ヤクザと警察官の禁断の恋! 元極妻が明かす「とにかく女性を口説きたい」男の心理

 今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■捜査情報漏えいだけでなく、お金の無心も

 警視庁新宿警察署の23歳の女性警察官が30代のヤクザと交際、捜査情報を漏らしたとして地方公務員法(守秘義務)違反で書類送検されましたね。女性警察官は依願退職しています。

 報道によると、2人は捜査を通じて知り合い、ヤクザ側の猛烈なアプローチによって交際が始まったようです。捜査情報もですが、お金の無心もされていて、愛想が尽きて別れたのだとか。もともと情報欲しさに口説いただけで、ハニートラップだったとの臆測も流れています。これもアリですね。

 実際には多くはありませんが、女性の警察官や検察官を口説きたがるヤクザはいます。「山は高ければ高いほどチャレンジしたくなる」というアレですね。口説かれる側も不幸な生い立ちなどを聞くと、つい情にほだされてしまうようです。ただし、相手は公務員ですから成功率は高くはないですし、ましてや捜査情報を教えてくれるようなことは、ほとんどないでしょうね。今回は、23歳という年齢もあったのだと思います。

■取調室でイタした刑事さんも?

 そういえば去年の今ごろには、署内でプールしていた旅行資金約150万円を、ホストクラブに通うためにネコババしていた神奈川県警南署の生活安全課経済保安係の女性警察官(24歳)の問題もありましたね。借金や売掛金の負担はかなりあったようで、返すためにデリヘルのバイトをしていたというお話も出ています。

 報道では女性が警察官であることを明かし、指名したホストの気を引くために必死だったそうですから、かなりイタいですね。でも、これはネコババの金額が多いから問題になっただけで、こういう例は結構あると思います。

 「社会的に信用がある」とされる警察官は金融機関から簡単にお金を借りられるので、遊ぶお金のために借金をしている刑事さんは珍しくないんですよ。このホストにハマった女性警察官もカードローンで約500万円を借りていたそうですが、24歳の普通のOLさんに500万円を貸してくれるローン会社はないですよね。若くてもどんどんお金を借りられるんですから、「勘違いすんな」というほうがムリでしょう。そもそも警察はパワハラとセクハラがすごい男社会ですから、女性のストレスはハンパなく、「ちょっと違う世界の男性と付き合ってみたい」と思ってしまうこともあるのではないでしょうか。

■ヤクザの姐さんを口説く刑事!?

 それに、もっと言っちゃうと、男性の刑事さんのほうが異性トラブルは断然多いですよ。職場内不倫はもちろん、被疑者や被疑者の関係者を口説く刑事さんは少なくないのです。「取調室でイタした……」と、武勇伝のように語る刑事さんもいます。もし刑事さんに「オレと付き合わない?」と言われても、「いい天気だね」と言われたくらいに思っておいたほうがいいですよ。

 また、悪質な警察官になりますと、懲役で不在のヤクザの姐さんを口説いてきます。実は私も経験がありますが、警察官に限らず「懲役に行っているヤクザの姐さんやカノジョを狙う」というのは、ヤクザ業界のタテマエとしてはタブー事項です。だって「組のためにがんばった結果として懲役に行く」というのが前提なのですから。そうはいっても「諸事情」からデキちゃうことがありますが、これは人としてダメですよ。私は応じていません。念のため(笑)。

ヤクザと警察官の禁断の恋! 元極妻が明かす「とにかく女性を口説きたい」男の心理

 今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■捜査情報漏えいだけでなく、お金の無心も

 警視庁新宿警察署の23歳の女性警察官が30代のヤクザと交際、捜査情報を漏らしたとして地方公務員法(守秘義務)違反で書類送検されましたね。女性警察官は依願退職しています。

 報道によると、2人は捜査を通じて知り合い、ヤクザ側の猛烈なアプローチによって交際が始まったようです。捜査情報もですが、お金の無心もされていて、愛想が尽きて別れたのだとか。もともと情報欲しさに口説いただけで、ハニートラップだったとの臆測も流れています。これもアリですね。

 実際には多くはありませんが、女性の警察官や検察官を口説きたがるヤクザはいます。「山は高ければ高いほどチャレンジしたくなる」というアレですね。口説かれる側も不幸な生い立ちなどを聞くと、つい情にほだされてしまうようです。ただし、相手は公務員ですから成功率は高くはないですし、ましてや捜査情報を教えてくれるようなことは、ほとんどないでしょうね。今回は、23歳という年齢もあったのだと思います。

■取調室でイタした刑事さんも?

 そういえば去年の今ごろには、署内でプールしていた旅行資金約150万円を、ホストクラブに通うためにネコババしていた神奈川県警南署の生活安全課経済保安係の女性警察官(24歳)の問題もありましたね。借金や売掛金の負担はかなりあったようで、返すためにデリヘルのバイトをしていたというお話も出ています。

 報道では女性が警察官であることを明かし、指名したホストの気を引くために必死だったそうですから、かなりイタいですね。でも、これはネコババの金額が多いから問題になっただけで、こういう例は結構あると思います。

 「社会的に信用がある」とされる警察官は金融機関から簡単にお金を借りられるので、遊ぶお金のために借金をしている刑事さんは珍しくないんですよ。このホストにハマった女性警察官もカードローンで約500万円を借りていたそうですが、24歳の普通のOLさんに500万円を貸してくれるローン会社はないですよね。若くてもどんどんお金を借りられるんですから、「勘違いすんな」というほうがムリでしょう。そもそも警察はパワハラとセクハラがすごい男社会ですから、女性のストレスはハンパなく、「ちょっと違う世界の男性と付き合ってみたい」と思ってしまうこともあるのではないでしょうか。

■ヤクザの姐さんを口説く刑事!?

 それに、もっと言っちゃうと、男性の刑事さんのほうが異性トラブルは断然多いですよ。職場内不倫はもちろん、被疑者や被疑者の関係者を口説く刑事さんは少なくないのです。「取調室でイタした……」と、武勇伝のように語る刑事さんもいます。もし刑事さんに「オレと付き合わない?」と言われても、「いい天気だね」と言われたくらいに思っておいたほうがいいですよ。

 また、悪質な警察官になりますと、懲役で不在のヤクザの姐さんを口説いてきます。実は私も経験がありますが、警察官に限らず「懲役に行っているヤクザの姐さんやカノジョを狙う」というのは、ヤクザ業界のタテマエとしてはタブー事項です。だって「組のためにがんばった結果として懲役に行く」というのが前提なのですから。そうはいっても「諸事情」からデキちゃうことがありますが、これは人としてダメですよ。私は応じていません。念のため(笑)。

“スーパー仲人”たちが語る、眞子さまと小室圭さん「結婚延期」の問題点とこれから

 秋篠宮家の長女・眞子さまと小室圭さんの結婚延期騒動が、日本国民に波紋を広げている。宮内庁を通じて発表された眞子さまの文書によると、延期となった理由は「準備を行う時間的な余裕がないことを認識するようになりました」「色々なことを急ぎ過ぎていたのだと思います」とのこと。その上で、「二人で結婚についてより深く具体的に考えるとともに、結婚までの、そして結婚後の準備に充分な時間をかけて、できるところまで深めて行きたいと思っております」と、あらためて結婚へのお気持ちを表明された。

 しかし、週刊誌などでは、“延期の背景”になったと考えられるような報道が日夜繰り広げられているのも事実。特に、圭さんの母・佳代さんが、元婚約者との間に“金銭トラブル”を抱えていることがクローズアップされ、世間の注目を集まっている。佳代さんは、元婚約者から、約400万円を受け取っており、そのお金は、圭さんの学費や留学費などに使われたという。元婚約者は、返済の兆しが一向にないことを週刊誌などで告白しており、一方の佳代さんは「贈与である」と主張しているそうだ。

 この騒動は、“皇族では前代未聞の事態”などといわれるが、一般の世界ではどうだろうか。婚約時にこうしたトラブルが勃発し、カップルや家同士の関係にヒビが入ってしまい、修復するまで結婚延期、もしくは破談となるケースは珍しくないかもしれない。

 そこで今回は、これまで数々のカップルを間近で見続け、結婚の何たるかを熟知する“スーパー仲人”の方々にインタビューを行い、眞子さまと圭さんの結婚延期騒動をどのように見るか、見解を聞いた。

■「2年延期」というのは普通あり得ない
 アットホームな雰囲気で相談者を和ませることから、“フレンドリー仲人”と呼ばれ、多くの相談者から慕われているという「ブライダル笑顔株式会社」の代表・大森昌代さんは、金銭トラブルによってカップルの仲が引き裂かれてしまうことは「よくあります」と語る。結婚する当人の金銭トラブルの方が圧倒的に多いそうだが、圭さん同様“親の”というケースも、ないことはないという。今回の佳代さんの金銭トラブルに関しては、現在までに報道されている情報に限れば、一方的に佳代さんだけを非難できるものではないのでは、といった見解を持っているようだ。

「圭さんのお母さまが、元婚約者の方にお金を借りていたとのことですが、その使い道にもよるのかなと思います。ギャンブルに使うためのお金だったら問題ですけれど、圭さんの学費や留学費という話であれば……と、思うところはあります。元婚約者の方は、『お金を返す気がない』と主張しているそうですが、2人の間に何か事情があるかもしれませんしね。ただ、それでも問題視されるのは、“皇室だから”。一般では、お相手の親側に借金があることがわかったら、どんな内容の借金なのかをお聞きします。その内容によっては、また2人の今後に影響がなければ、『結婚しても大丈夫でしょう』とアドバイスすると思います」

 また大森さんは、延期期間が“2年間”という部分に着目する。

「一般でも延期は時々あるんですが、2年というのはないですね。一般では2カ月くらい……例えば、両家顔合わせの際に、親御さん同士があまりいい印象を持てず、もう少し様子を見て、ほかのお相手も見てみようか、といったことはあります。もしくは、親御さんが亡くなられたので1年延期とか。でも2年延期は聞いたことがないです。今回の結婚延期が、本当にお母さまの金銭トラブルが原因だった場合、この2年で返すことができれば、結婚に至る可能性はあると思います。ただ、2年というのは長いといえば長いですよね。眞子さまと小室さんを“諦めさせよう”という期間、もしくは2人の結婚への意思を“試すため”の期間なのかもしれません」

 

■娘を持つ親としては心配になるのが普通
 

 「ラ・セレヴィーナ」の代表・若林千美枝さんは、「お見合いの数をより少なく、運命の方と出会えるにはどうすればよいか」を目標に掲げ、独自の方法論と直感で成婚に導く「実力派仲人」といわれている。そんな若林さんは、現在圭さんが大学院生であり、弁護士事務所でパラリーガルをしている点に注目し、秋篠宮ご夫妻のお気持ちに寄り添いながら、“娘を持つ親の心情”を次のように語ってくれた。

「圭さんはまだ定職についておらず、生計が成り立っていない状況と思われますが、2年間延期したのは、お母さまの金銭トラブルの影響というより、彼が弁護士の資格を取るなりするための期間ではないかと感じました。以前圭さんが、書店で節約レシピ本を購入されていた話を聞いたことがあります。若いのでそこまで経済力がないため、少しでも節約をという意識なのかもしれませんが、“娘を持つ親の目線”からしたら不安に思ってしまうのではないでしょうか。『ちゃんと目標を掲げてパラリーガルをしているのか』とも感じるのでは」

 若林さんは、「男性のアルバイターの方が悪いと言いたいわけではなく、あくまで結婚となったときに、娘さんのご両親は、親心として、不安になってしまうこともあるという意味です」と強調する。もし圭さんがすでに弁護士資格を持っているなど、結婚後も安定した収入を得られる見通しがあれば、佳代さんの金銭トラブル報道での結婚延期も、事情が変わってきた可能性もなきにしもあらずだ。

「これまで私の結婚相談所では、親の金銭トラブルが問題となったケースはありませんでした。ただ、娘を持つ親の立場になって考えると、『娘の夫となる男性の親が、借金を抱えていた場合、娘にも何かトラブルが降りかかってくるのでは?』と心配になるのが普通だと思います。これからの2年間で、圭さんが弁護士資格を取ることができれば、あっという間に年収1000~2000万円は稼げるようになります。育ててくれた恩返しという意味で、お母さまの借りたお金を返すこともできると思います。ちなみに、私はこれまで、弁護士をされているお客さまに何人もお会いしてきましたが、最も稼いでいる方で、年収2億円超の方もいらっしゃいました。もちろん、こういった大変優秀な方は一握りですけどね。結婚は圭さんの頑張り次第という面もあるのではないでしょうか」

 若林さんの取材は3月中旬に行われたが、その間も、日々結婚延期をめぐるあらたな週刊誌報道が次々と流れている。そういった報道を見ると、「プロの仲人は、一般的にこういったトラブルが起こった際に、双方の意見を聞いて、しっかりと事実確認をして判断をしなければならない」といった思いを強めているといい、この問題がどのように展開していくかによっては、世間もまた別の見方をするようになるのかもしれない。

 

■一般の方であれば問題にならなかった
 

 「金井美枝子結婚相談室」の代表・金井美枝子さんは、東京で婚活に悩める男女に出会いをサポートするほか、電子書籍『結婚したい人のための勝ちぬく婚活術』を発売、女性セミナーやお見合いパーティーも開催する凄腕仲人士。金井さんは、長年の仲人歴から、一般的に「交際または婚約になって少したつとお相手の欠点や嫌なところが必ず見えてきます」と語る。

「マリッジブルーといわれるように『本当にこのお相手でいいのか、もっとほかに自分に相応しい人がいるのでないか』と不安になることもあります。それでも相性がよかったり、お相手の良いところをたくさん見つけることができれば、ほとんどのカップルはそれを乗り越えていくことができるのですが、どうしても乗り越えることができないトラブルもあり、例えば、“借金”“ギャンブル”“酒乱”などです。もちろんその度合いにもよりますが、乗り越えることができず破局になるケースも多いと感じています」

 金井さんは、「結婚する方ご自身の借金が問題になる場合が多い」と前置きしつつも、“親の金銭トラブルが原因で、結婚したものの離婚したケース”を見ているという。

「皇族の方なので、結婚前の段階で、報道によってトラブルが明るみになりましたが、普通のご家庭では『結婚してみて初めてわかる』こともあります。しかし最近は晩婚化しているので、女性が人生経験を積んでいる分、結婚という話になる前に、賢く、冷静にお相手のことを見る目を持っている印象もあります。一方で、20代のお若い方だと、『この男性が大好き、一緒にいたい』という気持ちだけで結婚するケースも。やはり年齢を重ねると、『好きだけでは結婚しない』と考える方が多くなります」

 眞子さまは現在26歳で、「今は、昔と違い家同士の結婚というより本人同士が良ければという風潮もありますが、やはり結婚はその属する家族への影響も少なからずあります。そして、やはり皇族というお立場上、『好き』という気持ちだけでは結婚はできないと思います」と金井さんは語る。

「圭さんのお母さまが借りられたのは、400万円とのこと。数千万円という目が飛び出るような金額ではないだけに、正直申し上げて、『頑張れば何とかなるのでは?』と思います。それでもこうして問題になり、延期になったことを見るに、『一般の方であれば問題にならなかったのにな』と感じてしまいます。圭さんも、決して悪い方だとは思いませんしね。一般の方なら、さり気なく受け入れられることでも、国民の関心の高い皇室においては、話は別なのでしょう。眞子さまと圭さんが少しのお時間を経てすんなりと結婚することは難しいのではと思います」

 「いずれにしましても若いお2人のお幸せを願わずにはいられません」という金井さん。眞子さまと圭さんの結婚問題は今後もさまざまな議論を呼ぶだろうが、最終的には、ご本人やご家族にとって納得のできる結論が出るよう祈りたい。

でたらめな子育てサイトに引っかからないための2つのコツ

※この記事はメタモル出版ウェブサイトに掲載されていた森戸やすみさんの連載「小児科医ママの子どものケアきほんの『き』」を再掲載したものです

 子どものいる方は、家事に子育て、人によっては仕事も並行してやっているから、時間がいくらあっても足りません。だから、子どものケアについての情報収集はスマホでするという人は多いでしょう。そして、スマホで検索して上位に出てくるものを参考にしてしまうかもしれません。

 ところが、検索すると上位に表示されるのは、でたらめな記事の多い子育てサイト・ママ向けサイト・健康サイトなどです。正しい情報から順に表示されるわけではありません。

特にコラムサイトをまとめたキュレーションサイトには、間違った情報があまりにもたくさん掲載されています。情報を精査するなどのコストをまったくかけずに、センセーショナルな記事でPVを稼げば、儲かるからでしょう。

 では、おかしな子育て情報に引っかからないようにするには、どうしたらいいでしょうか。ネット検索しないというわけにはいかないでしょうから、わかりやすい2点をあげてみます。

1☆誰が書いたのか/取材・監修を依頼しているかをチェック
 たとえば、よく「母乳にはお母さんの食べたものがダイレクトに出る」、「粉ミルクを飲んでいるとIQが低くなる」などという記事があります。しっかり読んでみると、専門家に取材も監修も依頼していなくて、根拠を示してもいない主観だけの記事だったりします。

 これらのサイトの多くには、「ママ(パパ)ライターになりませんか?」というような募集がよく掲載されています。つまり、ライターとしての経験を積んでいない人が記事を書いているわけです。それでも記事の内容が、子育て体験記やお出かけスポットなどのことならいいかもしれません。

 でも、健康に関わる記事は、アルバイト感覚で気軽に書いてはいけません。うっかり「予防接種は受けずに、感染症になった子から移してもらおう」というような記事を書いてしまって、どこかの子が合併症に苦しんだり、後遺症が残ったりしたら誰が責任を持つのでしょうか?

 ですから、まずはどういう人が書いているのかを確かめましょう。素人のライターさんが、ネットの情報や画像を拾ってきてまとめたものだったら信用してはいけません。書いた人の署名があって、所属や経歴がきちんとあって、ライターさん自身が専門家であるか、または専門家に取材や監修の依頼をしていれば一考の価値ありです。が、それでも安心できません。

2☆誰に取材・監修を依頼しているかをチェック
 次に、その取材や監修の人選はどうかをチェックしましょう。その専門家は、その分野で多くの同業者から支持されているでしょうか? はっきりした根拠を提示しているでしょうか? 専門家の資格はあっても、根拠もなくただ極端なことを言っている人たちもいます。

 たとえば先日、あるママサイトに、医者が書いた本をもとに「赤ちゃんへのビタミンK投与」を否定するような記事が掲載され、多くの医療関係者や一般の方たちから批判が殺到し、記事が削除されるということがありました。

 出生後すぐの赤ちゃんにビタミンKを与えることは、とても重要です。ビタミンKは、胎内でお母さんからもらいにくく、母乳中にも少なく、赤ちゃん本人が作ることも難しいからです。乳児期早期にビタミンK欠乏症になると、8割以上の子が頭蓋内出血を起こします。こういったことは基礎研究・臨床研究でわかっており、ビタミンK製剤の効果が高いという国際的なコンセンサスもあるのです(※1)。ビタミンK投与などを真っ向から否定する医者がいたら新鮮に思えるかもしれませんが、あまりにも危険です。

 このように記事の内容によっては人の命にも関わります。他の専門家が言う以上の科学的な根拠を示せない突飛な意見には従わないようにしましょう。

 このような子育てサイトで、子どもに健康被害が出かねない記事を見つけ、運営会社に苦情のメールを送ったこともありますが、検証したり訂正記事を出したりすることはなく、あっさり記事が削除されるだけでした。

 そのほか、「さまざまな意見を載せる方針なので」と答えたサイトもありました。しかし、両論併記すればいいというものではありません。「一般的な根拠のある説」と、「極端な根拠のない説」を同等の正しさがあるように載せて、いろんな意見があると言い逃れするのはおかしなことです。 では、編集という職業がある意味は、メディアとしての責任はどうなるのでしょうか。

 「病院での出産、助産院、自宅、どれもチョイスだよね」ではないのです。現代では圧倒的に病院での出産が多く、自宅分娩の減少とともに乳児死亡率は激減しました。当然ですが、これは赤ちゃんが丈夫になったのではなく、医療が発達し、病院での出産で命を救えるようになったからです。助産院や自宅での出産について記事を書く場合には、どんなリスクがあり、緊急時にはどんな対応方法があるのかまで正確に載せないといけません。

 同様に、離乳食について「早ければ早いほどいい」「厚労省がすすめるように生後5~6か月頃からがいい」「遅ければ遅いほどいい」という説を同じ土俵に乗せてはいけません。以前、アメリカで離乳食を早く開始することが流行した結果、喘鳴を起こす子が増えたり、月齢が小さいうちは母乳やミルク以外のものはむしろ有害といったことがわかったりして廃れました。一方、1~2歳まで離乳食をあげずに母乳だけにすると、母乳性貧血や栄養不足になる危険性が高く、アレルギーの予防にもならないのです。ですから、確実に生後5~6か月からは離乳食が必要だという「事実」があるわけで、いろんな「意見(正解)」があるわけではありません。

 お子さんのアレルギーが心配なときに「離乳食を遅らせればアレルギーを防げる」という記事を見たら、信じたくなるかもしれません。予防接種を受けるなんて痛そう、同時に何本も打つなんてかわいそうと感じているときに「ワクチンはいらない」なんて記事を見たら、予防接種をしないでいることを正当化できそうな気がします。でも、願望と事実は違うものです。

 かわいいお子さんを守るために、突飛な説や目新しい説に惑わされず、ぜひ情報を選ぶ技術を身につけてくださいね。

(*1)http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/saisin_110131.pdf

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“ビートたけし”はタブー扱い? マスコミが踏み込めない”50代愛人”の「後妻業」ぶり

 突然の事務所独立が報じられたビートたけしだが、すでに報道も落ち着きをみせ始めている。各報道では「円満退社」が強調されていることから、他芸能人の独立トラブルのような“大スキャンダル”感もあまりないが、多くのメディアは「たけしタブー」を抱えていることから、愛人とされる一般女性に踏み込めずにいるのだという。

「そもそも女性の存在を最初にスクープしたのは、2014年発売の『週刊文春』(文藝春秋)でした。しかし今回は、『文春』最新号にたけしの描き下ろし小説の掲載が偶然決まっていたことから、スキャンダラスに報じるどころか、独立に関する記事そのものが出せなかったそうです。各出版社とも、たけしの連載を抱えていたり書籍の話が進んでいたり、またテレビ局に関しても各番組との関係から、突っ込んだ報道はできない状況なんです」(スポーツ紙記者)

 しかし、所属のオフィス北野関係者やたけし軍団からも、女性に対していい声はまったく聞かれない状況なのだという。

「やはり芸能界とは無縁だった人間が、たけしの仕事にまで関与してくる(既報)ということで、誰もが疑問符を抱いています。たけし本人にしても、以前まではまったく気にしていなかったギャラについて、女性との関係が深くなり始めた頃から突然口を挟むようになっていったとか。以前、ある局の楽屋では、事務所スタッフに『役員報酬や社員の給料を見直せ』『売り上げの収支表を出せ!』などと、怒号を浴びせていたそうです」(テレビ局関係者)

 新事務所『T.Nゴン』は71歳を過ぎたたけしの“終活”として伝えられている向きもあるが、「移籍が済んでいないにもかかわらず、ギャラの支払先が新事務所に変更されていたり……。」(映画製作関係者)との声も。

 また、たけし軍団はオフィス北野の残留が報じられている一方で、「たけしに追随する可能性がある」と言われているのが、つまみ枝豆なのだという。

「枝豆は日和見主義で、事務所とも女性とも、良好な関係をキープしている唯一の幹部メンバー。同じく、軍団筆頭格のガダルカナル・タカは、女性の存在をよく思っておらず、この件についてはしどろもどろになっている様子が『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)出演時にも伝わってきた。タカが女性に批判的であることは、たけし本人にも伝わってしまっており、最近の両者の関係は、最悪の状態となっています」(スポーツ紙記者)

 たけしは一貫して、女性とは男女の関係ではないとしているが、関係者からすれば「老いらくの恋」に見えてしまうことも、仕方のない話だろう。「どうしても女性側による“後妻業”という印象を受けてしまいます」(前出・映画制作関係者)という声もあるだけに、今後も女性への視線は厳しいものとなっていきそうだ。

「本当に駆け落ちなのか?」元タレント女性、“大学生と失踪騒動”に夜逃げのプロの見解は?

 元タレントの40代女性Tさんが、子どもの奨学金や生活費を奪って、男子大学生と“駆け落ち”したのではないか――今、ネット上で、そんなショッキングな騒動が浮上している。

 Tさんは、かつて『進め!電波少年』(日本テレビ系)に出演していたこともある元タレントで、2月下旬に家族の元から姿を消したという。Tさんの子どもたちが、現在Twitter上で捜索願いのツイートを拡散しており、その情報によると、Tさんは、子ども4人の奨学金や授業料、生活費など200万円を持っていったそうで、その後、残されていたスマホデータから、都内大学に通う男子大学生と駆け落ちした可能性が高いとのこと。

 男性からTさんに宛てた「今の俺にできるのは、今の君を愛することと、未来、君を幸せにするために努力することしかできないけど、いつか、君と一緒に朝を迎え、『おはよう』と言える日を夢みています。いつか君を、幸せにさせて下さい。愛しています。永遠に。」などと記されたラブレターも発見されている。

 現在、子どもたちは、Tさんと男子大学生の実名や身体的特徴をまとめたものをツイートしていると同時に、Tさんと子どもたち4人の過去の写真や現在の心境などを投稿し、世間の注目を集めている状況だ。

本当に駆け落ちなのか?
 Tさんと男子大学生が本当に駆け落ちしていた場合、これまで子どもたちから発信された情報を見るに、“あまりにも突発的な行動”だったのではないかと推測することができる。2人の間には何かしらの事情があり、駆け落ちという方法でしか思いが遂げられなかったのかもしれないが、ここまでの大騒動になってしまったことを考えると、そのやり方が果たして本当に正しかったのかと、疑問が生じる。

 そこで今回、借金や倒産、いじめやストレスなど、さまざまな理由で平穏な暮らしを奪われた人々に、安全な暮らしを取り戻すためのサポートをする「夜逃げ屋 アシスト」の代表、児玉丈一郎氏に、お話を聞いた。

 「夜逃げ屋 アシスト」では、駆け落ちが原因の夜逃げのサポートも行っているが、児玉氏の目に、今回のTさんの騒動はどのように映ったのだろうか。

「私は、“駆け落ち”ではないと思いました。お子さんの奨学金や授業料などを持って……という点から、どちらかが金銭的なトラブルを抱えていたのではないかと思います。それをかばうために、2人で逃げた、と見えます。というのも、駆け落ちに、一番重要なものはお金なんです。当人たちにとって、駆け落ち後の生活は、かなり不安です。200万円程度のお金で、住まいは借りられるのか、生活費はどうなるのか。真剣に彼のことを愛しているがゆえに駆け落ちするのであれば、たった200万円では実行しないと思いますよ。世間から見たら、やはり駆け落ちに見えてしまうのでしょうが……」

 児玉氏は、駆け落ちをしたいという依頼者に対し、“お金”について話をするそうだ。駆け落ちする当人たちの今後の資金という以外に、“残される人たちに置いていくお金”も必要だという。

「駆け落ちすると、絶対に家族から捜索願が出されます。何らかの事件に巻き込まれたり、安否の確認ができない場合は、所轄の刑事が動くこともあります。ただ、本人たちは『あなたにどこまでもついていく』ということで頭がいっぱいになり、そういった事態に発展することを想像できなくなってしまうんです。我々は、『残された人たちに迷惑をかけてはいけないし、守ってあげなければいけない』『駆け落ちは、そういった覚悟がなければできません』『ただ、決して後ろを振り向いてもいけない』とお伝えし、お金を必ず置いてきてくださいとお伝えしています。駆け落ち資金として、“家族の財産をお金に換えてを持って行く”といったことは、我々は絶対に許しません。それがプロです」

 Tさんのケースでは、「お金を“持っていってしまった”がゆえに、このような大騒動になっているんです。お金を置いていけば、こうはならなかったのではないでしょうか」と児玉氏。 “持っていくお金”と“置いていくお金”を貯めるため、「問い合わせをいただいてから、1年後に駆け落ちをするお客様もいます」という。

 Tさんは、自宅にスマホを置いたまま出て行ったというが、その点に関して児玉氏は、「携帯の電波で探される可能性がある、捜索願が出れば、それを元に警察が追ってくると考えたのではないでしょうか」と指摘する。しかし、家族はそのスマホに残されたデータから、一緒に逃げた相手の目星をつけただけに、駆け落ちする人にとって“スマホを置いていく”ことには、見つかる可能性を高めてしまうようにも感じるが……。

「絶対にバレるとわかった上で、駆け落ちしたのでしょう。逃げるということは、“残された人たちが追ってくる”ことがわかっているから、逃げるんです。それをわかった上で、わからないようにする……それがプロである我々の仕事です」

 「安心して駆け落ちをできる状況を作ってからでないと、駆け落ちはできません」という児玉さんの言葉には、駆け落ちする当人たち、そして、残される人々、双方を思いやる気持ちが感じられる。ネットで大騒動になっているこの騒動、まだ全貌は見えず、今後の展開も計り知れないが、双方にとって納得できる決着はつくのだろうか。

サプリメントは医薬品ではありません。こんな売り文句にはご用心!

※この記事はメタモル出版ウェブサイトに掲載されていた成田祟信さんの連載「管理栄養士パパのみんなの食と健康の話」を再掲載したものです

 先日、平成27年度の国民健康・栄養調査の結果が公表され、若い女性はカルシウムや鉄が不足していることがニュースで流れました。調査結果を見ると男女を問わず若い世代ほど野菜の摂取量が少ない傾向もあり、ビタミンやミネラルの不足も心配されています。

 できればしっかり朝食を食べ、野菜たっぷりの栄養バランスのとれた食事を心がけていただくのがベストです。でも、現状の日本の労働事情を考えると、仕事が忙しく、通勤時間も長く、残業で帰りも遅くなりがちですから、そう簡単にはいきません。サプリメントなどの健康食品が流行しているのには、そんな背景があるのではないでしょうか。

 そこで今月と来月の2回に分けて、サプリメントなどの健康食品の使い方について考えていこうと思います。今月は、まず基本的な知識についてお話しましょう。

全てのサプリメントは食品です
 サプリメントや健康食品という言葉は広く知られていますが、日本の食品分類ではきちんと定義されていません。なんとなく錠剤やカプセルのような形態のものを「サプリメント」、それ以外の健康目的に販売されている食品を「健康食品」と呼ぶ場合が多いようです。

 健康に着目して販売されている食品には、国の承認(特定保健用食品)や基準(機能性食品、栄養機能食品など)を満たしているものもありますが、これらも一般には健康食品と呼ばれます。だから、それ以外のものは但し書きをつけて「いわゆる健康食品」と呼ぶ場合もあるようです。いろいろな種類があって紛らわしいのですが、特定保険用食品も機能性食品も栄養機能食品も全て食品ですから、薬のような治療効果が期待できるものではありません。

 では、サプリメントや健康食品(以下サプリメント)の目的はなんでしょう? 不足した栄養を補う、減量、美容目的、健康増進などなど色々ありそうですね。

 でも、先に述べたようにサプリメントはあくまで食品ですから、不足している栄養素の補給はできますが、とるだけでやせたり、美しくなったり、病気がなおったりする効果があるはずはないのです。もしも本当にそんな効果があるとしたら、医薬品として登録されている薬物が入っていたり、安全に問題のある成分が含まれていたりするかもしれません。

 ダイエット効果をうたった健康食品では、代謝を上げる作用のある甲状腺ホルモンや中枢神経を刺激して食欲を抑制するフェンフルラミンという成分が都道府県の調査で検出されたこともあり、実際に健康被害も起こっています。

 このように違法な成分が含まれているという極端な例は別にしても、サプリメントは食品の扱いなので、品質管理などを含め医薬品ほどの厳格な基準や品質管理が求められておらず、医薬品に分類される成分が多量に含まれていたということもあるので要注意です。

こんな売り文句にはご用心!!
 あくまでサプリメントは食品です。それなのに多くの人がサプリメントをとるだけで健康になったり、病気が治ったりするかのように思ってしまうのはなぜでしょうか? それはサプリメントをとるだけで健康になれそうな印象を与える広告がたくさんあるからです。以下のような売り文句を見かけたら、眉にツバして考えてみるとよいでしょう。

「驚きの効果」「飲むだけで誰でも実感」

 世の中には誰にでも効果のある万能なものなどありません。また、過度な効果を期待させる表現は、まず疑ったほうがいいでしょう。

「血糖値が高い人に」「医師もサジを投げた症状が改善」

 サプリメントはあくまでも食品です。病気を治す効果を期待してはいけません。病院に行くのが嫌だからといってサプリメントを摂って治そうと思っているうちに手遅れになることもありますから、体調に不安のある場合は必ず医療機関を受診しましょう。

「天然だから安心」「医薬品ではないので副作用の心配なし」

 <天然のものは安全で、合成のものは危険である>と思われがちですが、天然の毒はたくさんありますし、天然だからこそ何が入っているかがわからないという危険性があります。実際、市販のハーブから有害な成分が検出されたことも。天然や自然というよいイメージの言葉には要注意です。

「加齢とともに失われる○○を補いましょう」

 健康や美容によいとされるサプリメントでありがちな宣伝文句です。確かに年をとるにつれて減っていく成分はありますが、それは生理的な現象なので多量にとったからといって身体に蓄えられるわけではありません。高齢者は体内の水分量が減りますが、たくさん水を飲んでも増えないことを考えればおかしな話だとわかると思います。不必要なものを買わせるための常套手段です。

「これで元気になりました」「飲み始めてから痛みがなくなりました」

 CMなどでは有名人の体験談をよく見かけます。もしかしたらその人だけは本当によくなった可能性もありますが、その効果が誰にも現れるわけではありませんし、効果はサプリメントのおかげではなく、生活習慣の変化や別に飲んでいた薬のおかげかも知れません。<体験談ほどあてにならないものはない>くらいの気持ちでいるほうがいいでしょう。

「専門家も推奨」「学会で発表」

 専門家の肩書きを持った人が大絶賛しているからといって信じないようにしましょう。きちんとした専門家は、そんな不誠実な商売に加担しないはずです。また、一般の人にはわかりにくいですが、誤った内容であったり、確実な結果がでていないものだったりしても、学会で「発表」することはできます。「学会」という文字があると権威がありそうでなんとなく正しいように感じてしまいますが、なんら効果を保証するものではありません。

 以上の点に気をつけていれば、健康被害や余計な出費を避けることができるのではないかと思います。

 サプリメントはあくまで食品として、栄養補助目的で、気休め程度に利用するならあまり問題はないでしょう。ただし、子どもにサプリメントは全く必要ないと思います。幼少期は食習慣を形成する大事な時期ですから、必要な栄養は毎食きちんと食べてとることを大切にしてくださいね。

 次回は、サプリメントが本当に必要なケースなど、個別の事例について解説したいと思います。

成田祟信『新装版 管理栄養士パパの親子の食育BOOK』(内外出版社)

レスリング界パワハラ騒動で「凄惨暴力・セクハラ」証言と「親族の虚言」疑惑が真っ向対立

 レスリング界におけるパワーハラスメントの告発問題が、いっそう混迷を極めている。発端は、今年1月にレスリング関係者が代理人弁護士を通じて内閣府公益認定等委員会に宛てて告発状を提出したことだ。「週刊文春」3月8日号(文藝春秋)が、この告発状について報じたことで一斉に情報が広まった。告発状の内容は、日本レスリング協会の強化本部長で至学館大学レスリング部監督の栄和人氏(57)が、伊調馨選手(33、ALSOK所属)および伊調選手を指導してきた田南部力氏(42)に対してパワハラ行為を重ねているというものがメイン。しかしレスリング協会・至学館・栄氏と、伊調を含む告発側とで真っ向対立したまま現在に至っている。

 告発状によれば、伊調馨選手は現在、練習拠点としていた警視庁レスリングクラブへの出入り禁止を言い渡され、田南部氏も栄氏から「伊調選手に指導をするな」と圧力をかけられて警視庁のコーチを外されてしまったという。伊調選手は2020年の東京五輪出場を目指しているが、その前の世界選手権、そして日本選手権を勝ち抜くためにも、練習環境を整える必要がある。しかし“パワハラ”による阻害を受けているため思うように練習ができずにいる、と訴えるものだった。

 「週刊文春」はさらに3月15日発売の号でも追撃。栄氏の暴力やセクハラを複数の元教え子ら至学館関係者が証言している。それによれば、元教え子の女子選手A子さんは栄氏によって「他の選手が見ている前でビンタや蹴り」を入れられ、「先の割れた竹刀で太ももの裏を何度も何度も叩かれ」て「20センチくらいのミミズ腫れとなり、お腹や鼻にも切り傷ができました」。A子さんはパニック障害のような症状に苦しんだという。

 また別の女子選手B子さんは人目につかない場所で栄氏から執拗に殴られ「翌朝、B子の片目は“お岩さん”のように真っ青に腫れ上がっており、目頭からは血が流れ続けていました」という。この暴行事件は揉み消された、という。また、栄氏の日体大時代の同級生が、酒に酔った栄氏がレスリング部の同級生C氏に暴力をふるったことを証言。栄氏は「ビール瓶を叩きつけ、尖った先端部分をC氏の顔面に突き刺した」「C君の鼻の辺りから、血が噴水のように吹き出し」「六十針以上縫った」そうで、C氏はレスリング部を引退して故郷へ帰ったという。顔に大きな傷が残っており、C氏の母親は同誌取材に「死ぬまで恨みますよ、私は……」。くわえて、栄氏から肉体関係を迫られたという女子選手たちの声も生々しく刺激が強い。

 対して、同じく3月15日発売「週刊新潮」(新潮社)は、冒頭の告発状自体が、栄氏を恐喝するために仕組まれたことだと真っ向対立する記事を掲載している。同誌は前週号で、栄氏のパワハラ否定と「もしかしたら、馨の従兄弟だというあの男性に、私との確執が一因となって、謀られることになったのかもしれませんが……」という疑念を掲載。告発状を仕掛けたのが伊調馨選手の従兄弟であり、恐喝容疑で逮捕された経歴のある元芸能事務所経営の男だ、としている。

 そして同誌の見解では、告発状で「パワハラを受けた」と訴えるのは日体大OBばかりであり、女子レスリングが至学館一強体制であることを快く思わない日体大勢が、伊調選手の従兄弟の策略に乗ったのではないかという見方を示している。また、伊調選手と田南部コーチが不倫関係にあるのではないかという疑惑もあり、その疑惑ゆえに栄氏は伊調らを厳しく注意したという理屈だ。

 一方は、「パワハラ」「セクハラ」「暴力」があった、という主張。もう一方は、「至学館を転覆させるための罠だ」という主張。まったく噛み合わず、まさに泥沼の様相を呈している告発合戦だが、告発状を受理した内閣府公益認定等委員会は、告発状を提出した側への聞き取り調査をすすめている。真実がどこにあるのか、徹底的に解明する必要があるだろう。

レスリング界パワハラ騒動で「凄惨暴力・セクハラ」証言と「親族の虚言」疑惑が真っ向対立

 レスリング界におけるパワーハラスメントの告発問題が、いっそう混迷を極めている。発端は、今年1月にレスリング関係者が代理人弁護士を通じて内閣府公益認定等委員会に宛てて告発状を提出したことだ。「週刊文春」3月8日号(文藝春秋)が、この告発状について報じたことで一斉に情報が広まった。告発状の内容は、日本レスリング協会の強化本部長で至学館大学レスリング部監督の栄和人氏(57)が、伊調馨選手(33、ALSOK所属)および伊調選手を指導してきた田南部力氏(42)に対してパワハラ行為を重ねているというものがメイン。しかしレスリング協会・至学館・栄氏と、伊調を含む告発側とで真っ向対立したまま現在に至っている。

 告発状によれば、伊調馨選手は現在、練習拠点としていた警視庁レスリングクラブへの出入り禁止を言い渡され、田南部氏も栄氏から「伊調選手に指導をするな」と圧力をかけられて警視庁のコーチを外されてしまったという。伊調選手は2020年の東京五輪出場を目指しているが、その前の世界選手権、そして日本選手権を勝ち抜くためにも、練習環境を整える必要がある。しかし“パワハラ”による阻害を受けているため思うように練習ができずにいる、と訴えるものだった。

 「週刊文春」はさらに3月15日発売の号でも追撃。栄氏の暴力やセクハラを複数の元教え子ら至学館関係者が証言している。それによれば、元教え子の女子選手A子さんは栄氏によって「他の選手が見ている前でビンタや蹴り」を入れられ、「先の割れた竹刀で太ももの裏を何度も何度も叩かれ」て「20センチくらいのミミズ腫れとなり、お腹や鼻にも切り傷ができました」。A子さんはパニック障害のような症状に苦しんだという。

 また別の女子選手B子さんは人目につかない場所で栄氏から執拗に殴られ「翌朝、B子の片目は“お岩さん”のように真っ青に腫れ上がっており、目頭からは血が流れ続けていました」という。この暴行事件は揉み消された、という。また、栄氏の日体大時代の同級生が、酒に酔った栄氏がレスリング部の同級生C氏に暴力をふるったことを証言。栄氏は「ビール瓶を叩きつけ、尖った先端部分をC氏の顔面に突き刺した」「C君の鼻の辺りから、血が噴水のように吹き出し」「六十針以上縫った」そうで、C氏はレスリング部を引退して故郷へ帰ったという。顔に大きな傷が残っており、C氏の母親は同誌取材に「死ぬまで恨みますよ、私は……」。くわえて、栄氏から肉体関係を迫られたという女子選手たちの声も生々しく刺激が強い。

 対して、同じく3月15日発売「週刊新潮」(新潮社)は、冒頭の告発状自体が、栄氏を恐喝するために仕組まれたことだと真っ向対立する記事を掲載している。同誌は前週号で、栄氏のパワハラ否定と「もしかしたら、馨の従兄弟だというあの男性に、私との確執が一因となって、謀られることになったのかもしれませんが……」という疑念を掲載。告発状を仕掛けたのが伊調馨選手の従兄弟であり、恐喝容疑で逮捕された経歴のある元芸能事務所経営の男だ、としている。

 そして同誌の見解では、告発状で「パワハラを受けた」と訴えるのは日体大OBばかりであり、女子レスリングが至学館一強体制であることを快く思わない日体大勢が、伊調選手の従兄弟の策略に乗ったのではないかという見方を示している。また、伊調選手と田南部コーチが不倫関係にあるのではないかという疑惑もあり、その疑惑ゆえに栄氏は伊調らを厳しく注意したという理屈だ。

 一方は、「パワハラ」「セクハラ」「暴力」があった、という主張。もう一方は、「至学館を転覆させるための罠だ」という主張。まったく噛み合わず、まさに泥沼の様相を呈している告発合戦だが、告発状を受理した内閣府公益認定等委員会は、告発状を提出した側への聞き取り調査をすすめている。真実がどこにあるのか、徹底的に解明する必要があるだろう。

アンチ・モー娘。だった私と、アンチ・学校行事だった私。 文月悠光×牧村朝子

16歳で現代詩手帖賞を受賞し、10代から詩人として活躍してきた文月悠光さんが、「JK詩人」という肩書から脱却するため、八百屋、フィンランド、ストリップ劇場などに出かける冒険譚を綴ったエッセイ集『臆病な詩人、街へ出る。』(立東舎)を今年2月に刊行しました。

そして3月8日、文月さんとタレント・文筆家の牧村朝子さんのトークイベントが下北沢B&Bで開催されました。牧村さんとのトークで明らかになっていく、「臆病な詩人」の文月さんが感じている「生きづらさ」の正体とは? 牧村さんがかつて「アンチ・モーニング娘。」だった理由は? この世界を自分の足で歩くためのヒントが盛りだくさんのトークの様子を前後編に分けてお送りします。

ウェブ連載を書籍化する際の工夫
文月:こんばんは。詩人の文月悠光と申します。今日は2月に発売された『臆病な詩人、街へ出る。』という私のエッセイ集の刊行記念として、文筆家の牧村朝子さんをゲストにお呼びしてトークをさせていただきます。よろしくお願いします。

牧村:よろしくお願いしまーす。

文月:たぶん私と牧村さんのどちらかしか知らないという人もいらっしゃると思うので自己紹介を……でも自分で自分の紹介をするのって難しいですね。

牧村:それが自己紹介っていうんじゃないの?(笑) 臆病な詩人さんでーす。はい、他己紹介してあげたよ。

文月:ありがとうございます(笑)。まきむぅこと、牧村朝子さんです。

牧村:です。

文月:こういうときに、「私はこれこれという者です」ってサッと言えたらいいんですけど。詩人なんて身近にいないよ、という方も多いと思うのですが、今日は怖がらずに話を聞いていただけたら嬉しいです。

牧村:文月さんが一番怖がってそうだけどね。

文月:ふたりの共通点は、「cakes(ケイクス)」というウェブメディアで連載を持っていることですね。牧村さんの場合、エッセイや人生相談形式の連載を……何年くらいやっていますか?

牧村:2014年からなので、3年間続けさせていただいています。

文月:3年間続けられた連載の一部を『ハッピーエンドに殺されない』(青弓社)という本にして昨年出版されています。後半のエッセイパートは書き下ろしですよね?

牧村:書き下ろしがないと本で買ってくださる方に申し訳ないので。

文月:紙の本ならではのしかけ、工夫をしてみたりしますよね。『臆病な詩人、街へ出る。』でも、中にはいっている栞に書かれている詩は、この本のために書き下ろしたものです。

牧村:栞のための詩? 栞詩?

文月:そう、栞詩。2、3行くらいの短い詩を3種類書きました。そういう仕掛けを書籍の担当編集者さんが考えてくださったんですね。ウェブから紙へ形が変わることって結構大きいですよね。

牧村:うん!

文月:ウェブの連載が好きで読んでくれていた人が、紙でも買ってくれるってパターンはもちろんありますけど、紙になることで、本屋さんで偶然手にとってくれる人がうまれたりするじゃないですか。

牧村:そういう、ウェブでは知らなかったけど本屋さんで偶然見つけたという方は、よかったら手をあげていただけますか? ……いるじゃん!

文月:ありがとうございます!

「かっぱ巻き」の出会い
文月:私の牧村さんの第一印象を話してもいいですか? 先ほどお話したcakesが「臆病な詩人」の連載が始まった直後の2016年に新年会を企画してくれたんですね。編集者やライターが集まってご飯を食べるみたいな。

牧村:オフィス内でね。

文月:ドキドキしながら出かけていった先で、すぐに牧村さんに出会って。その頃は、正直、ウェブメディアへの偏見がかなり強くて……。

牧村:おお、はっきり言うねえ。

文月:紙の人間なので。

牧村:業界の人いるよ、たぶん(笑)。

文月:ごめんなさい、ごめんなさい。でも絶対向こうも私のこと「紙の人間」だって思っているから。そのときは、ウェブだし、PV数とかいろいろ言われるんだろうなあ、怖いなあと冷や汗かきながら行ったんですね。

牧村:臆病な詩人だ(笑)。

文月:オフィスに入ったらすぐに牧村さんがいらっしゃって、お互いに自己紹介したら、私の詩集を読んでくださっていたんですよね。後から聞いたら牧村さんも詩がお好きで。

牧村:大好きです。

文月:一時期、『現代詩手帖』(思潮社)も読まれていたってことで。まさかcakesのオフィスで詩が好きな人がいるとは。

牧村:あら、「まさかウェブメディアごときの新年会で」って言いたいの?(笑)

文月:いやいやいや。でも属性が違うって思い込みがあったんですね。ウェブと紙に壁を感じていたので、牧村さんとお会いしたときに、「この人には壁がないんだ」ってことですごく心が許せたというか。しかも、好きな詩としてあげてくださったのが、私が初期に書いたものだったんですよ! ガチで詩を読んでくれている人だと思って(笑)。私が高校生のときに書いて、初めての詩集にいれたかっぱ巻きを題材にした詩があって(『適切な世界の適切ならざる私』収載「お酢ときゅうり」)。

牧村:かっぱ巻きですよ。かっぱ巻きって(笑)。かっぱ巻きですよ。

文月:かっぱ巻きから海苔を剥がして、その黒い海苔がフィルムになって私の過去を上映してくれる……といった詩的なイメージでかっぱ巻きを描いたんですけど。その詩が好きと言ってくださって、なんて面白い人だろうって思ったんです。予想していたものと違うものと巡り会えたという驚きと歓びがあって、すごく印象に残っていました。

激烈なアンチ・モー娘。だった牧村さん
牧村:かっぱ巻きの話しかしてなくない?(笑)

文月:牧村さんのことは、『百合のリアル』(星海社新書)の著者だってことは知っていたんですけど、その頃まだ本は読んでいなくて。

牧村:そうだったんですか。

文月:『百合のリアル』が電子化されるにあたり、増補版を作りました、という告知をライターの小池未樹さん(『百合のリアル』の企画・編集、イラストも担当。ライターとしても活躍)がされていて。この機会に読むしかないと思って電子で読み始めたら、なんていうのかな、最初は「LGBTの知識を入れるために」って気持ちだったのが、だんだん、自分の話をされているみたいな気持ちになってきて……。

牧村:狙い通りだ~。

文月:心に響く箇所がいっぱいあったんです。電子版で読んだ後に紙でも手に取って。昨日、照らし合わせなら読んでいたら、結婚や同性愛に関する条例など、情報部分が電子ではさらに充実していますよね。

牧村:紙にはなかったものを電子ではかなり書き加えていますね。わー、気づいてくださった!

文月:『百合のリアル』で特に印象深かったのが「誰よりも先にカミングアウトを済ませなければならなかった相手は、他でもない自分自身でした」って一行で、ずどーんって刺さってきました。何事においても本当にそうだなって思ったんですよね。自分自身でうまく消化できていないこと、認めきれていないからこそ、誰かに対して攻撃的になったり否定的になっちゃうことってある気がしていて。

でも一時期にはそうなってしまった人も、自分の反応を通して気がついて、認めるという作業ができるんじゃないかなって。牧村さんの『ハッピーエンドに殺されない』を読んだときにも感じたんですが、牧村さんって、美しくて明朗としていて……というメディアのイメージとは違って、過去には他人と自分を比べたりしてくすぶっていた時代もあったんだな、と意外に思いました。

牧村:あったあった。私、めっちゃモーニング娘。のアンチだったの(笑)。

『百合のリアル』はジェンダー・セクシュアリティの本なんですね。レズビアンとは、ゲイとは、バイセクシュアルとは、トランスジェンダーとは、そもそも人の性とは、みたいな本なんですけど。

……その前に。私は女の子が好きなんです。女として生まれたんですけど。いわゆるレズビアンですよね。でも当時は、そんな自分を受け入れてなかったから、死ぬほどモーニング娘。を叩いていたんです。「こんなの好きじゃない」「全然可愛くない」「よくこんな顔で歌えるな。人前に出れるな」みたいなことを小学校、中学校くらいのときに一生懸命やってました。ようは、本当はモーニング娘。のことをめっちゃ可愛いって思っている自分を認められなかったから、そんなことをしていたんだって思ったんですよね。

文月:なるほど。『ハッピーエンドに殺されない』に書かれているエピソードでも、優等生を装ったり、自分は幸せだとパフォーマンスしなくちゃって思い込んだりして、本当の自分が見えなくなっちゃう。その迷走っぷりに人間らしさというか、身近さを感じました。

学校行事に冷めていた文月さん
牧村:文月さんって、自分だけが落とし穴にずっといて、みんな明るいところで生きていてすごい、みたいな感じがありません? 実は文月さんは落とし穴にいないと思うのよ。

文月:うーん、ぬかるみの中にいる感じはありますね。

牧村:ぬかるみ、というのは?

文月:みんなが歩きにくいピンヒールを自分のものにして、ササッと歩いている中、私はヒールとか履けないし、そもそもちゃんとした靴も持ってなくて、ぐちゃぐちゃした場所を愚直に歩いてる。私がようやくたどり着いたときには、みんなはもっと先に行っている、みたいなイメージ。

牧村:うまく行っているみんなと、そうはなれない私、っていうタイプですよね。

文月:うーん。

牧村:みんなが出来ていることを私は出来ない?

文月:いや、なんかね。みんなの生活が見えないのかもしれません。穴とか垣根とか、人の生活が見えない場所に隠れてて、みんながどんな風に暮らしているのかが見えないんだと思います。見えない場所から、みんなに憧れている。

牧村:本の中でも「女子高生時代からそうだった」って書いているじゃないですか。みんなキラキラしていて華やかに会話しているけど、文月さんは、「うん、そうだね」っていうのにもすごく時間がかかっちゃう。自分だけがテンポが違うってことを書いていて。

文月:すごくとろい子どもだったんです。みんなが学校祭とか合唱祭で、イエーイ!ってノリで盛り上がっているのを……盛り上がっているのって感情だけじゃないですか。そこに理屈とかはないんだけど、「なんでこの人達はこれでこんなに盛り上がれるんだろう」みたいなことを頭で考えてしまって。

牧村:なんで学校祭ごときで、みたいな。

文月:そこまでは思わないですけど……まあ冷たいですね。そう考えると、もうちょっと一緒になって……。

牧村:急に自己嫌悪に陥らないで(笑)。でも私も、「大縄跳びごときで」って思ってたわ。みんなどうなんだろう。大縄跳び、合唱祭、みんなでやって楽しい、いい青春だった!って思える人もいるだろうし、それはそれで素晴らしいことだと思うんですけど、おそらく多くの人は結構無理して一緒に盛り上がっているんじゃないかな。

文月:学校を出てから、そのことになんとなく気づきましたね。学生のときは、なんでみんなうまく溶け込んでいるんだろうと解せなくて。私みんなが盛り上がっているときはすごい冷めているんですけど、みんなが盛り下がっているときに盛り上がっちゃうんですよ。

牧村:あはは(笑)。

文月:たとえば先生が怒ったりして教室がしーんとなっていると笑いたくなっちゃう。性格が悪いんだと思うんですけど。

牧村:笑うことで空気を変えたいのか、しーんとなっているのが面白いのか。

文月:先生が怒っているのが面白くなっちゃって。そういう嫌な子どもでしたね。空気を読むのが苦手だったんだと思います。

人から査定されることに怯え続けてきた
牧村:そんな学校生活を過ごし、そしておとなになり……って私、勝手にまとめてるけど(笑)。どうして人生を掘り下げようとしているのかっていうと、臆病な詩人がどうやって形作られたんだろうなって、すごく興味があるんですよね。

文月:連載しながら考えてはいたんですけど、ひとつはやっぱりちょっとデビューが早すぎたっていうのがあって。

牧村:デビューは何歳?

文月:『現代詩手帖』の新人賞をもらったのが16歳、高校2年生のときにデビューしたんですね。ただ当時は札幌に住んでいて、会える範囲に詩人ってほとんどいないから、デビューしたことを実感しないまま過ごしていて。

牧村:地元の新聞にも出ちゃったりね。

文月:せいぜいそのぐらいですね。

 その当時くらいから、ネットで叩かれたり、大人たちから「こういうことをやったらダメだよ」「こういうことをもっとしなさい」とかいろいろ指南されるようになってしまって。

牧村:「はーい、ありがとうございまーす」みたいな。

文月:従ったほうがいいのかな、はみ出しちゃダメなのかなって勝手に自分の中でルールを設定しちゃったんですよ。そのまま、人から査定されることに怯えてきた気がします。

牧村:そこだそこだ。

文月:『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)というエッセイの帯文に「中原中也賞を18歳で受賞した平成生まれの詩人が、生きづらさを言葉で解き放つ。」って書いていて。なんでこの帯文にしたんだろうって今思うんですけど。

牧村:おー(笑)。

文月:編集者さんと、何を「言葉で解き放つ」ことにしようか? って話し合ったときに、自分が抱えているモヤモヤを「生きづらさ」としかうまく形容できない気がして「生きづらさ」と設定したんですね。でもそのせいで「ここに書かれているのはそれほどの生きづらさではない」みたいなレビューが結構付いたんです。

 じゃあ私の生きづらさって具体的になんだろうと考えたときに、学生であると同時に、モノを書き続ける責任を背負ってしまったことなのかなって。

牧村:「学生詩人」という他者から期待される像が16歳のときにドバーン!って出ちゃって、それに一生懸命あわせなきゃいけない、ってずっと戦って来たってことかな?

文月:そうですね……。戦ってた時代と、そういうのアホらしくなっちゃって一回自分のやってみたいことやろうって、アイドルオーディションとか出て(講談社主催の女性アイドルオーディション「ミスiD2014」にエントリー。柚木麻子賞を受賞している)。

牧村:イェーイ。

文月:(笑)。それで、ぼこぼこになって。

牧村:ぼこぼこになってないだろ~? 受賞してるだろう?

文月:いやいやいや、でも。

牧村:精神的にはぼこぼこだった?

文月:そうですね。エッセイにも書いたんですけど、精神的にボコボコになったところと満たされた部分と両方ありました。大人たちの期待に応えようとしすぎてしまった。人から期待されるのは嬉しいことでもあるけど、同時にやっぱり苦しい。どう応えていこうかなってなった途端に、自分の意思よりも期待を優先しちゃうじゃないですか。

牧村:やー、同意求めないで。しないー!

文月:そもそも自分はどうしたかったんだっけ? って状態に陥りがちなんです。

牧村:「学生詩人」って言われた。「学生詩人」でいなくちゃ。いなくちゃ、いなくちゃ……あれ、何したかったんだっけ?

文月:そうそう。そもそも私のしたいことは、とにかく書き続けるってことだけだったのに。

 でも年をとったら気が楽になりました。20歳までに小説を発表しましょうとか言われることが多かったんですけど、いまこの年になって、30歳までに何々しましょうねって人からいわれなくなって、すごく楽になりました。

牧村:周りが下にみなくなったんだね。年齢のことで。「この人を指導してあげなきゃ」みたいな。最初はね、16歳だもんね。

文月:そうですね。最初はそういう声が強かったし、実際に助けられてもいた。今は外に出て自由になったとも言えるし、より厳しい世界になったとも言えるし。

牧村:誰も手を引いてくれないから、自分の行きたいところには行けるようになったけど、歩くのは自分、って状態。

文月:そういう感じです。

牧村:めっちゃきれいにまとめた感があるよね、私(笑)。受賞したい(笑)。

(構成・カネコアキラ)

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