

応援チケット希望者は、outsider@cyzo.com宛に、「氏名」「郵便番号」「住所」「電話番号」「チケット枚数」「Tシャツのサイズ(S、M、Lより選択)」を明記したメールをお送りください。宅急便の代金引換サービス(手数料はお客様負担)にて、チケットとTシャツをお送りします。

●料金=全席自由席6,000円(ワンドリンク付)
●ご希望のサイズのTシャツに瓜田選手自身がサインを入れてくれます
●発送は、主催者であるリングス事務局が行います
●代金引換のため、枚数分のチケット料金は宅急便の配達員にお支払ください
●数量限定のため、予定数に達し次第、販売終了となります

【大会名】THE OUTSIDER 実験リーグ
【会場】新宿フェイス
【開催日時】2018年4月28日(土)13:00開場 14:00試合開始予定
※大会概要、選手募集、チケット情報などの詳細についてはリングス公式サイト(http://www.rings.co.jp)でご確認ください。
※イープラスでもチケット発売中 http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002256947P0030001

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瓜田純士、渋谷の路上で『THE OUTSIDER』参戦への思いを激白「それは運命(さだめ)──」

 28日に東京・新宿FACEで開催される格闘技大会『THE OUTSIDER』に参戦する“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士。10年ぶりとなるリング復帰への思いを、渋谷の路上で激白する動画が公開された。

 瓜田いわく「路上なら瓜田」ということわざがあると語る通り、やはり、この漢には路上が似合う。自らを「レジェンドから生まれたLEGEND」と定義し、猥雑な渋谷の路地裏を「ディズニーランド」と呼ぶ顔面刺青男。

 動画中盤では、“クロアチアのヴァトレニ”の異名を取るエディ・シカティック選手を相手にデモンストレーションを披露。圧倒的な力量差を見せつけてノックアウトして見せた。

「なぜ闘うのか」

 その問いに、迷わず「運命(さだめ)」と応じた瓜田。1週間後、歌舞伎町のド真ん中で、新たな伝説が幕を開ける──。

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●発送は、主催者であるリングス事務局が行います
●代金引換のため、枚数分のチケット料金は宅急便の配達員にお支払ください
●数量限定のため、予定数に達し次第、販売終了となります

【大会名】THE OUTSIDER 実験リーグ
【会場】新宿フェイス
【開催日時】2018年4月28日(土)13:00開場 14:00試合開始予定
※大会概要、選手募集、チケット情報などの詳細についてはリングス公式サイト(http://www.rings.co.jp)でご確認ください。
※イープラスでもチケット発売中 http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002256947P0030001

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前田日明×瓜田純士、和解の瞬間──“格闘王”と“キング・オブ・アウトロー”断絶の真相を明かす

 かつてはいがみ合っていた時期もあるが、10年ぶりに再会し、すっかり打ち解けた前田日明と瓜田純士(【対談前編】はこちらから)。そもそも瓜田はなぜ、アウトサイダーを追放になったのか? 前田が当時を振り返る。

前田 もうね、ワケわかんないんだよコイツ(呆れ顔で)。今考えると笑っちゃうんだけど、「凶器を持って入ったらダメですよ」ってことで金属探知機を導入して安心してたらさ、背中に木刀を入れて、通り抜けちゃうんだよ。金属探知機を。

瓜田 木は引っかからないんですよ、探知機に。

前田 なんか歩き方が変だなと思って調べたら、木刀が入っててさ。あとは、裏の控え室の横にドアがあって、そこから全然知らない人を入れちゃったりとかさ。もっと感心したのが、関係者のパスあるじゃん? あれをコイツ、偽造したんだよ。

瓜田 アハハハハ!

前田 「瓜田さんがパスを持ってますよ。パスを出しましたか?」ってセキュリティーのみんなが聞いてくるから、「いや、出してないよ。取り上げて持ってこい」と言って、見てみたら、カラーコピーしてるんだよ。すごいよ、やることが。

瓜田 ローソンでカラーコピーしました(笑)。

「瓜田には影響力があるから、みんなが真似をすると困る」。そう判断した前田は、瓜田をアウトサイダーから追放することに決めたという。それに不満を抱いた瓜田が、自身のブログなどを通じて、前田を激しく攻撃し続けた時期もあった。

 その頃のブログの一部を以下に引用しよう。

「前田さん。イベント終了してからでもいいんで一度誰も見ていない路上で俺とやんないすか? 目潰し、金的、なんでもいいです。(中略)俺は前田さんと街中か駐車場とかでストリートファイトしたいです。もし見ていたら考えておいてください」

「お前なんかが万が一歌舞伎町入って偉そうに葉巻くわえてたら囲まれて死ぬぜ、マジで。(中略)街でバッタリ逢って俺に負け犬の独り言かましてきても、レベルが違うから相手にしないか、いきなり時間場所関係なしに襲いかかるかどっちかだぜ。 なぁ格闘王。 愚かだな」

 こうした脅迫じみたブログを書いたかと思えば、今度は一転、日刊サイゾーの記事を通じて「アウトサイダーに復帰したい」というラブコールを前田に送ってみたりと、当時の瓜田は情緒不安定気味な言葉をあちこちにばら撒いていた。それらこれらのメッセージは、果たして前田の耳に届いていたのだろうか?

前田 届いてたよ。ムラがあったんだよね、あの頃の瓜田ってね。すごい神経質に周りを気にしながら妙に気を利かせてくるときと、「なんなんだ、おまえはよ!」みたいな感じにオラオラでくるときのギャップがあって、よくわからなかったんだよ。どっちが正気で、どっちがイカレてるのかがわからないし、その変わる瞬間もわからなくて。1人で対するときと、誰か第三者の目があるときとで違うのかなと思ったら、そうでもないし。よく考えたら最初に応募があった頃に、強いうつ病の薬を飲んでて副作用がどうのこうの言ってたから、それのせいなのかなと思って。ということは、ちょっと……。

瓜田 ちょっとヤベえ奴だな、と(笑)。

前田 薬が切れるまではしばらく様子を見たほうがいいな、と。何よりも心配したのは、当時の瓜田はアウトサイダーに出せるような体じゃなかったんですよ。だんだん(出場選手の)レベルも上がってきたから、それもあって危ないな、と。

瓜田 競技として成立しないですもんね。

前田 できるできないの話じゃなく、瓜田は行っちゃうんで。「オラ~ッ!」と。だから危ないじゃないですか。

 それから10年の断絶が続くことになるのだが、両者はその間、お互いのことを気にかけていたようだ。

前田 そのあといろいろね、噂は聞くんですよ。腹切ったとか、刺されたとか。彼に近い筋の子が何人かいたんで、そこから噂を聞いて、大丈夫かな? と気にはしてたんですよ。

瓜田 僕の耳にも人づてに結構、「ずっと前田さんが心配してる」という声は届いてたんです。でもクソガキだから、ちゃんと会って直接言われないと信じられない部分があって。俺、構ってちゃんなんですよ、子どものときからずっと。

前田 試そうとするんですよね。昔、本で読んだことがあるんだけど、戦後の浮浪児とかも、大人を試そうとしたらしい。どこまでやっても自分を受け入れてくれるのか、と。瓜田といろいろあってしばらくして、それを思い出してね。あのとき俺、試されてたのかな、と。

瓜田 あるとき俺、どこかで読んだ前田さんの記事で、「自分はみんなの父親のような役目なんだ。みんなが頼ってくれるから、俺もその思いに応えていかなきゃならない」みたいな一文を見たときに、「やっとそういう人と出会えた」と勝手に片思いしちゃって、なんでもかんでも試そうとしちゃったのかも。そのときはそうは思ってないんですけど、一歩引いて自分のしたことを思い出してみると、試してるんですよ。別におまえ、親子じゃねえよ! 他人じゃねえか! って話なんですけど(笑)。

前田 人間ってね、男同士でも男と女でも親子でも、みんな試し合って、お互いの存在確認をしてるんですよね。多かれ少なかれ。

瓜田 ヤクザをやってるときも、擬似親子だったり擬似兄弟だったりの居心地みたいなものに、すごく憧れたんですよ。大事にされると思い込んでたんです。家族以上の鋼鉄の絆みたいな、契りみたいなもの。そういうところに生きがいを見出して、初めて自分の存在をわかってもらえるんじゃないかと期待したら、1年かそこらでだんだん嫌な部分が見えてきちゃって。それ以来、本当の擬似親子だったり擬似兄弟だったりを探しまくって迷走する時期があって。でも結果的に、「最後は個だな」と思いました(笑)。結局、戦うのは自分でしかない。何を求めたって、そいつらは何もしてくれないって、だんだんわかってきて。そういうふうに今は考えられるようになれました。

前田 難しいよね。人間と人間が繋がるってのは。

瓜田 難しいっす。時間が必要でした僕は。すいませんでした。

前田 大丈夫だよ。

 大丈夫。そう言って前田は、とびきり優しい表情を見せた。そして、瓜田にこう発破をかけた。

前田 38なんだから、しっかり家族を作ってさ、なんとかやらんと。40代、50代、60代はあっという間だけど、まだまだなんでもできるよ。おまえには文筆の才能があるから。ブログとかで俺の悪口とか、俺をおちょくった文章とかを書いてた時期があったんだけど、それを読んでてさ、「コイツ!」と思うんだけど、面白いんだよね(笑)。なんかね。

瓜田 小学校のときとかって、好きな先生とか好きな女の子とかにちょっかい出したり、嫌われることをやっちゃうじゃないですか。俺、それなんですよ。気を引くためにいろんなことをしちゃう。好きな女の子のピアニカを吹いたのがバレて、入ってきた教頭先生にハイキックを入れたこともありますよ(笑)。

 その話を受け、前田も負けじと強烈なエピソードを披露する。

前田 俺昔、高校のとき、大阪の阿倍野にあるドイツ料理屋でバイトしてたら、隣に近鉄百貨店があって、その屋上で桜田淳子の新曲の発表会があったんだよ。で、昼の休みのときに、俺のいたドイツ料理屋に桜田淳子がメシを食いにきたんだよ。そのあとね、彼女が使ったお皿とスプーンとコップ、命をかけた取り合いになったから(笑)。

瓜田 アッハッハッハ!

前田 ほんで俺、スプーンを奪い取ってさ、ベロ~ンとやって。「桜田淳子が使ったスプーンを俺は舐めたぞ!」と10年ぐらい自慢したね(笑)。「桜田淳子は他人じゃないぞ」とか言って。

 この情報が文鮮明先生の耳に入らないことを祈ろう。さて、4月28日の『THE OUTSIDER 実験リーグ』に出場する瓜田に対し、前田が望むことはあるのか?

前田 いやぁ、どうなのかね。どういう練習をしてどれくらいのレベルなのかがわからないんで、なんとも。みな戦々恐々、こういう感じ(おっかなびっくり覗く感じ)だよ。どうなんだろう? みたいな。きのう埼玉の食事会でいろんな選手と話したけど、「瓜田とやりたい」って奴もいれば、「大丈夫ですか?」って心配する奴もいたよ。

瓜田 みんなから簡単に倒せるって思われてそうだけど、まあ、そうはさせないってぐらいの練習はしてますから。自信はあります。

 瓜田の更生を確信したのか、前田はここで大きくうなずいてみせた。そして、さっきから気になっていたことを確かめさせてくれとばかりに、対談部屋の隅っこにいた女性を見やってから、こう切り出した。

前田 で、彼女が奥さんなの?

瓜田 はい。僕の人格をすべて形成していただきました(笑)。

前田 もう2人きりだとデレデレに溶けちゃってるんじゃないの?

瓜田 デレデレです(笑)。

前田 なんだかんだで、瓜田ってモテるよね?

瓜田 マジですか? 自分でもわかってるんですけど。

前田 自分でもわかってる?

瓜田 冗談です、冗談。

前田 刺青ガンガン入ってて、初対面で近寄っただけで普通は女の子がキャーみたいな感じじゃん。で、そのキャーから始まって、距離を詰めてくんだから、すごいよね。

瓜田 俺の中のヒット・アンド・アウェイなんですよ。距離を取りつつ、ババンとね。これ(刺青)は、後悔してるんですよ。あまりそのときのことを覚えてないというか、アルコール依存だった時期もあったし、グッとこう自分の中で握る手綱みたいなのがなかったから、フラフラしちゃって。いろんなものが弱かったんで。

前田 (感心したような表情になり)瓜田おまえ、しゃべることが全部、物語になってないか? おまえ、生まれながらの小説家だよ。しゃべる言葉、しゃべる言葉、10秒ごとに物語として繋がってるみたいな。全部物語だよ。たいしたもんだよ(笑)。

瓜田 本当ですか? そうなんですよ。とにかく当時はブレまくってて、どこかに闇があったと思うんですよね。たとえば刑務所とか精神病院に行ったときも、「なんで周りはわかってくれないんだ。俺はこんなにまともなのに」って主張してたけど、まともな奴がそんなところに行くわけないじゃないですか(笑)。明らかに周りから見て変だったと思う。自分ではそれを自覚したくなかったけど。

前田 多重人格はなかったの?

瓜田 それはないです。常に自分の人格で生きてたんですけど、自分を信じきれなかったというか。今は多少なりとも、自分に自信があるから、小さなことでも解決できたり、嫌なことも嫌と言えるようになりましたけど、当時は自信がなかったから、ただ突っ張ればいいという一番いけない方向に行っちゃっててまして。最近やっと、それがなくなってきました。奥さんのおかげですけど。

前田 瓜田どうしちゃったの? 奥さん、変な注射打たなかった? 大丈夫? 寝てる間に大事なとこ、取っちゃったんじゃないの? なんでこんなにいい子になっちゃったの?

瓜田 フフッ。

前田 まあワケのわからない回り道もしたけど、おまえには絶対に才能があるよ。

瓜田 知ってます(笑)。

前田 過去に文学の世界でもいっぱいいたんだよ、おまえみたいのが。そいつらが時間を使ってああでもないこうでもないと、いろいろ残してるんだよ。おまえもそのうち、自分の中で何かが弾けて、何か書きたいとか作りたいってなるよ。おまえ、真剣に文学の世界で勝負したほうがいいよ。

瓜田 勝負してみます。

前田 あとはさ、ちょっと寝てるとこ無理矢理またがってさ、子どもを作ったらいいよ(笑)。

瓜田 アハハハ。計画はしてるんですけどね。まあもう1回ぐらい、筆で成功しそうな段階に入ったら……。

前田 じゃなくて、違うんだよ! 逆なんだよ、おまえ。子どもができたら、その子を大人にしなきゃいけないんだよ。命がけで。ほんだらね、いろんな回路が上向いてくるんだよ。逆だって、瓜田!

瓜田 本当にそうかもわからないですね。

前田 試合も頑張ってね。期待してるよ。

 獲得形質は遺伝するという学説を信じるのであれば、より強い遺伝子を残すためにも、今度の試合には勝っておきたいところだ。そんな瓜田をサポートするべく、日刊サイゾーでは、お得な「瓜田応援チケット」を発売中。以下のフォームから『THE OUTSIDER 実験リーグ』のチケットを購入すれば、瓜田のサイン入りの「THE OUTSIDER特製Tシャツ」が漏れなくオマケとして付いてくる。コイツを会場で身にまとい、瓜田に熱い声援を送ろう!
(取材・文=岡林敬太)

【数量限定、おトクな「瓜田応援チケット」を販売!】

瓜田純士が出場する『THE OUTSIDER 実験リーグ』を盛り上げるべく、日刊サイゾーでは、お得な「瓜田応援チケット」を発売中。以下の方法でチケットを購入すれば、瓜田純士のサイン入りの「THE OUTSIDER特製Tシャツ」(定価4,500円)が漏れなく無料特典として付いてくる。コイツを会場で身にまとい、瓜田に熱い声援を送ろう!

応援チケット希望者は、outsider@cyzo.com宛に、「氏名」「郵便番号」「住所」「電話番号」「チケット枚数」「Tシャツのサイズ(S、M、Lより選択)」を明記したメールをお送りください。宅急便の代金引換サービス(手数料はお客様負担)にて、チケットとTシャツをお送りします。

●料金=全席自由席6,000円(ワンドリンク付)
●ご希望のサイズのTシャツに瓜田選手自身がサインを入れてくれます
●発送は、主催者であるリングス事務局が行います
●代金引換のため、枚数分のチケット料金は宅急便の配達員にお支払ください
●数量限定のため、予定数に達し次第、販売終了となります

【大会名】THE OUTSIDER 実験リーグ
【会場】新宿フェイス
【開催日時】2018年4月28日(土)13:00開場 14:00試合開始予定
※大会概要、選手募集、チケット情報などの詳細についてはリングス公式サイト(http://www.rings.co.jp)でご確認ください。
※イープラスでもチケット発売中 http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002256947P0030001

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前田日明×瓜田純士、和解の瞬間──“キング・オブ・アウトロー”が大放言「前田さん、滑舌が……」

 前田日明(59)と瓜田純士(38)が、10年ぶりの和解を果たした。前田主催の格闘技大会『THE OUTSIDER』に出場していた瓜田が、会場で問題行動を起こして、追放処分を食らったのが2008年。以来、両者は絶縁状態になっていたが、来たる4月28日(土)、新宿フェイスで行われる『THE OUTSIDER 実験リーグ』に、瓜田が電撃参戦することが決まったのだ。大会に先立ち、10年ぶりに再会したふたりが、思いの丈をぶつけ合う!

 ゴールデンウィークの初日に開催される『THE OUTSIDER(以下アウトサイダー)実験リーグ』にて復帰戦を行うことが決まった瓜田が、「大会前に筋を通しておきたいことがある」と申し出た。

「リングスの運営から急に電話でオファーがあって、試合に出ることになった。それはうれしいことだけど、まだ前田さんと直接お話ししたわけじゃないので、できれば大会の前にお会いして、かつての不義理を謝罪しておきたいんですよ」

 その思いを汲んでセッティングされた対談の舞台。前田が待ち構える渋谷のリングス本社前にたどりついた瓜田は、「やっぱ緊張するなぁ。いきなり怒られたらどうしよう」と言って、深呼吸してから、意を決したようにビルの中へと入っていった。

 * * *

瓜田 ごぶさたしてます!

前田 おおおお、なんか大きくなったな、体が。10キロぐらい太ったんじゃないの?

瓜田 その節はご迷惑をおかけしました。若気の至りでした。またチャンスを与えていただき、ありが……

前田 (遮るように)何歳になったの?

瓜田 今、38です。

前田 まあ、座んなよ。刺されたとかなんとか聞いてたからさ。どうしてんのかな? って心配してたんだよ。

瓜田 (話を逸らすように)格好いいライターですね。まだ葉巻吸ってるんですか?

前田 葉巻もやってるし、パイプもやってるよ。

瓜田 金正恩も言われてたじゃないですか。

前田 何が?

瓜田 指導者である以上、タバコはダメですよ。昨日かなんか、ニュースでやってましたよ。前田さんもお子さんがいるんだったら、そろそろ健康を考えたほうがいいですよ。それでこそ真の男ですよ。

前田 ありがと、ありがと、ありがとね。(話を逸らすように)結婚したんだって?

瓜田 しました。4回目です。

前田 もう38やったら、そろそろ子どもを作ったほうがいいよ。子どもができたらさらに変わるよ、いろんなことが。

瓜田 まあ、そうなんですけどね。欲しいんですけどね。

 と、互いの様子を探る軽いジャブの応酬があったのち、瓜田がいきなり、前田の急所をかすめるような“ストレートパンチ”を放った。

瓜田 前田さん、滑舌が良くなってますね(笑)。

前田 ハハハハ。

瓜田 前、『水曜日のダウンダウン』(TBS系)でお見かけしたときは、全然何言ってるのかわからかったですよ。

前田 確かに自分でもなんかね、口回んないときがあったんだよ。

瓜田 今は大丈夫ですね。

前田 と思うんだけどね、ハッハッハッ。

瓜田 (前田の体を見つめながら)思ったより、すっきりしてますね。もっと太ってるイメージでした。

前田 (瓜田の体を見つめ返して)体、本当に変わったね。前はガリガリでさ。正直アウトサイダーに出してもさ、マッチメイクするのにすごい気を使ったよ。

瓜田 俺も思ってました。なんでこんな中にいるんだろう? と。気持ちだけで生きちゃってましたから。

前田 俺もあのとき、よくあの頃の瓜田を出したなと。

瓜田 バクチに近かったと思うんです。言ってましたもんね、「おまえ、体だけは作っとけ。殺すわけにいかないし」と。その意味すらも当時の俺はわかってなかったんですよ。

前田 体、だいぶ健康になったの?

瓜田 はい。酒もタバコもやんないし。

前田 前はなんか、うつ病の薬とかを飲んで副作用がどうのこうの言ってたけど。

瓜田 今は風邪薬も飲まないです。全部、嫁さんに管理されてて。ちょっとしたケガでも具合悪くても病院に行かせてくれないし、果物とか野菜で治せと言われるんで。

前田 本当に雰囲気、変わったね。

瓜田 恥ずかしいです。照れ臭いというか。俺何回か前田さんに、どっかで会わないかな、って思ってたんですよ。ばったり会ったら「覚えてますか? 瓜田純士です」と挨拶したかった。10年かかったけど、こうやってご挨拶できるだけでもうれしいですよ。

前田 よかったよ。でも、大丈夫かよ? 今回、「瓜田に勝ったら10万円」って企画をやるんだけど、大丈夫?

 対談部屋のホワイトボードには、「瓜田に勝ったら10万円」に出場するチャレンジャー4人の写真が貼り出されていた。この4人が28日の序盤と中盤にトーナメントを行い、勝ち上がった1人が、当日のメインイベントで瓜田と戦うというシステムだ。

前田 (トーナメント出場者が)今日、決まったんだよ。

瓜田 (募集開始から数日で枠が埋まったという話を聞き)それだけナメられてるってことじゃないですか(笑)。「ちょっと連休初日に、こいつで小遣い稼ぐか」ぐらいにしか思われてないんですよ。

前田 いや(笑)、そうじゃない奴もいるよ。一番左の奴なんてさ、いろいろ(自己PR文を)ワーッと書いてきたけどさ。「瓜田みたいに自由に生きてる奴と手を合わせることによって自分を変えたい」みたいな。

瓜田 勝手にしろって話ですよ(笑)。

前田 ハハハ。

瓜田 おまえの人生に俺を巻き込むな、っていう。てめえでなんとかしろって話ですけど。

 そのまま格闘技の話に突入するかと思いきや、前田が突然、話題を変えた。瓜田の「作家としての可能性」を論じ始めたのだ。

前田 相変わらず書いてるの? 真剣に文才あるからさ。もっといろんな文体とかを吸収するために、もっともっといろいろ読んでさ。あんなのデータ勝負だよ。

瓜田 いかに知ってるか、ですよね。情報量が頭にある奴のほうが、面白いこと書いてますからね。

前田 文章の書き方にもいろいろなパターンあってさ。もうパターンも出尽くしてるんだけど、瓜田はまだまだオリジナルの文だったりを生み出せるような何かを持ってるよ。だから真剣にさ、芥川賞でも狙ったら?

瓜田 直木賞がいいですね。芥川賞って、ちょっと難しいんですよ。純文学って。「あいつは箸を持って弁当を食べた」までに、何ページも使う書き方をするんですよ。そういうのはちょっと……。

前田 そんなのが鬱陶しかったら、そういう(自分のオリジナルの)書き方を通せばいいじゃん。通して芥川賞を取ったらええやんけ。

瓜田 だから物書きの中の……

前田 (瓜田の声には耳を貸さず)人と違うことをさ!

瓜田 アッハッハ!

前田 人と違うことを、いいと思ってる奴が取れるんだよ。

瓜田 相変わらず噛み合わないな、と思って。前田さんとしゃべると(笑)。

前田 噛み合ってない? あ、本当?

瓜田 物書きの中のサザンみたいなのがいいですよ。サザンの歌詞ってオリジナリティーがあって、よくわかんないんだけど、なんとなく言いたいことはわかる、みたいな感じがあるじゃないですか。そういうのを書けたらいいなって。

前田 オリジナルが大事だね。人間ってさ、若いときは「人と違うじゃないか」というのが悩みなんだけど、年を取ると「人と同じだ」というのが悩みになってくるんだよ。おまえはいつまでもオリジナルだからいいよ。

瓜田 オリジナルでいたいですよ。

前田 今、どういうこと書いてるの?

瓜田 こないだ電子書籍を出したんですけど。今、ちゃんとした小説を書きたくて。でも難しいんですよ。

前田 どんな小説? もうガッチガチの文学に入るような?

瓜田 ノワール小説です。犯罪だったり、悪かったり、東京だったり、刑事だったり、暴走族だったり。そんな経験しかないから、そんなのしか出てこないんですよ(笑)。でもそういうのを書かせたら俺は自分が一番だと思ってるんで。細部のディティールだったり、ビビってる瞬間の心情だったり、「行ってやるぞ」っていうカマシの掛け合いだったり。そういう雰囲気みたいなものは、目で見たものを書いたほうがリアルですから。

前田 いい本、書いてくれよ。今、いろんなものが薄っぺらいから。個人的に思うのは、日本の演劇関係の脚本は、全部ダメだね。アメリカのほうが日本の脚本家の百倍すごい。

瓜田 日本の場合、放送の倫理とかをかいくぐるための内容だと思うんですよ。スポンサーに見せても大丈夫なような、安パイに走りがちというか。

前田 ネットでいろいろ書いて、海外の人の目につくようにしたらどう?

瓜田 英語、わかんないです(笑)。

前田 周りにいる奴に変換させればいいじゃない。

瓜田 中国とかには興味があるんですけどね。中国の不良だったりアウトロー的に生きてる奴らってのは、日本の数年前を追ってきてるようなところあると思うんです。

前田 ああいう連中ってのはね、ただのアウトローじゃなくて、昔の伝統的な秘密結社と混じったようなのがいるんだよ。金も持ってるし、なんでもできる、みたいなさ。

瓜田 今の時代、仁義ってものが欠けてるんで、それを広めていきたいですね。前田さんに義理を欠いてた俺が言うな、って話ですが(笑)。

前田 でもかえって中国とか韓国のそういう文化的な秘密結社絡みの組織っていうのは、割とそういうのを厳格に「ちょっとそれやりすぎだろ」っていうぐらいやってるところもあるみたいよ。

瓜田 あの、これ、サイゾー系の『トカナ』の取材みたいですね(笑)。思いっきり都市伝説みたいな。

前田 俺、そういうのに興味があるんだよ。あ、ロシアにもあるよ。ロシア正教絡みのね、とんでもないマフィアっぽいのが……(以下、世界の地下組織、中国の権力闘争、そして日本の政治などについて、立て板に水で語り出す)。

瓜田 前田さん、国会議員になったらどうですか? 向いてますよ(笑)。

 話はどんどん脱線していったが、長年の確執などなかったかのように、すっかり打ち解けたふたり。次回お届けする【対談後編】では、瓜田追放騒動の真相、絶縁中の両者の本音、前田と国民的アイドルのディープキス疑惑など、衝撃の秘話が続々と明かされるので、お楽しみに!
(取材・文=岡林敬太)

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応援チケット希望者は、outsider@cyzo.com宛に、「氏名」「郵便番号」「住所」「電話番号」「チケット枚数」「Tシャツのサイズ(S、M、Lより選択)」を明記したメールをお送りください。宅急便の代金引換サービス(手数料はお客様負担)にて、チケットとTシャツをお送りします。

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【大会名】THE OUTSIDER 実験リーグ
【会場】新宿フェイス
【開催日時】2018年4月28日(土)13:00開場 14:00試合開始予定
※大会概要、選手募集、チケット情報などの詳細についてはリングス公式サイト(http://www.rings.co.jp)でご確認ください。
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