『万引き家族』是枝監督への批判に覚える危機感 私たちは日本に感謝して生きなければいけないのか

 第71回カンヌ国際映画祭でパルムドール賞を受賞した映画『万引き家族』。日本映画として21年ぶりの快挙で、是枝裕和監督がはにかみながら記念の盾を持つ姿が記憶に新しいでしょう。6月8日には上映が開始されました。

 『万引き家族』は日本の最貧困層の家族を描いた映画です。貧困などの社会問題に触れているものの、政治色の強い作品ではありません。しかし、この映画は受賞直後から政治的な争いの中に置かれました。

 例えば、アメリカの週刊誌『ハリウッド・リポーター』は日系イギリス人のカズオ・イシグロさんがノーベル文学賞を受賞したときには安倍首相が祝辞を出したのに、是枝監督には電話もメッセージも無かったと指摘。対応に差があるのは、映画の内容が保守派の安倍首相を怒らせたからではないかと憶測しました。また、フランスの『フィガロ紙』も、同様の言及がありました。

 この件は国会でも、立憲民主党の神本美恵子議員が「政府は是枝監督を祝福しないのか」と林芳正文部科学大臣に質問しました。それに対し林大臣は「『万引き家族』がパルムドールを受賞したことは誠に喜ばしく、世界的にも高い評価を受けたことは誇らしい。来てもらえるかわからないが、是枝監督への呼びかけを私からしたい」と、回答。この政府が表明した「祝意」について、是枝監督はブログで下記を表明しています。

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実は受賞直後からいくつかの団体や自治体から今回の受賞を顕彰したいのだが、という問い合わせを頂きました。有り難いのですが現在まで全てお断りさせて頂いております。

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映画がかつて、「国益」や「国策」と一体化し、大きな不幸を招いた過去の反省に立つならば、大げさなようですがこのような「平時」においても公権力(それが保守でもリベラルでも)とは潔く距離を保つというのが正しい振る舞いなのではないかと考えています。

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今回の『万引き家族』は文化庁の助成金を頂いております。ありがとうございます。助かりました。しかし、日本の映画産業の規模を考えるとまだまだ映画文化振興の為の予算は少ないです。映画製作の「現場を鼓舞する」方法はこのような「祝意」以外の形で野党のみなさんも一緒にご検討頂ければ幸いです。

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 この是枝監督の文章に、保守派と思われる人がSNSにて「公権力とは距離を保つと言いながら助成金はもらうのか」と一斉に批判。そこに著名人や政治家まで加わり出しました。

 群馬県伊勢崎市議会議員の伊藤純子氏は「作品の寸評はさておき、是枝監督の『公権力から潔く距離を保つ』発言には呆れた。映画製作のために、文科省から補助金を受けておきながら、それはないだろう。まるで、原発反対の意向を示しながら、国から迷惑施設との名目で補助金を受けている自治体と同じ響きがして、ダサい」とツイート。また、兵庫県神戸市会議員の上畠寛弘氏もツイッターで「是枝監督の『公権力とは距離を置かなくてはならない』という考えもあると思いましたが、国から助成金をもらっていた…。 マイケルムーアもびっくり」と是枝監督の姿勢を批判しています。

 何人かの著名人もこの流れに乗っかっています。「ZOZOTOWN」を展開する株式会社スタートトゥデイのコミュニケーションデザイン室長の田端信太郎氏も「『金を出すなら、口も出す』というのが、古今東西、普遍の真理。国民から預かった「血税」のわけですからね」とツイート。また、経済評論家の渡邉哲也氏も「フランス政府が始めたカンヌ映画祭のパルムドールと文化庁からの助成金を返納しないと理屈が合わない」とツイートしました。

 私はこういった批判に危機感を覚えます。なぜなら、日本が国民主権の国であることが置き去りにされているように感じるからです。

 そもそも、助成金制度は、誰が、誰のために設立したのでしょう。政府が国民のために設立してあげたものだから、国民がそれを利用するなら、政府に感謝し礼儀を見せるべき、というのが一部の保守派の理屈なのだと思います。

 しかしこの理屈は、まるで政府と国民が対等か、もしくは政府の方が上の立場のように捉えられています。しかし間違っていけないのは、あくまで国民に主権がある、ということです。政府は国民が支払う税金の一部を給料として雇われ、国民から信任を受けて執政する人々に過ぎません。つまり、助成金制度は国民が政府という機関を通して作った、国民のためのサービスです。是枝監督は一国民としてその制度を利用したまでです。

 それに、一部の保守派がいうような理屈では、公共施設や社会保障を利用している私たちは、日々国に感謝し、礼儀を尽くさなければいけないということになるでしょう。

 ほとんどの人々は是枝監督を批判する人たちに呆れ、くださなさを感じていると思います。しかし、伊藤純子氏と上畠寛弘氏のように、国民主権を厳守しなければならない立場なのにも関わらず、それを無下にする発言をする現職の政治家がいることについては、私は重く受け止め、危機を感じています。有権者としてこういった政治家もいることを心に留めておきたいです。

(北川アオニ)

NEWS手越祐也の未成年飲酒報道で懸念される、女子高生への執着

 NEWS手越祐也(30)にも未成年との飲酒疑惑が報じられた。先週、小山慶一郎(34)と加藤シゲアキ(30)が、未成年のまじった飲み会の席でイッキコールをしていたことが発覚して問題化、ジャニーズ事務所がそれぞれに活動自粛と厳重注意の処分を下したばかりというタイミングだ。小山と加藤の音声が録られた飲み会は昨年12月に実施されていたが、今回の手越の動画も昨年12月下旬に撮影されたものだという。

 手越をはじめ複数の若い男女が六本木の会員制ダーツバーで盛り上がり、その中には当時19歳と17歳の女性タレントもいたという。タレント側は、その場に参加したものの「飲酒はしていない」と証言しているそうで、手越がコールで一気飲みを煽ったわけでもなさそうだ。となると、加藤同様の厳重注意処分で済むのだろうか。

 しかし懸念されるのは、今後、手越が18歳未満の児童とも不適切な関係を持っていたという告発が出て来かねないことである。手越の場合、女性との下半身スキャンダルは本人もネタにしているほどで“キャラ”じみているが、未成年にも手を出していたとしたら話は全く別だ。

 というのも手越は「女子高生の制服好き」を公言。今年3月27日放送のラジオ『KちゃんNEWS』(文化放送/メインパーソナリティは小山慶一郎)に手越祐也がゲスト出演した際のこと。大学2年生の女性リスナーから届いたメールの「大学生の制服はアウトですか? セーフですか?」という質問を受けて、小山は、最近移動車で渋谷を走行中に手越が「制服ちゃんいないかな~? 制服ちゃん、女子高生いないかな~?」と叫び始めたことを暴露した。手越は事実だと肯定し、「人の好みを何で『ヤバイ』とか否定するんですか?」と悪びれない。

 2015年10月の『KちゃんNEWS』でも、ハロウィンコスプレの話題から「やっぱりもう、女子高生に勝るものは僕はないので~」と話した手越。外出ひとつとっても、「16~17時ぐらいに街中に出たほうが、帰宅途中の女子高生を見れますし」との意図を持っているそうで、一般のスクールガールを観察しているようだ。

 「ただ見るのが好き」ならば趣味の範疇であり、成人女性とコスプレとして楽しむぶんには問題はない。先輩であるTOKIO山口達也(46)は女子高生を自宅に呼び出し強制わいせつに及ぶという過ちを犯したが、手越は、保護すべき児童と自立した成人女性との区別をしっかり持っていてほしい。

高畑淳子「世の中全部を恨んでいる」発言、息子・高畑裕太は母から逃げる体勢に

 「いままさに売り出し中!」と言える状況にあった俳優の高畑裕太(24)が、強姦致傷容疑で逮捕されたのは2016年8月23日のことだった。事件はあらゆるメディアで連日大きく報道され、高畑裕太の母で女優の高畑淳子(63)は謝罪会見を開き、その場で「大変なことをした」と滂沱の涙を流した姿はまだ記憶に新しい。被害女性との間で示談が成立し、高畑が不起訴処分となったことで事件は一応の収束を迎えた。当時高畑が出演中だったテレビドラマ『侠飯~おとこめし~』(テレビ東京系)は彼の姿を徹底的にカットして何とか放送を継続。決まっていた「24時間テレビ」(日本テレビ系)のパーソナリティは降板。そのほかにもいくつものドラマや映画を降板する事態となった。

 母・高畑淳子は明るくサバサバしたキャラクターが話題を呼び、テレビドラマや映画、舞台だけではなくバラエティ番組でも売れっ子の女優だったが、事件後はテレビ露出が激減した。舞台出演は継続し、やはり女優としての実力があるゆえ、事件後も『黒革の手帖』(テレビ朝日系)や『隣の家族は青く見える』(フジテレビ系)など話題の連ドラに出演。現在公開中の映画『終わった人』にも出ている。そのほか、『Amazonプライム・ビデオ』や『Netflix』といった外資系のネットメディアが配信するオリジナルドラマや映画にも進出している。とはいえ、事件前によく出演していたバラエティへの復帰は今後も難しいだろうとの声が多い。

 では事件の当事者となった高畑裕太は現在どうしているのか――。6月12日発売の「週刊女性」(主婦と生活社)が高畑の近況を記事にしている。 「家の中で引きこもり状態にある」「長髪に髭というワイルドな容貌にシフトし、遺品整理のアルバイトをはじめた」、など彼のその後を伝える報道はこれまでにいくつもあった。今回「週刊女性」は、高畑は現在遺品整理の仕事を続けながら土曜日だけ都内のバーでアルバイトをしていると伝えている。さらに周囲には「舞台出演が決まった」と話しているそうなので、役者としてもまた活動していくのかもしれない。

 同誌は、高畑のアルバイト先での様子を陰から確認。その後、日を改めて高畑に直撃取材を行っている。取材によると、最初は「復帰なんてできませんよ」と話していた高畑だったが徐々に打ち解けはじめ「遺品整理のバイトが楽しくて俺にとっての基盤となっている」「もし復帰したとしてもバイトは続けたい」「仮に復帰するとしても、ここで発表したらおもしろくないじゃないですか」など、自身のいまとこれからについて30分近い時間をかけて積極的に答えてみせたようだ。

 そんな高畑裕太の現在の様子よりも、筆者が気になるのは母である高畑淳子の現状のほうである。というのも、高畑は4月18日に放送された『梅沢富美男のズバッと聞きます!』(フジテレビ系)にゲスト出演。その際、梅沢から息子について問われると「(裕太は)元気なときも、元気じゃないときもあります。息子は何とかしようとしている。私は世の中全部恨んでいるところもあるけれど……」と、事件から約2年が経った現在の心中を吐露していたのだ。この「世の中全部を恨んでいる」発言から推測するに、やはり高畑淳子はまだあの事件とその際のメディア報道について自分の中で腑に落ちない部分があるようだ。

 高畑裕太と被害女性の間で示談が成立し、高畑は不起訴となったわけだが、高畑淳子は「大人の男女の合意による性行為であり、事件性はなかった」と考えているのだろうか。あるいは「息子は何者かにはめられた」「前途ある未来を潰された」と考えているのか。事件前から息子を溺愛していることでよく知られる高畑淳子だっただけに、事件以降もいろいろ思うことや納得できないことがあるのだろう。

 だが、息子は遺品整理、バーでのアルバイトと新しい一歩を踏み出している。それなのに母の重すぎるとも言えるような発言は、子どもをがんじがらめにしかねないのでは? と危惧してしまう。実際、高畑裕太は「週刊女性」記者からの「お母様と今後のことを話合ったりしますか?」の問いに「全然話さないです」「相談すると全部あの人の主観で答えちゃう」「母親と今後のことを話すのはいやなんです」と返答しており、一人の人間として自立する姿勢を見せているのだが……。

 着々と子離れをする息子の姿勢に、母である高畑淳子は順応することができるのだろうか。高畑淳子があの事件をどう捉えているにせよ、彼女が考える<真相>を世間に明確に提示できない以上、高畑裕太の芸能界復帰は難しい。舞台役者として公演に参加することは出来るとしても、テレビに出る役者というわけにはいかないのである。母もそろそろ、折り合いをつけなければいけないだろう。

(エリザベス松本)

高畑淳子「世の中全部を恨んでいる」発言、息子・高畑裕太は母から逃げる体勢に

 「いままさに売り出し中!」と言える状況にあった俳優の高畑裕太(24)が、強姦致傷容疑で逮捕されたのは2016年8月23日のことだった。事件はあらゆるメディアで連日大きく報道され、高畑裕太の母で女優の高畑淳子(63)は謝罪会見を開き、その場で「大変なことをした」と滂沱の涙を流した姿はまだ記憶に新しい。被害女性との間で示談が成立し、高畑が不起訴処分となったことで事件は一応の収束を迎えた。当時高畑が出演中だったテレビドラマ『侠飯~おとこめし~』(テレビ東京系)は彼の姿を徹底的にカットして何とか放送を継続。決まっていた「24時間テレビ」(日本テレビ系)のパーソナリティは降板。そのほかにもいくつものドラマや映画を降板する事態となった。

 母・高畑淳子は明るくサバサバしたキャラクターが話題を呼び、テレビドラマや映画、舞台だけではなくバラエティ番組でも売れっ子の女優だったが、事件後はテレビ露出が激減した。舞台出演は継続し、やはり女優としての実力があるゆえ、事件後も『黒革の手帖』(テレビ朝日系)や『隣の家族は青く見える』(フジテレビ系)など話題の連ドラに出演。現在公開中の映画『終わった人』にも出ている。そのほか、『Amazonプライム・ビデオ』や『Netflix』といった外資系のネットメディアが配信するオリジナルドラマや映画にも進出している。とはいえ、事件前によく出演していたバラエティへの復帰は今後も難しいだろうとの声が多い。

 では事件の当事者となった高畑裕太は現在どうしているのか――。6月12日発売の「週刊女性」(主婦と生活社)が高畑の近況を記事にしている。 「家の中で引きこもり状態にある」「長髪に髭というワイルドな容貌にシフトし、遺品整理のアルバイトをはじめた」、など彼のその後を伝える報道はこれまでにいくつもあった。今回「週刊女性」は、高畑は現在遺品整理の仕事を続けながら土曜日だけ都内のバーでアルバイトをしていると伝えている。さらに周囲には「舞台出演が決まった」と話しているそうなので、役者としてもまた活動していくのかもしれない。

 同誌は、高畑のアルバイト先での様子を陰から確認。その後、日を改めて高畑に直撃取材を行っている。取材によると、最初は「復帰なんてできませんよ」と話していた高畑だったが徐々に打ち解けはじめ「遺品整理のバイトが楽しくて俺にとっての基盤となっている」「もし復帰したとしてもバイトは続けたい」「仮に復帰するとしても、ここで発表したらおもしろくないじゃないですか」など、自身のいまとこれからについて30分近い時間をかけて積極的に答えてみせたようだ。

 そんな高畑裕太の現在の様子よりも、筆者が気になるのは母である高畑淳子の現状のほうである。というのも、高畑は4月18日に放送された『梅沢富美男のズバッと聞きます!』(フジテレビ系)にゲスト出演。その際、梅沢から息子について問われると「(裕太は)元気なときも、元気じゃないときもあります。息子は何とかしようとしている。私は世の中全部恨んでいるところもあるけれど……」と、事件から約2年が経った現在の心中を吐露していたのだ。この「世の中全部を恨んでいる」発言から推測するに、やはり高畑淳子はまだあの事件とその際のメディア報道について自分の中で腑に落ちない部分があるようだ。

 高畑裕太と被害女性の間で示談が成立し、高畑は不起訴となったわけだが、高畑淳子は「大人の男女の合意による性行為であり、事件性はなかった」と考えているのだろうか。あるいは「息子は何者かにはめられた」「前途ある未来を潰された」と考えているのか。事件前から息子を溺愛していることでよく知られる高畑淳子だっただけに、事件以降もいろいろ思うことや納得できないことがあるのだろう。

 だが、息子は遺品整理、バーでのアルバイトと新しい一歩を踏み出している。それなのに母の重すぎるとも言えるような発言は、子どもをがんじがらめにしかねないのでは? と危惧してしまう。実際、高畑裕太は「週刊女性」記者からの「お母様と今後のことを話合ったりしますか?」の問いに「全然話さないです」「相談すると全部あの人の主観で答えちゃう」「母親と今後のことを話すのはいやなんです」と返答しており、一人の人間として自立する姿勢を見せているのだが……。

 着々と子離れをする息子の姿勢に、母である高畑淳子は順応することができるのだろうか。高畑淳子があの事件をどう捉えているにせよ、彼女が考える<真相>を世間に明確に提示できない以上、高畑裕太の芸能界復帰は難しい。舞台役者として公演に参加することは出来るとしても、テレビに出る役者というわけにはいかないのである。母もそろそろ、折り合いをつけなければいけないだろう。

(エリザベス松本)

「和歌山カレー事件」から20年 “獄中訴訟”に励む林眞須美

 本連載で何度か取り上げたことのある「和歌山カレー事件」が発生してから、来月で20年になる。

 夏祭りのカレーにヒ素を混入して4人を殺害、63人を急性ヒ素中毒に陥らせたとして逮捕された林眞須美(56歳)の獄中生活も、今秋で20年となる。一貫して無実を訴え続けている彼女は現在、何を考え、どのように暮らしているのだろうか。

 眞須美は、4人の子どもたち(逮捕当時、長子が中学3年生、末子が保育園年中)がそれぞれ独立したのを見届けたかのように、子どもたちへ手紙を書いていた時間を“獄中訴訟”にあてるようになった。大阪拘置所の処遇を不服として、国家賠償請求訴訟を起こし、すでに30件以上も勝ち続けている。

 例えば、以前は認められていた絵葉書や靴下、カイロなどの差し入れを禁止されたことを不当として訴え、解禁を勝ち取った。窓からの景色さえろくに見ることができない眞須美にとって、国内外の景色を写し取った絵葉書は何よりの心の慰めであり、靴下やカイロは、暖房のない独居房で、冬の寒さを凌ぐための必需品である。

 マスコミ各社に対しても、カレー事件当時、事実無根の報道によって名誉を毀損されたとして次々と訴訟を起こし、勝ち続けている。

 これらはすべて、弁護士に頼らず自力で訴訟を起こす、いわゆる「本人訴訟」である。眞須美に「本人訴訟」を伝授したのは、今は亡き“ロス疑惑”の三浦和義だった。

 妻に対する殺人未遂容疑で、有罪から一転、無罪を勝ち取った三浦は、2005年3月に眞須美の接見禁止が解除されると、真っ先に面会に行き、支援を約束した。自分と同じように過熱報道に遭い、有罪となった眞須美に同情したのだ。

 三浦は、拘置所に収監されていた1980年代半ばから90年代末にかけて、自分に対して名誉毀損報道を行ったマスコミ各社を相手に、500件を超える「本人訴訟」を起こし、実にその8割で勝訴を収めた。

 自身の経験から眞須美にも、「マスコミの報道に泣き寝入りしてはいけない。本人訴訟なら、ボールペン一本とやる気さえあれば、誰にでもできる」とアドバイスしたのだ。

 拘置所の眞須美に対する処遇は、他の収容者に比べて明らかに厳しい。例えば、以前眞須美が膀胱炎に罹った際、拘置所は病人だという理由で、入浴と運動を10日間禁止にした。洗髪と拭身を願い出ても許可されず、頭が痒くてたまらなくなった眞須美は、10日目に独居房の洗面台で洗髪した。すると、「無断洗髪」ということで「懲罰」扱いにされてしまった。眞須美によれば、他の収容者は洗面台で洗髪しても、見過ごされているという。

 また、眞須美の独居房の窓は、ほとんど開かない。冷房がなく窓も開かないとなると、夏は地獄の暑さで、毎年熱中症に陥っている。外が見えないことで拘禁症の症状も増してきている。さらに、虫歯になっても治療をしてもらえないため、現在、上の歯はほとんどなくなってしまった。

 昨年、支援者に宛てた手紙には、こう書いている。

歯は抜けて見た目、上唇がないのに等しくなり、髪は薄く白髪となり、顔はシミやシワやクスミやの「シワクチャシラガハヌケババア」となってしまいました。この三畳一間にいて、一番おとろしいことは鏡で自分の顔を見ることです。

 眞須美が今、最も切望しているのは、入れ歯を作ってほしいということだ。しかし、いくら願い出ても大阪拘置所は認めてくれないという。いつ死刑が執行されるかわからない死刑囚に入れ歯を作っても無駄になる、とでもいうのだろうか。

 こうした処遇には拘置所によって差があり、例えば福岡拘置所では、6万円を支払えば入れ歯を作ってもらえる。冷暖房についても、拘置所によって完備されているところと、そうでないところがあるのだ。

 拘置所は、基本的に未決囚と死刑囚が暮らすところである。眞須美にとっては“予定されている”死刑が刑罰であるはずなのだが、現状、毎日の生活が刑罰になってしまっている。眞須美にはぜひ、本人訴訟で入れ歯を手に入れてほしい。

 カレー事件については、ヒ素鑑定の過誤が判明するなど、林眞須美有罪の根拠とされた証拠や証言に次々と綻びが生じて来ている。現在、弁護団は再審請求を行うとともに、ヒ素の鑑定人を民事裁判で訴えている。

NEWS手越祐也に小山・加藤の「未成年飲酒」問題が飛び火する可能性は

 NEWSの小山慶一郎(34)と加藤シゲアキ(30)が、未成年女性との飲酒を報じられた件で、ジャニーズ事務所は一定期間の活動自粛(小山)と厳重注意(加藤)を発表した。NEWSの“夜の帝王”といえば……のキャラクターだった手越祐也(30)ではなく、小山と加藤というところに、さして彼らのファンでもない人々は驚きを覚えているのではないだろうか。ただ、確かに手越のプレイボーイぶりは本人もネタにするほどで半ば容認しているファンもいなくはないが、一方で小山の“パリピ”ぶりも、大きく報じられたことがなかっただけでファンの間では有名な話だった。

 しかし今回、当時19歳だったにもかかわらず年齢を「20歳」だと偽って飲み会に参加し、小山のコールを受けて酒を飲んでいたという女子大生・A子さんは、もともとは“手越の遊び相手”としてNEWSファンの間では有名な女性だった。

 A子さんが過去、LINEライブ配信やTwitterやInstagramなどのSNSに公開していた“手越とつながっている”という話は、アカウントが削除された現在でもスクリーンショットが多数出回っている。それによれば、A子さんは<もうJKじゃなくなったのに(手越が)仲良くしてくれて嬉しい>等との投稿もしていたようだ。“JK”の頃から仲良くしていたと受け取れる。ちなみに手越が「女子高生(の制服を着た若い女性)好き」なのは自ら公言している話。

 もちろんA子さんの発言や投稿文がすべて“事実”とは限らない。誇張していたり、自作自演であったりする可能性はある。誰かを貶めるために、わざと嘘を書き込むのはネットではよくある話だ。ただしそれらがもし事実だったとするならば、未成年との飲酒および淫行ということになってしまう。実際にこのA子さんとNEWSメンバーたちが関わっていたとすると、あまりに脇が甘く自覚に乏しいとしか言いようがない。

 また、手越がかつて「週刊文春」(文藝春秋)に撮られた元アイドルとの飲み会の様子は、もし掲載が今の時期だったならば確実にアウトとされるものだった。2013年の記事で、「SKEグラビア女王鬼頭桃菜とジャニーズ肉食男手越祐也の泥酔キス」との見出しをつけられたその内容は、当時未成年(19歳)だった鬼頭桃菜と手越が六本木の会員制バーでテキーラをしこたま飲み泥酔・濃厚キスをしていたというもの。キス写真も掲載された。その当時、なぜか未成年飲酒を問われることはなかったが、現在の時勢では大問題だ。

 5月20日の全国ツアー最終公演でNEWSは囲み取材に応じ、手越は「NEWS結成15周年の諸々の企画を裏切らない努力を必要最低限しよう」と考え“夜遊び”を自粛していると話していた。小山は「もう西麻布には手越はいません!」と宣言していたが、結果的にその小山が“裏切る”ことになってしまった。今は手越もいっそう気を引き締めていることだろう。

(篠田ロック)

NEWS手越祐也に小山・加藤の「未成年飲酒」問題が飛び火する可能性は

 NEWSの小山慶一郎(34)と加藤シゲアキ(30)が、未成年女性との飲酒を報じられた件で、ジャニーズ事務所は一定期間の活動自粛(小山)と厳重注意(加藤)を発表した。NEWSの“夜の帝王”といえば……のキャラクターだった手越祐也(30)ではなく、小山と加藤というところに、さして彼らのファンでもない人々は驚きを覚えているのではないだろうか。ただ、確かに手越のプレイボーイぶりは本人もネタにするほどで半ば容認しているファンもいなくはないが、一方で小山の“パリピ”ぶりも、大きく報じられたことがなかっただけでファンの間では有名な話だった。

 しかし今回、当時19歳だったにもかかわらず年齢を「20歳」だと偽って飲み会に参加し、小山のコールを受けて酒を飲んでいたという女子大生・A子さんは、もともとは“手越の遊び相手”としてNEWSファンの間では有名な女性だった。

 A子さんが過去、LINEライブ配信やTwitterやInstagramなどのSNSに公開していた“手越とつながっている”という話は、アカウントが削除された現在でもスクリーンショットが多数出回っている。それによれば、A子さんは<もうJKじゃなくなったのに(手越が)仲良くしてくれて嬉しい>等との投稿もしていたようだ。“JK”の頃から仲良くしていたと受け取れる。ちなみに手越が「女子高生(の制服を着た若い女性)好き」なのは自ら公言している話。

 もちろんA子さんの発言や投稿文がすべて“事実”とは限らない。誇張していたり、自作自演であったりする可能性はある。誰かを貶めるために、わざと嘘を書き込むのはネットではよくある話だ。ただしそれらがもし事実だったとするならば、未成年との飲酒および淫行ということになってしまう。実際にこのA子さんとNEWSメンバーたちが関わっていたとすると、あまりに脇が甘く自覚に乏しいとしか言いようがない。

 また、手越がかつて「週刊文春」(文藝春秋)に撮られた元アイドルとの飲み会の様子は、もし掲載が今の時期だったならば確実にアウトとされるものだった。2013年の記事で、「SKEグラビア女王鬼頭桃菜とジャニーズ肉食男手越祐也の泥酔キス」との見出しをつけられたその内容は、当時未成年(19歳)だった鬼頭桃菜と手越が六本木の会員制バーでテキーラをしこたま飲み泥酔・濃厚キスをしていたというもの。キス写真も掲載された。その当時、なぜか未成年飲酒を問われることはなかったが、現在の時勢では大問題だ。

 5月20日の全国ツアー最終公演でNEWSは囲み取材に応じ、手越は「NEWS結成15周年の諸々の企画を裏切らない努力を必要最低限しよう」と考え“夜遊び”を自粛していると話していた。小山は「もう西麻布には手越はいません!」と宣言していたが、結果的にその小山が“裏切る”ことになってしまった。今は手越もいっそう気を引き締めていることだろう。

(篠田ロック)

小原正子の「おむつ問題」が炎上、育児の葛藤を綴って「毒親」呼ばわりされる

 子供が2歳を迎える頃から、親や周囲はトイレトレーニングを意識しはじめる。いわゆる「トイトレ」だ。近年は、おむつの性能が上がった影響もあり昔に比べるとおむつが外れるのは遅いという話もあるが、それでもトイトレ完了前の子供を育てる親にとっては関心の高い話題なのだろう。ネットで検索すれば便利グッズの紹介、体験談、愚痴などトイトレにまつわる情報はわんさか出てくる。祖父母らの「まだおむつ取れないの?」攻撃に辟易しているという手の愚痴は定番中の定番。そんなトイトレについて、先日クワバタオハラの小原正子(42)がブログで事情を綴り、ネット上では物議を醸している。

 小原正子は3歳と1歳の男児を育てている。5月28日に「おむつ問題☆」というタイトルでブログを更新し、現在3歳2カ月になる長男について、<この年齢では 100%おむつが はずれているお子様も多いかと思うのですが。。。。><まだ はずれてませーん>と打ち明けた。

 長男は幼稚園ではパンツで過ごし、ほぼお漏らしなどの失敗もないようだが、小原は<自宅で トイレに こまめに連れていくのも 大変だし><外出、移動、旅行の時も 面倒だし>と、家ではおむつを履かせているとのこと。結果、長男は<家では じゃんじゃん し放題だと 認識しており 中途半端に 自宅で パンツを履かせることがあるので その時は 失敗しまくる!!!>そうで、<そして その都度 いやな顔をしてしまう私><私が悪いのに ごめんやで!!!!>と、 小原は懺悔している。また、<ぼちぼち 徹底して 家でも パンツにしようかと思って>いるものの、<想像すると 正直な気持ちは まだまだ おむつを履かせていたい。。。。>と本音を覗かせた。

 このように全文を読めば小原はトイトレについての葛藤を書いているわけだが、そこにある「大変」「面倒」というネガティブワードが、一部ネット上で噛みつかれている。匿名掲示板「ガールズちゃんねる」では『楽したいからトレーニングしない? 小原正子、3歳長男がいまだオムツ取れず物議』というトピが立ち、余計なお世話としか言いようがないコメントが相次いでいる。

 お決まりの<子供がかわいそう>から始まって、<親失格、子供の事を考えない行動は教育といえない><楽できるからってトイレトレーニングしないのってひどくない? おねしょとかの原因にならないの? お泊まり保育とか始まったら恥かくのは子どもだからかわいそう><幼稚園ではパンツ履かせてるなら家でも履かせないと混乱するよ><頑張って取れないとかじゃなく、親が面倒だからってのがダメだよね。 一種の虐待だよね。毒親>等々の会話が繰り広げられている。

 他方で、<別に全然いいやん。 ずっと オムツ取れない子は、病気じゃない限りいないよ><まぁ人の家の子供の事をあーだこーだ言うもんじゃないと思う><そのうち、できるようになるよ><小学生になってもオムツ履いてる子はいないし、人の家のことほっとけば>と、ダメ出しするほどのものではないと宥めるコメントも少なくはない。実際、成長すればおむつはいつか外れるし、トイトレはいつか終わる。

 トイトレに限らず子育てで「楽」をすることを咎められる傾向はいつものことで、今回の小原に対しても<自分が楽をしたいがため>などという意見が見受けられるが、その“苦労”は子育てに必須なのだろうか。いつか外れる以上、わざわざトイトレで苦労する必要もないだろう。子供が通う幼稚園や保育園と相談しつつ、各家庭に合ったペースで進めれば問題はないのではないか。育児はトイトレだけではないし、1歳の次男も育てる小原は長男のトイトレ中心に生活するわけにもいかないだろう。おむつが汚れているのに替えないで放置しているというならともかく、トイトレに積極的になれないくらいで攻撃されるのもおかしな話だ。

 また、<それをブログに書くな><よくもまあこんなこと堂々と言ったもんだねー!><理由を公開ブログで書けるのがすごい。そんなのみんなも思ってるけど頑張ってトイトレしてるじゃん>と、ブログのネタにしたことに嫌悪感を示す意見もある。これはトイトレがデリケートな問題として扱われるからなのかもしれない。とはいえ、トイトレが思うように進まず悩む親は、ネット上の「●歳までに取れるのが理想です」「保育園任せはNG」という“正論”に焦り、より悩みを深めることもあるだろう。だから小原の<面倒><まだまだおむつ履かせておきたい>という率直な本音をブログに公開したことは、アリではないだろうか。真面目な親ほど、建前の情報だけでは追い詰められてしまいかねない。真面目にやろうとするからこその葛藤もある。それを「虐待」「毒親」などと責められてはたまったものではない。

小原正子の「おむつ問題」が炎上、育児の葛藤を綴って「毒親」呼ばわりされる

 子供が2歳を迎える頃から、親や周囲はトイレトレーニングを意識しはじめる。いわゆる「トイトレ」だ。近年は、おむつの性能が上がった影響もあり昔に比べるとおむつが外れるのは遅いという話もあるが、それでもトイトレ完了前の子供を育てる親にとっては関心の高い話題なのだろう。ネットで検索すれば便利グッズの紹介、体験談、愚痴などトイトレにまつわる情報はわんさか出てくる。祖父母らの「まだおむつ取れないの?」攻撃に辟易しているという手の愚痴は定番中の定番。そんなトイトレについて、先日クワバタオハラの小原正子(42)がブログで事情を綴り、ネット上では物議を醸している。

 小原正子は3歳と1歳の男児を育てている。5月28日に「おむつ問題☆」というタイトルでブログを更新し、現在3歳2カ月になる長男について、<この年齢では 100%おむつが はずれているお子様も多いかと思うのですが。。。。><まだ はずれてませーん>と打ち明けた。

 長男は幼稚園ではパンツで過ごし、ほぼお漏らしなどの失敗もないようだが、小原は<自宅で トイレに こまめに連れていくのも 大変だし><外出、移動、旅行の時も 面倒だし>と、家ではおむつを履かせているとのこと。結果、長男は<家では じゃんじゃん し放題だと 認識しており 中途半端に 自宅で パンツを履かせることがあるので その時は 失敗しまくる!!!>そうで、<そして その都度 いやな顔をしてしまう私><私が悪いのに ごめんやで!!!!>と、 小原は懺悔している。また、<ぼちぼち 徹底して 家でも パンツにしようかと思って>いるものの、<想像すると 正直な気持ちは まだまだ おむつを履かせていたい。。。。>と本音を覗かせた。

 このように全文を読めば小原はトイトレについての葛藤を書いているわけだが、そこにある「大変」「面倒」というネガティブワードが、一部ネット上で噛みつかれている。匿名掲示板「ガールズちゃんねる」では『楽したいからトレーニングしない? 小原正子、3歳長男がいまだオムツ取れず物議』というトピが立ち、余計なお世話としか言いようがないコメントが相次いでいる。

 お決まりの<子供がかわいそう>から始まって、<親失格、子供の事を考えない行動は教育といえない><楽できるからってトイレトレーニングしないのってひどくない? おねしょとかの原因にならないの? お泊まり保育とか始まったら恥かくのは子どもだからかわいそう><幼稚園ではパンツ履かせてるなら家でも履かせないと混乱するよ><頑張って取れないとかじゃなく、親が面倒だからってのがダメだよね。 一種の虐待だよね。毒親>等々の会話が繰り広げられている。

 他方で、<別に全然いいやん。 ずっと オムツ取れない子は、病気じゃない限りいないよ><まぁ人の家の子供の事をあーだこーだ言うもんじゃないと思う><そのうち、できるようになるよ><小学生になってもオムツ履いてる子はいないし、人の家のことほっとけば>と、ダメ出しするほどのものではないと宥めるコメントも少なくはない。実際、成長すればおむつはいつか外れるし、トイトレはいつか終わる。

 トイトレに限らず子育てで「楽」をすることを咎められる傾向はいつものことで、今回の小原に対しても<自分が楽をしたいがため>などという意見が見受けられるが、その“苦労”は子育てに必須なのだろうか。いつか外れる以上、わざわざトイトレで苦労する必要もないだろう。子供が通う幼稚園や保育園と相談しつつ、各家庭に合ったペースで進めれば問題はないのではないか。育児はトイトレだけではないし、1歳の次男も育てる小原は長男のトイトレ中心に生活するわけにもいかないだろう。おむつが汚れているのに替えないで放置しているというならともかく、トイトレに積極的になれないくらいで攻撃されるのもおかしな話だ。

 また、<それをブログに書くな><よくもまあこんなこと堂々と言ったもんだねー!><理由を公開ブログで書けるのがすごい。そんなのみんなも思ってるけど頑張ってトイトレしてるじゃん>と、ブログのネタにしたことに嫌悪感を示す意見もある。これはトイトレがデリケートな問題として扱われるからなのかもしれない。とはいえ、トイトレが思うように進まず悩む親は、ネット上の「●歳までに取れるのが理想です」「保育園任せはNG」という“正論”に焦り、より悩みを深めることもあるだろう。だから小原の<面倒><まだまだおむつ履かせておきたい>という率直な本音をブログに公開したことは、アリではないだろうか。真面目な親ほど、建前の情報だけでは追い詰められてしまいかねない。真面目にやろうとするからこその葛藤もある。それを「虐待」「毒親」などと責められてはたまったものではない。

元℃-ute鈴木愛理が、日本武道館公演を成功させねばならないこれだけの理由

 昨年6月に解散したハロー!プロジェクト(以下、ハロプロ)の5人組アイドルグループ・℃-uteの元メンバーである鈴木愛理が、7月9日にソロとしては初となる日本武道館公演を開催する。5月27日には、一般プレイガイドにて同公演のチケットが発売されたが、即日ソールドアウトとなった。

 ℃-ute解散後、ソロ活動スタートに向けて準備を進めていた鈴木愛理。2017年の大晦日から2018年の元日にかけて行われたハロー!プロジェクトのカウントダウンコンサートにサプライズ出演し、ソロとしての新曲「未完成ガール」を披露した。その後、3月からライブ活動を開始、6月6日にはファーストソロアルバム『Do me a favor』(アップフロントワークス)も発売される。

 2000年代後半のAKB48の大ブレイク以降、「アイドルブーム」と呼ぶべき状況ができあがりはした。しかし、グループから卒業したメンバーやグループ解散後のメンバーが、引き続きソロ歌手としても成功を収めた例は、残念ながら皆無に等しい。そんななか、ソロとしての日本武道館公演をソールドアウトさせた鈴木愛理は、ソロ歌手として成功する可能性を存分に秘めた“元アイドル”ということになるだろう。

 鈴木愛理は、“実力No.1アイドル”とも評されていた℃-uteでセンターを務めるだけでなく、アイドル活動と併行して有名大学にも通い、さらには女性ファッション誌「Ray」(主婦の友社)でも専属モデルを務めるという、八面六臂の活躍を続けるまさに鉄人ともいえる人物。現役アイドルの中にも彼女のファンを公言する者は多く、いつしか「アイドルが憧れるアイドル」と呼ばれるようになった、まさにアイドルの中のアイドルなのである。

 そんな鈴木愛理の成功を待ち望んでいるのは、何もファンだけではない。「彼女の成功は、彼女の所属する大手芸能プロ・アップフロントグループにとっても至上命題であるはず」と語るのは、ある大手芸能プロ関係者。

「一般の方はどうしてもアイドル自身の売れた売れないだけを話題にしがちですが、実は卒業後のアイドルが、自身の希望する分野できちんと成功を収められるかどうかというのは、その事務所のその後のビジネスにも大いに関係してくるのです。

 まずは、後輩たちのモチベーション。先輩アイドルが成功しているかどうかというのは、後輩アイドルたちのモチベーションに直結してきます。

 例えばAKB48グループは、確かに売れっ子メンバーこそメディアの注目を浴びてきらびやかに活動していますが、メンバーが多くて競争率も高い上、売れなければ“使い捨て”感も強く、卒業後は不遇をかこっているタレントさんも多いですよね。実際うちの10代のタレントでも、『AKBのオーディションも進んでいたけど、辞退してこちらに来た』という子がいます。

 ハロプロさんの場合でも、アイドル卒業後は藤本美貴さんや矢口真里さんなどバラドルとして成功するか、あるいは里田まいさんのように野球選手の奥さんとして成功している例はありますが、女優、あるいはミュージシャンとして大成功を収めている例は少ない。

 そうするとどうなるか。後輩アイドルたちは、『ここにいても大丈夫だろうか。卒業すれば結局引退するしかないのでは……』『いずれは女優さんになりたいんだけど、結局トーク技術を磨いてバラドルになるしかないのかな……』と不安になり、活動に身が入らなくなる。あるいは親御さんに説得されて中学卒業、高校卒業のタイミングで辞めてしまう……ということになってしまいがちなんです。そういうイメージができあがると、そのプロダクションが主催する新人オーディションの応募人数が減ったり、スカウト活動における成功率が下がったり……ということにも繋がっていく」(大手芸能プロ関係者)

 つまり、所属アイドルが成功裏に長く活動しているかどうかということは、その芸能プロへの次世代タレントのタマゴたちの集まり具合にも大いに関係してくる、というわなのである。 別の中堅芸能プロ関係者もこのように続ける。

「そもそもアイドルなんて、費用対効果でいったら非常に効率が悪いわけです。大人数をマネジメントし、ライブを重ね、そのためのリハをやり、握手会を繰り返し、物販で商品を大量にさばいてやっとなんとかペイできる。ところが女優になれば、ひと現場いくらで出演料が確実に入ってくるうえ、大型広告が取れれば数千万円単位が事務所に入ってくる。ミュージシャンになれば、マネジメントするのはひとりで済み、握手会の繰り返しで本人・事務所ともに疲弊せずとも、CDを含む物販が勝手に売れていく。もちろん“成功を納めれば”という条件付きではありますが、要はこうしていったん売れっ子を作ってしまえば、効率はきわめてよいビジネスをやっていけるわけです。だからこそ大手事務所になればなるほど、アイドルは才能を見極めるための準備期間。最終的には女優やミュージシャンとして羽ばたいてほしい。そのためにこそ戦略を巡らせたい……ってみんな考えてますよ」(中堅芸能プロマネージャー)

 さて、話を鈴木愛理に戻そう。もちろんミュージシャンとして成功することは、鈴木愛理個人の純粋な夢であることに変わりはないだろう。しかし、以上のような業界関係者の話を踏まえてみれば、彼女の成功は、単純に彼女本人のためだけでなく、彼女の後輩たちや所属事務所にとってもきわめて重要な意味を持つことはおわかりいただけたろう。そしてそのことは、キャリアの長い鈴木愛理にしてみれば、言われなくても本人こそが痛いほどわかっているはずなのである。

 そんな鈴木愛理なのだから、ソロ歌手として成功することは、もはや使命といえるはずだ。鈴木愛理のファンにとっても鈴木愛理に憧れているアイドルたちのためにも、そして鈴木愛理の後輩や所属事務所関係者にとっても、鈴木のソロデビューに失敗は許されない。だからこそ、ソロでの日本武道館公演という高いハードルを課され、実際にチケットのソールドアウトという形で、彼女は見事そのハードルを超えてみせた。それは世の中が鈴木愛理という“元アイドル”に注目していることの証であり、さらにいえば鈴木愛理の成功を願う人がそれだけたくさん存在しているということなのであろう。

後輩たちを“背負っている”元乃木坂46・生駒里奈
 鈴木愛理と同じく、元アイドルとしての今後が期待されるのが、元乃木坂46の生駒里奈であろう。鈴木愛理と同じ理由により、初代センターとして乃木坂46を支えてきた生駒が卒業後にどんな活動をしていくかは、現役の乃木坂46の人気メンバーたちの将来を左右していく重大事なのは想像に難くない。一般的な知名度でいえば鈴木愛理よりも高いであろう生駒里奈がもしも活躍できないとなれば、「結局、乃木坂46の看板がなければダメなのか」というレッテルが貼られかねない事態となりかねないのである。

 とはいえ、そんな生駒里奈も、人気マンガを舞台化した『魔法先生ネギま!~お子ちゃま先生は修行中!~』(7月12日~16日、AiiA 2.5 Theater Tokyo)で主演することが決定。ソロの表現者として、着実な一歩を踏み出した。“元アイドル”としての生駒里奈が結果を出せば出すほど、現役の乃木坂46のメンバーたちの未来も明るくなるだろう。

 鈴木愛理にしても生駒里奈にしても、ひときわ華やかな世界で光を浴びてきた“元アイドル”たちは、後から続いてくる“現役アイドル”たちを背負いながら、新たな道を示そうとしている。それはたとえば「アイドルだった過去をリセットする」といった考え方ではなく、むしろいつまでも“アイドル”という存在を見つめ続ける決意の現れなのかもしれない。鈴木は「Ray」7月号のインタビューでこんな話をしている。

〈ソロになったとき、いちばん忘れちゃいけないと思ってるテーマが、アイドルをやってきた自分の15年間を全部肯定して再出発すること〉

 アイドルを卒業したからといって、アイドルを捨てるのではなく、アイドルとして華やかに活動していた時間を全面的に受け入れる──そうすることによって、自分の“過去”と“未来”、さらにはアイドルとして活動している後輩たちの“今”をも明るく照らし出すのだ。

 ピークが過ぎたといわれるアイドルブームだが、鈴木愛理や生駒里奈のような“元アイドル”の活躍は、このブームに再び火を着けることになるだろう。輝きを増した“元アイドル”の姿は、“現役アイドル”たちのモチベーションを相当に高めるはず。アイドルブーム再燃のカギは“元アイドル”が握っているのである。

(文/青野ヒロミ)