田代まさし5度目の逮捕、薬物依存症報道は変わりつつあるか?

 11月6日、元タレントの田代まさし容疑者が覚せいを所持していたとして、覚せい剤取締法違反の罪などで宮城県警に現行犯逮捕された。田代容疑者が薬物事犯として逮捕されるのは5回目で、二度の服役経験がある。

 最近では、薬物依存者のリハビリ支援団体「ダルク」の一員として講演会などに積極的に出演していた田代容疑者。今年7月にNHK『バリバラ~障害者情報バラエティー~』の特別編「教えて★マーシー先生」に出演し、薬物をやめられずに苦しんだ実体験を赤裸々に語ったことは大きな話題にもなった。

 今回の逮捕報道を受けてだろうか、NHKは番組公式サイトのアーカイブから、田代容疑者が出演した回の動画を削除した。しかし、SNSでは「田代さんはこれだけ苦しんでもやめられなかったんだなって分かる」「残しておくべき」などと、公開再開を求める意見が相次いでいる。

 7日放送の『ひるおび!』(TBS系)では、コメンテーターの八代英輝弁護士が、田代容疑者の再犯逮捕について「治療の技術も海外にくらべると日本は理解がまだ進んでいない部分があります」「これだけ同じ事を繰り返していると、本人の意思じゃどうにもできる問題じゃないんだろう。治療の問題も考えていかないといけないと思います」と言及。再発防止の重要さや依存症の治療への理解を呼び掛けた。

 違法薬物の取り扱いによる逮捕や薬物依存症患者について、これまでマスメディアでは「薬物がいかに恐ろしいものか」を重点的に報じてきた。また、何度も逮捕される薬物事犯には、「またか」「嘘つき」と罵声を浴びせることも珍しくなかった。田代容疑者が2011年にコカインと覚せい剤で逮捕されたときは、かつての仕事仲間たちが「本当にあいつは大馬鹿」「残念ですけど終わりですね。復帰なんてもうない」「頭にくる」等と突き放すコメントを出していた。

 しかし強い意志の力で依存症を克服できるというのは誤った思い込みだ。必要なのは批判ではなく治療である。今回、『ひるおび!』で八代弁護士が「治療の問題も考えていかないと」とコメントしたことは、マスメディアの小さな前進といえるだろう。

「がっかりした」「反省してほしい」はNG
 とくに、今回のような著名人の薬物問題においては、メディアによる報道に十分な注意が必要とされる。これは今年3月、ピエール瀧がコカイン使用のため麻薬取締法違反で逮捕された際にも議論となったことだが、メディアが著名人の薬物逮捕をセンセーショナルな話題として取り扱ったり、その人格を叩いたりすることは、本人の依存症治療の妨げになりかねないからだ。また、他のリハビリ中の依存症者を間接的に苦しめることも懸念される。

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 薬物依存症や著名人の薬物使用の逮捕に関する報道には、有志団体が策定した「薬物報道ガイドライン」が存在する。そこには「避けるべきこと」として、次のような項目が定められている(一部抜粋)。

<「白い粉」や「注射器」といったイメージカットを用いないこと>
<「人間やめますか」のように、依存症患者の人格を否定するような表現は用いないこと>
<逮捕された著名人が薬物依存に陥った理由を憶測し、転落や堕落の結果薬物を使用したという取り上げ方をしないこと>
<「がっかりした」「反省してほしい」といった街録・関係者談話などを使わないこと>

 メディアがすべきことは、薬物依存患者を晒し者にしたり、違法薬物への興味関心を誘うような記事をつくることではなくて、社会における依存症への偏見や誤解をほどくべく、理解を求めていくことだろう。

 また、SNS全盛のいま、意見を発信する個人もまたひとつのメディアである。安易に揶揄するツイートは控えたい。

電気が止まる、先延ばしグセ…「想像を絶するルーズさ」で困る“普通の人”たちが、助けを求める方法

 計1億1800万円の申告漏れと2000万円の所得隠し、さらに社会保険未加入だったことが発覚して、芸能活動を停止中のチュートリアルの徳井義実。謝罪会見では「想像を絶するルーズさ」が原因だったと説明していたが、納税以外の面でも「ルーズさ」が次々と明らかになっていった。

 たとえば公共料金の支払い忘れ。2012年8月、徳井はTwitterで<気付けばまた料金払い忘れてて、ガスが止まっている。今日は水風呂だ>と報告していた。この過去数年間のツイートが発掘され、複数回にわたって電気やガス、水道などが止められていたことが分かっている。銀行口座から自動引き落としになるよう手続きすればいいのだが、その手続きができないのも「ルーズさ」ゆえだ。

 さらに2018年の『ビーバップ!ハイヒール』(ABCテレビ)に出演した際にも徳井は若い頃にレンタルDVDを延滞することが多く、最高で10数万円もの延滞金を払ったことがあると告白していた。また、今年4月のAbemaTV『DTテレビ』では、自宅に帰ると財布の小銭を出して引き出しに入れるため、「引き出しふたつがパンパン」になっていることも語っていた。

 こうした徳井の「想像を絶するルーズさ」エピソードに、ネット上では「徳井はADHD(発達障害)なのでは?」という無責任な憶測も広まった。同時に、徳井の「ルーズさ」に対して「他人事ではない」「共感する」という声も多く見られる。

「なんでも先延ばしにする気持ちはよく分かる」
「私も電気とガス止められたことがあるからバカにできない」
「自分もいつかこうなりそう」
「先延ばしグセって生きづらいよね」

 このように、自らの「想像を超えるルーズさ」のために生きづらさを感じている人たちはどうしたらいいのか。NPO法人ほっとプラスや反貧困ネットワーク埼玉の代表で、ソーシャルワーカー(社会福祉士)の藤田孝典さんに聞いた。

 

藤田 孝典(ふじた・たかのり)
首都圏で生活困窮者支援を行うソーシャルワーカー。NPO法人ほっとプラス代表理事。聖学院大学人間福祉学部客員准教授。反貧困ネットワーク埼玉代表。ブラック企業対策プロジェクト共同代表。厚生労働省社会保障審議会特別部会委員(2012年)。著書に『中高年ひきこもり』(扶桑社2019)『貧困クライシス』(毎日新聞出版 2017)『続・下流老人』『下流老人』(朝日新聞出版 2015・2016)『貧困世代』(講談社 2016)など多数。

自分の「だらしなさ」のせいでも、困っているなら相談していい
――ネットでは、徳井さんの「想像を超えるルーズさ」に共感する人が多くいました。藤田さんはこうした「ルーズさ」から生活が困難になってしまった人たちの相談を受けることはありますか?

藤田さん:公共料金が支払えずにインフラが止まってしまったり、家賃滞納をしてしまったりという相談は、基本的に貧困に由来することが多いです。ただし、「ルーズさ」によって私生活に影響をきたす例としては他にも、部屋を片付けられない、体調に不調があっても病院を受診できない、友人や知人との約束を守ることができずに他人に迷惑をかけてしまうなど、私生活上の問題を抱えている人は多いでしょう。

 貧困状態にあったり、病気の診断を受けているわけではなく、いわゆる“普通”の社会生活を送っている人も多いので、問題が表面化しづらいのです。

――私にも同じような「ルーズさ」があります。できれば、大事になる前に何とかしたいのですが……。

藤田:いわゆる“普通”の人への支援制度は日本にはありませんので、自力でカウンセリングに行ったり、ソーシャルワーカーに相談したりするしかないのが現状です。ただし、生活上で困っていることがある、たとえば振り込みができずにしょっちゅう電気やガスを止めてしまうなど、やろうと思っているのに繰り返し失敗しまう場合には、各自治体が行っているこころの健康相談ダイヤルなどの行政サービスに早めに相談してみてください。

――自分の「だらしなさ」のせいで困っているだけなのに、相談しても大丈夫なんですか?

藤田:なんでも気軽に相談できるというのが大切なので、門前払いを受けることはありませんよ。個人的には「ルーズ」なせいで出来ないことは、出来なくていいと思っています。誰にでも出来ないことはあるものですし、そのために福祉がありますから。

 もし何らかの問題を抱えている可能性があれば、相談室内で専門家の判断を仰いで支援につなげていくこともできます。そのうえで、NPOやボランティアなど地域にはいろんな団体がいるので、助けてくれる人は周りにたくさんいることを知ってほしいです。

 ただし、まずは家族や友人などの身近な人のサポートを受けられる状況にあることが理想的ではあります。福祉が行う支援も、対象者に「家賃の支払い大丈夫?」と声をかけたり、一緒に自宅の掃除をしたりすることなので、やることはご家族の方とあまり変わらないんですね。

――周りの方からは、具体的にどんなサポートをしてもらえばいいですか? あと、「こいつだらしないヤツだな」と思われないかちょっと不安です。

藤田:たとえばインフラが止まりがちなのであれば、家族や友人から「月末の振込日が近くなったらLINEしてもらう」「公共料金の口座引き落とし手続きを手伝ってもらう」といったサポートをしてもらうとか。こういったところから改善できれば理想的ですね。

 困っていることを助けてもらうことは恥ずかしいことではありません。福祉業界では、災害時にボランティアなどの援助を受けるために自分から声を出して助けを求める能力のことを「受援力」(じゅえんりょく)と呼んでいます。困っているときに「助けて」と声に出して周囲を頼ることのできる「受援力」は、私生活においても重要になってくると思います。

 もちろん、自分のことはできるだけ自分で出来た方がよいです。なので、自分は誰かに助けてもらわないと“普通”の暮らしが出来ないことを自覚し、そして出来ないことは何なのかを意識することまでは、自力で行ってほしい。これは、福祉業界では「自己覚知」(自分を知る)と呼ばれる作業ですが、自分の困っていることを言語化できなければ、周囲に助けを求めることも難しいので、とても大切なことなんです。徳井さんについていえば、今回の失敗によって、自分の「想像を絶するルーズさ」を言語化したことが「受援力」につながっていけばいいですね。

――もし「ルーズさ」のせいで困っている人が周りにいる場合はどうすればいいですか?

藤田:「あいつはだらしないヤツだ」で終わらせるのではなく、自分のできる範囲でいいですから、細やかな声かけをしてほしいです。生活状況を聞いてもらうことも、本人にとっては「自己覚知」につながります。

 失敗した人を徹底的に叩いて「自己責任だ」という側面もありますが、一度失敗した人がそれを繰り返さないようにサポートしていく責任は、周囲や社会の側にもあるんです。

デング熱患者に薬を無料配布、ヨガをインドに広めたカリスマ・ラムデブ導師

 さる10月16日、東京都福祉保健局は、海外渡航歴のない国内感染が疑われるデング熱患者2名の事例を発表した。デング熱は、蚊の吸血により頭痛や発熱、関節痛などが起きる感染症で、発生地域は主に熱帯や亜熱帯地域で国内での発生は稀である。

 今年は世界的にデング熱が大流行しており、現在インド北部のウッタラカンド州でも、多くのデング熱患者がいるという。公式発表では患者数は約8000人だが、実際の患者数は少なくともその4.5倍はいるだろうと見られている。

 そんな状況を受けて、ウッタラカンド州の企業パタンジャリ・アーユルヴェードが、デング熱の薬「デングニル・バティ」を3年間かけて開発したと10月20日に発表した。

デング熱の薬を患者に無料配布
 パタンジャリ・アーユルヴェードは自社リサーチセンターで、この1年間で約1800人のデング熱患者に、デング熱の薬「デングニル・バティ」の治験を実施した。その結果、この薬を用いると主な症状は3日で緩和され、約10日ほどで日常生活に戻れる効果が見られたという。そして、現在のデング熱の広がりを考慮して、患者にこの薬を無料配布すると発表した。

 筆者もインド在住時代にデング熱になって入院したが、非常に辛い病気であった。特効薬がないため対症療法が中心で、点滴をしたり症状を和らげる薬を服用した。インドでは経済的な事情から、すべてのデング熱患者が入院したり対症療法の薬を買ったりできるわけではなく、無料で薬を配布する意義は非常に大きい。

ヨガを身近なものにしたラムデブ
 ウッタラカンド州の企業パタンジャリ・アーユルヴェードを率いるのは、ヨガの導師だ。ラムデブは、ヨガの導師としての活動以外に、企業活動や多くの慈善事業をしている。

 ヨガの導師ラムデブといえば、インドで知らない人はいない有名人である。ラムデブは、貧困層からセレブまで、ありとあらゆる階層の人々に人気があるカリスマ的存在だ。

 実はヨガがインド人にとって身近なものになったのは、ラムデブが2003年にヨガ番組に出演し始めてからである。ラムデブのシンプルでわかりやすい解説に鼓舞され、テレビの前でヨガを始める人が増えていった。それまでは、ヨガはインド発祥とは言っても、一般大衆には浸透しておらず、特別な人たちが行うものであったのだ。

 1990年代に筆者が初めてインドを訪れた時、インドでは太っているほうが良いという風潮だった。それは、太っているのは食に困っていないという豊かさを表す象徴であったからだ。

 しかし、2000年代に入ると、インドでは経済成長とともに中間層が徐々に増え始め、食生活が豊かになり、肥満に悩む人が増えてきた。ラムデブが登場してからは、ヨガは肥満を解消し健康を保つのにも役立つと、インド人の間で認識が高まった。

物質的な所有をしないラムデブ
 ラムデブがインドの伝承医学アーユルヴェーダを用いた消費財企業パタンジャリ・アーユルヴェードを創立したのは、2006年だ。古くからの友人バルクリシュナを最高経営責任者に置き、自身の名は会社の登記にはないが、インド人にとっては、パタンジャリ=ラムデブである。

 ラムデブは、ヨガの修行や実践をする行者であり、物質的な所有や経済活動はしないサドゥーという存在だ。インドでは、サドゥーはババという尊称がつけられ、ラムデブはババ・ラムデブと呼ばれている。日本人の私たちから見ると、長髪に長い髭でオレンジ色の袈裟をまとっているサドゥーの見かけは怪しげだが、インドでは主にヒンドゥー教の聖地で日常的に見かける。

 サドゥーであるラムデブは、パタンジャリ・アーユルヴェードから経済的な対価は受け取っておらず、広告塔としてパタンジャリを率いている。パタンジャリ・アーユルヴェードの製品はパタンジャリの愛称で親しまれ、年々シェアを増やし、パタンジャリ・アーユルヴェードは、インドで最も成長している消費財企業のひとつとなり、巨大企業へと成長した。

 今やインド全土にパタンジャリの小売店がある。パタンジャリの製品を扱っている店では、ラムデブの写真の看板を掲げていて、小さな町にもパタンジャリの製品は浸透している。オンラインショップでの購入も可能だ。

インド伝承医学のアーユルヴェーダ
 パタンジャリ・アーユルヴェードの社名の一部にもなっているアーユルヴェードはアーユルヴェーダを表すヒンディー語で、日本語や英語ではアーユルヴェーダと呼ばれている。

 アーユルヴェーダは、数千年の歴史を誇るインドの伝承医学だ。病気の治療や予防に薬草や鉱物などを用い、3つに分けられる体質別の食事療法やオイルマッサージなど、インドでは古くから親しまれてきた。

 パタンジャリの製品は、石鹸、クリーム、シャンプー、コンディショナー、歯磨き粉などに、アーユルヴェーダで用いられる薬草を配合し、庶民にも手が届く値段で販売されている。

 食品では、ビスケット、スパイス、クッキングオイルなど幅広いカテゴリーで品揃えを誇る。中間層以上が購入するギーと呼ばれる精製したバターやはちみつなども、良心的な値段で製品の質も高い。筆者もインド在住時には、スパイス、はちみつ、ギーなどパタンジャリの製品を愛用していた。

診察料無料の病院パタンジャリ・ヨグピットも運営
 ラムデブは、ヒンドゥー教の聖地ハリドワールにあるパタンジャリ・ヨグピットで、アーユルヴェーダの病院も運営している。この病院でのアーユルヴェーダ医師による診察は無料で、処方されたアーユルヴェーダ薬は院内の薬局で購入する仕組みだ。

 ちなみにインドでは、アーユルヴェーダ医は国家資格であり、現代医学とアーユルヴェーダ医学の両方を学ぶようになっている。

 筆者はインド在住時代に、パタンジャリ・ヨグピットでアーユルヴェーダ医に診察してもらった。アーユルヴェーダの診察で特徴的なのは、脈診だ。脈診とは、脈に触れながら体の状態を見る方法で、中国医学やチベット医学などでも行われる。筆者は呼吸器系が弱く診察してもらったが、ストレスを溜めないで生活すると病状も良くなると言われた。

 その後、処方箋を持って敷地内の薬局へ行き、アーユルヴェーダ薬を購入した。購入後は、別のカウンターで錠剤、粉薬、煎じ薬などの飲み方を丁寧に説明してもらった。敷地内には食堂もあり、衛生面も考慮された健康的な食事やハーブティーが提供されており、大変美味しかった。その他、売店ではパタンジャリの製品が販売されている。

国を挙げてヨガとアーユルヴェーダを促進
 モディ首相は、2014年に首相に就任後、「ヨガ・アーユルヴェーダ省」を創設した。また、2014年の国連総会で「国際ヨガの日」の制定を提唱し、2015年から毎年6月21日が「国際ヨガの日」に制定された。

 モディ首相は、インドの古き良き時代への回帰を促していて、ヨガ、アーユルヴェーダを通して、精神と肉体のバランスを保ち、病気の予防や治療ができると、国を挙げて推進している。また、ラムデブと懇意にしており、メディアにも時々、2人で登場している。

 モディ首相率いる政党BJPは、ヒンドゥー教至上主義を唱えており、インド国民の約8割近くがヒンドゥー教徒でもある。インドの古き良き時代へ回帰するヨガやアーユルヴェーダは、国民の宗教心や愛国心を高める一翼をも担う。ヨガとアーユルヴェーダを標榜するラムデブのカリスマ性は、首相も一目置くものであるのだ。

 これからインドに進出する企業や駐在が決まった人が、インドを知るのにラムデブを理解することは役に立つ。そこには、ヒンドゥー教徒のインド社会が凝縮されているからだ。インド人が大切にしているものや現地の慣習に敬意を払うことで、意外とスムーズに物事が進む。パタンジャリ・アーユルヴェードを率いるラムデブの動向に、今後も注目していきたい。

『ザ・ノンフィクション』目黒虐待死事件、被告の人物像が事件を起こしたのか

 昨年3月に起こった東京都目黒区の児童虐待死事件。当時5歳の少女・船戸結愛さんが両親から虐待を受けて死亡した事件で、傷害や保護責任者遺棄致死などの罪に問われていた継父・雄大被告は、東京地裁から懲役13年の判決を受け、検察側も弁護側も控訴しなかったことで判決が確定した。

 10月27日放送の『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)は、雄大被告の学生時代の友人や職場の上司などに取材し、雄大被告の人物像に迫る内容だった。しかしその放送を見て、児童虐待についての誤解を広めかねないものではないかと筆者は危機感を覚えた。その誤解とは、性格に難がある男が親になったがために引き起こした事件、ということだ。

完璧主義で人目を気にする性格
 序盤、雄大被告の小学校時代の同級生が「明るくて友達が多かった」「学校で一番バスケが上手かった」と自信に満ちた少年時代を過ごしていたと話し、大学時代の親友は「面倒見が良く、何かといろいろやってくれた」と雄大被告のリーダーシップや責任感の強さを振り返った。

 雄大被告は大学進学後に大手ケーブル会社に就職して品川区にある海沿いのマンションに住んでいたという。裁判で「周りから嫌われないように好かれるように、頑張らなければいけないと思っていました」と発言したことなどを持ち出し、雄大被告の性格を“見栄っ張り”で“人目を気にしやすい”と分析していく。

 中盤、「結愛ちゃんのしつけ方にも絶えず人目を気にする性格が影を落としていました」とナレーションが流れ、「周りから血を繋がっていないことを、悪いと思われるんじゃないかという不安が強かった」と、雄大被告の裁判中の証言を取り上げる。

 承認欲求が強く、完璧主義で、人にどう思われるかが気になる性格。理想の家庭を築くべく、継子を厳しくしつけた。それはそうなのかもしれない。だが、雄大被告がそうした性格から幼い子へのしつけがエスカレートし、残虐な行為に出たとしても、それが事件のすべてではない。

 また、雄大被告は職を転々としていた時期に、香川県でキャバクラをやっている友人から人手不足であることを伝えられ、ボーイとして働くために香川県に引っ越し、そこでホステスとして働いていた優里被告と出会う。この経緯を説明する時に流れた、「もしこの2人が出会わなければ……そう思わざるを得ません」というナレーションにも違和感を覚えた。確かに2人が出会わなければ結愛さんが亡くなること(雄大被告に虐待されること)はなかったが、出会い以降、結愛さんを虐待し殺害に至るまでいくつもの転換点があっただろう。

 児童虐待の加害者に焦点を当て、その人物像を分析して事件を読み解こうとすることを否定はしないが、個々に加害者の責任を追及しても児童虐待件数は減らない。児相に寄せられる児童虐待相談対応件数は年々増加しており、2017年度は13万3778件にも上った。児童虐待は“特殊な”パーソナリティを持つ人間だけの“特殊な”事件ではなく、社会構造の問題がそこにあるのではないか。

 たとえば、この事件が起きた背景には、児童相談所の介入が不十分だったことも上げられている。「香川県と引っ越し先の東京都の児相間で行われた情報の引き継ぎが不十分だったこと」「東京都の児相の職員が家庭訪問をした際、結愛さんとの面会を優里被告に拒否され、緊急性がないと判断して面会を強行しなかったこと」などだ。

 FNN PRIMEでは、児相の元職員が取材に応じ、1人の職員が100もの案件を抱えることもあり、人手不足のために忙殺されてしまうと話していた。職員の専門性にばらつきがあり、1つ1つの案件が手薄にならざるを得ない児相の組織的な問題点も指摘されている。

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 また、完璧を求める雄大被告の性格が、再婚相手の娘である結愛さんへの度を越した暴力につながったという見方は、赤の他人同士がいきなり「親」と「子」になるという事態を簡単に捉えすぎているとも言える。

 大阪府枚方市でステップファミリー向けに配布されている冊子では、「パートナーと子どもの関係」について以下のように記されている。

<パートナーは「愛している人の子どもは愛せるはず」と意気込んで、親子になることを焦りがちです。また、周囲もそのような期待をもつことがあります。しかし、ちょっとしたことで子どもの拒否にあったり、思い通りにいかなかったりして自信をなくすなど、結婚前には想像もしなかったことが起こりがちです>

 そこにあるように、ステップファミリーが最初からスムーズに家族関係を築けないのは当然のことだ。「周りから血を繋がっていないことを、悪いと思われるんじゃないかという不安が強かった」という雄大被告の言葉が本音であるのなら、雄大被告と優里被告が“出会ったこと”ではなく、家庭を築いていく過程での支援が必要だったはずだろう。

 たとえば「血が繋がっていなくても家族だから大丈夫」というような綺麗事ではなく、「うまくいかなくて当たり前だから大丈夫」との励ましや、「厳しくしつけるのは逆効果で、このように接するほうが良い」といった具体的なノウハウが、届いていれば。今さら何を言っても後の祭りで結愛さんの命は戻らないが、虐待による犠牲者をこれ以上出さないためにも、加害者を責めるばかりでなく再婚家庭への支援について検討するなどの建設的な議論が欲しい。繰り返しになるが、加害者のパーソナリティに矮小化できるような問題ではないはずだ。

日テレはジャニーズと「新しい地図」の両取りを実現する?

今年8月に、ジャニーズ事務所を辞めて新しい地図として活動する香取慎吾さんが『スッキリ』(日本テレビ系)に出演、同じく稲垣吾郎さんもVTR出演し、話題となりました。日テレはジャニーズ事務所との蜜月が他局以上に濃厚だといわれていますが、なぜ実現できたのでしょうか?

 その裏情報を探るとともに、日テレが1時間枠で30分×2本という新たな挑戦をして好評を得ている新ドラマ『俺の話は長い』についてもアツが紹介していきます!

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 皆さん、ごきげんよう。アツこと秘密のアツコちゃんです!

 先週、堂本剛くんの主演ドラマ『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系)について書いたけど、このドラマのチーフプロデューサーに名を連ねていたお一人が現在、日本テレビの代表取締役社長である小杉善信氏。

 アツが小杉さんに出会った時はドラマ班にいらして『金田一少年~ 』の他『 家なき子』や『星の金貨』、堂本光一くん主演の『銀狼怪奇ファイル』、三谷幸喜さん脚本で浜田雅功さんが主演を張った『竜馬におまかせ!』、香取慎吾くん主演で話題をさらった『透明人間』、松岡昌宏くん、井ノ原快彦くん、小原裕貴くんで人気を博した『サイコメトラーEIJI』や長瀬智也くんと岡田准一くんが共演した『D✕D』、KinKi Kids2人の主演作『僕らの勇気  未満都市』や、松兄ィと生田斗真くんが出演した1998年の『LOVE&PEACE』等……ジャニーズドラマをいっぱい制作してきた方なのね。

 ジャニーズとの強いパイプを作った第一人者で20年以上も前から「敏腕プロデューサー」と呼ばれていたんだけど、ペーペーのアツたちにも気さくに話しかけてくださったりして、噂とは違って(!?) とても優しいお人柄で記者たちにもすごーく人気があったのよ。どんどん偉くなられたけど、今でもいつお会いしても「おー、元気だった?」なんて声をかけてくださるしね。

 かつての名物会長・氏家齊一郎氏も末端の新米記者にまで「何か不都合なことはないかな?」なんて聞いてくださったりしていたからちょっと似たタイプなのかもしれないけど、カリスマ性があって各界との深く強固なつながりで、世界をどんどん広げていくというかね。

 それでね、小杉社長はドラマだけじゃなくてバラエティーやスポーツ、情報番組全般など全てに精通していて顔も広いから……日テレの事情通によると、新しい地図の3人の復活にも一枚噛んでいるらしいの。

「ジャニーズとの蜜月状態は健在だけど、日テレが新しい地図を番組に出演させたのも小杉さんたちの息がかかっているかららしい。小杉さんのことだから、また視聴者をあっと驚かせるような企画を考えているんだと思う。ただ何事もトップ会談で決まることが多いから現場スタッフは直前になって知るらしくてね。いつもバタバタするそうだよ」

 ほら、以前の記事でも紹介したじゃない? <慎吾のテレビ出演は嬉しいの一言に尽きる。だけど今までどの局よりも早く徹底した“SMAP切り”及び“新しい地図切り”をしてきた日テレが『どーぞどーぞ』とばかり、手のひら返しで素早く動き出した辺りがめちゃくちゃきな臭いし、何だか釈然としない>って。

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 でも、小杉さんの息がかかっているとしたら納得。ちょっと意味合いは違うけど、今年は即位の礼に合わせ恩赦が実施されたぐらいだし、来年は東京2020オリンピック競技大会及び東京2020パラリンピック競技大会だってあるし、国際パラリンピック委員会の特別親善大使を務める稲垣吾郎くん、草彅剛くん、慎吾くんが地上波復帰をしたって、もうどっからも(っていうかジャニーズ事務所からも)文句は出ないんじゃないかしら?

 彼らのテレビ復帰を待ちわびている人はいっぱいいるんだもの。願いも込めてだけど、人一倍世論に敏感な小杉社長がその意を汲まないとは到底、思えないのよね。信じてるわ~!

 

『俺の話は長い』が異色ドラマなわけ

『俺の話は長い』Twitterより
 ……と、汐留でランチをしながらあーだこーだ"いつメン"たちと話をしていたのだけど、急に思い出したかのように編集者のY先輩が「そう言えば生田斗真くん主演の土曜ドラマ『俺の話は長い』は見てる?」と言い出したので、後編はこの面白すぎるドラマの話題を!

 アツが「見てる~。斗真くんが上手くて正直、全然期待してなかったんだけど引き込まれちゃった」と言ったら、我が意を得たりとばかりY先輩は誇らしげに語り始めたの。

 「だよね、斗真の日テレ連ドラ出演は『LOVE&PEACE』以来の約20年ぶりで、今回が日テレ連ドラ初主演作。斗真ファンにとっては待ってましたの作品。しかも1時間ドラマなのに"30分✕2話"という新しい形をとっていて、それがジャストサイズで見やすいの。だから斗真くんファンだけじゃなくいろんな人に見て貰えるはずの新感覚ドラマなのよね。

 視聴率は今のところはかなり厳しいけれど、視聴者の評判は上々。何より生田斗真の演技が自然で上手いし、姉役の小池栄子との掛け合いもテンポがよくて最高に面白いから見ていて飽きない。あまり話題になってなくて本当に残念よ。アツ、櫨山裕子プロデューサーと仲がいいんでしょ。何か聞いてないの?」とまたいきなり矛先がこちらに。やっぱりきたよ~。

 櫨Pはこのドラマで“テンポ感”を重視したみたいなの。今の世の中、テレビはみんな"ながら見"でしょ。興味があちこちに向いている忙しい現代人をテレビの前に1時間も座らせることはなかなか難しいと分かった上で、ちょうどいいサイズを探していた様子。それが1時間枠で30分を2本勝負って感じになったんじゃないかな。『金田一少年の事件簿』も手がけた大ベテランの櫨Pだし、まだまだいろいろと仕込んでくると思うわ。……とアツが答えたところでようやく解放。ホッとひと息よ。はぁ、急に振らないで。

 でもね、『俺の話は長い』は本当に面白いの。斗真くんが演じる岸辺満は31歳で独身、実家暮らしの無職男。早朝に原田美枝子さん演じる母親にコーヒーを入れる他はやることなし。朝になってから寝るようなグータラな生活をしながらも屁理屈を言わせたら日本一というダメ男。そんな満の元に小池栄子さん演じる姉・綾子がやってきたの。

 姉の綾子は家のリフォーム中だけ実家暮らしを、と安田顕さん演じる夫と清原果耶ちゃん演じる娘(満にとっては姪っ子)を連れて転がり込んできて、ニートの弟と大バトルがぼっ発するというホームコメディー。キャリアウーマンの姉と職なし弟の喧嘩は両者、口が達者なだけにクスッと笑えるし、でもたまにちょっと共感したり、屁理屈をこねまくる満の哀愁を感じて愛らしく思えてきちゃったりして「負けるな、頑張れ~」と、いつしか応援している自分にビックリよ。まさに斗真マジックね。

 

だらしない男を「愛おしいダメ男」にする生田斗真の演技
 20年前、『LOVE&PEACE』で生田スタジオに来ていた斗真くんはまだ実家暮らしで、15歳ぐらいだったかな。松兄ィと「生田スタジオに生田斗真がいるよー」なんて言いながらよくからかっていたっけ。生田スタジオの屋上に遊びに行ったきり迷子になっちゃって大捜索したり、マネージャーさんもいないジャニーズJr.だったから、カメラマンの車で実家まで送って行ったりね。

 その頃は松兄ィの真似をしてやんちゃな言動を取ったりして、その度にスタッフから怒られたりしていて。そりゃじっとしていられない騒ぎたい年頃だったし、まだ演技がどうのって段階でもなかったから仕方ないけど。その後すぐに松兄ィと劇団☆新感線の舞台『スサノオ~神の剣の物語』に出演して、舞台稽古を見に行ったら「緊張するー、覚えることがいっぱいだよー」なんて泣き言を言っていて心配したわ。

 でも舞台は大成功してそこからはどんどん演技者としての活動が増えていった斗真くん。Four Topsとして君臨していた頃は「歌って踊れるアイドルとしてのCDデビュー」を夢見ていて、コンサートでもキラキラ輝いていたけど、紆余曲折あって役者の道へ。ハッキリ言って15歳の頃は斗真くんがこんなにいい役者になるなんて思ってもみなかったから、彼が見えない所でどれだけの努力を続けてきたのか、考えるだけで胸が熱くなっちゃうわ。

 この20年、舞台や映画出演の際に折に触れインタビューをしてきたけれど、「あ~、この人は本当に役者になったんだな」と肌で感じたのは映画『人間失格』の時だったかしら。ちょっとした悲壮感を漂わせていて"役者オーラ"が滲み出ていて感動したのを覚えているわ。松兄ィにもすぐ報告しちゃったぐらい。

 そんな斗真くんが満を持して日テレの連ドラに初主演。ファンの皆さん、『私たちの待ち時間は長い 』って感じだったわよね~。とはいえ、このテレビ離れが激しい昨今、秘策はあってもどうなることかと心配していたの。だけど蓋を開けてみたら斗真くんの達者な演技にグイグイ引き込まれちゃったし、美枝子さんや栄子ちゃん、そして櫨P作品には欠かせない顕さんが長いセリフのやりとりで魅せてくださって完璧なのよ。

 あのカッコイイ生田斗真をここまでのダメ男にした本人とスタッフに脱帽よ。ボサボサ頭でヨレヨレのジャージ姿、ヘナチョコな脱力系の後ろ姿といい、どこをとっても満そのもの。現実にいそうなクズ男なんだもの。どうやって満を作り上げのか本人に聞いてみると「えっ、地だから。作ってないよ。俺のオフなんてこんなもんよ、もっとボサボサだもん」って、そんなバカなぁ。

 丁々発止の長ゼリフのやりとりも本当に息ピッタリだけど「みんなで稽古してますよ。長いから大変なんだけどセリフを覚えたかどうか、お互い探りあって。テンポが大事なんだけど何も言わなくてももう合ってきてる。すごいチームワークだなと我ながら感心する」んだとか。31歳なのに優しいお母さんや天敵のお姉さん相手にお小遣いをせびり、不登校だった姪っ子のお世話を5000円で引き受けようとしたり、そのセコさも笑えるところ。

 斗真くんは「ダメ男なんですけど、彼なりの人生のルールみたいなものがある。見えにくいし分かりにくいけど家族に対する愛情はちゃんと持っている男です」とキッパリ。うんうん、伝わってくるよ。不器用さもね。愛おしいダメ男を演じるってホントはめちゃくちゃ難しいもの。それをいとも平然とリラックスして演じる斗真くんには頭が下がるわ。

 脚本家の金子茂樹さんとは何度かタッグを組んでいるけれど「ひねくれ度合いが増していて面白いとしか言いようがない。他人の家のリアルでくだらない大喧嘩を楽しんで貰えたら。気楽に見ていただける作品だと思います」とPR。満独自の"こだわりの言い訳"三昧は一見の価値ありよ。斗真くんの役者としての確固たる力量と自信、精神的な余裕が伺える作品になっていて断然オススメ。飽きずに見られる30分ものだし、スピード感があるからあっという間だしね。毎度のことながら『アツの話も長い』けど、週末の土曜夜10時、寝る前に斗真くんの長い長い言い訳をぜひ一度聞いて&見てあげて欲しいです!

眞子さまと小室圭さん、結婚延期期限の2020年まであと2カ月

 秋篠宮家の長女・眞子さまが、3年で修了予定であった大学院を“休学”しているという。ネット上では、「税金の無駄遣い」「これも全部小室圭の責任」「恋愛なんてしているから勉強が疎かになった」「秋篠宮家は姉妹そろってダメ」などのバッシングが展開されている。

 「女性自身」2019年11月12日号(光文社)が伝えたところによれば、2016年9月に国際基督教大学(ICU)大学院アーツ・サイエンス研究科博士後期過程に入学した眞子さまは、今年8月に修了予定であった。しかし、先月23日の眞子さまのお誕生日に際して行われたご近状に関する報告で、大学院を一時休学しているとの発表がされたのだ。

 同誌では、婚約者である小室圭さんとの結婚延期が原因であるとの見解を示している。というのも、宮内庁は昨年2月に眞子さまと小室圭さんの結婚延期を発表したが、11月の記者会見で紀子さまは「昨年の暮れから長女の体調が優れない」とこぼされていた。眞子さまの体調不良と小室さんとの結婚延期の時期が重なることから、小室圭さんとの結婚問題で眞子さまは体調を崩され、学業に励むことが難しかったとの見立てだ。

 前述のように、眞子さまの休学報道に対してネット上ではバッシングが続いている。眞子さまの体調不良が小室圭さんとの結婚問題にあるとするならば、確かに複数の週刊誌報道やテレビワイドショーにより、ここまで婚約者が悪者にされて、憎悪を向けられていることがショックではあるだろう。

 ただ、眞子さまは妹の佳子さまと比較すると公務の回数が多い。今年4月から6月にかけては佳子さまより眞子さまの方が1日~5日公務日数が多く、たとえば5月の公務の日数は15日間であった。また今年7月は9日~22日までペルーおよびボリビアを訪問されている(余談だが、このとき小室さんと密会をするだろうと散々騒がれたが、結局なかった)。公務で多忙なことも休学の一因であると考えることもできる。

眞子さまと小室圭さんの結婚延期は2020年まで
 大きな注目を集めてきた眞子さまと小室圭さんの結婚だが、昨年2月の時点で宮内庁は「結婚延期は2020年まで」と発表している。今は2019年11月。あと2カ月で年が明けるが、以降はどうなるのだろうか。

 前出「女性自身」は、眞子さまの結婚の意思は変わっていないという宮内庁関係者の証言を掲載している。また妹である佳子さまは今年3月、ICUを卒業するにあたり、宮内記者会の質問に文書で回答し、眞子さまと小室圭さんの結婚を「応援する」という意思を表明された。

 さらに紀子さまも、結婚に関しては眞子さまの意思を尊重するとしている。以下は、今年9月に紀子さまが53歳のお誕生日を迎えられる際、宮内記者の質問に答えた文書からの引用だ。

<延期のことも含め、現在、長女は、さまざまな思いを抱えていると思います。このような状況で、長女の気持ちを推測するなどして現状や今後についてお伝えすることは、控えたいと思います。また、次女の将来については、本人が深く考え、歩んでいくことを期待しております>
<そして、長女も次女も、それぞれがよき人生を歩み、これまで2人の成長を支えてくださった方々にも喜んでいただけるよう、将来を築いていってほしいと願っております>

 こうしたことから、結婚容認の流れが加速する可能性もある。しかし小室圭さんはニューヨークのフォーダム大学に留学中で、今年9月からは新たに2年間のコースに進学した。小室圭さんが日本に戻ってくるのは、まだ先になるだろう。2020年以降のスケジュールをどうするのか、宮内庁の発表が待たれる。

性暴力被害者に対応するスタッフは時給1000円…ワンストップ支援センターには使われない「税金」

 性暴力・性被害者支援のための機関「ワンストップ支援センター」の運営費が圧倒的に足りていない。10月27日付しんぶん赤旗が報じたところによると、国が財政支援するはずだった交付金が8000万円も削減されているというのだ。

 ワンストップ支援センターは各都道府県の事業だが、国がその運営費の半分を補助することになっている。

 しかし、申請された交付金2億5238万円は予算額の1億7280万円を越えていたため、予算に合わせるために交付金が削減されたのだという。

ワンストップ支援センターの役割
 ワンストップ支援センターとは、産婦人科医療、カウンセリングなどの心理的な支援、捜査のための証拠採取、法的な支援など、性暴力被害者にとって必要な相談窓口を1カ所にまとめたもの。

 これまで性被害に遭い心身ともに傷ついた状態で、警察、医療機関など関係各所を被害者自らまわる必要があった。ワンストップ支援センターは、それらが連携した支援を提供することで、被害者の負担を軽減できる重要な機関だ。

 ワンストップ支援センターの数や、警察との連携などにはまだまだ課題が残されている。

 2017年の刑法性犯罪規定の改正の際の衆議院付帯決議では<性犯罪が重大かつ深刻な被害を生じさせる上、性犯罪被害者がその被害の性質上支援を求めることが困難であるという性犯罪による被害の特性を踏まえ、被害者の負担の軽減や被害の潜在化の防止等のため、第三次犯罪被害者等基本計画に従い、ワンストップ支援センターの整備を推進すること>という文言がつけられていた。

 なぜ、整備推進を求めながら、それに必要な予算が充てられないのか。

数が少なく、営業時間も短いワンストップ支援センター
 そもそも、2012年に内閣府が作成した『性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター解説・運営の手引』にある「各都道府県に最低1カ所」とする成果目標はすでに達しているものの、まだまだ足りない。

 都道府県に1つしかない状況では、被害者の居場所が“最寄りの”ワンストップ支援センターから遠い場合、その足でセンターに向かうことが大きな負担になるケースも当然出てくる。それではせっかくのワンストップ支援の意味がなくなってしまう。

 2010年に出された国連の「女性に対する暴力に関する立法ハンドブック」では、女性20万人につき1カ所のワンストップ支援センターを設立すべきとしている。女性の人口がおよそ700万人の東京の場合、35カ所のワンストップセンターが必要ということになる。

 施設の営業時間も問題だ。東京、神奈川、大阪、福岡などの大都市圏では24時間365日対応のワンストップ支援センターがあるが、地方では17時ごろには窓口が締まり、週末や祝日は動かないものも多い。

 警視庁の発表によると、都内で発生した強制性交等は、全体の約51%のケースが午前0時から午前7時までの間に発生しているという。深夜早朝の対応が行われない状況では、ワンストップ支援センターとしての機能を十分に果たせない。

 また、ワンストップセンター自体の認知度の問題もある。

 国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ理事・事務局長の伊藤和子弁護士は、著書『なぜ、それが無罪なのか!? 性被害を軽視する日本の司法』(ディスカバー・トゥエンティワン)のなかで、伊藤詩織氏が被害を受けた後にワンストップ支援センターを利用しなかったため、病院やNPOをたらい回しにされたと証言していることを受け、次のように提言している。

<ワンストップ支援センターの知名度は若い女性の間でそんなに高くないはずです。「借金の相談はこちらへ」という法律事務所のように大々的なテレビコマーシャルで宣伝されているわけでもありません。(中略)今、ワンストップ支援センターはようやく全国各都道府県にいきわたりましたが、認知度の向上についても質の向上という点でも大きな課題を抱えています。(中略)広報については、政府広報など、政府にはもっともっとできることがあるはずではないでしょうか>

 国の支援によって改善しなければならない点はたくさんある。

高度な専門性を有するスタッフの時給が「1000円」でいいのか
 しんぶん赤旗の報道によれば、運営費のほとんどは被害者の支援を担当するスタッフの人件費であるという。

 しかし、その待遇は、性被害に遭った人の一生を左右する重要な責務を追うにはあまりにも悪い。

 3月12日の参院内閣委員会では、日本共産党の田村智子議員から発せられた交付金の積算根拠に関する質問に対し、渡邉清・内閣府大臣官房審議官がこのように回答している。

<平成31年度予算案におきまして、ワンストップ支援センターの相談員の人件費。これは24時間化365日間化をしていないセンターも含めまして共通でございますが、ベースとして、平日8時間、2名分。単価は1時間あたり、申し訳ないながら1000円という積算をしております>

 ワンストップ支援センターにおける相談員は、誰でもできるアルバイトなのだろうか? 被害者と信頼関係を構築できること、性暴力被害者に対してなにが二次被害になり得るかを把握していること、医療・カウンセリング・法律などに関する知識など、求められているものは高度かつ専門的な能力であるにもかかわらず、人件費に割く予算があまりに少なすぎる。

 この点を質問された男女共同参画担当大臣(当時)の片山さつき氏の口から発せられた回答はこうだ。

<この財政事情のなかでやっていきますと、やはりある意味、いろいろ経験があった方が、まあ、半ばボランティア的にって言うんですか、前職の経験を活かしてですね、というようなことに依拠している部分があるんですけれども>

 もちろん、現状維持のままで良いとしているわけではない。片山氏は委員会で、<もちろん、それだけでは限界が来るというのはわかっておりますので、今年度の部分だけではご期待に添えない部分も含めてですね、きっちりこのワンストップ支援センターの機能および体制ということについて、絶え間ない検討を重ねて参りたいと思っております>とも答弁していた。

 しかし“限界が来る”とわかっていながら、予算内におさめるために交付金を申請された額から8000万円も削減。期待に添えないどころではない。

 相談員の増員および待遇改善、ワンストップ支援センターの増設、すべてのセンターの24時間365日化、ワンストップ支援センターの周知徹底など、国が支援して進めなければならないことはあまりにも多い。

 ワンストップ支援センターは、男女問わず国民の安全な生活を守るために必要なものである。税金を投入すべき場所は、本来こういうところなのではないだろうか。ここに十分な予算を充てない理由がさっぱりわからない。

相談機関
◆全国性暴力被害者支援相談機関リンク集

◆性暴力救援センター・東京(SARC東京)

24時間365日受付の電話相談
性暴力救援ダイヤルNaNa 03-5607-0799

◆性暴力救援センター大阪(SACHICO)

24時間ホットライン072-330-0799

◆東京・強姦救援センター

03-3207-3692

◆NPO法人 レイプクライシスセンターTSUBOMI(ツボミ)

03-5577-4042

◆NPO法人 ハーティ仙台

022-274-1885

◆特定非営利活動法人 しあわせなみだ

「性暴力ゼロ」を目指して活動する団体です。相談受付は準備中ですが、性暴力に合った時どのように対処すればよいかなどHPに記載があります。

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NGT48の嘘、山口真帆と犯人の「つながり」を捏造か

 暴行事件によって今年5月にNGT48を卒業した山口真帆をめぐって、不穏な動きが続いている。「スポーツニッポン」が、山口と暴行事件の犯人との「つながり」を示すものとしてツーショット写真を掲載し、山口真帆がTwitterで反論したのだ。

 スポニチが記事に掲載した写真2枚は、2017年4月に行われたファン交流イベント「写真会」で撮ったものだ。山口真帆と暴行事件の犯人グループの主犯格とみられる男性が、手で「602」「303」の数字を示したポーズを取っている。

 記事によれば、この数字はそれぞれ、暴行事件の犯行現場となった新潟市内のマンション内に男性が借りていた部屋、そして山口真帆が住んでいた部屋の番号なのだという。この写真こそ、ふたりが互いの部屋番号を知っていた証拠であるとし、<同じマンション内で2人の私的交流があったことをうかがわせる>としている。

 この記事に山口真帆はTwitterで反論。

<スポニチさんが名誉毀損すぎるのでもう関わりたくないけど言わせてもらいます。ファンの方はご存知の通りイベント写真会はリクエストされたポーズをします。それをカメラ目線でやるので相手が何のポーズしているかもほぼ分かりません。AKB新聞やってて写真会の仕組みも分かっているはずなのに酷すぎる>

<独占入手って昨日の裁判資料?横流ししてもらった以外何があるんだろう?
襲われたら会社に謝されて、メンバーにはSNSで嫌がらせされて、辞めてからは他のメンバーがやってたことを私のせいにされて。こんな会社ある? 犯人との私的交流は現メンバーが認めてるのに。出してないけどその音声もあります>

 AKBグループの「写真会」は、CDやアルバムを購入すれば誰でも参加可能で、任意のメンバーにポーズを指定したうえでツーショットを撮ることができる。その写真をもって山口と犯人側の「つながり」を示すことに説得力はなく、明らかなミスリード。そもそも、今になって写真が出てくるのも不可思議だ。

 この写真を伝えたスポニチは、AKB48グループを題材とした「月刊AKB48グループ新聞」を発行する、いわゆる“御用メディア”だ。だからこそ山口は<昨日の裁判資料?横流ししてもらった以外何があるんだろう?>と指摘しているわけである。

AKSにとっては「騒いだ山口真帆こそが悪い」
 山口と犯人側の「つながり」を匂わせるのは、スポニチ記事に限らない。

 NGT48を運営する株式会社AKSは現在、犯人グループの男2人を相手取って民事裁判を始めているが、9月に「文春オンライン」が伝えたところによれば、犯人側は裁判で「事件前から山口真帆と私的領域で交流していた」と主張しているという。
  
 事件の告発から山口が一貫させてきた主張とは食い違うが、このことについて、AKSの吉成夏子社長は次のように発言していたそうだ。

 吉成氏は、NGTの活動再開直前に行われた保護者会で「犯人側の主張」と断ったうえで<「事件前から犯人の男性と繋がっていた山口が、あることが原因で男性と不仲になり、無視するようになった。連絡をとれなくなった男性が、直接話そうと山口の部屋を突然訪れた。そのために事件は起こった」>と説明していたという。同席したNGTメンバーの多くは吉成氏の言葉に頷き、納得している様子だったそうだ。

 吉成氏が保護者に対して裁判の“矛盾点”をそのまま伝えていることも不可解であるが、こうした情報が漏れ伝わってくること自体、世間に「事件は山口真帆の自作自演」という印象を与えてしまいかねない。それでいいのだろうか。

 AKSにとっては、ファンが自宅に押し掛けたことを「事件」として告発し、騒ぎを招いた山口真帆こそが“グループを壊した”という認識なのだろう。組織を維持して守るために、山口真帆が騒がなければよかったのだ。犯人側の主張を垂れ流していることからわかるのは、いまだにAKS内でこの論理が改まっていないということである。

吉岡里帆がインスタ批判に丁寧なレス 「嫌われる女」のレッテルが消える日

 吉岡は今月25日、Instagramで同日21時から生放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演することを報告。出演中の連続ドラマ『時効警察はじめました』(テレビ朝日系)の主題歌を担当する椎名林檎の応援としての参加であった。

 ファンからは「楽しみです!」といった好意的なコメントが寄せられたが、中には「時効警察では主役でもないのに、Mステまで番宣ねじ込みすぎ」「何も知らない人はあなたが主演だと勘違いするし、時効警察ファンは泣くと思う」「Mステは生放送なのでせいぜいいつもの空気を読まない言動は謹んで頂きたいです」と、否定的なコメントをするユーザーもいた。

 『Mステ』への吉岡の出演は、あくまでもテレビ朝日が局として番組宣伝のために決めたことだろう。吉岡を責めることはお門違いだろう。

 多くの芸能人はSNSにアンチコメントが寄せられても無視することが通例。また、外野から「スルーできないならSNSをやるべきではない」との意見も少なくない。しかし吉岡は、このユーザーコメントに返信した。

<わかりました。嫌な思いをされないように気をつけて出演させて頂きます。
皆様お忙しいので、沢山の方にドラマを見て頂くために後輩が番宣をするのはとても大切な仕事です。そこだけは分かって頂けると幸いです。
時効警察においての役割は全て台本に書いてあります。
心を込めて作品に参加させて頂いています。
どうかどうか想いが伝わりますように…
失礼致します>

さらに『Mステ』終了後にも、吉岡はこのユーザーに追加で返信をしている。

<先程本番が終わりました!
緊張しました。
どうしても椎名林檎さんへの愛があふれ空気は読めていなかったかもしれません…
だって好きで好きで仕方ないアーティストさんですから!!
もう溢れました。
好きを伝えるのもまた自由。>
<だから私は○○さん(ユーザー名)の表現の自由もまた大切な一意見だと思っています。
現に確かに、今朝言葉を受けて今日のドラマに対してのコメントには「続編の新キャラクターです」と伝えなきゃなと思いました。
それほど、その日の想いや言葉、言動に人は影響されるものです。
出来るだけ真剣にこれからも自分と関わって下さる方に向き合っていこうと改めて思いました。
勿論出来る事、出来ない事あります。そこは不甲斐ないですが…
ガンバリマス>

吉岡里帆に重ねられた悪いイメージ
 吉岡里帆は、たびたび「女に嫌われる女」の代名詞のような扱いを受けてきた。「不思議ちゃんを演じている」「男に媚びている」ように見えるということから、一定数のアンチも存在するようだ。

 今月3日に放送された『FNSオールスター秋の祭典 新ドラマ対抗“生”クイズバトル! メジャーランド』(フジテレビ系)では、吉岡に対するマイナスなイメージVTRが流れ、物議を醸した。番組では街頭インタビューを通じて、出演芸能人たちの世間的なイメージを紹介。吉岡に関しては、彼女のことを馬鹿にするようなコメントが多く編集されていた。

<牛肉と豚肉の違いがわからなそう>
<勉強あまりしなそう>
<漢字が分からなそう。ぎょうにんべんとにんべんの違いが分からなそう>
<宇宙人と交信してそう。『私、ナントカ星から来た~!』みたいな(ことを言いそう)>

 この意見を直接聞かされた吉岡は、<世間の方の『宇宙と交信できそう』とかっていうのは意外過ぎて、そういうふうに見られるのも悪くないなと思いました。嬉しかったです、いろんなイメージがあって>と気丈なコメントを残したが、傷ついたであろうことは想像に難くない。

 

吉岡里帆に向けられるイメージは合っているのか?
 しかし、吉岡里帆があてはめられた「女に嫌われる女」という型は、彼女にふさわしいものだろうか。「不思議ちゃんを演じている」「男に媚びている」といったイメージが、彼女を正確に表しているといえるだろうか。

 吉岡がバッシングを受けるようになったきっかけのひとつは、シンガーソングライター・吉澤嘉代子との対談で、水着グラビアをやっていた時代の心情を吐露したことだった。

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 吉岡は、この話をするとファンでいてくれた人が怒り、「応援している人をバカにしてる」という手紙が送られてきたこともあるとしながら、怯まず丁寧な言葉で本音を伝えている。

<あの時間もある種、文字通り切り売りの時間だったんです。だって私は水着姿なんて絶対出したくなかったし、両親からも、『本当に結婚するような人にしか見せちゃだめ』という教育を受けてきたから。それを、全国区の、ワンコインで買える週刊誌で披露して、1週間後には廃棄処分されて。こんなに脱いでも、翌週には別の女の子のことを見るんだろうなと思うと、自分のその『旬すぎる時間』みたいなものがすごく辛かったです>
<やりたくないというのは私の偽れない本当の気持ちで、でも、そう思いながらも脱ぐことに意味があると思っていました。嫌なんだけど、自分の夢をつかむために、それをやってほしいと求めてくれる人がいる以上、その人たちに応えるのが私の生き方だということに抗えなかったんです>

 この対談記事に反応し、「グラビアを馬鹿にしているのか」などと憤る声がネット上では目立ったが、彼女が「本音では当時、水着の仕事をやりたくはなかった」と振り返ることは、他のグラビアアイドルやその仕事に関わる人々を馬鹿にしていることとイコールではない。

 彼女は「芸能人とはそういうもの、業界はそういうところ」と流されて空気に染まらず、自分が抱いていた不安や悲しみを表明しただけだ。しかも、できる限り誤解を生まないように言葉を尽くしている。それでも曲解して彼女を叩く読者もいるわけだが、それはもう彼女の責任に依るところではないだろう。

 冒頭のアンチへの返信からも、吉岡の批判的な意見にも真面目に向き合おうという姿勢が感じとれる。そうやって向き合うことで疲弊もするだろうが、同時に彼女を支持する人も増えていくのではないか。吉岡里帆へのマイナスなイメージは、徐々に消えていくかもしれない。

その「いじめ」は「犯罪」です。ちゃんと知りたい法律のこと『こども六法』

 学校における“いじめ”報道は後をたたない。たとえば、神戸・東須磨小学校での教員たちによる継続的な集団暴行。あまりに凄惨で衝撃的な事件だが、多くのメディアはこれを「いじめ」と伝えていた。学校外で起きていれば「いじめ」とは呼ばれないはずだ。

 生徒間の暴力も同様で、殴る蹴るの暴力、「死ね」などの暴言、物を盗んだり恐喝して金品を脅し取ったり……などの行為は、刑法に抵触する犯罪だ。このような事態が学校外で起こった場合、加害者は逮捕され処罰を受ける。それが学校内になると、“いじめ”であり、加害者は何の罪にも問われないのだから、おかしい。

 学校内での「いじめ」を始め、子どもたちは加害者にも被害者にもなる。そうならないために、あるいはそうなってしまったときのために、役に立ちそうなある本が話題だ。8月20日に発売された『こども六法』(弘文堂)。出版されるや売り切れが相次ぎ、たちまち重版がかかった。

 

『こども六法』(弘文堂)
 『こども六法』は、子どもの生活に関係のある法律(刑法、刑事訴訟法、少年法、民放、民事訴訟法、日本国憲法、いじめ防止対策推進法)を、子どもにも理解しやすい言葉とイラストで表現した一冊。

 特徴のひとつは、見出しだけでどのような行為が法律違反にあたるかが分かるようになっていることだ。たとえば、刑法223条「強要」の見出しは<おどして何かをさせたらダメ!>、民法第709条「不法行為による損害賠償」は<他人のものを壊したら弁償しないといけないよ>。どちらも、いじめによくある加害行為である。

 教育研究者でミュージカル俳優でもある山崎聡一郎さんは、中学生時代に六法全書を読み、自分が受けたいじめが“法律違反”にあたることを知った。「当時の自分に法律の知識があれば、自分で自分の身を守れたのではないか」という思いから、子ども向けの法律書として『こども六法』の執筆に取り組んだ。

 

山崎聡一郎
藤田さん プロフ、記事前半の位置の識者タグにはこれだけにしてください。 山崎聡一郎 教育研究者、ミュージカル俳優、写真家。合同会社Art&Arts社長、慶應義塾大学SFC研究所所員。修士(社会学)。法と教育学会、日本学生法教育連合会正会員。

学校に浸透していない「いじめ防止対策推進法」
――山崎さんが『こども六法』を出版するきっかけは、小学生時代に経験したいじめ被害だったとのことですが、当時の様子を聞いてもいいでしょうか。

山崎:私に対するいじめのピークは小学校5年生のころでした。同級生の暴力によって、内見や打撲、左手首を骨折することもありましたが、いずれも学校は「軽い怪我」のように扱いました。

――クラス担任など学校関係者は、いじめを止めるためのアクションを取らなかったのですか。

山崎:多少はありました。しかし、いじめは基本的に教師の目のないところで行われるもので、僕がやられる時も教師のいないタイミングが多かったです。たまたま教師の目の前で行われた時は、教師が止めに入ってきました。

また、6年生に進級する時にクラス替えをし、いじめの加害者の子たち3人を別々のクラスにして、僕はその3人の誰もいないクラスになりました。

――では、6年生でいじめはなくなったのでしょうか。

山崎:いいえ、いじめ自体がなくなることは、結局最後までありませんでした。いじめから逃げる一番完璧な方法は転校だと思っていたのですが、教育委員会からも「学区の都合上できない」と言われたと両親から聞いています。結局、親に言われて中学受験をして、地元ではなく私立中学に進むことになりました。

当時の担任教師は、個人的には「ありえない」ですが、一般的な対応だと思います。もっとひどい先生も世の中に沢山いるので……。

――しかし2013年には「いじめ防止対策推進法」が施行されました。大人はいじめを受けている子どもを救い、いじめを防止する義務があるという法律です。『こども六法』にも載っていますよね。

山崎:「いじめ防止対策推進法」では、教師はいじめに対してどのように対処すべきかの基本が明記されています。以下はその内容の一部です(『こども六法』より)。

・学校は、いじめがあったことが確認された場合には、いじめをやめさせ、二度といじめが起きないようにするために、学校の先生が協力して、また専門家に協力してもらいながら、いじめを受けた子どもとその保護者に対するサポートを行い、またいじめをした子どもへの指導とその保護者に対するアドバイスを続けて行っていくこととします

・必要があるときは、いじめをした子どもを、いじめを受けた子どもが使う教室以外の場所で勉強させるなど、いじめを受けた子どもやその他の子どもたちが安心して教育を受けられるために必要な対応をします

・学校は、いじめ行為が犯罪として扱われるべきだと考えられたときは、近所の警察と協力して対応しなければいけません

――いじめを未然に予防するにはどうしたらいいのか、いじめが起きた時はどのように対応するのか、犯罪に相当するようないじめの場合は……など、実は全部法律で決まっているわけですね。

山崎:そうなんです。しかし残念ながら、「いじめ防止対策推進法」は間違いなく浸透していません。

――そう言い切れてしまうのですか?

山崎:はい。実際に現場の教師に話を聞いてみると、いじめ防止対策推進法について「知らない」「法律の名前は知っているけど具体的な中身はわからない」という回答が少なくありません。教師によってムラがかなりあります。

本来であれば「いじめ防止対策推進法」により、いじめの基本的な対応は日本全国で対応されているはずですが、法律通りにやっている教師もいれば、法律すら知らない教師もいる。そこで何が起きるかというと、学校の先生の経験ノウハウやいじめに対する考え方によって、対応が全く変わってしまうんです。

いじめに危機感を持っている教師が担任であればいいのですが、経験が浅かったり、いじめを軽視している教師が担任になった場合、いじめはずっと放置され、ひどい時はないことにされる。

もちろん、個々の子どもの境遇や性格に合わせて対応していくことも必要ですが、まずは、すべての教師が「いじめ防止対策推進法」の内容を理解し、実行することが急務です。

――「いじめ防止対策推進法」を周知させるにはどうしたらよいのでしょうか。

山崎:法律を知らない教師がいる一方で、「いじめ防止対策推進法」をしっかり実践している学校もあります。そうした模範となる事例をメディアで取り上げ、いじめは解決できるというイメージを共有することがひとつ、重要なことだと思います。

また、「いじめ防止対策推進法」というルールを現場に押し付けるだけでなく、法に則った対応をすることでいじめ問題の深刻化を防ぎ、教師たちの負担も少なくなるなど、学校側のメリットも伝えていくことも重要ではないでしょうか。

「相談できる大人は沢山いる」と強調した
――「いじめ防止対策推進法」が機能していないなど問題はありますが、日本の学校でいじめに対する対応がまったく進んでいないというわけではないのですよね。

山崎:進展はあります。文部科学省が調査している学校におけるいじめの認知件数は増えており、2017年には41万件を超え、2018年は54万件以上で過去最多を更新しました。一見、「いじめが増えている」と思われるかもしれませんが、そうではありません。

文部科学省は近年、「いじめはしっかり発見・対応しましょう」「いじめの認知件数が増えることは、いじめを発見・対応している証」という方針を強く打ち出しています。その結果、徐々にいじめの認知件数が増加したと見ることができます。

つまり、認知件数の増加は、しかるべき対応を取っている学校が増えたということです。それでもまだ、「いじめゼロ(認知件数0件)」に極めて近い学校も少なくありませんが……。

――いじめの認知件数がほぼ0件、ですか。

山崎:しかも1年間で、です。そんなわけがないと思いますが、そんなわけがあると主張する学校も少なくないのは、いじめ防止対策推進法ができていじめ防止基本方針が発表されてもまだ周知が足りていないということ。いじめ防止対策推進法どころか、その中のいじめの定義だけでさえ、どれだけ浸透しているか怪しいと私は思います。

――まず教育に携わる多くの大人たちに知ってほしいことですよね。また、もちろん教育関連の仕事ではない大人たちにも、法律の知識は必要です。法律の入門書や解説本など、大人向けの法律関連した本はたくさんありますが、そうした本をきちんと読み理解できる大人はわずかではないでしょうか。

山崎:大人でも「六法全書」を読んで理解することは難しいですよね。大人の方から「この本を読んで法律が勉強できた」という声もありました。また、「教室に置くべきだ」という感想も多く寄せられています。実は『こども六法』は、将来的に「どの学校の教室に1冊置けるものにしたい」という目標を持って制作した本なので、非常に嬉しく感じています。

「親子で読みたい」「子どもにプレゼントしたい」という反応のほか、高齢の方が「孫が3人いるから1人1人にプレゼントする」と3冊購入されたケース、また、「自分の母校に寄贈します」という方もいて、“子どもへのプレゼント”として広まっている印象もあります。

――『こども六法』は、年齢に関係なく誰もが理解しやすい言葉で書かれていますよね。「六法全書」をわかりやすくかみ砕くだけでなく、強いメッセージ性も感じます。

山崎:「相談できる大人は親と教師だけではない」という点は、とくに強調しました。子どもの一番身近な大人は親と教師ですが、彼らにいじめ相談をしても望むような対応をしてくれなかった場合、子どもは絶望を感じてしまいます。

しかし実際には、「大人」は親と教師だけでなく、大勢いるのです。警察や医師、児童相談所の職員といった大人に相談することもできます。「相談できる大人は沢山いる」ということを、言葉を換えながら、何度も繰り返し取り上げるようにしました。
あとは我々大人がこのメッセージを嘘にしないために努力し続けること、それがいじめ問題を少しずつ改善に向かわせていくと信じています。

――『こども六法』第7章の「いじめ防止対策推進法」では、「大人にはいじめから子どもを救いいじめをなくす義務がある!」とはっきり書かれてあり、いじめに苦しむ子どもにとっては心強い一文です。是非、多くの子どもたちの元に届いてほしいです。

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山崎聡一郎さん
小学校5年から6年にかけて左手首を骨折するほどの暴力を伴ういじめを受け、中学受験を決意。東京都私立桜丘中学校に進学するも、今度はいじめ加害者となり、いじめ被害の苦痛を知る自身が加害者となることはないと慢心していたことから衝撃を受ける。この経験からいじめ問題の複雑さと難しさを痛感し、いじめ問題への取り組みを決意。埼玉県立熊谷高等学校を経て慶應義塾大学総合政策学部に進学し、自身の経験を踏まえて「法教育を通じたいじめ問題解決」をテーマに研究活動を開始。学部3年時には英国オックスフォード大学に短期留学し、政治教育への演劇的手法の導入方法を学んで単位を取得。また、2019年に弘文堂より出版された『こども六法』の原型は、当時慶應義塾大学から研究奨励金を受給して作成した法教育副教材「こども六法」である。

学部卒業時には学位記授与学部総代に選出、卒業論文は優秀卒業プロジェクトに選定。その後一橋大学大学院社会学研究科修士課程を修了、現在は慶應義塾大学SFC研究所所員として研究活動を継続している。

ミュージカル俳優としての顔も持ち、劇団四季「ノートルダムの鐘」に出演するほか、自身でもコンサート等の興行を企画運営するなど多方面で活躍。それぞれ活動で相乗効果を発揮することを目指している。板橋区演奏家協会会員。

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