ダウンロード違法化だけじゃない! 今度は「リンク税」なんてのもやってくる!?

 ダウンロード違法化問題など著作権法改正の流れで、どんどん不自由になる感じのするインターネットの世界。今度は「リンク税」なるものが導入されるのではないかという、新たな脅威が囁かれている。

 このリンク税というのは、リンクしたニュース記事の抜粋を表示した企業に対して、使用料金の支払いを義務付けるというもの。つまり、さまざまなウェブ上のサービスで、議論になっている話題を取り上げたりするときに、リンクを貼るだけで請求書が届いたりする可能性があるのだ。

 そんな法制度が本当に導入されようとしているのがヨーロッパ。EUの改正著作権法指令案で、そんな条文が導入されようとしているのだ。もともと、これはGoogleなどがニュースにタダ乗りすることに対しての対抗策として示された法律案。ところが、実際には個人が運営するサイトなども対象となり、報道機関などのニュースにリンクを貼っただけで、使用料が発生することになってしまう。ともすれば、批評や検証を行うことを阻害してしまいかねない法律。ゆえに、反対派からはリンク税という呼称がなされているというわけだ。

 実際、EU内でも、この法律案に対する危惧はあり、昨年の欧州議会では一度否決されている。ただ、今後も否決に追い込めるかは明確ではない。

 そもそも、インターネットの特徴というのはリンクをたどって、次の情報へ次の情報へと移動し、次々とさまざまな世界がつながっていくことにある。そこに使用料を徴収するというのは、インターネットの根本的な原理を否定するようなものである。

 何よりも、使用料を恐れてリンクしないことによって、批評や検証が相当困難になることは間違いないだろう。

 どんどん不自由になるインターネットの世界。まさか、誰がこんなことを予測できただろうか。
(文=大居候)

モバイルコンテンツ審査・運用監視機構の事業終了で、ネットの世界は不自由になる?

 2008年の設立以来、携帯サイトへの過度な規制を防ぐ役割を果たしてきたモバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)が、来年の4月で事業を終了する。

 ネット環境の変化により、その役目を終えたとされるが、これは携帯サイトのみならず、インターネット全体に新たな不安を抱かせる問題となっている。

 EMAは、携帯電話で閲覧・利用されるコミュニティサイトなどに対して、運用や管理体制を審査・認定するほか、有害サイトへのアクセスを制限するフィルタリングの改善などに取り組む第三者機関である。

 設立当初は、各携帯電話会社が独自に行っていた青少年へのフィルタリングが過剰にならないように、歯止めをかけるなどの役割を担ってきた。

 ところが、近年になりスマートフォンが普及したことで、状況は一変。携帯サイトはほぼ姿を消し、フィルタリングをどう実施するかは、より煩雑な問題となった。

 こうした状況を受けて、EMAは大手携帯電話会社と体制の再編整備を協議してきたが、合意には至らず解散を検討することになったのである。

「すぐに、どうこうということはないでしょうが、将来的にこの事業打ち切りは間違った選択となるでしょう」

 そう話すのは、ネットの青少年保護制度に詳しい研究者。

「第三者機関がないということは、携帯電話会社各社が、青少年のスマホで閲覧してよいサイト、ダメなサイトを判断するわけです。とても不十分ですし、蓋然(がいぜん)性がない。結局は、Googleなりの判断基準が採用されることになります。ともすれば、日本人の感覚ではまったく問題ないサイトが、Google基準でNGになり、フィルタリングされてしまうというケースも十分想定されます」

 第三者機関の消滅で失われるのは、“青少年に有害か否かについての蓋然性の高い判断基準”というわけか。
(文=是枝了以)