故・高畑勲監督も苦笑い?『かぐや姫の物語』放送で“帝のアゴ祭り”再び!

 4月5日に逝去した高畑勲監督のアニメーション映画『かぐや姫の物語』が5月18日に『金曜ロードSHOW!』(日本テレビ系)で放送され、平均視聴率10.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した。

「2013年に公開された同作は、製作に8年を費やし、総製作費に50億円が投じられたとも。アカデミー賞長編アニメーション賞にもノミネートされ、惜しくも受賞は逃しましたが、昔話の『竹取物語』をベースにしながら実験的な手法を駆使した映像表現は、世界中から高く評価されています。TBSの宇垣美里アナウンサーも、ラジオ番組での監督の追悼特集で、女性への性差別的扱いを独自の視点で抉り取った高畑監督に感銘を受けたことを明かしています」(映画ライター)

 いま世界的に盛り上がっている#MeToo運動を先取りしていたとも受け取れることで、改めて高畑監督の偉大さがクローズアップされた形だ。

 一方、ネット上では“あの男”の再登場に異様な盛り上がりを見せたという。

「15年に地上波初放送となった際、物語の中盤で数々の求婚を断り続けるかぐや姫を見初めた帝(正式名称は御門)が登場するや、初見の視聴者は彼の長く尖った面白過ぎるアゴにクギ付けに。一気にトレンドを駆け上がり、リアルタイム検索では瞬間2万3,000近くがアゴについて触れたほどでした。今回も『アゴ様キター!』『これがウワサの帝のアゴですか』といったコメントが連打され、中にはアゴの角度を分度器で測った結果、67度を記録したという報告も上がっています。スタジオジブリ作といえば、『天空の城ラピュタ』(1986年)がテレビ放送された際、主人公のパズーたちが唱える滅びの言葉『バルス』に合わせて、視聴者たちがTwitterなどで一斉に『バルス』とつぶやく“バルス祭り”が有名ですが、今や“帝のアゴ祭り”はこれと双璧とも言われていますよ」(サブカル誌ライター)

 作品の意図とは離れたところでの大盛り上がりに、高畑監督は天国で苦笑いしているかも!?

故・高畑勲監督も苦笑い?『かぐや姫の物語』放送で“帝のアゴ祭り”再び!

 4月5日に逝去した高畑勲監督のアニメーション映画『かぐや姫の物語』が5月18日に『金曜ロードSHOW!』(日本テレビ系)で放送され、平均視聴率10.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した。

「2013年に公開された同作は、製作に8年を費やし、総製作費に50億円が投じられたとも。アカデミー賞長編アニメーション賞にもノミネートされ、惜しくも受賞は逃しましたが、昔話の『竹取物語』をベースにしながら実験的な手法を駆使した映像表現は、世界中から高く評価されています。TBSの宇垣美里アナウンサーも、ラジオ番組での監督の追悼特集で、女性への性差別的扱いを独自の視点で抉り取った高畑監督に感銘を受けたことを明かしています」(映画ライター)

 いま世界的に盛り上がっている#MeToo運動を先取りしていたとも受け取れることで、改めて高畑監督の偉大さがクローズアップされた形だ。

 一方、ネット上では“あの男”の再登場に異様な盛り上がりを見せたという。

「15年に地上波初放送となった際、物語の中盤で数々の求婚を断り続けるかぐや姫を見初めた帝(正式名称は御門)が登場するや、初見の視聴者は彼の長く尖った面白過ぎるアゴにクギ付けに。一気にトレンドを駆け上がり、リアルタイム検索では瞬間2万3,000近くがアゴについて触れたほどでした。今回も『アゴ様キター!』『これがウワサの帝のアゴですか』といったコメントが連打され、中にはアゴの角度を分度器で測った結果、67度を記録したという報告も上がっています。スタジオジブリ作といえば、『天空の城ラピュタ』(1986年)がテレビ放送された際、主人公のパズーたちが唱える滅びの言葉『バルス』に合わせて、視聴者たちがTwitterなどで一斉に『バルス』とつぶやく“バルス祭り”が有名ですが、今や“帝のアゴ祭り”はこれと双璧とも言われていますよ」(サブカル誌ライター)

 作品の意図とは離れたところでの大盛り上がりに、高畑監督は天国で苦笑いしているかも!?

最新版『ゲゲゲの鬼太郎』ねこ娘は菜々緒がモデル!? 意外と知られていない「アニメキャラ誕生秘話」

 国民的人気アニメの魅力的なキャラクターたちに、実は意外な誕生秘話が存在しているのをご存じだろうか。知られざるエピソードを紹介していこう。

 現在、話題となっているアニメが『ゲゲゲの鬼太郎』(フジテレビ系)だ。今回で第6期となる人気作品だが、ある主要キャラクターのルックスが激変したのだ。

 そのキャラクターとは、鬼太郎のガールフレンドである「ねこ娘」。今までは素朴でかわいらしい少女のイメージだったが、今回は8頭身のスレンダーな美女となっている。

 第2話で登場したところ、Twitterで“ねこ娘”がトレンド入りするほどの反響。まさに作戦成功といったところだが、実はこのねこ娘には意外なモデルがいるという。

「プロデューサーはインタビューにて、キャラクターデザインをどうするか話し合っていた時に『ねこ娘を菜々緒みたいにしたら』という意見が出ていたことを明かしています。初めはそのアイデアに懐疑的だったものの、出来上がったねこ娘をみて『面白い!』と考えが変わったとか」(アニメ制作会社社員)

 また、プロデューサーはインタビューにて、このねこ娘の案を水木プロに見せに行く時は、かなり緊張したとも語っている。しかし、結果は快諾ということで、信用してもらえたことに感動したと明かしているので、いい作品にするための挑戦をいとわない水木プロの懐の深さも称賛すべきだろう。

 また、ちびっ子からの人気No.1アニメ『それいけ!アンパンマン』(日本テレビ系)も、原作の誕生には紆余曲折があったという。マンガ家のやなせたかし氏により、アンパンマンの絵本が生み出されたのは1973年。しかし、実はそれから遡ること4年前に、普通のおじさんがおなかをすかせた人たちにアンパンを配るという内容の『アンパンマン』というタイトルの短編童話を出しているのだ。主人公は、人間ながら空を飛ぶことはできるものの、特に力が強いわけでもない、ヒーローには見えないキャラクターだったため、発売当時はまったく人気が出なかったという。この作品には、作者からの“飢えで苦しむ世界中の子どもたちが、アンパンでおなかを満たすことで世界平和に近づけば”という願いが込められていたものの、キャッチーさが足りないために子どもにウケずじまい。批評家や親、先生などからも酷評されていたのだというから興味深い。

 そして、日本が世界に誇る『ポケットモンスター』シリーズの人気キャラクター、ピカチュウにも知られざる秘密がある。ピカチュウは807種のポケモンのうちの一種だが、つぶらな瞳にぷくぷくほっぺなど、そのかわいらしいルックスで大人気となり、いまやポケモンを代表するキャラクター。ピカチュウというから、ピカピカ光るネズミなのかと思いきや、実はピカチュウのモデルは違う動物なのだとか。

「今月2日、読売新聞にて開発担当者が語ったインタビューによると、ピカチュウのモデルはネズミというより“リス”だそうです。ピカチュウのほっぺの赤い丸はリスのほお袋をイメージしていたり、存在感のあるしっぽもリスを参考にしたとか」(同)

 国民的キャラクターの意外な成り立ちエピソードの数々、あなたは知っていただろうか?

最新版『ゲゲゲの鬼太郎』ねこ娘は菜々緒がモデル!? 意外と知られていない「アニメキャラ誕生秘話」

 国民的人気アニメの魅力的なキャラクターたちに、実は意外な誕生秘話が存在しているのをご存じだろうか。知られざるエピソードを紹介していこう。

 現在、話題となっているアニメが『ゲゲゲの鬼太郎』(フジテレビ系)だ。今回で第6期となる人気作品だが、ある主要キャラクターのルックスが激変したのだ。

 そのキャラクターとは、鬼太郎のガールフレンドである「ねこ娘」。今までは素朴でかわいらしい少女のイメージだったが、今回は8頭身のスレンダーな美女となっている。

 第2話で登場したところ、Twitterで“ねこ娘”がトレンド入りするほどの反響。まさに作戦成功といったところだが、実はこのねこ娘には意外なモデルがいるという。

「プロデューサーはインタビューにて、キャラクターデザインをどうするか話し合っていた時に『ねこ娘を菜々緒みたいにしたら』という意見が出ていたことを明かしています。初めはそのアイデアに懐疑的だったものの、出来上がったねこ娘をみて『面白い!』と考えが変わったとか」(アニメ制作会社社員)

 また、プロデューサーはインタビューにて、このねこ娘の案を水木プロに見せに行く時は、かなり緊張したとも語っている。しかし、結果は快諾ということで、信用してもらえたことに感動したと明かしているので、いい作品にするための挑戦をいとわない水木プロの懐の深さも称賛すべきだろう。

 また、ちびっ子からの人気No.1アニメ『それいけ!アンパンマン』(日本テレビ系)も、原作の誕生には紆余曲折があったという。マンガ家のやなせたかし氏により、アンパンマンの絵本が生み出されたのは1973年。しかし、実はそれから遡ること4年前に、普通のおじさんがおなかをすかせた人たちにアンパンを配るという内容の『アンパンマン』というタイトルの短編童話を出しているのだ。主人公は、人間ながら空を飛ぶことはできるものの、特に力が強いわけでもない、ヒーローには見えないキャラクターだったため、発売当時はまったく人気が出なかったという。この作品には、作者からの“飢えで苦しむ世界中の子どもたちが、アンパンでおなかを満たすことで世界平和に近づけば”という願いが込められていたものの、キャッチーさが足りないために子どもにウケずじまい。批評家や親、先生などからも酷評されていたのだというから興味深い。

 そして、日本が世界に誇る『ポケットモンスター』シリーズの人気キャラクター、ピカチュウにも知られざる秘密がある。ピカチュウは807種のポケモンのうちの一種だが、つぶらな瞳にぷくぷくほっぺなど、そのかわいらしいルックスで大人気となり、いまやポケモンを代表するキャラクター。ピカチュウというから、ピカピカ光るネズミなのかと思いきや、実はピカチュウのモデルは違う動物なのだとか。

「今月2日、読売新聞にて開発担当者が語ったインタビューによると、ピカチュウのモデルはネズミというより“リス”だそうです。ピカチュウのほっぺの赤い丸はリスのほお袋をイメージしていたり、存在感のあるしっぽもリスを参考にしたとか」(同)

 国民的キャラクターの意外な成り立ちエピソードの数々、あなたは知っていただろうか?

『ポプテピピック』“声優のムダ遣い”じゃなかった!? “毎話交代”でも低コストのウラ事情

 「悪ノリがひどい」と言われつつも好意的にとられ、Twitterで世界トレンド入りするなど話題になったテレビアニメ『ポプテピピック』。

 メインの声優が毎話交代。しかもA・Bパートで違うことも大きな話題となり「声優代使いすぎだろ」と揶揄されていた同アニメ。しかし、本当に出演料は高かったのだろうか。

「深夜アニメ1話あたりの制作費は、どんなに高くても2000万円。そのうち、声優のギャラを含む音響制作費は100万円程度です。『ポプテピピック』も、その枠からはみ出しているわけではありません」(制作会社社員)

 「声優代使いすぎだろ」といわれながらも、声優のギャラは決して高くはないという証言。

 大御所クラスの声優が多数出演しているにもかかわらず、「声優代」を抑えることができるのは、なぜなのか。

 それは、声優は協同組合日本俳優連合(日俳連)が定めた「ランク」によって出演料が決まるからだ。

 このランクは「ジュニア」といわれる新人養成期間にはじまり、実績に応じてアップしていくわけだが、基本デビュー3年間の「ジュニア」は、1本あたり1万5000円。以降、「ランク16」で1万6000円、「ランク17」で1万7000円とアップしていく。ランクが上がれば、出演料もアップする。

 2014年に声優の金田朋子がフジテレビ系の『ジャネーノ!?』に出演した際に、自身のギャラを「ジュニア」時代の倍、すなわち、3万円程度とぶっちゃけて話題となった。これでも出演料は高いほうで、ランクが最高値になっても、1本あたりのギャラは4万5000円。その後は「ノーランク」として、言い値にすることができるが、このランクあたりの安さのせいで、大御所の野沢雅子でも、1本あたりのギャラは15万円程度だという。

 つまり『ポプテピピック』は、話題になるほど声優の無駄遣いをした割に、それほど制作費はかかっていないというわけだ。

 そんな中で、おいしい思いをしたのは、先行上映会など、関連するイベント出演をこなした声優たち。

「イベント出演のギャラは、アニメ本編とは別です。上坂すみれクラスだとイベントでは100万円くらいはもらえるんじゃないでしょうか。もっとも、事務所との交渉次第。つまり、言い値の世界なので詳細は謎ですけど……」(前同)

 2期も期待される『ポプテピピック』。野沢雅子の登場を待望する声もあったりするが、果たしてどうなるだろうか。
(文=隅田歌子)

『ポプテピピック』“声優のムダ遣い”じゃなかった!? “毎話交代”でも低コストのウラ事情

 「悪ノリがひどい」と言われつつも好意的にとられ、Twitterで世界トレンド入りするなど話題になったテレビアニメ『ポプテピピック』。

 メインの声優が毎話交代。しかもA・Bパートで違うことも大きな話題となり「声優代使いすぎだろ」と揶揄されていた同アニメ。しかし、本当に出演料は高かったのだろうか。

「深夜アニメ1話あたりの制作費は、どんなに高くても2000万円。そのうち、声優のギャラを含む音響制作費は100万円程度です。『ポプテピピック』も、その枠からはみ出しているわけではありません」(制作会社社員)

 「声優代使いすぎだろ」といわれながらも、声優のギャラは決して高くはないという証言。

 大御所クラスの声優が多数出演しているにもかかわらず、「声優代」を抑えることができるのは、なぜなのか。

 それは、声優は協同組合日本俳優連合(日俳連)が定めた「ランク」によって出演料が決まるからだ。

 このランクは「ジュニア」といわれる新人養成期間にはじまり、実績に応じてアップしていくわけだが、基本デビュー3年間の「ジュニア」は、1本あたり1万5000円。以降、「ランク16」で1万6000円、「ランク17」で1万7000円とアップしていく。ランクが上がれば、出演料もアップする。

 2014年に声優の金田朋子がフジテレビ系の『ジャネーノ!?』に出演した際に、自身のギャラを「ジュニア」時代の倍、すなわち、3万円程度とぶっちゃけて話題となった。これでも出演料は高いほうで、ランクが最高値になっても、1本あたりのギャラは4万5000円。その後は「ノーランク」として、言い値にすることができるが、このランクあたりの安さのせいで、大御所の野沢雅子でも、1本あたりのギャラは15万円程度だという。

 つまり『ポプテピピック』は、話題になるほど声優の無駄遣いをした割に、それほど制作費はかかっていないというわけだ。

 そんな中で、おいしい思いをしたのは、先行上映会など、関連するイベント出演をこなした声優たち。

「イベント出演のギャラは、アニメ本編とは別です。上坂すみれクラスだとイベントでは100万円くらいはもらえるんじゃないでしょうか。もっとも、事務所との交渉次第。つまり、言い値の世界なので詳細は謎ですけど……」(前同)

 2期も期待される『ポプテピピック』。野沢雅子の登場を待望する声もあったりするが、果たしてどうなるだろうか。
(文=隅田歌子)

『たまゆら』の聖地に見た“向上心を忘れた観光地”竹原市の行く末──観光協会と地元民の不協和音も

 もはや、どこにでも当たり前のように存在するようになったアニメの「聖地」。

 今回、たまたま訪れた広島県竹原市で見たのは、「聖地巡礼」ブームが去った後に、どうやってその“観光資源”を生かしていくかという問題であった。

 写真好きの女子高校生である沢渡楓を中心に女子高生たちの青春を描く『たまゆら』がOVAとしてリリースされたのは、2010年。翌11年からはテレビアニメが2期にわたって放送。その後、OVAで16年に完結した。

 それから2年あまり。竹原市は「訪れてみたい日本のアニメ聖地」にもセレクトされている。でも、普段の竹原の市街地には、賑わいは見られない。駅を一歩出ると広がるのは、営業している店のほうが少ない商店街。そんな駅前のロータリーにある観光協会の建物に掲げられた『たまゆら』のイラストも、すでに輝きを失っている……。

 正直「大丈夫か?」と感じながら、観光協会で街の観光スポットを尋ねてみた。

 中にいた観光協会の職員が勧めたのは、駅から少し歩いたところにある「町並み保存地区」。古くから製塩などで栄えた竹原は「安芸の小京都」と呼ばれる土地だったという。そんな歴史を聞いた後に『たまゆら』の話題をふると、職員は『たまゆら』の舞台をガイドマップでまとめたパンフレットを渡してくれた。

 すでに作品の完結から、少し時間がたってしまったが、まだアニメファンは訪れるのだろうか。そのことを尋ねると……。

「イベントの時なんかは、まだたくさん来てくれますよ」

 この竹原はNHKの連続テレビ小説『マッサン』の舞台にもなった土地。でも、観光協会でしきりに推されたのは『マッサン』よりも『たまゆら』のほうだった。

 実際、アニメの聖地となったことのインパクトは大きかったのだろう。シャッターばかりが続く商店街には、あらゆるところに『たまゆら』のポスターやPOPなどが掲げられているのだ。その商店街を抜けた先にある道の駅には『たまゆら』の特設コーナーまで設けられている。

 でも、作品の舞台となったロケーションが数多くある町並み保存地区に入ると、風景はガラリと変わる。そこまでは、あちこちにあった『たまゆら』の絵も文字も、まったく目にすることがなくなるのだ。

 そのあたりで地元の人に話を聞くと、さまざまな問題が見えてきた。それは、メインの観光地である町並み保存地区の人々の、『たまゆら』なり『マッサン』を推す観光協会への不信感。

「土日は、そこそこ観光客が来るけど……ぜんぜん、お金を落とさない」

 ある商店の人は、吐き捨てるようにいう。

 しかし、どうだろう。この、町並み保存地区というところ、確かに町並みは保存されている。でも、観光客がお金を落としそうなところが極端に少ない。数件の飲食店を除けば、資料館くらいだろうか。

 正直、街の経済が沈滞しているからこそなのか、町並みの保存状態はよい。でも、このような町並みは、全国のあちこちに存在する。ほかに観光客が押し寄せる要素はどこにもない。『たまゆら』は、そうした沈滞ムードを打破する要素と成り得たのに、それは果たせなかった。

 歩けば寂しさばかりがつのる観光地の行く末が、気になった。
(文=昼間たかし)

『たまゆら』の聖地に見た“向上心を忘れた観光地”竹原市の行く末──観光協会と地元民の不協和音も

 もはや、どこにでも当たり前のように存在するようになったアニメの「聖地」。

 今回、たまたま訪れた広島県竹原市で見たのは、「聖地巡礼」ブームが去った後に、どうやってその“観光資源”を生かしていくかという問題であった。

 写真好きの女子高校生である沢渡楓を中心に女子高生たちの青春を描く『たまゆら』がOVAとしてリリースされたのは、2010年。翌11年からはテレビアニメが2期にわたって放送。その後、OVAで16年に完結した。

 それから2年あまり。竹原市は「訪れてみたい日本のアニメ聖地」にもセレクトされている。でも、普段の竹原の市街地には、賑わいは見られない。駅を一歩出ると広がるのは、営業している店のほうが少ない商店街。そんな駅前のロータリーにある観光協会の建物に掲げられた『たまゆら』のイラストも、すでに輝きを失っている……。

 正直「大丈夫か?」と感じながら、観光協会で街の観光スポットを尋ねてみた。

 中にいた観光協会の職員が勧めたのは、駅から少し歩いたところにある「町並み保存地区」。古くから製塩などで栄えた竹原は「安芸の小京都」と呼ばれる土地だったという。そんな歴史を聞いた後に『たまゆら』の話題をふると、職員は『たまゆら』の舞台をガイドマップでまとめたパンフレットを渡してくれた。

 すでに作品の完結から、少し時間がたってしまったが、まだアニメファンは訪れるのだろうか。そのことを尋ねると……。

「イベントの時なんかは、まだたくさん来てくれますよ」

 この竹原はNHKの連続テレビ小説『マッサン』の舞台にもなった土地。でも、観光協会でしきりに推されたのは『マッサン』よりも『たまゆら』のほうだった。

 実際、アニメの聖地となったことのインパクトは大きかったのだろう。シャッターばかりが続く商店街には、あらゆるところに『たまゆら』のポスターやPOPなどが掲げられているのだ。その商店街を抜けた先にある道の駅には『たまゆら』の特設コーナーまで設けられている。

 でも、作品の舞台となったロケーションが数多くある町並み保存地区に入ると、風景はガラリと変わる。そこまでは、あちこちにあった『たまゆら』の絵も文字も、まったく目にすることがなくなるのだ。

 そのあたりで地元の人に話を聞くと、さまざまな問題が見えてきた。それは、メインの観光地である町並み保存地区の人々の、『たまゆら』なり『マッサン』を推す観光協会への不信感。

「土日は、そこそこ観光客が来るけど……ぜんぜん、お金を落とさない」

 ある商店の人は、吐き捨てるようにいう。

 しかし、どうだろう。この、町並み保存地区というところ、確かに町並みは保存されている。でも、観光客がお金を落としそうなところが極端に少ない。数件の飲食店を除けば、資料館くらいだろうか。

 正直、街の経済が沈滞しているからこそなのか、町並みの保存状態はよい。でも、このような町並みは、全国のあちこちに存在する。ほかに観光客が押し寄せる要素はどこにもない。『たまゆら』は、そうした沈滞ムードを打破する要素と成り得たのに、それは果たせなかった。

 歩けば寂しさばかりがつのる観光地の行く末が、気になった。
(文=昼間たかし)

忘れられた文化をもう一度発掘する歴史研究書『オリジナルビデオアニメ(OVA)80’S: テープがヘッドに絡む前に』

 現代につながる日本のカルチャーが勃興した1980年代。想像以上に多くのアニメが世に送り出されていたのは、ご存じだろうか。

 OVA(オリジナルビデオアニメ)と呼ばれる、セルとレンタルのみで発表される作品群がそれだ。ちなみに、一時はOVAとOAV(オリジナルアニメビデオ)という呼称が混在。アニメ雑誌ごとに表記が違ったりして「どちらが、正しい」なんてネタの記事もあったが、いつの間にかOVAに統一された。

 しかし、山のように生み出されたOVAは、今では観賞できる機会も少ない。そんな名作から迷作までがあふれるOVAをさまざまな角度から捉えたのが、出版ワークスから発売中の『オリジナルビデオアニメ(OVA)80’S: テープがヘッドに絡む前に』だ。

 これは、歴史の片隅で忘れ去られようとしているOVA作品の数々を、おそらくは初めて網羅し、一作ごとに解説した画期的な書籍である。

 この本の意義や、OVA作品群の価値は、どこにあるのだろうか。

「こうした本に掲載することによって、こんなによい作品が、観賞することができないという問題を提起したいと思ったんです」

 そんな熱い言葉を述べるのは、執筆者の一人である東北芸術工科大学基盤教育センター教授の吉田正高氏である。

 この本、既に読んだ人は気づいているだろうが多くの作品を網羅しているものの、ジャケ写などの写真資料は少ない。

「すでに権利者が不明になっている作品も多いのです。今回も当初は、掲載を考えたのですが権利者が不明のために載せにくくて……」

 それを補完すべく、吉田氏は自身のTwitterで多くの作品のジャケ写を公開し、自らまとめている。

80年代オリジナルビデオアニメ(OVA)の旅 ~『ダロス』から『のりピーちゃん』まで~
https://togetter.com/li/1202416

 ここのジャケ写でもわかるように、今となってはいったいどういう会社だったのかもわからない発行元も多い。つまり、それまでアニメとは無縁だった会社が製作に乗り出したのが、OVAが隆盛した理由の一つだ。

「80年代半ばに、家庭用ビデオデッキの普及に伴って、レンタル店が急増しました。それと共に、レンタルするコンテンツも必要になりました。それが、隆盛の大きな理由なんです」

 ある意味では、粗製濫造。でも、その中にはいまだに、当時、OVAを見ていた人が語り継ぐ作品もある。すなわち、決して駄作ばかりではないのだ。

「その時代のメルクマールになる作品は、今でも取り上げられることがあります。けれども『なんとなく面白かった作品』は忘れられてしまいがちです。でも、そうした中には、今見直すと面白いものが多いんですよ」

 上記のまとめでも写真で紹介されているが、吉田氏はレンタル落ちの中古などを必死に買い集め、誰も覚えていないような作品までも丁寧に観賞している。そんな人が「面白いものが多い」というのだから、説得力があるのは間違いない。

 もともとは、歴史学を学び、コンテンツ文化史学会も立ち上げた吉田氏の口からは、こんな言葉も。

「時代がたってから評価される作品というのは、多いんです。最近は、こうしたOVAの上映会を開催する話も出ていますが、この本によって、作品の評価が上がるのではないかとも期待しています」

 そんな吉田氏の興味はOVAだけにとどまらない。今後は、アダルトジャンルのアニメや、Vシネ以前のオリジナル実写作品などにも研究の対象を広げようとしている。

 単なるサブカル的な珍品発掘や批評とは違う歴史的背景を伴ったオリジナルビデオの本格的な研究が、これからは進んでいくのだろうか。
(文=昼間たかし)

 この取材の直後、吉田氏は急逝されました。ご冥福をお祈りいたします。

また調整能力のなさが露呈……『ブギーポップは笑わない』緒方剛志氏の怒りは電話一本ですんだハズ

 待望のアニメ化が話題となっている『ブギーポップは笑わない』。その盛り上がりに水を差す騒動になっているのが、原作小説でイラストを担当している緒方剛志氏の怒りのツイートだ。これをめぐって、またぞろKADOKAWAの調整能力のなさに呆れる声が出ている。

 この問題の発端となったのは、アニメ化が発表された直後からの緒方氏の一連のツイートだ。

 * * *

 * * *

 緒方氏は「僕は一ミリも仕事をさせていただいていない」などと発言。さらに、ティザービジュアルが公開されると「てめー誰だ。一回も見たこともない。家にコピー紙一枚、JPEG一枚来たこともない絵が公式とか言ってて笑う。笑わないのに」と激怒のツイートを繰り返したのだ。

 緒方氏の怒りの原因は、アニメ化にあたり、まったく携わることができていないこと。現在公開されているスタッフ一覧では、緒方氏は「原作イラスト」と表記。キャラクターデザインには澤田英彦氏の名前がクレジットされている。澤田氏はマッドハウスに所属し『ワンパンマン』の作画監督などを担当してきた人物。今回が初のキャラクターデザインでの参加となっている。

 どうも20年あまり読み継がれた名作のアニメ化でありながら、緒方氏本人は何ひとつ関わらせてもらえていない怒りが爆発した様子だ。

「もちろん原作のイラストレーターがアニメに口を出す権利なんてありません。とはいえ、緒方氏はキャリアも長いですし、作品もラノベ史上に名高い名作。当初注目されたのは、緒方氏のイラストも大きな要因でした。なのに、1ミリもアニメに関われないとなれば、あまりいい気分じゃないでしょう。編集者にはそれを察知して、話くらいつけておく余裕がなかったんでしょうか。またKADOKAWAか……と思ってます。電話の1本でもしておけばよかったのに、していなかったんでしょうか?」(あるラノベ編集者)

 なお、緒方氏の記した「ねじ式のキャラがわたせせいぞうの世界に来た気分」の作品は、江口寿史氏の短編集『江口寿史の爆発ディナーショー』(双葉社)に収録された「わたせの国のねじ式」で読めることは、記しておきたい。
(文=特別取材班)